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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】中嶋 章代

【要約】 【課題】低コストでクリーニング性能が高く、小型で簡素な構造のクリーニングユニットを備えた画像形成装置を提供すること。

【解決手段】クリーニングユニット10のファーブラシやバイアスローラなどからなるクリーニング部材11と、金属ローラ等からなる接触帯電部材14とを、一つのクリーニングユニットケース15に配設した構成とする。これにより、クリーニング部材11及び接触帯電部材14を、上記中間転写体としての中間転写ベルト16に対して、一つの接離機構により同時に接離させることができるようになり、該中間転写ベルトクリーニングユニット10の構造が簡素化される。また、該クリーニング部材11及び接触帯電部材14を駆動する駆動系や制御系の構成部品の多くも共用できるようになり、該クリーニング部材11と接触帯電部材14とを個別に配設した場合よりも、該接離機構の駆動トルクが低減され、制御回路設計等の面でも有利となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】像担持体上に形成されたトナー像が転写材上に転写された後、該像担持体に接触し且つトナーの帯電極性とは反対極性のバイアスが印加されて、該像担持体上に残留した転写残トナーをクリーニングするクリーニング部材と、上記像担持体に対して上記クリーニング部材よりも手前側の部位で接離するように構成され、上記転写残トナーのクリーニング時に、該像担持体に接触し且つ該クリーニング部材に印加されたバイアスとは逆極性のバイアスが印加される接触帯電部材とをを備えた画像形成装置において、上記クリーニング部材と上記接触帯電部材とを一つのクリーニングユニットに配設したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】上記クリーニング部材によりクリーニングされた転写残トナーを回収するためのクリーニング部材用のトナー回収容器と、上記接触帯電部材によりクリーニングされた転写残トナーを回収するための接触帯電部材用のトナー回収容器とを備えた請求項1の画像形成装置において、上記クリーニング部材用のトナー回収容器と、上記接触帯電部材用のトナー回収容器とを、一つのトナー回収容器で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】上記像担持体が回転自在に張架された無端状ベルトで構成され、該像担持体を挟んで上記クリーニング部材に対向するように配置されたクリーニング部材用の対向ローラと、該像担持体を挟んで上記接触帯電部材に対向するように配置された接触帯電部材用の対向ローラとを備えた請求項1又は2の画像形成装置において、上記クリーニング部材用の対向ローラと上記接触帯電部材用の対向ローラとを、一つの対向ローラで構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記接触帯電部材を導電性ブラシで構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記接触帯電部材を導電性ローラで構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】請求項5の画像形成装置において、上記接触帯電部材の表面に離型性の高い被膜をコーティングしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、上記クリーニング部材により上記転写残トナーをクリーニングする際に、該クリーニング部材にDC成分にAC成分を重畳したバイアスを印加することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機・レーザービームプリンタ・ファクシミリ等の画像形成装置に関し、詳しくは、電子写真方式により像担持体上に形成されたトナー像が転写材上に転写された後の該像担持体上に残留した転写残トナーをクリーニングするクリーニング部材と、上記クリーニングユニットのクリーニング部材により上記転写残トナーをクリーニングする前に、上記像担持体に接触して該転写残トナーを帯電させる接触帯電部材とを有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式により画像形成を行うカラー画像形成装置としては、(1).感光体上で露光現像を繰り返して該感光体上にカラートナー像を形成した後、該カラートナー像を用紙などの転写材に一括転写して画像形成する画像形成装置。
(2).転写ドラム上に用紙などの転写材を巻き付け、感光体上に形成した各色のトナー像を該転写材上に一色ずつ重ね合わせながら転写して、該転写材上にカラートナー像を形成した後、該用紙を転写ドラムから剥離して画像形成する画像形成装置。
