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【発明の名称】 静電潜像現像用キャリアおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】山口 公利

【氏名】小番 昭宏

【氏名】松田 浩明

【要約】 【課題】高画質で現像能力が高く、寿命が長く、白ポチの発生もなく、帯電量の放量低下が少ない静電潜像現像用キャリアを提供する。

【解決手段】樹脂被覆層に導電性微粉末および10量体以下のストレートシリコーンオイル、例えばメチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイルを含有するキャリアである。さらに、樹脂被覆層の膜厚が1.0μm以下、ストレートシリコーンオイルの含有比率が樹脂固形分に対して2000ppm以下、被覆層樹脂がシリコーン系樹脂である。又、樹脂被覆層にアミノシランカプリング剤を含有することもある。製造法としては、導電性微粉末をストレートシリコーンオイル中に混合・分散させた後、それらをコート用樹脂液中に分散させ、キャリア芯材に塗付する。又、100〜400℃で加熱焼成し、残留ストレートシリコーンオイルを低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂被覆層に導電性微粉末および、10量体以下のストレートシリコーンオイルを含有することを特徴とする静電潜像現像用樹脂被覆キャリア。
【請求項2】 ストレートシリコーンオイルが、メチルフェニルシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用樹脂被覆キャリア。
【請求項3】 ストレートシリコーンオイルが、ジメチルシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用樹脂被覆キャリア。
【請求項4】 樹脂被覆層の膜厚が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用樹脂被覆キャリア。
【請求項5】 ストレートシリコーンオイルの含有比率が樹脂固形分に対して、2000ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用樹脂被覆キャリア。
【請求項6】 被覆層樹脂がシリコーン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用キャリア。
【請求項7】 樹脂被覆層に、アミノシランカプリング剤を含有することを特徴とする請求項1または、請求項6記載の静電潜像現像用キャリア。
【請求項8】 導電性微粉末をストレートシリコーンオイル中に混合・分散させた後、それらをコート用樹脂液中に分散させ、キャリア芯材に塗付することを特徴とする静電潜像現像用キャリアの製造方法。
【請求項9】 100℃以上400℃以下の雰囲気で加熱焼成し、樹脂被覆層に残留するストレートシリコーンオイルを低減する請求項8記載の静電潜像現像用キャリアの製造方法。
【請求項10】 請求項1記載の静電潜像現像用キャリアを用いて交流バイアスを印加する現像方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などに使用される乾式2成分現像剤用キャリアおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真システムは高速化、デジタル化およびカラー化などに対応する為に、高現像能力の現像システムが必要である。
【0003】現像方式には、トナーのみを使用する一成分現像方式と、キャリアを使用する二成分現像方式がある。現像領域へのトナーの供給能力などの理由から、特に高速機では二成分現像方式が使用される事が多い。
【0004】従来、高い画像濃度を出す為のプロセス条件としては、感光体の表面電位を上げる、現像スリーブの速度を上げる、現像ギャップ(感光体と現像スリーブ間距離)を狭くする、ACバイアスを印加するなどが知られている。これらのうち、感光体の表面電位を上げることは、感光体を通過する電荷量が多くなり、感光体の寿命に悪影響を与えるので、好ましくない。また、現像スリーブの速度を上げる方法は、トナー飛散を増加させたり、現像剤の寿命を縮める。
【0005】一方、二成分現像剤において、画像濃度を上げる為に、トナー濃度を上げること、トナー帯電量を低くすること、また、キャリアの低抵抗化などが行われている。
