| 【発明の名称】 |
画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】長藤 秀夫
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| 【要約】 |
【課題】定着の立ち上がり時間を遅くすることなく、かつノイズの発生の少ない画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ローラの温度がリロード温度に到達した後、ヒータをONとする信号に対し、0.3秒から1.2秒の周期Tの中でカットオフ時間を設けて実質の消費電力を小さくし、リロード到達後は消費電力を実質的に減らす。ヒータのON、OFFの切り替えと、周期Tの設定は、AC電源電圧波形の山が中途半端なところではなく、0Vとなった位置で切り替えるようにして、ノイズの発生を抑える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 定着装置の動作を制御する手段が、定着ローラ温度の定着可能な状態への立ち上がりを示すリロード温度に到達した後、定着ヒータをオンとする信号に対して0.3秒から1.2秒の時間周期中で上記ヒータを一部オフとする時間を設け、かつ上記時間周期から上記オフ時間を差し引いた電力を供給するオン時間が、最短でも0.2秒以上となるように制御することを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】 上記制御手段が、上記リロード温度に到達した後の上記定着ヒータをオンとする信号をオン、オフする切り替え時を、上記定着ヒータに供給する交流の波形の山が0Vとなる時点となるように制御することを特徴とする請求項1の画像形成装置。 【請求項3】 上記定着装置の定格ワット数AWに対し、実質的に異なるワット数BWとしたい時に、B/A=b/a(a、bは1桁の整数)となるようにし、C×10/a=d(dは整数)となるような値に周期Cを設定して制御することを特徴とする請求項1または2の画像形成装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリ、プリンタ、複写機等の電子写真装置の画像形成装置に関し、特に定着装置が有する定着ローラの温度制御を改良した画像形成装置に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ヒータを用いた上述のような画像形成装置では、電源投入時や省電力モードのように、定着装置の定着ローラの温度がリロード温度(本明細書において定着可能な状態への立ち上がりを示す温度、換言すればトナー像の転写紙への定着が可能となる温度をいう。)よりも低い温度状態から温度を上げていく際、定着装置で消費される実質的な消費電力を小さくして、ヒータ断線等に起因する短寿命化を防ぐことが求められているが、本願発明者等の知るところでは、そのような対策には満足できるものが存在していない。 【0003】たとえば特開平10−254306号公報に開示の画像形成装置では、定着ヒータ以外の消費電力に合わせて定着ヒータの消費電力を可変にするため、定着の立ち上がり時間が遅くなってしまうという欠点があるだけでなく、定着ヒータに供給する電源電圧の交流波形の山の途中でオン、オフしているためノイズが発生してしまうという問題がある。 【0004】本発明はこのような従来の問題点にかんがみ、定着の立ち上がり時間を遅くすることなく、かつノイズの発生の少ない画像形成装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置のうち請求項1に係るものは、上記目的を達成するために、定着装置の動作を制御する手段が、定着ローラ温度の定着可能な状態への立ち上がりを示すリロード温度に到達した後、定着ヒータをオンとする信号に対して0.3秒から1.2秒の時間周期中で上記ヒータを一部オフとする時間を設け、かつ上記時間周期から上記オフ時間を差し引いた電力を供給するオン時間が、最短でも0.2秒以上となるように制御することを特徴とする。 【0006】同請求項2に係るものは、上記目的を達成するために、上記制御手段が、上記リロード温度に到達した後の上記定着ヒータをオンとする信号をオン、オフする切り替え時を、上記定着ヒータに供給する交流の波形の山が0Vとなる時点となるように制御することを特徴とする。 