(3).感光体上に形成した各色のトナー像を中間転写体上に一色ずつ重ね合わせながら転写(一次転写)して、該中間転写体上にカラートナー像を形成した後、該カラートナー像を用紙などの転写材に一括転写(二次転写)して画像形成する画像形成装置。等が知られている。上記(3)の中間転写体を用いた画像形成装置は、比較的高画質の画像形成が行えること・多種多様な用紙に対して画像形成が可能なこと等の利点がある。
【0003】この種の画像形成装置においては、像担持体としての上記感光体あるいは中間転写体上に形成されたトナー像が転写材上に転写された後、この像担持体上に残留した転写残トナーをクリーニングする必要がある。この転写残トナーをクリーニングする方式としては、ブレード方式、ブラシ方式、ローラ方式などが一般的に用いられている。ブレード方式は、ゴムブレードのような弾性体ブレードからなるクリーニング部材により転写残トナーを機械的に掻き落とすクリーニング方式である。ブラシ方式は、ファーブラシなどのブラシローラからなるクリーニング部材を回転させながら転写残トナーに接触させると同時に、該ブラシローラに転写残トナーと逆極性のバイアスを印加して、トナーを機械的・電気的に除去するクリーニング方式である。ローラ方式は、転写残トナーと逆極性のバイアスを印加した金属ローラ等の導電性のバイアスローラからなるクリーニング部材を転写残トナーに接触させて、転写残トナーを電気的に除去するクリーニング方式である。
【0004】ところで、この種の画像形成装置のクリーニング部材としては、構成の簡素さや低コスト等の観点からみれば、前記ブレード方式のクリーニング部材を用いることが有利である。しかし、このブレード方式のクリーニング部材では、像担持体の表面にブレード先端を強く押し付けて転写残トナーを掻き落すため、該ブレード先端のエッジ部分の欠けや摩耗によるクリーニング不良が発生しやすく、像担持体上に残留した転写残トナーがそのまま画像の一部として転写材に転写されて転写材の画像上に縦線が入る等の画像劣化が起きることがある。また、このブレード方式のクリーニング部材では、ブレードの当接による機械的な負荷によってトナー像の位置ズレが起こるおそれがある。このため、この種の画像形成装置、特に、ベルト状の像担持体を用いた画像形成装置では、上記ローラ方式やブラシ方式のクリーニング部材を搭載したクリーニングユニットを用いることが多い。
【0005】しかしながら、上記ローラ方式やブラシ方式のクリーニング部材では、上述したように、ファーブラシやバイアスローラに上記転写残トナーを電気的に吸着させて除去しているため、該ファーブラシやバイアスローラに印加されているバイアスの極性と同極性に帯電された転写残トナーを除去することが難しい。このため、このローラ方式やブラシ方式のクリーニング部材では、例えば、像担持体上記形成されたトナー像が転写材上に転写される際の転写バイアスによって、該トナー像の極性が反転されてしまった場合に、上記転写残トナーを除去することができなくなることがあった。
【0006】このような不具合を解消するために、従来、感光体と、この感光体上の潜像を顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー画像が高圧電源によって発生したバイアス電位差によって転写される中間転写体と、この中間転写体上のトナー画像を記録媒体に転写して最終画像を出力する転写手段と、記録媒体に転写されずに中間転写体上に残留したトナーを電気的にクリーニングするクリーニング手段と備えた画像形成装置において、感光体表面のトナーを感光体から機械的に排除するトナー排除手段を設け、前記クリーニング手段によって除去できなかったクリーニングバイアスと逆極性の残留トナーを感光体と中間転写体の接触部で前記高圧電源のバイアス電圧によって中間転写体から感光体に移行させ、感光体に移行した残留トナーを前記トナー排除手段によって排除することを特徴とする画像形成装置が提案されている(特開平10−254251)。
【0007】しかし、この画像形成装置では次のような問題が発生する。すなわち、この画像形成装置では、第一に、画像形成条件により一次転写部で感光体上に逆転写されなかった中間転写体上の転写残トナーが該中間転写体上にそのまま残留し、この中間転写体上に残留した転写残トナーが次の画像形成時に転写材上に転写されて画像不良が発生する。特に、カラー画像形成装置においては、通常、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー像を重ね合わせてカラートナー像を形成しているため、上述のように、転写残トナーが中間転写体上にそのまま残留すると、混色と言われる画像欠陥が発生する。ここで、上記転写残トナーが一次転写部で感光体上に逆転写されなくなる理由としては、一次転写部の感光体と中間転写体との間の微小空隙で放電が起こることによって、該転写残トナーが正負両方の極性に帯電され、該感光体の帯電極性と同極性の転写残トナーが感光体側に移動しなくなることが原因であると考えられている。第二に、上記中間転写体上の転写残トナーを全て感光体側に配設されているクリーニング部材で回収するため、該感光体側のクリーニングユニットの負荷が増大する。
