| 【発明の名称】 |
画像形成装置の定着装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】▲浜▼田 州太
【氏名】小野寺 正泰
【氏名】羽根田 哲
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| 【要約】 |
【課題】定着ローラ表面の熱線吸収層に分離爪が接触する頻度を減少させ、熱線吸収層の損傷を防止し、定着性能の向上と安定化を図ることのできる定着装置を提供する。
【解決手段】定着ローラ71に近接して配置した分離爪78に転写材の接触に伴って回転する拍車部材78bを設け、分離爪78を第1のポジションと第2のポジションの間で移動可能とし、所定の時間のみ分離爪先端部78aを定着ローラの熱線吸収層の表面に当接させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円柱状の基体の外側に弾性層を設け、かつ、発熱体を設けた定着ローラと、前記定着ローラに接しニップ部を形成する加圧ローラと、前記定着ローラに近接して配置した分離爪とを有し、転写材上のトナー像を前記転写材に固定する定着装置において、前記分離爪は前記転写材の接触に伴い回転する拍車部材を有し、前記転写材が通過する側において、前記拍車部材先端の軌跡円の接線を前記ニップ部へ延長した直線に対して、前記分離爪の先端部は前記定着ローラ側に位置することを特徴とする画像形成装置の定着装置。 【請求項2】 前記定着ローラは、熱線に対し透光性を有する円筒状の透光性基体の外側に透光性弾性層と、前記透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層とを有し、前記発熱体は前記透光性基体の内側に配置され、前記熱線を発生することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の定着装置。 【請求項3】 前記弾性層又は前記透光性弾性層の硬度は前記加圧ローラの表面硬度より高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置の定着装置。 【請求項4】 前記分離爪を固定する回動支軸を有し、前記回動支軸は前記拍車部材の回転支軸より前記転写材の搬送方向下流側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置の定着装置。 【請求項5】 前記分離爪は、前記分離爪の先端が前記定着ローラに当接する第1のポジションと、前記分離爪の先端が前記定着ローラから退避する第2のポジションとの間を移動可能に構成され、前記第1のポジションにおいて前記転写材の先端部を前記定着ローラから分離した後、前記第2のポジションへ移動することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置の定着装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を有する複合機等の画像形成装置に用いられる定着装置に関し、詳しくは定着後の転写材を定着ローラから分離する、分離機構に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を有する複合機等の電子写真式画像形成装置に用いられている定着装置は、所定の温度に維持された定着ローラと、弾性層を有してその定着ローラに圧接する加圧ローラとによって、未定着のトナー画像が転写された転写材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ定着方式が、低速機から高速機まで、モノクロ機からカラー機に至るまで、幅広く採用されている。 【0003】しかしながら、従来の熱ローラ定着方式の定着装置では、転写材やトナーを加熱する際に、熱容量の大きな定着ローラを加熱する必要があるため、省電力効果が悪く、省電力面で不利であり、又、画像形成開始時に定着装置を暖めるのに時間がかかり、画像形成を開始するまでの時間(ウォーミングアップタイム)が長くなってしまうという問題があった。 【0004】これを解決するため、円筒状の透光性基体の外側に透光性弾性層と、その外側に熱線吸収層とを設けた定着ローラを採用し、透光性基体の内部に設けたハロゲンランプからの熱線を熱線吸収層に吸収させた後、転写材上のトナー像を加熱・加圧して定着するクイックスタート方式の定着装置及び方法が、特開昭52−106741号公報、同57−82240号公報、同57−102736号公報、同57−102741号公報及び特開平11−327342号公報により開示され、知られている。 