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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】城戸 衛

【氏名】野口 武史

【氏名】飯島 喜一郎

【要約】 【課題】

【解決手段】画像担持回転体と転写回転体間の速度差をΔV1 、該転写回転体と記録媒体もしくは他の転写回転体間の速度差をΔV2 とするとき、速度差ΔV1 と速度差ΔV2 の符号が異なるよう該画像担持回転体速度、該転写回転体速度もしくは記録媒体速度を設定して課題を解決した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 各色毎の入力情報に応じた各潜像を形成し該各潜像を対応する色のトナーで現像して複数の単色トナー像を得、これら複数の単色トナー像が記録媒体上に定着されることによりカラー画像を形成する画像形成装置であって、各色毎の入力情報に応じた各潜像が形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が形成される、共通の接平面を有するように配置されてなる3個以上の画像担持回転体、又は各色毎の入力情報に応じた各潜像が順次形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が順次形成される単一の画像担持回転体と、前記画像担持回転体に接触ないし近接して配置され、該画像担持回転体上に形成された各単色トナー像が転写される1個もしくは複数個の転写回転体と、前記1個もしくは複数個の転写回転体上に転写されたトナー像を記録媒体に転写するための転写電界付与回転体とを備え、少なくとも2回以上のトナー像の転写工程を経てカラー画像を形成する画像形成装置において、前記画像担持回転体と転写回転体間の速度差をΔV1 、該転写回転体と他の転写回転体もしくは記録媒体間の速度差をΔV2 とするとき、速度差ΔV1 と速度差ΔV2 の符号が異なるよう該画像担持回転体の速度、該転写回転体の速度もしくは記録媒体の速度を設定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記画像担持回転体と転写回転体間の速度差をΔV1 、該転写回転体と他の転写回転体もしくは記録媒体間の速度差をΔV2 とするとき、ΔV1 +ΔV2 =0となるように該画像担持回転体の速度、該転写回転体の速度もしくは記録媒体の速度を設定したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】 前記画像担持回転体と転写回転体間の速度差が|ΔV1 |<1%の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】 前記転写回転体と他の転写回転体間の速度差が|ΔV2 |<1%の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】 前記転写回転体と記録媒体間の速度差ΔV3 が|ΔV3 |<1%の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】 前記転写回転体と前記転写電界付与回転体間の速度差ΔV4がないことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項7】 前記転写回転体と前記転写電界付与回転体間の速度差ΔV4が|ΔV4 |<6%の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項8】 各色毎の入力情報に応じた各潜像を形成し該各潜像を対応する色のトナーで現像して複数の単色トナー像を得、これら複数の単色トナー像が記録媒体上に定着されることによりカラー画像を形成する画像形成装置であって、各色毎の入力情報に応じた各潜像が形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が形成される、共通の接平面を有するように配置されてなる3個以上の画像担持回転体、又は各色毎の入力情報に応じた各潜像が順次形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が順次形成される単一の画像担持回転体と、前記画像担持回転体に接触ないし近接して配置され、該画像担持回転体上に形成された各単色トナー像が転写される1個もしくは複数個の転写回転体と、前記1個もしくは複数個の転写回転体上に転写されたトナー像を記録媒体に転写するための転写電界付与回転体とを備え、少なくとも2回以上のトナー像の転写工程を経てカラー画像を形成する画像形成装置において、前記画像担持回転体、転写回転体を各々単位構成体として独立に駆動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項9】 前記の単位構成体の速度が、各々の構成体に配置された駆動モータへの回転速度指令周波数により設定されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】 前記の単位構成体の速度が、各々の駆動伝達系における増減速機構の増減速比により設定されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】 各色毎の入力情報に応じた各潜像を形成し該各潜像を対応する色のトナーで現像して複数の単色トナー像を得、これら複数の単色トナー像が記録媒体上に定着されることによりカラー画像を形成する画像形成装置であって、各色毎の入力情報に応じた各潜像が形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が形成される、共通の接平面を有するように配置されてなる3個以上の画像担持回転体、又は各色毎の入力情報に応じた各潜像が順次形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が順次形成される単一の画像担持回転体と、前記画像担持回転体に接触ないし近接して配置され、該画像担持回転体上に形成された各単色トナー像が転写される1個もしくは複数個の転写回転体と、前記1個もしくは複数個の転写回転体上に転写されたトナー像を記録媒体に転写するための転写電界付与回転体とを備え、少なくとも2回以上のトナー像の転写工程を経てカラー画像を形成する画像形成装置において、前記画像担持回転体、転写回転体は共通の駆動源で駆動され、駆動伝達系における増減速機構の増減速比により前記の単位構成体の速度が設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項12】 前記の増減速機構が歯車列からなり、各々の単位構成体間の噛み合い歯数の比により前記の単位構成体の速度が設定されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項11記載の画像形成装置。
