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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】木村 要一

【要約】 【課題】クリーナレスカラー画像形成装置において発生する他色トナー混入の最小化を図る。

【解決手段】電子写真プロセスを利用したカラーレーザビームプリンタであり、且つ磁気ブラシタイプの接触帯電装置及びクリーナレスシステムを採用する画像形成装置において、上流・下流の連続する(隣り合う)画像形成ステーションで現像に適用される2つの画像形成色について、先に用いられる画像形成色に対する後に用いられる画像形成色の画像比率を検知、若しくは推定するとともに、この画像比率が小さいほど、後に用いられる画像形成色の2成分現像剤のトナー比率を増大させる制御を行う。このような制御を実施することにより、異種トナーの混入比率が低下し、色味変動が好適に抑制される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】像を担持する像担持体と、該像担持体を一様に帯電する接触帯電手段と、前記像担持体上に画像信号に対応した静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上の該静電潜像を、所定のトナー比率からなる2成分現像剤により顕像化する複数の現像手段と、記録材を担持し転写部位に搬送して該像担持体上のトナー像と接触せしめる記録材担持手段と、該像担持体上の像を転写部位にて順次記録材へ転写する転写手段とを有してなり、前記現像手段がさらに、前記トナー像の前記記録材への転写後、前記像担持体上の残トナーを除去する多色画像形成装置において、前記静電潜像の顕像化に連続して用いられる2つの画像形成色について、先に用いられる画像形成色に対する後に用いられる画像形成色の画像比率に基づいて、後に用いられる画像形成色の2成分現像剤のトナー比率を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】像を担持する像担持体と、該像担持体を一様に帯電する接触帯電手段と、前記像担持体上に画像信号に対応した静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上の該静電潜像を2成分現像剤により顕像化する複数の現像手段と、該像担持体上のトナー像を順次多重転写し、担持する中間転写手段と、該中間転写手段上の多重転写画像を記録材に転写する2次転写手段とを有してなり、前記現像手段がさらに、前記トナー像の前記中間転写手段への転写後、前記像担持体上の残トナーを除去する多色画像形成装置において、前記静電潜像の顕像化に連続して用いられる2つの画像形成色について、先に用いられる画像形成色に対する後に用いられる画像形成色の画像比率に基づいて、後に用いられる画像形成色の2成分現像剤のトナー比率を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記静電潜像の顕像化に連続して用いられる2つの画像形成色について、先に用いられる画像形成色に対する後に用いられる画像形成色の画像比率が小さいほど、後に用いられる画像形成色の2成分現像剤のトナー比率を増大させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】画像信号の積算値に基づいて、各画像形成色間における画像比率を決定することを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を利用して、画像を記録材上に形成してハードコピーを得る複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスを利用した従来の画像形成装置では、像担持体としてのドラム型電子写真感光体(以下、感光体)を帯電処理する手段としてコロナ帯電器が多用されていた。これは、コロナ帯電器を感光体に非接触に対向配置し、コロナ帯電器で発生する放電コロナに感光体表面をさらすことで、感光体表面を所定の極性、電位に帯電させるものである。
【0003】また、近年、コロナ帯電器よりも低オゾン、低電力などの利点を有することから、接触帯電装置(直接帯電装置)が実用化されている。これは、電圧を印加した帯電部材を感光体に当接させて感光体表面を所定の極性、電位に帯電させるものである。
【0004】この帯電部材として磁気ブラシを用いる接触帯電装置は、帯電、接触の安全性等の点から好ましく用いられている。この磁気ブラシ方式の接触帯電装置では、導電性の磁性粒子を直接マグネット上に、或いはマグネットを内包するスリーブ上に磁気ブラシとして磁気的に拘束保持させ、この磁気ブラシを感光体表面に停止或いは回転させながら接触させ、これに電圧を印加することによって感光体の帯電を開始する。
【0005】なお、導電性の繊維をブラシ状にしたもの(ファーブラシ)や導電性ゴムをロール状にした導電ゴムロールも、接触帯電部材として用いることができる。
【0006】また、接触帯電において、感光体に電荷注入層を設け、この感光体に電圧を印加した帯電部材を当接させることで電荷注入層に電荷を注入して感光体表面を所定の極性、電位に帯電させる注入帯電方式は、帯電部材に対するAC電圧(交番バイアス)重畳の有無に関わらず、印加したDC電圧(直流バイアス)とほぼ同等の感光体の表面電位を得ることができる。このため、感光体への帯電がコロナ帯電器を用いて行われるような放電現象を利用しないので、オゾンの発生がなく、かつ低電力消費型帯電が可能となる。
