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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】神谷 裕二

【要約】 【課題】プロダクティビティを低下することなく画像モードの調整を行う信頼性に優れた画像形成装置を提供する。

【解決手段】VDtxを得るのに必要な一次帯電器4の印加電圧を調整した後に、これに対してα(≒β)倍さえ行った値を印加して、VDphを目標の暗部電位に比較的近い形で感光ドラム上に作成することが可能となると共に、VDtxからVLtxを得るのに必要な原稿照明ランプの印加電圧を調整した後に、これに対してγ(≒δ)倍さえ行った値を印加して、VDphでのVLphを目標の明部電位に比較的近い形で感光ドラム2上に作成するので、写真モード用調整は比例定数の演算のみであり、時間もほとんど費やさず、トータルの電位制御(画像モード制御)は従来例に比べて半減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】像担持体と、該像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、該帯電手段によって帯電した前記像担持体を露光して潜像を形成する露光手段と、前記帯電手段の帯電量や前記露光手段の露光量によって変化する前記像担持体の電位を検知する電位検知手段と、を備え、前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方が異なる複数の画像モードを有する画像形成装置において、前記複数の画像モードの内一つの画像モードの調整を前記電位検知手段の検知結果に基づいて調整し、残りの画像モードの調整を調整された前記一つの画像モードに基づいて調整する画像モード制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】前記画像モード制御手段は、調整された前記一つの画像モードの前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方を所定の定数で演算することによって、残りの画像モードの前記像担持体への帯電量又は露光量を算出して、残りの画像モードの調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】像担持体と、該像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、該帯電手段によって帯電した前記像担持体を露光して潜像を形成する露光手段と、前記帯電手段の帯電量や前記露光手段の露光量によって変化する前記像担持体の電位を検知する電位検知手段と、を備え、前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方が異なる複数の画像モードを有する画像形成装置において、予め、前記複数の画像モードを前記電位検知手段の検知結果に基づいて調整し、前記複数の画像モードの内一つの画像モードの前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方と残りの画像モードとの画像モード演算値を求め、前記電位検知手段の検知結果に基づいて前記一つの画像モードの調整を行い、調整された前記一つの画像モードの前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方を予め求めた画像モード演算値で演算することによって残りの画像モードの前記像担持体への帯電量又は露光量を算出して、残りの画像モードの調整を行う画像モード制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】前記像担持体に形成された潜像を現像剤で顕像化し、前記複数の画像モードに応じて異なる現像電位を有する現像手段を備え、予め、前記複数の画像モードの内一つの画像モードの現像電位と残りの画像モードの現像電位との現像電位演算値を求め、前記画像モード制御手段は、前記電位検知手段の検知結果に基づく前記像担持体の電位によって前記一つの画像モードの現像電位の調整を行い、調整された前記一つの画像モードの現像電位を予め求めた現像電位演算値で演算することによって残りの画像モードの現像電位を算出して、残りの画像モードの現像電位の調整を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】前記帯電手段の帯電量又は前記露光手段の露光量は、印加する電圧、電流量、又は制御データ値によって変更されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異なる帯電量、露光量、又は現像電位を有する複数の画像モードを備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、像担持体としての電子写真感光体上の暗部電位及び明部電位を測定する電位センサと呼ばれる電位検知手段を利用して、暗部電位及び明部電位を所望の電位とする技術が広く実施されている。
【0003】ここで、文字や写真モードといった画作りの違いや、コピーやプリンタモードによる画作りの違いや、トナー削減モードや、通紙する紙種による違いを画像として表現するために、前記の暗部電位や明部電位のうち少なくとも一方を複数種類有する技術(画像モードという)がある。
【0004】例えば、文字モードではコピー画像がしっかりとしたコントラストが得られるように、高い暗部電位を必要とするのに対して、写真モードでは、コントラストよりも階調性が重視されるため、低めの暗部電位でかまわない場合があり、このような要求に対して二つの暗部電位を得られるように、帯電手段には2種類の帯電量が選択的に印加されるような制御(画像モード制御)を用いることがある。
【0005】さらに画作りの一つの手段として、現像手段に印加する現像電位についても複数有する技術もあり、所望の画像が得られるよう、帯電量、露光量、及び現像電位の3つをそれぞれ複数種類具備する場合もある。