【請求項13】 前記の増減速機構がベルト列からなり、各々の単位構成体軸部に設けたプーリ径の比により前記の単位構成体の速度が設定されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項11記載の画像形成装置。
【請求項14】 前記のベルト列からなる増減速機構に用いられる駆動伝達用ベルトとして、金属あるいは可撓性、もしくは弾性の平ベルト、歯付きベルト、孔付き金属平ベルトとプーリ表面に一定間隔で埋設された球状歯との組み合わせによる増減速機構を用いたことを特徴とする請求項13記載の画像形成装置。
【請求項15】 前記転写回転体と前記転写電界付与回転体間の駆動伝達が、これら2つの単位構成体間に付与される圧力と該転写回転体表面と該転写電界付与回転体表面間の摩擦力により作用する駆動伝達力で駆動伝達されることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項16】 前記転写回転体と前記転写電界付与回転体間の駆動伝達が、該転写回転体駆動部に設けれた歯車と噛み合う歯車が該転写電界付与回転体端部に設けられたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式、静電記録方式、イオノグラフィー、磁気記録方式等の画像形成方式を採用したカラー複写機、カラー・プリンタ、カラー・ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、単一又は複数の画像担持回転体上に形成された各々色の異なるトナー像を、単一又は複数の転写回転体上に重ね合わせた状態で転写し、必要に応じて更に他の転写回転体上ですべてのトナー像を重ね合わせ、最終的に記録媒体上に一括して転写することによりフルカラーの画像を形成する少なくとも2回以上の転写工程を有する画像形成装置に適用するモーション・コントロール(駆動制御)技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の電子写真方式等を採用したカラー複写機やカラー・プリンタ等の画像形成装置においては、トナー像の転写に関して、感光体から用紙、感光体から中間転写ロールや中間転写ベルト等の中間転写体を介して用紙へ、あるいは第1の中間転写体から第2の中間転写体を介して用紙へと構成の違いは幾つかあるものの、大きく2つのプロセスに分類される。1つは用紙が静電的に感光体等に吸着しながら転写されるタック・トランスファー・プロセスであり、もう1つは構成要素間に速度差を生じながら転写されるスリップ・トランスファー・プロセスである。
【0003】これら2つのプロセス・メカニズムの違いについては、本発明者らの発表によるJapan Hardcopy'99 Fall Meetingにおける第84回日本画像学会研究討論会論文予稿集の「スリップ・トランスファー・メカニズムに関する研究」(p42-p45)に詳細な解説が述べられているので割愛するが、複数の感光体が直列に配置されてなる、いわゆるタンデム型の画像形成装置において、感光体がもつカラーレジストレーションに影響する要因としては、幾何学的偏心、感光体径の差、感光体軸部における平均角速度の差等が考えられる。感光体や転写ドラムが複数回、同期しながら回転する間にトナー像が多重に転写されるマルチプル転写型のカラー・プリンタやカラー複写機では、感光体や転写ドラムのもつ偏心、軸部における角速度変動に対しては駆動伝達系の例えば噛み合いギヤーの減速比を整数倍にする、中間転写ベルトを駆動する駆動ロール周長と感光体ピッチを整数倍にするといった「シンクロナス性」を確保する技術コンセプトを採用することで、回転あるいは移動する画像形成に関与する構成要素がもつ、いわゆるモーション・クオリティの再現性を確保できる。このモーション・クオリティに関しての再現性確保を実現することで、色間に生じるずれを最小限に抑えることができる。
【0004】しかし、マルチプル転写型画像形成装置の欠点としては、感光体や転写ドラム、あるいは中間転写ベルトを複数回、同期しながら回転させることにより、カラー画像を形成するため、プリント生産性が上がらないという点が挙げられる。
【0005】一方、タンデム型画像形成装置では各色毎にトナー像形成のための感光体をはじめとする周知の電子写真構成要素が設けられており、用紙は基本的にストレートに搬送されながら次々に可視化される各色毎のトナー像を順次、用紙上又は中間転写体上に重ね合わせ転写することにより高速にカラー・プリントを生産できる。
【0006】しかし、前記したようにタンデム型画像形成装置では各色毎の画像形成ユニットが独立して機能するため、例えば複数の感光体がもつ幾何学的偏心や軸部における平均角速度の差異といった色ずれに大きく影響する要因が多数介在するようになり、従って、色ずれを最小限に抑制し高精度のモーション・クオリティを実現するための技術課題は非常に高くなる。
【0007】スリップ・トランスファーのもつメカニズムは、こういったタンデム型画像形成装置に特に問題となる感光体等の幾何学的誤差や感光体径の差あるいは軸部における平均角速度の差といった誤差要因を用紙上で発生する色ずれとして影響させないキャンセル効果をもっている点に特徴がある。
【0008】又、細線の中央部が抜けてしまう所謂ホロー・キャラクター現象に対しても、これらの構成要素間にある程度の速度差をもたせることで改善でき、転写効率の向上も同時に図れることが特開平10-39648号公報、特開昭62-35137号公報等に記載されている。例えば感光体上に形成されたトナー像が中間転写ベルトに転写される場合、これらの構成要素間に作用する力としては、転写電界による荷電トナーへの静電気的吸引力、トナーと感光体間の付着力、トナー間凝集力、トナーと中間転写ベルト間の付着力およびトナーに作用する重力の5種類の力が主たるものである。転写ニップ部では静電的な吸着力が動的に作用するのでこの力により前記の力も変化していくが、幅60〜200 μm程度の線画像のように中央部のトナー像高さが高い凸形形状をなしていると、この力により中央部のトナー間凝集力が特に増大することになる。この線画像中央部におけるトナー間凝集力がホロー・キャクターの一因となって中抜け現象を引き起こしており、前記の適宜な速度差を設定してやることでトナー同士が凝集するのを抑制する効果をもたらしていると考えられている。