【0007】同請求項3に係るものは、上記目的を達成するために、上記定着装置の定格ワット数AWに対し、実質的に異なるワット数BWとしたい時に、B/A=b/a(a、bは1桁の整数)となるようにし、C×10/a=d(dは整数)となるような値に周期Cを設定して制御することを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態及び実施例】以下本発明の実施の形態及び実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置となるプリンタ、複写機等の電子写真装置の画像形成装置について、プリンタの一例として示す概略断面図、図2は図1の装置の定着装置の断面図である。図示のように本装置は、給紙装置1、レジストローラ2、感光体3、帯電チャージャ4、レーザー光学系5、現像装置6、転写チャージャ7、定着装置8、排紙部9、除電ランプ10、クリーニング装置11、電源部12、ファン30、コントローラ32等により構成してある。 【0009】定着装置8は、給紙装置1から給紙される転写紙上に感光体3から転写されたトナー画像に対して、少なくとも熱と圧力を加えて画像を定着させる。この定着装置8は、図2に示すように、加熱、駆動される定着ローラ13、定着ローラ13に圧接、従動する加圧ローラ14、加圧ローラ14を定着ローラ13へ圧接させるレバー15及びスプリング16、定着ローラ13を加熱するヒータ17、及びサーミスタ18から構成してある。 【0010】定着ローラ13は、ローラ長がA3通紙の装置で320〜380mmであり、ステンレス管(SUS304、SUS430、SUS416、またはそれらをベースとした合金)または炭素鋼鋼管(STKM11、STKM12)で、通紙部の肉厚0.15〜0.4mmに、ふっ素樹脂のコーティングまたはフッ素樹脂のチューブをA3通紙の装置で300〜380mmの範囲で被覆して設けたものである。ふっ素樹脂の種類としては、四ふっ化エチレン樹脂(PTFE)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)のいずれか、またはその混合樹脂を用いる。 【0011】加圧ローラ14は、直径φ10〜φ40mmでゴムの肉厚を3〜8mm(ゴムがシリコーンゴムの場合はゴム硬度はソリッドタイプでJISA8〜40、スポンジタイプの場合でアスカC40〜52の同一硬度)とし、ゴム部の長さ305〜340mm、ゴムに抵抗107Ωから1012Ωの中抵抗のフッ素樹脂のチューブを設けている。ただしゴムに対するふっ素樹脂の被覆は無くても構わない。 【0012】ヒータ17には、ハロゲンヒータを使用し、定格100V、1160〜1300Wを1本使用している。 【0013】さらに好ましくは、次の通りである。なお図3中の19は定着ローラ13を回転駆動するためのギヤ、20は定着ローラ13を支持する軸受である。図3(A)に示すように、定着ローラ13は、材質が炭素鋼鋼管STKM11で、ローラ長Lは375mm、通紙範囲Aの外径φ1は29.8mm、内径がφ2は29.2mm、肉厚t1は0.3mm、軸受部分の外径φ3は30mmで、その厚さt2は通紙部の肉厚より0.1mm厚くした0.4mmとする。または図3(B)に示すように、絞り加工で軸受部分の外径φ3を25mmとし、肉厚t2を0.5mmmm〜1.5mm(好ましくは1mm以下)とする。さらに図3(C)に示すように、絞り加工後に切削や研削して内側の方向に肉厚を厚くしても構わない。 【0014】通紙範囲Aの肉厚を、上述の例のように薄肉にすることにより、定着の立ち上がりが従来に比べて格段に速くなる。定着ローラ13を上記のような肉厚構成とする理由は、定着装置の定着可能温度までの立ち上がり時間をできるだけ短くするために芯金を薄くするわけであるが、あまり薄すぎると加圧ローラ14が圧接したときに定着ローラ13が潰れや撓みによる変形で狙いのニップ形成ができず定着不良になってしまったり、転写紙にシワが発生してしまう。そこで軸受部の肉厚を厚くすることにより強度を上げ、加圧時のローラ変形を小さくして定着不良の発生やシワの発生を防止している。 【0015】軸受部の肉厚は1.5mm以下であれば、定着立ち上がり時間にほとんど影響しない。また、材質も、STKMやステンレス鋼管を使用するのも、従来のアルミニウムに比べ強度が強いためである。そして、プリンタの線速115mm/s〜130mm/sに対応できるニップを形成するための定着ローラ13に体知る加圧ローラ14の加圧力である片側9Nに耐えられるようになる。