| 【発明の名称】 |
定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】荒川 啓之
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、連続定着処理時の定着体の温度低下や定着体と加圧体の温度差を防止し、定着安定性及び生産性を損なうことなくウォームアップタイムの短縮化を図りつつ、定着処理後の記録媒体のカールの発生を抑えることができる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ローラー4及び加圧ローラー5は、メインヒーター6、サブヒーター7の加熱立ち上げの際にサーミスタ8による検知温度が195℃に達したときに回転開始して転写材Pのニップ到達時前に予め回転するよう予備回転するようになっており、予備回転は、上記検知温度が200℃に達した後も1分間経過するまで継続されるよう設定されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに圧接回転する定着体及び加圧体と、該定着体を加熱する加熱体と、上記定着体の温度を検知する温度検知手段と、該温度検知手段による検知温度が所定温度範囲内となるよう上記加熱体を駆動制御する制御手段とを備え、未定着像を担持する記録媒体を定着体及び加圧体によって形成されるニップで挟持搬送して加熱及び加圧することにより上記未定着像を上記記録媒体に定着させる定着装置において、定着体及び加圧体は、加熱体の加熱立ち上げの際に温度検知手段による検知温度が上記所定温度範囲内の所定温度に達したときに回転開始して記録媒体のニップ到達時前に予め回転するよう予備回転するようになっており、予備回転は、上記検知温度が上記所定温度範囲の上限温度に達した後も所定時間経過するまで継続されるよう設定されていることを特徴とする定着装置。 【請求項2】 一連の画像形成プロセスによって形成された画像を記録媒体に記録する画像形成装置であって、請求項1に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、未定着像を担持する記録媒体を定着体及び加圧体によって形成されるニップで挟持搬送して加熱及び加圧することにより上記未定着像を上記記録媒体に定着させる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】複写機、プリンタ等の画像形成装置は、紙等の記録媒体たる転写材に静電的に付着形成された未定着像たるトナー画像を該転写材に定着させるための定着装置を備えている。 【0003】かかる定着装置としては、従来から幾多のものが提案されており、一般的には、転写材上のトナー画像を加熱融解して該転写材上に固着させる定着装置が知られており、特に、互いに圧接回転する定着体及び加圧体たるローラー対(定着ローラー及び加圧ローラー)と、定着ローラーを加熱する加熱体たる加熱源ヒーターとを備え、定着ローラー及び加圧ローラーによって形成されるニップで転写材を挟持搬送して加熱及び加圧することにより該転写材上のトナー画像を定着させる定着装置が広く実用に供されている。 【0004】上述の画像形成装置において、良好な定着性を維持するため、朝一の装置立ち上げ時(上記加熱源ヒーターの立ち上げ時)には、定着ローラーの温度を検知する温度検知手段たる感温素子によって検知される定着ローラーの表面温度が所定温度(コピー開始可能温度)に達した後にコピー可能としている。 【0005】コピー開始可能温度を低く設定すると装置立ち上げからコピー開始可能となるまでの時間(ウォームアップタイム)が短くなるが、反面加熱源ヒーターの電力が十分に大きくない場合は、連続コピーにより定着ローラーの温度が低下し、定着不良が発生する可能性がある。 【0006】かかる定着不良を防止する手段として、定着ローラー温度が所定温度(定着限界温度、又は定着限界温度より高い温度)まで低下した際にコピースピードを遅くするシーケンス(コピースピードダウンシーケンス)を設定する方法があるが、大量の連続コピーを行う場合の生産性が低くなるため、通常、コピー開始可能温度は、定着限界温度より比較的高く設定されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の画像形成装置にあっては、コピー開始可能温度を必要以上に高い温度に設定すると、ウォームアップタイムが長くなるばかりでなく、転写紙が定着装置を通過した後のカール量の増大による積載不良が発生する可能性がある。 