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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】岡田 憲和

【要約】 【課題】突入電流による電源電圧変動と位相制御による電源高調波の双方をバランスよく低減させる。

【解決手段】電源投入直後に検知した定着ヒータの温度に応じて、定着ヒータのソフトスタートの開始デューティ比と、該デューティ比のステップアップ率を設定する。例えば、検知したヒータ温度が40℃までの場合、開始デューティ比を5%にし、3サイクル単位でデューティ比を1%ずつ増大させる。検知したヒータ温度が40〜80℃の場合は、開始デューティ比を5%にし、2サイクル単位でデューティ比を1%ずつ増大させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のヒータを有する定着装置を備え、該定着装置のヒータ点灯時に供給する電力を位相制御する画像形成装置において、当該画像形成装置の電源投入直後は、該電源投入直後に検知した前記ヒータの温度に応じて、前記位相制御の開始デューティ比と、該デューティ比のステップアップ頻度を設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記デューティ比が所定の比率に達した場合、以降のデューティ比のステップアップ頻度を変更することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】 前記デューティ比が所定の比率に達した場合、前記ヒータの全点灯状態に移行することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、転写紙・OHPフィルム等の記録材上に転写された未定着画像(トナー像)を記録材に定着させる定着装置として熱定着装置が広く利用されている。
【0003】従来、熱定着装置としては、ヒータにより加熱される定着ローラを用いるものが多い。このような熱定着装置の熱源(ヒータ)として多用されているハロゲンランプ(ハロゲンヒータ)は消費電力が大きく、ヒータ点灯時に流れる突入電流が大きいため、商用電源ラインの電圧降下を引き起こし、この電源ラインに接続されている他の機器、例えば光源装置(蛍光灯など)がちらつく等の不具合(いわゆるフリッカ現象)を発生させていた。
【0004】そこで、大きな突入電流が流れることを回避するために、1本のヒータに流れる電流容量を減らす、すなわち定着ヒータを複数本のヒータに分割し、1本単位のヒータを小容量化するという方法が知られている。また、突入電流が流れることを防止するために、複数本に分割されたヒータそれぞれに、位相を制御して突入電流の発生を軽減させるソフトスタートを併用する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、定着ヒータを複数本のヒータに分割してソフトスタートを併用するという従来の方法では、位相制御を細かく実施すると電源電圧に高調波成分が乗ってしまい、国際規格である高調波電流規制(IEC1000−3−2)をクリアできないという問題があった。
【0006】本発明は、従来の画像形成装置の定着制御における上述の問題を解決し、突入電流による電源電圧変動と位相制御による電源高調波の双方をバランスよく低減させることのできる定着制御方法及び画像形成装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明により、複数のヒータを有する定着装置を備え、該定着装置のヒータ点灯時に供給する電力を位相制御する画像形成装置において、当該画像形成装置の電源投入直後は、該電源投入直後に検知した前記ヒータの温度に応じて、前記位相制御の開始デューティ比と、該デューティ比のステップアップ頻度を設定することにより解決される。
【0008】また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記デューティ比が所定の比率に達した場合、以降のデューティ比のステップアップ頻度を変更することを提案する。
【0009】また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記デューティ比が所定の比率に達した場合、前記ヒータの全点灯状態に移行することを提案する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一例である複写機の概略構成を示す断面図である。この図に示す複写機は、本体1、給紙テーブル2及びADF3から構成されている。
