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【発明の名称】 画像形成装置及び画像形成方法
【発明者】 【氏名】安東 滋仁

【氏名】高木 正博

【氏名】市川 裕一

【要約】 【課題】可視画像の画像品質を損なうことなく、可視画像の任意の位置に付加情報を埋め込むことができ、さらに、後から付加情報を追加したり、新たな付加情報を埋め込んだりできるようにする。

【解決手段】像書き込み装置103によって潜像形成が行われる像担持体201と、不可視光に吸収域を有するトナーを収容する現像器104と、転写ロール105とを備える画像形成装置であって、画像形成時には、記録用紙と上記トナーとの可視光領域における最大分光反射率差が10%以内で、かつ、記録用紙上の可視画像と上記トナーとの不可視光領域における最大分光反射率差が10%以上となる条件で、現像器104により像担持体101上の静電潜像を現像し、これによって形成された不可視トナー像を転写ロール105によって記録用紙上に転写する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 不可視光に吸収域を有する記録材料を用いて記録媒体上に不可視画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置であって、前記画像形成手段は、前記記録媒体と前記記録材料との可視光領域における最大分光反射率差が10%以内で、かつ、前記記録媒体上の可視画像と前記記録材料との不可視光領域における最大分光反射率差が10%以上となる条件で、前記記録媒体上に前記不可視画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 記録媒体上に可視画像を形成する第1の画像形成手段と、不可視光に吸収域を有する記録材料を用いて前記記録媒体上に不可視画像を形成する第2の画像形成手段とを備える画像形成装置であって、前記第2の画像形成手段は、前記記録媒体と前記記録材料との可視光領域における最大分光反射率差が10%以内で、かつ、前記記録媒体上に形成される可視画像と前記記録材料との不可視光領域における最大分光反射率差が10%以上となる条件で、前記記録媒体上に前記不可視画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】 不可視光に吸収域を有する記録材料にトナーを用いてなることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】 前記第2の画像形成手段は、前記記録媒体上において前記第1の画像形成手段により形成される前記可視画像の下層に前記不可視画像を形成することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】 前記第2の画像形成手段は、前記第1の画像形成手段とは異なる解像度で前記不可視画像を形成することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】 前記第2の画像形成手段は、前記第1の画像形成手段よりも低い解像度で前記不可視画像を形成することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】 不可視光に吸収域を有する記録材料を用いて記録媒体上に不可視画像を形成する画像形成方法であって、前記記録媒体と前記記録材料との可視光領域における最大分光反射率差が10%以内で、かつ、前記記録媒体上の可視画像と前記記録材料との不可視光領域における最大分光反射率差が10%以上となる条件で、前記記録媒体上に前記不可視画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用紙等の記録媒体上に可視画像と不可視画像を形成する際に用いて好適な画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像中に付加情報を重畳して埋め込む付加データ埋め込み技術がある。近年、この付加データ埋め込み技術を静止画像等のデジタル著作物の著作権保護、不正コピー防止に利用する動きが活発になってきている。
【0003】付加データ埋め込み技術をデジタル著作物に利用する場合、著作権IDやユーザーID等の付加データを、視覚的に目立たないように埋め込んだ画像データを流通させる。有価証券等の偽造を防止するために、様々な対策がカラー画像形成装置に盛り込まれている。その手法の一つとして、コピーやプリントアウトに使用した画像形成装置を特定するために、画像上に目視で認識しずらい画像形成装置固有の記号を一定の変調量で画像情報に重畳させる技術がある。