【0006】これらによる画像モードの調整は、画像形成装置本体を立ち上げた場合や、所定枚数又は所定時間経過後に実行し、常に所望の画像が得られるように帯電量、露光量、及び現像電位が調整される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような帯電量、露光量、及び現像電位を複数種類有する場合には、その画像モードの調整時間がどうしても長くかかることになる。調整時間はユーザにとっては待ち時間であり、画像の出力前に待たされた場合にはプロダクティビティを低下させる要因となっていた。
【0008】画像形成装置により比較的時間がとれる場合、例えば、画像形成装置の立ち上げ中は、電子写真式の画像形成装置には、紙に現像トナーを固着させる目的で定着手段に熱を付与する構成となっているが、この定着手段の加熱昇温中に画像モード制御することが可能な場合が多い。この場合は待ち時間を増やすことはない。
【0009】しかし、所定枚数又は所定時間経過後に上記調整を実行する場合には、実行するために多くの時間を必要とするため、プロダクティビティを低下することになっていた。
【0010】本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、プロダクティビティを低下することなく画像モードの調整を行う信頼性に優れた画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明にあっては、像担持体と、該像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、該帯電手段によって帯電した前記像担持体を露光して潜像を形成する露光手段と、前記帯電手段の帯電量や前記露光手段の露光量によって変化する前記像担持体の電位を検知する電位検知手段と、を備え、前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方が異なる複数の画像モードを有する画像形成装置において、前記複数の画像モードの内一つの画像モードの調整を前記電位検知手段の検知結果に基づいて調整し、残りの画像モードの調整を調整された前記一つの画像モードに基づいて調整する画像モード制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】したがって、一つの画像モードの調整には実際の調整時間がかかるが、残りの画像モードの調整には時間がかからず、プロダクティビティを低下することなく画像モードの調整を行うことができる。
【0013】前記画像モード制御手段は、調整された前記一つの画像モードの前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方を所定の定数で演算することによって、残りの画像モードの前記像担持体への帯電量又は露光量を算出して、残りの画像モードの調整を行うことが好ましい。
【0014】これにより、一つの画像モードの調整には実際の調整時間がかかるが、残りの画像モードの調整には一つの画像モードの調整時に得た帯電量と露光量の内少なくとも一方を所定の定数で演算する演算時間だけがかかるので、残りの画像モードを短時間で調整でき、プロダクティビティを低下することなく画像モードの調整を行うことができる。
【0015】像担持体と、該像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、該帯電手段によって帯電した前記像担持体を露光して潜像を形成する露光手段と、前記帯電手段の帯電量や前記露光手段の露光量によって変化する前記像担持体の電位を検知する電位検知手段と、を備え、前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方が異なる複数の画像モードを有する画像形成装置において、予め、前記複数の画像モードを前記電位検知手段の検知結果に基づいて調整し、前記複数の画像モードの内一つの画像モードの前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方と残りの画像モードとの画像モード演算値を求め、前記電位検知手段の検知結果に基づいて前記一つの画像モードの調整を行い、調整された前記一つの画像モードの前記像担持体への帯電量と露光量の内少なくとも一方を予め求めた画像モード演算値で演算することによって残りの画像モードの前記像担持体への帯電量又は露光量を算出して、残りの画像モードの調整を行う画像モード制御手段を備えたことを特徴とする。
【0016】これにより、一つの画像モードの調整には実際の調整時間がかかるが、残りの画像モードの調整には一つの画像モードの調整時に得た帯電量と露光量の内少なくとも一方を画像モード演算値でで演算する演算時間だけがかかるので、残りの画像モードを高精度かつ短時間で調整でき、プロダクティビティを低下することなく画像モードの調整を行うことができる。
【0017】前記像担持体に形成された潜像を現像剤で顕像化し、前記複数の画像モードに応じて異なる現像電位を有する現像手段を備え、予め、前記複数の画像モードの内一つの画像モードの現像電位と残りの画像モードの現像電位との現像電位演算値を求め、前記画像モード制御手段は、前記電位検知手段の検知結果に基づく前記像担持体の電位によって前記一つの画像モードの現像電位の調整を行い、調整された前記一つの画像モードの現像電位を予め求めた現像電位演算値で演算することによって残りの画像モードの現像電位を算出して、残りの画像モードの現像電位の調整を行うことが良好である。
【0018】これにより、一つの画像モードの現像電位の調整には実際の調整時間がかかるが、残りの画像モードの現像電位の調整には一つの画像モードの調整時に得た現像電位を演算する演算時間だけがかかるので、残りの画像モードを高精度かつ短時間で調整でき、プロダクティビティを低下することなく画像モードの調整を行うことができる。
【0019】前記帯電手段の帯電量又は前記露光手段の露光量は、印加する電圧、電流量、又は制御データ値によって変更されることが良好である。
【0020】これにより、帯電量又は露光量を変更することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0022】(第1の実施の形態)図1〜図8を参照して、第1の実施の形態について説明する。図1に、本実施の形態にかかる画像形成装置の一例としての複写機の概略を図示する。