【0009】トナー像を転写する構成要素間に適宜な速度差を設定することよりスリップ・トランスファー・メカニズムを上手に利用したモーション・クオリティ上のメリットを出せること(特にタンデム型画像形成装置において)、ホロー・キャラクターの改善や転写効率の向上といった画像に関係する欠陥を低減できるといった利点が挙げられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなスリップ・トランスファー・プロセスではトナー像が転写される受像体側の速度依存−性を持つことになる。例えば感光体上に形成されたトナー像を中間転写ベルト上に転写する場合、感光体の偏心をはじめとする幾何学的誤差や複数の感光体の径差や軸における平均角速度の差がもたらす色ずれの影響はキャンセルできても、中間転写ベルトの平均速度そのものが感光体の平均速度に対しバイアスをもっており、当然、画像の伸び・縮みが生じる。
【0011】従来のマルチプル転写型画像形成装置における感光体と中間転写ベルトの場合は、転写像の伸び・縮みに関係する転写工程数は1回と考えることができる。従って、前記の研究討論会論文予稿集にも記載されているように0.5%程度の速度差(絶対値:感光体が中間転写ベルトより速いケースと遅いケースの2通りが考えられるため、絶対値で表現している。)であれば、画像の伸び・縮みに影響する度合いは大きくならない。例えば、今、平均速度100mm/s 、速度差0.5%として600dpiの出力解像度をもつレーザ光学系で1ドットを記録した場合を想定する。感光体上の1ドット径はどのような潜像形成条件にするかで大きく異なるが、仮に平均値としてφ40μm程度の大きさで感光体上に潜像が形成されると考える。その場合の画像の伸び・縮みΔXは、次の数1式で与えられる。
【0012】
【数1】

【0013】ここで、ΔX:転写画像の伸び・縮み(m)Vpap >VPR 像は伸びる方向(+) Vpap <VPR 像は縮む方向(-) Vpap :用紙速度(m/s)VPR:感光体速度(m/s)W:ニップ幅(m)V0 :平均速度【0014】ニップ幅も画像形成装置の構成やプロセスにより大きく異なるが、約5mm 程度の物理的な幅に対し画像がスリップしながら伸び・縮みしていると仮定して、ΔXは以下の数2式のごとく見積もれる。
【0015】
【数2】

【0016】トナー像が静電潜像に忠実に形成されると最終的な用紙上の1ドット径はφ65μm程度となることがわかる。上記の想定はあくまで感光体と用紙間のスリップ・トランスファーが理想的におこなわれた場合であり、その他の誤差要因によりこの値は変動する。勿論、上記の速度差が一定しているならば予め用紙搬送方向(あるいは感光体回転方向)の入力画像信号をプロセス上の伸び・縮み分を考慮して拡張、あるいは縮小しておけばよいことになるが、画像制御が複雑になりどうしても不安定になる傾向がある。
【0017】このようにスリップ・トランスファー転写が機能するプロセスでは像の伸び・縮みが生じ、本出願に係る画像形成装置のように上記画像の伸び・縮みに関係する転写工程が少なくとも2回以上ある場合に対しては、その変化量がかなり大きくなることが予想される。また、2回以上の転写工程において、画像の伸び・縮みに起因して各色のトナー像のずれが発生するという問題がある。
【0018】そこで、本出願に係る発明の目的は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、スリップ・トランスファー方式の転写に伴う画像の伸び・縮みを抑制することができるとともに、2回以上の転写工程に起因する各色のトナー像のずれを抑制することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本出願に係る発明の目的を達成する第1の構成は、各色毎の入力情報に応じた各潜像を形成し該各潜像を対応する色のトナーで現像して複数の単色トナー像を得、これら複数の単色トナー像が記録媒体上に定着されることによりカラー画像を形成する画像形成装置であって、各色毎の入力情報に応じた各潜像が形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が形成される、共通の接平面を有するように配置されてなる3個以上の画像担持回転体、又は各色毎の入力情報に応じた各潜像が順次形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が順次形成される単一の画像担持回転体と、前記3個以上若しくは単一の画像担持回転体に接触ないし近接して配置され、該画像担持回転体上に形成された各単色トナー像が転写される1個もしくは複数個の転写回転体と、前記1個もしくは複数個の転写回転体上に転写されたトナー像を記録媒体に転写するための転写電界付与回転体とを備えた画像形成装置において、前記画像担持回転体と転写回転体間の速度差をΔV1 、該転写回転体と記録媒体もしくは他の転写回転体間の速度差をΔV2 とするとき、速度差ΔV1 と速度差ΔV2 の符号が異なるよう該画像担持回転体速度、該転写回転体速度もしくは記録媒体速度を設定したことを特徴とする画像形成装置にある。
【0020】ここで、本出願に係る発明の目的を達成する更に望ましい構成としては、各色毎の入力情報に応じた各潜像が形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が形成される、共通の接平面を有するように配置されてなる3個以上の画像担持回転体と、該画像担持回転体上に形成された単色トナー像を転写するために接触ないし近接して配置された可撓性表面、もしくは弾性表面を有し、かつ各回転軸が該画像担持回転体軸に対し平行かつ所定の対象面を境界とした面対象の関係にある第1の転写回転体および第2の転写回転体と、該第1および第2の転写回転体上のトナー像を転写するために接触ないし近接して配置された可撓性表面、もしくは弾性表面を有し、かつ該画像担持回転体と回転軸が平行である第3の転写回転体と、該第3の転写回転体上に転写されたトナー像を記録媒体に転写するための転写電界付与ロールからなる画像形成装置である。
【0021】しかしながら、本出願に係る発明は、上記の構成に限定されるものではなく、各色毎の入力情報に応じた各潜像が順次形成され該各潜像が対応する色のトナーで現像されて各単色トナー像が順次形成される単一の画像担持回転体を備え、当該画像担持回転体が複数回、回転することにより、カラー画像を形成するものであってもよい。
【0022】本出願に係る発明の目的を達成する第2の構成は、前記1個もしくは複数個の画像担持回転体と転写回転体間の速度差をΔV1 、該転写回転体と記録媒体もしくは他の転写回転体間の速度差をΔV2 とするとき、ΔV1 +ΔV2 =0となるように該画像担持回転体速度、該転写回転体速度もしくは記録媒体速度を設定したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置にある。
【0023】本出願に係る発明の目的を達成する第3の構成は、前記1個もしくは複数個の画像担持回転体と転写回転体間の速度差ΔV1 が-1% 〜+1% の範囲にあり、スリップ・トランスファー・メカニズムを上手に活用することによる高精度モーションクオリティの実現とホロー・キャラクター等の画像欠陥を抑制し転写効率の向上が図れる画像形成装置にある。
