| 【発明の名称】 |
画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山地 博之
【氏名】向井 崇
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| 【要約】 |
【課題】静電潜像担持体の速度を切り換えて解像度を切り換える画像形成装置では、解像度切り換えにて画像を得るまでに要する時間上でのメリットを有するものの、高解像度の画質が低下するといった問題がある。
【解決手段】静電潜像担持体1の速度を制御することで、露光解像度を1200dpiと600dpiとに変更する画像形成装置において、画像形成プロセス部は、1200dpi及び600dpiの各解像度モードにおけるベタ画像濃度が1.3以上であり、かつ、1200dpiモードの2ドットラインの顕像のライン幅L1(μm)と、600dpiモードの1ドットラインの顕像のライン幅L2(μm)が、30(μm)<L1≦L2<90(μm)の関係を満たすように、現像器3の現像バイアスや、光書込み部6のレーザーパワーや、静電潜像担持体1の感度定数等が規定がされている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】帯電された静電潜像担持体表面を露光手段にて露光して静電潜像を形成し、該静電潜像に現像手段より現像剤を供給して顕像化する画像形成プロセス部と、上記静電潜像担持体の速度を制御して、露光解像度を第1解像度と、該第1解像度の1/2倍にあたる第2解像度とに変更する解像度切換手段とを備える画像形成装置において、上記画像形成プロセス部は、第1解像度及び第2解像度における各ベタ画像の濃度が1.3以上を呈し、かつ、第1解像度における2ドットライン顕像のライン幅をL1(μm)、第2解像度における1ドットライン顕像のライン幅をL2(μm)、第1解像度における1ドットライン顕像の理論的線幅をL0(μm)とすると、上記L1,L2,L0が、L0×√2<L1≦L2<L0×√2×3の関係を満たすように設計されていることを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】第1解像度が1200dpi、第2解像度が600dpiである場合、上記L1,L2が、30(μm)<Ll≦L2<90(μm)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項3】上記静電潜像担持体の感度定数wtが0.0016(J/m2 )<wt≦0.0024(J/m2 )である場合、第1解像度での上記露光手段の露光出力をP1(mW)、第1解像度での現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV1(V)、第2解像度での上記露光手段の露光出力をP2(mW)、第2解像度での現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV2(V)とすると、ΔV1≧220(V),ΔV2≧280(V)であって、かつ、30(μm)<0.202×ΔV1+213×P1+5≦0.120×ΔV2+163×P2<90(μm) の関係が成り立つことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 【請求項4】上記静電潜像担持体の感度定数wtが0.0008(J/m2 )≦wt≦0.0016(J/m2 )である場合、第1解像度での上記露光手段の露光出力をP1(mW)、第1解像度での現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV1(V)、第2解像度での上記露光手段の露光出力をP2(mW)、第2解像度での現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV2(V)とすると、ΔV1≧220(V),ΔV2≧280(V)であって、かつ、30(μm)<0.154×ΔV1+368×P1−34≦0.084×ΔV2+70×P2<90(μm) の関係が成り立つことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを用いて画像形成を行う画像形成装置に関するものであり、より詳細には、静電潜像担持体の速度を変更することで解像度を切り換える画像形成装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、電子写真プロセスを用いた出力機器においては、高画質、高速化への要望がより一層高まっている。