【0008】これは、カールが発生する原因の一つとして、定着ローラーと加圧ローラーの温度差により転写紙の表面と裏面の水分の蒸発量の差が生じるためである。これにより、定着装置通過後にカールが発生し、朝一のウォームアップ直後は特に定着ローラーと加圧ローラーの温度差が大きいので、カール量が大きくなり、排紙部での積載不良が発生する可能性がある。 【0009】そこで、本発明は、連続定着処理時の定着体の温度低下や定着体と加圧体の温度差を防止し、定着安定性及び生産性を損なうことなくウォームアップタイムの短縮化を図りつつ、定着処理後の記録媒体のカールの発生を抑えることができる定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置の提供を目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本出願によれば、上記目的は、互いに圧接回転する定着体及び加圧体と、該定着体を加熱する加熱体と、上記定着体の温度を検知する温度検知手段と、該温度検知手段による検知温度が所定温度範囲内となるよう上記加熱体を駆動制御する制御手段とを備え、未定着像を担持する記録媒体を定着体及び加圧体によって形成されるニップで挟持搬送して加熱及び加圧することにより上記未定着像を上記記録媒体に定着させる定着装置において、定着体及び加圧体は、加熱体の加熱立ち上げの際に温度検知手段による検知温度が上記所定温度範囲内の所定温度に達したときに回転開始して記録媒体のニップ到達時前に予め回転するよう予備回転するようになっており、予備回転は、上記検知温度が上記所定温度範囲の上限温度に達した後も所定時間経過するまで継続されるよう設定されているという第一の発明によって達成される。 【0011】又、本出願によれば、上記目的は、一連の画像形成プロセスによって形成された画像を記録媒体に記録する画像形成装置であって、第一の発明の定着装置を備えるという第二の発明によっても達成される。 【0012】即ち、本出願にかかる第一の発明にあっては、定着体及び加圧体が、加熱体の加熱立ち上げの際に温度検知手段による検知温度が上記所定温度範囲内の所定温度に達したときに回転開始し、上記検知温度が上記所定温度範囲の上限温度に達した後も所定時間経過するまで継続して予備回転し、その後記録媒体がニップに通紙される。 【0013】又、本出願にかかる第二の発明にあっては、定着体及び加圧体が、加熱体の加熱立ち上げの際に温度検知手段による検知温度が上記所定温度範囲内の所定温度に達したときに回転開始し、上記検知温度が上記所定温度範囲の上限温度に達した後も所定時間経過するまで継続して予備回転し、その後記録媒体がニップに通紙される。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に関して、添付図面に基づき説明する。 【0015】図1は、このような画像形成装置の概略断面図である。 【0016】かかる画像形成装置は、像担持体26と、像担持体26表面を帯電する一次帯電器20と、帯電後の像担持体26表面に露光処理を施すレーザー13と、像担持体26上の潜像をトナー画像として現像する現像器21と、像担持体26上のトナー画像を記録媒体に転写する転写帯電器35と、転写処理を受けた記録媒体たる転写材Pに定着処理を施す定着装置15とを備えている。 【0017】又、かかる画像形成装置は、制御装置16を備え、制御装置16は、画像形成装置の動作全体のタイミングを制御するものであり、像担持体26上のトナー画像の形成、分離帯電器34、転写帯電器35の部位での転写材Pへの上記トナー画像の転移、定着装置15での転写材Pへの上記トナー画像の溶融固定等の一連の画像の形成の動作を一括して制御している。 【0018】次に、かかる画像形成装置の動作について説明する。 【0019】かかる画像形成装置にあっては、先ず、図示矢印方向に回転する像担持体26の表面が、像担持体26の上方に配設される一次帯電器20によって一様に帯電される。 【0020】そして、光源10から原稿Gに照射された光の反射光は、読み取り素子11及び制御用CPUである制御装置16を経て画像変調されディジタル画像信号に変換され、このディジタル画像信号に基づきレーザー13が帯電された像担持体26表面を露光し、その結果、像担持体26上に静電潜像が形成される。 【0021】上記静電潜像は現像器21によってトナー画像として現像され、該トナー画像が転写帯電器35によって記録媒体たる紙に転写された後、該紙は分離帯電器34によって像担持体26から分離され搬送路25に沿って定着装置15に搬送される。 