【0008】なお、この画像形成装置の不具合を防止する方法として、二次転写後の中間転写体上の転写残トナーを上記バイアスローラやファーブラシ等のクリーニング部材でクリーニングする前に、該クリーニング部材に印加されているバイアスとは逆極性のバイアスを印加した接触帯電部材により、該転写残トナーの極性を該バイアスローラやファーブラシで効率よく除去できる極性に予め帯電させておく方法がある。これにより、上記中間転写体上に残留した転写残トナーが正負両方の極性に帯電されていても、上記中間転写体側のクリーニング部材と接触帯電部材とにより、該転写残トナーを完全に回収することができるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種の画像形成装置における像担持体のクリーニングは、該像担持体上に形成されたトナー像が転写材に転写された後に行う必要がある。従って、前記ファーブラシやバイアスローラなどのクリーニング部材及び前記接触帯電部材は、像担持体への画像形成が開始されてから該像担持体上に形成されたトナー像の転写材への転写が完了するまでの間は、像担持体から離間している必要がある。また、画像形成装置が高速機の場合には、その画像形成速度が速く像担持体の線速も速くなるため、該像担持体上のトナー像が転写材に転写された後に、上記ファーブラシやバイアスローラなどのクリーニング部材及び上記接触帯電部材をすぐに像担持体に接触させて、該像担持体上の転写残トナーのクリーニングを行うように設計する必要がある。
【0010】このため、前述したように、上記ファーブラシやバイアスローラなどのクリーニング部材とは別に、接触帯電部材を独立して配設した場合には、該クリーニング部材と接触帯電部材とを、個別に素早く接離させる接離機構が必要になり、クリーニングユニットが大型化したり複雑化したりする不具合がある。また、該クリーニング部材と接触帯電部材とを個別に接離させる構成とした場合には、その接離機構や保持枠体等の構成部品が多くなって、その駆動系の駆動トルクが増大したり、制御系の電気回路が複雑になったりして、クリーニングユニットのコストが高くなる不具合がある。
【0011】本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、低コストでクリーニング性能が高く、小型で簡素な構造のクリーニングユニットを備えた画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体上に形成されたトナー像が転写材上に転写された後、該像担持体に接触し且つトナーの帯電極性とは反対極性のバイアスが印加されて、該像担持体上に残留した転写残トナーをクリーニングするクリーニング部材と、上記像担持体に対して上記クリーニング部材よりも手前側の部位で接離するように構成され、上記転写残トナーのクリーニング時に、該像担持体に接触し且つ該クリーニング部材に印加されたバイアスとは逆極性のバイアスが印加される接触帯電部材とをを備えた画像形成装置において、上記クリーニング部材と上記接触帯電部材とを一つのクリーニングユニットに配設したことを特徴とするものである。
【0013】この画像形成装置においては、上記クリーニング部材と上記接触帯電部材とが一つのクリーニングユニットに配設されるので、該クリーニング部材及び接触帯電部材を上記像担持体に対して接離自在に保持するための接離機構や保持枠体等が一つで済むようになり、上記クリーニングユニットの構造が簡素化される。また、該クリーニング部材と接触帯電部材との駆動系や制御系の構成部品の多くを共用することが可能になり、該駆動系の駆動トルクも低減され、該制御系の電気回路も簡素化される。
【0014】請求項2の発明は、上記クリーニング部材によりクリーニングされた転写残トナーを回収するためのクリーニング部材用のトナー回収容器と、上記接触帯電部材によりクリーニングされた転写残トナーを回収するための接触帯電部材用のトナー回収容器とを備えた請求項1の画像形成装置において、上記クリーニング部材用のトナー回収容器と、上記接触帯電部材用のトナー回収容器とを、一つのトナー回収容器で構成したことを特徴とするものである。
【0015】この画像形成装置においては、上記クリーニング部材と上記接触帯電部材とによりクリーニングされた転写残トナーが、一つのトナー回収容器に回収される。これにより、上記クリーニングユニットの構造がさらに簡素化される。