また同時に、ユーザ側のニーズによって解像度を選択でき、所望の解像度で出力可能なことも重要視されるようになってきている。 【0003】解像度を切り換える方法としては、静電潜像担持体上に静電潜像を書き込む光偏向手段の速度を切り換える方法と、静電潜像担持体の速度を切り換える方法とが知られている。前者は、光偏向手段(具体的にはポリゴンミラー)の回転速度を切り換えることで対応するものであるため、プロセス速度は変化しない。これに対し後者は、静電潜像担持体の回転速度を切り換えることで対応するものであるため、プロセス速度が変化する。 【0004】一方、露光手段の露光出力(レーザーパワー)や、静電潜像担持体の表面電位、現像手段の現像バイアス等の作像条件における、良好な画像を得るための各適正値は、解像度毎に異なることも知られている。したがって、上記した解像度の切り換えが可能な画像形成装置において、各解像度で良好な画像を得るには、解像度毎にレーザーパワーや静電潜像担持体の表面電位、現像バイアス等を適正値に変更することが必要となる。 【0005】例えば、特開平7−92749号公報には、解像度を変更する際に、光偏向手段の回転数を制御し、その制御に伴って、現像バイアス、レーザーパワー、静電潜像担持体の表面電位をそれぞれ適性値に変更する構成が記載されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、解像度を切り換える上記した2つの方法を比較してみると、それぞれに以下のような利点と欠点がある。 【0007】まず、光偏向手段の速度を切り換える方法であるが、これは、前述したように、解像度を切り換えてもプロセス速度が変化しない。したがって、低解像度モード及び高解像度モードの何れも印字速度は一定であり、低解像度を選択したことによるメリットがない。 【0008】これに対し、静電潜像担持体の速度を切り換える方法では、プロセス速度が解像度によって異なり、低解像度の印字速度を高解像度と低解像度の比の分だけ速めることができる。その結果、高解像度モードと低解像度モードとを使い分けるメリットがある。 【0009】したがって、ユーザによる解像度選択を可能にしたことによるメリットの点から言えば、静電潜像担持体の速度切り換えによる解像度変換の方が望ましい。 【0010】その一方、画質の点から見ると、静電潜像担持体の速度切り換えによる解像度変換の場合、静電潜像担持体の速度変化に伴って解像度間で現像時間に差異が生じるため、光偏向手段の速度切り換えによる解像度変換では発生しない影響が現れる。 【0011】即ち、低速の高解像度モードと高速の低解像度モードとでは、前者の方が現像時間が長くなるため、画像濃度が上がり、線幅も太くなり、その結果、露光解像度を高めたことによるメリットが静電潜像を顕像化する時に減少してしまう。特に、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いて現像する場合には、解像度600dpiや1200dpi相当の非常に繊細なラインやドットが、磁気ブラシによる掻き取り効果によって乱されやすく、高解像度化を阻害する要因となる。尚、本明細書においては、主走査方向×副走査方向にA(dpi)×A(dpi)の解像度を単にA(dpi)と記載する。主走査方向とは露光手段の走査する方向で、副走査方向は主走査方向と直交する静電潜像担持体の回転方向である。また、dpiはドット/インチ=ドット/25.4mmである。 【0012】また、上記した従来公報は、光偏向手段の速度切り換えによる解像度変換において、各解像度によりレーザーパワー、表面電位、現像バイアスを適正値に切り換える構成であって、ユーザによる解像度選択を可能にしたことによるメリットが大きい、静電潜像担持体の速度切り換えによる解像度変換において、良好な画像を得るための構成を提案するものではない。しかも、上記従来公報には、具体的な設定値等は一切記載されていない。 【0013】本願発明は、上記課題に鑑み成されたものであって、解像度の切り換えにて画質上のみならず、画像を得るまでに要する時間上でのメリットを有し、かつ、各解像度で良好な画像を得ることが可能な画像形成装置の提供を目的としている。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、帯電された静電潜像担持体表面を露光手段にて露光して静電潜像を形成し、該静電潜像に現像手段より現像剤を供給して顕像化する画像形成プロセス部と、上記静電潜像担持体の速度を制御して、露光解像度を第1解像度と、該第1解像度の1/2倍にあたる第2解像度とに変更する解像度切換手段とを備える画像形成装置において、上記画像形成プロセス部は、第1解像度及び第2解像度における各ベタ画像の濃度が1.3以上を呈し、かつ、第1解像度における2ドットライン顕像のライン幅をL1(μm)、第2解像度における1ドットライン顕像のライン幅をL2(μm)、第1解像度における1ドットライン顕像の理論的線幅をL0とすると、上記L1,L2,L0が、L0×√2<L1≦L2<L0×√2×3の関係を満たすように設計されていることを特徴としている。 