【0023】この複写機は、装置本体1のほぼ中央に、像担持体としての電子写真感光体として円筒状の感光ドラム2を備えている。
【0024】感光ドラム2は、装置本体1によって矢印R1方向に回転自在に支持されており、感光ドラム2の周囲には、その回転方向に沿って順に、感光ドラム2上の電位を消去する除電器3、感光ドラム2表面を一様に帯電する帯電手段として一次帯電器4、感光ドラム2表面を露光して静電潜像を形成する露光手段5、露光後の感光ドラム2上の電位を測定する電位検知手段としての電位センサ6、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段としての現像器7、転写材P上にトナー像を転写する転写帯電器8、転写材Pを感光ドラムから分離する分離帯電器9、感光ドラム2上の残留トナーを除去するクリーナ10が配置されている。
【0025】トナー像の転写先となる転写材Pは、給紙デッキ11から供給される。感光ドラム2の下方、つまり装置本体1内側の下部には、転写材Pを収納する給紙デッキ11が配置されている。
【0026】給紙デッキ11内の転写材Pは、給紙ローラ12によって給紙され、搬送ローラ13、レジストローラ15を介して、感光ドラム2と転写帯電器8との間に供給される。転写材Pは、ここで感光ドラム2からトナー像を転写され、搬送ベルト16によって、定着器17に搬送される。
【0027】定着器17で付与される熱及び圧力によりトナー像が固着された転写材Pは、最終的なコピーとして、排紙ローラ19によって排紙トレイ20上に排紙される。
【0028】上述の複写機においては、露光手段6は、プラテンガラス21上に載置された原稿を原稿照明ランプ22と反射板23とにより照明し、原稿画像からの反射光を、ミラー25a,25b,25cでさらに反射させ、拡大縮小レンズ26を通過させた後、投影ミラー27を介して感光ドラム2表面に導く。
【0029】これにより、一様に帯電されている感光ドラム2表面を露光し、原稿画像に対応した静電潜像を感光ドラム2上に形成するようになっている。
【0030】なお、感光ドラム2ヘの露光量を調節するために、プラテンガラス21脇には、標準白色板28が設置され、原稿照明ランプ22がこれを照らし感光ドラム2上に明部電位を形成することが可能な構成となっている。当然、原稿照明ランプ22を消灯した状態で一次帯電を行うことで暗部電位を形成することも可能である。
【0031】図2は、感光ドラム2上の電位を測定するための制御基板周辺の電気構成を概略説明する図である。図2において、制御基板内には制御プログラムの記述されたROMと、プログラム上の必要データの一時記憶素子であるRAMと、が処理の中心素子であるCPUに接続されている。
【0032】またインターフェイス素子であるI/Oと、データの変換素子であるA/D変換器及びD/A変換器が外部の周辺機器と接続され、制御基板へ情報が入出力される。そして本実施の形態の周辺機器として、電位センサ6が帯電及び露光後の感光ドラム2上電位を測定することが可能となっている。
【0033】そして、電位センサ6の検知結果から一次帯電器4の印加電圧と原稿照明ランプ22の印加電圧とを制御することが可能となっている。
【0034】図3は感光ドラム2上の設定電位を2種類有する場合を模式的に表わしたものである。2種類の設定電位は2通りの画像モードを示し、文字モード(添え字tx)と写真モード(添え字ph)を有している。
【0035】この場合、暗部電位VDtx及びVDphは原稿照明ランプ22を消灯した状態、略同等として原稿が黒色の場合を示している。
【0036】明部電位VLtx及びVLphは白地原稿、略同等として、標準白色板28を照明した場合を示している。
【0037】文字モードは、文字原稿や線画を主体とした画像を想定しており、画像自身の高いコントラストが要求される。そのため、暗部電位VDtxは450Vと比較的高めの設定目標にしている。
【0038】写真モードは、コントラストよりも階調性が重要である。そのため、暗部電位VDphは文字モードよりも低い350Vを設定目標としている。
【0039】どちらの画像モードについても明部電位VLtx及びVLphは50Vを設定目標としている。画像モードにより暗部電位が異なるので、当然のごとく帯電量はそれぞれ異なり、そのため明部電位が同じでも必要な露光量はそれぞれ異なることになる。
【0040】図3に示したような感光ドラム2上の電位の設定目標を得るための電位制御(画像モード制御)を通常、画像形成装置の電源立ち上げ後や所定時間経過後あるいは所定枚数通紙後に実行することにより、画像出力時の帯電量と露光量を決定する。
【0041】図4は、従来例における電位制御(画像モード制御)シーケンスのフローチャートである。まず、原稿照明ランプ22を消灯し、一次帯電器4に所定の電圧を印加して初期の暗部電位VDtxを作る(m1)。
【0042】初期の印加電圧は所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この暗部電位VDtxを一次帯電器の感光ドラム下流側にある電位センサ6で測定し(m2)、図3に示したような目標の暗部電位VDtxである450V±3Vになったかを確認する(m3)。450V±3Vの範囲になければ、一次帯電器4の印加電圧を増減して(m4)、再度暗部電位VDtxが目標電位になるように追い込む。
【0043】通常一次帯電器4の初期の印加電圧は前回の電圧値を用いるとシーケンスの追い込みにおける収束性は向上するが、感光ドラム2の環境特性や周方向ムラにより、2〜3回程度印加電圧を増減しなければならないことが経験上分かっている。
【0044】次に上記シーケンスで追い込まれた一次帯電器4の印加電圧にて感光ドラム2を帯電しながら、原稿照明ランプ22を標準白色板28に照らし、感光ドラム2上に明部電位VLtxを作成する(m5)。
【0045】この時の原稿照明ランプ22に印加する電圧も所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この明部電位VLtxを電位センサ6で測定し(m6)、図3に示したような目標の明部電位VLtxである50V±3Vになったかを確認する(m7)。
