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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】山上 雅史

【要約】 【課題】画像形成装置の定着装置におけるジャム処理性を改良し、ジャム紙を除去する上で使用者が用紙を見ながら操作できるようにする。

【解決手段】通常時には、画像形成装置本体のドアが開けられたときにはドアスイッチ30がオフとなって定着モータ11の駆動系への駆動電源31からの電源供給を切断し、定着モータ11の動作を防止する。使用者がジャム処理等で、ドアを開けた状態で定着モータ11を回転駆動したい場合には、正転スイッチ9aもしくは逆転スイッチ9bを押下する。すると定着モータ11に電源が供給されて動作可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 転写紙上に形成されたトナー像を加熱、加圧して該転写紙に定着させるための一対の定着ローラと加圧ローラを備える定着装置と、上記定着ローラを駆動する定着ローラ駆動手段と、開閉可能な外装カバーと、該外装カバーが開いた時に上記定着ローラ駆動手段への電源供給を切断する電源切断手段とを備え、電子写真プロセスにより、入力した画像信号に基づいた画像を形成する画像形成装置において、上記定着ローラ駆動手段を駆動・停止するためのスイッチと、上記電源切断手段が上記定着ローラ駆動手段への電源供給を切断した状態でも該スイッチをオンとした時の上記定着ローラ駆動手段への電源供給を可能とする接・断回路を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 上記定着ローラ駆動手段は上記定着ローラを正・逆転駆動可能で、上記スイッチ及び上記接・断回路を、正転駆動用及び逆転駆動用それぞれに備えることを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項3】 上記定着ローラ駆動手段は上記定着ローラの駆動速度を可変でき、上記スイッチをオンとした時は、通常時よりも低速で上記定着ローラを回転駆動することを特徴とする請求項1または2の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関し、特に定着装置におけるジャム処理性を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】複写機等では、コピー動作中にジャム(紙詰まり)等が発生すると機械の動作を停止するようになっており、機械の停止後に使用者が機械のドア(外装カバー)を開けて機内に残っている用紙を取り除く操作を行うようになっている。このとき、当然使用者が機内に手を入れるので、突然駆動系が動き出す危険であるため、ドアが開いている時には駆動系への電源供給を遮断するようになっている。
【0003】もちろん、ジャムが定着装置の定着ローラと加圧ローラの間で生じた場合にはローラの回転駆動系への電源供給もストップする。すると両ローラの間に挟まった状態で存在している用紙を取り除くためには、使用者が直接に用紙を手で引っ張ったり、手動でローラを回転させることが必要になるが、高温の定着ローラに手が接触するおそれがあり、かつ定着ローラと加圧ローラ間には圧力が加えられているため、手で回転させることも難しい。
【0004】そこで、機械の動作が停止した時にモータを駆動させ、定着装置のローラ間に存在する用紙を排紙するようにした装置が提案されている(たとえば特開昭59−19979号公報参照)。また市販の複写機等においても、サービスマンが複写機等の負荷のON/OFFチェック用に予めプログラムしたモードに、機械の動作が停止していても定着ローラを駆動できるようにしたものが知られている。すなわち市販の多くの複写機等では、安全性の向上のために、カバーが開いている場合は定着ローラ等の負荷を駆動する電源を切る構成を採用している。しかしながら、これらの装置では、ドアを閉めてモータを駆動するため、用紙の挙動が使用者には把握できず、定着装置のローラを回転させても用紙が引っかかったままになっている場合には機械にダメージを与えたり、用紙がさらに取りにくくなったりして、せっかく機械の動作を停止させても、有効なジャム処理への対処にならないことがあるという問題がある。
【0005】本発明は上記従来の問題点にかんがみ、上述のような構成の機械においても動作可能であり、ジャム紙を除去する上で使用者が用紙を見ながら操作できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る画像形成装置は、上記目的を達成するために、転写紙上に形成されたトナー像を加熱、加圧して該転写紙に定着させるための一対の定着ローラと加圧ローラを備える定着装置と、上記定着ローラを駆動する定着ローラ駆動手段と、開閉可能な外装カバーと、該外装カバーが開いた時に上記定着ローラ駆動手段への電源供給を切断する電源切断手段とを備え、電子写真プロセスにより、入力した画像信号に基づいた画像を形成する画像形成装置において、上記定着ローラ駆動手段を駆動・停止するためのスイッチと、上記電源切断手段が上記定着ローラ駆動手段への電源供給を切断した状態でも該スイッチをオンとした時の上記定着ローラ駆動手段への電源供給を可能とする接・断回路を有することを特徴とする。
【0007】同請求項2に係るものは、上記目的を達成するために、上記定着ローラ駆動手段は上記定着ローラを正・逆転駆動可能で、上記スイッチ及び上記接・断回路を、正転駆動用及び逆転駆動用それぞれに備えることを特徴とする。
