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【発明の名称】 モジュール構成型画像形成装置
【発明者】 【氏名】木下 晋一

【氏名】高野 昌泰

【氏名】石川 恭輔

【氏名】山添 信行

【要約】 【課題】システム全体で最適なスケジューリングを行い、生産性の向上を図ること、シームの有る中間転写体を用いて画像を形成する際の生産性の向上、及び異なるサイズの記録紙に対して連続して画像を形成する際の生産性の向上を図ること。

【解決手段】記録紙上に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段に接続された複数のモジュールとを備えるモジュール構成型画像形成装置であって、画像形成手段は、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を生成する基準信号生成手段を備え、画像形成手段及び各モジュールは、基準信号に基いてタイミング制御を行う構成を採る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 記録紙上に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段に接続された複数のモジュールとを備えるモジュール構成型画像形成装置であって、前記画像形成手段は、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を生成する基準信号生成手段を備え、前記画像形成手段及び前記各モジュールは、前記基準信号に基いてタイミング制御を行うことを特徴とするモジュール構成型画像形成装置。
【請求項2】 前記基準信号に基いてシートスケジューリングを行い、ページ情報を作成するスケジューリング手段と、前記基準信号を各モジュールへ配信する基準信号配信手段と、前記ページ情報を前記画像形成手段及び各モジュールに送信し、当該ページの実行が可能であるかどうかを問い合わせるページ実行問い合わせ手段と、前記基準信号が所定回数送信される時間内にすべてのモジュールから当該ページの実行が可能である旨の応答を受信した場合にのみすべてのモジュールに当該ページの実行を指示するページ実行指示手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項3】 前記ページ実行指示手段は、前記画像形成装置及び前記各モジュールの少なくとも1つから当該ページの実行が不可能である旨の応答を受信した場合、又は前記基準信号が所定回数送信される時間内に前記画像形成装置及び前記各モジュールのいずれか1つから応答を受信しなかった場合は、前記基準信号が所定回数送信された後、前記スケジューリング手段に再度シートスケジューリングを行いページ情報を作成すべき旨の指示を与えることを特徴とする請求項2記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項4】 前記ページ実行指示がなされてから記録紙への画像転写がなされるまでに要する実行開始時間が最も大きいモジュールの前記実行開始時間を保持し、この実行開始時間を前記画像形成手段及び前記各モジュールに通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項2記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項5】 前記通知手段は、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある給紙モジュールと、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある画像形成エンジンとの間で、前記ページ実行指示から記録紙への画像転写が開始されるまでに要する時間を実行開始時間として保持し、この実行開始時間を前記画像形成手段及び各モジュールに通知することを特徴とする請求項4記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項6】 前記通知手段は、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある給紙モジュールと、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある記録紙後処理モジュールとの間で、記録紙の搬送に要する時間を実行開始時間として保持し、この実行開始時間を前記画像形成手段及び各モジュールに通知することを特徴とする請求項4記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項7】 中間転写体にシームが存在する場合、このシームが画像転写位置に到達するタイミングはどの基準信号に該当するかを検出し、この検出に基づき、記録紙に対する処理中にシームが画像転写位置に到達すると判断したときは、シーム通過直後の基準信号を受信したときにこの記録紙に対する処理を開始するようにスケジューリングを変更するスケジューリング手段を備えることを特徴とする請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項8】 