【0004】この技術を用いた場合は、仮に、その画像形成装置を用いて有価証券の偽造が行われても、偽造物の画像を特定の波長域を抽出可能な読み取り装置で読み取って上記画像形成装置固有の記号を判読することにより、偽造に使われた画像形成装置を特定できるため、偽造者の追跡に有効な手がかりとなる。
【0005】しかしながら、上記技術においては、画像形成装置の階調特性によっては、低濃度域で画像形成装置特有の記号を重畳しても、それが画像濃度に反映されずに判読不可になったり、階調が硬調な濃度域では、重畳した画像形成装置固有の記号が目視で容易に認識されたりするという問題があった。
【0006】このような事情から、視覚的に目立たないように付加情報を埋め込む技術として、例えば、特開平1−225978号公報、特開平6−113115号公報、特開平6−171198号公報、特開平6−122266号公報に記載された技術が知られている。
【0007】特開平1−225978号公報に記載された技術は、潜像担持体に画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像を、該静電潜像と逆極性でかつ透明度の高い絶縁性トナーで現像して不可視トナー像を形成し、該不可視トナー像を転写材に転写・定着させて不可視画像を形成するものである。このようにして得られた不可視画像の顕像化は、転写材上の絶縁性トナー部のみを帯電させ、有色トナーにより現像することで行われる。
【0008】特開平6−113115号公報に記載された技術は、画像形成方式の異なるパターン形成装置を別個に備え、450nm以下、650nm以上の波長領域で、分光反射特性のピークを持つ記録材料を用いて、所定のパターンを記録するものである。
【0009】特開平6−171198号公報及び特開平6−122266号公報に記載された技術は、電子写真方式、静電記録方式又はインクジェット記録方式により、基体上に赤外線吸収性色素からなる着色領域と赤外線反射色素からなる着色領域とを並列又は重ねて形成し、着色領域の少なくとも一方が文字、数字、記号、模様などの画像であり、かつ上記2種の着色領域が肉眼で実質的に判別不能又は判別困難となるよう画像を記録するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報に記載された従来技術においては、次のような問題があった。
【0011】すなわち、特開平1−225978号公報に記載の技術では、不可視画像である付加情報を読み取るにあたって、画像の不可視トナー部のみに有色のトナーを現像して顕像化するため、一旦、顕像化してしまうと文書が変質してしまう。そのため、顕像化した以降は、不可視である付加情報を埋め込んだ文書として利用できなくなるという欠点を有している。
【0012】また、特開平6−113115号公報に記載の技術では、記録材料の可視光領域での吸収性について何ら規定しておらず、よって付加情報を埋め込む領域の上層に、情報を視覚的に隠蔽する遮蔽層を設ける必要がある。すなわち、付加情報を埋め込む領域や画像が限定されるという問題がある。通常、その目的から情報を視覚的に隠蔽するための遮蔽層は、可視光領域の波長をすべて吸収、あるいはすべて反射する必要があり、吸収する場合は黒色に、反射する場合は白色を有する層となる。そのため、可視画像のどこにでも、付加情報を埋め込むことができないという問題が生じる。さらに、白色を有する遮蔽層で付加情報を視覚的に隠蔽する場合は、可視画像の最下層に付加情報を埋め込む必要があり、前記遮蔽層を形成した後、新たに付加情報を追加したりすることができないという問題が生じる。
【0013】一方、特開平6−171198号公報及び特開平6−122266号公報に記載の技術では、赤外線に対する吸収性及び反射性を有する色素の可視光領域での吸収性について何ら規定しておらず、よって上記特開平6−113115号公報に記載の技術と同様に、付加情報を埋め込む領域や画像が限定される、新たに付加情報を追加したりすることができないという問題が生じる。
【0014】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、可視画像の画像品質を損なうことなく、可視画像の任意の位置に付加情報を埋め込むことができ、さらに、後から付加情報を追加したり、新たな付加情報を埋め込んだりすることができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、不可視光に吸収域を有する記録材料を用いて記録媒体上に不可視画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置であって、画像形成手段は、記録媒体と記録材料との可視光領域における最大分光反射率差が10%以内で、かつ、記録媒体上の可視画像と記録材料との不可視光領域における最大分光反射率差が10%以上となる条件で、記録媒体上に不可視画像を形成するものである。
