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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】川上 善弘

【氏名】石澤 英夫

【要約】 【課題】装置本体にセットされた画像形成ユニットが未使用か否かを簡便に検知することができる画像形成装置を提供する。

【解決手段】画像形成装置20は画像形成装置本体1と、これに設けた新品検知装置と、装置本体1に着脱自在の感光体ユニット2、現像ユニット3および、クリーニングユニット4を備えている。各ユニットの適所に有機色素膜を塗布することにより被検知部を形成する。新品検知装置(検知機構6,7,5)として光センサを設ける。これらの光センサは、光照射により上記被検知部の光反射率を増大させるための光源を兼ねている。これら光センサの発光素子は、出射光パワーが高いときには上記光源として作用する。新品ユニットを使用した場合には、光源からの出射光により上記被検知部の反射率を初期値よりも高い値に変化させる。セットされたユニットが新品であるか否かの確認は、上記光センサによる反射率測定により行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像形成装置本体と、この画像形成装置本体に着脱自在の画像形成ユニットと、該画像形成ユニットが未使用か否かを検知する新品検知装置とを備えている画像形成装置であって、前記新品検知装置は、前記画像形成ユニットの適所に設けられ外的要因により物性が変化する部材が表面に形成された被検知部と、前記画像形成装置本体に設けられ前記外的要因を発生させて前記画像形成ユニットの被検知部表面の部材の物性を変化させる物性変化発生機構と、前記被検知部表面の部材の物性変化を検知する検知機構とからなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 複数の画像形成ユニットが前記画像形成装置本体に着脱自在とされ、これら画像形成ユニットのそれぞれに前記新品検知装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】 前記被検知部は、前記画像形成ユニットの表面の適所に有機色素または有機染料の塗膜を形成したものであり、前記物性変化発生機構は、前記被検知部に光を照射して前記塗膜に化学的変化および/または物理的変化を発生させることにより、前記被検知部の反射率を変化させる光源であり、前記検知機構は前記被検知部に照射された光の反射率を検知する光センサであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真技術を応用した出力記録機器として使用される画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、消耗部品である感光体、現像器(現像剤および、その収納容器を含む)およびクリーナ等を組み合わせ、一体化して画像形成ユニットとし、これらを不良品ユニットあるいは使用済ユニットと交換することにより画像形成装置のメンテナンスを簡略化しようとする動きがある。すなわち、従来の画像形成装置ではメンテナンスサービスマンが消耗部品等を交換して装置の維持管理を行っていたが、最近では上記のように消耗交換部品をユニット化することで、特別な技術を有するサービスマンでなくても、一般ユーザが容易にメンテナンスできるようになっている。
【0003】ところが、消耗部品である感光体、現像器、クリーナー等の寿命は互いに異なっており、このため最も寿命の短い部品に交換頻度を合わせているのが現状である。しかし、これでは天然資源やエネルギーの浪費を招くことになる。
【0004】上記問題を解決する手段として、寿命の異なる部品をそれぞれ別のユニットにして省資源化を実現しようとする動きがあるものの、それぞれのユニット交換時期を管理するのは煩雑であり、このため交換時期がきても交換されず、重大な故障に到る場合があった。
【0005】従来、上記交換時期の管理方法には、例えば以下のものがある。この管理方法では、画像形成ユニット(以下、ユニットと略記することがある)に連動するギヤに、新品ユニットに交換されたことを知らせる部材を取り付け、画像形成装置の使用時に上記ギヤが回転することにより、上記部材の位置が新品ユニット時の位置と異なる位置へ動いたり、この部材を画像形成ユニットから脱落させたりするとともに、上記部材のこれらの動きを画像形成装置本体に設置された検知手段で読み取り、この検知信号を画像形成装置本体に設けられたコントローラに出力することにより、消耗部品である画像形成ユニットの管理を画像形成装置自体が自動的に行えるようになっている。
