| 【発明の名称】 |
画像形成方法及び画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】永目 宏
【氏名】左近 洋太
【氏名】小島 成人
|
| 【要約】 |
【課題】耐摩耗性、トナークリーニング性に優れた感光体を用い、高湿環境下にも良好な作像性を達成することができ、しかも静粛性を保持することのできる画像形成方法及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】感光体に対し、帯電、像露光、現像、転写及びクリーニングを行画像形成方法であって、該クリーニングを潤滑剤を存在させて行うことを特徴とする画像形成方法及び感光体に、帯電装置、像露光装置、現像装置、転写装置及びクリーニング装置を配置した画像形成装置であって、該クリーニング装置に、潤滑剤塗布装置を配置したことを特徴とする画像形成装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 感光体に対し、帯電、像露光、現像、転写及びクリーニングを行う画像形成方法であって、該クリーニングを潤滑剤を存在させて行うことを特徴とする画像形成方法。 【請求項2】 潤滑剤が、潤滑性付与部材及び摩擦係数調整部材によって供給され存在させるものである請求項1に記載の画像形成方法。 【請求項3】 潤滑剤が、塗布ローラーによって感光体に塗布されるものでであり、該塗布ローラーの回転方向に潤滑性付与部材、摩擦係数調整部材及び感光体をその順に配置し、該塗布ローラーを摩擦係数調整部材に摺擦させることによって感光体の摩擦係数を保持するものである請求項1又は2に記載の画像形成方法。 【請求項4】 潤滑性付与部材が、フッ素系樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項5】 フッ素系樹脂が、フィルム状又はブロック状である請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。 【請求項6】 感光体に、帯電装置、像露光装置、現像装置、転写装置及びクリーニング装置を配置した画像形成装置であって、該クリーニング装置に、潤滑剤塗布装置を配置したことを特徴とする画像形成装置。 【請求項7】 潤滑剤塗布装置が、クリーニング装置内に装着されたもの又はクリーニング装置外に併設されたものである請求項6に記載の画像形成装置。 【請求項8】 潤滑剤塗布装置が、潤滑性付与部材、塗布ローラー及び摩擦係数調整部材からなるものである請求項6又は7に記載の画像形成装置。 【請求項9】 潤滑性付与部材、摩擦係数調整部材及び感光体が、その順に塗布ローラーの回転方向に配置されたものであり、塗布ローラーを摩擦係数調整部材に摺擦させることによって感光体の摩擦係数を保持するものである請求項6〜8のいずれかに記載の画像形成装置。 【請求項10】 摩擦係数調整部材が、潤滑性付与部材の出口側及び/又はは入口側に塗布ローラーの回転方向で接触される形態に配置されているものである請求項6〜9のいずれかに記載の画像形成装置。 【請求項11】 潤滑性付与部材が、フッ素系樹脂である請求項6〜10のいずれかに記載の画像形成装置。 【請求項12】 フッ素系樹脂が、フィルム状又はブロック状である請求項6〜11のいずれかに記載の画像形成装置。 【請求項13】 塗布ローラーが、ブラシ状である請求項6〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関し、さらに詳しくは、ファクシミリ、プリンター、電子写真複写機等に適用される、耐摩耗性、トナークリーニング性に優れた感光体を用い、高湿環境下にも良好な作像性を達成することができ、しかも静粛性を保持することのできる画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電子写真法を用いたファクシミリ、プリンター、電子写真複写機等の画像形成方法及びその装置においては、感光体に対して、帯電、像露光、現像、転写、クリーニング及び除電の各工程をその順に作用させて画像形成が行われる。感光体には、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、アモルファスセレン、アモルファスシリコン等が使用されてきたが、近年では、作製が容易であること、高感度であること、低コスト、無公害であること等の利点から、有機系感光体が主流となってきている。有機系感光体材料としては、高抵抗で透明性が高く、極性依存性のないポリカーボネート系樹脂(A型ポリカーボネート、C型ポリカーボネート、Z型ポリカーボネート等)が一般的に使用されるが、この材料をバインダーとして感光層を形成した場合、硬度が10〜20kg/mm2と低く、しかも引張り強度が小さいため、脆く、摩耗しやすいという欠点があった。また、感光層面には、帯電時に使用される帯電装置から生ずるコロナ生成物やその他、トナー構成物、紙粉等が付着するため、解像性、クリーニング性、転写効率の低下を生じて、画像の均一化が損なわれやすいという問題もあった。