【0046】50V±3Vの範囲になければ、、原稿照明ランプ22の印加電圧を増減して(m8)、再度明部電位VLtxが目標電位になるように追い込む。
【0047】明部電位VLtxについても、通常2〜3回程度、印加電圧を増減しなければならないことが経験上分かっている。
【0048】続いて、写真モード用の帯電量及び露光量を調整しなければならない。まず、原稿照明ランプ22を消灯し、一次帯電器4に所定の電圧を印加して初期の暗部電位VDphを作る(m11)。
【0049】初期の印加電圧は所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この暗部電位VDphを一次帯電器4の感光ドラム2下流側にある電位センサ6で測定し(m12)、図3に示したような目標の暗部電位VDphである350V±3Vになったかを確認する(m13)。
【0050】350V±3Vの範囲になければ、一次帯電器4の印加電圧を増減して(m14)、再度暗部電位VDphが目標電位になるように追い込む。
【0051】さらに上記シーケンスで追い込まれた一次帯電器4の印加電圧にて感光ドラム2を帯電しながら、原稿照明ランプ22を標準白色板28に照らし、感光ドラム2上に明部電位VLphを作成する(m15)。この時の原稿照明ランプ22に印加する電圧も所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。
【0052】この明部電位VLphを電位センサ6で測定し(m16)、図3に示したような目標の明部電位VLphである50V±3Vになったかを確認する(m17)。
【0053】50V±3Vの範囲になければ、、原稿照明ランプ22の印加電圧を増減して(m18)、再度明部電位VLphが目標電位になるように追い込む。
【0054】写真モードについても暗部電位VDph及び明部電位VLphを最適化するためにそれぞれ2〜3回程度、帯電量及び露光量の調整を必要とする。
【0055】ところで、ここで説明している従来例及び後述の本実施の形態における感光ドラム2の外径はφ80mmのアモルフアスシリコンドラムであり、感光ドラム2の回転スピード(いわゆるプロセススピード)は240mm/sとしており、感光ドラム2は約1秒で1回転する構成である。
【0056】また、感光ドラム2の周方向の電位ムラによる電位センサ6の検知誤差を抑制するために、感光ドラム2を周方向一周分につき約45°おきに8点のサンプリングを実行し、8点平均して1つの電位データとしている。
【0057】前述のように従来例では、1種類の暗部電位VD及び1種類の明部電位VLを得るために約5回前後の検知回数を必要とするため、5秒前後の検知時間を必要とする。即ち、文字モードと写真モードの両方の画像モードにおいて、全ての電位を最適化するためには約10秒前後の検知時間が必要となる。
【0058】上記の電位制御(画像モード制御)は、画像形成装置本体1の電源が投入された場合や、所定時間後(ここでは電源投入後10分及び60分後)の画像出力直前に実行される。
【0059】電源投入時は画像形成装置における定着器17の加熱時間が数十秒単位又は数分単位必要なため、十分電位制御を実行できるだけの時間がある。しかし、所定時間後における電位制御は、時間経過後の画像出力直前に実行するため、このときの画像出力の出力時間が約10秒遅くなってしまう。
【0060】そこで、本実施の形態では、図5に示すような画像モード制御手段としての電位制御シーケンスとしている。まず、原稿照明ランプ22を消灯し、一次帯電器4に所定の電圧を印加して初期の暗部電位VDtxを作る(n1)。
【0061】初期の印加電圧は所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この暗部電位VDtxを一次帯電器4の感光ドラム2下流側にある電位センサ6で測定し(n2)、図3に示したような目標の暗部電位VDtxである450V±3Vになったかを確認する(n3)。
【0062】450V±3Vの範囲になければ、一次帯電器4の印加電圧を増減して(n4)、再度暗部電位VDtxが目標電位になるように追い込む。
【0063】次に上記シーケンスで追い込まれた一次帯電器4の印加電圧にて感光ドラム2を帯電しながら、原稿照明ランプ22を標準白色板28に照らし、感光ドラム2上に明部電位VLtxを作成する(n5)。この時の原稿照明ランプ22に印加する電圧も所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。
【0064】この明部電位VLtxを電位センサ6で測定し(n6)、図3に示したような目標の明部電位VLtxである50V±3Vになったかを確認する(n7)。
【0065】50V±3Vの範囲になければ、、原稿照明ランプ22の印加電圧を増減して(n8)、再度明部電位VLtxが目標電位になるように追い込む。
【0066】以上のn1〜n8までの文字モード用シーケンスは従来例と同じやり方である。
【0067】続いて、写真モード用の帯電量及び露光量を決定しなければならない。従来例では文字モードと基本的に同様のシーケンスを用いていた。本実施の形態では、調整のための測定や帯電量及び露光量の調整というものを一切設けないで写真モードの帯電量及び露光量を決定している。
【0068】まず、文字モードで調整した一次帯電器4の印加電圧に、所定の比例定数αとの積をとるだけで、写真モードでの一次帯電器4の印加電圧とする(n11)。
【0069】次に、文字モードで調整した原稿照明ランプ22の印加電圧に、所定の比例定数γとの積をとるだけで、写真モードでの原稿照明ランプ22の印加電圧とする(n12)。
【0070】僅かこれだけのシーケンスを加えることで写真モード用の暗部電位VDphと明部電位VLphを作成することが可能となるのである。
【0071】図6は一次帯電器4に印加する電圧に対する感光ドラム2上の暗部電位の関係を示した図である。図6(a)は一次帯電器4の状態や感光ドラム2の状態により比較的暗部電位が上昇しない条件での結果であり、図6(b)は図6(a)に比べ暗部電位が上昇しやすい条件での結果である。