【0005】上述したクイックスタート方式における定着装置の従来例を定着ローラ71及び加圧ローラ72の要部拡大断面図として図7に示す。尚、図7に示す各部の動作及び構成については、図4に示す本発明の実施の形態において同一部材には同一の番号を付し、その詳細を後述する。 【0006】図7に示すように、従来の定着装置において、加圧ローラ72は図示しない加圧機構により、定着ローラ71に圧接されニップ部Nを形成している。又、定着ローラ71は図示しない駆動手段により回転駆動される加圧ローラ72の従動ローラとして回転し、未定着トナー像を定着ローラ71側に担持した転写材Pがニップ部Nを通過する間に、転写材P上のトナー像を加熱・加圧することにより、溶融トナーを転写材Pの表面に浸積し、トナー像を定着している。 【0007】又、定着ローラ71は、中空円筒形状の透光性基体71aの外周面に、透明シリコンゴムから成る透光性弾性層71bと、熱線吸収層71cとを順次積層被覆した構成のローラであり、定着ローラ71の内部にはハロゲンヒータ73が設置され、ハロゲンヒータ73から発生する熱線が透光性基体71a及び透光性弾性層71bを透過して熱線吸収層71cに輻射・吸収され、高温度に上昇した熱線吸収層71cを転写材上のトナー像に押し当てている。加圧ローラ72は、例えば、アルミニウム合金等の金属から成る中空円筒形状の芯金部材72aの外周面に、シリコンゴム等の弾性層72bを被覆したものである。 【0008】ニップ部Nを通過した転写材Pは、トナーが溶融し、ニップ部Nが定着ローラ71側に凹面の形状を呈していることから、定着ローラ71に付着したままニップ部Nから排出される。従って、転写材Pを定着ローラ71から分離し、搬送ローラ対77の方向へ向けるため、ガイド分離爪100が熱線吸収層71cに当接し、定着後の転写材Pを定着ローラ71から分離している。 【0009】ガイド分離爪100は、転写材Pが分離された後、その底面に沿って搬送ローラ対77の方向へガイドされるよう、底面の長さを長くした略三角形に形成され、その頂部が支軸100aに回動可能に支持されている。又、ガイド分離爪100と一体成形された突起100bは、一端が図示しないシャーシに固定されたスプリング100cの他端に接続され、ガイド分離爪100の先端部が熱線吸収層71cに当接するよう付勢している。 【0010】上記構成において、ニップ部Nにおける定着完了後、転写材Pの先端部は定着ローラ71に付着したまま、定着ローラ71に常時接しているガイド分離爪100の先端部に到達する。定着ローラ71から分離されたのち、転写材Pはガイド分離爪100の底面を摺擦することにより、搬送ローラ対77の方向へガイドされ、搬送ローラ対77に挟持されて定着装置の外部へ排出される。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の定着装置において、ガイド分離爪100は突起100bに接続されたスプリング100cにより定着ローラ71の方向へ付勢され、ガイド分離爪100の先端部は、常時、定着ローラ71の熱線吸収層71cに接しているため、定着ローラ71の回転に伴い、熱線吸収層71cがガイド分離爪100の先端部との摩擦により削り取られる、或いは、部分的な欠落を生じるという問題があった。 【0012】即ち、部分的な欠落箇所や不均一に削り取られ薄くなった箇所からハロゲンヒータ73から発生する熱線が漏れるため、定着ローラ71表面上の発熱温度分布が不均一になり、加えて、熱線吸収層71cの表面が粗くなりトナーが付着し易くなるため、定着性能の低下と定着ムラ発生の原因となっていた。又、ガイド分離爪100の先端部により転写材Pに筋状に付けられた傷がそのまま定着ムラとなって定着画像に傷跡を残すという問題もあった。 【0013】上記問題を解決するため、スプリング100cの付勢力を弱め、できるだけソフトにガイド分離爪100の先端部を熱線吸収層71cに接触させることも考えられるが、スプリング100cの付勢力を弱めたとしても、転写材Pが熱線吸収層71c表面から分離される時、転写材Pはガイド分離爪100の底面を強く押し付けるため、結局、ガイド分離爪100の先端部には大きな付勢力が加わることとなり、上記問題を解決するには至らなかった。 