【0016】この画像形成装置によれば、画像形成手段による画像形成時の条件として、不可視光に吸収域を有する記録材料と記録媒体との可視光領域における最大分光反射率差を10%以内とすることにより、可視画像の画像品質を損なうことなく、可視画像の任意の位置に付加情報を埋め込むことが可能となり、さらに、すでに付加情報を埋め込まれた画像に新たな付加情報を埋め込むことが可能になる。また、記録媒体上の可視画像と記録材料との不可視領域における最大分光反射率差を10%以上とすることにより、不可視画像による付加情報の埋め込みを容易に行うことが可能になるとともに、記録媒体上において肉眼では読み取り不可能でかつ特定の手段でのみ読み取りが可能な不可視画像を得ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態においては、画像形成装置の一例として、電子写真方式のカラー画像形成装置を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限らず、インクジェット記録方式、銀塩写真方式、熱転写方式、昇華型方式等の画像形成装置にも同様に適用可能である。
【0018】図1は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略図である。図示した画像形成装置は、像担持体101、帯電器102、像書き込み装置103、現像器104、転写ロール105、クリーニングブレード106等からなる画像形成手段を備えている。
【0019】像担持体101は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体101は図の矢印方向に回転可能に設けられている。帯電器102は、像担持体101を一様に帯電するものである。像書き込み装置103は、帯電器102によって一様に帯電された像担持体101に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
【0020】現像器104は、近赤外光に吸収域を有する材料を用いた現像剤を収容し、この現像剤を像担持体101と対向する領域に供給し、現像を行い、像担持体101上にトナー像を形成する。転写ロール105は、図示しない用紙搬送手段によって矢印方向に搬送される記録用紙(記録媒体)を像担持体101との間で挟持しつつ、像担持体101上に形成されたトナー像を記録用紙に転写するものである。クリーニングブレード106は、転写後に像担持体101上に残ったトナーをクリーニング(除去)するものである。
【0021】ここで、本実施形態で用いられる現像剤は、非磁性トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤である。トナーとしては、重量平均粒径が9μmで、負帯電性のポリエステル系トナーが使用されている。また、キャリアとしては、結着樹脂中に磁性粉を分散させた、いわゆる磁性粉分散型樹脂キャリア又は球形フェライト粒子に樹脂皮膜を施した、いわゆるフェライトキャリアが使用されているが、他の材料からなるトナー又はキャリアを用いることもできる。
【0022】さらに詳述すると、例えば、トナーとして、ポリエステル樹脂60wt%、無色の赤外吸収顔料40wt%を混練粉砕し、平均粒径が9μmのベーストナーとした後、このベーストナーに対し、疎水化処理を施した平均粒径40nmのTiO2微粉末をトナー表面に外添したものを用いることにより、近赤外光に吸収域を有する記録材料を得た。
【0023】また、キャリアとしては、平均粒径50μmのフェライト粒子100重量部及び分子量95,000のメタクリレート樹脂1重量部を、トルエン500重量部とともに加圧式ニーダーに入れ、常温で15分混合した後、減圧混合しながら70℃に上昇し溶剤を留去した後冷却し、105μmのふるいで篩分して評価用キャリアとした。
【0024】上記トナーとキャリアとを混合した現像剤としては、例えば、トナー濃度(TC:Toner Concentration)を8wt%、現像剤中のトナーの帯電量を20μC/gとしたものを用いることができる。ここでトナー濃度(TC)は、次式で表わされる。TC(wt%)=現像剤に含まれるトナー重量(g)/現像剤の総重量(g)
【0025】上記トナーとキャリアとを混合して現像剤としたときのトナーの電荷量は、高すぎるとトナーのキャリアに対する付着力が強くなりすぎて、トナーが現像されないといった現象が発生する。一方、電荷量が低すぎるとトナーのキャリアに対する付着力が弱くなり遊離トナーによるトナークラウドが発生し、プリントにおけるカブリが問題となる。トナーを転移して良好な現像を行うという観点からは、現像剤中のトナーの電荷量が絶対値で5〜80μC/g、好ましくは、10〜60μC/gの範囲にあることが望ましい。