異なるサイズの記録紙を連続して搬送する際、先行紙に対する処理と後行紙に対する処理とが重ならない最小の時間間隔となるように、先行紙のサイズに対応する周期の先行紙処理信号と、後行紙のサイズに対応する周期の後行紙処理信号とを前記基準信号に基づいて生成し、前記先行紙処理信号の整数倍の時間間隔で先行紙を搬送すると共に、前記後行紙処理信号の整数倍の時間間隔で後行紙を搬送するようにスケジューリングを行うスケジューリング手段を備えることを特徴とする請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項9】 前記基準信号生成手段は、感光体エンコーダクロックに基いて前記基準信号を生成することを特徴とする請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項10】 前記基準信号生成手段は、転写ベルトエンコーダクロックに基いて前記基準信号を生成することを特徴とする請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項11】 前記基準信号生成手段は、レーザスキャン同期信号に基いて前記基準信号を生成することを特徴とする請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置。
【請求項12】 前記基準信号生成手段は、タイマ信号に基いて前記基準信号を生成することを特徴とする請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給紙モジュール、記録紙後処理モジュール等を備えたモジュール構成型画像形成装置に関し、特に、基準信号に基いてスケジューリングを行うモジュール構成型画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特願平7−10358号公報に、モジュール型に構成された画像形成装置において、用紙処理単位の繰り返し時限でスケジューリングを行う技術が提案されている。この従来技術では、所定の周期的時限において、コピー用紙にイメージが形成されるようにする仕上げステーションを含む複数のイメージ処理資源と、これら資源のそれぞれに電気的に相互接続されて、該イメージ処理資源の動作を管理するためのコントローラ・シーケンサを備え、該シーケンサが、仕上げステーションを含む各資源に対して、同時準備完了ステータス要求信号を送り、各資源が、シーケンサに対して準備完了または非準備完了応答信号を送り返し、各資源の準備完了または非準備完了信号に基づいて、コントローラが、周期的に、周期的時限またはピッチをスキップし、資源が同期的に準備完了ステータスになれる構成を採っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、画像形成装置本体と各モジュールとの間では、生産性等に違いがあるため、シートスケジューリングをスキップさせる必要があるが、上記の従来技術では、用紙処理単位でシートスケジューリングを行っているため、1回スキップすると最低でもイメージ1枚分の時間が空いてしまい、生産性が大きく低下してしまう。
【0004】また、画像形成装置本体は、画像形成プロセスの制約から所定の基準信号に基づいてタイミング制御を行わなければならないが、従来技術では、モジュールには用紙処理単位の繰り返し時限だけが通知されていなかったため、システム全体で画像形成プロセスに合わせた最適なタイミング制御を行うことができなかった。
【0005】一方、近年のカラー画像形成装置では、記録紙の上に4色の画像を直接重ねていくのではなく、中間転写体上で4色の画像を重ねて、これを記録紙に一度に転写する中間転写方式が多く採用されている。この中間転写体には、シーム(つなぎ目)が有るものと無いものとがあり、シームの無い中間転写体を用いると自由に記録紙搬送のスケジューリングを行うことができるため、生産性を向上させることができるが、シームの無い中間転写体は高価であるため、コストを削減する必要のある画像形成装置ではシームの有る中間転写体を採用せざるを得ない。
【0006】シームの有る中間転写体を用いる場合、シームの位置には画像を形成することができないため、中間転写体を整数分割した間隔で基準信号を生成し、この基準信号に従って処理を行う方式が多く採用されている。
【0007】しかし、このような方式では、中間転写体の整数分割により生じる間隔と記録紙サイズが適合しない場合、スケジューリング間隔が最適な間隔から離れてしまい、生産性が低下してしまう問題がある。
【0008】また、カラー画像形成装置では、4色の画像の色合わせを行うために、記録紙サイズに対応した間隔の基準信号をトリガとして内部動作のスケジューリングを行う方式が多く採用されている。この基準信号は、画像を重ね合わせるために精度が要求され、装置機構若しくは電子回路により発生する周期に基づいて生成される。画像形成装置内部では、この基準信号に基づいて処理を行っている。