【0015】本願発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、ベタ画像の濃度と共に、切り換え可能な各解像度で得られる顕像の線幅を規定することで、静電潜像担持体の速度を換えて解像度を変更する画像形成装置においても、高解像度モードの画質を落とすことなく、解像度の切り換えが可能となることを見い出した。 【0016】即ち、第1解像度及び第2解像度における各ベタ画像の濃度が1.3以上得られ、かつ、第1解像度における2ドットライン顕像のライン幅L1と、その半分の解像度である第2解像度における1ドットライン顕像のライン幅L2とが、上記関係式を満足するように画像形成プロセス部を設計することで、低解像選択時、高解像度と低解像度の比の分だけ印字速度を速めながらも、各解像度に合った高い画質を得ることができる。 【0017】したがって、高解像度の第1解像度モードでは、印字速度は遅いものの第2解像度モードよりも高画質の画像を出力でき、他方、低解像度の第2解像度モードでは、第1解像度モードに比べて解像度の低い分画質は劣るものの、高速で画像を出力することができる。 【0018】例えば、第1解像度が1200dpi、第2解像度が600dpiである場合は、両解像度の各ベタ画像の濃度が1.3以上得られ、かつ、上記L1,L2が、30μm<Ll≦L2<90μmの関係を満たすように画像形成プロセス部を設計すればよい。 【0019】そして、ここで言う画像形成プロセス部の設計とは、具体的に言うと、静電潜像担持体の感度や静電潜像を形成する時の露光条件、静電潜像を現像する時の現像条件といった作像条件を上記した関係式を満足するように設定することである。 【0020】作像条件を詳細に規定すると、静電潜像担持体の感度定数wtが0.0016J/m2 <wt≦0.0024J/m2 である場合は、1200dpiでの露光手段の露光出力をP1(mW)、1200dpiでの現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV1(V)、600dpiでの露光手段の露光出力をP2(mW)、600dpiでの現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV2(V)とすると、ΔV1≧220(V),ΔV2≧280(V)であって、かつ、30μm<0.202×ΔV1+213×P1+5≦0.120×ΔV2+163×P2<90μmの関係が成り立つように、例えば現像バイアスや露光出力等を設定することで、上記した本発明の画像形成装置を実現できる。 【0021】また、静電潜像担持体の感度定数wtが0.0008J/m2 ≦wt≦0.0016J/m2 である場合は、1200dpiでの露光手段の露光出力をP1(mW)、1200dpiでの現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV1(V)、600dpiでの上記露光手段の露光出力をP2(mW)、600dpiでの現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV2(V)とすると、ΔV1≧220(V),ΔV2≧280(V)であって、かつ、30μm<0.154×ΔV1+368×P1−34≦0.084×ΔV2+70×P2<90μmの関係が成り立つように、例えば現像バイアスや露光出力等を設定することで、上記した本発明の画像形成装置を実現できる。 【0022】 【発明の実施の形態】本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を、図1ないし図4を用いて以下に説明する。 【0023】まず、図1の模式図を用いて、本実施の形態の画像形成装置における電子写真プロセス部(画像形成プロセス部)の構成を説明する。図1に示すように、本画像形成装置には、静電潜像担持体上1が備えられ、その周りに、帯電器4、光書込み部(露光手段)6、現像器3、転写器2、クリーニング部5が順に配設されている。 【0024】静電潜像担持体1は、例えば円筒状のアルミニウム素管に感光体を塗布したものからなる。帯電器4は、静電潜像担持体1表面を帯電するものであり、チャージャー方式や接触型のものがある。