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【発明の名称】 両面画像定着装置
【発明者】 【氏名】山本 光雄

【要約】 【課題】ブリスターによる画像欠陥を防止すると共に、グロスのばらつきを少なくする。

【解決手段】記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第一面上に形成された画像が定着される第一定着手段と、前記第一定着手段の後段に設けられ、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第二面上に形成された画像が定着される第二定着手段とを備え、記録材両面に形成された未定着画像を一括して定着可能な両面画像定着装置において、前記第二定着手段の定着温度を、前記第一定着手段の定着温度よりも低く設定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第一面上に形成された画像が定着される第一定着手段と、前記第一定着手段の後段に設けられ、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第二面上に形成された画像が定着される第二定着手段とを備え、記録材両面に形成された未定着画像を一括して定着可能な両面画像定着装置において、前記第二定着手段の定着温度を、前記第一定着手段の定着温度よりも低く設定したことを特徴とする両面画像定着装置。
【請求項2】 記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第一面上に形成された画像が定着される第一定着手段と、前記第一定着手段の後段に設けられ、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第二面上に形成された画像が定着される第二定着手段とを備え、記録材両面に形成された未定着画像を一括して定着可能な両面画像定着装置において、前記第二定着手段による記録材の搬送速度を、前記第一定着手段による記録材の搬送速度より低く設定したことを特徴とする両面画像定着装置。
【請求項3】 記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第一面上に形成された画像が定着される第一定着手段と、前記第一定着手段の後段に設けられ、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第二面上に形成された画像が定着される第二定着手段とを備え、記録材両面に形成された未定着画像を一括して定着可能な両面画像定着装置であって、前記両面画像定着装置が一体的に設けられると共に、当該両面画像定着装置が装着される画像形成装置本体に対して同時に脱着可能であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる定着装置に係り、特に、記録材の両面画像を一括して定着可能な両面画像定着装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、両面画像を形成可能な両面画像形成装置としては、感光体等の潜像担持体が具備された一つの画像形成部と一つの定着装置とを備え、まず、潜像担持体上に形成された第一トナー画像を用紙の第一面に転写し、定着装置にて定着した後、用紙を反転させて再給紙し、続いて、潜像担持体上に形成された第二トナー画像を用紙の第二面に転写し、定着装置で定着する方式が一般的である。しかしながら、この種の両面画像形成装置としては、一連の画像形成プロセスの中で、潜像担持体上での画像形成工程及び定着工程を二回行うことになるので、用紙一枚当たりの生産性が片面記録時の1/2未満と遅くなるほか、一度目の定着時に用紙がカールを生じ、二度目の転写、定着時の転写不良や紙しわ、搬送経路中でのジャムが発生しやすいこと、用紙を反転させて再給紙する際に騒音が生ずるという技術的課題がある。
【0003】このような技術的課題を解決するために、例えば用紙搬送経路の両側に画像形成部と転写部とを配置し、用紙搬送経路を単純な構成として生産性を高め(例えば特公昭51−13022号公報参照)、更に、用紙の両面画像が同時に熱定着される両面画像定着装置(一対の加熱ロール構成あるいは一対のラジアントフューザ構成)を用いるようにしたもの(例えば特開平4−371969号公報、特開平4−137381号公報参照)が想定され得る。このタイプによれば、トナー画像の形成及び定着を二度に分けて行う必要がなくなるため、上記の技術的課題は有効に回避される。