【0006】しかし、上記交換時期の管理方法は、被検知部の機械的な動きを読み取っているため、メンテナンスの際にこのユニットを取り外した場合、誤って被検知部を移動させたり、脱落させたりして正確な検知ができなくなるいといった、信頼性に関わる問題が発生することがあった。また、画像形成ユニットから脱落した部材を摺動部が噛み込んだりして、これらが画像形成装置の重大な故障の原因になることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は画像形成装置本体と、この画像形成装置本体に着脱自在の画像形成ユニットとを備えた画像形成装置において、上記画像形成ユニットが未使用か否かを簡便に検知することができる新品検知装置を設けた画像形成装置を提供することにある。
【0008】すなわち本発明は、画像形成ユニットが新品であるか否かの確認を高い信頼性をもって行うことができるうえ、画像形成ユニットの交換時に関連部品が画像形成装置本体内に脱落してトラブル発生の原因になるなどの不具合がない画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の画像形成装置は画像形成装置本体と、この画像形成装置本体に着脱自在の画像形成ユニットと、該画像形成ユニットが未使用か否かを検知する新品検知装置とを備えている画像形成装置であって、前記新品検知装置は、前記画像形成ユニットの適所に設けられ外的要因により物性が変化する部材が表面に形成された被検知部と、前記画像形成装置本体に設けられ前記外的要因を発生させて前記画像形成ユニットの被検知部表面の部材の物性を変化させる物性変化発生機構と、前記被検知部表面の部材の物性変化を検知する検知機構とからなることを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1において、機能が同一または異なる複数の画像形成ユニットが前記画像形成装置本体に着脱自在とされ、これら画像形成ユニットのそれぞれに前記新品検知装置が設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または2において、前記被検知部は、前記画像形成ユニットの表面の適所に有機色素または有機染料の塗膜を形成したものであり、前記物性変化発生機構は、前記被検知部に光を照射して前記塗膜に化学的変化および/または物理的変化を発生させることにより、前記被検知部の反射率を変化させる光源であり、前記検知機構は前記被検知部に照射された光の反射率を検知する光センサであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は画像形成装置20の構成を示す概略斜視図、図2はそれぞれの画像形成ユニットの構造を示す概略断面図である。図1において、画像形成ユニット(消耗交換部品)である感光体ユニット2、現像ユニット3およびクリーニングユニット4を画像形成装置本体1に着脱自在に装着することにより、画像形成装置20が構成される。この場合、それぞれの画像形成ユニットは、画像形成装置本体1内に設けられたユニット交換レール(図略)を介して、同じく該装置本体1内に設けられた支持ガイド(図略)に挿脱できるようになっている。
【0013】上記感光体ユニット2はSe、アモルファスSi等の無機感光体、あるいはトリスアゾ顔料等を主成分とした有機感光体11を主構成部材とし、帯電ローラ12等を副構成部材としている。現像ユニット3は磁性体である現像ローラ13を主構成部材とし、トナー収納容器14、トナー(現像剤)14a、トナー搬送スクリュー15、現像ドクタブレード等を副構成部材としている。なお、トナー収納容器、トナーおよびトナー搬送スクリューについては、トナー使用量が多いことから別ユニットとする場合もある。クリーニングユニット4は、トナー回収搬送スクリュー16を主構成部材とし、廃トナー回収部(図略)等を副構成部材としている。なお、図2において符号8は転写ユニット、符号9は露光用の光学ユニットである。