【0072】ここでの一次帯電器4の状態とは、一次帯電器4の帯電部材と感光ドラム2との距離や帯電部材の汚れや不図示のグリッドの印加バイアス等が考えられ、感光ドラム2の状態とは帯電能の差がある場合である。図6(a)及び(b)においてそれぞれの放電開始電圧は異なるが、画像出力装置の実力上、図6(b)の方が図6(a)よりも小さな値を示す。
【0073】結果として、2種類の暗部電位VDtx及びVDphを得るのに必要な一次帯電器4の印加電圧は図6(a)及び(b)で当然異なるが、VDtxからVDphを得るのに必要な印加電圧の比率は図6のα及びβで示しているものの、事実上α≒βの関係にある。
【0074】したがって、VDtxを得るのに必要な一次帯電器4の印加電圧を調整した後に、これに対してα(≒β)倍さえ行った値を印加すれば、VDphを目標の暗部電位に比較的近い形で感光ドラム上に作成することが可能となる。
【0075】図7は暗部電位VDtx及びVDphを感光ドラム2上に作成した状態で、原稿照明ランプ22の印加電圧を変化させた場合の感光ドラム2上の電位を示した図である。図7(a)は原稿照明ランプ22の状態や感光ドラム2の状態により電位が比較的落ちにくい条件での結果であり、図7(b)は図7(a)に比べ電位が落ちやすい条件での結果である。
【0076】ここでの原稿照明ランプ22の状態とは、原稿照明ランプ22の効率の違いや劣化状態による光量の多寡が考えられ、感光ドラム2の状態とは感度の差がある場合である。
【0077】明部電位を得るための原稿照明ランプ22の印加電圧の比率を測定してみると、それぞれの原稿照明ランプ22の印加電圧は図7(a)及び(b)で当然異なるが、暗部電位がVDtxの場合に対するVDphの場合の原稿照明ランプの比率は図7のγ及びδで示しているものの、事実上γ≒δの関係にある。
【0078】したがって、暗部電位VDtxから明部電位VLtxを得るのに必要な原稿照明ランプの印加電圧を調整した後に、これに対してγ(≒δ)倍さえ行った値を印加すれば、VDphでのVLphを目標の明部電位に比較的近い形で感光ドラム2上に作成することが可能となる。
【0079】図8は前述の従来例と本実施の形態との差異を説明するものである。前述したように従来例では2種類の画像モードにおいて、一次帯電器4の印加電圧及び原稿照明ランプ22の印加電圧をそれぞれ2〜3秒の時間をかけて調整するため、トータルの電位制御時間は10秒前後かかってしまう。
【0080】しかし、本実施の形態では、写真モード用調整は文字モード用調整からの比例定数の演算のみであり、調整行為は行わず、時間もほとんど費やさない。
【0081】したがって、本実施の形態では、トータルの電位制御(画像モード制御)の時間は従来例に比べて半減することが可能となる。
【0082】なお、本実施の形態では2種類の画像モードでの比較であったが、当然3種類以上の場合にも有効で、種類が増すごとに改善率は上がることになる。
【0083】また、本実施の形態では、どちらの画像モードも同じ明部電位であったが、異なる明部電位であっても一向に差し支えなく効果が得られるものであり、一次帯電器4の印加電圧や原稿照明ランプ22の印加電圧のいづれか一方で電位を調整する場合も本発明に含まれる。
【0084】さらに、本実施の形態では、一次帯電器4の印加電圧や原稿照明ランプ22の印加電圧を変更することで、暗部電位や明部電位を作成していたが、一次帯電器4の電流値や不図示のグリッド電圧を変更しても差し支えなく、原稿照明ランプ22も露光量の調整が可能ならば印加電圧以外の手段で変更しも差し支えない。
【0085】また、一次帯電器4の帯電量や原稿照明ランプ22の露光量を調整できる図2【0086】(第2の実施の形態)図9〜図15を参照して、第2の実施の形態について説明する。図9に、本実施の形態にかかる画像形成装置の一例としてのプリンタの概略を図示する。
【0087】このプリンタは、装置本体101のほば中央に、電子写真感光体として円筒状の感光ドラム102を備えている。
【0088】感光ドラム102は、装置本体101によって矢印R1方向に回転自在に支持されており、感光ドラム102の周囲には、その回転方向に沿って順に、感光ドラム102上の電位を消去する除電器103、感光ドラム102表面を一様に帯電する帯電手段としての一次帯電器104、感光ドラム102表面を露光して静電潜像を形成する露光手段105、露光後の感光ドラム102上の電位を測定する電位検知手段としての電位センサ106、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させてトナー像を形成する現像手段としての現像器107、転写材P上にトナー像を転写する転写帯電器108、転写材Pを感光ドラム102から分離する分離帯電器109、感光ドラム102上の残留トナーを除去するクリーナ110が配置されている。
【0089】トナー像の転写先となる転写材Pは、給紙デッキ111から供給される。感光ドラム102の下方、つまり装置本体101内側の下部には、転写材Pを収納する給紙デッキ111が配置されている。
【0090】給紙デッキ111内の転写材Pは、給紙ローラ112によって給紙され、搬送ローラ113、レジストローラ115を介して、感光ドラム102と転写帯電器108との間に供給される。転写材Pは、ここで感光ドラム102からトナー像を転写され、搬送ベルト116によって、定着器117に搬送される。
【0091】定着器117で付与される熱及び圧力によりトナー像が固着された転写材Pは、最終的に画像が定着されたものとして、排紙ローラ119によって排紙トレイ120上に排紙される。
【0092】上述のプリンタにおいては、露光手段106は、半導体レーザ130から画像信号に応じて照射されたレーザビームがポリゴンミラー131により走査され、結像レンズ132及び反射ミラー133を介して感光ドラム102に導かれる。
【0093】図10は、感光ドラム102上の電位を測定するための制御基板周辺の電気構成を概略説明する図である。図10において、制御基板内には制御プログラムの記述されたROMと、プログラム上の必要データの一時記憶素子であるRAMと、が処理の中心素子であるCPUに接続されている。
【0094】また、インターフェイス素子であるI/0と、データの変換素子であるA/D変換器及びD/A変換器が外部の周辺機器と接続され、制御基板へ情報が入出力される。そして本実施の形態の周辺機器として、電位センサ106が帯電及び露光後の感光ドラム102上の電位を測定することが可能となっている。
