| 【発明の名称】 |
電子写真感光体用支持体、それを用いた電子写真感光体とその製造方法、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジ |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 雅人
【氏名】池上 孝彰
【氏名】杉野 顕洋
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| 【要約】 |
【課題】繰返使用時の耐キズ性に優れ、生産性、及びリサイクル性を考慮し、かつ低コストな電子写真感光体用支持体及び感光体ドラム、また、その電子写真感光体用支持体を使用した電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】導電性支持体ドラム上に感光層を設けてなるドラム型電子写真感光体において、該導電性支持体ドラムが下記式を満たす、電気メッキ法により形成された中空ニッケルドラムであることを特徴とする電子写真感光体用支持体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 導電性支持体ドラム上に感光層を設けてなるドラム型電子写真感光体において、該導電性支持体ドラムが下記式を満たす、電気メッキ法により形成された中空ニッケルドラムであることを特徴とする電子写真感光体用支持体。 【数1】
[ 式中、d:ニッケルドラムの肉厚(mm)、φ:ニッケルドラムの直径(mm)] 【請求項2】 ニッケルドラムの肉厚が0.12mm以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体用支持体。 【請求項3】 ニッケルドラムの直径が60mm以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体用支持体。 【請求項4】 導電性材料を円筒状にし、この表面に感光層を設けた感光部材と支持・駆動力を伝達する為のフランジ部材を有した電子写真用感光体ドラムにおいて、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体支持体を用いたことを特徴とする感光体ドラム。 【請求項5】 ニッケルドラムの内径に対し、フランジ圧入部外径が0〜0.03mm大きいことを特徴とする請求項4記載の感光体ドラム。 【請求項6】 感光体ドラムと接触する部材の位置決めに感光体ドラム表面にコロを突き当てる場合、このコロに相当する位置に円筒形状を有するフランジを組み付けたことを特徴とする請求項4又は5記載の感光体ドラム。 【請求項7】 フランジが圧入されない円筒状基材のスペースに、弾性体を巻き付けた軸上部材を挿入することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の感光体ドラム。 【請求項8】 感光体ドラムの軸状部材の両端をフランジ部材を貫通させたことを特徴とする請求項7記載の感光体ドラム。 【請求項9】 アース部材の材壁に金属蒸着したPETフィルム、PET繊維を使用することを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の感光体ドラム。 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のニッケルドラムを用いたことを特徴とする電子写真感光体。 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載のニッケルドラムを用いたドラム型電子写真感光体において、感光層成膜後に、端部を切断除去することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 【請求項12】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り返し行う電子写真方法において、該電子写真感光体が請求項10記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真方法。 【請求項13】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項10記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。 【請求項14】 少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項10記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリッジ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電気メッキ法により形成された中空ニッケルドラムによる電子写真感光体用支持体及び感光体ドラムに関し、さらに詳しくは繰り返し使用時の耐キズ性に優れ、生産性、及びリサイクル性を考慮し、かつ低コストな電子写真感光体用支持体及び感光体ドラムに関する。また、その電子写真感光体用支持体を使用した電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジに関する。 【0002】 【従来の技術】電子写真感光体は基本的に導電性支持体上に感光層を設けて構成されるが、その形状としては、円筒状ドラム、ベルト状等種々のものがある。その中でもアルミニウム/又はその合金からなる円筒状ドラムは、現在、主流として用いられている。 