【0024】本出願に係る発明の目的を達成する第4の構成は、前記転写回転体と他の転写回転体間の速度差ΔV2 が-1% 〜+1% の範囲にあり、スリップ・トランスファー・メカニズムを上手に活用することによる高精度モーションクオリティの実現とホロー・キャラクター等の画像欠陥を抑制し転写効率の向上が図れる画像形成装置にある。
【0025】本出願に係る発明の目的を達成する第5の構成は、前記転写回転体と記録媒体間の速度差ΔV3 が-1% 〜+1% の範囲にあることを特徴とする画像形成装置であり、転写回転体と記録媒体間の動摩擦係数、記録媒体と転写電界付与回転体間の動摩擦係数および転写回転体と転写電界付与回転体間の速度差(この場合は、転写電界付与回転体は駆動力を受けている、あるいは駆動源を有して自ら駆動されている。)により実質的な用紙速度が決定されることを特徴とする画像形成装置にある。
【0026】本出願に係る発明の目的を達成する第6の構成は、前記転写回転体と前記転写電界付与回転体間に作用する摩擦駆動力(両構成要素間に作用する荷重と動摩擦係数)により電界付与回転体が従動されることを特徴とする画像形成装置にある。
【0027】本出願に係る発明の目的を達成する第7の構成は、前記第6の構成にて記述した転写回転体と記録媒体間に-1% 〜+1% の速度差を設けるために、転写回転体速度に対する電界付与回転体の速度差を-6% 〜+6% の範囲に設けることを特徴とする画像形成装置にある。
【0028】本出願に係る発明の目的を達成する第8の構成は、複数の画像担持回転体を一つの駆動伝達群とする、転写回転体を他の一つの駆動伝達群とすることで、各々独立した駆動伝達構成を有していることを特徴とする画像形成装置にある。前記の構成により、各構成要素群は独立した速度設定が可能となり、必要とされる適正な速度差を自由に設定できることを特徴とする画像形成装置になる。
【0029】本出願に係る発明の目的を達成する第9の構成は、前記第7の構成における複数の駆動伝達群の駆動モータへの回転速度指令周波数を変えることにより、速度差を任意に設定できることを特徴とする画像形成措置にある。
【0030】本出願に係る発明の目的を達成する第10の構成は、前記第7の構成における複数の駆動伝達群の増減速機構部の増減速比を変えることにより、速度差を任意に設定できることを特徴とする画像形成装置にある。
【0031】本出願に係る発明の目的を達成する第11の構成は、駆動源を一つにして前記複数の画像担持回転体、転写回転体を一体駆動させる駆動伝達系を構成し、増減速機構部の増減速比を変えることにより各構成要素間の速度差を任意に設定できることを特徴とする画像形成装置にある。
【0032】本出願に係る発明の目的を達成する第12の構成は、駆動伝達減速機構部がギヤートレインからなり、ギヤー間距離を変えることなく転位係数を変えることによりギヤー歯数を変えることで前記構成要素間の速度差を任意に設定できることを特徴とする画像形成装置にある。
【0033】本出願に係る発明の目的を達成する第13の構成は、駆動伝達減速機構部がベルト列からなり、各々の構成要素体軸部に設けられたプーリ径の比により増減速比を設定することで前記構成要素群間の速度比を任意に設定できることを特徴とする画像形成装置にある。
【0034】本出願に係る発明の目的を達成する第14の構成は、前記のベルト列からなる増減速機構に用いられる駆動伝達用ベルトとして、金属あるいは可撓性、もしくは弾性の平ベルト、歯付きベルト、孔付き金属平ベルトとプーリ表面に一定間隔で埋設された球状歯との組み合わせによる増減速機構を用いたことを特徴とする画像形成装置にある。
【0035】
【作用】上述したように、本発明に係る発明の目的を達成するための作用としては、特にタンデム型画像形成装置においてスリップ・トランスファーのメリットを活かし、画質欠陥抑制や転写効率の向上を狙う上で画像形成のための各構成要素間に速度差を設けることを特徴とする。しかし、本発明に基づく画像形成装置の場合は少なくとも像の伸び・縮みに影響する転写工程が2回以上あり、その伸び・縮み量もかなり大きくなる。本発明による作用のポイントは、これらの像の伸び・縮みを画像形成プロセスとしてキャンセルすることにあり、複雑な入力画像信号アルゴリズムも必要とせず安定した高精度モーションクオリティを得ることにある。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】実施の形態1図1は本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのタンデム型フルカラー画像形成装置を示すものである。
【0038】このフルカラー画像形成装置は、図1に示すように、イエロー(Y)、マジェンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の4つの感光体ドラム(画像担持回転体)10, 20, 30, 40と、これら感光体ドラム10, 20, 30, 40に接触する一次帯電用の帯電ロール(接触型帯電装置)11, 21, 31, 41と、レーザ光学ユニット(露光装置)50と、現像装置12, 22, 32, 42と、上記4つの感光体ドラム10, 20, 30, 40のうちの2つの感光体10, 20に接触する第1の中間転写ドラム(転写回転体)61及び他の2つの感光体30, 40に接触する第2の中間転写ドラム(転写回転体)62と、上記第1、第2の中間転写ドラム61, 62に接触する第3の中間転写ドラム(転写回転体)63と、この第3の中間転写ドラム63に接触する転写電界付与ロール(転写電界付与回転体)71とで、その主要部が構成されている。なお、13, 23, 33, 43は感光体ドラム10, 20, 30, 40の表面を清掃するクリーナを示すものである。
【0039】感光体ドラム10, 20, 30, 40は、共通の接平面を有するように一定の間隔をおいて配置されている。また、第1の中間転写ドラム61及び第2の中間転写ドラム62は、各回転軸が該感光体ドラム10, 20, 30, 40軸に対し平行かつ所定の対象面を境界とした面対象の関係にあるように配置されている。さらに、第3の中間転写ドラム63は、該感光体ドラム10, 20, 30, 40と回転軸が平行であるように配置されている。
【0040】各色毎の画像情報に応じた信号は、図示しない画像処理ユニットによりラスタライジングされてレーザ光学ユニット50に入力される。レーザ光学ユニット50では、イエロー、マジェンタ、シアン、ブラックのレーザ光LB-Y,LB-M,LB-C,LB-Kに分離され、対応する色の感光体ドラム10, 20, 30, 40に照射される。