【0004】しかしながら、上述した両面画像定着装置のうち、ラジアントフューザを使用するタイプにあっては、白黒画像のように単色トナー(例えば黒トナー)のみを定着させる場合には充分な画質を得ることができたが、カラー画像のようにトナー密度の高い画像に対しては、非接触で加熱するのみなので画像表面に微小な凹凸ができ、また、要求される画質も高いため、要求に応じた高い画質を得ることが難しい。更に、用紙の両面に形成された画像をラジアント定着するには、紙ロールのように両端を保持した搬送方法を採る必要があることから、シート状の用紙には適用しにくかった。
【0005】そこで、従来にあっては、用紙の両面に形成されたトナー画像を定着するために、加熱源を内蔵する加熱ロールと加熱源を内蔵する加熱ロールとからなる一対の加熱ロール構成の定着装置が通常用いられていた。
【0006】しかしながら、用紙両面のトナー画像を同時に加熱定着するためには、両面の画像品質を同一にするために、両面の定着パラメータを略同一に設定することが必要である。上述の従来技術において、白黒画像のように用紙上の画像密度(TMA:Toner Mas/area)が低い場合や、用紙として低透気度用紙(通気性の高い用紙)を使用する場合には、用紙の表裏両面から同時に同じように加熱しても特に問題となるような画像欠陥は発生しなかった。
【0007】これに対して、カラー画像のように用紙上の画像密度(TMA)が高い場合や用紙として表面にコート層が形成されたコート紙などの高透気度用紙(通気性の悪い用紙)を使用する場合には、表裏両面から同時に高温で加熱するために、用紙中の水蒸気が蒸発しトナー画像中に気泡の混入が起こる現象が多発し、トナー画像中にその気泡が斑点となって見られる画像欠陥(以下、ブリスターという)が発生するという技術的課題が見られた。
【0008】そこで、本願出願人は、このような技術的課題を解決するため、先に、記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第一面上に形成された画像が定着される第一定着手段と、前記第一定着手段の後段に設けられ、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第二面上に形成された画像が定着される第二定着手段とを備えた両面画像定着装置について提案を行った(特開平11−338287号公報参照)。この両面画像定着装置によれば、記録材の両面画像を略片面ずつ分担して熱定着することが可能となることから、両面画像を表裏から同時に熱定着する態様で生じ得る熱定着部が過剰加熱されるという懸念を有効に回避することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この両面画像定着装置を用いて両面画像を定着したところ、定着条件によっては定着後の画像のグロスが低下してしまうという新たな技術的課題が見いだされた。
【0010】本発明は、以上の技術的課題を解決するものであって、その第一の目的は、ブリスターによる画像欠陥を防止すると共に、グロスのばらつきの少ない定着画像を得ることのできる両面画像定着装置を提供するものである。
【0011】また、本発明の第二の目的は、ブリスターによる画像欠陥を防止すると共に、定着中の記録材に過剰な張力がかかることで生じる画像欠陥も防止することのできる両面画像定着装置を提供するものである。
【0012】更に、本発明の第三の目的は、ブリスターによる画像欠陥を防止すると共に、ジャムとなった記録材の除去操作を容易とすることのできる両面画像定着装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、上述した第一の目的を達成するための本発明の第一の態様は、記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第一面上に形成された画像が定着される第一定着手段と、前記第一定着手段の後段に設けられ、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第二面上に形成された画像が定着される第二定着手段とを備え、記録材両面に形成された未定着画像を一括して定着可能な両面画像定着装置において、前記第二定着手段の定着温度を、前記第一定着手段の定着温度よりも低く設定したことを特徴とする。
【0014】また、上述した第二の目的を達成するための本発明の第二の態様は、記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第一面上に形成された画像が定着される第一定着手段と、前記第一定着手段の後段に設けられ、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第二面上に形成された画像が定着される第二定着手段とを備え、記録材両面に形成された未定着画像を一括して定着可能な両面画像定着装置において、前記第二定着手段による記録材の搬送速度を、前記第一定着手段による記録材の搬送速度より低く設定したことを特徴とする。