【0014】有機感光体11後端のフランジ部(金属製)の端面に、被検知部用の材料(外的要因により物性が変化する部材)として、有機色素であるシアニン系色素からなる色素膜を公知のデッピング法、スプレー法等により形成する(図略)。したがって、この実施の形態において上記被検知部は、上記フランジ部の金属面とこの上に形成した上記色素膜からなっている。画像形成装置本体1内部の上記シアニン系色素膜に対応する位置に光源(図略)と、検知機構6として光センサを設けてある。上記光源は前記物性変化発生機構に相当し、光を上記被検知部(上記色素膜塗布部)に照射することにより、この色素膜塗布部の光反射率を変化させるものである。上記シアニン系色素膜は、光源からの光のエネルギーにより退色現象が発生したり、この光のエネルギーが大きい場合にはこれが熱エネルギーとして作用してシアニン系色素膜を昇華させたりするため、この色素膜塗布部の光の反射率(以下、単に反射率と記載することがある)が増大する。すなわち、色素が退色などの変化を起こすことで色素膜の反射率が低下して(言い換えれば、色素膜の光透過率が増大して)、色素膜を透過する光の割合が増大し、上記光源からの光が上記金属面で反射する割合が増大する結果、被検知部(色素膜塗布部)の反射率が増大する。上記光センサは、発光素子からの光を色素膜塗布部に照射し、その反射光を受光素子で受けて反射率を検知するものである。
【0015】なお、上記光センサは、図3のフローチャートに示すように、上記物性変化発生機構としての光源を兼ねたものであっても良く、この場合、この光センサの発光素子の発光パワーを増減することにより、「パワーLow 」のときには反射率検知用の光源とし、「パワーHigh」のときには物性変化発生用の光源として機能させることができる。
【0016】つぎに、例えば感光体ユニットが未使用であるか否かを、上記新品検知装置により検知する(新品検知を行う)方法について説明する。あらかじめ、新品感光体ユニット2を上記画像形成装置本体1にセットし、上記色素膜塗布部の反射率(上記フランジ部端面のうち、シアニン系色素膜を形成した部分の反射率)を上記光センサ(検知機構6)によって測定しておく。そして、未使用であるか否かを確認したい感光体ユニット2を画像形成装置本体1にセットし、同様に上記光センサよって色素膜塗布部の反射率を測定し、この測定値が上記新品感光体ユニットについての反射率Riと等しければ「新品」と判断し、反射率がRiよりも大きければ「新品ではない」と判断する。
【0017】このように本実施の形態では、感光体ユニット2が新品か、そうでないかを、感光体ユニット2を画像形成装置本体1に装着したままで、画像形成装置本体1によって、簡便・正確に判断することができる。
【0018】なお、検知機構6が光センサである場合、光源として半導体レーザ、LED等が採用できる。また、シアニン系色素膜の代わりにポリメチレン系色素、ナフトキノン系色素、アントラセン系色素、ジチオール金属錯体系色素等を使っても同様に感光体ユニットの新品検知を、被検知部の反射率変化を把握することで行うことができる。
【0019】現像ユニット3や、クリーニングユニット4の新品検知についても、上記と同様の手段により確認することができる。この場合、現像ローラ13、トナー回収搬送スクリュー15のそれぞれの後端部に有機色素を塗布し、これらを画像形成装置本体1に装着し、同様に光源(図略)および検知機構7,5を用いて反射率を測定することにより(図1参照)、現像ユニット3またはクリーニングユニット4が新品ユニットであるか否かを簡単・正確に確認することができる。
【0020】次に、本実施の形態に係わる検知回路の処理動作を、図3のフローチャートに従って説明する。まず外部電源をONするか、またはユニット交換等のメンテナンス時に画像形成装置本体1の扉を開閉することによりリセットが働き(S1)、検知機構6用の光源である半導体レーザがON(S2)される(レーザ出力は1mW)。この半導体レーザは、上記物性変化発生機構としての光源を兼ねたものである。そして、このレーザからのレーザ光により、感光体ユニット2のフランジ端面に形成した被検知部の反射率が読み取られる(S3)。
【0021】このステップS3で反射率が「Low(新品の反射率に等しい)」ならば、現セットユニットでのプリントカウンターをリセットし(S4)、レーザ出力を10mW程度の高出力に上げ(S5)、被検知部の有機色素を酸化あるいは昇華させる。この操作は、上記感光体ユニット2が以後の手順に従って画像形成に使用され、その結果新品ではなくなっていることを明白にするために行うものである。上記のように被検知部の有機色素が酸化あるいは昇華すると、被検知部に照射されたレーザ光はフランジ部の金属面からの反射光となるので、被検知部の反射率が増大する。以上の操作は上記ステップS3で被検知部の反射率が「High」に検知されるまで繰り返される。