光書込み部6は、帯電器4にて帯電された静電潜像担持体1表面を露光して静電潜像を書き込むものであり、発光体としては半導体レーザー等が用いられる。 【0025】現像器3は、内部にトナーTを収納しており、静電潜像担持体1との対向部にて、図示しない現像剤担持体上に保持したトナーTを、静電潜像担持体1と現像剤担持体との間に印加される現像バイアスにて静電潜像担持体1上の静電潜像に供給して顕像化するものである。画像形成装置がカラー対応の場合、現像器3は用いられるトナーの色の数、例えばイエロー,マゼンタ、シアン,ブラックの4つ配設されることとなる。転写器2は、静電潜像担持体1上のトナー像(顕像)を記録材Sに転写するものであり、チャージャー方式や接触型のものがある。クリーニング部5は、トナー像が転写された後の静電潜像担持体1表面に残留するトナーを掻き取るものである。 【0026】このような構成を有する本画像形成装置では、静電潜像担持体1の回転に伴い、帯電器4による静電潜像担持体1の帯電、光書き込み部6による静電潜像の形成、現像器3による静電潜像の現像、転写器2による記録材Sへのトナー像の転写、クリーニング部5による静電潜像担持体1のクリーニングの各工程を繰り返すことによって画像を形成する。なお、画像形成装置がカラー対応の場合は、トナーの色数分のトナー像が静電潜像担持体1上に各々形成され、記録材S上に順次重ねられることとなる。その後、記録材S上に形成されたトナー像は、定着器7を通過することによってトナーが溶融されると共に加圧され、記録材S上に固定される。 【0027】また、本画像形成装置においては、出力画像の解像度を高解像度の1200dpiと、低解像度の600dpiとの2つの解像度モードで切り換え可能となっている。本画像形成装置における解像度の切り換えは、図示しない制御手段(解像度変換手段)が静電潜像担持体1の回転速度を切り換えることで行われる。 【0028】本画像形成装置の場合、600dpiモードでは、1200dpiモードの2倍の速度で静電潜像担持体1が回転され、プロセス速度(印字速度)が速まり、画像を出力するまでの所要時間が1200dpiモード時の半分となる。したがって、高画質を必要としない原稿の複写においては、600dpiモードを選択することで、所望の画像を短時間で得ることができるといったメリットがある。 【0029】一方、発明が解決しようとする課題の項で述べたように、静電潜像担持体1の速度を切り換えて解像度の切り換えを行う構成では、高解像度の1200dpiモードにおいて現像時間が長くなるため、線幅が太くなるなどして、露光時に解像度を上げたことによる利点が損なわれる恐れがある。 【0030】そこで、本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ベタ画像の濃度を確保しつつ、1200dpi及び600dpiの各解像度モードでのライン画像(トナー像:顕像)の線幅をある範囲に設定することで、1200dpiモードでも600dpiモードでも良好な画像が得られることを見い出した。 【0031】以下、本画像形成装置において採用されている、静電潜像担持体1の速度を切り換えて解像度変換を行う構成でありながら各解像度で良好な画像の提供を可能にする構成について説明する。 【0032】本願発明者らは、上記した本実施の形態の画像形成装置と同じ構成を有する画像形成装置を用いて、以下に記載する実験条件でライン画像を形成し、1200dpiモード及び600dpiモードの画質評価を行った。 【0033】実験においては、上記静電潜像担持体1として、感光体が膜厚21μmのOPC(Organic Photo-conductor :有機光導電体)から成る静電潜像担持体を使用し、帯電器4による初期帯電電位は−600Vとした。また、現像剤には、2成分現像剤を使用し、キャリアは平均粒径60μm、トナーは非磁性トナーであり、その体積平均粒径は7μmのものを使用した。 【0034】解像度切換型の画像形成装置において、低解像度モードと高解像度モードとの各出力画像とを比較した場合、高解像度モードの方が解像性能が良いことは必須の条件である。そこで、1200dpiモードと600dpiモードとでそれぞれ全く同じパターン(ライン画像)を用い、光書込み部6におけるレーザーパワーと現像バイアスとを種々変更して画像を形成し、その時に得られる線幅を測定し、また、解像性能を評価した。 【0035】線幅の測定に際しては、1200dpiモードでは2ドットラインの画像を形成し、600dpiモードでは1ドットラインの画像を形成し、得た画像の線幅をKEYENCE製VH−7000画像解析装置を用いて計測した。