【0009】従来、このような画像形成装置において異なるサイズの記録紙に対して連続して画像形成を行う場合には、先行紙の処理がすべて終了するまでは先行紙のサイズに対応した基準信号をトリガとして先行紙に対する処理を行い、その後、後行紙のサイズに対応した基準信号に切換えて後行紙に対する処理を行っている。
【0010】しかし、このような画像形成装置では、本来先行紙に対する処理と平行して後行紙に対する処理の開始を行うことができるにもかかわらず、先行紙に対する基準信号を後行紙に対する基準信号に切換えるまで後行紙に対する処理を行うことができない。その結果、画像形成の生産性が低下してしまう。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、生産性が異なる複数のモジュールから構成された画像形成装置において、システム全体で最適なスケジューリングを行い、生産性を向上させることを目的とする。また、シームの有る中間転写体を用いて画像を形成する際の生産性の向上、及び異なるサイズの記録紙に対して連続して画像を形成する際の生産性の向上を図ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置の発明は、記録紙上に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段に接続された複数のモジュールとを備えるモジュール構成型画像形成装置であって、画像形成手段は、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を生成する基準信号生成手段を備え、画像形成手段及び各モジュールは、基準信号に基いてタイミング制御を行う構成を採る。
【0013】このように、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を単位としてタイミング制御を行うため、用紙処理単位よりも短い時間間隔で画像形成手段及び各モジュールのタイミング制御を行うことができる。その結果、従来のように、用紙処理単位でタイミング制御を行っていた場合に生じていた空白時間を有効に活用することができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置において、基準信号に基いてシートスケジューリングを行い、ページ情報を作成するスケジューリング手段と、基準信号を各モジュールへ配信する基準信号配信手段と、ページ情報を画像形成手段及び各モジュールに送信し、当該ページの実行が可能であるかどうかを問い合わせるページ実行問い合わせ手段と、基準信号が所定回数送信される時間内にすべてのモジュールから当該ページの実行が可能である旨の応答を受信した場合にのみすべてのモジュールに当該ページの実行を指示するページ実行指示手段とを備える構成を採る。
【0015】このように、画像形成手段とすべてのモジュールとが実行可能であるかどうかの問い合わせと、当該ページの実行指示とを基準信号に基づいて行うことができるため、従来のように、用紙処理単位でシートスケジューリングを行っていた場合に生じていた空白時間を有効に活用することができ、生産性の向上を図ることが可能となる。また、この基準信号は、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔を有するため、従来存在した無駄な待ち時間が解消され、システム全体で画像形成プロセスに合わせた最適なタイミング制御を行うことが可能となる。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項2記載のモジュール構成型画像形成装置において、ページ実行指示手段は、画像形成装置及び各モジュールの少なくとも1つから当該ページの実行が不可能である旨の応答を受信した場合、又は画像形成装置及び各モジュールのいずれか1つから基準信号が所定回数送信される時間内に応答を受信しなかった場合は、基準信号が所定回数送信された後、スケジューリング手段に再度シートスケジューリングを行いページ情報を作成すべき旨の指示を与える構成を採る。
【0017】このように、本発明では、画像形成装置及び各モジュールの少なくとも1つから当該ページの実行が不可能である旨の応答を受信した場合、又は画像形成装置及び各モジュールのいずれか1つから基準信号が所定回数送信される時間内に応答を受信しなかった場合は、基準信号が所定回数送信された後、再度シートスケジューリングを行い、従来のような用紙処理単位でのシートスケジューリングは行わない。このため、用紙処理単位でのシートスケジューリングで生じていた無駄な時間が解消され、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項2記載のモジュール構成型画像形成装置において、ページ実行指示がなされてから記録紙への画像転写がなされるまでに要する実行開始時間が最も大きいモジュールの実行開始時間を保持し、この実行開始時間を画像形成手段及び各モジュールに通知する通知手段を備える構成を採る。