【0041】周知の電子写真方式による各色毎の画像形成プロセスが各感光体ドラム10, 20, 30, 40の周囲でおこなわれる。まず、感光体ドラム10, 20, 30, 40の表面は、図1に示すように、接触型帯電装置としての帯電ロール11, 21, 31, 41に、約 -1000Vの電圧を印加することによって、例えば-500V程度に帯電される。その後、感光体ドラム10, 20, 30, 40の表面には、露光装置としてのレーザ光学ユニット50によってイエロー、マジェンタ、シアン、ブラックの各色に対応したレーザ光LB-Y,LB-M,LB-C,LB-Kが照射され、各色毎の入力画像情報に応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム10, 20, 30, 40は、レーザ光学ユニット50で静電潜像が書き込まれた際に、その画像露光部の表面電位は-100V以下程度にまで除電される。
【0042】また、この実施の形態において、現像装置12, 22, 32, 42は、現像ロール131、現像剤搬送部材132 、及び現像剤を搬送し、また、攪拌するオーガ133 を備えた磁気ブラシ接触型二成分現像方式の現像装置である。上記現像ロール131 によって現像部に搬送される現像剤量は、図示しない現像剤量規制部材によって例えば約30〜40g/m2 に規制され、この時に現像ロール131 上に存在するトナーの帯電量は概ね-20 〜30μC/g程度である。現像装置12, 22, 32, 42には、例えば、AC+DCの現像電圧を印加して現像が実施されるが、この現像電圧はACが4kHz、1.6 kVppで、DCが-230V程度である。
【0043】更に、この実施の形態で用いる第1、第2の中間転写ドラム61, 62は、単層、あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、図2に示すように、一般的にはFeやAl等からなる金属製コアとしての金属パイプ61a, 62aの上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層61b, 62b(R=102 〜103 Ω)を、厚さ数mm程度に設けて構成されている。更に、第1、第2の中間転写ドラム61, 62の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ20〜25μmの高離型層61c, 62c(ρV =1011〜1013Ω・cm)として形成し、シランカップリング剤系の接着剤61d, 62d(プライマ)で接着されている。第1、第2の中間転写ドラム61, 62全体の硬度は、JIS-A 硬度で35〜40°程度の可撓性、弾性を有している。
【0044】そして、感光体ドラム10, 20, 30, 40上に形成された各色のトナー像は、転写ニップ領域で第1、第2の中間転写ドラム61, 62のコア部61a, 62aに印加される約+400V程度の転写電圧により、第1、第2の中間転写ドラム61, 62上に電界転写される。図1において、第1の中間転写ドラム61上には、先ずマジェンタ色のトナー像がマジェンタ用の感光体ドラム20から転写され、次にイエロー色のトナー像がイエロー用の感光体ドラム10から、先に転写されたマジェンタ色のトナー像の上から重ね合わされて転写される。また、第2の中間転写ドラム62上には、先ずブラック色のトナー像がブラック用の感光体ドラム40から転写され、次にシアン色のトナー像がシアン用の感光体ドラム30から、先に転写されたブラック色のトナー像の上から重ね合わされて転写される。図1に示す本発明による一実施形態では、静電潜像の形成から用紙へのフルカラー・トナー像の転写までの工程距離が各々の色で異なる。従って、図1の実施形態ではマジェンタ像、イエロー像、ブラック像、シアン像の順でレーザ光による画像の書き込みがなされていくために、第1の中間転写ドラム61と第2の中間転写ドラム62上で重ね合わされるトナー像の順番は決まっている。
【0045】このように第1、第2の中間転写ドラム61, 62上に形成されたトナー像は、第3の中間転写ドラム63に対して第1の中間転写ドラム61からイエロー、マジェンタの順で一括して転写された後、第2の中間転写ドラム62からシアン、ブラックの順で一括して転写される。
【0046】第3の中間転写ドラム63の断面構成は、第1、第2の中間転写ドラム61, 62とほぼ同様であり、FeあるいはAl等からなる金属製コア上に数mm程度の低抵抗弾性ゴム層(R=102 〜103 Ω)が、代表的には導電性シリコーンゴム等が設けられている。更に、第3の中間転写ドラム63の最表面層は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ10〜40μm程度の高離型層(ρV =1011〜1012Ω・cm)として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されている。第3の中間転写ドラム63全体の硬度は、JIS-A 硬度で60〜67°程度の可撓性、弾性を有している。
【0047】第2の中間転写ドラム62の転写ニップ部において、先に第1の中間転写ドラム61から転写されたイエロー、マジェンタ層の上にシアン、ブラックの順で一括して転写され、結局、イエロー、マジェンタ、シアン、ブラックの順となるトナー層が形成される。第3の中間転写ドラム63のコア部には+800V程度の転写電圧が印加され、順次第1の中間転写ドラム61上のトナー像、第2の中間転写ドラム62上のトナー像が重ね合わされた状態で転写される。
【0048】一方、記録媒体としての記録用紙72は、収納カセット73から用紙リリースのための半月板74により剥離されながらフィードロール75により先に送られ、搬送ロール76を介して待機ロール77のプレ・ニップ部にて所望量の用紙カールを形成して待機する。
【0049】そして、図示しないシーケンス・コントローラからのタイミング信号を受けて、用紙先端と画像先端を一致させるように記録用紙72が待機ロール77から搬送され、第3の中間転写ドラム63と電界付与ロール71とのニップ領域に入る。第3の中間転写ドラム63上に形成されたフルカラー・トナー像は、電界付与ロール71に印加された転写電圧、約 +2050Vにより記録用紙72上に転写されながら矢印78の方向に搬送される。
【0050】転写電界付与ロール71は、可撓性、もしくは弾性を有する円筒回転体であり、第3の中間転写ドラム63からギヤーを介して駆動力を伝達されるか、もしくは第3の中間転写ドラム63との摩擦駆動力による従動により回転される。
【0051】電界付与ロール71により記録用紙72上に転写されたトナー像は、矢印方向78に搬送され、図示しない定着器で定着され、装置の外部に排出される。電界付与ロール71は回転方向の方向に回転しながら表面に付着、あるいは転写したトナーをクリーナ81によりクリーニングされ次の転写工程に備えられる。