【0011】本体1内の上部位置にスキャナ4が配置され、その下に感光体ドラム5を中心に電子写真プロセスに必要な各種機器が配設されている。図では、感光体ドラム5の周囲に配設された機器のうち、現像ユニット6、転写搬送ユニット7、クリーニングユニット8に符号を付している。転写搬送ユニット7の側方には定着装置10が配設されている。また、この複写機は、本体内の給紙トレイ9aに加えて給紙テーブル2内に3段の給紙トレイ9b,9c,9dを有しており、計4段の給紙トレイを有している。また、本体1の側面には、手差しトレイ9eが設けられている。
【0012】この複写機の動作について簡単に説明する。図示しない駆動手段により回転駆動される感光体ドラム5は、帯電器によりその表面が一様に帯電される。コンタクトガラス上の原稿画像がスキャナ4により読み取られ、感光体ドラム5上に露光されて静電潜像が形成される。感光体ドラム5上の潜像は現像装置6により可視像化され、トナー像が形成される。
【0013】一方、4段の給紙トレイ9a,9b,9c,9d及び手差しトレイ9eの何れかから用紙が呼び出され、レジストローラ11へ搬送される。そして、感光体ドラム5上のトナー像の転写タイミングを取られて転写位置へ送出される。
【0014】転写搬送ユニット7により、転写位置へ送られてきた用紙上に感光体ドラム5上のトナー像が転写され、用紙は感光体ドラム5から分離されて定着装置10へと送られる。そして、用紙上の未定着トナー像が定着装置10により定着された後、用紙は排紙トレイ12へ排出される。トナー像転写後の感光体ドラム5はクリーニング装置8により清掃され、次回の画像形成に備える。
【0015】定着装置10は、定着ロ−ラに加圧ローラが(図示しない加圧スプリングにより)所定の圧力で圧接されている。定着装置10の基本的な構成は従来周知のものと同様であるので、本発明に関わる部分を中心に説明する。
【0016】図2は、本実施形態の画像形成装置における定着ヒータ制御部の構成を示すブロック図である。この図において、商用電源13からの電力ラインはDC電源部14とAC制御部20とに接続される。定着装置10へはAC制御部20を介して電力が供給される。また、DC電源部14で直流に変換された電力がコントローラ部30に供給される。
【0017】本実施形態では、定着装置10の定着ローラは3本のヒータH1〜H3を有しており、定着ローラにはローラ温度を検出するサーミスタが付設されている。3本のヒータH1〜H3は同一の定格電力のヒータである。
【0018】AC制御部20は主に、接点リレー21,トランス22,フォトトライアック23,各ヒータに対応する3つのトライアックT1〜T3及びフォトカプラPC1〜PC3から構成される。各フォトカプラは、出力側(受光素子)を各トライアックに、入力側(発光素子)を後述するCPU31に接続している。
【0019】コントローラ部30は、CPU31及び記憶装置であるROM32を有している。本実施形態の画像形成装置は、定着ヒータを点灯させる際に、3本のヒータH1〜H3を同時に点灯させるのではなく、1本ずつ順番に点灯させるように制御している。また、順次点灯させるときの順番はあらかじめ決められており、本実施形態ではROM32にその順番(ヒータの点灯順)が記憶されている。また、順番に点灯させたヒータのヒータ番号がROM32に順次記憶される。本実施形態では、ROM32は電源なしでも記憶が保持される半導体メモリー(不揮発性半導体メモリー)としてのEEPROMなどを用いることにより、データの書き込みを行うことができ、また、画像形成装置の電源OFF時にも書きこまれたデータを保持できるようにしている。
【0020】本実施形態における定着ヒータの点灯制御について説明する。画像形成装置本体の電源スイッチ15をONすると、商用電源13からの電力がDC電源部14に供給されてDC電源部14が起動する。DC電源部14ではAC100VがDC5VまたはDC24Vに変換され、その変換された電力がコントローラ部30に供給される。これにより画像形成装置は起動状態となり、コントローラ部30のCPU31はAC制御部20の接点リレー21に制御信号を出力し、リレー接点をONする。