さらに、感光体の摩擦係数が高いため、ブレードクリーニングを使用した画像形成においては、高周波音(ブレード鳴き)が発生する等の問題があり、電気特性、光学特性等の諸特性を維持しながら、機械特性を向上させるのには限度があった。 【0003】このため、潤滑剤の機能を有効に活用する方法が検討されている。例えば、これら検討事例として、次の(1)〜(7)が挙げられる。 (1)特開昭53−133439号公報ブレードを使用したトナー像のクリーニング後から画像形成までの間に、液状の潤滑剤(シリコーンオイル)を感光体表面に付与することによって、感光体の損傷による画像欠陥を予防し、ブレードの慴擦時の異常音発生を防止すること。 (2)特開昭56−51767号公報感光体表面に付着した汚染物質を排除し、良好な画像を維持し続ける手段として、研磨剤と潤滑剤が交互に形成された像保持部材用潤滑研磨部材を設置し、研磨と潤滑剤付与を交互に行い、感光体に付着したトナー等を排除し、高画像品質位を維持すること。 (3)特開昭56−113183号公報外表面に潤滑剤を保有している回転自在の円筒状潤滑剤補給部材を感光体に当接し、潤滑剤を感光体表面に供給することにより画像品質の安定化を図ること。 (4)特開平6−342236号公報固体疎水潤滑剤(ステアリン酸亜鉛等の固体)を帯電ローラーを介して、像担持体に上記潤滑剤を円滑に安定供給し、クリーニング不良やフィルミングの発生を防止すること。 (5)特開平8−202226号公報潤滑剤(ステアリン酸亜鉛等)の塗布量をコントロールしながら、像担持体にブラシを介して常に適切な量を供給することにより、良好な画像の安定化を図ること。 (6)特開平8−305233号公報トナー像を検知する手段を有する画像形成装置において、その検知内容に基いて、トナークリーニングブラシの回転数をコントロールしながら、潤滑剤の感光体への供給量を調整し、高品質画像の安定化を図ること。 (7)特開平11−2994号公報デジタル方式の複写機とフッ素系樹脂粉体を分散した層を最表面に有する感光体との組み合わせで使用した場合、レーザー光照射の際のスポットによる散乱のために、解像度の劣化が生じ、この現象を回避するために、感光層上に形成したフッ素系樹脂粉体を分散した層の代わりに、トナーに対して離型性を示すフッ素樹脂を含有する材料又はバインダー樹脂中に10〜90wt%分散された材料を感光体表層に塗布すること。 【0004】これらの検討事例は、潤滑剤を感光体表層に供給(外添)することによって、画像品質の劣化防止、感光体の損傷防止、耐摩耗性、転写効率(画像抜け防止)、クリーニング性の向上、画像流れの抑制、ブレードのめくれ防止、クリーニングブレードの延命等を企図したものである。しかしながら、これらの検討事例には、次のような問題点があった。 (1)の事例の場合潤滑性に優れたシリコーンオイルを感光体に塗布することにより、感光体の摩擦係数を低減化させて所期目的を達成させるものである。しかし、シリコーンオイルを常時安定した薄層で感光体表面に供給することは極めて困難である。また、シリコーンオイルを用いて摩擦係数を低減化するには、少量でも効果が高いため、常時供給された場合には、クリーニングブレードが滑り、感光体に固着したコロナ生成物等の汚染物質が除去されなくなって解像性低下を起こし、遂には画像流れに到る場合がある。 (2)の事例の場合良好な画像を維持し続けることを企図したもので、巻き取り方式のベルトに酸化セリウム等の研磨剤層とポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン等のの潤滑層を交互に形成し感光層上に形成された付着物を研磨剤で削った後、潤滑剤で表面性を修復しながら、感光層表面を清浄に保持する方法である。しかし、この方法では一定の成果は得られるものの、研磨剤を使用するため、感光層表面が荒れやすく、不均一な削れが起こり画像品質が低下しやすい。また、感光層が摩耗し、耐久性が短くなる等の問題があった。 (3)の事例の場合細孔を有する布製のポーチ等に粉末状の潤滑剤を内在させ、その外表面に粉末状潤滑剤を保有させ、回転させながら常時感光体に潤滑剤を付与し、ブレードと感光体間の摩擦抵抗を低減化させることを企図したものである。しかし、回転により粉末を補給する場合、飛散は避けられず、周囲を汚しやすく、また、塗布を均一な薄層にコントロールすることは困難であって、摩擦係数に不均衡が生じやすいという問題があった。塗布量が多すぎた場合には画像劣化にもつながることになる。 (4)の事例の場合潤滑剤を感光体の回転速度とは線速度を変えた帯電ローラーに一旦塗布し、それを感光体に再塗布し、感光体に潤滑効果を与えるものであるこの方法は、線速度を変えることによって塗布ムラをなくし、均一塗布を行うことを企図したものである。しかし、ステアリン酸亜鉛のような固形ワックスを使用しているため、帯電ローラーに塗布する場合、少しでも塗布が不均一になると、電気抵抗にムラを生じやすくなり、感光体の帯電均一性が失われ、画像欠陥(例えば、黒点、モヤムラ等)が発生しやすいという問題があった。帯電ローラーを用いる場合、コロナ放電法に比べ、オゾン、NOxの発生は少ないが、ステアリン酸亜鉛にコロナ生成物が巻き込まれ、80〜90%RHの高湿環境では作像性低下が起こる可能性が高いものとなる。 (5)の事例の場合ブラシに一旦塗布したものを感光体に塗布することによって、均一塗布性が向上し、画像の均一化には好ましい方法である。潤滑性に優れたステアリン酸亜鉛等を塗布すると、耐摩耗性にも優れたものとなる。しかし、ステアリン酸亜鉛塗布を極薄層で均質に塗布するためのコントロールが困難で、感光体に厚く付着すると除去しにくくなるため、効果の持続性はあるものの帯電過程で生成されるコロナ生成物(画像流れの主原因)等の低抵抗物質、埃を巻き込みやすくなり、摩擦係数も徐々に増加する傾向となる。ステアリン酸亜鉛層が一層形成されると、掻き取り効果が低下するため、摩擦係数が低下し過ぎると、局部的な画像品質低下を起こす危険性が大きい。したがって、コントロールを行う場合には、センサーのS/N比を大きくとり、さらに極薄層とするための正確な塗布制御機能が要求されるものである。 (6)の事例の場合トナー像を検知する手段を有する画像形成装置において、その検知内容に基づいて、トナークリーニングブラシの回転数をコントロールしながら、潤滑剤の感光体への供給量を調整し、高品質画像の安定化を図るものである。しかし、この方法は、画像からの判断により塗布量を自動コントロールするため、画像の大きな劣化があった場合、ある程度の判定はできるが、局部的な劣化や僅かな劣化ではほとんど対応できないという問題があった。また、ステアリン酸亜鉛が連続的に塗布される場合には、コロナ生成物等の汚染物質を取り込み、次第に摩擦係数が上昇し、コロナ生成物の影響で画像流れも生じやすくなるという問題もあった。 (7)の事例の場合フッ素樹脂分散層を感光体層上に形成した場合に、レーザー光が照射されると散乱が生じ、解像度が低下したり、転写効率が次第に低下する現象があるため、フッ素樹脂分散層の代わりにフッ素樹脂の粉末を感光層上に塗布するか、粉末を分散した材料を感光体に押し当て塗布することにより、トナーに対する離型層を形成して問題点の改善を図るものである。これによって転写効率の低下が抑制され、さらには感光層の摩耗も抑制されることになる。フッ素樹脂層を感光体表層に形成することで摩擦係数が低下し、トナーに対し優れた離型性が発現され、感光体の摩耗も抑制される。しかし、画像品質及び感光体を適正な状態に維持するためには適正な塗布条件で管理する必要がある。フッ素樹脂の必要以上の塗布は過大な低摩耗化を起こし、画像流れの原因になる。また、感光層の摩擦係数が低下することで、感光層の膜厚減少が抑制されるが、反面、クリーニングブレードや現像剤の滑りが生じ、画像濃度が大きく低下したり、感光体にトナー固着が起こり、画像品質の低下の要因ともなる。粉体状のフッ素樹脂を感光体に塗布した後、ブレードでならす方法にあっては、摩擦係数に偏りを生じたり、局部的に粉体のまま固着する現象が起こり、逆に画像品質を乱すことが起こる場合がある。また、フッ素樹脂粉末を分散した部材で離型層を形成する場合には、感光層を損傷しやすく、塗布層が不均一になったり、電荷移動性に差異が生じて画像品質を落とすという問題もあった。このように、潤滑剤を感光体表層に供給する方法は、潤滑剤の効果が有効に機能する反面、問題を生じる場合も多い。また、塗布ローラーを介して潤滑剤を感光体に塗布する方法は、潤滑性付与部材と塗布ローラーを使用して行われるが、この方法では、連続的に使用された場合、潤滑剤が過剰に供給され、摩擦係数が下がり過ぎることが多く、高湿環境下では画像流れが起こることがあった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来の問題点を解消し、耐摩耗性、トナークリーニング性に優れた感光体を用い、高湿環境下にも良好な作像性を達成することができ、しかも静粛性を保持することのできる画像形成方法及び画像形成装置を提供することをその課題とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために、クリーニングに着目して鋭意検討を重ねた結果、クリーニングを潤滑剤を存在させて行うことによって耐摩耗性、トナークリーニング性に優れた感光体を得ることができ、この感光体を用いることにより、高湿環境下にも良好な作像性を達成することができ、しかも静粛性を保持することのできる画像形成方法及び画像形成装置とすることができるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。すなわち、本発明によれば、感光体に対し、帯電、像露光、現像、転写及びクリーニングを行う画像形成方法であって、該クリーニングを潤滑剤を存在させて行うことを特徴とする画像形成方法及び感光体に、帯電装置、像露光装置、現像装置、転写装置及びクリーニング装置を配置した画像形成装置であって、該クリーニング装置に、潤滑剤塗布装置を配置したことを特徴とする画像形成装置が提供される。 【0007】 【発明の実施の形態】一般に、複写プロセスにおいて、感光体への帯電にはコロナ帯電法や接触帯電法が採用される。帯電装置には、直流電圧又は交流重畳直流電圧が印加され、感光体の表面電位は±400〜1000Vに設定される。