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【発明の名称】 断熱強化型クイックヒートローラー及びこれを用いた装置
【発明者】 【氏名】河村 孝夫

【氏名】原田 昭雄

【氏名】西 毅

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円筒体2の外周面側に発熱抵抗体層8を設けたクイックヒートローラー1において、発熱抵抗体層8の内外面を電気絶縁層6、10で狭着し、円筒体2と電気絶縁層6の間に断熱強化層4を設けて発熱抵抗体層8の発生熱が円筒体2に伝達する事を遮断し、発生熱を用紙側に効率的に伝導することを特徴とする断熱強化型クイックヒートローラー。
【請求項2】 発熱抵抗体層8の外側にある電気絶縁層10の外面側に高熱伝導率の熱伝達層12を設け、発熱抵抗体層8の発生熱を熱伝達層12を介して効率的に用紙側に伝導する請求項1記載の断熱強化型クイックヒートローラー。
【請求項3】 前記断熱強化層4は耐熱性有機絶縁物質と断熱充填材の混合物からなる請求項1又は2記載の断熱強化型クイックヒートローラー。
【請求項4】 前記熱伝達層12は耐熱性有機絶縁物質に金属粉または高熱伝導率の金属酸化物粉を混入させてなる請求項2記載の断熱強化型クイックヒートローラー。
【請求項5】 前記電気絶縁層6、10は耐熱性有機絶縁物質からなる請求項1又は2記載の断熱強化型クイックヒートローラー。
【請求項6】 前記耐熱性有機絶縁物質がポリミイド樹脂である請求項3乃至5記載の断熱強化型クイックヒートローラー。
【請求項7】 請求項1乃至6に記載の断熱強化型クイックヒートローラーに定着用エンドレスベルト32をかけ、定着用エンドレスベルト32と加圧ローラー24の間に加重をかけながら記録紙を通過させて、トナー画像を加熱と同時に加圧により定着する断熱強化型クイックヒートローラー装置。
【請求項8】 前記加圧ローラー24を加熱用のクイックヒートローラーで構成する請求項7記載の断熱強化型クイックヒートローラー装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンター等の電子写真機器におけるトナー定着用ヒートローラー関し、更に詳細には、発熱抵抗体層で生起した発生熱が断熱強化層で円筒体側に伝達することを遮断し、また熱伝達層を付加して発生熱を用紙側に強力に熱伝導させる断熱強化型クイックヒートローラー及びこれを用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機、プリンター等の電子写真機器におけるトナー定着装置は、ハロゲンランプを備えたヒートローラーと加圧ローラーを圧接状態に配置して構成されている。これらのローラー間にトナー画像を転写した用紙を通過させ、加熱と同時に加圧してトナー画像を熱定着し、定着の終わった用紙を排出する。
【0003】しかし、このヒート・ローラーはハロゲンランプの輻射熱を利用するため、発熱効率が低く、熱定着に必要な温度、例えば160℃にするには、数分〜十数分を要し、待機時の電力消費も大きく、省エネルギー対策が重要となっていた。デジタル技術時代において、定着装置の開発目標は、消費電力の軽減と、昇温時間の短縮技術に尽きる。特にカラー機器では、高速昇温と温度分布の均一性が、高画質の最大の要因となる。
【0004】また、近年では複写機やプリンタを他のOA機器と連動させて使用するため、待機時に複写機やプリンタに入力信号があった場合、ヒートローラーの昇温時間が長いとシステムが進行せず、システム全体の高速化を阻害させる主要因となる。即ち電子装置が如何に高速化されても、トナー定着部の高速昇温に関する抜本的解決策がない限り、システムの高速化は困難な情勢である。
【0005】前述のごとく、従来の定着用ヒートローラーは、円筒体(金属素管ともいう)の内面に熱源としてハロゲンランプ等の発光加熱管を設け、円筒体全体を加熱して、定着温度に昇温し使用する。このため、消費電力が増大し、昇温時間の短縮が困難であった。そこで発光加熱管方式を改善する提案が種々なされてきた。