【0015】更に、上述した第三の目的を達成するための本発明の第三の態様は、記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第一面上に形成された画像が定着される第一定着手段と、前記第一定着手段の後段に設けられ、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより主として記録材の第二面上に形成された画像が定着される第二定着手段とを備え、記録材両面に形成された未定着画像を一括して定着可能な両面画像定着装置であって、前記両面画像定着装置が一体的に設けられると共に、当該両面画像定着装置が装着される画像形成装置本体に対して同時に脱着可能であることを特徴とする。
【0016】このような技術的手段において、本願に係る両面画像定着装置は、記録材両面の未定着画像を定着するものであればよく、定着前に記録材の両面に未定着画像が形成されるような各種両面画像形成装置(複写機、プリンタなど)の定着デバイスとして組み込まれる。
【0017】また、第一定着手段としては、記録材の第一面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより、主として記録材の第一面上に形成された画像が定着されるものであれば、ロール状、ベルト状等適宜選定して差し支えない。一方、第二定着手段についても、記録材の第二面側が加熱される加熱源を備えた一対の定着部材を有し、この定着部材で記録材の両面を挟持することにより、主として記録材の第二面上に形成された画像が定着されるものであれば、ロール状、ベルト状等適宜選定して差し支えない。
【0018】更に、記録材の第一面側を加熱する加熱源(又は記録材の第二面側を加熱する加熱源)の配設手法については適宜選定して差し支えないが、装置構成の簡易化という観点からすれば、記録材の第一面側と接触する定着部材に加熱源(又は記録材の第二面側と接触する定着部材に加熱源)を具備させることが好ましく、その具体的態様としては、定着部材に対し加熱源を外付けして加熱する手法や定着部材に加熱源を内蔵させて加熱する手法等適宜選定して差し支えない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1図1は本発明が適用された両面画像定着装置を組み込んだ両面画像形成装置の実施の形態1を示す。同図において、両面画像形成装置は、第一トナー像(後述するトナー像Tb)を用紙Pの第一面(後述する上側面Pb)に転写する第一画像形成部20aと、この第一画像形成部20aの後段に配設され且つ第二トナー像(後述するトナー像Ta)を用紙Pの第二面(後述する下側面Pa)に転写する第二画像形成部20bとを備え、各画像形成部20a、20bとしては、一つの感光体ドラム201a、201bの周囲に、帯電器202a、202b、露光装置203a、203b(図中では露光ビームに符号を付す)、現像器204a、204b、転写機205a、205b、用紙剥離除電器206a、206b、ドラムクリーナ207a、207bを夫々配設し、更に、第二画像形成部20bの後段に両面画像定着装置100を配設したものである。そして、本実施の形態では、この両面画像定着装置100が一体的に構成されると共に、両面画像形成装置本体に対して図中手前側に出し入れ自在に配設されており、これにより、両面画像定着装置100で用紙Pのジャムが発生した場合の処理が容易となっている。
【0020】また、両面画像定着装置100は、図2に示すように、用紙Pの下側面Paのトナー像Taを主として加熱定着する第一定着ユニット101と、この第一定着ユニット101の用紙排出方向下流側に配設され、用紙Pの上側面Pbのトナー像Tbを主として加熱定着する第二定着ユニット102とを備えている。
【0021】ここで、第一定着ユニット101は、中心部にヒータ113が内蔵され用紙Pの下側面Paに対応する位置に配設される第一加熱ロール111と、用紙Pの上側面Pbに対応する位置に配設される第一加圧ロール112とを転動可能に所定の接触ニップ域N1をもって圧接配置したものである。本実施の形態では、第一加熱ロール111及び第一加圧ロール112は、例えば、アルミチューブ(外径46mm、内径42mm)の表面にゴム下地層としてのHTVシリコンゴム層(硬度45度(JISA)、厚さ2mm)を被覆し、更にその表面にトップコート層としてのバイトンゴム層(デュポン社の登録商標、厚さ30μm)を形成したものが用いられている。そして、ヒータ113としては、例えば650Wのものが用いられ、第一加熱ロール111の表面が約130℃に加熱されるようになっている。
【0022】更に、第一加熱ロール111と第一加圧ロール112との接触ニップ域N1の上流側にはトナー離型性を保つためのオイル供給装置(図示せず)が付設され、前記接触ニップ域N1の下流側には第一加熱ロール111と第一加圧ロール112上の残留トナー等を除去するクリーニング装置(図示せず)が接触配置されている。