【0003】一方、近年、電子写真方式の複写機、プリンターにおいては、大量の画像を迅速に形成できること、メインテナンスに手間がかからないことなどが要請されており、これに対応するためには、感光体の高耐刷化が不可欠であるが、有機系の感光体には、無機系の感光体に比べて機械的特性が弱く、繰り返し使用すると摩耗しやすい、傷つきやすいという欠点がある。 【0004】このような欠点を改善するため、種々の検討が行われている。電荷輸送物質の量を減らすと、摩耗量は減少するが、感光特性は劣化する。別の手段として、電荷輸送層のバインダーの分子量を増加すると摩耗量は減少するが、塗布液の粘度が上昇するため、塗布の段階でタレやムラなどの欠陥が生じやすくなる。また最近では無機フィラーや潤滑性粒子を電荷輸送層や表面に設けた保護層に分散させる方法が考案されているが、粒子によって入射光が散乱されるため、感度が大きく劣化したり、塗布液中の分散粒子が放置しておくと沈降するなどの欠点があり、感光特性、塗布性等の特性を損なわずに機械特性を改善させた電子写真用感光層は得られていないのが現状である。 【0005】一方、近年のカラー化に加えて高画質化の要求は電子写真用感光層のより一層の均一化形成を必要としている。電子写真用感光層の形成方法としては最も一般的には浸漬塗布方法により形成されている。浸漬塗布とは塗布液を満たした容器に被塗布体を浸漬し、液面に対し一定の塗布速度で被塗布体を引上げることにより、被塗布体上に塗膜を形成する方法であり、比較的容易に塗膜を形成することができるが、原理的に塗布上端からの液ダレ及び塗工下端の液溜まり現象は避けられない問題である。 【0006】このような問題を改善するため、例えば、電荷輸送層の塗工液粘度や固形分を最適化したり、塗布速度を変化させる、複数回塗布する等の試みが行われているが、未だ十分な品質のものが得られていないのが現状である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記従来の問題点を解決するものである。したがって、本発明の目的は、繰り返し使用時の耐キズ性に優れ、生産性、及びリサイクル性を考慮し、かつ低コストな電子写真感光体用支持体及び感光体ドラム、また、その電子写真感光体用支持体を使用した電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題に関し鋭意検討を行った結果、導電性支持体ドラムとして中空ニッケルドラムを電子写真感光体用支持体として用いることで、耐キズ性、更には耐摩耗性、耐刷性を大幅に向上できることを見いだし、本発明を完成するに至った。 【0009】すなわち、導電性支持体ドラム上に感光層を設けてなるドラム型電子写真感光体において、該導電性支持体ドラムが下記式を満たす、電気メッキ法により形成された中空ニッケルドラムを電子写真感光体用支持体として用いることを特徴とする。 【0010】 【数2】
[ 式中、d:ニッケルドラムの肉厚(mm)、φ:ニッケルドラムの直径(mm)] 【0011】さらには、中空ニッケルドラムを電子写真感光体用支持体として用いることで、電子写真用感光層形成後でも支持体加工が容易となる。すなわち予め十分な大きさの中空ニッケルドラムを用意すれば、従来の問題であった浸漬塗布法における塗布上端からの液ダレ及び塗工下端の液溜まり部位を簡単に切断除去でき、これまでにない均一な膜厚を有する電子写真感光体を簡単に得ることが可能となる。加えて、形状記憶性を有しつつ、ある程度の可撓性を持たせることが可能であって、従来のアルミニウム/又はその合金からなる円筒状ドラムに比較すれば、格段に支持体材料であるニッケル片として単離させ易く、非常にリサイクル性にも優れている。 【0012】本発明の中空ニッケルドラムは電気メッキを利用して形成される。該ドラムの機械特性はメッキ液の温度、電流密度、メッキ液濃度等を調整することにより制御されるが、中でもメッキ液の温度は得られるドラムの硬度と密接な関係があり、特に40℃以上が好ましい。メッキ液の温度が40℃未満であるとベルト端部の割れが生じたりして好ましくない。以下、図1を参照しながら本発明の電子写真感光体の中空ニッケルドラム及び感光層の製造方法について説明する。図1は中空ニッケルドラムを電気メッキにより形成する装置の概略を示したものである。円筒状マンドレル1は電気メッキ槽2中に軸6を介して絶縁性の支持部7により垂直に吊り下げられている。円筒状マンドレル1の外表面はクロム又はステンレス鋼等の金属から成り、内表面はテフロン(登録商標)等の絶縁性部材から成る。電気メッキ槽2はメツキ液3で満たされており、メッキ液3の温度は30〜70℃が好ましい。ニッケル片4は円筒状マンドレル1を囲む様に設けられた陽極バスケット5内に配置されている。円筒状マンドレル1は絶縁性のプーリ8、エンドレスベルト9及びモーター10により3〜60rpmで回転可能となっている。 電気メッキ電流は直流電源12から電気メッキ槽2へ供給される。このため、直流電源12の正極は陽極バスケット5に、陰極は電極11、導電性の軸6を介して円筒状マンドレルの外表面に接続されている。 メッキ液としてはスルファミン酸ニッケルが一般的に使用される。 【0013】中空ニッケルドラムの肉厚はメッキ時の電流密度とメッキ時間の積によって決まるが、中空ニッケルドラム自体に必要な耐トルク特性から、下記式を満たす肉厚に調整する必要がある。 【0014】 【数3】