【0007】さらに近年、装置の小型化、簡易化、或いは環境保全の観点から廃トナーを出さない等の目的で、いわゆるクリーナーレスシステムも実用化されている。これは、記録材に対するトナー画像転写後の感光体表面からの転写残トナーを除去するクリーニング装置を用いることなく、転写残トナーを接触帯電装置で一度回収した後、非画像形成時に接触帯電装置から吐き出して現像装置で回収するようにしたものである。このようなクリーナーレスシステムや上記した接触帯電方式を採用することで、小型、簡易で、オゾン発生がなく、低消費電力、廃トナーの出ない画像形成装置を得ることができる。
【0008】図7は、上記のようなクリーナーレスシステムを備えた画像形成装置の一例を示す概略図である。
【0009】同図7に示す画像形成装置は電子写真プロセスを利用したレーザビームプリンタであり、且つ像担持体の帯電手段として磁気ブラシタイプの接触帯電装置を用い、またクリーナレスシステムを採用する装置である。
【0010】1は像担持体としての回転ドラム型の感光体である。この感光体1は中心支軸を中心に所定の周速度(プロセススピード)をもって矢印A方向に回転駆動され、その回転過程において接触帯電手段である磁気ブラシ3により、本例の場合は負極性の一様な帯電処理を受ける。そして、レーザビームプリンタ側に出力される画像信号に対応して変調されるとともに、露光装置(レーザ走査装置)100から出力されるレーザ光Lによって、感光体1の一様帯電面に走査露光が施されることにより、同感光体1上に画像情報に対応する静電潜像が順次形成される。こうした走査露光によって感光体1上に形成された静電潜像は、現像装置4により順次トナー像として、本例の場合は反転現像される。
【0011】一方、給紙カセット41内に収納された紙等の記録材Pが給紙ローラ42により1枚ずつ給送され、レジストローラ43により所定のタイミングで転写装置7に給紙される。そしてこの転写装置7により、感光体1上のトナー画像が記録紙Pに転写される。
【0012】最後に、トナー像を転写された記録材Pは定着器6を通過することにより、熱と圧力によりトナーを溶融定着し、定着画像として排出される。
【0013】感光体1としては、通常用いられている有機感光体等を用いることが出来るが、望ましくは、有機感光体上にその抵抗が109から1014Ω・cmの材質を有する表面層を持つものや、アモルファスシリコン感光体などを用いれば、電荷注入帯電を実現でき、オゾン発生の防止、消費電力の低減、並びに帯電性の好適化も図られる。
【0014】図8に示すように、本例における感光体1は負帯電の有機感光体で、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体1A上に下から順に第1層から第5層までの5つの層から形成される感光体層1Bを有しており、所定のプロセススピード(例えば100mm/sec)で回転駆動される。感光体層1Bの一番下の第1層は下引き層であり、ドラム基体1Aの欠陥等をならすために設けられている厚さ20μmの導電層である。第2の層は正電荷注入防止層であり、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層であって、ドラム基体1Aから注入された正電荷が感光体1表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する機能を有する。第3の層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であって、露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。第4の層は電荷輸送層であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散させて形成したP型半導体である。従って、感光体1表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、第3層(電荷発生層)で発生した正電荷のみを感光体1表面に輸送することができる。最表面の第5層は電荷注入層であり、絶縁性樹脂のバインダーに導電性微粒子としてSnO2超微粒子を分散した材料の塗工層である。具体的には、絶縁性樹脂に光透過性の導電フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径約0.03μmのSnO2超微粒子を樹脂に対して70重量%分散した材料の塗工層である。
【0015】このようにして調合した塗工液をデイッピング塗工法、スプレー塗工法、ロールコート塗工法、ビームコート塗工法等の適当な塗工法にて厚さ約3μmに塗工して電荷注入層とした。
【0016】同図8に示すように、接触帯電手段は磁気ブラシ帯電装置(以下、磁気ブラシ)3であり、磁気ブラシ3は1直径16mmの固定のマグネットローラ3Aと、このマグネットローラ3Aに回転自在に外嵌させた非磁性のSUSスリーブ3Bと、このスリーブ3Bの外周面にマグネットローラ3Aの磁力で付着保持された磁性粒子(磁性キャリア)の磁気ブラシ層Cからなるスリーブ回転タイプのものである。磁気ブラシ層Cを構成する磁性粒子としては、平均粒径10〜100μm、飽和磁化20〜250emu/cm3(2×108〜2.5×109A/m2)、抵抗1×102〜1×1010Ω・cmのものが好ましく、感光体1にピンホールのような絶縁欠陥が存在することを考慮すると、抵抗が1×106Ω・cm以上のものを用いることが好ましい。
【0017】なお、磁性粒子の抵抗値は、底面積が228cm2の金属セルに磁性粒子を2g入れた後、6.6kg/cm2で加重し、100Vの電圧を印加して測定した。
