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【発明の名称】 画像読取装置
【発明者】 【氏名】山形 高史

【要約】 【課題】ADFとFBSの2つの機能を設けた画像読取装置において、ADFの原稿搬送装置に対して開口部を配置し、前記開口部をプラテンカバーの弾性体を着脱可能に設け、前記開口部を容易に開き得るようにする。

【解決手段】プラテンカバー10にはプラテンガラスに対する面に白フィルム15を貼付けた弾性体11を配置し、前記弾性体11をプラテンカバー10に貼付け、フレーム32の開口部32aに対する部分に対しては、支持プレート部材17を配置し、ADFの固定フレーム32に設けた係止部材18に係止する。そして、ADFの原稿搬送装置の下部の部材に対するメンテナンス等の際には、前記支持プレート部材17を係止部材から外して開口を形成し、その開口部32aを介して行い得るようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動原稿搬送装置を備えたプラテンカバーを含む画像形成装置において、前記プラテンカバーの裏面に前記自動原稿搬送装置に対応する部分を除いて弾性体を貼り付け、前記フィルム部材の前記自動原稿搬送装置に対応する部分は、支持板を介して前記プラテンカバーの裏面に着脱可能に取付けられていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】 前記支持板は、プラテンカバーに設けた係止部材により係止することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】 前記係止部材は、プラテンカバーに一体に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットベッドスキャナーと自動原稿搬送装置を合わせて構成する画像読取装置に関し、特に、プラテンカバーの裏面に配置された弾性体を容易に剥離可能な装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置や電子写真複写機または、複数の機能を有する複合機として構成される画像形成装置では、原稿の画像を読み取るための画像読取装置を設けている。前記画像読取装置は、プラテンガラス上に原稿をセットして、前記プラテンガラスの下面を移動する読取り装置により読み取る形式の、いわゆるフラットベッドスキャナー(FBS)と、自動原稿搬送装置(以下「ADF」と呼ぶ)とを組み合わせて構成した装置が用いられる。前記ADFでは、原稿トレイに複数枚の原稿をセットし、原稿を1枚ずつ読取部に向けて搬送しながら、画像の読取りを行うことができる。そして、前記ADFとFBSの2つの読取り機構を、プラテンカバーに配置することで、シートものの原稿と、ブックものの原稿とを任意に読み取ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記ADFとFBSとを組み合わせて配置する画像読取装置においては、装置のサイズをできるだけ小さくするために、FBSのプラテンカバー部分の一側部に、ADF機能の一部を配置することが求められる。前記プラテンカバーのプラテンガラスの上部分で、原稿を押圧する部分には白フィルムが配置されており、前記プラテンカバーの裏面には弾性体(スポンジ)が貼り付けられている。そして、前記ADFがプラテンカバーの弾性体の部分にかかっている状態に構成される場合に、前記ADFの排出ローラ装置等に対するメンテナンスを行う際には、プラテンカバーの裏面に弾性体を貼り付けている両面テープ等を剥がしてから行う必要がある。ところが、前記弾性体をプラテンカバーの裏面から剥がそうとする場合、プラテンカバーに貼り付けられているスポンジが損傷するという問題が発生するので、そのような問題に対する解決策が求められている。
【0004】本発明は、前記プラテンカバーの裏面から弾性体を剥がしてADFのメンテナンスを行う際の問題を解消するもので、弾性体の損傷を防止でき、容易に開口部を露出させ得る弾性体の支持手段を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動原稿搬送装置を備えたプラテンカバーを含む画像形成装置に関する。本発明の請求項1の発明は、前記プラテンカバーの裏面に前記自動原稿搬送装置に対応する部分を除いて弾性体を貼り付け、前記フィルム部材の前記自動原稿搬送装置に対応する部分は、支持板を介して前記プラテンカバーの裏面に着脱可能に取付けられていることを特徴とする。したがって、前記支持板を介して弾性体をプラテンカバー裏面に配置することにより、ADFの排出ローラ装置のメンテナンス等を行う際に、前記支持板を着脱することによって、白フィルムや弾性体としてのスポンジが傷付けられることを防止でき、排出ローラ装置のメンテナンス性が向上する。