【0016】請求項3の発明は、上記像担持体が回転自在に張架された無端状ベルトで構成され、該像担持体を挟んで上記クリーニング部材に対向するように配置されたクリーニング部材用の対向ローラと、該像担持体を挟んで上記接触帯電部材に対向するように配置された接触帯電部材用の対向ローラとを備えた請求項1又は2の画像形成装置において、上記クリーニング部材用の対向ローラと上記接触帯電部材用の対向ローラとを、一つの対向ローラで構成したことを特徴とするものである。
【0017】上記像担持体が回転自在に張架された無端状ベルトで形成されている場合には、該像担持体と該クリーニング部材及び接触帯電部材とを確実に接触させるために、該無端状ベルトを挟んで上記クリーニング部材に対向するように配置されたクリーニング部材用の対向ローラと、該無端状ベルトを挟んで上記接触帯電部材に対向するように配置された接触帯電部材用の対向ローラとが必要になる。しかし、上記クリーニング部材用の対向ローラと上記接触帯電部材用の対向ローラとを個別に配置した場合には、該クリーニング部材及び接触帯電部材と無端状ベルトとの間に形成されるバイアスが不安定になるおそれがある。これは、個別に配置された両対向ローラ間で無端状ベルトが振動することによるものと思われる。この画像形成装置においては、上記クリーニング部材の対向ローラと上記接触帯電部材用の対向ローラとが一つの対向ローラで構成されているので、該クリーニング部材及び接触帯電部材と無端状ベルトとの間に形成されるバイアスが安定するようになる。また、上記無端状ベルトの張架構造や駆動系が簡素化される。
【0018】請求項4の発明は、請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記接触帯電部材を導電性ブラシで構成したことを特徴とするものである。
【0019】この画像形成装置においては、上記接触帯電部材が導電性ブラシで構成されているので、該接触帯電部材が上記像担持体に当接した際の、像担持体に対する接触帯電部材の当接圧が低減され、該像担持体に過大な負荷がかかることがなくなる。
【0020】請求項5の発明は、請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記接触帯電部材を導電性ローラで構成したことを特徴とするものである。
【0021】この画像形成装置においては、上記接触帯電部材が導電性ローラで構成されているので、該接触帯電部材にバイアスが印加されることにより、上記像担持体上に残留した転写残トナーが一様に帯電されるようになる。
【0022】請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記接触帯電部材の表面に離型性の高い被膜をコーティングしたことを特徴とするものである。
【0023】この画像形成装置においては、上記接触帯電部材の表面に離型性の高い被膜がコーティングされているので、該接触帯電部材の表面への転写残トナーの付着量が少なくなり、該接触帯電部材の下流側に配置されているクリーニング部材でより多くの転写残トナーの回収が行われるようになる。このように、上記接触帯電部材の表面に付着する転写残トナーの量が少なくなることによって、該接触帯電部材の表面をクリーニングするためのブレードなどのクリーニング部材が不要になる。
【0024】請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、上記クリーニング部材により上記転写残トナーをクリーニングする際に、該クリーニング部材にDC成分にAC成分を重畳したバイアスを印加することを特徴とするものである。
【0025】上記転写残トナーの極性や量によっては、上記クリーニング部材に印加されるバイアスがDC成分のみでも良好なクリーニングが行われることもあるが、例えば、複数のカラートナーが重なり合った転写残トナーの場合には、DC成分のみのバイアス印加では、下層部の転写残トナーがクリーニング部材側に移動されにくくなり、該クリーニング部材によるクリーニング性が低下することがある。この画像形成装置においては、該クリーニング部材にDC成分にAC成分が重畳されたバイアスが印加されることにより、該バイアスによって上記転写残トナーが撹乱され、該転写残トナーが像担持体上から上記クリーニング部材側に移動しやすくなって、該クリーニング部材のクリーニング性が向上される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、カラー画像形成装置に適用した実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成を示す。このカラー画像形成装置は、第1の像担持体としての感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、第2の像担持体としての中間転写体5、定着装置(図示せず)等を備えている。図1において、感光体1は、負帯電される無端ベルト状に形成された有機感光体からなり、駆動ローラ1a及び従動ローラ1bに張架され、所定の速度で矢印方向に回転駆動される。帯電装置2は、所定のバイアスが印可されて、接触(非接触でもよい)により感光体1の表面を所定の電位に負帯電する。露光装置3は、図示ない画像読取部で読み取った画像データに基づく色分解された各色の画像光を感光体1に順次露光して、感光体1上に各色ごとの静電潜像を形成する。