【0021】次に、リレー接点がONされるとトランス22を経由して、AC電圧を減圧し、フォトカプラに印加される。ゼロクロス近傍の電圧印加時は、フォトトライアック23は出力OFFするので、フォトトライアック出力はHighレベルとなる。ゼロクロス近傍以外の電圧印加時はフォトトライアック23の出力はONするので、フォトトライアック出力はLowレベルとなる。即ち、ゼロクロス近傍の電圧印加時は、フォトトライアック23のコレクタレベルがHighレベルとなるので、LowからHighレベルへの変化を検知することにより、ゼロクロスの検出を行っている。このゼロクロス検出をコントロール部30が検知すれば、AC入力に問題はないと判断される。ハード的要因により、ゼロクロスをコントロール部30が検知できなければ、AC入力に問題があり、ヒータ制御が出来ないと判断し、コントロール部30はエラーを通知することになる。
【0022】ここでコントロール部30がゼロクロスを検知し、AC入力に問題が無いと判断すれば、次にコントロール部30はヒータ制御に当たって、現在のヒータ温度の検知を行う。検知したヒータ温度に応じて以下のように分類する。
A: 0〜 40度B: 40〜 80度C: 80〜120度D:120〜160度E:160〜200度【0023】そして、この分類ごとに、それぞれソフトスタート開始時のデューティ比と、ステップアップ頻度(ステップアップの間隔)を設定する。つまり、Aの分類は室温に近い温度からヒータ温度を目標温度に上昇させる場合であり、ヒータ温度は室温のためヒータ抵抗値が低いと考えられ、突入電流も多く流れるので、充分に小さなデューティ比と、細かなステップアップ頻度(短い間隔でのステップアップ)を設定する。BはAの分類よりも現在ヒータ温度が高いので、Aよりは小さいステップアップ頻度を設定する。同様にCもBの分類よりも現在ヒータ温度が高いので、Bよりは小さいステップアップ頻度を設定する。同様にDもCの分類よりも現在ヒータ温度が高いので、Cよりは小さいステップアップ頻度を設定する。Eの分類はヒータ目標温度に近く、流れる突入電流は小さいので、ソフトスタート開始時のデューティ比を大きく設定し、ステップアップ頻度も小さく取る。
【0024】本実施形態における分類ごとのソフトスタート開始時のデューティ比とステップアップ頻度を次の表1に示す。
【表1】

【0025】実際のソフトスタート制御は100μsタイマーを用いて行っているので、上述のデューティとステップアップ間隔は電源周波数50Hz地帯で時間間隔に置き換えると次の表2のようになる。
【表2】

【0026】上述のような検知時の温度に応じて、最適なソフトスタート開始位相角と、ステップアップ頻度が決定される。ここで、一例として検知した現在温度が30度であったとすると、コントロール部30はA分類から定数を採用し、ソフトスタート開始のON時間を「500μs」、ステップアップ頻度を「3サイクル単位で100μsずつステップアップ」を設定する。
【0027】次に、コントロール部30は、実際のヒータON/OFF処理に移る。まず、CPU31は外部記憶装置(ROM32)に保持している前回点灯させたヒータ番号を参照し、前回点灯させたヒータ番号の次のヒータ番号のヒータを、設定したデューティ5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、デューティを+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎にデューティを1%ずつ増やしつづけ、全点灯状態に移行すれば、前記ヒータのソフトスタート制御の処理は終了する。このとき、前述のソフトスタートオン制御を行ったヒータ番号が1だとすると、ヒータ1のソフトスタート所要時間が経過すると全点灯状態処理が終了し、全点灯状態に移行すれば、次にヒータ番号2のソフトスタート処理を実施する。ヒータ2のソフトスタートも、ヒータ1と同様に、設定したデューティ5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、位相角を+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎に位相角を1%ずつ増やしつづけ、全点灯状態に移行させる。ヒータ2も全点灯に移行すれば、次はヒータ3のソフトスタート処理を行う。ヒータ3のソフトスタート処理もヒータ1、ヒータ2と同様に、設定したデューティ5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、デューティを+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎に位相角を1%ずつ増やしつづけ、全点灯状態に移行する。ヒータが3本とも全点灯に移行すれば、ヒータ温度が目標温度に上昇するまで、全点灯状態を維持する。ヒータ温度が目標温度に到達すれば、ヒータを点灯させた順にヒータ1、ヒータ2、ヒータ3と消灯する。ソフトスタート開始時の波形を図3に示す。また、ヒータ1、ヒータ2、ヒータ3の点灯順序を示したタイミングチャートを図4に示す。