【0019】このように、実行開始時間を画像形成手段及び各モジュールに通知するので、ページ実行指示がなされてから記録紙への画像転写がなされるまでに要する実行開始時間が最も大きいモジュールに合わせたタイミング制御を行うことが可能となる。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項4記載のモジュール構成型画像形成装置において、通知手段は、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある給紙モジュールと、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある画像形成エンジンとの間で、ページ実行指示から記録紙への画像転写が開始されるまでに要する時間を実行開始時間として保持し、この実行開始時間を画像形成手段及び各モジュールに通知する構成を採る。
【0021】このように、実行開始時間を画像形成手段及び各モジュールに通知するので、ページ実行指示がなされてから記録紙への画像転写がなされるまでに要する実行開始時間が最も大きい給紙モジュールと画像形成エンジンとに合わせたタイミング制御を行うことが可能となる。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項4記載のモジュール構成型画像形成装置において、通知手段は、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある給紙モジュールと、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある記録紙後処理モジュールとの間で、記録紙の搬送に要する時間を実行開始時間として保持し、この実行開始時間を画像形成手段及び各モジュールに通知する構成を採る。
【0023】このように、実行開始時間を画像形成手段及び各モジュールに通知するので、ページ実行指示がなされてから記録紙への画像転写がなされるまでに要する実行開始時間が最も大きい給紙モジュールと記録紙後処理モジュールとに合わせたタイミング制御を行うことが可能となる。
【0024】請求項7記載の発明は、請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置において、中間転写体にシームが存在する場合、このシームが画像転写位置に到達するタイミングはどの基準信号に該当するかを検出し、この検出に基づき、記録紙に対する処理中にシームが画像転写位置に到達すると判断したときは、シーム通過直後の基準信号を受信したときにこの記録紙に対する処理を開始するようにスケジューリングを変更するスケジューリング手段を備える構成を採る。
【0025】このように、中間転写体のシーム位置がどの基準信号に該当するのかを予想し、シームに記録紙に対する処理が重なる場合はシーム直後の基準信号からその記録紙の処理を開始するようにスケジューリングすることによって、シームの有る中間転写体を用いた場合であっても画像を形成する際の生産性の向上を図ることが可能となる。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置において、異なるサイズの記録紙を連続して搬送する際、先行紙に対する処理と後行紙に対する処理とが重ならない最小の時間間隔となるように、先行紙のサイズに対応する周期の先行紙処理信号と、後行紙のサイズに対応する周期の後行紙処理信号とを基準信号に基づいて生成し、先行紙処理信号の整数倍の時間間隔で先行紙を搬送すると共に、後行紙処理信号の整数倍の時間間隔で後行紙を搬送するようにスケジューリングを行うスケジューリング手段を備える構成を採る。
【0027】このように、先行紙処理信号と後行紙処理信号との関係を先行紙に対する処理と後行紙に対する処理とが重ならない最小の間隔となるようにスケジューリングをするので、異なるサイズの記録紙に対して連続して画像を形成する際の生産性の向上を図ることが可能となる。
【0028】請求項9記載の発明は、請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置において、基準信号生成手段は、感光体エンコーダクロックに基いて基準信号を生成する構成を採る。
【0029】請求項10記載の発明は、請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置において、基準信号生成手段は、転写ベルトエンコーダクロックに基いて基準信号を生成する構成を採る。
【0030】請求項11記載の発明は、請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置において、基準信号生成手段は、レーザスキャン同期信号に基いて基準信号を生成する構成を採る。
【0031】請求項12記載の発明は、請求項1記載のモジュール構成型画像形成装置において、基準信号生成手段は、タイマ信号に基いて基準信号を生成する構成を採る。
【0032】これらの構成により、予め保持している周期的な信号に基づいて基準信号を生成することができるため、新たにクロックを提供する手段を設ける必要が無く、コストの低減を図ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0034】図1は、本発明の一実施の形態に係るモジュール構成型画像形成装置の概略構成図である。図1に示すように、本モジュール構成型画像形成装置は、スケジューラ1、通信ライン2、3、及び4、によってスケジューラ1に相互接続された、給紙装置5、後処理装置6と、画像形成装置本体7に設けられたマイクロピッチ生成部8とを備える。