【0006】例えば、円筒体に発熱抵抗体層を巻回形成して高速に電流加熱する方法が提案された。高速昇温が可能であるために本発明者等はこのヒートローラーをクイックヒートローラーと称している。まず特開昭55−72390号、特開昭62−20038号、及び特開昭63−158582号では、金属パイプからなる円筒体の外周面に電気絶縁層とその上に発熱抵抗体層を形成した後、ポリミイド等の高耐熱性有機樹脂からなる電気絶縁層を設け、更にその表面にテフロン(登録商標)(弗素樹脂)等の離形層を備えた構造の外接型クイックヒートローラーが提案された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この電気絶縁層は発熱抵抗体層を流れる電流の漏電を防止するために設けられている。しかし発熱抵抗体層の発生熱は電気絶縁層を通して上下に均等に伝達するため、発生熱の半分は用紙側に伝達して熱定着に使用されるが、残りの半分は逆方向に伝達して廃熱となってしまうため、用紙の熱定着効率は低下し、この結果ヒート・ローラーの高速昇温特性も不十分であった。
【0008】従って、本発明の目的は、発熱抵抗体層で発生した熱を用紙側又は定着用エンドレスベルト側へ効率的に伝導させて、ヒート・ローラーの高速昇温を実現しようとすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、円筒体の外周面側に発熱抵抗体層を設けたクイックヒートローラーにおいて、発熱抵抗体層の内外面を電気絶縁層で狭着し、円筒体と電気絶縁層の間に断熱強化層を設けて発熱抵抗体層の発生熱が円筒体に伝達する事を遮断し、発生熱を用紙側に効率的に伝導することを特徴とする断熱強化型クイックヒートローラーである。
【0010】請求項2の発明は、発熱抵抗体層の外側にある電気絶縁層の更に外面側に高熱伝導率の熱伝達層を設け、発熱抵抗体層の発生熱を熱伝達層を介して効率的に用紙側に伝導する請求項1記載の断熱強化型クイックヒートローラーである。
【0011】請求項3の発明は、前記断熱強化層が耐熱性有機絶縁物質と断熱充填材の混合物からなる請求項1又は2記載の断熱強化型クイックヒートローラーである。
【0012】請求項4の発明は、前記熱伝達層が耐熱性有機絶縁物質に金属粉または高熱伝導率の金属酸化物粉を混入させてなる請求項2記載の断熱強化型クイックヒートローラーである。
【0013】請求項5の発明は、前記電気絶縁層が耐熱性有機絶縁物質からなる請求項1又は2記載の断熱強化型クイックヒートローラーである。
【0014】請求項6の発明は、前記耐熱性有機絶縁物質がポリミイド樹脂である請求項3乃至5記載の断熱強化型クイックヒートローラーである。
【0015】請求項7の発明は、請求項1乃至6に記載の断熱強化型クイックヒートローラーに定着用エンドレスベルトをかけ、定着用エンドレスベルトと加圧ローラーの間に加重をかけながら記録紙を通過させて、トナー画像を加熱と同時に加圧により定着する断熱強化型クイックヒートローラー装置である。
【0016】請求項8の発明は、前記加圧ローラーを加熱用のクイックヒートローラーで構成する請求項7記載の断熱強化型クイックヒートローラー装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者等はクイックヒートローラーの前記欠点を改善するために鋭意研究した結果、円筒体と電気絶縁層の間に断熱強化層を配置することによって、発熱抵抗体層で発生した熱流の円筒体への流出を遮断し、結果的に熱流を外方側、即ち用紙側に流出させる方式を着想した。また、用紙側への流出を助長するために、発熱抵抗体層の外面にある電気絶縁層の更に外側に高熱伝導率の熱伝達層を配置し、断熱強化層で遮断された熱流を用紙側に強制伝導することにより、前記熱流を効率的に用紙側に熱伝導できることを着想するに至った。
【0018】本発明は発熱抵抗体層で発生した熱の効率利用に関係し、断熱強化層で円筒体側への熱流を遮断することを特徴とする。発熱抵抗体層で発生した熱流は上下に均等に流出し、その半分は用紙側に熱伝導して用紙の熱定着に寄与する。熱流の残りの半分は円筒体側に伝導し、従来は廃熱となって熱効率を低下させる原因となっていた。本発明では、断熱強化層によりこの熱流が円筒体に伝導することを遮断し、熱流を用紙側に反転させる作用を行う。この反転した熱流は用紙の定着に寄与し、熱効率を向上させる。