【0008】同請求項3に係るものは、上記目的を達成するために、上記定着ローラ駆動手段は上記定着ローラの駆動速度を可変でき、上記スイッチをオンとした時は、通常時よりも低速で上記定着ローラを回転駆動することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態の制御部のブロック図である。CPU1にはメモリ(ROM2、RAM3、不揮発RAM4)及びI/Oポート5を介して機械の状態を表示する表示部6、ドア開閉検知センサ7、用紙搬送路中のジャム検知センサ8、定着装置を回転駆動するための定着モータの正転・逆転スイッチ9、モータの回転を検知するモータ回転検知エンコーダ等の各種センサ10の入力と、定着モータ11へのオン・オフ信号や回転方向指示信号等を出力する定着モータドライバ12、メインモータ、現像モータ、各種クラッチ、ソレノイド等への出力回路13が接続している。なお不揮発RAM4は、電源オフ時も保持しておきたい情報を記憶するものである。また定着モータドライバ12からの出力信号は、定着モータ11のオン・オフ信号や回転方向指示信号だけでなく、回転速度指示、パワーダウン指示等も含まれる。
【0010】図2は定着モータ11を含む定着ユニットの構成を示す斜視図である。図示の定着ユニットは、対をなす定着ローラ20と加圧ローラ21からなり、定着ローラ20を加熱するための定着ヒータ22、そして定着用ローラ20を正・逆転駆動する定着モータ11から構成してある。現像モータやメインモータと別に定着モータ11を設けることによって、定着ユニットのみを駆動することができ、ジャム時に定着ローラ20を回転駆動しても他のユニットにダメージを与えないようにしてある。
【0011】図3は、定着モータ11の駆動系の電源供給・切断回路の回路図である。図中30はドアスイッチ、31は駆動電源で、定着モータ11の正転・逆転スイッチ9は、正転スイッチ9aと逆転スイッチ9bとから構成してある。この回路構成は、図から明らかなように、図示せぬ画像形成装置本体のドアが開けられたときにはドアスイッチ30がオフとなって通常は定着モータ11の駆動系への駆動電源31からの電源供給を切断し、定着モータ11が動作するのを防止している。そのため通常では定着モータ11を駆動することはできないが、使用者がジャム処理等で、ドアを開けた状態で定着モータ11を回転駆動したい場合には、正転スイッチ9aもしくは逆転スイッチ9bを押下することによって、定着モータ11に電源が供給されて動作可能となるようにしてある。正転スイッチ9aもしくは逆転スイッチ9bは、押下状態がロックされないタイプのスイッチを採用するとよい。
【0012】すなわち、正転スイッチ9aもしくは逆転スイッチ9bを押下して定着モータ11を駆動している状態から、定着モータ11を停止させたい場合は、正転スイッチ9aもしくは逆転スイッチ9bから手を放すだけで駆動電源31からの電源供給が再度切断され、たとえCPU1が暴走したとしても定着モータ11の回転駆動が停止する。なお図1に示したように、駆動電源の供給・切断と連動してCPU1でドアスイッチ30や正転スイッチ9a及び逆転スイッチ9bの状態を監視することが可能である。
【0013】図4はCPU1における各スイッチの状態監視、制御のフローチャートである。まず画像形成装置本体のドアが開いているか否かを判断し(ステップ1)、開いている時(ステップ1でY)には正転スイッチ9aが押下されているか否かを判断し(ステップ2)、押下されている場合(ステップ2でY)は定着モータドライバ12に正転ON(正転OFFは逆転)、低速回転駆動を指示する低速ON(低速OFFは高速:通常の動作時は高速での回転駆動)及び駆動開始を指示するON信号ON(OFFで駆動停止)という各信号を出力し(ステップ3)、ステップ2へ戻る。もちろんステップ1でドアが開いていないと判断すれば通常の制御に戻る。またステップ2で正転スイッチ9aが押下されていないと判断した場合(ステップ2でN)は、ON信号OFF(駆動停止)、低速OFFとして逆転スイッチ9bが押下されているか否かを判断し(ステップ5)、押下されている場合(ステップ5でY)は定着モータドライバ12に正転OFF、低速ON及びON信号ONという各信号を出力し(ステップ6)、ステップ5へ戻る。ステップ5で逆転スイッチ9bが押下されていないと判断した場合(ステップ5でN)は、ON信号OFF、低速OFF、正転ONとして(ステップ7)、その後ステップ1へ戻る。図5に上記動作のタイミングチャートを示す。すなわち、正転スイッチ9aも逆転スイッチ9bも押下されていない時は定着ローラ11駆動用の駆動電源31への電源供給が切断されて強制的に定着ローラ11の駆動系は停止するが、CPU1も定着モータドライバ12へ停止信号を出力する。また、定着ローラ11の正転駆動時、すなわち正転スイッチ9a押下時は逆転スイッチ9bを無視し、逆転スイッチ9b押下時は正転スイッチ9aを無視する。
【0014】
【発明の効果】本発明の画像形成装置のうち請求項1に係るものは、以上説明してきたように、使用者は画像形成装置本体のドアを開けて用紙の状態を見ながら、スイッチの押下で定着ローラを駆動、停止させることができるので、定着ローラに挟まれた用紙を除去するジャム処理時の操作性が非常に向上するという効果がある。
【0015】請求項2に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、定着ローラをスイッチの押下で正転あるいは逆転駆動可能とすることで、上記共通の効果に加え、用紙を除去しやすい方向に搬送可能としてジャム処理時の操作性をさらに向上させる得るという効果がある。
【0016】請求項3に係る画像形成装置は、以上説明してきたように、スイッチ押下時は通常の駆動よりも速度を落として定着ローラを回転駆動することにより、上記共通の効果に加え、用紙がひっかっかっている場合は機械へのダメージを低減させ、またその後のジャム処理の操作性を向上させ得るという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年3月21日(2000.3.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−265154(P2001−265154A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−77365(P2000−77365)