【0014】又、転写材Pの分離性を良くするため、定着ローラ71の透光性弾性層71bの硬度を加圧ローラ72の弾性層72bの硬度より低く設定し、定着ローラ71に対して凸面のニップ部Nを形成することも考えられるが、透光性弾性層71bの厚さは熱線の透過率を上げるため、加圧ローラ72の弾性層72bの厚さより薄く設定される傾向にあり、定着ローラ71の硬度は加圧ローラ72の硬度より高くなることが多いため、凸面のニップ部Nの形成は困難であった。 【0015】むしろ、定着性能を向上させるためには、加圧ローラ72の弾性層72bの硬度をより軟らかく設定し、図7に示す凹面のニップ部Nの面積を拡げることが望ましく、このため、転写材Pは、ニップ部Nを通過後、更に熱線吸収層71cに付着し易くなり、分離性が悪化し、上記問題が顕著に発生していた。 【0016】熱線吸収層71cは後述するように耐熱樹脂にカーボン粒子を混入することにより熱線吸収特性を得ているので、摩擦により削れ易く又傷つき易い材質になっている。このため、上記問題の解決が望まれていた。 【0017】一方、図7に示す従来の定着装置において、転写材の上面は定着後のトナー画像を乗せてガイド分離爪100の底面を摺擦しながら搬送ローラ対77へ向けてガイドされることになる。このため、濃度の高いトナー画像の場合、転写材がガイド分離爪100の底面を摺擦する時、溶融したトナーが未だ充分に固化していないので、ガイド分離爪100の底面との摺擦によってトナーが流れ、画像が乱れるという問題があった。 【0018】本発明は上述した従来の技術が有する問題点に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、定着ローラに近接して配置した分離爪に転写材の接触に伴って回転する拍車部材を設けることにより、分離爪が定着ローラに接触する頻度を減少させると共に、転写材の分離時に発生する転写材の付勢力を回避し、定着ローラ表面の損傷防止を可能とし、もって、定着性能の向上と安定化を図ることのできる定着装置を提供しようとするものである。 【0019】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために請求項1に記載の定着装置は、円柱状の基体の外側に弾性層を設け、かつ、発熱体を設けた定着ローラと、前記定着ローラに接しニップ部を形成する加圧ローラと、前記定着ローラに近接して配置した分離爪とを有し、転写材上のトナー像を前記転写材に固定する定着装置において、前記分離爪は前記転写材の接触に伴い回転する拍車部材を有し、前記転写材が通過する側において、前記拍車部材先端の軌跡円の接線を前記ニップ部へ延長した直線に対して、前記分離爪の先端部は前記定着ローラ側に位置することを特徴とする。 【0020】又、上記の目的を達成するために請求項2に記載の定着装置は、請求項1に記載の定着装置において、前記定着ローラは、熱線に対し透光性を有する円筒状の透光性基体の外側に透光性弾性層と、前記透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層とを有し、前記発熱体は前記透光性基体の内側に配置され、前記熱線を発生することを特徴とする。 【0021】又、上記の目的を達成するために請求項3に記載の定着装置は、請求項1又は請求項2に記載の定着装置において、前記弾性層又は前記透光性弾性層の硬度は前記加圧ローラの表面硬度より高いことを特徴とする。 【0022】又、上記の目的を達成するために請求項4に記載の定着装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置において、前記分離爪を固定する回動支軸を有し、前記回動支軸は前記拍車部材の回転支軸より前記転写材の搬送方向下流側に位置することを特徴とする。 【0023】又、上記の目的を達成するために請求項5に記載の定着装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置において、前記分離爪は、前記分離爪の先端が前記定着ローラに当接する第1のポジションと、前記分離爪の先端が前記定着ローラから退避する第2のポジションとの間を移動可能に構成され、前記第1のポジションにおいて前記転写材の先端部を前記定着ローラから分離した後、前記第2のポジションへ移動することを特徴とする。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる定着装置を搭載した画像形成装置を図面によって説明する。