感光体を帯電する際には多少の放電現象を伴うため、電荷以外の副産物として、オゾン(O3)や窒素酸化物(NOx)等のコロナ生成物が発生する。このコロナ生成物が感光体に作用すると、電子写真特性を劣化させたり、感光層の表面抵抗を低下させ、解像性低下、さらには全面画像流れを引き起こす。また、コロナ生成物が感光体に付着することによって、さらには感光層に浸透することによって、感光層の摩擦係数を高め、感光層の摩耗が促進され、感光体寿命が短くなることになる。 【0008】接触帯電法を使用する場合には、印加電圧がコロナ帯電法の1/4〜1/6程度に設定するため、コロナ帯電法に比べ、オゾンの発生量はコロナ放電法の1/100〜1/200程度(0.1ppm以下)、窒素酸化物は1/50〜1/100程度(0.01ppm以下)と少ない。しかし、感光体の極間近で起こるため、コロナ生成物の影響はほぼ100%近く感光体に作用する。環境面ではコロナ生成物の発生量が少ない分、接触帯電法の方が良好であるが、NOxは大気中の水分により硝酸となるため、感光体を低抵抗化させ、画像流れの原因となり、一方では、トナーや紙粉などの異物を吸着し、帯電ロール汚れの原因ともなる。オゾンは、環境面における危険なガス種であり、化学的性質として漂白作用や強力な酸化作用があるため、感光体の構成物質の分子間結合を切断したり、感光体の輸送能力、感光性機能を低下させるものである。したがって、感光層には必要に応じて、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、等のモノフェノール化合物、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6t−ブチルフェノール)等のビスフェノール等のビスフェノール系化合物、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等の高分子フェノール系化合物、ハイドロキノン類、有機燐化合物類等の酸化防止剤もしくは酸化抑制剤、又は可塑剤を重量比で1〜20%添加される場合がある。この処理によりオゾンが層中へ浸透していくことは抑制できるが、感光層表層は常にオゾンに晒されているため、酸化防止剤の機能の低下又は消失と共に、表面抵抗が低下し、大気中の水分が吸着しやすくなり画像品質低下を生じる。 【0009】さらに、感光体がコロナ生成物により汚染されると、摩擦係数が大きくなり感光層の摩耗が促進されたり、画像の局部的な転写不良、クリーニング性能の低下が起こりやすくなる。感光層の摩耗は劣化した層を削り取ることにもなるので、画像の劣化はほとんど回避できるという利点もあるが、削れのために寿命が短くなり、高耐久化を目的とする場合には対策が必要となる。なお、上記以外の画像劣化を起こす要因物質としては、トナーの構成物質(帯電制御剤等の被覆剤等)、紙に含まれる結着剤等、感光層の削れ粉、定着装置から出るガス成分等があり、いずれも摩擦係数を上げる要因となる。このため、感光体の寿命を延ばすには、コロナ生成物に汚染された最表層の領域のみを僅かに削りながら、作像する方法が望ましいと言える。すなわち、僅かに感光層が削れる程度の摩擦係数を維持することが必要となってくるのである。 【0010】本発明は、上記のような状況に鑑み、感光体に対し、帯電、像露光、現像、転写及びクリーニングを行う画像形成方法であって、該クリーニングを潤滑剤を存在させて行うことを特徴とする画像形成方法及び感光体に、帯電装置、像露光装置、現像装置、転写装置及びクリーニング装置を配置した画像形成装置であって、該クリーニング装置に、潤滑剤塗布装置を配置したことを特徴とする画像形成装置を提供するものである。そして、感光体に付与する潤滑剤の量をコントロールすることにより、感光体の摩擦係数を好適な範囲に設定し、感光体の耐摩耗性を図るとともに、高湿環境下にも良好な作像性を達成するものである。また、摩擦係数を好適な範囲に設定することにより、トナークリーニング性を向上させ、感光体表層を常に清浄なレベルに保ち、S/Nの良好な作像性を維持し、さらには軋み音等を発生させることのなく静粛性を保持することのできる画像形成方法及び画像形成装置とするものである。 【0011】感光体に潤滑剤を均一に塗布する手段としては、少なくとも、潤滑性付与部材、塗布ローラー及び摩擦係数調整部材をクリーニング装置内又はクリーニング装置とは別にクリーニング装置と帯電装置間に配置し、作動させることを採用することにより、感光体表層の摩擦係数を好適な範囲に設定することが可能となる。塗布ローラーの回転方向に潤滑性付与部材、摩擦係数調整部材を配置することにより、潤滑剤を付与された塗布ローラーが摩擦係数調整部材と摺擦し、余分な潤滑剤が排除され、感光体に突入するため、感光体に付与される潤滑剤の量はコントロールされた量が供給される。そのため、感光体の摩擦係数はあるレベルに設定され、一方、塗布ローラーは潤滑剤が過剰になることが避けられるため、長時間使用しても感光体の摩擦係数が必要以上に下がりきることがない。さらに、塗布ローラーの回転方向で、潤滑剤の入口側に摩擦係数調整部材を配置することにより、不必要なトナー、さらには潤滑剤が削減されるため、塗布ローラーはトナーの影響が軽減され、さらに安定した摩擦係数が維持できる。 