【0018】また、帯電性能を向上させためには、できるだけ抵抗の小さいものを用いるほうが好ましいので、平均粒径25μm、飽和磁化200emu/cm3(2×109A/m2)抵抗が106Ω・cmのものを用い、これをスリーブ3Bの外周面に40g磁気付着させて磁気ブラシ3を形成するのがよい。磁性粒子の構成としては、樹脂中に磁性材料としてマグネットを分散し導電化、及び抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、或いはフェライト等のマグネタイト単体表面を樹脂でコーティングし、抵抗調整を行ったものが用いられている。磁気ブラシ3の磁気ブラシ層Cは、感光体1表面に接するようにして配設されており、磁気ブラシ層Cと感光体1との間の接触ニップ部(帯電ニップ部)nの幅を6mmとした。そして、スリーブ3Bに電源S1より所定の帯電バイアス電圧を印加し、スリーブ3Bを感光体1との接触ニップ部nにおいて、感光体1の回転方向Aとはカウンター方向(逆方向)となる矢印B方向に、例えば感光体1の回転速度100mm/secに対して周速度150mm/secで回転駆動させることで、感光体1表面が帯電バイアスの印加された磁気ブラシ層Cで摺擦され、感光体1の感光体層1Bの表面が所望の電位に注入帯電方式で一様に一次帯電処理される。この際、スリーブ38の回転速度を速くすることで、感光体1上の転写残トナーと磁気ブラシ3との接触機会が増えるので、磁気ブラシ3への回収性も向上する。
【0019】図9は、本例の2成分接触現像装置(2成分磁気ブラシ現像装置)である現像装置4を示す概略構成図である。
【0020】同図9において、11は矢印B方向に回転駆動されるスリーブ、12は現像スリーブ内に固定配置されたマグネットローラ、13、14は撹拌スクリュー、15は現像剤Tを現像スリーブ11の表面に薄層形成するために配置された規制ブレード、16は現像容器、17はトナー補給装置、18はトナー濃度(トナー比率)検知手段である。現像スリーブ11は、少なくとも現像時においては、感光体1に対し最近接領域が約500μmになるように配置され、現像スリーブ11面に形成された現像剤Tの薄層Taが感光体1に対して接触する状態で現像できるように設定されている。本例の現像剤Tに包含されるトナーtは、粉砕法によって製造された平均粒径6μmのネガ帯電トナーに対して平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添したものが用いられ、キャリアcとしては飴和磁化が205emu/cm3(2.05×109A/m2)の平均粒径35μmの磁性キャリアを用いられている。また、トナーtとキャリアCを重量比6:94で混合したものが現像剤Tとして用いられている。現像剤Tのトナー濃度6%は画像が形成されると、トナーだけを消費するために減少するが、トナー濃度検知手段18によって常にトナー濃度が検知されており、不足が生じるとトナー補給装置17より不足分に対応した量のトナーが補給され、常に6%のトナー濃度が維持されるようになっている。トナー濃度検知手段には透磁率センサーが用いられているため、2成分現像剤のトナー濃度と透磁率の関係は予め実験等によって得ることが容易であるため、両者の関係式によりトナー濃度を知ることができる。
【0021】ここで、感光体1表面の静電潜像を、現像装置4を用いて2成分磁気ブラシ法により顕像化する現像工程と現像剤Tの循環系について説明する。
【0022】まず、現像スリーブ11の向転に伴いN2極で汲み上げられた現像剤Tは、S2を搬送される過程において、現像スリーブ11に対して垂直に配置された規制ブレード15によって規制され、現像スリーブ11上に現像剤Tの薄層Taが形成される。薄層Taが形成された現像剤TがN1極に搬送されてくると、磁気力によって穂立ちが形成される。この穂状に形成された現像剤Tによって前記静電潜像を現像し、その後、N3極、N2極の反発磁界によって現像スリーブ11上の現像剤Tは、現像容器16内に戻される。現像スリーブ11には電源S2から直流(DC)電圧及び交流(AC)電圧が印加される。
【0023】本例では、−500Vの直流電圧と周波数2000Hzで1500Vの交流電圧が印加される。一般に2成分現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生しやすくなるという不具合が生じる。このため、通常は現像装置4に印加する直流電圧と感光体1の表面電位間に電位差を設けることによって、かぶりを防止することを実現している。
【0024】本例の転写装置7はベルト転写装置であり、無端状の転写ベルト71を駆動ローラ72及び従動ローラ73間に懸架し、矢印f方向に感光体1の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転駆動させる。転写ベルト71の上行側ベルト部分のほぼ中間部を感光体1表面に接触させる。記録材Pは、転写ベルト71の上行側ベルト部分の上面に載って転写ニップ面70に搬送される。転写帯電ブレード74に転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアスが給電されることで、記録材Pの裏面からトナーtと逆極性の帯電がなされて感光体1表面のトナー画像が順次記録材Pの上面に転写されていく。本例においては、転写ベルト71として膜圧75μmのポリイミド樹脂からなるものを用いた。
【0025】なお、転写ベルト71の材質としてはポリイミド樹脂に限定されるものではなく、これ以外にも、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂などのプラスチックや、フッ素系、シリコン系のゴムを好適に用いることができる。また、厚みについても75μmに限定されるわけではなく、25〜2000μm、好ましくは50〜150μmのものが好適に用いられる。また、本例において、転写帯電ブレード74としては体積抵抗が1×105〜1×107Ω・cmで、板圧2mm、長さ306mmのものを用いた。さらに本例では、転写帯電ブレード74に15μAのバイアスを定電流制御により印加して転写を行った。