【0052】第3の中間転写ドラム63と電界付与ロール71との転写ニップ部で転写された後、残留トナーはクリーナ82により静電的、あるいは物理的に除去される。クリーナ82は回転円筒状でρV =102 〜103 Ω・cm程度の抵抗を有する導電性ロールである。付与電圧は約+1200 V程度印加され、残留トナーを静電的に吸着、除去する。
【0053】同様に、第1、第2の中間転写ドラム61,62 にもクリーナ83,84 が設けられており、付与電圧は約+800V程度印加されている。第1、第2の中間転写ドラム61,62 と第3の中間転写ドラム63間でおこなわれる2次転写後の残留トナーを静電的、かつ物理的な回転摺擦力で除去する。クリーナ83、84の材質はクリーナと同様、円筒状のρV =102 〜103 Ω・cm程度の導電性ロールである。
【0054】これまで説明してきたように本発明の一実施形態である図1では、各色毎の感光体ドラム10, 20, 30, 40がタンデム状に配置されてなり、イエロー感光体ドラム10とマジェンタ感光体ドラム20が第1の中間転写ドラム61に接触、あるいは近接配置されている。ここでは感光体ドラム10, 20から第1の中間転写ドラム61への1次転写がおこなわれる。前記の第1の中間転写ドラム61と第2の中間転写ドラム62は、各感光体ドラム10, 20の軸に平行でかつ所定の対称面を境界とした面対称の関係にある。
【0055】更に、第3の中間転写ドラム63が前記第1の中間転写ドラム61、第2の中間転写ドラム62の位置関係に対し対称となる境界位置に接触、あるいは近接配置されてなり、前記第1の中間転写ドラム61と第2の中間転写ドラム62から第3の中間転写ドラム63への2次転写が行われる。
【0056】最後に、第3の中間転写ドラム63から電界付与ロール71によって搬送される記録用紙72への3次転写が行われ、最終的なフルカラーのトナー像が形成される。
【0057】上記のように本発明にかかわる転写工程は、図1に示す実施の形態の場合、都合3回あり、その内、前述したスリップ・トランスファーによるトナー像の伸び・縮みに影響する転写工程は1次と2次の転写工程である。3次工程はすべての色が第3の中間転写ドラム63上に既に重ね合わされているので色ずれとして生じることはない。しかし、1次、2次転写では前述したようにスリップ・トランスファー転写が行われるので、これらの画像形成担持体間の速度差はトナー像の伸び・縮みに直接影響する。
【0058】そこで、本発明はこの点に鑑み、各感光体と第1、第2の転写回転体間の速度差をΔV1 、第1、第2の転写回転体と第3の転写回転体間の速度差をΔV2 としたとき、速度差ΔV1 と速度差ΔV2 の符号が異なるよう各構成要素の速度を設定し、望ましくは、ΔV1 +ΔV2 =0となるよう各構成要素の速度を設定すれば本発明における転写プロセスでは色ずれが生じないことになる。
【0059】図3は上記の如く構成されるタンデム型フルカラー画像形成装置の駆動装置を示す斜視構成図である。この駆動装置は、1モータ、一体ギヤー・トレインで駆動力を伝達する駆動系からなる。
【0060】DCブラシレス・モータ、ステッピング・モータに代表される駆動モータ91は、図示しないフレキシブル・カップリングにより第3の中間転写ドラム63の軸端部に締結され、第3の中間転写ドラム63を直接回転駆動している。そして、第3の中間転写ドラム63から前記の複数の感光体ドラム10, 20, 30, 40と、第1、第2の中間転写ドラム61,62 に駆動力を伝達し、これらの感光体ドラム10, 20, 30, 40と第1、第2の中間転写ドラム61,62 を同時に回転駆動する。第3の中間転写ドラム63の軸上には更に、他の構成要素に駆動を伝達するためのギヤー92が取り付けられており、このギヤー92には、第1、第2の中間転写ドラム61,62 を駆動するためのギヤー93,94 が噛み合っているとともに、当該ギヤー93,94 には、更に各感光体ドラム10, 20, 30, 40を駆動するためのギヤー95,96,97,98 がそれぞれ順次噛み合うことにより、駆動力が伝達される。
【0061】図3に示す駆動伝達系の場合、各構成要素間の距離(中心間距離)は、プロセスからの要求によりある決められた値をもっているため、自由に変えることができない。従って、前記の速度差ΔV1 、ΔV2 を変えるには、つまりギヤー歯数を変えるには転位係数を変化させることにより対応しなければならない。ここで、問題となるのは転位係数を変えたときの適正なバックラッシュをどのように見積もるかである。通常、高精度のモーションクオリティを確保するためには、60〜 120μm程度のバックラッシュに設定しなければならず、軸間距離を調整できない図2の構成の場合は、転位係数と実際のモーションクオリティデータとの対比をとりながら試作を繰り返す必要がある。このバックラッシュの量が大きすぎても小さすぎてもバンディングが顕著に発生する。ここで用いられるギヤーはスパー・ギヤーやヘリカルギヤーなどである。
【0062】以上の構成において、この実施の形態に係るタンデム型フルカラー画像形成装置では、次のようにして、スリップ・トランスファー方式の転写に伴う画像の伸び・縮みを抑制することができるとともに、2回以上の転写工程に起因する各色のトナー像のずれを抑制することが可能となっている。
【0063】すなわち、この実施の形態に係るタンデム型フルカラー画像形成装置では、図1に示すように、イエロー、マジェンタ、シアン、ブラックの各感光体ドラム10, 20, 30, 40上に、イエロー、マジェンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が所定のタイミングで形成される。各感光体ドラム10, 20, 30, 40のうち、感光体ドラム10, 20上に形成されたイエロー色及びマジェンタ色のトナー像は、マジェンタ色、イエロー色の順で第1の中間転写ドラム61上に1次転写される。また、感光体ドラム30, 40上に形成されたシアン色及びブラック色のトナー像は、ブラック色、シアン色の順で第2の中間転写ドラム62上に1次転写される。
【0064】その後、上記第1の中間転写ドラム61上に1次転写されたマジェンタ色及びイエロー色のトナー像と、第2の中間転写ドラム62上に1次転写されたブラック色及びシアン色のトナー像は、第3の中間転写ドラム63上に一括して重ね合わされた状態で転写される。
【0065】そして、第3の中間転写ドラム63上に重ね合わされた状態で転写されたマジェンタ色、イエロー色、ブラック色及びシアン色のトナー像は、電界付与ロール71によって記録用紙72上に一括して3次転写された後、当該マジェンタ色、イエロー色、ブラック色及びシアン色のトナー像が転写された記録用紙72は、矢印方向に沿って搬送され、図示しない定着器により定着処理を受け、フルカラー画像が形成される。