【0012】潤滑性付与部材には固体で、転移性が良く、少ない量で効果が得られるフッ素系樹脂が好適である。フッ素系樹脂としては、フィルム状又はブロック状のものが使用でき、複写枚数や画像形成装置の耐用時間に合わせて適宜、選択すればよい。潤滑剤を感光体に均一になるように付与するるためにの部材として、ブラシ状塗布ローラーを採用すると、感光体に与えるダメージが少なく、摺擦音を発生させないという効果を奏するので好ましい部材となる。 【0013】本発明の画像形成方法及び画像形成装置を、図面に基づいて説明する。図1は、クリーニング装置内に、クリーニングブラシに接触するように配置さされた感光体の摩擦係数を低減化するためのクリーニング部材、潤滑性付与部材及び摩擦係数調整部材を配置した画像形成装置である。図2は、クリーニング装置とは別個に潤滑性付与部材、塗布ローラー及び摩擦係数調整部材を配置した画像形成装置である。ここに、101は感光体、102は帯電装置、103は画像露光系、104は現像装置、105は転写装置、106はクリーニング装置、107は除電装置、108は定着装置、109はコピー用紙、200は潤滑剤塗布装置(潤滑性付与部材、塗布ローラー及び摩擦係数調整部材の総称)を示す。 【0014】感光体101には、帯電装置102により(±)400〜1000V程度に帯電される。感光体101には、セレン系、シリコン系、有機系等の感光体があるが、本発明では有機系感光体(OPC)に有効である。感光体の構成は、マイナス帯電、プラス帯電によって異なり、図3(a)、(b)、(c)及び(d)に示すものがある。図3(a)は、導電性支持体1上に下引き層2を形成し、その上に電荷輸送材と電荷発生材とを一体化した感光層5からなる単層タイプの感光体である。図3(b)は、導電性支持体1上に電荷発生層3、次いで電荷輸送層4を形成した機能分離型の感光体である。図3(c)は、導電性支持体1に下引き層2を形成し、その上に順に電荷発生層3、電荷輸送層4を形成した機能分離型の感光体である。図3(d)は、電荷輸送層の上に保護層6を形成した感光体である。プラス帯電の場合は図3(a)の感光体が、マイナス帯電の場合は図3(b)〜図3(d)の感光体が多く使用される。電荷輸送層4を形成する主な理由は、耐久性を向上させることにある。 【0015】電荷輸送材のバインダー樹脂には、各種ポリカーボネート樹脂(A型ポリカーボネート、C型ポリカーボネート、Z型ポリカーボネート等)やポリオレフィン樹脂等が用いられ、ドナーで正孔移動度を高められる。ポリカーボネート樹脂が好ましく使用されるのは、耐候性が良好で極性依存が少なく、耐磨耗性、光透過性に優れる等の性質を有するためである。 【0016】感光体101にプラス又はマイナス電荷の付与(荷電)が行われた後、画像露光系103により感光体面に画像露光が行われる。アナログ複写機の場合、ハロゲンランプや蛍光灯等の露光ランプで照射された原稿像が可視光投影され、デジタルの場合には、CCD(電荷結合素子)で読みとられた原稿像が630〜780nmのLDやLEDのデジタル信号に変換されて、感光体上に結像される。結像によって感光層では電荷分離が行われ、感光体101に潜像形成が行われる。原稿に応じた潜像形成が行われた感光体101は、現像装置104で1成分又は2成分の現像剤により現像が行われ、原稿像は顕像化(トナー像)される。次に、感光体101上のトナー像は、転写分離装置によりコピー用紙に転写後、分離され、定着装置108に送られてハードコピーとなる。一方、感光体101は、転写後、クリーニング装置106でトナー像が清掃さされると同時に又はクリーニング後、潤滑剤塗布装置200により、コントローされた潤滑剤が感光体に付与され、感光体の表面摩擦係数が好適なレベルまで低減化、維持された後、除電装置107で残留潜像を消去されて一連の複写プロセスは終了する。 【0017】次に潤滑剤塗布装置200について説明する。潤滑剤を塗布ローラーを介して感光体に付与する場合の問題点として、塗布量のコントロールが効かないために摩擦係数が下がりすぎるという現象がある。例えば、摩擦係数は0.15前後まで下がりきるような潤滑剤及び方式で使用した場合、摩耗がほとんどなくなるため感光体は高寿命になる。この程度の低摩擦係数では、通常の環境では特に問題となることはないが、湿度が上昇した場合には、解像度の低下が起こり、ついには全面画像流れとなる。すなわち、摩擦係数が低いためにクリーニングブレード及び現像剤による削れがほとんどないために、感光体に付着したコロナ生成物が除去されず、吸湿により低抵抗化するためである。したがって、画像流れが生じない程度に感光層を削る設定が必要となり、感光層の削れを潤滑剤の塗布量をコントロールすることにより摩耗量と作像性のバランスをとる必要が生じるのである。本発明ではこの目的を達成するために、上記したように感光層表層の摩擦係数が所定のレベルに均一になるように付与する潤滑剤塗布装置200を配置したものである。 【0018】潤滑剤塗布装置200の例を、図4(a)、(b)、(c)に示す。