【0027】現像装置4は、正規のトナー極性が負極性のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーが個別に収納された4つの現像器4a、4b、4c、4dを備えており、上記感光体1上に形成された各色ごとの静電潜像を、該静電潜像に対応した色のトナーが収納された現像器によって順次現像して、感光体1上に各色のトナー像を形成する。中間転写体5は、上記感光体1に対向するように配置されており、所定の速度で矢印方向に回転駆動される。そして、この中間転写体5と感光体1とが対向する一次転写部Aで、該感光体1上に形成された各色のトナー像が、中間転写体5上に順次重ね合わされて一次転写される。これにより、中間転写体5上にカラートナー像が形成される。この一次転写工程において感光体1上に残留した一次転写残トナーは、感光体1の回転方向の転方向の一次転写部Aよりも下流側に配設されている感光体クリーニングユニット6によって、感光体1上から除去されて回収される。
【0028】また、中間転写体5の回転方向の一次転写部Aよりも下流側には、二次転写手段としての転写ローラ5aが対向配置されている。そして、この転写ローラ5aと中間転写体5とが対向する二次転写部Bで、該転写ローラ5aに所定の二次転写バイアスが印可されて、該二次転写部Bに送り込まれた転写材としての用紙7に、中間転写体5上に形成されたのカラートナー像が二次転写される。この用紙7上に二次転写されたカラートナー像は、図示ない定着装置により用紙7上に溶融定着される。このようにしてカラートナー像が形成された用紙7は、カラープリントとして機外に排出される。
【0029】上述のようにして、用紙7にカラートナー像が二次転写された後、上記中間転写体5上に残留した転写残トナーは、中間転写体5の回転方向の二次転写部Bよりも下流側に配設されている中間転写体クリーニングユニット8によって、中間転写体5上から除去されて回収される。この中間転写体クリーニングユニット8は、接触帯電部材8a、クリーニング部材8b、バイアスローラ8c、クリーニングブレード8dなどを備えている。
【0030】接触帯電部材8aは、中間転写体5に対して接離自在に配設されており、上記転写残トナーのクリーニング時に該中間転写体5に接触して、負極性のバイアスが印加される。これにより、上記転写残トナーが中間転写体5から遊離される負極性に帯電され、該転写残トナーが中間転写体5から接触帯電部材8a側に電気的に一部付着されて回収される。この接触帯電部材8aにより回収されなかった転写残トナーは、該接触帯電部材8aによって負極性に帯電されて、中間転写体クリーニングユニット8に向けて移動される。
【0031】上記中間転写体クリーニングユニット8のクリーニング部材8bは、中間転写体5の回転方向の接触帯電部材8aよりも下流側の部位に、該中間転写体5に対して接離自在に配設されており、上記転写残トナーのクリーニング時に該中間転写体5に接触する。また、このクリーニング部材8bには、バイアスローラ8cにより正極性のバイアスが印加される。上記接触帯電部材8aにより回収されなかった負極性の転写残トナーは、上記クリーニング部材8bに接触することによって、中間転写体5から機械的・電気的に回収される。そして、このクリーニング部材8bによって回収された負極性の転写残トナーは、正極性に帯電されているバイアスローラ8c側に電気的に移動された後、該バイアスローラ8cに接触するように配設されているクリーニングブレード8dによって、該バイアスローラ8cから機械的に掻き落とされて、後述するトナー回収容器内に回収される。
【0032】次に、上記中間転写体クリーニングユニット8のクリーニング性について評価した結果について説明する。このクリーニング性の評価方法は以下の方法に従った。すなわち、上記各色のトナー像の作像中に電源オフにより作像を途中で中止させて、上記中間転写体5上に残留した転写残トナー像を、粘着テープを用いてテープ転写し、例えば、X−rite(商品名)などの反射型分光濃度計で、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色トナーの濃度測定を行い、各濃度をI1とした。白紙時の各色の濃度を測定した結果をI0として、次の式■により各色の画像濃度Iを残出した。
I=I1−I0…■ここで、上記中間転写体5上に残留した転写残トナーが多ければ、上記粘着テープにテープ転写された画像濃度も濃くなると考えられるので、上記クリーニング性の概要を見るため各色の画像濃度を転写残トナー量の目安とした。