定着ローラ13の表面にはパーフルオロアルコキシ樹脂を主材料としたコーティングを施す。コーティング長さは355mmである。 【0016】加圧ローラ14は、直径φ30mm、ゴム肉厚5〜5.5mm、ゴム部長さ316mmとする。また、ヒータ17は、ハロゲンヒータで定格100V、1200Wを1本使用する。また、プリンタの最大消費電力は1450Wであり、電源OFF時や、省電力モードにおいては、ヒータ17をOFFとし、ヒータ17の消費電力を0とするようになっている。 【0017】このプリンタにおいて、電源投入時や、省電力モードのように、定着の立ち上がりを示す温度(リロード温度)より低い温度の状態から定着温度を上げる際、少なくともリロード温度に到達するまでは、定着用のヒータ17をフル点灯して消費電力1200Wとし、画像形成装置の最大消費電力の80%以上を定着装置で消費するようにする。このように定着の立ち上げを最優先することにより、図4に示すように、従来技術で30秒から40秒かかっていた定着の立ち上がり時間を6〜10秒と非常に短くでき、立ち上がりの速いプリンタ(画像形成装置)を提供できる。また、ヒータ17には1200Wのハロゲンヒータ1本でよいため、コストを安くできる。 【0018】ところで、常時プリンタの最大消費電力1450Wに対して80%以上の1200Wを定着装置で消費するようにすると、他のユニットに電力を供給できず、プリンタとしての機能を十分果たせないので、リロード温度到達後、定着の最大消費電力を800W以下、つまり最大消費電力に対して60%以下に抑えるようにして、大きな電源ユニットを不要として低コストにすることも可能である。電源ユニットを大きくすることなく最大消費電力の60%にする手段としては、800Wと400Wの2本のヒータを使用し、リロード温度到達後800Wのヒータ1本に切り替える手段が考えられるが、ヒータが2本になることによりトライアック等の部品が増え、コストが高くなってしまう(図5参照)。図5において、17aは800Wのヒータ、17bは400Wのヒータ、21は電源ユニット、22a、22bはトライアック、23はサーモスタットである。 【0019】そこでヒータを1本とし、かつ電源ユニットを大きくすることなく最大消費電力の60%にする手段としては、図6に示すように、電源トランス24を100V出力と81Vの出力を持つトランスとし、リロード温度到達までは100V、それ以降は81Vと電源電圧を切り替えるようにすれば、実質800Wとでき、ヒータ17が1本で、かつ電源ユニットを大きくすることなく最大消費電力の60%にできる。 【0020】次に本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、図7に示すように、定着ローラ13の温度がリロード温度に到達した後、ハロゲンヒータ17をONとする信号に対し、0.3秒から1.2秒の周期Tの中でカットオフ時間を設けて実質の消費電力を小さくする。具体的には、周期を0.3秒とし、リロード温度到達まではヒータON信号に対して0.3秒全て電力供給(ON)し、リロード温度到達後、1つの周期を0.2秒ON(電力供給)、0.1秒OFF(カットオフ)とし、ヒータON信号の間、その周期で電力供給していく。そうすると、1200W×(0.4秒/0.6秒)=800Wということになって、1200Wのハロゲンヒータ17がリロード到達後には消費電力が実質800Wとなり、ヒータ1本で、かつ電源ユニットを大きくすることなく最大消費電力の60%にでき、コストを低減できる。上記周期を0.6秒とし、0.4秒ON、0.2秒OFFと振り分けても良い。またON、OFFの順序は、逆でも構わないがON、OFFの順序の方が、定着温度を制御しやすいので好ましい。 【0021】上記のようにリロード温度前後で、1本のヒータでも最大消費電力を簡単に変更できるが、周期Tからカットオフ時間を差し引いた電力供給時間が必ず0.2秒以上となるよう制御する。これは、ハロゲンヒータ17のON時間が0.2秒より短くなってしまうと、ハロゲンヒータ17のタングステンワイヤがケミカルアタックという現象により断線してしまうためである。したがって、0.2秒以上に制御することによりヒータ断線など短寿命化を防げる。この観点から周期Tは0.3秒以上と設定しており、ハロゲンヒータ17をこまめに制御し定着温度のリップルを小さくするために周期が1.2秒以下である必要から、周期は0.3秒から1.2秒の間とするとよい。 