【0023】また、第二定着ユニット102は、中心部にヒータ123が内蔵され用紙Pの上側面Pbに対応する位置に配設される第二加熱ロール121と、第二加圧ロール122とを転動可能に所定の接触ニップ域N2をもって圧接配置したものである。本実施の形態では、第二加熱ロール121及び第二加圧ロール122は、第一加熱ロール111や第一加圧ロール112と同様のものが用いられている。そして、ヒータ123としては、例えば600Wのものが用いられ、第二加熱ロール121の表面が約120℃に加熱されるようになっている。
【0024】更に、第二加熱ロール121と第二加圧ロール122との接触ニップ域N2の上流側にはトナー離型性を保つためのオイル供給装置(図示せず)が付設され、前記接触ニップ域N2の下流側には第二加熱ロール121と第二加圧ロール122上の残留トナー等を除去するクリーニング装置(図示せず)が接触配置されている。
【0025】また、本実施の形態では、前記第一定着ユニット101における用紙Pの搬送速度が、前記第二定着ユニット102における用紙Pの搬送速度より低速に設定されており、これにより、これら第一定着ユニット101と第二定着ユニット102との間で用紙Pに過剰な張力がかかるという事態及びこれに伴う画像欠陥の発生を回避できるようになっている。
【0026】本実施の形態に係る両面画像形成装置では、第一画像形成部20aにて用紙Pの上側面Pbにトナー像Tbを転写し、次いで、第二画像形成部20bにて用紙Pの下側面Paにトナー像Taを転写し、しかる後に、両面画像定着装置100にて用紙Pの両面を定着する。
【0027】このときの両面画像定着装置100の作動を、図2に基づいて詳細に説明する。トナー像Ta、Tbが担持された用紙Pは、まず、第一定着ユニット101の第一加熱ロール111と第一加圧ロール112との接触ニップ域N1に進入して接触ニップ域N1を通過するが、第一加熱ロール111からの熱が主として用紙Pの下側面Pa上のトナー像Taに与えられ、このトナー像Taが定着処理される。この時点では用紙Pの上側面Pb上のトナー像Tbは未定着、若しくは若干の加熱によりトナーの表面が多少溶融することによって仮定着状態となっている。この後、トナー像Taが定着された用紙Pは、第一定着ユニット101から排出されて第二定着ユニット102に至り、この第二定着ユニット102の第二加熱ロール121と第二加圧ロール122との接触ニップ域N2に進入して通過する際に、第二加熱ロール121からの熱が主として用紙Pの上側面Pb上のトナー像Tbに与えられ、用紙Pの上側面Pb上のトナー像Tbに与えられ、このトナー像Tbが定着処理される。そして、第二定着ユニット102を通過した用紙Pは、用紙P両面のトナー像Ta、Tbが定着された状態で両面画像定着装置100から排出される。
【0028】このとき、用紙P両面に形成された各トナー像Ta、Tbが両側から同時に加熱されることはないため、各接触ニップ域N1、N2において用紙Pが過剰加熱されることはなく、仮に、高密度画像を定着する場合や高透気度用紙を使用するような場合にも、用紙P内部の水分の蒸発に伴う画像欠陥は発生しない。
【0029】また、本実施の形態では、上述したように、第二定着ユニット102の第二加熱ロール121の表面温度(120℃)が、第一定着ユニット101の第一加熱ロール111の表面温度(130℃)より低く設定されており、これにより、定着された画像のグロスのばらつきを小さくすることが可能となっている。これを次に説明する。本発明者は、図2に示す両面画像定着装置を用い、本実施の形態と同様のセッティングすなわち第一加熱ロール111及び第二加熱ロール121の表面温度を夫々130℃、120℃とした場合と、両者の表面温度を共に130℃とした場合(以下、比較の形態1という)とで、種々の画像の定着を行い、得られる画像のグロスを評価した。結果を図3に示す。これによれば、比較の形態1に比べ、本実施の形態では画像のグロスのばらつきが小さくなっていることが把握される。
【0030】尚、本実施の形態では、各画像形成部20a、20bは単色画像を形成するものとして開示されているが、各画像形成部20a、20bをカラー画像を形成可能に構成してもよいことは勿論である。
【0031】◎実施の形態2本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、図4に示すように、第一定着ユニット101の第一加圧ロール112に補助加熱源としてのヒータ114を内蔵させるようにしたものである。尚、本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成要素については実施の形態1と同じ符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0032】前記ヒータ114としては、例えば550Wのものが用いられ、第一加圧ロール112の表面が前記第一加熱ロール111の表面温度(130℃)より低い約110℃に加熱されるようになっている。