【0006】請求項2の発明は、前記支持板は、プラテンカバーに設けた係止部材により係止することを特徴とする。そして、ADFのメンテナンスに際して、簡単に支持体が脱着できる。請求項3の発明は、前記係止部材は、プラテンカバーに一体に形成されることを特徴とする。したがって、プラテンカバーに装備する部品の点数が増加することを防止でき、プラテンカバーの構成を簡素化できる。
【0007】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発明の画像読取装置の構成を説明するが、最初に、本発明のシート搬送装置を組み込むADFの構成を、図1ないし図3にしたがって説明する。図1に示す画像読取装置1は、FBS(フラットベッドスキャナ)機能に対応させたプラテン3と、ADF(自動原稿搬送装置)機能に対応させたプラテン4とを本体フレーム2の上部に配置しており、前記本体フレーム2の内部に移動可能なスキャナー装置5を設けている。前記スキャナー装置5をFBSに対応させて用いる場合には、図示を省略した駆動手段により定速で移動しながら、プラテン4の上にセットした原稿の画像を読取る。また、ADF機能を用いる場合には図の仮想線で示した位置にスキャナー装置5を固定し、ADF機能を用いて搬送される原稿の画像を読み取るようにする。
【0008】前記スキャナー装置5には、原稿の画像面を照射するランプ6と図示を省略する複数のミラーと、CCD8に光を結像させるレンズ7とを配置しており、前記CCD8により光信号をデジタル信号に変換して、画像読取装置の画像信号処理手段にその信号の伝達を行う。前記画像読取装置に伝達される前記画像信号は、複写機の記録部において、感光体に対する画像書込み信号として用いることの他に、ファクシミリ機能を設けた画像形成装置の場合には、電話回線を通して他のファクシミリ装置に向けて送信することも可能である。
【0009】前記本体フレーム2の上部にはプラテンカバー10とADF装置20とを一体に組み合わせて、本体フレームのリヤ側端部に配置したヒンジ手段(図示を省略)を介して開閉可能に設けている。そして、前記FBS機能を用いる際には、プラテン3上に原稿をセットしてプラテンカバー10の弾性体11により押圧し、画像面をプラテン3上に密着させて画像の読取りを行わせる。また、前記プラテンカバー10の上面には排出トレイ13を配置し、その排出トレイ13の上部には原稿トレイ12を設けて、前記排出トレイ13と原稿トレイ12とをADF装置20に対応させて設けている。前記ADF装置20は、原稿トレイ12に接続される原稿挿入口14から、プラテン4に至る原稿搬送路としての直線路に接続する湾曲原稿搬送路27と、読取部から排出トレイ13に至る排出路28を設けており、前記原稿搬送路内での原稿の搬送のためのローラ装置を設けている。前記湾曲原稿搬送路27は、上部フレーム35の外側ガイド37と、中央部固定フレーム40の上ガイド板42により形成されるもので、排出路28は固定フレーム32と、揺動フレーム45の下ガイド板47とにより形成される。
【0010】前記原稿搬送路に配置するローラ装置は、原稿挿入口14に対して配置するピックアップローラ21と用紙さばき装置22、搬送ローラ装置23およびプラテン4の上下流部に配置する2つの読取ローラ装置24、25、排出口に設けた排出ローラ装置26とから構成される。そして、前記ピックアップローラ21により原稿トレイ12から原稿を取り込み、用紙さばき装置22のフィードローラ22aと、リタードローラ22bの間で用紙さばき作用を行い、1枚に分離した原稿を原稿搬送路に向けて送り込む。前記湾曲原稿搬送路27では、原稿を搬送ローラ装置23により読取ローラ装置24に向けて搬送し、プラテン4の下流部に配置する読取ローラ装置25との間で原稿を定速で搬送しながら、プラテン4の位置に固定されているスキャナー装置5により画像の読取りを行う。読取りが終了した原稿は、前記読取ローラ装置25により排出ローラ装置26に送られ、前記排出ローラ装置26により排出トレイ13に排出される。