【0066】ところで、この実施の形態では、各感光体ドラム10, 20, 30, 40と第1、第2の中間転写ドラム61,62 間の速度差をΔV1 、第1、第2の中間転写ドラム61,62 と第3の中間転写ドラム63間の速度差をΔV2 としたとき、速度差ΔV1 と速度差ΔV2 の符号を変えるように設定し、しかも、ΔV1 +ΔV2 =0となるように各構成要素の速度が設定されている。
【0067】そのため、各感光体ドラム10, 20, 30, 40と第1、第2の中間転写ドラム61,62 との間に速度差ΔV1 を設定し、ホローキャラクターを防止するように構成した場合、各感光体ドラム10, 20, 30, 40と第1、第2の中間転写ドラム61,62 間の速度差ΔV1 により、画像の伸び(又は縮み)が発生しても、更に、第1、第2の中間転写ドラム61,62 と第3の中間転写ドラム63との間に、速度差ΔV1 と符号が異なる速度差ΔV2 が設定されているので、第1、第2の中間転写ドラム61,62 から第3の中間転写ドラム63にトナー像を転写する際に、画像の伸び(又は縮み)と相殺するように画像の縮み(又は伸び)が生じる。したがって、第3の中間転写ドラム63上に転写された最終的なトナー像は、画像の伸びや縮み、及び色ずれがない適正な画像となり、高画質のフルカラー画像や所望の色の画像を得ることができる。
【0068】次に、本発明者らは、各感光体ドラム10, 20, 30, 40と第1、第2の中間転写ドラム61,62 間の速度差ΔV1 、及び、第1、第2の中間転写ドラム61,62 と第3の中間転写ドラム63間の速度差ΔV2 をどの程度に設定すれば、良好な画像を形成することができるかを確認する実験を行なった。
【0069】図4は感光体ドラムから第1の中間転写ドラムにトナー像が転写される状態を示す模式図である。(1) 式でも前述したが、これらの構成要素間で形成されるニップ幅W を、トナー像45は平均速度V0、時間tn で通過する間に(V PR-VR ) ・tn の伸び・縮みの影響を受ける。
【0070】図5は速度V PRで移動する感光体ドラム10上に形成されたトナー像45-1が第1の中間転写ドラム61の速度V R との差により、スリップ・トランスファー転写がなされながら感光体ドラム10上のトナー像45-1は伸びた( 又は縮んだ) トナー像45-2になる。
【0071】このスリップ・トランスファーによるトナー像の伸び・縮みが1次転写、2次転写で生じていることになる。
【0072】図6は600dpiの解像度で1ビットの水平ラインを形成した場合における線の太りについて、速度差を変化させて画像の伸び・縮みを実際のプリント・サンプルで評価した結果を示すものである。この例では感光体から中間転写ベルトへのスリップ・トランスファーをVIBT >VPRの関係で速度差を設けた場合の線の太り方を示す。この結果によると、ほぼ1%以内であれば線の太りは目立たないが、それ以上の速度差になると急速に線が太り始めているのがわかる。
【0073】図7は理想的なスリップ・トランスファー転写がおこなわれた場合の画像の伸び・縮みを感光体速度に対する第1、第2の転写回転体の速度を振った場合の変化を示している。感光体の幾何学的な偏芯や平均角速度の差、感光体径の差に対して画像の伸び・縮みは依存せず、感光体速度に対する第1、第2の中間転写ドラム(転写回転体)の速度の比にほぼ直線的に変化している。従って、例えば1次転写では+1% の伸びが生じる速度差設定の場合、2次転写では-1% の縮みが起きるよう設定すべきである。
【0074】図8は感光体と中間転写ベルト間の速度差が、文字などの中央部抜け現象、いわゆるホロー・キャラクターに対してどのような相関をもっているかを調べたものである。一般的にこれまで言われていたことは、例えば中間転写ベルトを用いた画像形成装置における2次転写部ではバイアス転写ロールと中間転写ベルト間の付与荷重がトナー間凝集力を高める外力として作用し、しかも中間転写ベルトとトナー間の付着力もこの外力により増大する。本来は用紙表面とトナー間の付着力を十分に高めたいのだが、用紙表面には数十μmから100 数十μm程度の凹凸があり、トナー像先端が物理的に接触できないこと、静電的な吸着力が十分高まらないことなどが重なり、特に文字などのライン像中央部の像抜け現象が生じるといわれている。
【0075】このようなホロー・キャラクターの発生メカニズムに対し、構成要素間に速度差をもたせれば、図9に示すように、トナー間の凝集力f2 を低減したり、中間転写ベルトとトナー間の付着力f1 を低減する方向で剪断力が働き、用紙とトナー間の付着力をf3 とした場合、結果的にf2 >f3 ≫f1 なる関係を満たす方向で各力が作用し、ホロー・キャラクターの発生を抑制することが可能となる。
【0076】図10は電界付与ロールの速度により、搬送される用紙速度がどのような依存性をもつかを調べたものである。転写プロセス上、第3の中間転写ドラム(転写回転体)の表面速度に対する用紙の速度はほぼ分かっている。つまり、第3の中間転写ドラム(転写回転体)の表面速度に対する用紙の速度の許容範囲は、図10の縦軸に示すようにほぼ分かっている。次に、この適正な用紙速度範囲にするための電界付与ロール速度は図10から-6% 〜+6% の範囲であればほぼ実現できることがわかる。これは電界付与ロール表面と用紙裏面間の動摩擦係数およびニップ荷重による搬送力とすべり、用紙表面と中間転写ベルト表面間の動摩擦係数およびニップ荷重による搬送力とすべりが複雑に関係して、最終的な用紙速度として決定される。
【0077】実施の形態2図11はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、前記画像担持回転体、転写回転体を各々単位構成体として独立に駆動するように構成されている。そして、前記の単位構成体の速度は、各々の構成体に配置された駆動モータへの回転速度指令周波数により設定される。
【0078】図11は各構成要素を幾つかの駆動伝達群に分離し、それぞれの群で速度設定する独立駆動型の一実施の形態を示したものである。
【0079】先ず、複数の感光体ドラム10, 20, 30, 40群を各々の軸に設けられたギヤー101,102,103,104 と駆動連結のためのアイドルギヤー105,106,107 と駆動モータ108 からなる群と、第1、第2の中間転写体61,62 の軸に設けられたギヤー109,110 と駆動連結するためのアイドルギヤー111 と駆動モータ112 からなる群と、第3の中間転写体63の軸に図示しないフレキシブル・カップリングで締結された駆動モータ113 による群からなる3つの駆動伝達群に分離されている。