【0033】図5は、第一加熱ロール111(H/Roll)及び第一加圧ロール112(P/Roll)の表面温度と、その条件下で定着画像に生じるブリスターとの関係を示したものである。同図において、数値0〜4は、その領域内で得られる画像のグレード(以下、単にGという)を示し、これは数値が大きいほどブリスターが画像中で目立つという意味である。ここで、仕様として許容されるのはG1以下であり、これより、第一加熱ロール111の表面温度を130℃に設定する場合には、第一加圧ロール112の表面温度を120℃以下に設定することで、ブリスターの目立たない画像を得られることが把握される。
【0034】また、図6は、第一加圧ロール112の表面温度を100℃に固定した条件下で、第一加熱ロール111の表面温度及び用紙Pの搬送速度(P/S)と、その条件下で生じるブリスターのグレードとの関係を示したものである。尚、同図において、隣接する二つの結果のうち、左側は用紙Pの下面側Pa、右側は上面側Pbの結果である。これによれば、搬送速度に関係なく、第一加熱ロール111の表面温度を140℃以下に設定することで、用紙Pの両面共にブリスターの目立たない画像を得られることが把握される。
【0035】◎実施の形態3本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、図7に示すように、第一定着ユニット101を第一加熱ロール111とこの第一加熱ロール111に圧接配置される第一加圧ベルトユニット130とで構成するようにしたものである。尚、本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成要素については実施の形態1と同じ符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0036】本実施の形態において、第一加圧ベルトユニット130は、第一加圧ベルト131と、これを張架支持する支持ロール132,133,134とからなるものであって、前記第一加熱ロール111に所定の接触ニップ域N1を形成するように圧接配置されている。そして、前記支持ロール132〜134のうち、支持ロール133及び134が前記第一加熱ロール111を押圧するようになっており、これによって前記接触ニップ域N1が広く確保できるようになっている。ここで、第一加圧ベルト131はポリイミド(厚さ75μm、幅300mm、周長188mm)で構成され、支持ロール132〜134はステンレス(直径18mm、張力98N)で構成されている。また、前記接触ニップ域N1出口側の支持ロール134は前記第一加熱ロール111より高硬度に形成されているため、支持ロール134と第一加熱ロール111との圧接部では、第一加熱ロール111が変形し、用紙Pのセルフストリッピング機能を維持するようになっている。
【0037】このようにすることで、本実施の形態では、実施の形態1と比較して、第一定着ユニット101における接触ニップ域N1を広く確保できることから、第一加熱ロール111や第二加熱ロール121で十分な定着性を確保するための設定温度の低減を図ることが可能となり、その分、定着温度の低減を図ることができる。また、第一定着ユニット101における接触ニップ域N1を広くとることにより、第一定着ユニット101通過後の用紙Pの上側面Pb上のトナー像Tbが仮定着され易くなり、その分、コールドオフセット等を抑制することが可能となる。
【0038】◎実施の形態4本実施の形態は、実施の形態3と略同様であるが、図8に示すように、第一加圧ベルトユニット130の支持ロール133に補助加熱源としてのヒータ135を内蔵させるようにしたものである。尚、本実施の形態において、実施の形態3と同様の構成要素については実施の形態3と同じ符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0039】前記ヒータ135としては、実施の形態2で説明したヒータ114と同様のものが用いられており、これにより前記第一加圧ベルト131の表面温度が前記第一加熱ロール111の表面温度(130℃)より低い約100℃に加熱されるようになっている。また、第二加圧ロール122にも、補助加熱源としてのヒータ124が内蔵されている。
【0040】従って、本実施の形態では、実施の形態3と比較して、第一加圧ベルト131が加熱される分、用紙Pの上側面Pb上のトナー像Tbがより仮定着され易くなる。