【0022】そして、搬送路25を通過した紙は、ガイド3を経て、ハロゲンヒーター等の適宜の加熱体たるメインヒーター6及びサブヒーター7を内臓する定着体たる定着ローラー4と、定着ローラー4に圧接する加圧体たる加圧ローラー5とのニップ部に搬送され、該ニップ部を通過する際に上記トナー画像は上記紙に溶融固定されてハードコピーが形成され、機外に搬出される。 【0023】尚、定着ローラー4の表面には、オフセット防止のためにPTFE等フッ素樹脂膜を形成するのがよく、加圧ローラー5は耐熱性のゴムのような弾性材から形成して必要なニップ幅を得られるようにするのが好適である。 【0024】又、定着ローラー4の外周面にはサーミスタ或いは熱伝対等の感温素子である温度検知手段たるサーミスタ8が接触配置され、その検出信号を公知の制御手段(図示せず)に伝達して、該制御手段によりメインヒーター6、サブヒーター7の出力又は印加電圧等を制御することで、定着ローラー4の外周面の温度がトナー画像を溶融可能な所定温度範囲内に維持されるようになっている。 【0025】定着ローラー4は、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄等の金属中空ローラー芯41の外周面に耐熱性の弾性体層42が0.1〜1mm程度の厚さで形成され、更にその上に離型層たる樹脂層43が1.0〜40μm程度の厚さで形成されている。 【0026】加圧ローラー5は、金属製ローラー芯51の外周面にシリコーンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコーンゴム等の弾性体層52が比較的厚く(例えば5〜10mm程度)形成され、更にその上に離型層たるフッ素樹脂層53が30〜50μm程度の厚さで形成されている。 【0027】定着ローラー4の上部には、定着ローラー4表面へ付着したオフセットトナーや紙粉等の異物をローラー表面から除去するためのクリーニング装置が配設されており、クリーニング装置はノーメックス、ヒメロン等の耐熱不繊布よりなるクリーニングウエブ70を用いている。 【0028】このクリーニングウエブ70は通常、芳香族ポリアミド繊維に高温で柔らかいポリエステル繊維を混入させ、適度な柔らかさと強さをもった不織布を作り、この不織布に10,000センチストックス程度の粘度をもつシリコーンオイルを高温で含浸させ、巻取ったものを用いている。 【0029】ウエブ圧接ローラー65は、金属芯金の上にシリコーンゴムのような耐熱ゴム層を被覆したもので十分な柔らかさを得るためにゴム中に発泡剤を入れ、スポンジ状態としたものである。ゴム硬度としては10〜20°(Asker−C)を用いている。 【0030】このウエブ圧接ローラー65は、両端を回転自在に軸受け72によって軸支され、定着ローラー4に圧接することで定着ローラー4表面へ付着したオフセットトナーや紙粉等の異物をローラー表面から除去し、オフセットを防止している。 【0031】駆動手段(図示せず)によりウエブ巻き取り軸61が図示矢印方向に回転し、ウエブ繰り出し軸66からクリーニングウエブ70が、コピー動作に同期してコピー1枚当たり所定量だけ巻き上げられている。 【0032】定着ローラー4内には2本の加熱源ヒーターであるメインヒーター6、サブヒーター7が配設され、メインヒーター6、サブヒーター7にはそれぞれ800W、400Wのハロゲンヒーターを使用している。 【0033】よって、主電源が投入されるとメインヒーター6、サブヒーター7が点灯し、定着ローラー4の昇温が開始されることとなる。 【0034】朝一に主電源を投入するとメインヒーター6、サブヒーター7が点灯し、定着ローラー4の昇温が開始される。サーミスタ8が定着ローラー4の表面温度を195℃を検知した時点で、駆動モーター(図示せず)の駆動力を受けて、転写材Pのニップ到達前に予め予備回転するよう、定着ローラー4及び加圧ローラー5の回転(以下、前多回転という)が開始される。 【0035】本実施形態は、サーミスタ8が定着ローラー4の表面温度として200℃を検知した時点からさらに1分間、前多回転を延長させた後コピー可能となることを特徴とする。 【0036】この間ヒーターは定着ローラー4表面温度が200℃を保持するようON/OFF制御を行うようになっている。 【0037】操作パネルのスタートボタンを押すと毎分60枚のスピードでコピーが開始され、連続コピーにより定着ローラー4の温度が170℃まで低下すると毎分50枚のスピードに低下させることで、定着ローラー4の温度の低下を抑制し定着不良を防止している。 