【0026】続いて、本第1実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。先ず、像担持体101が回転駆動され、帯電器102によって像担持体101の表面が一様に帯電された後、像担持体101に像書き込み装置103による像光が照射されて静電潜像が形成される。その後、現像器104によって像担持体101上にトナー像が形成された後、このトナー像が転写ロール105によって記録用紙上に転写される。このとき記録用紙に転写されずに像担持体101に残ったトナーは、クリーニングブレード106によりクリーニングされる。こうして記録用紙上には、視覚的に隠蔽したい付加情報などを表わす不可視画像が形成される。
【0027】なお、上記画像形成装置によって不可視画像を形成する前の記録用紙上には、文字、数字、記号、模様などの可視画像と、隠蔽したい付加情報などを表わす不可視画像のいずれか一方、あるいは両方が記録されていてもよい。また、上記画像形成装置によって不可視画像を形成した後に、その記録用紙上に文字、数字、記号、模様などの可視画像を記録してもよい。
【0028】次に、上記画像形成装置において、実際に記録用紙上に不可視画像を形成し、その分光特性を調査した結果について述べる。この調査にあたっては、先ず、本第1実施形態の画像形成装置を用いて、記録用紙上に不可視用トナーによる不可視ベタ画像を形成した。次に、別のカラー画像形成装置を用いて、先に不可視ベタ画像を形成した記録紙上に、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が重ね合わされた可視ベタ画像を形成した。その後、画像形成に用いた記録用紙と該記録用紙上の各画像の分光反射率を分光反射率測定装置により測定した。その測定結果を図2に示す。なお、図2における不可視画像の分光反射率は、その画像形成に用いたトナー(記録材料)の分光反射率に相当するものとなる。
【0029】図2において、波長400nmから波長700nmまでの範囲は、肉眼で見ることのできる可視光領域である。この可視光領域において、不可視ベタ画像(図2における不可視画像)の分光反射率は可視ベタ画像(図2における可視画像)の分光反射率よりも高くなっている。よって、不可視ベタ画像と可視ベタ画像とが重なる部分では、肉眼による不可視ベタ画像の観察が不可となる。また、不可視ベタ画像の分光反射率は記録用紙の分光反射率よりも低くなっている。両者(不可視ベタ画像と記録用紙)の分光反射率差が大きくなると、不可視ベタ画像のみが記録された部分では、肉眼による不可視画像の観察が可能となる。
【0030】一方、波長700nm以上の領域は、肉眼で見ることのできない不可視光領域(近赤外光領域)である。この不可視光領域においては、波長800nmまでの間に可視ベタ画像の分光反射率が急激に高くなる一方、不可視ベタ画像の分光反射率が大幅に低下し、これによって不可視ベタ画像の分光反射率が可視ベタ画像の分光反射率よりも低くなっている。両者(不可視ベタ画像と可視ベタ画像)の分光反射率差が大きくなると、特定の手段によって不可視画像の読み取りが可能となる。具体的な読み取り手段としては、例えば、赤外光成分を有する照明を記録用紙に照射しつつ、赤外光に感度を有するイメージセンサで記録用紙上の画像を読み取るものが考えられる。
【0031】次に、不可視画像の読み取りと肉眼における視認性と画像の分光特性を調査した結果について述べる。この調査にあたっては、先ず、本第1実施形態の画像形成装置を用いて、記録用紙上に不可視ベタ画像と不可視ラダー画像(1ドット分のラインを1ドットおきに並べた画像)を形成した。このとき、記録用紙上での不可視用トナーの量を変えることにより、可視光領域及び不可視光領域における分光反射率を変化させた。各評価画像における不可視用トナーの量を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】次に、別のカラー画像形成装置を用いて、先に不可視画像(不可視ベタ画像、不可視ラダー画像)を形成した記録用紙上に、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像を重ね合わせた可視ベタ画像を形成した。こうして形成した画像の分光特性の評価は、可視ベタ画像と不可視ベタ画像の分光反射率測定を行い、波長が400nmから700nmまでの範囲(可視光領域)における不可視ベタ画像と記録用紙の分光反射率差の最大値と、波長が700nmから1000nmまでの範囲(不可視光領域)における不可視ベタ画像と可視ベタ画像の分光反射率差の最大値を調べた。
【0034】また、不可視画像の読み取りの評価は、可視ベタ画像と不可視ラダー画像が重なる部分に赤外光成分を有する照明(例えば、ハロゲンランプ)を照射し、赤外光に感度を有するイメージセンサにより画像の読み取りを行った。読み取った不可視ラダー画像の評価指標は、1ドット分のラインが1ドットおきにきちんと並んでいるかどうかといった、いわゆるラダーの解像性を目視で確認し、確認できたものを○、確認できなかったものを×とした。