1200dpiモードの2ドットラインと、600dpiモードの1ドットラインとは、理論上線幅が等しくなる。ここでライン画像は、副走査方向に伸びる方向に形成した。 【0036】解像性能評価は、ベタ画像の中に、1200dpiモードでは2ドットの白抜きラインを印字した画像を形成し、600dpiモードでは1ドットの白抜きラインを印字した画像を形成し、各画像を目視にて評価した。 【0037】さらに、1200dpiモードにおける2ドットライン、及び600dpiモードにおける1ドットラインの理想的な線幅は、60μmである。同様に、1200dpiモードにおける1ドットライン、3ドットラインの線幅は30μm、90μmである。ここで言う理想的な線幅とは、解像度の理論上の1ドットラインの顕像の線幅L0(μm)に√2を掛けた値である。例えば600dpiの場合、理論上の1ドットラインの顕像線幅L0は25.4mm/600で21μmとなるが、この理論上の潜像線幅L0に規定したのでは、ベタ画像の濃度を十分出すことができない。そこで、通常は、この理論上の線幅L0に√2を掛けた理想的な線幅(L0×L0からなる1画素の外接円の径)を理想的な線幅としている。 【0038】したがって、1200dpiモードにおける2ドットラインの線幅をL1(μm)とすると、L1は少なくとも30(=L0)μm<L1<90(=L0×3)μmの範囲に入ることが望ましいと考えられる。 【0039】そこで、1200dpiモードにおける2ドットラインの線幅L1と600dpiモードにおける1ドットラインの線幅L2(μm)を測定し、解像性能を調べると共に、レーザーパワーと現像バイアスとを種々変更して、1200dpiモードにおける2ドットラインの線幅L1の値を、30μm<L1<90μm、L1≦30μm、90μm≦L1の3つの条件で作成し、1200dpiモードの2ドットラインの線幅L1と600dpiモードでは1ドットラインを線幅L2と解像性能との関係を調べた。表1に、その結果を示す。 【0040】 【表1】
【0041】実験では、例えば、1200dpiモードでL1=45μmとなる条件下の白抜きライン再現性と、600dpiモードでL2=70μmとなる条件下でそれぞれの解像性能を評価すると同時に、1200dpiモードの方が解像性能が向上しているかどうかを判断した。 【0042】実際に1200dpiモードにて印字した場合において、L1が30μm以下になったり、逆に90μm以上となった場合は、1200dpiの画像として満足のいく画質が得られなかった。L1が30μm以下の場合、十分な画像濃度が得られず、また1本のラインにならずに途切れる等の問題も発生した。逆に、90μm以上になると、解像性能を評価するパターンにおける白抜き部が潰れてしまい、1200dpiモードの画像として十分な解像性能が得られなかった。このL1の条件は、解像度600dpiにおける1ドットラインの線幅であるL2についても同様であった。 【0043】即ち、以上のことより、1200dpiモード及び600dpiモードの何れにおいても良好な画質とするための線幅の条件は、1200dpiモードの2ドットラインの線幅L1と、600dpiモードの1ドットラインの線幅L2とが、上記表1で『○』が付されている条件下にあることが必要であることがわかった。表1で『○』となる条件とはつまり、30μm<L1≦L2<90μmの範囲内に入るよう制御することである。 【0044】また、良好な画質とするためのもう一つの条件であるベタ画像の濃度は、従来より1200dpiモード及び600dpiモード共に1.3以上とすることが知られている。 【0045】したがって、以上のことを整理すると、1200dpiモードの2ドットラインの線幅L1と、600dpiモードの1ドットラインの線幅L2とが、30μm<L1≦L2<90μmを満足し、かつ、ベタ画像の濃度が1200dpiモード及び600dpiモード共に1.3以上得られるようにすることで、常に1200dpiモードの方が良好な解像性能を有しながら、1200dpiモードも600dpiモード共に各解像度に合った満足のいく良好な画質が得られることがわかった。 【0046】次に、1200dpiモード及び600dpiモード共にベタ画像の濃度を1.3以上とするための条件を探るべく、現像電位差ΔVと画像濃度との関係を調べた。現像電位差ΔVとは、現像バイアスDVB (V)と、静電潜像担持体1にベタ画像書き込みを行った時の露光電位VL (V)との電位差の絶対値である。また、このとき、静電潜像担持体1の感度定数の違いによる影響の有無を確かめるために、静電潜像担持体1の感度定数も割り振った。 【0047】図2に、得られたΔVと画像濃度との関係を示す。