[ 式中、d:ニッケルドラムの肉厚(mm)、φ:ニッケルドラムの直径(mm)] 【0015】上記式を満たさない場合には、中空ニッケルドラムの耐トルク(ねじれ)特性が不足して、電子写真装置内に搭載した際の駆動負荷に耐えることが不十分となる。 【0016】一方、本発明の中空ニッケルドラムの肉厚は厚ければ厚いほど、より耐トルク特性の向上が期待できるが、これは前出の製造方法からわかるようにメッキ時間、すなわち生産性に直接影響を及ぼす因子であって、必要以上に肉厚を厚く調整することは現実性に乏しく、コスト的にも好ましくない。また、本発明の目的である耐キズ性、更には耐摩耗性、耐刷性への効果の点、及び電子写真感光層形成後の加工容易性とリサイクル性を加味すると、0.120mm以下であることが好ましい。また、以上の点から、中空ニッケルドラムの直径は60mm以下が実用的なものである。 【0017】次に感光層について説明する。 単層型電子写真感光体において、感光層はCdS、CdSe、Se、色素増感されたZnOなどの無機光導粉体やフタロシアニン、アゾ系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料等の有機顔料、ポリビニルカルバゾール、オキサゾール系誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−スチルベン誘導体、ジフェノキノン誘導体等の電荷輸送物質及び結着剤樹脂を適当な有機溶媒に分散した塗工液を塗布して製造される。 【0018】下引き層、電荷発生層、電荷輸送層から成る積層型電子写真感光体とした場合、下引き層はポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルイミダゾール、エチルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、カゼイン、ゼラチン等の熱可塑性樹脂、フェノール、尿素樹脂、メラミン、アニリン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化スズ等の無機顔料が分散されたものから構成される。 ここで用いられる溶媒はシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、モノクロルベンゼン、メタノール、エタノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が好ましい。 下引き層の膜厚は0.1〜30μm好ましくは0.3〜20μm程度である。 【0019】電荷発生層は電荷発生物質のみから形成されていても、あるいは電荷発生物質がバインダー中に均一に分散されて形成されていてもよい。電荷発生物質は、従って、これら成分を適当な溶剤中に分散し、これを下引き層上に塗布し、乾燥することにより形成される。 電荷発生物質としては例えばシーアイピグメントブルー25(カラーインデックス(CI)21180)、シーアイピグメントレッド41(CI 21200)、シーアイアシッドレッド52(CI 45100)、シーアイベーシックレッド3(CI 45210)などの他に、ポルフィリン骨格を有するフタロシアニン系顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、スチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−138229号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133455号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132547号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17734号公報に記載)、カルバゾール骨格を有するトリスアゾ顔料(特開昭57−195767号公報、同57−195758号公報に記載)等、更にはシーアイピグメントブルー16(CI 74100)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI 73410)、シーアイバットダイ(CI 73030)等のインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB(バイオレット社製)、インダンスレンスカーレットR(バイエル社製)等のペリレン系顔料、スクエアリック顔料等の有機顔料:Se、Se合金、CdS、アモルファスSi等の無機顔料を使用することができる。 バインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。バインダー樹脂の量は電荷発生物質100重量部に対し5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部が適当である。 ここで用いられる溶媒としてはテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロエタン、エチルセロソルブ等又はこれらの混合溶媒が好ましい。 電荷発生層の平均膜厚は0.01〜2μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。 【0020】電荷輸送層は電荷移動物質、バインダー樹脂及び必要ならば可塑剤、レベリング剤を適当な溶剤に溶解し、これを電荷発生層上に塗布し乾燥することにより形成される。 電荷輸送物質としてはポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルピラゾリン類、α−スチルベン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。 バインダー樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。 電荷輸送層を形成するための溶剤としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、モノクロルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの混合溶剤が好ましい。