【0026】このようにして、感光体1表面に形成されたトナー画像は、転写帯電ブレード74によって記録材P上に転写される。また、転写ベルト71は、転写ニップ部70から定着装置6への記録材Pの搬送手段を兼ねさせてあり、転写ニップ部70を通過した記録材Pは、感光体1表面から分離されて転写ベルト71で定着装置6へ搬送される。
【0027】次に、上記した画像形成装置の動作について説明する。
【0028】画像形成時には、感光体1は駆動手段(不図示)により矢印A方向に回転駆動され、磁気ブラシ3により表面が均一に帯電される。そして、帯電された感光体1上に露光装置(レーザ走査装置)100によりレーザ光Lによる画像露光が与えられ、入力される画像情報に応じた静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置4によりトナー像として現像される。そして、感光体1上のトナー画像が転写装置7の転写ベルト71との間の転写ニツプ部70に到達すると、このタイミングにあわせてカセット41内の紙などの記録材Pが給紙ローラ42によって給紙されてレジストローラ43により搬送され、転写バイアスが印加された転写帯電ブレード74により記録材Pの裏側にトナーtと逆極性の電荷が付与されて、表面側に感光体1上のトナー画像が転写される。そして、トナー画像が転写された記録材Pは転写ベルト71により定着装置6へ搬送され、定着装置6によりトナー画像が表面に永久固着画像として定着されて排出される。
【0029】一方、記録材Pを剥離された転写ベルト71は、接地された導電性ファーブラシを備える転写ベルト除電器91、及び同じく接地された転写ベルト駆動ローラ72の対によってその表裏面電位を除去されるとともに、ウレタンゴムブレードによって構成される転写ベルトクリーナ92によって表面の残トナー、紙粉などの異物が排除され、次の画像形成に備えられる。
【0030】また一方で、転写ニップ70を通過した後の感光体1上には転写ニップ70で紙上に転写しきれなかったトナー(転写残トナー)が微量ながら存在している。これら転写残トナーは磁気ブラシ3によって、物理的に(静電的な作用により)掻き取られ、一旦は磁気ブラシ3に吸収されることになる。磁気ブラシ3内部では転写残トナーが累積してくると磁気ブラシ自身の抵抗が増大し、感光体1を十分帯電できなくなる。
【0031】この効果によって、磁気ブラシ3と感光体1表面に電位差が生じ、磁気ブラシ3に含まれている転写残トナーは感光体1上に静電的に転移する。感光体1上に転移した転写残トナーは現像器4に静電的に取り込まれ、次の画像形成に消費されることとなる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記したようなクリーナレスシステムではカラー画像形成装置を構築した場合にトナー混色問題が発生する。
【0033】説明を簡略化するために、図10において、先の図7で示した従来の装置に内蔵される画像形成部のうち、2つのみを備えたタンデム系2色の画像形成装置を示す。以下、この装置について説明する。
【0034】同図10に示す画像形成装置では、第1画像形成部はイエロートナーによる画像形成を、第2画像形成部はマゼンタの画像形成をそれぞれ行い、転写ベルトによって搬送されてくる記録紙に順次転写する。第1画像形成部にて紙上に転写されたイエロートナーAは第2画像形成部を通過する場合に、第2画像形成部の感光ドラムにその一部を剥離される(以下、この現象を再転写現象という)。再転写されたイエロートナーCを再転写トナーと称することにする。
【0035】再転写現象は感光ドラムの表面性、表面電位、トナーの電荷量、比電荷、転写帯電器の構成、印加バイアス等について、所定の条件を満たすことができれば、ほぼゼロにすることが可能である。しかしながら、一方では、画像形成装置本体以外の要因、即ち、記録紙の厚み、体積抵抗、表面抵抗などによっても大きく影響されることから、これらの条件が実際の使用上では安定でないことを考慮すると、再転写を完全に無くすことは困難である。
【0036】第2画像形成部を通過した後の紙上トナー量をB、再転写トナー量をC(ともに反射濃度として測定)すると、再転写率Rなるものを以下のように定義することができる。
再転写率R=C/(B+C)×100(%)
実験的に求められた再転写率Rは1%程度であり、前述の画像形成装置本体以外の要因が変動したとしても、3%以内には抑えられる。
【0037】再転写現象が発生する場合、記録紙の通過する方向に上流側の画像形成部のトナーは下流側の画像形成部に混入することとなる(混色)。
【0038】このように、ある画像形成部に対して異種のトナーが混入することにより、混入量が多くなると画像の色味変化が発生してしまうことがある。ここでトナーの混色量についてシミュレーションを行った。
【0039】第1画像形成部の画像比率、第2画像形成部の画像比率、再転写率、画像形成回数(枚数)を変数として与え、第2画像形成部中の第1画像形成部トナーの混入比率を出力値としたとき、1.「第1画像形成部の画像比率=第2画像形成部の画像比率」の場合(1)混入比率は飴和し、飽和混入比率は再転写率と同等となる。
(2)画像比率が大きいと、飽和に達する枚数が少なくなる。
2.「第1画像形成部の画像比率<第2画像形成部の画像比率」の場合(1)混入比率は平均的にゼロとなる。
3.「第1画像形成部の画像比率>第2画像形成部の画像比率」の場合(1)再転写率がゼロ以外の条件では、混入比率の差が大きいときには発散する。
【0040】また、第1画像形成部の画像比率と第2画像形成部の画像比率とが同じ場合の実験ではよくシミュレーション結果と一致した(図4)。