【0011】前記ADF装置20は、図2、3に示すように構成されているもので、図2には図1と同様に、ADF装置20を使用状態に組み立てたものを、図3には各構成部材を揺動させた状態の説明図として示している。前記ADF装置20においては、本体フレームの上部でプラテン4の両側に配置される固定フレーム30と排出ガイド34に対して、上部の各構成部材が揺動可能に設けられている。前記揺動部材のうち、最上部に位置される上部フレーム35は、支軸36を中心にして反時計方向に揺動可能であり、前記上部フレーム35の内面には湾曲原稿搬送路27の外側ガイド37が設けられる。また、前記上部フレーム35の上面には、上部カバー38が図示を省略する接続手段を用いて着脱可能に配置されており、前記上部カバー38を上部フレーム35から取り外すことにより、上部フレーム35に設けているローラ装置等に対するメンテナンスを、装置の上部から行い得るようにする。
【0012】図3に示すように、前記ADF装置20においては、原稿搬送路の内側ガイド板42を設ける中央部固定フレーム40は、読取ローラ装置24の駆動ローラ24bの軸41を入力軸として設けている。前記中央部固定フレーム40の他端部には、揺動フレーム45を支軸46を介して揺動可能に設けている。前記支軸46は搬送ローラ装置23の駆動ローラ23bの軸を用いていることができるもので、前述したようにして、読取ローラ装置24の駆動軸24bに対して、中央部固定フレーム40に配置される入力軸41から駆動伝達系(図示を省略)を介して、揺動フレーム45の駆動軸46に駆動伝達し、前記揺動フレーム45に設けている用紙さばき装置のリタードローラ22bを駆動するようにしている。
【0013】また、前記入力軸41には、読取部に設けるプラテン4に対して原稿を案内するために、ガイド板44を配置するが、前記ガイド板44は前記入力軸41を介して揺動可能に設けられた揺動ガイド部材43に設けられている。前記揺動ガイド部材43は、図2にも示されるように、入力軸41に対してねじりコイルバネ(図示を省略)によりプラテン4に対して揺動可能に支持されている。そして、ガイド部材43の側端部に設けられた突起(図示を省略)により、原稿搬送路を確保している。図3に示すように、前記揺動ガイド43はプラテン4から離間できるが、前記コイルバネでプラテン4側に付勢されているので、自由度が制限される状態に設けられている。したがって、前記揺動ガイド部材43が図2に示されるように、動作位置にセットされた状態では、ガイド板44がプラテン4に対して離接可能な状態に支持される。
【0014】前記読取部のプラテン4の下流部に配置される読取ローラ装置25においては、固定フレーム32にピンチローラ25aを配置し、ADF装置のフレームの固定位置に配置する駆動軸51を介して、駆動ローラ25bを配置している。前記駆動軸51には、ガイド板52を設けた排出側ガイド部材50を揺動可能に支持しているもので、図3に示すように、排出側ガイド部材50を駆動軸51を中心にして揺動させることにより、プラテン4の上面を開放できるようにする。
【0015】なお、前記中央部固定フレーム40に対して、入力軸41を中心に揺動可能な揺動ガイド部材43は、図の鎖線で示す動作位置から、実線で示す揺動位置との間で揺動可能である。また、固定フレーム32に対応させて配置している排出側ガイド50は、図の鎖線で示す動作位置から、実線で示す開かれた位置との間で揺動可能に設けられ、前記揺動ガイド43と排出側ガイド50をそれぞれ揺動させた状態で、原稿のジャム処理や、プラテン4の周囲の部材に対するメンテナンス等を行うことができるようにする。さらに、前記排出側ガイド部材50に設けたガイド板52は、前記揺動ガイド部材43のガイド板44と組み合わせて、プラテン4上を移動する原稿の上面に対する案内作用を行い、排出路に向けて案内できるように構成することができる。
【0016】前記図2、3に示すように、ADF装置20においては、湾曲原稿搬送路27内部で用紙搬送作用が良好に行われない時には、上部フレーム35を支軸36を中心にして開放することにより、ジャム紙の除去等の動作を行うことができる。また、プラテン4に対する読取部や排出路28での用紙のジャム等に際しては、上部フレーム35を開いてから、図3に示すように、中央部固定フレーム40に対して揺動フレーム45を支軸46を中心に、反時計方向に大きく揺動させて開放する。さらに、排出側ガイド部材50を駆動軸51を中心にして開放することにより、任意のメンテナンスを行うことができる。そして、ジャム紙の除去や、ローラ装置に対するメンテナンスが終了すれば、各構成部材を図2に示すように組み合わせて設定することで、ADF装置20を使用可能な状態に戻すことができる。