【0033】図2に、中間転写体クリーニングユニット8のクリーニング部材8bの上流側に、上記接触帯電部材8aを設けるか否かで、上記画像濃度がどのように変化するかを示した。図2において、○印はブラックトナーKの上記画像濃度、□印はイエロートナーYの画像濃度、△印はマゼンタトナーMの画像濃度、×印はシアントナーCの画像濃度を示している。また、図2に示すグラフの横軸の符号、a1,a2,a3は、上記クリーニング部材8bにプラスバイアスを印加して転写残トナーをクリーニングした場合の、クリーニング前(a1)、クリーニング後(a2)、一次転写後(a3)の上記画像濃度、b1,b2,b3は、上記クリーニング部材8bにマイナスバイアスを印加して転写残トナーをクリーニングした場合の、クリーニング前(b1)、クリーニング後(b2)、一次転写後(b3)の画像濃度、c1,c2,c3は、上記クリーニング部材8bの上流側に上記接触帯電部材8aを配設し、該接触帯電部材8aにマイナスバイアス、該クリーニング部材8bにプラスバイアスを印加して転写残トナーをクリーニングした場合の、クリーニング前(a1)、クリーニング後(a2)、一次転写後(a3)の画像濃度を示している。図2から明らかなように、上記クリーニング部材8bの上流側に、上記接触帯電部材8aを設けることにより、中間転写体クリーニングユニット8でのクリーニング性が飛躍的に向上することが分かる。
【0034】ところで、上記接触帯電部材8aを、クリーニング部材8bとは別に独立して配設した場合には、クリーニング部材8b及び接触帯電部材8aを個別に素早く接離させる複数の接離機構が必要になり、中間転写体クリーニングユニットが大型化・複雑化する。また、該接離機構や保持枠体等の構成部品も多くなって駆動系の駆動トルクが増大したり、制御系の電気回路が複雑になったりして、中間転写体クリーニングユニット8のコストが高くなる。
【0035】そこで、本実施形態に係る画像形成装置においては、例えば、図3に示すクリーニングユニット10のように、上記ファーブラシやバイアスローラなどからなるクリーニング部材11と、金属ローラ等からなる接触帯電部材14とを、一つのクリーニングユニットケース15内に配設した構成とする。これにより、クリーニング部材11及び接触帯電部材14を、上記中間転写体としての中間転写ベルト16に対して、一つの接離機構により同時に接離させることができるようになり、該中間転写ベルトクリーニングユニット10の構造が簡素化される。また、該クリーニング部材11及び接触帯電部材14を駆動する駆動系や制御系の構成部品の多くも共用できるようになり、該クリーニング部材11と接触帯電部材14とを個別に配設した場合よりも、該接離機構の駆動トルクが低減され、制御回路設計等の面でも有利となる。
【0036】ここで、上記クリーニング部材11によりクリーニングされた転写残トナーを回収するためのクリーニング部材11用のトナー回収容器と、上記接触帯電部材14によりクリーニングされた転写残トナーを回収するための接触帯電部材14用のトナー回収容器とを、個別に2つ設けた場合には、それぞれのトナー回収容器の位置や大きさ等の設計自由度は高くなるものの、上記クリーニングユニット10が大型化するだけでなくコストアップにもつながる。本実施形態に係る画像形成装置のクリーニングユニット10は、図3に示すように、上記クリーニング部材11によりクリーニングされた転写残トナーと、上記接触帯電部材14によりクリーニングされた転写残トナーとが、一つのトナー回収容器18に回収されるように構成されている。これにより、該クリーニングユニット10の省スペース化・低コスト化が可能になる。
【0037】図3において、中間転写ベルト16は、矢印で示す方向に回転移動している。この中間転写ベルト16の回転移動によって上記接触帯電部材14に突入する転写残トナーは、前記二次転写ローラ5aを通過する際に、該二次転写ローラ5aに印加された正極性のバイアスによって若干正極性(プラス)側に帯電された状態となっている。そこで、本実施形態に係る画像形成装置のクリーニングユニット10においては、上記接触帯電部材14に負極性(マイナス)のバイアスを印加し、まず、上記転写残トナーを該接触帯電部材14に電気的に付着させて回収する。この該接触帯電部材14で回収されなかった転写残トナーは、上記クリーニング部材11で回収される。
【0038】すなわち、上記接触帯電部材14により回収されずに上記クリーニング部材11に突入される転写残トナーは、該接触帯電部材14に印加されたバイアスによりマイナスの電荷注入が行われ、マイナス極性に帯電されて該クリーニング部材11へと突入する。これにより、上記接触帯電部材14を通過した転写残トナーは、プラスバイアスが印加されたクリーニング部材11側に電気的に引き付けられて、該クリーニング部材11に付着する。このようにして、上記接触帯電部材14とクリーニング部材11とに付着した転写残トナーは、図3に示すフリッカバー12a,12bにより、該接触帯電部材14及びクリーニング部材11から掻き落とされて、上記トナー回収容器18内に回収される。