【0035】さらに、肉眼における視認性の評価は、背景部に不可視ラダー画像と不可視ベタ画像を記録した部分を目視で観察し、目視で不可視画像を確認できたものを○、確認できなかったものを×とした。上記のような方法で評価を行った結果を表2に示す。
【0036】
【表2】

【0037】この表2に示される結果より、画像形成時の条件として、可視光領域における記録用紙と不可視画像との最大分光反射率差が10%以内で、かつ、不可視光領域(本形態では近赤外光領域)における不可視画像と可視画像との最大分光反射率差が10%以上とすることにより、可視光領域では肉眼で確認することができず、特定の方法でのみ読み取ることのできる不可視画像を形成することができる。また、可視画像の画像品質を損なうことなく、可視画像の任意の位置に付加情報を埋め込むことができ、さらに、すでに付加情報を埋め込まれた画像に新たな付加情報を埋め込むことができる。
【0038】なお、上記画像形成時の条件は、インクジェット記録方式、銀塩写真方式、熱転写方式、昇華型方式等の画像形成方式においても適用可能であるが、記録材料にトナーを用いる電子写真方式等の場合は、記録用紙上の不可視トナーの量を変更することで、不可視画像の分光反射率を容易に変えられるという利点がある。
【0039】図3は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略図である。図示した画像形成装置は、像担持体201、帯電器202、像書き込み装置203、ロータリー現像装置204、一次転写ロール205、クリーニングブレード206、中間転写体207、複数(図では3つ)の支持ロール208,209,210、二次転写ロール211等を備えて構成されている。
【0040】像担持体201は、全体としてドラム状に形成されたもので、その外周面(ドラム表面)に感光層を有している。この像担持体201は図の矢印方向に回転可能に設けられている。帯電器202は、像担持体201を一様に帯電するものである。像書き込み装置203は、帯電器202によって一様に帯電された像担持体201に像光を照射することにより、静電潜像を形成するものである。
【0041】ロータリー現像装置204は、それぞれイエロー用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用、不可視用の現像剤を収容する5つ現像器204Y,204M,204C,204K,204Fの有するものである。本装置では、画像形成のための現像剤にトナーを用いることから、現像器204Yにはイエロー用トナー、現像器204Mにはマゼンタ用トナー、現像器204Cにはシアン用トナー、現像器4Kにはブラック用トナー、現像器204Fには不可視用トナーがそれぞれ収容されることになる。このロータリー現像装置204は、上記5つの現像器204Y,204M,204C,204K,204Fが順に像担持体201と近接・対向するように回転駆動することにより、それぞれに対応する静電潜像にトナーを転移して可視トナー像及び不可視トナー像を形成するものである。
【0042】一次転写ロール205は、像担持体201との間で中間転写体207を挟持しつつ、像担持体201上に形成されたトナー像(可視トナー像又は不可視トナー像)を中間転写体207上に転写(一次転写)するものである。クリーニングブレード206は、転写後に像担持体201上に残ったトナーをクリーニング(除去)するものである。中間転写体207は、無端ベルト状に形成されたもので、複数の支持ロール208,209,210によって周回可能に支持されている。二次転写ロール211は、図示しない用紙搬送手段によって矢印方向に搬送される記録用紙(記録媒体)を支持ロール210との間で挟持しつつ、中間転写体207上に転写されたトナー像を記録用紙に転写(二次転写)するものである。
【0043】このうち、本発明に係る第1の画像形成手段は、ロータリー現像装置204における不可視用の現像器204Fを除く機能部(201〜203、205〜211等)によって構成され、本発明に係る第2の画像形成手段は、ロータリー現像装置204における4色(フルカラー)用の現像器204Y,204M,204C,204Kを除く機能部によって構成されている。つまり、第1,第2の画像形成手段は、ロータリー現像装置204以外の機能部を共通のものとして構成されている。