【0095】そして、電位センサ106の検知結果から一次帯電器104の印加電圧と半導体レーザの印加電圧とを制御することが可能となっている。
【0096】図11は感光ドラム102上の設定電位を2種類有する場合を模式的に表わしたものである。2種類の設定電位は2通りの画像モードを示し、プリンタモード(添え字pr)とコピーモード(添え字cp)を有している。
【0097】この場合、暗部電位VDpr及びVDcpはレーザを消灯した場合の感光ドラム102上の電位を示しており、明部電位VLpr及びVLcpはレーザを点灯した場合の感光ドラム上電位を示している。
【0098】プリンタモードは、原稿というものがなく、代わりに電子情報が元画像であるので視認性をよくするため一般的に比較的濃い目の再現がなされる。そのため、暗部電位VDprを480V、明部電位VLprを40Vと比較的多めの潜像コントラストを設定目標にしている。
【0099】コピーモードは、原稿が存在するためできるだけ原稿に近い再現性を要求される。そのため、暗部電位VDcpはプリンタモードよりも低い400V、明部電位VLcpを50Vと比較的少な目の潜像コントラストを設定目標としている。
【0100】図12,13,14は本実施の形態における電位制御(画像モード制御)を実行するタイミングのフローチャートである。
【0101】図12において、まず、画像形成装置の電源投入直後であるかを判断する(s0)。この時電源投入直後の場合には、図4で示した従来シーケンスと類似した電位制御を実行する。この画像形成装置の立ち上げ中には、図9で示した定着器117を加熱する時間が数十秒〜数分間あり、この問に従来通りの電位制御を実行しても、そもそも定着器117の昇温時間という待ち時間のためになんら問題を生じることはない。
【0102】電源投入直後の場合の電位制御では、図13に示すように、半導体レーザを消灯し、一次帯電器104に所定の電圧を印加して初期の暗部電位VDprを作る(s1)。
【0103】初期の印加電圧は所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この暗部電位VDprを一次帯電器104の感光ドラム102の下流側にある電位センサ106で測定し(s2)、図11に示したような目標の暗部電位VDprである480V±3Vになったかを確認する(s3)。
【0104】480V±3Vの範囲になければ、一次帯電器104の印加電圧を増減して(s4)、再度暗部電位VDprが目標電位になるように追い込む。
【0105】この結果として、一次帯電器104の印加電圧における電流量、即ち帯電量Iprを、記憶素子であるRAMに保存しておく(s5)。
【0106】次に、上記シーケンスで追い込まれた一次帯電器104の印加電圧にて感光ドラム102を帯電しながら、半導体レーザを点灯して、感光ドラム102上に明部電位VLprを作成する(s6)。
【0107】この時の半導体レーザに印加する電圧も所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この明部電位VLprを電位センサ106で測定し(s7)、図11に示したような目標の明部電位VLprである40V±3Vになったかを確認する(s8)。
【0108】40V±3Vの範囲になければ、半導体レーザの印加電圧を増減して(s9)、再度明部電位VLprが目標電位になるように追い込む。
【0109】この結果として、半導体レーザの露光量Eprを、記憶素子であるRAMに保存しておく(s10)。
【0110】続いて、コピーモード用の帯電量及び露光量を調整しなければならない。まず、半導体レーザを消灯し、一次帯電器104に所定の電圧を印加して初期の暗部電位VDcpを作る(s11)。
【0111】初期の印加電圧は所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この暗部電位VDcpを一次帯電器104の感光ドラム102の下流側にある電位センサ106で測定し(s12)、図11に示したような目標の暗部電位VDcpである400V±3Vになったかを確認する(s13)。
【0112】400V±3Vの範囲になければ、一次帯電器104の印加電圧を増減して(s14)、再度暗部電位VDcpが目標電位になるように追い込む。
【0113】この結果として、一次帯電器104の印加電圧における電流量、即ち帯電量Icpを、記憶素子であるRAMに保存しておく(s15)。
【0114】さらに、上記シーケンスで追い込まれた一次帯電器104の印加電圧にて感光ドラム102を帯電しながら、半導体レーザを点灯して、感光ドラム102上に明部電位VLcpを作成する(s16)。
【0115】この時の半導体レーザに印加する電圧も所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この明部電位VLcpを電位センサ106で測定し(s17)、図11に示したような目標の明部電位VLcpである50V±3Vになったかを確認する(s18)。
【0116】50V±3Vの範囲になければ、半導体レーザの印加電圧を増減して(s19)、再度明部電位VLcpが目標電位になるように追い込む。
【0117】この結果として、半導体レーザの露光量Ecpを、記憶素子であるRAMに保存しておく(s20)。
【0118】以上のように従来技術と類似した電位制御(画像モード制御)のシーケンスを実行することになるが、本実施の形態では予めプリンタモード及びコピーモードそれぞれの帯電量及び露光量を記憶素子であるRAMに保持されている。
【0119】そこで本実施の形態では、それぞれの画像モードにおける帯電量の比率ηIを求め、記憶素子であるRAMに保存し(s21)、それぞれの画像モードにおける露光量の比率ηEを求め、同じく記憶素子であるRAMに保存する(s22)。
【0120】この時帯電量の比率ηIと露光量の比率ηEはηI=Icp/IprηE=Ecp/Epr以上の式で定義される。
【0121】ここで、Icpはコピーモード用の帯電量、Iprはプリンタモード用の帯電量、Ecpはコピーモード用の露光量、Eprはプリンタモード用の露光量である。