【0019】また、断熱強化層に付加して熱伝達層を配置すると、外面側に直進及び反転して流入する熱流を熱伝達層を介して強制的に用紙側に熱伝導させて、熱効率を向上させることができる。熱伝達層は大きな熱容量を有するため大量の熱量を吸引でき、つまり熱伝達層は熱ポンプの作用を発揮する。従って、熱流を効率的に用紙側又は定着用エンドレスベルト側に熱伝達させ、熱定着効率を増大し、またヒートローラーの高速昇温を実現できる。
【0020】電気絶縁層は発熱抵抗体層からの電流を電気的に絶縁するもので、絶縁性粉体の塗膜や絶縁性フイルムの張設等によって形成する。絶縁材料としては、無機絶縁材料と有機絶縁材料に分れる。無機絶縁材料にはマイカ、大理石、セラミックス、ガラス等があり、有機絶縁材料には、繊維、プラスチック、ゴム、ろう、コンパウンドなど各種の公知材料があり、絶縁度、処理性能等によって使い分ければよい。特に、プラスチックフイルムやその類似物は、それ自体で表面が極平坦なシート状に形成できるから、そのまま絶縁体層として利用できる。
【0021】近年、発熱部の電気絶縁材料として耐熱性有機絶縁材料が使用され、特にポリミイド樹脂が注目を集めている。このポリミイド樹脂をフイルムに形成して張設したり、ポリミイド樹脂を塗布して電気絶縁層を形成する。このポリミイド樹脂の耐熱性、電気絶縁性は良好で、薄くても電気絶縁することができる。
【0022】一般に、電気絶縁物質は熱絶縁物質であることが多く、断熱作用を有している。しかし、電気絶縁層だけでは断熱作用が十分ではないため、電気絶縁層と円筒体の間に断熱強化層を配置して、電気絶縁層の断熱機能に加えて断熱強化層で断熱機能を増強させることにした。断熱強化層の材料を安価な断熱物質で構成すれば、断熱強化層を厚くしても価格は安価に設定できる。例えば、液状の耐熱性有機絶縁材料に断熱充填剤を一様に混合して塗着すればよい。
【0023】液状の耐熱性有機絶縁材料の一種としてポリイミドワニスが利用できる。また、断熱充填剤としては低熱伝導率の耐熱材料が利用できる。断熱充填剤としては、アルミナ、ガラス、ガラスウール、各種セラミックス、耐火レンガ、砂粒、各種酸化物、各種金属酸化物などがあり、これらを粉体化して液状耐熱性有機絶縁材料に混合し、断熱強化材料とする。
【0024】液状のポリイミドワニスは高価であるから、このポリイミド量を減量し、安価な断熱充填剤粉末を多く充填混合させれば、全体として安価な断熱強化材を提供できる。断熱充填材は電気絶縁物質でもあり、断熱機能と同時に電気絶縁機能も発揮する。本発明の実施形態で特によく使う断熱充填剤は酸化物であり、金属酸化物と非金属酸化物が利用できる。例えば、Al、ZrO、SiO等がある。
【0025】この断熱強化層は断熱充填剤粉末を充填して混合しているから、表面から水分や気体分子などを吸収しやすい性質を有する。この吸収によって断熱性能が低下する可能性がある。しかし、本発明では、断熱強化層を電気絶縁層と併設し、最良形態としては両層を密着形成すれば、緻密な電気絶縁層が断熱強化層のコーティング膜となって、水分やガス分子の吸収を遮断する。この結果、高度の断熱性能を保持することができる。
【0026】従って、断熱強化層を電気絶縁層と併設することにより、断熱機能を増強するだけでなく、電気絶縁機能の増強も行え、しかも断熱強化層を保護することもできる。
【0027】熱伝達層は高熱伝導率を有した熱伝導材料を層状に形成したものである。層形成するには、熱伝達材料を塗着してもよいし、熱伝導性フイルムを張設してもよい。高熱伝導率を有しておれば、熱伝導材料は単体物質でもよいし、混合物質でもよい。例えば、液状の耐熱性有機絶縁物質に金属粉又は高熱伝導率をもつ金属酸化物粉を添加混合して熱伝導材料を形成できる。この場合には、金属粉又は高熱伝導率をもつ金属酸化物粉の添加量により熱伝導率、および熱容量を任意に調節できる。
【0028】耐熱性有機絶縁物質としては公知の各種物質が利用できるが、近年ポリミイド樹脂が利用されることが多くなった。液状のポリミイド樹脂をポリミイドワニスと呼び、このポリミイドワニスに金属粉又は高熱伝導率をもつ金属酸化物粉を適量配合する。金属粉としては、任意の金属が利用でき、例えばZn,Al,Fe、Cu,Ag,Pt,Mn,Mo等がある。勿論、真鍮や青銅などの合金も使用できる。更に、高熱伝導率の金属酸化物粉として、高純度アルミ酸化物(Al2O3)粉も利用できる。