本発明の定着装置を搭載した画像形成装置であるカラープリンタの構成を図1に示す。 【0025】このカラープリンタは、像担持体である可撓性の無端ベルト状の感光体(以下、感光体と称す)1の周囲に、4組のスコロトロン帯電器(以下、帯電器と称す)2Y,2M,2C,2K、4組の像露光装置3Y,3M,3C,3K、4組の現像器4Y,4M,4C,4Kとから成る画像形成ユニット(図示の4組)を縦列に配設したものである。なお、図示の像露光装置3Y,3M,3C,3Kは、レーザビーム走査光学装置を使用したものである。 【0026】感光体1は、駆動ローラ11及び下ローラ12、上ローラ13に張架され、テンションローラ14の作用により緊張状態にされ、内周面に設けられたバックアップ部材15により局部的に当接しながら、図示の時計方向に回動する。バックアップ部材15は、感光体1の背面に当接して、現像器4Y,4M,4C,4Kの各現像剤担持体41Y,41M,41C,41Kの現像領域及び像露光装置3Y,3M,3C,3Kの結像位置に感光体1を規制している。 【0027】画像記録のスタートにより、駆動モータ(図示せず)が回動して駆動ローラ11を介して感光体1は図示の時計方向へと回動し、帯電器2Yの帯電作用により感光体1への電位の付与が開始される。感光体1は電位を付与されたあと、像露光装置3Yにおいて第1の色信号すなわちイエロー(Y)の画像信号に対応する電気信号による露光が開始され、感光体1の回動(副走査)によってその表面の感光層に現像画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像を形成する。この潜像は現像器4Yにより現像剤担持体41Y上に付着搬送された現像剤が、現像領域において非接触の状態で反転現像され、イエロー(Y)のトナー像となる。 【0028】次いで感光体1はイエロー(Y)のトナー像の上にさらに帯電器2Mの帯電作用により電位が付与され、像露光装置3Mの第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像信号に対応する電気信号による露光が行われ、現像器4Mによる非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。 【0029】同様のプロセスにより帯電器2C、像露光装置3C及び現像器4Cによってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が形成される。さらに帯電器2K、像露光装置3K及び現像器4Kによって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体1の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。 【0030】感光体1の周面上に形成されたカラーのトナー像は、帯電器2Fによって付着トナーの電位が揃えられたのち転写領域に至る。給紙装置5の給紙カセット51或いは手差し給紙台53から、それぞれ給紙手段52,54により送り出され、レジストローラ対55へと搬送された転写材Pは、レジストローラ対55の駆動によって感光体1上のトナー像領域通過と同期して給紙され、駆動ローラ11の下部に対向して配置された転写手段6によりトナー像が転写される。 【0031】トナー像が転写された転写材Pは、感光体1の周面より分離されたのち、定着装置7へ搬送される。定着装置7によりトナー像は熔融され、転写材Pに定着される。定着処理終了後の転写材Pは、排紙ローラ対81,82,83により搬送されて、上部に設けられた排紙トレイ84に排出される。 【0032】一方、転写材Pを分離した感光体1は、クリーニング装置9のクリーニングブレード91によって残留トナーを除去し、清掃される。なお、次の原稿画像のトナー像の形成が続いて行われるときは、帯電前除電器92による感光体1の感光体面への露光が行われて前歴の電荷の除去がなされる。 【0033】次に図面を参照し、本発明に係わる定着装置7の実施の形態に付き詳細に説明する。図2は、定着装置7の内部構成を示す断面図である。図3は定着ローラ71、加圧ローラ72及びハロゲンヒータ73の配置面における平面断面図である。図4及び図5は定着装置7の要部拡大断面図であって、それぞれ、分離爪先端部78aが定着ローラ71に当接する第1のポジションに位置する場合、及び、分離爪先端部78aが定着ローラ71から退避する第2のポジションに位置する場合を示す。