【0028】このように電源投入直後に検知したヒータ温度に応じて、細切れのソフトスタート処理を行うことで、ヒータ温度が低いときヒータ抵抗値が低いことからくる突入電流の流れやすさへの対策、ヒータ温度が高いときは突入電流が少ないので、ソフトスタート時間を短く設定し電源高調波電流へ対策し、かつヒータ目標温度への上昇時間を短縮するという目標に対応することができる。
【0029】次に,本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態はハード的な構成は図1,2に示す前記実施形態と同様であるので、異なる制御の部分について説明する。
【0030】本実施形態においても、前記実施形態と同様に、検知したヒータ温度をA〜Eに分類する。また、その分類ごとに表1のようにソフトスタート開始時のデューティ比とステップアップ頻度を設定し、表2のように実際のソフトスタート制御を設定する。
【0031】そして、上記分類の検知時の温度に応じて、最適なソフトスタート開始位相角と、ステップアップ頻度が決定される。ここで、一例として検知した現在温度が30度であったとすると、コントロール部30はA分類から定数を採用し、ソフトスタート開始のON時間を「500μs」、ステップアップ頻度を「3サイクル単位で100μsずつステップアップ」を設定する。ここまで、前記実施形態と同様である【0032】ところで、突入電流が多大に流れるのはソフトスタートの初期のみであり、ソフトスタートの初期のみを警戒すればよい。通電デューティ比50%以上付近はステップアップ間隔を小さく取っても、突入電流はそれほど流れない。そこで本実施形態では、通電デューティ比が50%になった時点でソフトスタート間隔を変更する。本実施形態における通電制御をまとめると以下の表3のようになる。
【表3】

【0033】このようにデューティ比が50%になった時点で、ステップアップ間隔を分類に応じて、上記のように変更するよう設定値を持たせる。ここで検知ヒータ温度が30度の場合は分類Aであるので、c比が50%になった時点で、以降のステップアップ間隔を「0.5サイクル単位で100μsずつステップアップ」と設定する。
【0034】次に、コントロール部は、実際のヒータON/OFF処理に移る。まず、外部記憶装置32に保持している前回点灯させたヒータ番号を参照し、前回点灯させたヒータ番号の次のヒータ番号のヒータを設定したデューティ5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、デューティを+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎にデューティを1%ずつ増やしつづけ、通電位相角が50%に達すれば、次は0.5サイクル毎にデューティ比を+1%の100μs単位でステップアップするよう処理変更する。
【0035】0.5サイクル毎にデューティ比を+1%ずつ増やしつづけデューティが100%の全点灯状態に移行すれば、前記ヒータのソフトスタート制御の処理は終了する。このとき、前述のソフトスタートオン制御を行ったヒータ番号が1だとすると、ヒータ1のソフトスタート所要時間が経過すると全点灯状態処理が終了し、全点灯状態に移行すれば、次にヒータ番号2のソフトスタート処理を実施する。ヒータ2のソフトスタートも、ヒータ1と同様に、設定したデューティ5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、デューティを+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎に位相角を1%ずつ増やしつづけ、デューティが50%に達すれば、次は0.5サイクル毎にデューティを+1%の100μs単位でステップアップするよう処理変更する。
【0036】0.5サイクル毎にデューティを+1%ずつ増やしつづけデューティが100%の全点灯状態に移行すれば、前記ヒータ2のソフトスタート制御の処理は終了する。ヒータ2も全点灯に移行すれば、次はヒータ3のソフトスタート処理を行う。ヒータ3のソフトスタート処理もヒータ1、ヒータ2と同様に設定したデューティ5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、相角を+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎に位相角を1%ずつ増やしつづけ、デューティ50%に達すれば、次は0.5サイクル毎にデューティを+1%の100μs単位でステップアップするよう処理変更する。0.5サイクル毎にデューティを+1%ずつ増やしつづけデューティが100%の全点灯状態に移行すれば、前記ヒータ3のソフトスタート制御の処理は終了する。ヒータが3本とも全点灯に移行すれば、ヒータ温度が目標温度に上昇するまで、全点灯状態を維持する。ヒータ温度が目標温度に到達すれば、ヒータを点灯させた順にヒータ1、ヒータ2、ヒータ3と消灯する。デューティ50%付近のステップアップ間隔変化を示した波形を図5に示す。また、ヒータ1、ヒータ2、ヒータ3の点灯順序を図4のタイミングチャートに示す。