【0029】以下に本発明の実施形態を図面に従って詳細に説明する。図1は外接式クイックヒートローラーの縦断面図である。アルミパイプ等の円筒体2の外周面に、断熱強化層4、電気絶縁層6、発熱抵抗体層8、電気絶縁層10、熱伝達層11そして最外表面に離形層12がこの順に積層形成されている。円筒体2の両端面には絶縁リング14、14を設け、これに通電用端子16、16が外設されている。発熱抵抗体層8の両端と通電用端子16、16は、接続部18、18により電気的に接続されている。
【0030】通電用端子16、16間に電圧を印加すると、接続部18を介して発熱抵抗体層8に電流が流れ、この通電によって発熱抵抗体層8でジュール発熱が生起する。発熱抵抗体層8の両面は電気絶縁層6、10で狭着されているため、電流が内外へ漏洩することはない。
【0031】一方、発熱抵抗体層8からの発生熱は内側および外側に熱伝達する。しかし内側には断熱強化層4があり、外側には高熱伝導率の熱伝達層11があるため、発生熱は効率よく熱伝達層11を介して離形層12へと伝導され、熱定着を効果的に行なう。このような熱効率の向上がヒートローラーの高速加熱を実現した。離形層12は定着後に用紙の剥離を容易にするために設けられているが、定着用エンドレスベルトを使用する場合は不要である。
【0032】これらの各層は円筒体2の外周に塗布形成される。塗布方法には公知の各種方法、例えば浸潤浸漬法、刷毛法、スプレー法などが利用できるが、膜厚の制御、再現性には、特殊スクリーン印刷法が最適である。 電気絶縁層6、10はポリイミド樹脂で形成され、断熱強化層4はポリイミド樹脂にZrO粉を混合して形成される。熱伝達層11はポリミイドワニスにアルミ粉または高純度アルミ酸化物(アルミナ)粉を充填混合して硬化形成される。
【0033】クイックヒートローラー1の両端は通電端子からの熱放散が大きい。従って発熱抵抗体層8の製作時には、両端部の抵抗値を大きくして通電時に発熱量を高くし、横方向の温度分布の均一化(±5%以下)を図る必要がある。
【0034】一方、発熱抵抗体層8からの発生熱は内方及び外方に熱伝達する。内側には断熱強化層4と電気絶縁層6が存在し、外側には電気絶縁層10と熱伝達層11がが存在する。内側に流出する熱流は断熱強化層4で遮断されて用紙側へ反転する。この反転した熱流と発熱抵抗体層8から外側に流出する熱流は、熱伝導率の高い熱伝達層11を介して外方へと流出し用紙の熱定着と高速加熱を保証する。
【0035】図2は本発明に係るクイックヒートローラーを利用した熱定着法の概要説明図である。本発明のクイックヒートローラー1、1を圧接状態で対抗配置する。トナー画像Tを形成した用紙Pを両ローラー1、1間に矢印a方向に挿入すると、両ローラー1、1によりトナー画像Tが熱定着され、定着画像Hとなって、用紙Pが排出される。
【0036】図3は本発明のクイックヒートローラーと定着用エンドレスベルトを用いたカラー定着装置の概要説明図である。20は加熱用ローラー、24は加圧ローラー、26は駆動ローラー、28はクリーニングローラー、30はオイルローラー、32は定着用エンドレスベルト、34は温度検出サーミスターである。加熱用ローラー20は本発明の断熱強化型クイックヒートローラー1で構成される。
【0037】加熱用ローラー20はエンドレスベルト32を所定温度に加熱し、駆動ローラー26の回転により、用紙Pをエンドレスベルト32と加圧ローラー24の間に走行させる。エンドレスベルト32の熱と加圧ローラー24の圧力でトナー画像Tは定着される。エンドレスベルト32が用紙Pに面接着するから定着時間が長く作用し、定着が確実に行われる。
【0038】定着用エンドレスベルト32の表面には、離形層としてフッ素樹脂層(テフロン)又はシリコン樹脂層が形成される。サーミスタ34が定着用エンドレスベルトの表面の温度を測定して定着システム全体の温度制御を行なっている。加熱を高速化させる場合には、加圧ローラー24を本発明の断熱強化型クイックヒートローラー1で構成してもよい。
