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【発明の名称】 印刷複写管理システム
【発明者】 【氏名】玉本 淳一

【氏名】吉田 隆

【氏名】山下 太一郎

【要約】 【課題】不正な複写を認めない文書類、例えば機密性を要する文書類や内容を保証する文書類について、不正な複写を低減あるいは防止する、また正当な印刷物あるいは正当な複写物であることを認証する。

【解決手段】印刷複写装置は、認証装置における判断に従って、原画像を紙葉類に印刷することを特徴とする印刷複写管理システムとすることで実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】画像を印刷する紙葉類ごとの固有の識別番号を読みとる識別番号読取装置を印刷する過程に備えた印刷装置あるいは、前記識別番号読取装置を印刷する過程および原画像を取り込む載置台に備えた印刷複写装置と、前記識別番号に対応して少なくとも複写可否情報を記録するデータベースと、前記識別番号と前記データベースとから複写の可否を判断する認証装置とを少なくとも備え、前記印刷複写装置は、前記認証装置における判断に従って、前記原画像を前記紙葉類に印刷することを特徴とする印刷複写管理システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不正な複写を認めない文書類、例えば機密性を要する文書類や内容を保証する文書類について、不正な複写を低減あるいは防止する、また正当な印刷物あるいは正当な複写物であることを認証する文書類の印刷複写管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の印刷装置において、同様な目的を有するものとして、特開平11−119616号公報に記載された機密または保証性文書類の印刷方法がある。ここでは、作業者を制限するアクセス制御装置と、光活性マーキング材を含めて画像を印刷する印刷装置において、非アクセス時にはマーキング材を活性化する光線を照射し、正常なコピーを不能にする印刷方法が示されている。また、特開平9−226227 号公報に記載された複写規制媒体には、印刷物にユニークなマイクロドットパターンを印刷し、複写時に同パターンを認識したとき、複写不可とする方法が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の印刷方法は不正な複写を防止するために、画像の一部を光活性マーキング材を用いて、またはマイクロドットパターンを付加して印刷しており、その効果は印刷の寿命の間、継続する。しかしながら、このような文書類の中には、印刷した当初は複写不可であるが、所定の時間を経過した後に複写を許可するものや、印刷したときは複写可としたが、のちに複写不可に変更することがある。このような複写可/不可の変更は、従来のマーキング材を用いる方法では画像自体が変更されているために不可能である。また、文書を特定できないため、作業者毎の複写権限を設定できない、また正当に複写する場合においても履歴管理ができない等の課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の装置では、画像を印刷する紙葉類ごとの固有の識別番号を書き込む識別番号書込装置と、前記識別番号を読みとる識別番号読取装置との両方もしくは一方を紙葉類に印刷する過程に備えた印刷装置あるいは、前記識別番号書込装置と前記識別番号読取装置との両方もしくは一方を紙葉類に印刷する過程に備え、原画像を取り込む載置台に前記識別番号読取装置を備えた印刷複写装置と、前記識別番号に対応して少なくとも複写可否情報を記録するデータベースと、前記識別番号と前記データベースとから複写の可否を判断する認証装置とを少なくとも備え、前記印刷複写装置は、前記認証装置における判断に従って、前記原画像を前記紙葉類に印刷することを特徴とする印刷複写管理システムとした。
【0005】さらに前記識別番号を記録するため、無線式データキャリアを使用する印刷複写管理システムとした。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明の印刷複写管理システムの印刷物および情報の流れを示すブロック図である。図において、実線の矢印は印刷物の流れを示し、点線の矢印は情報の流れを示すものとする。
【0007】まず、図1の構成要素を説明する。
【0008】1は紙葉類であり、例えばカット紙である。図1において、紙葉類1Aは印刷前の紙葉類であり、紙葉類1Bは印刷後の紙葉類である。ここで紙葉類1には、予めあるいは印刷時に固有の識別番号Nを付与する。付与形態については後述する。
【0009】2は印刷装置であり、例えばレーザビームプリンタやオフセット印刷機である。印刷装置2は、印刷前の紙葉類1Aを蓄えておく給紙部2Aと、画像を紙葉類1に生成する印刷部2Bと、印刷後の紙葉類1Bを排出して集積する排出部2Cとを少なくとも備える。さらに、印刷装置2には、識別番号読取装置4Aと識別番号書込装置5Aの両方もしくは一方を、給紙部2Aから排出部2Cの経路に備えるものである。
【0010】3は複写装置であり、例えばいわゆるコピー機である。複写装置3は、印刷前の紙葉類1Aを蓄えておく給紙部3Aと、原画像の紙葉類1Cを載置する載置部3Bと、紙葉類1Cの画像を紙葉類1Aに複写印刷する印刷部3Cと、印刷後の紙葉類1Bを排出して集積する排出部3Dとを少なくとも備える。さらに、載置部3Bに識別番号読取装置4B、また給紙部3Aから排出部3Cの経路に識別番号読取装置4Cまたは識別番号書込装置5Cを備えるものである。また、複写装置3は操作を制限するための操作制限手段6を有する。操作制限手段6は、例えばカードリーダやパスワード入力手段であり、操作者を特定可能なIDカードやパスワードにより、操作を制限する。