【0035】スケジューラ1は、マイクロピッチ生成部8が生成する基準信号に基いてシートスケジューリングを行い、ページ情報を作成すると共に、基準信号を給紙装置と後処理装置へ配信する。さらに、作成したページ情報を画像形成装置本体、給紙装置及び後処理装置に送信し、当該ページの実行が可能であるかどうかを問い合わせる。スケジューラ1は、基準信号が所定回数送信される時間内に給紙装置及び後処理装置から当該ページの実行が可能である旨の応答を受信した場合にのみ給紙装置及び後処理装置に当該ページの実行を指示する。
【0036】また、画像形成装置本体7に設けられたマイクロピッチ生成部8は、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を生成する。給紙装置5、後処理装置6、及び画像形成装置本体7は、マイクロピッチ生成部8が生成する基準信号に基いてタイミング制御を行う。なお、マイクロピッチ生成部8は、感光体エンコーダクロック、転写ベルトエンコーダクロック、レーザスキャン同期信号、及びタイマ信号に基いて基準信号を生成する構成を採ることができる。これにより、予め保持している周期的な信号に基づいて基準信号を生成することができるため、新たにクロックを提供する手段を設ける必要が無く、コストの低減を図ることができる。
【0037】次に、以上のように構成されたモジュール構成型画像形成装置の動作について図2を参照して説明する。マイクロピッチ生成部8が基準信号を生成すると(ステップS1)、ページカウンタから1を減じる(ステップS2)。ページカウンタが0となったかどうかを判断し(ステップS3)、0でない場合は、ステップS2へ移行する。ステップS3において、ページカウンタが0である場合は、ページ情報を作成する(ステップS4)。次に、作成したページ情報を各モジュール、すなわち、給紙装置5と後処理装置6とに通知し、当該ページの実行が可能であるかを問い合わせる(ステップS5)。応答を待って(ステップS6)、すべてのモジュール、すなわち、給紙装置5と後処理装置6、及び画像形成装置本体7から当該ページの実行が可能である旨の応答を受けたかどうかを判断し(ステップS7)、給紙装置5、後処理装置6、画像形成装置本体7の少なくとも1つから当該ページの実行が不可能である旨の応答を受信した場合、又は画像形成装置及び各モジュールのいずれか1つから基準信号が所定回数送信される時間内に応答を受信しなかった場合は、ページカウンタを1として(ステップS8)、終了する。一方、ステップS7において、給紙装置5と後処理装置6、及び画像形成装置本体7から当該ページの実行が可能である旨の応答を受けた場合は、プレートピッチを「Enable」として(ステップS9)、終了する。
【0038】一方、これらの処理と平行に、以下の処理が行われる。マイクロピッチ生成部8から基準信号を受信すると(ステップT1)、プレートピッチが「Enable」であるかどうかを判断する(ステップT2)。プレートピッチが「Enable」でない場合は、そのまま終了する。一方、プレートピッチが「Enable」である場合は、給紙装置5、後処理装置6、及び画像形成装置本体7に実行指示を与える(ステップT3)。次に、ページカウンタをページサイズ分として(ステップT4)、終了する。
【0039】図3は、このような基準信号に基づくスケジューリングの概念図である。縦の細かい線が、マイクロピッチ生成部8が生成する基準信号である。ページnに対して実行可能であるかどうかが問い合わされたが、11番目の基準信号の時に実行可能でない応答がなされた。このため、基準信号の時間間隔毎にスケジューリングをし直して、12番目から17番目までの基準信号の間、問い合わせが繰り返されている。17番目の基準信号における問い合わせに対して実行可能である応答があった場合は、39番目の基準信号があったときにこのページnに対する処理が開始される。
【0040】このように、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を単位としてタイミング制御を行うため、用紙処理単位よりも短い時間間隔で画像形成装置本体及び給紙装置等の各モジュールのタイミング制御を行うことができる。その結果、従来のように、用紙処理単位でタイミング制御を行っていた場合に生じていた空白時間を有効に活用することができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0041】また、画像形成装置本体と給紙装置等のモジュールとが実行可能であるかどうかの問い合わせと、当該ページの実行指示とを基準信号に基づいて行うことができるため、従来のように、用紙処理単位でシートスケジューリングを行っていた場合に生じていた空白時間を有効に活用することができ、生産性の向上を図ることが可能となる。また、この基準信号は、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔を有するため、従来存在した無駄な待ち時間が解消され、システム全体で画像形成プロセスに合わせた最適なタイミング制御を行うことが可能となる。