【0037】このように電源投入直後に検知したヒータ温度に応じて、細切れのソフトスタート処理を行うことで、ヒータ温度が低いときヒータ抵抗値が低いことからくる突入電流の流れやすさへの対策、また、突入電流の流れにくいデューティ比に達すれば、以降のステップアップ間隔を小さく取っているので、ソフトスタート時間を短く設定し電源高調波電流へ対策し、かつヒータ目標温度への上昇時間を短縮するという目標に対応することができる。
【0038】次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態はハード的な構成は図1,2に示す前記実施形態と同様であるので、異なる制御の部分について説明する。
【0039】本実施形態においても、前記実施形態と同様に、検知したヒータ温度をA〜Eに分類する。また、その分類ごとに表1のようにソフトスタート開始時のデューティ比とステップアップ頻度を設定し、表2のように実際のソフトスタート制御を設定する。
【0040】そして、上記分類の検知時の温度に応じて、最適なソフトスタート開始位相角と、ステップアップ頻度が決定される。ここで、一例として検知した現在温度が30度であったとすると、コントロール部30はA分類から定数を採用し、ソフトスタート開始のON時間を「500μs」、ステップアップ頻度を「3サイクル単位で100μsずつステップアップ」を設定する。ここまで、前記実施形態と同様である【0041】ところで、突入電流が多大に流れるのはソフトスタートの初期のみであり、ソフトスタートの初期のみを警戒すればよい。通電デューティ比75上付近はステップアップ間隔を小さく取っても、突入電流はそれほど流れない。また、ソフトスタート制御からON/OFF制御に移行しても突入電流はほとんど流れない。そこで本実施形態では、デューティ75%まで、ソフトスタート処理を行い、75%より以降はON/OFF制御に移行する。本実施形態における上記分類ごとの処理を次の表4に示す。
【0042】
【表4】

【0043】この表に示すように、デューティが75%になる時点までのステップアップ間隔を上記分類に応じて設定する。
【0044】次に、コントロール部30は、実際のヒータON/OFF処理に移る。まず、外部記憶装置32に保持している前回点灯させたヒータ番号を参照し、前回点灯させたヒータ番号の次のヒータ番号のヒータを設定したデューティ比5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、デューティを+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎にデューティを1%ずつ増やしつづけ、デューティが75%に達すれば、次はデューティが100%の全点灯状態に移行する。全点灯に移行すれば、前記ヒータのソフトスタート制御の処理は終了する。このとき、前述のソフトスタートオン制御を行ったヒータ番号が1だとすると、ヒータ1のソフトスタート所要時間が経過すると全点灯状態処理が終了し、全点灯状態に移行すれば、次にヒータ番号2のソフトスタート処理を実施する。ヒータ2のソフトスタートもヒータ1と同様に、設定したデューティ比5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、デューティを+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎にデューティを1%ずつ増やしつづけ、デューティ比が75%に達すれば、次はデューティが100%の全点灯状態に移行する。全点灯に移行すれば、前記ヒータ2のソフトスタート制御の処理は終了する。ヒータ2も全点灯に移行すれば、次はヒータ3のソフトスタート処理を行う。ヒータ3のソフトスタート処理もヒータ1、ヒータ2と同様に設定したデューティ比5%からソフトスタートON制御する。3サイクルが経過すれば、デューティを+1%の6%ON制御、つまり600μs間ON制御とする。このように3サイクル毎にデューティを1%ずつ増やしつづけ、デューティが75%に達すれば、次はデューティが100%の全点灯状態に移行する。全点灯に移行すれば、前記ヒータ3のソフトスタート制御の処理は終了する。ヒータが3本とも全点灯に移行すれば、ヒータ温度が目標温度に上昇するまで、全点灯状態を維持する。ヒータ温度が目標温度に到達すれば、ヒータを点灯させた順にヒータ1、ヒータ2、ヒータ3と消灯する。