図2より、1200dpiモードと600dpiとでは、画像濃度1.3を満足する△Vに差があることがわかる。この差は、1200dpiモードと600dpiモードとでは、後者の方が静電潜像担持体1の速度が2倍となり現像時間が低下したことによる影響が大きいためと想定される。 【0048】また、このようなΔVと画像濃度との関係は、静電潜像担持体1の感度定数が0.0008J/m2 〜0.0024J/m2 内であれば、感度定数によらないことも併せて確認した。 【0049】つまり、感度定数が0.0008J/m2 〜0.0024J/m2 内であれば、画像濃度は、静電潜像担持体1の速度とΔVによって決定され、図2より、ベタ画像の濃度1.3以上を得ようとすると、1200dpiモードでは、ΔVとして220(V)以上、より好ましくは230(V)以上必要であり、600dpiモードでは、ΔVとして280(V)以上、より好ましくは300(V)以上必要であることがわかる。 【0050】ここで、静電潜像担持体1の感度について説明しておく。静電潜像担持体1の感度とは即ち、静電潜像担持体1の有する感光体の感度であって、下記の式(1)における感度定数wtによって決定され、この感度定数によって静電潜像担持体1に光が照射された時の表面電位の減衰状態が変化する。 【0051】 VV =(VD −VL )e-w/wt +VL …(1) VV :静電潜像担持体の表面電位(V) VD :静電潜像担持体の初期帯電電位(V) VL :静電潜像担持体の飽和露光量が与えられて減衰した電位(V) w:静電潜像担持体への露光エネルギー(J/m2 ) wt:静電潜像担持体の感度定数(J/m2 ) 高感度であるほど、感光体の光放電特性(PIDC)は急峻な曲線を描き、小さな露光エネルギーに対して電位減衰が速い。反対に、低感度であるほど、感光体の光放電特性は緩やかな曲線を描き、少ない露光エネルギーでは電位減衰せず、多くの露光エネルギーを必要とする。 【0052】次に、上記線幅L1,L2が、30μm<L1≦L2<90μmを満足するための条件を探るべく、上記L1,L2と、ΔV、光書込み部6のレーザーパワーP(mW)、及び静電潜像担持体1の感度定数との関係を調べた。 【0053】調べるにあたり、上記で得られた静電潜像担持体1の感度定数0.0008J/m2 〜0.0024J/m2 をさらに割り振り、また、レーザーパワーPを種々変化させた。 【0054】図3、図4に、上記L1,L2と、ΔV、レーザーパワーP、及び静電潜像担持体1の感度定数との関係を示す。 【0055】図3は、静電潜像担持体1の感度定数wtが0.0016J/m2 <wt≦0.0024J/m2 である場合の、上記L1及びL2と、ΔV、レーザーパワーPとの関係を示す図である。 【0056】図3より、感度定数がこの範囲に入る場合、L1,L2は、それぞれのΔVと、レーザーパワーPとの関係から以下の近似式で表すことができることがわかった。 【0057】 L1=0.202×ΔV1+213×P1−3L2=0.120×ΔV2+163×P2−8ΔV1:1200dpiモードにおけるΔV(V) ΔV2:600dpiモードにおけるΔV(V) P1:1200dpiモードにおけるレーザーパワー(mW) P2:600dpiモードにおけるレーザーパワー(mW) したがって、先に求めたベタ画像の濃度1.3以上とするための条件と合わせると、静電潜像担持体1の感度定数wtが0.0016J/m2 <wt≦0.0024J/m2 である場合、上記線幅L1,L2が、30μm<L1≦L2<90μmを満足するための条件は、30μm<0.202×ΔV1+213×P1+5≦0.120×ΔV2+163×P2<90μmかつ、ΔV1≧220(V) ΔV2≧280(V) となる。 【0058】また、図4は、静電潜像担持体1の感度定数wtが0.0008J/m2 ≦wt≦0.0016J/m2 である場合の、上記L1及びL2と、ΔV、レーザーパワーとの関係を示す図である。 【0059】図4より、感度定数がこの範囲に入る場合、L1,L2は、それぞれのΔVと、レーザーパワーPとの関係から以下の近似式で表すことができることがわかった。 【0060】 L1=0.154×ΔV1+368×P1+15L2=0.084×ΔV2+70×P2+49ΔV1,ΔV2,P1,P2:同上したがって、先に求めたベタ画像の濃度1.3以上とするための条件と合わせると、静電潜像担持体1の感度定数wtが0.0008J/m2 ≦wt≦0.0016J/m2 である場合、上記線幅L1,L2が、30μm<L1≦L2<90μmを満足するための条件は、30μm<0.154×ΔV1+368×P1−34≦0.084×ΔV2+70×P2<90μmかつ、ΔV1≧220(V) ΔV2≧280(V) となる。 