【0042】さらに、画像形成装置本体及び給紙装置等の各モジュールの少なくとも1つから当該ページの実行が不可能である旨の応答を受信した場合、又は画像形成装置及び各モジュールのいずれか1つから基準信号が所定回数送信される時間内に応答を受信しなかった場合は、基準信号が所定回数送信された後、再度シートスケジューリングを行い、従来のような用紙処理単位でのシートスケジューリングは行わない。このため、用紙処理単位でのシートスケジューリングで生じていた無駄な時間が解消され、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0043】なお、ページ実行指示がなされてから記録紙への画像転写がなされるまでに要する実行開始時間が最も大きいモジュールの実行開始時間を保持し、この実行開始時間を給紙装置5、後処理装置6、及び画像形成装置本体7に通知する構成を採ることも可能である。ページ実行指示がなされてから記録紙への画像転写がなされるまでに要する実行開始時間が最も大きいモジュールに合わせたタイミング制御を行うためである。
【0044】具体的には、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある給紙装置と、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある画像形成エンジンとの間で、ページ実行指示から記録紙への画像転写が開始されるまでに要する時間を実行開始時間として保持し、この実行開始時間を画像形成手段及び各モジュールに通知する構成を採っても良い。
【0045】また、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある給紙装置と、記録紙への画像転写位置から最も遠い距離にある記録紙後処理装置との間で、記録紙の搬送に要する時間を実行開始時間として保持し、この実行開始時間を画像形成手段及び各モジュールに通知する構成を採っても良い。
【0046】このように、実行開始時間を給紙装置5、後処理装置6、及び画像形成装置本体7に通知すると、ページ実行指示がなされてから記録紙への画像転写がなされるまでに要する実行開始時間が最も大きい給紙装置と画像形成エンジン、又は給紙装置と記録紙後処理装置とに合わせたタイミング制御を行うことが可能となる。
【0047】次に、中間転写体にシームが存在する場合の処理について図4乃至図6を参照して説明する。
【0048】図4及び図5は、従来の方式による処理スケジューリングを示す図であり、図6は、本実施の形態に係る処理スケジューリングを示す図である。シームが存在する中間転写体を用いる場合、シームの位置には画像を形成することができないため、図4及び図5に示すように中間転写体を整数分割した間隔で基準信号を生成し、この基準信号に従って処理を行う。図4では、A4Lサイズの記録紙に対して処理を行うため、中間転写体を4等分して基準信号を作成している。図5では、B4Sサイズの記録紙に対して処理を行うため、中間転写体を2等分して基準信号を作成している。しかし、従来の方法では、図5に示すように、中間転写体の整数分割により生じる間隔と記録紙サイズとが適合しない場合、先行紙の処理が終わった後、しばらく空白時間が生じるため生産性が低下してしまう。
【0049】本実施の形態に係る処理スケジューリングでは、図6に示すように、マイクロピッチ生成部8が生成する基準信号に基づいて、シームの位置を予測する。すなわち、図6に示す処理基準信号60は、B4Sサイズの記録紙に対する処理を行うための信号であるが、これは、マイクロピッチ生成部8が生成する基準信号に基づいて決められている。図6に示すように、処理基準信号60は、基準信号7つ分の時間間隔をもって発生しているが、3回目の処理基準信号を発しても、シームに重なるため、記録紙に画像を形成することができない。このため、基準信号4つ分の時間間隔をずらして処理基準信号60を発生させている。
【0050】このように、中間転写体のシーム位置がどの基準信号に該当するのかを予想し、シームに記録紙に対する処理が重なる場合はシーム直後の基準信号からその記録紙の処理を開始するようにスケジューリングすることによって、シームの有る中間転写体を用いた場合であっても画像を形成する際の生産性の向上を図ることが可能となる。
【0051】次に、異なるサイズの記録紙に対して連続して画像を形成する場合の処理について、図7乃至図10を参照して説明する。図7及び図8は、従来の方式による処理スケジューリングを示す図である。従来の方式では、処理基準信号を1つしかもっていない。このため、記録紙のサイズが異なる場合には、先行紙の処理がすべて終了するまでは先行紙のサイズに対応した処理基準信号に基づいて先行紙に対する処理を行う。その後、後行紙のサイズに対応した処理基準信号に切換えて後行紙に対する処理を行っている。従って、本来先行紙に対する処理と平行して後行紙に対する処理の開始を行うことができるにもかかわらず、先行紙に対する基準信号を後行紙に対する基準信号に切換えるまで後行紙に対する処理を行うことができない。その結果、画像形成の生産性が低下してしまう。