【0011】7は印刷指示端末、8は認証装置であり、それぞれ例えばコンピュータである。なお、これら印刷指示端末7や認証装置8についても前述の操作制限手段6を有する。また、認証装置8は複写可否の判断を行うとともに、操作制限手段6から入力されたIDカード番号やパスワードを管理する機能、操作者を権限グループに対応する機能を有するものとする。9は認証データベースであり、例えば磁気記憶装置などを使用する。
【0012】紙葉類1の識別番号Nの付与形態について説明する。図2にバーコード11を紙葉類1に印刷する方法や、図3に無線式データキャリア12を紙葉類1に埋め込むことにより付与する例を示すが、付与形態はこれらに限られるものではない。
【0013】まず、図2にバーコード11の一例を示す。バーコード11は印刷画像に影響を与えないために、可視光線の範囲外の反射光、例えば紫外線を反射する材料により印刷する。また、紙葉類1毎に特異な識別番号Nを付与するために情報量を多く、例えば128bit 記録することが望ましい。そのため、図2に示したような2次元バーコード類は、小さい面積に多くの情報を記録でき、好適である。
【0014】また、図3に示す無線式データキャリア12は、電磁波を用いて非接触でデータ通信を行うものであり、回路構成の一例は図4のようになっている。アンテナ13と、同調コンデンサ14と、復調部15と、制御部16と、メモリ17と、変調部18と、電源部19とによって構成される。アンテナ13と同調コンデンサ14とによりキャリア周波数の電磁波を受信し、電源部19は電磁波を整流することにより、回路の電力を得る。また、復調部15は電磁波の周波数を復調し、制御部16へ制御信号を出力する。制御部16はメモリ17にデータの読み出し、書き込みをする。メモリ17から読み出したデータは、変調部18によりキャリア周波数を変調して、アンテナ13より電磁波として出力する。
【0015】なお、メモリ17は製造過程でデータを与える読み出しのみのROM(ReadOnly Memory )、製造後データを一度だけ書き込むことができるPROM(Programmable Read Only Memory)、データを記録保持する非揮発性のRAM(Random Access Memory)などがあるが、改竄防止の観点からROMまたはPROMが望ましい。このメモリ17に紙葉類1毎の識別番号Nを、例えば128bit 長で記録する。
【0016】一方、無線式データキャリア12のデータを読み書きする無線式データスキャナ20の回路構成の一例を図5に示す。制御部21からデータや制御信号を変調部22へ送信し、変調部22でキャリア周波数を変調して、アンテナ23より電磁波として出力する。逆に、無線式データキャリア12で変調された電磁波はアンテナ23で受信し、復調部24でデータに復調して制御部21へ出力する。
【0017】一対の無線式データキャリア12と無線式データスキャナ20とにより、非接触でデータを通信することができる。このような無線式データキャリア12は半導体で作成することができるため、例えば2mm×2mm以下で厚さが0.5mm 以下と、極めて小さくすることができ、印刷物に埋め込むには好適である。
【0018】識別番号Nは、印刷前の紙葉類1Aの段階で付与されている場合は、識別番号読取装置4で読みとられる。識別番号読取装置4とは、バーコード11の場合はバーコードリーダであり、無線式データキャリア12の場合は無線式データスキャナ20を用いる。
【0019】また、印刷時に識別番号Nを付与する場合は、印刷装置2や複写装置3には識別番号書込装置5が必須であり、例えばバーコードプリンタや無線式データスキャナ20を備える。
【0020】次に認証データベース9で記憶するデータの例を図6に示す。
【0021】認証データベース9のデータとは、印刷物の履歴や複写に関する情報である。例えば、識別番号Nごとに、印刷物を作成した日時、作成した操作者、複写を許可するないしは不許可にする複写可否情報あるいは複写権限を与える範囲、複写先の識別番号などを記録する。これらは認証装置8により変更可能である。ただし、認証装置8の操作は操作制限手段6で制限され、高度な権限を有する管理者に限定することが望ましい。
【0022】このような構成の印刷複写システムの一実施例を以下に示す。
【0023】図7は印刷時の紙葉類1の流れと識別番号Nなどの情報の流れを示し、矢印に与えた番号は以下の手順との対応を示すものである。
【0024】なお、この実施例において、識別番号Nは無線式データキャリア12により、紙葉類1Aに予め付与されているものとする。
【0025】まず、紙葉類1Aを印刷装置2の給紙部2Aに補給する(手順101)。
【0026】操作制限手段6により操作者を入力し(手順102)、印刷指示端末7から印刷装置2へ印刷を指示する(手順103)。印刷装置2では、給紙部2Aから紙葉類1Aを給紙し(手順104)、識別番号読取装置4Aで紙葉類1Aの識別番号Nを読みとって、印刷装置2から認証装置7へ識別番号Nと操作者を特定する情報とを送信する(手順105)。
【0027】同時に印刷指示端末6から、複写を許可するないしは不許可にする複写可否情報あるいは複写権限範囲を設定して、認証装置8へ送信する(手順106)。なお、一律に複写可あるいは複写否に設定することもある。