【0039】図4は本発明のクイックヒートローラーと定着用エンドレスベルトを用いた簡易型定着装置の概要説明図である。図3と異なる部分は定着兼駆動ローラー22を設けている点で、このローラーは定着用ローラーであり、また駆動ローラーの機能を兼有する。図3と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】エンドレスベルト32は加熱ローラー20と定着兼駆動ローラー22に巻回されており、用紙Pは定着兼駆動ローラー22と加圧ローラー24の間に搬送され、定着用エンドレスベルト32で熱定着される。図3と異なり、本装置では用紙Pはエンドレスベルト32と点接着する。熱定着の高速化を図るために、加熱ローラー20、定着兼駆動ローラー22及び加圧ローラー24の全てを本発明の断熱強化型クイックヒートローラー1で構成することができる。
【0041】本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
【0042】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、円筒体表面に断熱強化層と電気絶縁層を設けたから、円筒体へ流れる熱流を遮断して用紙側に反転させることができ、用紙側への熱流量を増大化できる。従って、熱定着の熱効率を向上させることができ、外接式クイックヒートローラーの超高速昇温を実現できる。発熱抵抗体層を外側に設けることは、小口径のクイックヒートローラーの製作を容易にし、超小型、高速昇温、及び省エネルギー対策を満足するローラーの製作を容易にし、超小型、高速昇温定着装置を実現するものである。
【0043】請求項2の発明によれば、外接型クイックヒートローラーの場合に、円筒体表面に断熱強化層、電気絶縁層を、更に発熱抵抗体層の外側に電気絶縁層と熱伝達層を設けたから、直達熱流と断熱強化層による反転熱流の両方を熱伝達層で一気に用紙側に熱伝導できる。従って、熱定着効率の一層の向上を図ることができる。
【0044】請求項3の発明によれば、断熱強化層を耐熱性有機絶縁物質と断熱充填材の混合物から構成するから、断熱充填材の添加量を調節して断熱度と膜厚調整を行える。
【0045】請求項4の発明によれば、熱伝達層を耐熱性有機絶縁物質と金属粉又は高熱導電率の金属酸化物粉の混合物から構成したから、金属粉や金属酸化物粉の種類と配合量によって熱伝達特性を任意に調整できる。
【0046】請求項5の発明によれば、電気絶縁層を耐熱性有機絶縁物質から構成するので、比較的薄くても大きな電気絶縁効果を得ることができる。また、外方側の電気絶縁層を薄く形成すれば、電気絶縁作用をしながら熱を比較的伝達することができ、熱伝達層への熱流入を効率化する。また、熱伝達層材料に高熱伝導率の絶縁性金属酸化物粉を用いれば、これに併設される電気絶縁層は不要になり、構造が簡単化すると同時に、一層化することによって更なる高速昇温が期待される。
【0047】請求項6の発明によれば、耐熱性有機絶縁物質をポリミイド樹脂で構成したから、比較的少量で電気絶縁効果を発揮でき、しかもヒートローラーを高温設計しても十分な耐熱性樹脂効果を有する。
【0048】請求項7の発明によれば、断熱強化型クイックヒートローラーを用いたベルト式定着法を提案したものであり、小口径のクイックヒートローラーが使用可能であるため、高速昇温と省エネルギー対策を兼ね備えた超小型多機能カラー定着システムが実現できる。
【0049】請求項8の発明によれば、加圧ローラーを本発明のクイックヒートローラーで構成したから、一層の高速定着システムを実現できる。
【出願人】 【識別番号】000124502
【氏名又は名称】河村 孝夫
【識別番号】591040292
【氏名又は名称】大研化学工業株式会社
【出願日】 平成12年3月18日(2000.3.18)
【代理人】 【識別番号】100084342
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 久巳
【公開番号】 特開2001−265149(P2001−265149A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−121760(P2000−121760)