【0122】続いて電位制御(画像モード制御)を実行するタイミングのフローチャートにおいて、画像形成装置本体の電源が投入されてから、10分経過あるいは60分経過後の最初の画像出力時に実行される場合(画像モード制御手段)について、図14を用いて説明する。
【0123】この図14の場合の電位制御では、まずプリンタモード用の電位制御を実行する。始めに半導体レーザを消灯し、一次帯電器104に所定の電圧を印加して初期の暗部電位VDprを作る(s31)。
【0124】初期の印加電圧は所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この暗部電位VDprを一次帯電器104の感光ドラム102の下流側にある電位センサ106で測定し(s32)、図11に示したような目標の暗部電位VDprである480V±3Vになったかを確認する(s33)。
【0125】480V±3Vの範囲になければ、一次帯電器104の印加電圧を増減して(s34)、再度暗部電位VDprが目標電位になるように追い込む。
【0126】この結果として、一次帯電器104の印加電圧における電流量、即ち帯電量I2prを、記憶素子であるRAMに保存しておく(s35)。
【0127】帯電量I2prは時間的に変動して電源投入時の帯電量Iprと異なる値になることが多く、このために時間経過後の電位制御が必要となるのである。
【0128】次に、上記シーケンスで追い込まれた一次帯電器104の印加電圧にて感光ドラム102を帯電しながら、半導体レーザを点灯して、感光ドラム102上に明部電位VLprを作成する(s36)。
【0129】この時の半導体レーザに印加する電圧も所定値でもよいし、前回制御時の電圧値でもよい。この明部電位VLprを電位センサ106で測定し(s37)、図11に示したような目標の明部電位VLprである40V±3Vになったかを確認する(s38)。
【0130】40V±3Vの範囲になければ、半導体レーザの印加電圧を増減して(s39)、再度明部電位VLprが目標電位になるように追い込む。
【0131】この結果として、半導体レーザの露光量E2prを、記憶素子であるRAMに保存しておく(s40)。
【0132】露光量E2prは時間的に変動して電源投入時の露光量Eprと異なる値になることが多く、このために時間経過後の電位制御が必要となるのである。
【0133】以上説明したように、時間経過後の電位制御(画像モード制御)では、まずプリンタモード用の電位制御を実行した後、コピーモード用の電位を決定する。この時コピーモード用の帯電量と露光量は実際に電位センサ106で検知して調整するのではなく、演算により求める。
【0134】即ち、I2cp=I2pr・ηI=I2pr・(Icp/Ipr)
E2cp=E2pr・ηE=E2pr・(Ecp/Epr)
上記式により、コピーモード用の帯電量I2cpと露光量E2cpを決定する。
【0135】上式から明らかように、時間経過後のコピーモード用の帯電量I2cpは、先に決定したプリンタモード用の帯電量I2prと電源投入時のコピーモード用及びプリンタモード用の帯電量の比率ηIとの積をとることで求める(s41)。
【0136】また、時間経過後のコピーモード用の露光量E2cpは、先に決定したプリンタモード用の露光量E2prと電源投入時のコピーモード用及びプリンタモード用の露光量の比率ηEとの積をとることで求める(s42)。
【0137】こうすることで、第1の実施の形態で示した比率α,γに代わる本体変動に強い高精度な電位制御が可能となる。
【0138】図15はデジタル式の露光手段を使いプリンタモード用とコピーモード用の2種類に変更した第1の実施の形態で説明した従来例(説明ではアナログ式で文字モードと写真モードの2種類だった)と、同じくデジタル式の露光手段を使いプリンタモード用とコピーモード用の2種類に変更した第1の実施の形態(説明ではアナログ式で文字モードと写真モードの2種類だった)と、本実施の形態の差異を説明するものである。
【0139】繰り返すことになる上記3通りの方法はいづれも、デジタル式の露光手段でプリントモード用とコピーモード用の2種類の電位目標を持つ手段の比較である。
【0140】図15(a)は電源投入時の電位制御について比較したもので、図15(b)は源投入から10分及び60分経過後の画像出力時に実行される電位制御について比較したものである。
【0141】図15(a)において従来例と本実施の形態では、2種類の画像モードの一次帯電器の帯電量及び半導体レーザの露光量をそれぞれ2〜3秒の時間をかけて調整するため、トータルの電位制御時間は10秒前後かかる。しかし、電源投入時は前述のように定着器の立ち上げ時間があるため、トータルの時間が多少長くなることは全く問題となるものではない。
【0142】一方、図15(b)に示すように、時間経過後の電位制御は、トータルの電位制御時間はできるだけ短いことが好ましい。従来例ではこの点で完全に不利であり、プロダクティビティを低下させている。
【0143】図15(b)に示す第1の実施の形態はトータルの時間に対しては有利であり、プロダクティビティの低下を抑制している。ただし、コピーモード用の電位は所定の比率により演算するため、制御後の絶対的な感光電位の精度は従来例よりもやや低下する点と、所定の比率を使うため画像形成装置本体間でのバラツキ実効値が大きく、合成されたバラツキは比較的大きなものとなる。
【0144】ところが本実施の形態では、時間に余裕のある電源投入時にコピーモード用とプリンタモード用の帯電量及び露光量の比率を求め、それを使って、時間に余裕のない時間経過後にはコピーモード用の帯電量と露光量を算出するようにしているので、第1の実施の形態に比べて画像形成装置本体間でのバラツキが生じない。
【0145】結果として合成されたバラツキは第1の実施の形態よりも改善されることになる。
【0146】なお、何らかの理由で画像形成装置本体の電源が切断直後に再投入される場合は、例えば図9で示した定着器117の温度が常温ではなく比較的高い場合は、電源投入直後ではあるが、定着器117の立ち上げ時間がそれほどかからないので、従来シーケンスのような複数種類の電位制御を全て実行するのではなく、前回の電源遮断前に使用した本実施の形態の比率を用いたシーケンスを用いることで、よりユーザの使い勝手を向上することが可能となる。