【0041】以上の結果より、より一般的に4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成部を備えた画像形成装置を考えに含め結論付けると、条件1)再転写率が色味変動から決定されるしきい値を越えないこと且つ条件2)平均的に(上流の画像比率<下流の画像比率)であることが混色による色味変動が発生しない条件となる。
【0042】それぞれの条件について考察してみる。
【0043】条件1については、再転写率は前述のように、転写条件を最適化することにより、外乱が生じても3%以内に抑えられる。しかも、3%の混入比率では、実使用上で色味変動レベルとして許容できるものである。色味変動レベルとしては、各色それぞれの濃度変動のふれ幅より十分小さい値でしかない。
【0044】条件2については、多くのカラー画像形成装置がイエロー、マゼンタ、シアンの減色系混色の基本色に加えて、ブラックのトナーを用いて画質、コストダウンを達成しているため、また、黒単色の画像が使用されることもあるため、ブラックの画像比率は高くなることがある。
【0045】しかし、この点を除けば確率的には各色の使用頻度はほぼ等しくなるはずである。
【0046】ところが、複写機やプリンタでは同じ原稿を大量部数作成することもあり、この場合、画像比率が「上流の画像比率>下流の画像比率」の状態が平均的に継続することとなり、大量の画像形成時には色味変動による画質劣化が発生する可能性がある。
【0047】本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、いわゆるクリーナレスカラー画像形成装置において発生する他色トナー混入の最小化を図ることにある。
【0048】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1の発明は、像を担持する像担持体と、該像担持体を一様に帯電する接触帯電手段と、前記像担持体上に画像信号に対応した静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上の該静電潜像を、所定のトナー比率からなる2成分現像剤により顕像化する複数の現像手段と、記録材を担持し転写部位に搬送して該像担持体上のトナー像と接触せしめる記録材担持手段と、該像担持体上の像を転写部位にて順次記録材へ転写する転写手段とを有してなり、前記転写手段がさらに、前記トナー像の前記記録材への転写後、前記像担持体上の残トナーを除去する多色画像形成装置において、前記静電潜像の顕像化に連続して用いられる2つの画像形成色について、先に用いられる画像形成色に対する後に用いられる画像形成色の画像比率に基づいて、後に用いられる画像形成色の2成分現像剤のトナー比率を変更することを要旨とする。
【0049】また、第2の発明は、像を担持する像担持体と、該像担持体を一様に帯電する接触帯電手段と、前記像担持体上に画像信号に対応した静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上の該静電潜像を2成分現像剤により顕像化する複数の現像手段と、該像担持体上のトナー像を順次多重転写し、担持する中間転写手段と、該中間転写手段上の多重転写画像を記録材に転写する2次転写手段とを有してなり、前記中間転写手段がさらに、前記トナー像の前記中間転写手段への転写後、前記像担持体上の残トナーを除去する多色画像形成装置において、前記静電潜像の顕像化に連続して用いられる2つの画像形成色について、先に用いられる画像形成色に対する後に用いられる画像形成色の画像比率に基づいて、後に用いられる画像形成色の2成分現像剤のトナー比率を変更することを要旨とする。
【0050】また、前記静電潜像の顕像化に連続して用いられる2つの画像形成色について、先に用いられる画像形成色に対する後に用いられる画像形成色の画像比率が小さいほど、後に用いられる画像形成色の2成分現像剤のトナー比率を増大させるのがよい。
【0051】また、画像信号の積算値に基づいて、各画像形成色間における画像比率を決定するのがよい。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明に係る一実施の形態について説明する。
【0053】図1は、本実施の形態に係る画像形成装置を示す概略図である。
【0054】本実施の形態の画像形成装置は電子写真プロセスを利用したレーザビームプリンタであり、像担持体の帯電手段として磁気ブラシタイプの接触帯電装置を備え、且つクリーナーレスシステムを採用する装置である。1a〜1dは像担持体としての回転ドラム型の感光体である。この感光体1は中心支軸を中心に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動され、その回転過程において接触帯電手段である磁気ブラシ3a〜3dにより、本実施の形態の場合は負極性の一様な帯電処理を受ける。
【0055】そして、感光体1a〜1dの一様帯電面に対して露光装置(レーザ走査装置)100a〜100dから出力される画像信号に対応して変調されたレーザ光による走査露光がなされることで、感光体1a〜1d上に画像情報に対応した静電潜像が順次形成される。このとき、画像形成装置の制御装置(不図示)はそれぞれの像担持体に形成する画像信号を累積し、画像比率として記憶する。本実施の形態では600dpi×600dpiの解像度、1ドットあたりの階調を2ビットの表現能力を有しているので、画像比率はドット数として累積される。
【0056】感光体1a〜1d上に形成された静電潜像はそれぞれイエロー現像装置4a、マゼンタ現像装置4b、シアン現像装置4c、ブラック現像装置4dにより順次トナー像として、本実施の形態の場合は反転現像される。