【0039】なお、上記トナー回収容器18内に回収された転写残トナーは、トナー回収容器18内に配設されたスクリュー等からなるトナー回収ローラ13により、図示しないトナー回収ボトルに搬送されて回収される。また、上記クリーニング部材11に付着せずに該クリーニング部材11を通過した転写残トナーは、該クリーニング部材11に印加されているプラスバイアスよりプラスの電荷注入が行われ、前記一次転写部Aで感光体1側へ逆転写された後、前記感光体クリーニングユニット6により回収される。
【0040】ところで、上記クリーニングユニット10のように、無端状ベルトで形成されている中間転写ベルト16をクリーニングする場合には、該中間転写ベルト16に対して上記クリーニング部材11及び上記接触帯電部材14を確実に接触させるために、該中間転写ベルト16を挟んで該クリーニング部材11と該接触帯電部材14とに対向する部位に対向ローラを配置する必要がある。しかし、図3に示すように、上記接触帯電部材14に対向する対向ローラ17aと、上記クリーニング部材11に対向する対向ローラ17bを個別に配置した場合には、中間転写ベルト16の振動により該クリーニング部材11及び接触帯電部材14と中間転写ベルト16との間に形成されるバイアスが不安定になるおそれがある。また、中間転写ベルト16の張架構造や駆動系が複雑化するおそれがある。
【0041】そこで、本実施形態に係る画像形成装置においては、例えば、図4に示すように、上記中間転写ベルト16を挟んで上記クリーニング部材11及び上記接触帯電部材14に対向する対向ローラを、比較的曲率が大きい一つの対向ローラ19で構成する。これにより、上記クリーニング部材11と接触帯電部材14との間で中間転写ベルト16が振動することがなくなり、該クリーニング部材11及び接触帯電部材14と中間転写ベルト16との間に形成されるバイアスが安定する。また、中間転写ベルト16の張架構造や駆動系も簡素化される。
【0042】ここで、上記接触帯電部材14としては、導電性ブラシを用いることができる。この導電性ブラシとしては、例えば図5に示すように、芯材であるスチールシャフトやアルミパイプ等にパイル織りブラシをスパイラルに巻き付けたローラ状の導電性ブラシ20を用いることができる。この導電性ブラシ20のブラシ素材の繊維としては、アクリル/カーボン・ナイロン/カーボン、ポリエステル/カーボン・ポリプロピレン・カーボン等を用いることができる。このように、上記接触帯電部材14として導電性ブラシ20を使用し、該導電性ブラシ20を上記中間転写ベルト16に対して接触回転させて、該中間転写ベルト16上に残留した転写残トナーをクリーニングすることで、該転写残トナーを電気的及び機械的に回収することができる。
【0043】また、上記接触帯電部材14としては、例えば図6に示すような導電性ローラ21を用いることができる。この導電性ローラ21は、芯材21aであるスチールシャフトやアルミパイプ等の上に、各種コーティング方法によりゴム、樹脂等からなる被覆層21bを形成したものである。このような構成の導電性ローラ21は、上記感光体1の表面を長手方向に均一に帯電するための帯電装置2として用いられており、帯電ムラの発生が少ない接触型の帯電手段として知られている。従って、このような構成の導電性ローラ21を上記接触帯電部材14として使用することで、上記中間転写ベルト16上に残留した転写残トナーを長手方向に均一にムラなく帯電させることができるようになり、上記クリーニングユニット10のクリーニング性を向上させることができる。
【0044】また、上記接触帯電部材14としては、例えば図7に示すように、その表面に離型性の高い被膜22をコーティングしたものを用いることが好ましい。接触帯電部材14の表面に離型性の高い被膜22をコーティングすることで、該接触帯電部材14の表面への転写残トナーの付着量が少なくなり、該接触帯電部材14の表面をクリーニングするためのブレードなどのクリーニング部材を設ける必要がなくなる。上記被膜22を形成するコーティング材料としては、ゴム、エラストマー、樹脂等が挙げられる。具体的にはゴム、エラストマーとして天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンーブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、エチレンープロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系、フッ素樹脂系等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また樹脂としてはポリスチレン、クロロポリスチレン、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。