【0017】前述したように構成された装置において、プラテンカバー10に設けた弾性体11の下面(原稿押圧面)には、白フィルム15が貼付けられており、前記白フィルム15により原稿の裏面をカバーすることで、原稿の背景に汚れが生じないようにしている。そして、FBS機能を用いて原稿の画像を読み取る際には、プラテン3にセットした原稿を、前記所定の厚さを有する弾性体11を介して、白フィルム15により押圧することにより、読取り作用を良好に行い得るようにしている。
【0018】なお、前述したように構成してなるADF20において、原稿搬送路の上部の搬送ローラ等に対するメンテナンスは、前記図3に示すようにして、各フレームを開くことにより行い得るものである。ところが、原稿搬送路の下部の固定フレーム32に配置するローラ部材に対しては、前記図3のように、各フレームを開いた状態で、上方からメンテナンスを行うことができないという問題がある。そこで、本実施例においては、図4、5に説明するように、プラテンカバー5と一体成形した固定フレーム32の下面に開口部32aを設け、プラテンカバー10とADF20とをリヤ側のヒンジを介して一体に揺動させる。この状態で弾性体11のADF側の端部を係止部材18から係止を解除することにより、前記開口部32aが露出するようにして、メンテナンス作業を行い得るように構成する。
【0019】図4にはプラテンカバー10の底面図を、図5には図4のX−X線での断面図を示しているもので、前記図4、5に示すように、プラテンカバー10の下面の原稿の裏面に対応する位置に配置する白フィルム材15は、弾性体11の下面(プラテン側の面)に一体に設けている。また、前記弾性体11のADF側の一辺部に支持プレート部材17を設け、前記支持プレート17により開口部32aを覆うようにして弾性体11および白フィルム15を支持している。そして、前記白フィルム15にたるみが生じないように保持される。
【0020】前述したように弾性体11および白フィルム15のADF側に、支持プレート部材17を介して形成し、前記支持プレート部材17が固定フレーム32の開口部32aを覆うようにしたことにより、プラテンカバー10と一体に設けられたADF装置20をリヤ側のヒンジを介して揺動させて、支持プレート部材17の係止部材18に対する係止状態を解除して、前記開口部32aを露出するようにし、固定フレーム32に配置するローラ等のメンテナンス等の作業を行うことができる。そして、前記メンテナンスが終了すると、白フィルム15の端部の支持プレート部材17を係止部材18に係止して、前記フィルム部材16をたるみが生じないように取付け、FBS機能を用いた原稿の読取りの動作に対処させることができる。
【0021】なお、前記係止部材18に係止・保持させる支持プレート部材17が、その端部で弾性体11および白フィルム15を緊張させる状態に保持するために、前記支持プレート部材17は係止部材18に対して移動不能な状態に保持させることが要求される。そこで、例えば、係止部材18のプレート係止部に、スプリングで付勢されるボール等の任意の係止手段を設けておき、支持プレート部材17を係止した際に固定できるようにすることで、弾性体11および白フィルム15にたるみが生じないようにすることができる。また、前記支持プレート部材17に対する係止保持手段としては、布ファスナー等のような、従来公知の着脱可能な任意の係止手段を設けることもできる。
【0022】
【発明の効果】本発明の装置は、前述したように構成したものであるから、プラテンカバーの裏面に白フィルムを貼り付けて設け、前記白フィルムの前記自動原稿搬送装置に対応する部分に、支持板を取付けたことにより、ADFの排出ローラ装置のメンテナンス等を行う際に、前記支持板を介してフィルム部材を着脱するので、フィルム部材やスポンジが傷付けられることを防止でき、排出ローラ装置等のメンテナンス性が向上される。また、前記支持板は、プラテンカバーに設けた係止部材により係止するので、ADFのメンテナンスに際して、簡単にフィルム部材とともに弾性体を脱着できる。さらに、前記係止部材は、プラテンカバーに一体に形成されることから、プラテンカバーに装備する部品の点数が増加することを防止でき、プラテンカバーの構成を簡素化できる。
【出願人】 【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
【出願日】 平成12年3月22日(2000.3.22)
【代理人】 【識別番号】100089288
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 紘
【公開番号】 特開2001−265070(P2001−265070A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−79566(P2000−79566)