又、図6は分離爪78の上部から見た平面図であり、定着ローラ71、分離爪78及び搬送ローラ対77の配置を示す。 【0034】図2に示すように、定着装置7は、定着ローラ71、加圧ローラ72、加熱源のハロゲンヒータ73、クリーニングローラ74、クリーニングパッド75、オイル塗布手段76、搬送ローラ対77等から構成されている。又、クリーニングローラ74は、回転軸74aと弾性層74bとから成り、回転軸74aの両端部は、左右の定着装置本体側板70に保持された図示しない軸受部材に嵌合し、回転可能である。弾性層74bは発泡シリコンゴム等の耐熱性樹脂から成るローラである。 【0035】図3に示す透光性基体71aは、発熱体としてのハロゲンヒータ73から照射される赤外線又は遠赤外線等の熱線を透過する耐熱ガラス又は耐熱性樹脂から成る中空円筒体である。本発明の実施の形態においては、透光性基体71aとして、外径28mm、肉厚1.5mmのパイレックスガラス(米国コーニング社製)を材質とする中空円筒体を採用している。 【0036】透光性弾性層71bは、透光性基体71aの外周面に形成された透明シリコンゴム層(本実施の形態では肉厚2.5mmに設定)である。熱線吸収層71cは、透光性弾性層71bの外周面にカーボン入りのパーフルオロアルコキシ(PFA)(本実施の形態では厚さ0.05mmに設定)を被覆した最外層である。このように構成した定着ローラの表面硬度は、アスカC型ゴム硬度計を用い荷重1kgで測定した時、80°となる。 【0037】又、定着ローラ71の長手方向における片寄りを防止するため、位置規制側板70aを図示しないネジにより両側の定着装置本体側板70にネジ止めしている。位置規制側板70aはハロゲンヒータ73を保持する発熱体保持手段として兼用され、ハロゲンヒータ73を保持し、リード線73aを通す小穴を有する蓋板70cを図示しないネジにより両側の位置規制側板70aにネジ止めすることにより、ハロゲンヒータ73を定着ローラ71内に保持している。 【0038】上記構成において、ハロゲンヒータ73から照射された熱線は、透光性基体71a、透光性弾性層71bを透過して熱線吸収層71cに吸収され、急速加熱が可能な定着ローラ71が構成されている。 【0039】加圧ローラ72は、例えばアルミニウム合金等の金属から成る中空円筒形状の芯金部材72aの外周面に、シリコンゴム等の弾性層72bを形成したものである。図3に示すように、芯金部材72aの両端部は、ベアリング72cにより回転可能に支持されている。ベアリング72cは、バネ72dにより付勢され、加圧ローラ72を定着ローラ71に圧接している。又、透光性基体71aの両端部はベアリング71dに嵌合し、回転可能であり、ベアリング71dはベアリング保持部材71eに嵌合・固定され、ベアリング保持部材71eは図示しないネジにより定着装置本体側板70にネジ止めされている。ここで、透光性基体71aは、必要に応じてメンテナンス時に清掃又は交換できるよう、ベアリング71dに着脱可能に嵌合されている。 【0040】加圧ローラ72の芯金部材72aの図3における左端部には歯車72eが嵌合・固定され、歯車72eは図示しないモータ等の駆動手段に接続された減速歯車と歯合し、加圧ローラ72を回転駆動している。これに伴い、透光性基体71aは加圧ローラ72の従動ローラとして図2及び図4に示す矢印方向に回転駆動されている。 【0041】図4に示すように、本発明の実施の形態においては、定着ローラ71の透光性弾性層71bの硬度を加圧ローラ72の弾性層72bより高く設定しているので、定着ローラ71と加圧ローラ72の接触部において、定着ローラ71側に凹面の形状を持つニップ部Nを形成している。 【0042】又、分離爪78は、定着ローラ71の熱線吸収層71cに当接して転写材Pを分離する分離爪先端部78aと、基体上の回転支軸78cに回転可能に取り付けられた拍車部材78bとを有し、基体後端部は回動支軸78dに嵌合し、回動支軸78dに固定されている。ここで、分離爪先端部78aは、拍車部材先端の軌跡円の接線を凹面のニップ部Nの転写材排出側端部へ延長した直線に対して、定着ローラ71側に位置している。 【0043】分離爪78の材質は当接する熱線吸収層71cに与える影響の少ない耐熱性のある材質が望ましく、例えば、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性樹脂を使用するのが好ましい。