【0057】一方、給紙カセット41内に収納された紙などの記録材Pが給紙ローラ42により1枚ずつ給送され、レジストローラ43により所定のタイミングで転写ベルト71上に給紙され、記録材Pは吸着帯電器14により静電吸着、搬送されながら感光体1a〜1dのトナー像が順次転写される。
【0058】感光体1a〜1dとしては、通常用いられている有機感光体等を用いることが出来るが、望ましくは、有機感光体上にその抵抗が109から1014Ω・cmの材質を有する表面層を持つものや、アモルファスシリコン感光体などを用いると、電荷注入帯電を実現でき、オゾン発生の防止、ならびに消費電力の低減に効果がある。また、帯電性についても向上させることが可能となる。
【0059】感光体1a〜1dは、本実施の形態では、図2に示すように負帯電の有機感光体で、直径30mmのアルミニウム製のドラム基体1A上に下から順に第1から第5の5つの層からなる感光体層1Bを有しており、所定のプロセススピード(例えば100mm/sec)で回転駆動される。感光体層1Bの一番下の第1層は下引き層であり、ドラム基体1Aの欠陥等をならすために設けられている厚さ20μmの導電層である。
【0060】第2層は正電荷注入防止層であり、ドラム基体1Aから注入された正電荷が感光体1a〜1d表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役目を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって、106Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗層である。
【0061】第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0062】第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体1a〜1d表面に帯電された負電荷はこの層を移動することができず、第3層(電荷発生層)で発生した正電荷のみを感光体1表面に輸送することができる。
【0063】最表面の第5層は電荷注入層であり、絶縁性樹脂のバインダーに導電性微粒子としてSnO2超微粒子を分散した材料の塗工層である。具体的には、絶縁性樹脂に光透過性の導電フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した粒径約0.03μmのSnO2超微粒子を樹脂に対して70重量%分散した材料の塗工層である。このようにして調合した塗工液をデイッピング塗工法、スプレー塗工法、ロールコート塗工法、ビームコート塗工法等の適当な塗工法にて厚さ約3μmに塗工して電荷注入層とした。
【0064】接触帯電手段は、図2に示すように磁気ブラシ帯電装置(以下、磁気ブラシ)3であり、磁気ブラシ3は、直径16mmの固定のマグネットローラ3Aと、このマグネットローラ3Aに回転自在に外嵌させた非磁性のSUSスリーブ3Bと、このスリーブ3Bの外周面にマグネットローラ3Aの磁力で付着保持された磁性粒子(磁性キャリア)の磁気ブラシ層Cからなるスリーブ回転タイプのものである。
【0065】磁気ブラシ層Cを構成する磁性粒子としては、平均粒径10〜100μm、飽和磁化20〜250emu/cm3(2.0×108〜2.5×109A/m2)、抵抗1×102〜1×1010Ω・cmのものが好ましく、感光体1a〜1dにピンホールのような絶縁欠陥が存在することを考慮すると、抵抗が1×106Ω・cm以上のものを用いることが好ましい。
【0066】なお、磁性粒子の抵抗値は、底面積が228cm2の金属セルに磁性粒子を2g入れた後、6.6kg/cm2で加重し、100Vの電圧を印加して測定した。
【0067】また、帯電性能をよくするには、できるだけ抵抗の小さいものを用いるほうが良いので、本実施の形態では平均粒径25μm、飽和磁化200emu/cm3(2×109A/m2)、抵抗5×106Ω・cmのものを用い、これをスリーブ3Bの外周面に40g磁気付着させて磁気ブラシ3を形成した。磁性粒子の構成としては、樹脂中に磁性材料としてマグネットを分散し導電化、及び抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、或いはフェライト等のマグネタイト単体表面を樹脂でコーティングし、抵抗調整を行ったものが用いられている。磁気ブラシ3の磁気ブラシ層Cは、感光体1表面に接するようにして配設されており、磁気ブラシ層Cと感光体1との間の接触ニップ部(帯電ニップ部)nの幅を6mmとした。そして、スリーブ3Bに電源S1より所定の帯電バイアス電圧を印加し、同スリーブ3Bを感光体1との接触ニップ部nにおいて、感光体1の回転方向aとはカウンター方向(逆方向)となる矢印B方向に、例えば感光体1の回転速度100mm/secに対して周速度150mm/secで回転駆動させることで、感光体1表面が帯電バイアスの印加された磁気ブラシ層Cで摺擦され、感光体1の感光体層1Bの表面が所望の電位に注入帯電方式で一様に一次帯電処理される。この際、スリーブ3Bの回転速度を速くすることで、感光体1上の転写残トナーと磁気ブラシ3との接触機会が増えるので、磁気ブラシ3への回収性も向上する。
【0068】図3は、本実施の形態の2成分接触現像装置(2成分磁気ブラシ現像装置)である現像装置4を示す概略構成図である。