【0052】図7に示すように、先行紙のための処理基準信号70が3つ発生し、先行紙に対する処理が開始された後で、後行紙に対する処理基準信号71が発生する。後行紙に対する最初の処理基準信号71が発生してから後行紙に対する最初の処理が開始されるまで、図7中、Aの時間を要する。このため、Aの時間分空白があくこととなる。
【0053】図8は、各サイズの記録紙に対して処理を行う場合の搬送状態を示す図である。あるサイズの1枚の記録紙を搬送する時間間隔の整数倍が、処理基準信号の時間間隔に適合する場合、すなわち図8の■及び■の場合は、空白時間は生じないが、1枚の記録紙を搬送する時間間隔の整数倍が処理基準信号の時間間隔と適合しない場合、すなわち図8の■及び■の場合は、無駄な空白時間が生じてしまう。
【0054】これに対し、本実施の形態では、異なるサイズの記録紙を連続して搬送する際、先行紙に対する処理と後行紙に対する処理とが重ならない最小の時間間隔となるように、先行紙のサイズに対応する周期の先行紙処理信号と、後行紙のサイズに対応する周期の後行紙処理信号とを基準信号に基づいて生成し、先行紙処理信号の整数倍の時間間隔で先行紙を搬送すると共に、後行紙処理信号の整数倍の時間間隔で後行紙を搬送するようにスケジューリングを行う。
【0055】図9は、本実施の形態に係るスケジューリングを示す図である。後行紙に対する最初の処理基準信号91が発生してから後行紙に対する最初の処理が開始されるまで、図9中Aの時間を要するのは図7に示す従来方法と同じであるが、先行紙に対する処理と後行紙に対する処理とが重ならない最小の時間間隔となるように先行紙処理信号90と後行紙処理信号91とをスケジューリングしている。このため、後行紙に対する最初の処理基準信号91が発生してから後行紙に対する最初の処理が開始されるまで、図9中Aの時間を要しても、実際には先行紙に対する処理が終了してから基準信号1つ分の時間間隔をおくだけで後行紙の処理が開始されることとなる。
【0056】図10は、各サイズの記録紙に対して処理を行う場合の搬送状態を示す図である。あるサイズの1枚の記録紙を搬送する時間間隔の整数倍が、処理基準信号の時間間隔に適合する場合、すなわち図8の■及び■の場合は、空白時間は生じない。また、1枚の記録紙を搬送する時間間隔の整数倍が処理基準信号の時間間隔と適合しない場合であっても、本実施の形態では基準信号に基づいてスケジューリングを行うため、空白時間は生じない。
【0057】このように、先行紙処理信号と後行紙処理信号との関係を先行紙に対する処理と後行紙に対する処理とが重ならない最小の間隔となるようにスケジューリングをするので、異なるサイズの記録紙に対して連続して画像を形成する際の生産性の向上を図ることが可能となる。
【0058】以上のように、本実施の形態では、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を単位としてタイミング制御を行うため、用紙処理単位よりも短い時間間隔で画像形成手段及び各モジュールのタイミング制御を行うことができる。その結果、従来のように、用紙処理単位でタイミング制御を行っていた場合に生じていた空白時間を有効に活用することができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0059】なお、以上の説明では、給紙装置5及び後処理装置6は画像形成装置本体7とは別体のものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、給紙部や後処理部が画像形成装置本体に一体である構成を採ることも可能である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るモジュール構成型画像形成装置は、記録紙上に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段に接続された複数のモジュールとを備えるモジュール構成型画像形成装置であって、画像形成手段は、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を生成する基準信号生成手段を備え、画像形成手段及び各モジュールは、基準信号に基いてタイミング制御を行う構成を採る。
【0061】このように、搬送可能な最小サイズの記録紙へ画像を転写する時間よりも短い時間間隔の基準信号を単位としてタイミング制御を行うため、用紙処理単位よりも短い時間間隔で画像形成手段及び各モジュールのタイミング制御を行うことができる。その結果、従来のように、用紙処理単位でタイミング制御を行っていた場合に生じていた空白時間を有効に活用することができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成12年3月14日(2000.3.14)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外1名)
【公開番号】 特開2001−265191(P2001−265191A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−70522(P2000−70522)