又、拍車部材78bにも分離爪78の材質と同様な耐熱性樹脂が好ましく使用される。 【0044】図6に示すように回動支軸78dはその両端が定着装置本体側板70に回動可能に嵌合され、定着装置本体側板70から突き出した切り欠き部分にスナップリング70dを嵌め、長手方向の移動を規制している。回動支軸78dには中央分離爪178とその左右に2個の分離爪78が、それらの分離爪先端部78aが同一直線上に位置するよう、嵌合・固定されている。 【0045】中央分離爪178の上部には突起178eが設けられ、突起178eはその上側に設けられたプランジャ79のピストン部材79bの下端部へスプリング79aを介して連結されている。 【0046】図4において、ピストン部材79bはプランジャ79の内部へ吸引されているので、スプリング79aは張力を発生し、中央分離爪178を上方へ付勢することにより分離爪先端部78aを定着ローラ71の熱線吸収層71cに当接させている。又、左右の分離爪78は回動支軸78dにより中央分離爪178と連結動作するので、分離爪78の分離爪先端部78aも同様に定着ローラ71の熱線吸収層71cに当接している。この位置を分離爪78の第1のポジションと定義する。 【0047】図5において、ピストン部材79bはプランジャ79の内部への吸引が解除されているので、スプリング79aは張力を発生しない縮んだ状態となり、中央分離爪178は、重力により下方に移動し、ガイド板173先端部のストッパ173aにその下部が当接する位置で止まっている。又、左右の分離爪78は回動支軸78dにより中央分離爪178と連結動作するので、分離爪78の分離爪先端部78aも同様にガイド板173先端部のストッパ173aに分離爪78の下部が当接する位置で止まっている。又、この時、図示しない位置規制部材により、中央分離爪178は回動支軸78dに対して反時計方向に回転しないよう規制しているので、転写材Pの接触により押圧された場合でも、この位置に固定されている。この位置は分離爪先端部78aが熱線吸収層71cから退避した位置であり、分離爪78の第2のポジションと定義する。 【0048】次に、上述した本発明に係わる定着装置7の構成における、転写材Pに対する転写材分離動作について説明する。 【0049】転写材Pの搬入が無く、定着装置7が待機状態にある時は、分離爪78は第2のポジションに位置し、熱線吸収層71cとの接触を回避している。転写材Pが定着装置7内へ搬送されると、先ず、ニップ部Nの近傍で転写材搬送路中に設置されたフォトインタラプタ171を通過する。 【0050】フォトインタラプタ171は発光素子と受光素子から構成され、その間隙において光の進路が遮断された時、その出力を「H」から「L」に変化させる。従って、転写材Pの先端がフォトインタラプタ171の間隙を通過した時、その出力を「H」から「L」に変化させ、制御部200へ転写材検知信号として、送出する。制御部200は転写材検知信号が「H」から「L」に変化したことを検出すると、プランジャ駆動回路201へプランジャ起動コマンドを送出する。プランジャ駆動回路201は、プランジャ起動コマンドに基づき、プランジャ79へ駆動電流を流し、ピストン部材79bを吸引する。この結果、中央分離爪178及び分離爪78は第1のポジションへ移動し、3個の分離爪先端部78aは定着ローラ71の熱線吸収層71cに当接する。 【0051】一方、転写材Pはフォトインタラプタ171を通過した後、ニップ部Nに挿入・挟持され、加熱と加圧により定着ローラ71側に担持されているトナー像が転写材P上に溶融・定着される。ニップ部Nを通過した転写材Pは、溶融トナーの付着力により、定着ローラ71側に付着したままニップ部Nの凹面から排出され、転写材Pの先端は3個の分離爪先端部78aが熱線吸収層71cに当接する箇所へ到達する。転写材Pの先端は、図4に示すように3個の分離爪先端部78aにより熱線吸収層71c表面から分離された後、分離爪78の下面に沿って移動し、拍車部材78bの先端部へ到達する。 【0052】一方、制御部200内には、転写材Pがフォトインタラプタ171を通過した後、拍車部材78bに至るまでの所定の時間を設定した図示しないタイマー回路が設けられ、その所定の時間を経過した時、制御部200は、図示しないタイマー回路の出力信号に基づき、プランジャ起動コマンドを解除する。 