【0045】このように電源投入直後に検知したヒータ温度に応じて、細切れのソフトスタート処理を行うことで、ヒータ温度が低いときヒータ抵抗値が低いことからくる突入電流の流れやすさへの対策、また、突入電流の流れにくいデューティ比に達すれば、以降のソフトスタート制御は打ち切り、全点灯状態に移行しているので、ソフトスタート時間を短く設定し電源高調波電流へ対策し、かつヒータ目標温度への上昇時間を短縮するという目標に対応することができる。
【0046】以上、本発明を各実施形態の複写機を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複写機以外のプリンタやファクシミリ等の画像形成装置にも本発明を適用することができる。また、画像形成装置の作像部の構成も一例であり、レーザ書き込みによるデジタル方式等でも構わない。
【0047】さらに、定着装置の構成も上記実施形態に限定されるものではない。また、定着ヒータの数も3つに限定されるものではなく、任意の個数のヒータとすることができる。
【0048】また、検知したヒータ温度に応じた分類の仕方も任意であり、その各分類ごとのソフトスタート開始のデューティやステップアップの頻度も適宜設定できるものである。
【0049】また、第2実施形態において説明した、デューティ比が所定の比率に達した後の以降のステップアップ頻度を変更する場合の、所定のデューティ比も50%に限らず適宜設定することができる。もちろん、それ以降のステップアップの頻度も適宜設定できるものである。
【0050】さらに、第3の実施形態において説明した、デューティ比が所定の比率に達した後は定着制御をON/OFF制御に移行する場合の、所定のデューティ比も75%に限らず適宜設定することができるものである。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、電源投入直後に検知した定着ヒータの温度に応じてソフトスタート(供給電力の位相制御)開始時の位相角と、デューティ比のステップアップ頻度とを設定するので、電源電圧の変動を抑えつつ電源高調波電流の発生を抑制することができ、電源電圧変動と電源高調波電流発生の双方にバランスよく対処することができる。また、定着ヒータの点灯開始時のヒータ温度が高い場合には、ソフトスタート時間を短くすることができ、ヒータ温度の迅速な上昇ができるという効果もある。
【0052】請求項2の構成により、デューティ比が所定の比率に達した場合、以降のデューティ比のステップアップ頻度を変更するので、突入電流の流れにくい所定の位相角になったら以降のステップアップ頻度を短くとってやれば、ソフトスタート時間の短縮を図ることができる。そのため、電源高調波電流の発生を抑制することができると同時に、全点灯状態への移行が早期に行われるので、ヒータ温度の迅速な上昇ができる。もちろん、ヒータの点灯初期は突入電流が流れないようにソフトスタートを実施しているので、電源電圧の変動は抑制され、電源電圧変動と電源高調波電流発生の双方にバランスよく対処することができる。
【0053】請求項3の構成により、デューティ比が所定の比率に達した場合はヒータの全点灯状態に移行するので、ソフトスタート時間を短縮して電源高調波電流の発生を抑制することができる。また、全点灯状態への移行が早期に行われるので、ヒータ温度の迅速な上昇ができるという効果もある。もちろん、ヒータの点灯初期は突入電流が流れないようにソフトスタートを実施しているので、電源電圧の変動は抑制され、電源電圧変動と電源高調波電流発生の双方にバランスよく対処することができる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年3月22日(2000.3.22)
【代理人】 【識別番号】100063130
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武久 (外1名)
【公開番号】 特開2001−265155(P2001−265155A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−80788(P2000−80788)