電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。また、電荷輸送層上に保護層を設けても良い。この保護層は結着剤樹脂中に金属又は金属酸化物の超微粉末を分散した層で形成することができる。結着剤樹脂としては可視及び赤外光に対して実質上透明で電気絶縁性、機械的強度、接着性に優れたものが望ましい。例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルクロライド樹脂、環化ブタジエンゴム、フッ素樹脂等を用いることができる。金属粉末としては、金、銀、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、金属酸化物としては酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化アンチモン、酸化インジウム等が使用できる。 保護層の結着樹脂と金属又は金属酸化物の組成比は材料の組み合せによっても異なるが、結着剤樹脂100重量部に対し金属あるいは金属酸化物を5〜500重量部の範囲で用いる。 保護層の膜厚は必要に応じて0.5〜30μmの間に設定することができる。 【0021】次に本発明の感光体ドラムについて図2〜7を参照しながら説明する。ニッケルの積層にて制作された薄物の円筒状基材の表面に感光層を設け、この両端にフランジ部材を圧入・接着にて固定する。又、フランジ部材の少なくとも1つには、円筒状基材と導通が得られるアース板を有している(図2参照)。 【0022】Ni円筒状基材の内径(d)に対し、フランジ部材の圧入・接着用外径を、0〜+0.03mm(d+0〜0.03=D)とすることにより(図3参照)Ni素管の変形を画像品質に影響でないレベルにおさえる事ができる。 【0023】又、ドラム周辺の部材の位置決めをドラムにコロを当て実施する場合、フランジ部材の圧入・接着用外径部とほぼ同じ径のコロ受け部を有したフランジを使用し、現像ローラのGap決め等が可能である(図4参照)。このコロに相当する位置に円筒部材をもったフランジを使用しているので、Ni素管の変形を画像品質に影響しないレベルにおさえる事ができる。 【0024】フランジが圧入されない円筒状基材のスペースに、ゴム、発泡材質の弾性体を巻き付けNi円筒基材内に挿入することにより、感光体ドラムに当接する部材による変形を画像品質に影響しないレベルにおさえる事ができる(図5参照)。又、この感光体ドラムの軸上部材を延長し、両端のフランジを貫通させる。この軸に、軸とフランジ部材が連れ回りするため回り止め機能(Dロット等)を付け、片方のフランジに発生したトルクをNi円筒状基材にかけず、他方のフランジに伝達することにより、Ni素管に対するフランジの耐トルクを補う事ができる(図6参照)。 【0025】更に感光体ドラムに金属蒸着したPETフィルム/繊維を用いたアース部材を採用することにより、アース部材接触によるNi素管の変更を画像品質に影響しないレベルにおさえる事ができる(図7)。 【0026】図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。図8は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。図8において、感光体21は本発明の中空ニッケルドラム上に感光層が設けられてなる。帯電チャージャ23、転写前チャージャ27、転写チャージャ30、分離チャージャ31、クリーニング前チャージャ33には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。また、画像露光部25、除電ランプ22等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。かかる光源等は、図8に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。さて、現像ユニット26により感光体21上に現像されたトナーは、転写紙29に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体21上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ34およびブレード35により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。 【0027】以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。 【0028】以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図9に示すものが挙げられる。感光体36は、本発明の中空ニッケルドラム上に感光層を有してなるものである。 【0029】 【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を挙げて説明する。 作成例1第1図の電気メッキ装置において長さ420mmのステンレス鋼製円筒状マンドレルを用いて下記表1のメッキ液組成及びメッキ条件で肉厚を変化させた中空ニッケルドラムA、B,C,D,E,F,G,Hを作成した。 (メッキ液組成) 60%スルファミン酸ニッケル液(日本化学産業製) 450g/l 臭化ニッケル(日本化学産業製) 5g/l 硼酸(関東化学製) 30g/l 添加剤(NSF−E 日本化学産業製) 5cc/l(メッキ条件) 浴温度 :50℃ 電流密度:5.0A/dm2【0030】 【表1】