【0080】この独立駆動型の実施形態では、各構成要素の速度設定を変える手段は2通りある。1つは各駆動モータ105,109,110 への回転速度指令周波数を変えることによりモータ自体の回転速度を変化させる手段と他方、第1、第2の中間転写体61,62 の軸に設けられたギヤー109,110 と駆動連結するためのアイドルギヤー111間の増減速比を所望速度差になるよう設定する、あるいは各感光体ドラム10, 20, 30, 40の端部に設けられたギヤー110,102,103,104 とそれぞれのアイドルギヤー105,106,107 間の増減速比を所望速度差になるよう設定するといった伝達部における増減速比を変えることにより速度差を設定する手段の2通りである。
【0081】図12は第3の中間転写ドラムから電荷付与ロールへの駆動伝達方法の違いを示すもので、(a)は摩擦駆動の利用、(b)はギヤー駆動伝達によるものを示している。ギヤー駆動伝達の場合、第3の中間転写ドラム63側端部にギヤー120が設けれており、このギヤー120 と噛み合うギヤー121 が電界付与ロール71の側端部に設けられている構成となっている。
【0082】3次転写でもスリップ・トランスファーによるトナー像の伸び・縮みは生じるが、全体的な像の伸び・縮みは各色のトナー像で一緒に起こるため、色ずれが生じることはないが、用紙の3次転写ニップ部突入による用紙速度の変動、あるいは第3の転写回転体からプロセス上流側へのモーションクオリティ上の影響(バンディング)が懸念される。
【0083】電界付与ロール71は両端部をスプリング122,123 により付勢されており、第3の中間転写ドラム63と電界付与ロール71間の転写ニップ部に適正な荷重がかかるようになっている。
【0084】実施の形態3図13はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、増減速機構がベルト列からなり、各々の単位構成体軸部に設けれたプーリ径の比により設定されるように構成されている。また、前記のベルト列からなる増減速機構に用いられる駆動伝達用ベルトとしては、金属あるいは可撓性、もしくは弾性の平ベルト、歯付きベルト、孔付き金属平ベルトとプーリ表面に一定間隔で埋設された球状歯との組み合わせによる増減速機構が用いられる。
【0085】図13は平ベルトとプーリによる他の駆動伝達系の実施形態を示すものである。厚さ50〜300 μm程度、幅5 〜50mmのSUSに代表される金属平ベルトを用い、Al、もしくはFe、SUS等の金属プーリ、あるいはPOM、PC等に代表される樹脂プーリが用いられる。
【0086】駆動モータ131 から第3の中間転写ドラム63の軸部に締結された図示しないフレキシブル・カップリングにより駆動力がギヤー132 、メイン・プーリ133 に伝達される。メイン・プーリ133 は各感光体ドラム10, 20, 30, 40へ駆動伝達する系でアイドル・プーリ134,135,136 と感光体端部のコア部( 代表的にはAlが用いられている。)に直接、交互に張架される。ここでは図示していないが、駆動用平ベルト137 には張力を付与・解除するためのテンション機構が設けられ適正な張力が付与されている。
【0087】一方、ギヤー132 と噛み合う減速ギヤー138 の軸部に第1、第2の中間転写ドラム61,62 を駆動するためのメイン・プーリ139 が固定されている。そして、同様に平ベルト140 がアイドル・プーリ141 を介して張架されている。
【0088】図13に示す実施の形態では、第3の中間転写ドラム63の速度は駆動モータ131 の回転速度で決まり、各感光体ドラム10, 20, 30, 40の速度はプーリ133 の径と感光体端部に設けられたプーリ134,135,136 径との比、あるいは感光体端部のコア部径との比で決定される。又、第1、第2の中間転写ドラム61,62 の速度はギヤー132 と減速ギヤー138 との噛み合い比で決定される。つまり、図13の実施の形態において、各構成要素の速度差はこれに関与するプーリ径を変えることにより任意に変えることができる。
【0089】図14は歯付きベルトと歯付きプーリによる駆動伝達径の一実施例を示すものである。基本的に図13で示した平ベルトとプーリの場合と同様である。
【0090】図15は穿孔された平ベルトと球形状の歯をもつプーリによる駆動伝達系の一実施の形態を示す。各構成要素間の速度差を変える考え方はこれまで説明してきた内容と同じである。この駆動伝達系の特徴は、平ベルトの駆動のよさとギヤー駆動のよさを両立させた駆動手段であるといえる。図13に示した平ベルト駆動の場合、回転対象とする系の負荷、あるいはその変動が大きい系を対象にする場合はプーリとのスリップが問題として生じる。これは直接、色ずれになって現れ、ギヤー駆動伝達系のようなハンデイングが発生しないというメリットを帳消しにしてしまう。
【0091】又、図14は歯付きベルトと歯付きプーリによる駆動伝達系であるが、ベルトの材質としてウレタン等に剛性を上げる芯体を中間層として設けてあるものの、これも対象系の負荷、あるいはその変動が大きいとベルトの伸び・縮みが生じる。加えて、この種の歯付きベルトの速度は前記高剛性芯体のベルト厚み方向の位置で決まることがわかっているが、この厚み方向の精度の良い製造がし難い傾向がある。
【0092】これに対して図15ではギヤーの噛み合いがもたらす噛み合いバンデイングを低減でき、しかもベルトの穿孔部に一致するようにプーリに埋め込まれた球状歯が噛み合うため対象系の負荷増大、変動に対しても十分に耐えることができ、従って高精度MQを確保できる。
【0093】図16は歯付きプーリ146-1 に穿孔ベルト147 の穿孔部151 が噛み合っている状態を示す。ベルト材質としてはSUS301,SUS304,SUS631,15-7PH , チタン等が適宜選択でき、厚さ50〜300 μm、幅5 〜300 mmの範囲で選択してやればよい。プーリ146-1 の材質と球形状の歯152 に関しては一実施例として、硬質アルミにφ3mm 程度のSKS-21(硬質化処理)球152 を例えば、30°均等分割して球の半分くらいを埋め込んだものを用いる。
【0094】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、スリップ・トランスファーによる像の伸び・縮みが2回以上、予測される転写プロセスをもつ画像形成装置において、お互いの像の伸び・縮みをキャンセルすように1次、あるいは2次転写部における速度差を設定することでプロセス上の像の伸び・縮みを簡単な構成でキャンセルすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成12年3月14日(2000.3.14)
【代理人】 【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣 (外3名)
【公開番号】 特開2001−265081(P2001−265081A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−71216(P2000−71216)