図4(a)は、潤滑性付与部材202の塗布ローラー201の出口側に斜め方向に板状の摩擦係数調整部材B205を配置したものである。図4(b)は、縦に板状、摩擦係数調整部材A203を配置したものである。図4(c)は、潤滑剤塗布装置に入口側(図では左側)と出口側(図では右側)に夫々摩擦係数調整部材B205、摩擦係数調整部材A203を配置したものである。入口側の摩擦係数調整部材B205は主として、塗布ローラー201にクリーニング後のトナーが余分に付着し、トナーが障害になり潤滑剤が均一に塗布ローラー201に付与されないことから、摩擦係数の暴れを軽減するものであり、フリッカー・バーに相当するものである。出口側の摩擦係数調整部材A203と塗布ローラー201に付与された潤滑剤が感光体に移行されずに残留することにより過剰になり、継続的に使用した場合に、感光体101の摩擦係数の下がり過ぎを抑制するための部材である。図2のように、潤滑剤塗布装置を別個に設置する場合には、摩擦係数調整部材B205は特に配置しなくてもよい場合もある。 【0019】入口側の摩擦係数調整部材B205によりトナーが掻きとられ、潤滑性付与部材204に塗布ローラーが接触する確率が増加するため、潤滑性付与部材の塗布ローラーとの接触が均一化されるようになり、より一層、塗布ローラーへの潤滑剤の塗布は良好となる。一方、出口側の摩擦係数調整部材A203では、塗布ローラーとの食い込み量を(深さ)調整することにより、付着した余分の潤滑剤が失われ、必要量だけが感光体に運ばれることとなり、感光体の摩擦係数の上昇は抑制される。これにより、感光体に制限された潤滑剤の塗布が均一に行われるため、摩擦係数が下がりきることはなくなり、摩擦係数のレベルに応じた感光層摩耗が行われる結果、高湿での作像性は改善され、感光層の摩耗も抑制される。特に、塗布ローラーにブラシ状の塗布ローラーを用いた場合には、感光体の損しようは最小限に抑えられ、均一な塗布が行える。 【0020】摩擦係数調整部材A203、摩擦係数調整部材B205は、金属、樹脂のいずれもが使用できる。また、必要に応じて、電圧を印加させることも可能である。金属を使用する場合には、ステンレス、アルミニウム、燐青銅、銅部材等が、樹脂を使用する場合には、ポリエステル樹脂、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、カーボン分散樹脂、炭素繊維等も使用できる。摩擦係数調整部材203、205に対する食い込み量についても上記と同様である。摩擦係数調整部材A、Bの塗布ローラーへの食い込み量が深過ぎると、塗布ローラーの回転不良を来たし、耐久性にも影響を及ぼすこととなる。したがって、トナー又は潤滑剤の除去効率と合わせ設定する必要があり、通常は、1〜3mm程度の食い込みがあるように設定される。 【0021】塗布ローラーは、ブラシ状やウレタン樹脂の発泡状(スポンジやフォーム)のものが使用できるが、静粛性、均一性塗布が要求される本発明では、ブラシ状のものが好ましい。材質としては、ポリエステル樹脂やナイロン樹脂、ポリプロピレン等の繊維等が挙げられ、耐久性、効果の持続性の点からポリエステル樹脂製のものが好ましい。ブラシの植毛形態には大別して直毛状とループ状があり、効果の面で多少の違いがあるもののいずれも使用可能である。塗布ローラーとしてのブラシは、長さ3〜6mm程度、繊維度3〜15デニール/フィラメント、密度、2000〜15000本/inch2である。塗布ローラーの回転数によっても効果、部材の耐久性等への影響があるが、通常は、100〜500rpmの範囲内、好ましくは、250〜350rpmである。ブラシの感光体への食い込み量は、1.5〜2mm程度に設定される。 【0022】潤滑剤塗布装置200を作用させることにより、感光体の摩擦係数は目標とする範囲に設定可能となる。好適な摩擦係数は0.2以上、好ましくは、0.25前後である。潤滑剤塗布装置200はクリーニング装置内に設置しても、クリーニング装置とは別に設置してもよい。別に設置することで、トナーの影響が少なくなるため、潤滑剤が効率よく塗布でき、効果及び永続性の面でさらに良好なものとなる。感光体の摩擦係数を低下させるための潤滑性付与部材204は、乾式でも転移性がよく、取扱いが簡易で、少ない量で摩擦係数を低減化できるフッ素樹脂(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)が好適であるが、PTFEは潤滑作用が高いために上記したような問題が生じる。そこで、PTFEを使用する場合には、本発明で示すように潤滑剤塗布装置200を使用することにより、上記問題を回避できるのである。なお、必要に応じて、転移量をコントロールするために、他の種類のフッ素系樹脂を混合した部材を使用することもできる。 【0023】潤滑性付与部材の形態はフィルム状、ブロック状のいずれでも使用でき、金属や樹脂等の基体に固定し使用する。フィルム状のものは100μm程度のものから使用でき、適用できる幅は2mm以上あれば摩擦係数を下げることができる。この幅が広過ぎると転移量が多くなり、摩擦係数が低くなりすぎるため、必要以上に幅広の潤滑剤を使用することは好ましくない。