【0061】図1に示した本画像形成装置1においては、上記した条件に合うように、静電潜像担持体1の感度定数、光書込み部6のレーザーパワー、現像器3による現像バイアスを適正値に設定している。これにより、磁気ブラシによる掻き取り効果によって精細画像の出にくい2成分現像剤を用いた画像形成装置であって、また、解像度の切り換えにより、印字速度を上げることのできる画像形成装置でありながら、各解像度で十分な画像濃度を得つつ、1200dpiモードといった高解像度でも画質維持が可能となる。 【0062】また、静電潜像担持体1の感度定数、光書込み部6のレーザーパワー、現像器3による現像バイアスの組合せ以外に、露光条件と現像条件との組合せを適正値に設定することでも上記した条件に合うように画像形成プロセス部を設計できる。つまり、露光条件であるレーザーパワーを0.01mW以上0.1mW以下、かつ、現像条件である上記ΔVを|200|V以上|800|V以下の範囲で適正値に設定することでも実現できる。 【0063】 【発明の効果】本発明の画像形成装置は、以上のように、画像形成プロセス部は、第1解像度及び第2解像度における各ベタ画像の濃度が1.3以上を呈し、かつ、第1解像度における2ドットライン顕像のライン幅をL1(μm)、第2解像度における1ドットライン顕像のライン幅をL2(μm)、第1解像度における1ドットライン顕像の理論的線幅をL0(μm)とすると、上記L1,L2,L0が、L0×√2<L1≦L2<L0×√2×3の関係を満たすように設計されている構成である。 【0064】これにより、高解像度の第1解像度モードでは、印字速度は遅いものの第2解像度モードよりも高画質の画像を出力でき、一方、低解像度の第2解像度モードでは、第1解像度モードに比べて解像度が低い分画質は劣るものの、高速で画像を出力できるといった、解像度の切り換えが可能となる。 【0065】その結果、解像度の切り換えにて画質上のみならず、画像を得るまでに要する時間上でのメリットを有し、しかも各解像度で解像度に合った良好な画像を得ることのできる優れた画像形成装置を提供できるといった効果を奏する。 【0066】第1解像度が1200dpi、第2解像度が600dpiである場合は、ベタ画像濃度が1.3以上得られ、かつ、上記L1,L2が、30μm<Ll≦L2<90μmの関係を満たすように画像形成プロセス部を設計することで、上記した本発明の画像形成装置を実現できる。 【0067】そして、ここで言う画像形成プロセス部の設計とは、具体的に言うと、静電潜像担持体の感度や静電潜像を形成する時の露光条件、静電潜像を現像する時の現像条件といった作像条件を上記した関係式を満足するように設定することである。 【0068】詳細には、1200dpiでの露光手段の露光出力をP1(mW)、1200dpiでの現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV1(V)、600dpiでの露光手段の露光出力をP2(mW)、600dpiでの現像手段における現像バイアスとベタ画像形成時の静電潜像担持体の電位との差の絶対値をΔV2(V)とすると、ΔV1≧220(V),ΔV2≧280(V)であって、かつ、静電潜像担持体の感度定数wtが0.0016J/m2 <wt≦0.0024J/m2 である場合は、30μm<0.202×ΔV1+213×P1+5≦0.120×ΔV2+163×P2<90μmの関係が成り立つように、また、静電潜像担持体の感度定数wtが0.0008J/m2 ≦wt≦0.0016J/m2 である場合は、30μm<0.154×ΔV1+368×P1−34≦0.084×ΔV2+70×P2<90μmの関係が成り立つように、例えば現像バイアスや露光出力等を設定することで、上記した本発明の画像形成装置を実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月15日(2000.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080034 【弁理士】 【氏名又は名称】原 謙三
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| 【公開番号】 |
特開2001−265071(P2001−265071A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−72655(P2000−72655) |
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