【0041】本発明者は、各種用紙Pを用い、第一加圧ベルト131の表面温度(BeltTemperature)及び用紙Pの一部位が接触ニップ域N1にニップされるニップ時間(Dwell time)と、得られる画像との関係について調査を行った。尚、この調査において、接触ニップ域N1の広さは22mmとした。ここで、用紙Pとしては、富士ゼロックス社製のJ紙(符号Jとする)、同じくS紙(符号Sとする)、RANK XEROX社製のColotech紙(符号Cとする)、及び同じくUltraspec紙(符号Uとする)の四種類のものを用いた。また、得られた画像を、トナー付着による剥離不良(Release NG)、コールドオフセット(C/O)、ホットオフセット(H/O)、像ずれ、ブリスターの発生の有無で評価した。
【0042】結果を図9に示す。これによれば、例えばJ紙の場合、第一加圧ベルト131の表面温度が120℃で80msec(110℃では150msec)、Colotech紙(坪量135gsm)の場合、第一加圧ベルト131の表面温度が120℃で150msec(110℃では220msec)の加熱を行うと、コールドオフセットが生じない程度に用紙Pにトナー像Tbを仮定着できることが把握される。また、第一加圧ベルト131の表面温度が第一加熱ロール111の表面温度(130℃)に近づいていくと、まず、125℃でRelease NGが発生し、次いで、同一温度となる130℃ではブリスターが生じ、更に、135℃ではホットオフセットが発生することが確認された。
【0043】◎実施の形態5本実施の形態は、実施の形態4と略同様であるが、図9に示すように、第二定着ユニット102を第二加熱ロール121とこの第二加熱ロール121に圧接配置される第二加圧ベルトユニット140とで構成するようにしたものである。尚、本実施の形態において、実施の形態4と同様の構成要素については実施の形態1と同じ符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0044】本実施の形態において、第二加圧ベルトユニット140は、第二加圧ベルト141と、これを張架支持する支持ロール142,143,144とからなるものであって、前記第二加熱ロール121に所定の接触ニップ域N2を形成するように圧接配置されている。そして、前記支持ロール142〜144のうち、支持ロール143及び144が前記第二加熱ロール121を押圧するようになっており、これによって前記接触ニップ域N2が広く確保できるようになっている。また、前記接触ニップ域N2出口側の支持ロール144は前記第二加熱ロール121より高硬度に形成されており、支持ロール144と第二加熱ロール121との圧接部では、第二加熱ロール121が変形し、用紙Pのセルフストリッピング機能を維持するようになっている。
【0045】更に、本実施の形態では、第二加圧ベルトユニット140の支持ロール143に補助加熱源としてのヒータ145が内蔵されている。
【0046】本実施の形態では、他の実施の形態と比較して、第二定着ユニット102における接触ニップ域N2を広く確保できることから、用紙Pの搬送速度を高速化でき、その分、全体のプロセススピードを高速化することができる。また、第二定着ユニット102における接触ニップ域N2を広くとることにより、第二定着ユニット102通過後の用紙Pのトナー像Ta、Tbが定着され易くなり、その分、コールドオフセット等を抑制することが可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第一の態様によれば、記録材の両面画像を略片面ずつ分担して熱定着する際、第二定着手段の定着温度を第一定着手段の定着温度よりも低く設定するようにしたので、ブリスターによる画像欠陥を防止できると共に、グロスのばらつきの少ない定着画像を得ることができる。
【0048】また、本発明の第二の態様によれば、記録材の両面画像を略片面ずつ分担して熱定着する際、第二定着手段による記録材の搬送速度を第一定着手段による記録材の搬送速度より低く設定するようにしたので、ブリスターによる画像欠陥を防止できると共に、定着中の記録材に過剰な張力がかかることで生じる画像欠陥も防止することができる。
【0049】更に、本発明の第三の態様によれば、記録材の両面画像を略片面ずつ分担して熱定着する両面画像定着装置を一体的に形成すると共に、当該両面画像定着装置が装着される画像形成装置本体に対して同時に脱着可能に構成したので、ブリスターによる画像欠陥を防止できると共に、ジャムとなった記録材の除去操作を容易とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成12年3月15日(2000.3.15)
【代理人】 【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕 (外2名)
【公開番号】 特開2001−265158(P2001−265158A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−72661(P2000−72661)