塗布ローラーとしてブラシ状ローラーを使用した場合、到達する摩擦係数は接触幅や食い込み量によっても左右される。例えば、食い込み量を2〜3mm程度に設定した場合、潤滑性付与部材の実用的な幅は3〜7mmもあればよく、感光体長手方向は画像形成領域をカバーするに足る長さにすれば十分である。潤滑性付与部材202の取り付け方は、台座204に両面テープで取り付けてもよく、接着剤で固定してもよい。長期に亘って使用されるため、フッ素系樹脂は剥離防止処理等の表面処理を行ったものが望ましい。摩擦係数が低いほど、感光層は削れ難くなるが、画像流れが起こるようになる。一方、摩擦係数が高くなると、画像流れは起こり難くなるが、感光層の摩耗が促進される。摩擦係数は通常は、0.2〜0.4以下であるが、好ましくは、0.22〜0.3に設定される。 【0024】なお、本発明における摩擦係数は、下記により算出するものである。測定用の感光体を固定し、ベルトとして厚さ85μm、幅30mm、長さ290mmにカットした上質紙を用意し、上記上質紙を感光体の上に乗せ、ベルト端部の一方に100grの分銅を取り付け、もう一方の片端に重量を測るデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルトが移動開始する時の重量を読み取り、次の式で静止摩擦係数を算出する。 μs=2/π×ln(F/W) (式中、μsは静止摩擦係数、πは円周率、Fは読み取り荷重、Wは分銅の重量を示す)。この測定法(オイラー・ベルト方式)については、JOP9−166919〔出願:平成7.12.18、公開:平成9.6.24、日本ゼオン(株)〕にも示されている。 【0025】 【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限定されるものではない。なお、「部」とあるのは重量基準である。 〔感光体の作製〕厚さ1.2mm、φ60mmのアルミニウムドラムに下記処方の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次塗布し、各層形成毎に乾燥することにより、3.5〜4μmの下引き層、0.2〜0.25μmの電荷発生層、26〜30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。 (下引き層用塗工液) アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL, 大日本インキ化学工業製) 6部 メラミン樹脂(スーパーベネカミン G−821−60, 大日本インキ化学工業製) 4部 酸化チタン 40部 メチルエチルケトン 200部(電荷発生層用塗工液) オキソチタニウムフタロシアニン顔料 5部 ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 2部 テトラヒドロフラン(THF) 80部(電荷輸送層用塗工液) ビスフェノールA型ポリカーボネート (帝人製、パンライトK1300) 10部 下記構造の低分子電荷輸送物質 10部【化1】
塩化メチレン 100部 メチルフェニルシリコーンオイル(50cs) 数滴【0026】実施例1〜5上記感光体、クリーニング装置、帯電ローラーからなるプロセスカートリッジ内に、クリーニングブラシの感光体との食い込み量を1.5mmとし、潤滑性付与部材として幅3mm、3.5mm、5mm及び8mmのフッ素樹脂(PTFE,ニチアス社製#9001,0.3mmt)を用意して、アクリル板と発泡ウレタン樹脂を台座とし、クリーニングブラシとの食い込み量が約2.5mmになるように取り付けた。次いで、摩擦係数調整部材B205として入口側に当たる部分に高さ5mmのL字型に加工した0.3mmtのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(以下、PETと言う)を潤滑性付与部材の端より4mm離して取り付け、塗布ローラーに対する食い込み量が約2mmになるようにした。続いて、摩擦係数調整部材A203として、出口側に当たる部位に幅5mm、厚み2mmの発泡ウレタン樹脂に0.4mmtのPETを潤滑性付与部材に並べて貼り付けて潤滑剤塗布装置(図4(c)参照)を作製した。これらを順に実施例1、2、3、4とする。一方、潤滑性付与部材として幅5mmとし、入口側の摩擦係数調整部材B205を外した場合を実施例5とする。なお、塗布ローラーはポリエステル繊維を使用したφ15mmで、回転数は300rpm一定とした。 【0027】比較例1〜2潤滑性付与部材を残置し、他の摩擦係数調整部材を除外した場合を比較例1、潤滑性付与部材を除外した場合を比較例2とし、その他は実施例と同様にして潤滑剤塗布装置を作製した。 【0028】比較例3〜4塗布ローラーのクリーニングブラシを発泡ウレタンフォーム(スポンジ状)に代え、感光体との食い込み量を1mmに、入口側に摩擦係数調整部材Bを高さ4mmのPETに、出口側の摩擦係数調整部材Aは2mmtの幅5mmの発泡ウレタン樹脂に0.2mmのPETを貼り付けた。潤滑性付与部材は0.3mmのPTFEを使用し、塗布ローラーとの食い込み量を1mmとして、台座に貼り付けて潤滑剤塗布装置を作製した。