この様にして作成した中空ニッケルドラムを円筒状マンドレルから取り外し、長さ340mmに切断した後、イオン交換水(伝導度1×10-6Ω/cm以下)中で5分間超音波洗浄を行なった。 【0031】実施例1作成例1で作成した中空ニッケルドラム[A]上に、下記組成の下引層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次、浸漬塗布・乾燥して各々3μmの下引層、0.5μmの電荷発生層、25μmの電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真感光体を作成した。 [下引層塗工液] オイルフリーアルキッド樹脂 (大日本インキ化学製:ベッコライトM6401) 15部 メラミン樹脂 10部 (大日本インキ化学製:スーパーベッカミンG−821) 10部 二酸化チタン(石原産業(株)製:タイペークR−670) 50部 2−ブタノン 40部[電荷発生層塗工液] Y型チタニルフタロシアニン 5部 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学製、エスレックBM−S) 5部 テトラヒドロフラン 300部[電荷輸送層塗工液] 4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1−ベンジル−1− フェニルヒドラゾン 7部 ポリカーボネート(三菱瓦斯化学社製ユーピロンZ−200) 10部 シリコーンオイル(信越シリコーン社製KF50) 0.02部 テトラヒドロフラン 50部【0032】比較例1作成例1で作成した中空ニッケルドラム[B]を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の電子写真感光体を作成した。 【0033】実施例2作成例1で作成した中空ニッケルドラム[C]を用いた以外は、実施例1同様にして実施例2の電子写真感光体を作成した。 【0034】実施例3作成例1で作成した中空ニッケルドラム[D]を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を作成した。 【0035】比較例2直径30mm、長さ340mmのアルミニウム製ドラム上に、実施例1と同様にして中間層、電荷発生層、電荷輸送層を浸漬塗工法により順次形成して、比較例2の電子写真感光体を作成した。 【0036】比較例3作成例1で作成した中空ニッケルドラム[E]を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例3の電子写真感光体を作成した。 【0037】実施例4作成例1で作成した中空ニッケルドラム[F]を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を作成した。 【0038】実施例5作成例1で作成した中空ニッケルドラム[G]を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作成した。 【0039】実施例6作成例1で作成した中空ニッケルドラム[H]を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作成した。 【0040】以上のようにして得られた実施例1、2、3、及び比較例1、2の電子写真感光体を図9に示す電子写真用プロセスカートリッジに装着した後、画像形成装置[画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)]に、実施例4、5、6、及び比較例3の電子写真感光体を図8に示す電子写真用プロセス[画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)]に装着し、20,000枚連続印刷による耐久試験を行った。結果を表2に示す。 【0041】 【表2】
【0042】作成例2作成例1の中空ニッケルドラム[B]において、円筒状マンドレルから取り外して、イオン交換水(伝導度1×10-6Ω/cm以下)中で5分間超音波洗浄を行ない、中空ニッケルドラム[I]を作成した。 【0043】実施例7作成例2で作成した中空ニッケルドラム[I]を用いた以外は、実施例1と同様にして中間層、電荷発生層、電荷輸送層を浸漬塗工法により順次形成した後、両端から40mmを切断して、実施例7の電子写真感光体を作成した。 【0044】以上のようにして得られた実施例7、及び実施例2の電子写真感光体の電荷輸送層を各々剥離し、触針式の膜厚計にて、電荷輸送層の長さ方向の膜厚分布を評価した。結果を図10に示す。 【0045】 【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明の支持体、また、その電子写真感光体用支持体を使用した電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真方法、電子写真装置、電子写真装置用プロセスカートリッジは、繰返使用時の耐キズ性に優れ、生産性、及びリサイクル性を考慮し、かつ低コストなものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成12年4月24日(2000.4.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078994 【弁理士】 【氏名又は名称】小松 秀岳 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−305769(P2001−305769A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−122846(P2000−122846) |
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