【0069】同図3において、11は矢印B方向に回転駆動される現像スリーブ、12は現像スリーブ内に固定配置されたマグネットローラ、13、14は撹拌スクリュー、15は現像剤Tを現像スリーブ11の表面に薄層形成するために配置された規制ブレード、16は現像容器である。現像スリーブ11は、少なくとも現像時においては、感光体1に対し最近接領域が約500μmになるように配置され、現像スリーブ11面に形成された現像剤Tの薄層Taが感光体1に対して接触する状態で現像できるように設定されている。本実施の形態において用いた現像剤Tであるトナーtは、粉砕法によって製造された平均粒径6μmのネガ帯電トナーに対して平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添したものを用い、キャリアcとしては飽和磁化が205emu/cm3(2.05×109A/m2)の平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。また、トナーtとキャリアCとを重量比6:94で混合したものを現像剤Tとして200g用いた。現像剤Tのトナー濃度6%で画像が形成されると、トナーだけが消費され減少するが、トナー濃度検知手段18によって、常にトナー濃度が検知されており、不足が生じるとトナー補給装置17より不足分に対応した量のトナーが補給され、常に6%のトナー濃度が維持されるようになっている。トナー濃度(トナー比率)検知手段18には透磁率センサーが用いられている。予め、2成分現像剤のトナー濃度(トナー比率)と透磁率の関係は測定によって予め求められており、同測定の結果に基づく両者間の関係式によりトナー濃度を知ることができるようになっている。
【0070】ここで、感光体1表面の静電潜像を、現像装置4を用いて2成分磁気ブラシ法により顕像化する現像工程と現像剤Tの循環系とについて説明する。
【0071】まず、現像スリーブ11の回転に伴いN2極で汲み上げられた現像剤Tは、S2極を搬送される過程において、現像スリーブ11に対して垂直に配置された規制ブレード15によって規制され、現像スリーブ11上に現像剤Tの薄層Taが形成される。薄層Taが形成された現像剤TがN1極に搬送されてくると、磁気力によって穂立ちが形成される。この穂状に形成された現像剤Tによって前記静電潜像を現像し、その後、N3極、N2極の反発磁界によって現像スリーブ11上の現像剤Tは、現像容器16内に戻される。現像スリーブ11には電源S2から直流(DC)電圧及び交流(AC)電圧が印加される。
【0072】本実施の形態では、−500Vの直流電圧と周波数2000Hzで1500Vの交流電圧が印加される。一般に2成分現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生しやすくなるという不具合が生じる。
【0073】このため、通常は現像装置4に印加する直流電圧と感光体1の表面電位との間に電位差を設けることによって、かぶりを防止することを実現している。
【0074】本実施の形態の転写装置はベルト転写装置であり、無端状の転写ベルト71を駆動ローラ72及び従動ローラ73間に懸架し、矢印F方向に感光体1a〜1dの回転周速度と同じ周速度で回転駆動させる。転写ベルト71の上行側ベルト部分を感光体1a〜1d表面に接触させる。記録材Pは、転写ベルト71の上行側ベルト部分の上面に載って搬送される。転写帯電ブレード74a〜74dに転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアスが給電されることで、記録材Pの裏面からトナーtと逆極性の帯電がなされて感光体1a〜1d表面のトナー画像が順次記録材Pの上面に転写されていく。
【0075】本実施の形態においては、転写ベルト71として膜圧75μmのポリイミド樹脂からなるものを用いた。
【0076】なお、転写ベルト71の材質としてはポリイミド樹脂に限定されるものではなく、これ以外にも、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂などのプラスチックや、フッ素系、シリコン系のゴムを好適に用いることができる。
【0077】また、厚みについても75μmに限定されるわけではなく、25〜2000μm、好ましくは50〜150μmのものを用いてもよい。
【0078】さらに、転写帯電ブレード74としては、抵抗が1×105〜1×107Ωで、板厚2mm、長さ306mmのものを用いた。
【0079】本実施の形態では、転写帯電ブレード74a〜74dに10μAのバイアスを定電流制御により印加して転写を行った。
【0080】このようにして、感光体1a〜1d表面に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれのトナー画像は、転写帯電ブレード74a〜74dによつて記録材P上に多重転写される。また、転写ベルト71は、定着装置6への記録材Pの搬送手段を兼ねさせてあり、記録材Pは感光体1d表面から分離されて転写ベルト71で定着装置6へ搬送される。
【0081】本実施の形態に係る画像形成装置では、第1画像形成部〜第4画像形成部それぞれの画像比率H1〜H4に応じて以下の動作を行うことを特徴としている(実際には第4画像形成部は関与しない)。なお、前述のように本実施の形態では、1ドット当たりの1ビットの濃度階調しか表現できないために、H1〜H4の値はドット数で累積されている。
【0082】即ち、前述したように現像装置4内の現像剤Tは常にそのトナー濃度が一定になるように制御されている。トナー濃度検知手段である透磁率センサー18はコイル形状をしており、現像容器16の外側から現像剤Tを見込んでいる。現像剤TはトナーtとキャリアCとの混合物であるが、このうちキャリア成分はフェライトなどの磁性体であり、トナー成分は非磁性体で構成されている。然るに現像剤Tのトナー濃度が変化すれば現像剤Tの透磁率が変化し、コイルの自己インダクタンスが変化する。
【0083】このトナー濃度と自己インダクタンスの関係は既に求められており、図5のようになっている。