【0028】認証装置8では、少なくとも識別番号Nと複写可否情報とを対応して、認証データベース9に記録する(手順106)。記録する情報としては図5に示した例のように、印刷の日時や印刷指示端末6の操作者等を目的に合わせて加える。
【0029】例えば、図5のNo.1のデータでは、操作者97020が識別番号N(・・00F1)の紙葉類1Aに印刷し、その印刷物に対して権限グループGr.Aの操作者に制限して複写を許可することを示している。
【0030】一方、紙葉類1Aに印刷部2Bで画像を印刷し、印刷後の紙葉類1Bとして排出部2Cへ排出される(手順107)。
【0031】これによって、紙葉類1Bは固有の識別番号Nを有し、認証装置7によって複写可否情報や印刷の日時、作業者を対応づけることができる。
【0032】次に、図7に複写時の一実施例を示す。
【0033】まず、紙葉類1Aを複写装置3の給紙部3Aに補給する(手順201)。
【0034】操作制限手段6により操作者を入力し(手順202)、複写装置3の載置台3Bに原画像の紙葉類1Cを載置する(手順203)。ここで、載置台3Bに設けた識別番号読取装置4Bで原画像の紙葉類1Cの識別番号Naを読みとり(手順204)、操作者を特定する情報とともに認証装置8へ送信する(手順205)。認証装置8は認証データベース9を参照して(手順206)、複写可否の判断、必要ならば操作者の権限に対応した複写可否の判断を行い、複写装置3へ送信する(手順207)。
【0035】複写装置3は複写否の場合は動作しない。一方、複写可の場合は、給紙部3Aから紙葉類1Aを供給し(手順208)、識別番号読取装置4Cで紙葉類1Aの識別番号Nbを読み取って、認証装置8へ送信する(手順209)。認証装置8では、原画像の識別番号Naに複写先の識別番号Nbを付加し、また複写先の識別番号Nbに原画像のデータを継承して記録する(手順210)。
【0036】例えば、図5に示した前出の識別番号Na(・・00F1)を、識別番号Nb(・・00FB)に複写する場合、認証装置8は手順205において操作者97020と識別番号Na(・・00F1)とを受信する。次に手順206において、認証データベース9を参照して、当該の識別番号Naの複写可否情報が権限グループGr.Aのみ複写可である情報を取り出す。手順207において、操作者97020が権限グループGr.Aに属することを判断して、複写可を複写装置3へ送信する。
【0037】さらに、手順209において、複写先の識別番号Nb(・・00FB)を受信する。それにより、手順210において、図5のNo.1に示すように、複写先に識別番号Nbを記録し、またNo.3に示すように、識別番号(・・00FB)に、識別番号(・・00F1)のデータを継承して記録する。
【0038】一方、紙葉類1Aに印刷部3Cで画像を印刷し、印刷後の紙葉類1Bとして排出部3Dへ排出される(手順211)。
【0039】なお手順204から手順207において、印刷物の持ち出しが制限された施設や区域に本システムを適用する場合は、原画像の識別番号Naが読みとれない、あるいは識別番号Naが認証データベース9に存在しないとき、複写を不可とすることがセキュリティ確保の観点から望ましい。
【0040】このように、印刷物毎に固有の識別番号を与え、識別番号と対応して複写可否を判断することにより、不正な複写を防止することができる。また、操作者に複写権限を設定すること、複写の可否を変更することもできる。さらに、認証データベース9に印刷日時、操作者、複写先などを記録することができ、印刷物の履歴管理が可能となる。
【0041】また、上記の実施例においては、紙葉類1Aは予め識別番号が与えられているものとしたが、識別番号が与えられていない紙葉類1Aを使用する場合、識別番号書込装置5Aにより識別番号を書き込む手順が加わる。
【0042】そのために印刷時においては、手順105と手順106との間に、認証装置8が認証データベース9から未使用である識別番号を抽出する(手順120)。識別番号を印刷装置2へ送信し、識別番号書込装置5Aにより紙葉類1Aへ書き込む(手順121)。
【0043】また、複写時においては、手順209と手順210との間に、認証装置8が認証データベース9から未使用である識別番号を抽出する(手順220)。識別番号を印刷装置2へ送信し、識別番号書込装置5Cにより紙葉類1Aへ書き込む(手順221)。
【0044】以上の手順を加えることにより、識別番号が与えられていない紙葉類1Aにおいても、管理が可能になる。なお、前述の実施例において、印刷装置2と複写装置3とは別であるように記述したが、両者は1つの装置であっても構わない。
【0045】このように印刷物に固有の識別番号を与えて、識別番号毎に複写可否情報を記録し、複写可否の判断により複写を行う複写装置を備える印刷複写管理システムとすることにより、不正な複写を防止または低減し、履歴を管理することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明を適用することにより、不正な複写を低減あるいは防止する。また正当な印刷物あるいは正当な複写物であることを認証することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年3月16日(2000.3.16)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2001−265183(P2001−265183A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−79265(P2000−79265)