またこれらは単独または共重合体として1種類または2種類混合して用いても良い。また、上記被膜22のコーティングコーティング方法としては、ディッピング法、スプレーコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、ロールコーティング法等が挙げられ、コーティング材料の性質によって適切な方法を選択する必要があるが、何種類かのコーティング法を用いる事が出来る場合にはいずれの方法を用いても構わない。
【0045】また、上記クリーニング部材11に印可するバイアスは、DC成分にAC成分を重畳したバイアスであることが望ましい。すなわち、上記二次転写後の転写残トナーの極性や量によっては、DC成分のみのバイアス印加で良好なクリーニングが行われることもあるが、例えば、該転写残トナーが色重ねされているカラー画像の場合、DC成分のみのバイアス印加では、下層部の転写残トナーがクリーニング部材側に移動されにくくなり、該クリーニング部材によるクリーニング性が低下することがある。そこで、上記クリーニング部材11に印可するバイアスを、DC成分にAC成分を重畳したバイアスとする。これにより、該バイアスによって上記転写残トナーが撹乱され、該転写残トナーが上記クリーニング部材11側に移動しやすくなって、該クリーニング部材11のクリーニング性が向上される。
【0046】なお、本実施形態に係る画像形成装置は、反転現像を用いた負帯電の感光体、及び負帯電のトナーを用いた場合の例を示すものであるが、印加電圧の極性その他はこれに限ったものではない。また、上記感光体及び中間転写体は、ドラム形状のもの又はベルト形状のものの何れであってもよい。さらに、本発明は、カラー画像形成装置に限らず、モノクロの画像形成装置にも適用できる。
【0047】
【発明の効果】請求項1乃至7の発明によれば、クリーニング部材と接触帯電部材とが一つのクリーニングユニットに配設されているので、該クリーニング部材と接触帯電部材との接離機構や保持枠体等が一つで済み、クリーニングユニットを簡素化できる。また、該クリーニング部材と接触帯電部材との駆動系や制御系の構成部品の多くを共用できるようになり、該駆動系の駆動トルクを低減でき、該制御系の電気回路も簡素化することができるという優れた効果がある。
【0048】特に、請求項2の発明によれば、上記クリーニング部材と上記接触帯電部材とによりクリーニングされた転写残トナーが一つのトナー回収容器に回収されるので、上記クリーニングユニットの構造をさらに簡素化できるという優れた効果がある。
【0049】また、請求項3の発明によれば、クリーニング部材と接触帯電部材との対向ローラが一つの対向ローラで構成されているので、安定なバイアス印加ができるようになり、部品点数も減らすことができるという優れた効果がある。
【0050】請求項4の発明によれば、クリーニン部材として導電性ブラシを用いているので、中間転写体に負荷をかけすぎることなく良好なトナー回収が行えるためクリーニング不良を発生することがなく良好な画像形成が行えるという優れた効果がある。
【0051】請求項5の発明によれば、クリーニング部材として導電性ローラを用いているので、転写残トナーが一様に帯電されて良好なトナー回収が行えるようになり、クリーニング不良の発生が少なく良好な画像形成が行えるようになるという優れた効果がある。
【0052】請求項6の発明によれば、接触帯電部材の表面に離型性の高い被膜がコーティングされているので、該接触帯電部材の表面への転写残トナーの付着量が少なくなり、該接触帯電部材の下流側に配置されているクリーニング部材でより多くの転写残トナーの回収が行われるようになる。また、上記接触帯電部材の表面に付着する転写残トナーの量が少なくなるので、該接触帯電部材の表面をクリーニングするためのブレードなどのクリーニング部材が不要になるという優れた効果がある。
【0053】請求項7の発明によれば、クリーニング部材に印可するバイアスが、DC成分にAC成分を重畳したバイアスてあるので、転写残トナー像が撹乱されて、クリーニング部材により良好なクリーニングが行えるようになるという優れた効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年3月16日(2000.3.16)
【代理人】 【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
【公開番号】 特開2001−265187(P2001−265187A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−74652(P2000−74652)