これを比較例3とする。一方、摩擦係数調整部材A、Bを共に除外した場合を比較例4とする。 【0029】〔評価〕このようにして作製した潤滑性付与部材装置の効果確認用の装置として、帯電ロール形式の接触帯電装置、感光体、ブレードクリーニング、クリーニングブラシを内蔵した電子写真複写機(イマジオMF3500機改造機、リコー製)を用意し、以下に示す条件で作成した感光体を搭載し評価を行った。評価方法は連続通紙とし、適時、指定の原稿による画像評価、上記方法による摩擦係数、フィッシャー社の渦電流式の膜厚計(MMS)による膜厚の測定を行った。通紙複写枚数はA4サイズ横送りとし、5万枚で評価を行った。評価環境は22〜24℃/60〜70%RH、及び30℃/90%RHである。実施例1〜5の結果を表1に示す。 【表1】
また、実施例2におけるの摩擦係数の推移を図5に示す。摩擦係数の位置的なバラツキ(σ)は0.25であった。摩擦係数調整部材を取り付け、潤滑性付与部材の幅を8mmにした場合には、解像性低下が認められたが、それ以外の場合には良好な画像であった。入口側の摩擦係数調整部材を除外すことによって、トナーの流れ込みが多くなり、全面ハーフトーン画像にしたときに局部的に少し薄くなる領域が生じたが、これは摩擦係数調整部材の適正化により改善可能な範囲であると判断された。比較例1、2の結果を表1に示す。また、比較例1、2の摩擦係数の推移を図6、7に示す。位置的なバラツキ(σ)は0.03の間であった。潤滑性付与部材のみとした場合には、この条件下では摩擦係数が下がり過ぎ、画像流れに到った。一方、潤滑性付与部材をも除外した場合には、画像品質への影響は全くなかったが、感光層の削れが進行し、対策を行った場合に比べ、8倍以上の削れとなった。表1の「判定」は次のとおりである。 ○:問題なし。 △:調整により○になるもの。 ×:実用性がないもの。 μsは摩擦係数を表す。比較例3、4の結果を表2に示す。また、摩擦係数の推移を図8に示す。 【表2】
発泡ウレタンフォームに代えることによって、感光体の摩耗が進行する傾向にあり、高湿環境での解像性の低下は抑えられた。しかし、回転ムラによると思われる画像品質にムラが出ることがあり、品質的にブラシ状の方が均一性は良好であった。一方、摩擦係数調整部材A、Bを除外することによって、感光体に潤滑剤の塗布がほぼ均一に行われたが、摩擦係数の低下が著しく、実用的ではなかった。また、回転時の摺擦音が発生し、静粛性に問題があった。表2の「判定」は、表1と同様である。 【0030】 【発明の効果】本発明によれば、ファクシミリ、プリンター、電子写真複写機等に適用される、耐摩耗性、トナークリーニング性に優れた感光体を用い、高湿環境下にも良好な作像性を達成することができ、しかも静粛性を保持することのできる画像形成方法及び画像形成装置が提供される。すなわち、(1)感光体の摩擦係数を低減化する手段として、潤滑性付与部材、塗布ローラー及び摩擦係数調整部材からなる潤滑剤塗布装置を画像形成装置内で動作させることにより、摩擦係数の下がり過ぎを抑制できる。その結果、摩擦係数を0.2以上に設定できるため、感光層を適度に摩耗させることができ、高湿環境でも画像の乱れが抑えられ、また、感光層の摩耗も従来に比して少ないため、感光体の長寿命化が達成できる。 (2)塗布ローラーの回転方向で、潤滑性付与部材の出口側又は入口側と出口側に摩擦係数調整部材を配置することにより、摩擦係数調整部材がない場合に比べ、摩擦係数を高めに設定できるため、感光層が程良く削れることになり、画像品質の低下が抑えられる。また、感光層の膜削れが増加するものの、潤滑剤塗布装置を使用しない場合に比べ、1/8程度に大幅な膜削れが抑制されるため、感光体の長寿命化が図れる。 (3)潤滑剤をフッ素系樹脂とすることによって、少ない量で効率よく、感光体の摩擦係数を下げられる。また、乾式であるため、取扱いが容易である。条件を適正化することにより、安定した摩擦係数が確保できる。 (4)フッ素樹脂にはフィルム状、ブロック状のものが制約を受けず使用でき、膜厚が厚いほど一度設定することにより、半永久的に使用することが可能となる。 (5)塗布ローラーにブラシを使用することにより、感光体に潤滑材をほぼムラなく付与することが可能となる。したがって、画像品質の安定化と共に、感光体の偏った減りがなくなるため、感光体の長寿命化が図られる。このような効果を奏するため、ファクシミリ、プリンター、電子写真複写機等の分野においてこれらの設計、製作に寄与するところは多大である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
|
| 【出願日】 |
平成12年3月23日(2000.3.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074505 【弁理士】 【氏名又は名称】池浦 敏明
|
| 【公開番号】 |
特開2001−265185(P2001−265185A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−81302(P2000−81302) |
|