【0038】朝一の立ち上げ時にコピー開始温度である200℃に昇温後も前多回転を強制延長させ、コピー開始前に加圧ローラー5の温度を上昇させることで、定着ローラー4と加圧ローラー5ーとの温度差を小さくしてカール量を減少させるとともに、連続コピー中の定着ローラー4の温度の低下を抑制し、定着性の低下を防止し、又、ダウンシーケンスに入るまで可能なコピー枚数が増加することで、生産性の向上にも効果がある。 【0039】図3は、本実施形態の朝一の立ち上がり時及びコピー開始後のメインヒーター6、サブヒーター7の点灯シーケンスを説明するための図である。 【0040】ここで、本実施形態にかかる画像形成装置の定着性、生産性、積載性に関する実験結果について表1に示すような比較例との比較に基づき説明する。 【0041】 【表1】
【0042】表1に示すように、比較例1は、朝一の立ち上げ時に定着ローラー4の表面温度が195℃を検知した時点で前多回転が開始し、200℃まで昇温した後、コピー開始可能となる。 【0043】比較例2は、朝一の立ち上げ時に定着ローラー4の表面温度が205℃を検知した時点で前多回転が開始し、210℃まで昇温した後、コピー開始可能となる。 【0044】比較例3は、前多回転開始温度、コピー開始温度に関して比較例1と同様であるが、ダウンシーケンス(コピースピードが毎分60枚から50枚に低下する)温度を165℃とした。 【0045】図4は、比較例1における朝一の立ち上がり時及びコピー開始後のメインヒーター6、サブヒーター7の点灯シーケンスを説明するための図である。 【0046】本実験では、定着性については、15℃環境においてA4サイズ紙を1000枚連続コピーし、60枚間隔で抜き取り、紙に定着した黒べ夕画像を所定の紙で規定回数こすり,前後の濃度を反射濃度計で測定して,濃度の低下率によって定着能指標とした。 【0047】生産性については、15℃環境においてA4サイズ紙を1000枚連続コピーした場合の所要時間を示した。 【0048】積載性については、30℃80%環境においてA4サイズ紙を連続100枚コピーし、10枚間隔で抜き取った排紙直後の10枚のサンプルの最大カール量を示した。 【0049】この結果、表1に示すように、比較例1〜3では定着性、生産性、積載性のいずれかに問題が生じるのに対し、本実施形態では全てを満足することができた。 【0050】一方、前多回転を延長することにより、比較例1,3に比べ、本実施形態はウォームアップタイムが長くなるが、比較例2のウォームアップタイムと同等であり、問題とならないレベルである。 【0051】 【発明の効果】以上説明したように、本出願にかかる第一の発明によれば、定着体及び加圧体が、加熱体の加熱立ち上げの際に温度検知手段による検知温度が上記所定温度範囲内の所定温度に達したときに回転開始し、上記検知温度が上記所定温度範囲の上限温度に達した後も所定時間経過するまで継続して予備回転し、その後記録媒体がニップに通紙されるようになっているので、連続定着処理時の定着体の温度低下や定着体と加圧体の温度差を防止し、定着安定性及び生産性を損なうことなくウォームアップタイムの短縮化を図りつつ、定着処理後の記録媒体のカールの発生を抑えることができる。 【0052】又、本出願にかかる第二の発明によれば、定着体及び加圧体が、加熱体の加熱立ち上げの際に温度検知手段による検知温度が上記所定温度範囲内の所定温度に達したときに回転開始し、上記検知温度が上記所定温度範囲の上限温度に達した後も所定時間経過するまで継続して予備回転し、その後記録媒体がニップに通紙されるようになっているので、連続定着処理時の定着体の温度低下や定着体と加圧体の温度差を防止し、定着安定性及び生産性を損なうことなくウォームアップタイムの短縮化を図りつつ、定着処理後の記録媒体のカールの発生を抑えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月16日(2000.3.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084180 【弁理士】 【氏名又は名称】藤岡 徹
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| 【公開番号】 |
特開2001−265159(P2001−265159A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−73759(P2000−73759) |
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