【0044】この第2実施形態に係る画像形成装置は、順次、像担持体201上にトナー像を形成して中間転写体207に重ねて転写するものであり、次のように動作する。すなわち、先ず、像担持体201が回転駆動され、帯電器202によって像担持体201の表面が一様に帯電された後、その像担持体201に像書き込み装置203による像光が照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロー用の現像器204Yによって現像された後、そのトナー像が一次転写ロール205によって中間転写体207上に転写される。このとき記録用紙に転写されずに像担持体201に残ったトナーは、クリーニングブレード206によりクリーニングされる。以降、マゼンタ、シアン、ブラックの各色についても、上記同様に帯電器202による帯電、像書き込み装置203による像光の照射、各現像器204M,204C,204Kによるトナー像の形成、中間転写体207へのトナー像の転写が順次、繰り返される。
【0045】こうして中間転写体207に対する4色のトナー像の転写が終了すると、これに続いて再び、像担持体201の表面が帯電器202によって一様に帯電された後、像書き込み装置203からの像光の照射されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、不可視用の現像器204Fによって現像された後、そのトナー像が一次転写ロール205によって中間転写体207上に転写される。これにより、中間転写体207上には、4色のトナー像が重ね合わされたフルカラー像(可視トナー像)と不可視トナー像の両方が形成される。このフルカラーの可視トナー像と不可視トナー像は二次転写ロール211により一括して記録用紙に転写される。これにより、フルカラーの可視画像と不可視画像とが混在した記録画像が得られる。
【0046】この第2実施形態に係る画像形成装置によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、記録用紙に対し可視画像によるフルカラー画像の形成と不可視画像による付加情報の埋め込みを同時に行うことができるという効果が得られる。
【0047】また、記録用紙上において、フルカラー画像による可視画像の下層に不可視画像を形成することにより、上層のフルカラー画像が不可視画像を保護する保護層として働くようになる。これにより、例えば記録用紙上での擦れによる不可視画像の欠落を防止できるなど、より耐久性のある不可視画像を付加情報として埋め込むことが可能となる。
【0048】さらに、画像形成時における不可視画像の解像度と可視画像の解像度を異なるものとすることにより、例えば、不可視画像の読み取り後のデータ処理として、可視画像の解像度に対応する周波数成分をカットするフィルター処理を行うことにより、不可視画像と可視画像を効率良く分離して、不可視画像の判読を容易にすることができる。ちなみに、画像形成時の解像度は、像書き込み装置203による静電潜像の書き込み周波数を制御することにより調整することができる。
【0049】またさらに、画像形成時における可視画像の解像度を600dpiとする場合は不可視画像の解像度を400dpiとし、可視画像の解像度を400dpiとする場合は不可視画像の解像度を200dpiとするなど、不可視画像の解像度を可視画像の解像度よりも低くすることにより、記録用紙上の画像を読み取る場合に、可視画像用のイメージセンサを併用して不可視画像の読み取りを行うことが可能となる。
【0050】なお、上記第1,第2実施形態においては、像担持体として感光体を使用しているが、本発明はこれに限らず、例えば、像担持体として誘電体を使用し、静電プリンターに使用されている放電記録ヘッドや、特開昭59−190854号公報に開示されているイオン流制御ヘッドなどにより像担持体上に静電潜像を形成するものであってもよい。
【0051】また、上記第1,第2実施形態では、近赤外光に吸収域を有する記録材料(トナー等)を用いて、記録媒体上の可視画像と記録材料との近赤外光領域における最大分光反射率差を10%以上と規定したが、これ以外にも、近紫外光に吸収域を有する記録材料(トナー等)を用いて、記録媒体上の可視画像と記録材料との近紫外光領域における最大分光反射率差を10%以上と規定しても同様の効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、不可視光に吸収域を有する記録材料と記録媒体との可視光領域における最大分光反射率差が10%以内で、かつ、記録媒体上の可視画像と記録材料との不可視光領域における最大分光反射率差が10%以上となる条件で、記録媒体上に不可視画像を形成することにより、可視画像の画像品質を損なうことなく、可視画像の任意の位置に付加情報を埋め込むことができ、さらに、後から付加情報を追加したり、新たな付加情報を埋め込んだりすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】 【識別番号】100086298
【弁理士】
【氏名又は名称】船橋 國則
【公開番号】 特開2001−265181(P2001−265181A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−75137(P2000−75137)