【0147】(第3の実施の形態)図16〜図17を参照して、第3の実施の形態について説明する。第1、第2の実施の形態では、感光ドラムの暗部電位と明部電位を複数種類有する場合の電位制御について説明した。本実施の形態では、感光ドラムに帯電及び露光した後の現像器における現像電位の制御方法について説明する。
【0148】現像器107は、図16に示すように薄層コートしたトナー層(S200)を有し、感光ドラム102に近接して回転する現像スリーブ201によって、帯電及び露光後の感光ドラム102上にトナーを付着させるものである。
【0149】この際、トナーを付着させるために現像器107の現像スリーブ201には、高圧電源202が接続されている。通常、高圧電源202は直流成分と交流成分が重畳された電位である。
【0150】この高圧電源202の交流成分のVppを操作したり、周波数を操作したりする場合もあり、直流成分の電位を操作する場合もあるが、本実施の形態では直流成分の電位を調整する画像形成装置について説明する。なお、前述したように高圧電源202の操作される対象は、Vppであったり周波数であっても何ら差し支えない。
【0151】また、本実施の形態は、第2の実施の形態に続いて、現像器107の制御として説明する。したがって、プリンタモード用の帯電量及び露光量と、コピーモード用の帯電量及び露光量が第2の実施の形態において決定されているとする。
【0152】図17は、第2の実施の形態で示したように決定されるべき上記の感光ドラム102上の電位に加え、現像器107の制御目標としての現像電位、即ち現像器107用高圧電源202の直流成分の値を示している。
【0153】プリンタモードは、原稿というものがなく、代わりに電子情報が元画像であるので視認性をよくするため一般的に比較的濃い目の再現がなされる。そのため、現像電位Vdcprは150Vを目標電位としている。
【0154】コピーモードは、原稿が存在するためできるだけ原稿に近い再現性を要求される。そのため、現像電位Vdccpはプリンタモードよりも高い180Vを目標電位としている。
【0155】ところで、画像形成装置は暗部電位にトナーを付与するものと、明部電位にトナーを付与するものに大別される。このとき白地が形成されるのは、それぞれ明部電位であたったり、暗部電位であったりと異なることになる。本実施の形態での説明は明部電位を白地の電位(即ち白地電位)としているが、本発明の特性上暗部電位が白地電位であっても何ら問題ではない。
【0156】一方、予め現像電位VdcprとVdccpを固定として、それぞれ150V,180Vと決定しておくと、白地電位(ここでは明部電位)との差がばらつくため、画像カブリを生じてしまうことになる。
【0157】そこで、明部電位が決定された後に白地電位にオフセット分を加えて常に白地電位との差、いわゆるカブリ取り電位を一定にすることで、画像カブリを防止することができる。
【0158】オフセット分はプリンタモード用がOFpr=110V、コピーモード用がOFcp=130Vとしている。
【0159】そこで、本実施の形態では画像形成装置本体の電源投入後の電位制御時に、プリンタモード用の明部電位VLprとコピーモード用の明部電位VLcpを調整した後、それぞれの現像電位Vdcpr,VdccpをVdcpr=VLpr+OFprVdccp=VLcp+OFcp以上の演算により求めておく。
【0160】この際コピーモード用の現像電位Vdccpとプリンタモード用の現像電位Vdcprと差分△Vdcを△Vdc=Vdccp−Vdcpr上記式によって求めておき、記憶素子であるRAMに保存する。
【0161】そして、時間経過後の電位制御時には、第2の実施の形態に従い、プリンタモード用の帯電量I2prと露光量E2prからコピーモード用の帯電量I2cpと露光量E2cpを求めることになるが、さらに本実施の形態では現像電位Vdc2pr,Vdc2cpをVdc2pr=VL2pr+OFprVdc2cp=Vdc2pr+△Vdc以上の式により算出している。
【0162】上式において、プリンタモード用の現像電位Vdc2prは実際に明部電位VL2prを測定しているので、電源投入時と同様、オフセット分を加えることにより求めている。一方、コピーモード用の現像電位Vdc2cpは、実際の明部電位VL2cpは電位制御中に知ることができない。
【0163】もちろん時間をかければ測定することが可能であるが、それではプロダクティビィティを低下させるので測定は行わない。
【0164】そこで、調整し終わったプリンタモード用の現像電位Vdc2prと、先の電振投入時に求めたコピーモード用の現像電位Vdccpとプリンタモード用の現像電位Vdcprとの差分△Vdcとの和を演算することで、コピーモード用の現像電位Vdc2cpを算出するようにしている。
【0165】このようにすることで、現像電位を含めたトータル的な電位制御が可能となり、実際の出力画像の画質を左右する要素についてプロダクティビィティを低下させることなく、高精度に常に安定した画像形成装置を提供することが可能となっている。
【0166】なお、本実施の形態では直流成分の電位を調整することができる画像形成装置について差分△Vdcを利用した説明を行った。しかし交流成分のVppであったり、周波数であってもなんら差し支えなく、その場合差分でなく比率で演算した方が推測精度が高い場合もあり、差分による演算に限定されるものではない。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、一つの画像モードの調整には実際の調整時間がかかるが、残りの画像モードの調整には時間がかからず、プロダクティビティを低下することなく画像モードの調整を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成12年3月15日(2000.3.15)
【代理人】 【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信 (外1名)
【公開番号】 特開2001−265072(P2001−265072A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−77843(P2000−77843)