【0022】ステップS3で被検知部の反射率が「High」に検知されると、レーザ光をOFFにする(S6)。この工程までが新品検知工程であり、上記OFF操作は省電力のみのために行うので、レーザ光の出力を変化させず、時間をかけて有機色素を徐々に酸化あるいは昇華させても良い。次いで、ユニットの準備動作が行われ(現像ユニットの場合、現像剤の準備撹拌動作が行われる)、プリントが開始され、通紙枚数に応じて現ユニットのプリント枚数がカウントされる(S7〜S9)。このカウントがそれぞれのユニットにあらかじめ設定された寿命カウントに達すると(S10でYES)、ユニット交換の警報が表示されたり、プリント動作が強制的に停止されたりする(S11)。ステップS10でNOの場合には、ステップS8〜S10の動作が繰り返される。
【0023】なお、本実施の形態では、仕様や型式が異なるが外観では区別できない複数個の現像ユニット(同一機能ユニット)が存在するときには、それぞれのユニットに設けた被検知部の初期反射率(新品の反射率)を異なる値に設定することにより、各々の現像ユニットの違いを識別する(反射率測定対象のユニットがどの現像ユニットであるかを確認する)ことが可能となる。
【0024】例えば、カラープリンタの場合、現像ユニットには通常ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色があり、ユーザーサイドで現像ユニットの誤装着があると混色により重大な故障が発生し、膨大なメンテナンス費用が必要となる。この問題を解決するには、光センサで初期反射率を読み取った際に、異なる現像ユニットが装着されていると(設定値と異なる反射率の現像ユニットが装着された場合)、装着エラー警報を発生し、ユニット準備モードに入らないようにすれば良く、誤装着に起因する故障を回避することが可能となる。
【0025】本実施の形態では、被検知部を形成するための材料である有機色素膜を、画像形成ユニットの構成部材であるローラ等の後端部に塗布したが、これとは別の構成部材に塗布しても良いし、新たに用意した部材に塗布しユニットにセットしても良い。
【0026】また、定着ユニット(図示せず)、転写ユニット8、光学ユニット9等にも同様に被検知部を設け、このユニットに対応する画像形成装置本体1のそれぞれの個所に検知機構を設けておけば、同様に装置本体1のコントローラが判断し、ユニットの交換時期を表示することができる。
【0027】図1、図2ではシアニン系色素膜の反射率(光学的物性)を検知機構で検知するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく被検知部と、この被検知部の電気的特性、磁気的特性などの物性を変化させる物性変化発生機構とを設けることによっても、本発明の目的を達成することができる。
【0028】さらに、被検知部の形成材料として、有機色素の代わりに有機染料を用いることもできる。有機染料としてはキレート化合物、ジアゾニウム塩、クリスタルバイオレットラクトン、トリフェニレンメタン、フルオラン、スピロピラン等が使用できるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、検知機構の光源からの光により色調が変化するものであれば良く、検知機構がこれを反射率の変化として読み取れるならば、新品ユニットであるか否かの判断が可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の画像形成装置では、画像形成装置本体に画像形成ユニットの新品検知装置を設け、画像形成装置本体にセットされた画像形成ユニットが新品であるか否かを、上記新品検知装置で検知するように構成したので、画像形成ユニットの新品検知操作を簡便・正確に行うことができる。
【0030】請求項2に記載の画像形成装置では、複数の画像形成ユニットが前記画像形成装置本体に着脱自在とされ、これら画像形成ユニットのそれぞれに対応して前記新品検知装置が設けられているので、これら複数の画像形成ユニットについての新品検知操作を簡便・正確・能率的に行うことができる。したがって、この画像形成装置は例えばカラーレーザプリンタに有効に応用できる。
【0031】請求項3に記載の画像形成装置では、新品検知操作を光学的装置を用いて行うよう構成したので、請求項1の画像形成装置に比べて更に簡便、かつ正確な新品検知操作が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−265176(P2001−265176A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−76512(P2000−76512)