【0022】また、ハロゲンヒータ17のON、OFFの切り替えと、周期Tの設定は、OFFからONへのタイミングとなるので、周期Tの設定も必ずAC電源電圧波形の山が中途半端なところではなく、0Vとなった位置で切り替え、ノイズの発生を抑えるとよい。 【0023】定着定格ワット数AWに対し、実質的にワット数をBWとしたい時、B/A=b/a(ただしa、bは1桁の整数)となるようにし、周期Cについて、C×10/aの値が整数dとなるような値に設定する。そうすることにより、供給する交流の周波数が50Hzでも60Hzでも波形が中途半端なところでON、OFFの切り替えが無いように設定でき、かつ1サイクルごとで切り替えられる。1山(0.5サイクル)での切り替えでも、0Vで切り替えられるので、ノイズの発生を抑えられるが、好ましくは、1サイクルでの切り替えの方がノイズを抑えるのにさらなる効果が大きい。 【0024】上記の式について補足すると、周期C=d×a/10となり、50Hzのときの周期の山の数は50×2×C=5×2×a×dとなり、整数となる。また、60Hzの時も、周期の山の数(1サイクル2山とする)は60×2×C=6×2×a×dとなり、整数かつ偶数となる。1200Wのヒータを実質800Wにしたい時は800/1200=2/3で、a=3となり、d=1とすると周期Tが0.3秒、d=2とすると周期0.6秒、d=3とすると0.9秒となる。d=2で、周期の山の数は50Hzで60山、60Hzで72山となる。したがって、上記のように周期を設定すると50Hzでも60HzでもON、OFFの切り替えが1サイクル単位のところで切り替えられ、そうすることにより、図8(A)に示すように、波形が中途半端なところでON、OFFの切り替えが無いようにできる(必ず0Vの位置でON→OFF、OFF→ONに切り替えられる)ので、それによるノイズの発生を抑えた画像形成装置を提供できる。なお図8(A)において、交流波形の山の位置に付した数字は周波数50Hzのときの山の数で、カッコ内に示す数は周波数60Hzの時の山の数である。図8(B)は、山の中途半端な位置でON、OFFが切り替えられる例で、このような波形のとき、ノイズが発生する。 【0025】 【発明の効果】本発明の請求項1に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、リロード温度到達後、定着ハロゲンヒータをオンとする信号に対し、0.3秒から1.2秒の周期中でカットオフ時間を設けて実質消費電力を小さくして、リロード温度前後で、1本のヒータでも最大消費電力を簡単に変更でき、かつ周期からカットオフ時間を差し引いた電力供給時間が最短でも0.2秒以上となるよう制御しているので、ヒータ断線など短寿命化を簡単に防げるという効果がある。 【0026】請求項2に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、リロード温度到達後、ヒータをオン、オフする切り替え時に、ヒータに供給する交流の波形の山が0V以外の中途半端な位置で切り替わらないように制御しているので、上記共通の効果に加え、ヒータのオン、オフが交流波形中の0V以外の中途半端な位置で切り替わることによるノイズの発生を抑えることができるという効果がある。 【0027】請求項3に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、定着定格ワット数AWに対し、実質的にBWとしたい時、B/A=b/a(a、bは1桁の整数)となるようにし、周期Cを0.3秒から1.2秒の間でかつC×10/aの値が整数となるように周期Cを設定して制御しているので、上記共通の効果に加え、交流電源の周波数が50Hzでも60Hzでも波形が中途半端なところでON、OFFの切り替えが無く、中途半端な位置で切り替わることによるノイズの発生を抑えることができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成12年3月21日(2000.3.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−265162(P2001−265162A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−78243(P2000−78243) |
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