【0053】従って、転写材Pの先端が拍車部材78bの先端部へ到達した時点で、ピストン部材79bの吸引が解除され、中央分離爪178及び分離爪78は第2のポジションへ移動し、3個の分離爪先端部78aは熱線吸収層71c表面から退避する。 【0054】その後、転写材Pは、図5に示すように、転写材Pの接触・移動に伴って回転する拍車部材78bの先端部により、分離爪78の下方へ付勢されながら熱線吸収層71c表面から分離され、搬送ローラ対77へ向けて搬送される。 【0055】上述したように、本発明に係わる定着装置の実施の形態によれば、分離爪先端部78aは、転写材Pがフォトインタラプタ171を通過した後、拍車部材78bに至るまでの所定の時間のみ定着ローラ71の熱線吸収層71c表面に当接するよう構成したので、分離爪78が定着ローラに接触する時間を効果的に減少させることが可能となり、ガイド分離爪100を熱線吸収層71c表面に常時当接させる図7に示した従来の定着装置に比較して、熱線吸収層71cに与える悪影響が格段に少なくなり、熱線吸収層71cの損傷を防止し、定着性能の向上と安定化を図ることができる。 【0056】又、転写材Pを熱線吸収層71cから分離した後、転写材Pのガイド部材として、転写材Pの接触・移動に伴って回転する拍車部材78bを採用しているので、拍車部材78bの先端部における点接触により転写材Pをガイドすることが可能となり、溶融したトナーが未だ充分に固化していない濃度の高いトナー画像に対しても、摺擦によるトナー流れに起因する画像の乱れを効果的に防止することができる。 【0057】又、分離爪先端部78aは凹面のニップ部Nの転写材排出側端部と拍車部材78bの先端部を結ぶ直線に対して定着ローラ71側に位置しているので、転写材Pの分離時における圧力を拍車部材78bへ分散することが可能となり、更に、熱線吸収層71cの損傷防止に寄与することができる。 【0058】尚、上述した実施の形態では、分離爪先端部78aが熱線吸収層71c表面に当接する所定の時間を、転写材Pがフォトインタラプタ171を通過した後、拍車部材78bに至るまでの時間に設定したが、表面反射センサ等をニップ部Nの転写材排出側に設置し、転写材Pがニップ部Nから排出した直後に分離爪先端部78aを熱線吸収層71c表面に当接させ(第1のポジション)、転写材Pが熱線吸収層71c表面から分離した直後に分離爪78を退避させる(第2のポジション)構成としても良い。この場合、分離爪78が定着ローラ71に接触する時間を更に減少させることになり、好ましい。 【0059】又、分離爪先端部78aに対する拍車部材78bの取り付け位置は、拍車部材78bが定着ローラ71に接触しない範囲内で、できるだけ近接している方が好ましく、上述した効果が顕著となる。 【0060】又、上述した本発明の実施の形態は本発明を適用したベストモードを示したものであり、記載した構成・数値は何ら本発明の範囲を限定するものではない。 【0061】又、上述した実施の形態においては、画像形成装置としてカラープリンタに本発明に係わる定着装置を搭載した例を示したが、モノクロ複写機、モノクロプリンタ、ファクシミリ、その他トナー像の定着装置を必要とする全ての画像形成装置に対しても上述した実施の形態と同様に本発明を適用できることは言うまでもない。 【0062】 【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、定着ローラに近接して配置した分離爪に転写材の接触に伴って回転する拍車部材を設け、分離爪を第1のポジションと第2のポジションの間で移動可能に構成し、所定の時間のみ分離爪先端部を定着ローラの熱線吸収層の表面に当接させるよう構成したことにより、分離爪先端部が熱線吸収層の表面に接触する頻度を減少させると共に、転写材の分離時に発生する転写材の付勢力を回避し、定着ローラ表面の損傷防止を可能とし、もって、定着性能の向上と安定化を図ることのできる定着装置を提供できるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月14日(2000.3.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−265141(P2001−265141A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−70298(P2000−70298) |
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