【0084】同図5において、自己インダクタンスは、実機で使用された検知回路により測定された電圧として表されている。初期のトナー濃度が6%で与えられているため、トナー濃度検知手段である透磁率センサーの出力は2.59ボルトを維持するように制御される。
【0085】即ち、画像形成が成されるとトナーが使用されるためにトナー濃度は低下し、透磁率センサー出力は図5に従って増加する。例えば透磁率センサーの出力が2.88ボルトまで上昇した場合、トナー濃度は5.5%にまで低下していると判断できる。このとき不足したトナーはトナー補給装置17により現像容器16内に補給され、透磁率センサーの出力が6.0%相当2.59ボルトになるまで補給動作が行われ続ける。この場合は、0.5%、すなわち現像剤総量200gに対して1.0gのトナーが補給されることとなる。トナー濃度検知センサー出力の初期値(本実施の形態の場合2.59ボルト)はターゲット値と称する。
【0086】本実施の形態においてはさらに画像形成装置は第1〜第3画像形成部の画像比率(H1〜H3)を常に積算しており、それらの値から、Dm=H1−H2Dc=H2−H3を計算する。
【0087】そして、Dm、DcがそれぞれDs=16896000(=7040×2400、7040ドットは画像最大幅分、また、2400ドットは約10cmの長さに相当する。即ちA4サイズの記録紙の場合約50%の画像比率である)を越えたときに、混色による色味変動が発生する可能性が高いと判断し、トナー濃度制御のターゲット値を変更する。
【0088】図6は、隣り合う(連続する)画像形成部、例えば、第1画像形成部と第2画像形成部との画像比率差を横軸に、そのときの第2画像形成部のトナー濃度制御ターゲット値を縦軸にとっている。同様に第2形成部と第3画像形成部の画像比率差と第3画像形成部のトナー濃度ターゲット値の図としても使用される。
【0089】このグラフに従って、画像比率差Dm、DcがそれぞれDsを越えた値を示したときには、(1)トナー濃度ターゲット値は7.5%相当の1.72ボルトに設定される。また、この場合急激に濃度制御状態が変化するために、画像比率差Dm、Dcが正の値を示すときには、(2)6.0%相当から7.5%相当まで線形にターゲット値をあげるような制御も可能である。
【0090】なお、ターゲット値の上限は、トナー濃度が増加しすぎて過補給になることを懸念し、限界値8.5%よりもやや低く設定されている。
【0091】通常は様々な画像が形成されるために、各色の画像比率は平均的には等しくなるはずであるが、ごく稀には画像比率差が生じ、前述した色味変動を引き起こす可能性がある。例えば、異種トナーの混入比率が5%を越える値になろうとしても、このとき、現像剤内のトナー濃度が6.0%であったとすると、異種トナー量は0.3%となり、そのままでは色味変動が大きく問題となる可能性がある。
【0092】しかしながら、本実施の形態の制御ロジックに従えば、異種トナーの混入比率が5%に達する前に、トナー濃度が7・5%のターゲット値に合わせこまれ、1.5%(7.5−6.0)の同種トナーが予め供給されてくることとなるため、最悪の場合でも、4%(=0.3%/7.5%)に抑えられることとなる。また、画像比率差が生じてから異種トナーの混入が発生するまでには、磁気ブラシ3による取り込み、吐き出しを介しているため、遅れ時間が生じるが、トナー濃度制御は直ちに行われるため、混色比率はより低い値で抑えられる。
【0093】このようにトナー濃度制御のターゲット値を変更することで、稀に画像比率差が生じたとしても異種トナー混入による色味変動を最小限に抑えこみ、良好な画像形成を行うことができる。
【0094】なお、イエロートナー像を形成する第1画像形成部については、最上流であるため混色の懸念は皆無である。このため、以上のようなトナー濃度ターゲット値変更は行わない。
【0095】また同様に、ブラックトナー像を形成する第4画像形成部については、最下流であるが、ブラックトナーにイエロー、マゼンタ、シアンなどの色トナーが混入しても、色味変動には非常に純感であり、また平均的にもブラックの画像比率が大きいために、トナー濃度ターゲット値の変更は行わない。また、本実施の形態では、1ドット当たりの階調数が1ビット(2値)であったため、画像比率はドット数でカウントされたが、1ドットあたりが多階調のプリンタなどでは、階調とトナー消費量とのルックアップテーブルや関数変換からトナー消費量を見積もることも可能である。
【0096】また、トナー濃度を検知する手法として、本実施の形態では透磁率センサーを用いたが、現像剤Tに反射する反射光の光量測定によりトナー濃度検知を行う光学的トナー濃度検知や、実際に感光体1や転写ベルト71、あるいは中間転写体などにパッチ画像を形成してトナーー濃度検知を行うパッチ検知などでも、色味変動量はトナー濃度変動量に比較して微小であるため有効に使用することができる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、クリーナレスカラー画像形成装置において、各色の画像比率が極端に違った場合であっても、画像比率が低い下流側の画像形成部でトナー濃度制御のターゲット値を変更することで、混入比率を低下させて、色味変動の少ない、良好な画像形成を縦続的に行うことができるようになる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成12年3月14日(2000.3.14)
【代理人】 【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信 (外1名)
【公開番号】 特開2001−265087(P2001−265087A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−76384(P2000−76384)