【0006】トナー濃度を上げたり、トナー帯電量を低くすると、トナーに対するキャリアの束縛力が小さくなり、現像領域にトナーが搬送されにくくなったり、地汚れやトナー飛散を生じ易く、システムの信頼性を落とすという課題があった。これらの中でキャリアの低抵抗化は、画像濃度を上げる方法として極めて有効な手段である。
【0007】低抵抗化する方法は、従来からいくつか検討されている。即ち、■芯材をコート処理せずに、ノンコートキャリアとして使用する■極めて薄い樹脂被覆層を形成する■コート層に低抵抗物質を分散させるなどである。■の場合には、トナースペントが発生し易い。■の場合には経時での膜削れ、剥がれなどの為に、帯電量の低下が起き易い。■は、抵抗制御範囲が広く、他の2つの方法に対して耐久性面で有利である。
【0008】しかしながら、充分な低抵抗化をはかる為には、抵抗調整材としては、実質的にはカーボン、磁性体および、金属粉など特定のものしか効果がなく、また、かなりの量を添加する必要があった。そのため、導電性微粉末の分散性改良が大きな課題であった。
【0009】この課題に対応するためのキャリアとして、コート層にシリコーンオイルを含有し、導電性微粉末の分散性を改良したキャリア(特開昭62−66268号)が提案されている。しかし、この様な構成のキャリアは長時間使用すると、シリコーンオイルが被覆層より離脱し、シリコーンオイルが接触物に移行し、異常画像を発生するなどの課題があった。
【0010】また、特開平3−46669号、特開平3−46670号、特開平3−46671号においては、それぞれ、エポキシ変性シリコーンオイル、末端反応性シリコーンオイル、および水酸基を有するシリコーンオイルを単体もしくは、樹脂に分散させて被覆処理したキャリアが検討されており、更に、特開平9−6056号ではアクリロニトリル共重合体にシリコーンオイルを含有させてキャリア芯材に塗布した後、加熱溶融させて成膜したキャリアが提案されている。しかし、いずれのタイプも充分とは言えず、繰り返し使用して行くと、トナー帯電量が低下する傾向や、それに伴うトナー飛散、および地汚れが起きていた。
【0011】また、導電性微粉末の分散が不均一だと、現像剤を作成した後、時間の経過と共に、現像剤の保管中にトナーの電荷が下がってしまう、更に、ACバイアス印加時には、キャリアの抵抗の低い部分からドラムに放電が起こり、ネガポジ現像の場合、ドラム電位が上昇して、白ポチ状の画像抜けが発生し易いという不具合があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以下の特性をもつキャリア、およびその製造方法を提供することである。
■高画質で現像能力が高い■現像剤寿命が長い(経時のトナー飛散がない)
■ACバイアス印加時の白ポチ発生の防止■帯電量の放置低下が少ない【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目的を達成するための手段を鋭意検討した結果、次の手段により達成可能なことが分かった。即ち、樹脂被覆層に導電性微粉末、および10量体以下の低分子量タイプストレートシリコーンオイルを含有するキャリアである。
【0014】10量体以下の低分子量タイプのストレートシリコーンオイルは、25℃での粘度が5センチストークス以下と粘度が低いため、導電性微粉末と塗布液と充分混合され、被覆層内での導電性微粉末の分散性が非常に良好となる。かつ、沸点が低いため、製造後の被覆層に残留するストレートシリコーンの量が、著しく少なくなり、前記の課題が改善されたと考えられる。
【0015】ストレートシリコーンオイルとは下記一般式で表わされる、(I)メチルハイドロジェンシリコーンオイル、(II)メチルフェニルシリコーンオイルおよび、(III)ジメチルシリコーンオイルなどが含まれる。
【0016】
【化1】

(Xは、CH3、H、およびC6H5であり、0≦m≦3、0≦n≦3で表わされる。また、0≦z≦8である。
【0017】また、【化2】

は環状体でも良い。
【0018】(I)、(II)、および(III)の具体的構造式の例を以下に示す。以下、Me=CH3、Ph=C6H5を示す。
【0019】
【化3】

【0020】
【化4】

【0021】
【化5】

【0022】
【化6】

【0023】被覆層に含有されているシリコーンオイルの量の分析は、溶媒で抽出してガスクロマトグラフィーなどで測定し、求めることができる。
【0024】ストレートシリコーンオイルが、メチルフェニルシリコーンオイルであると、樹脂被覆層をもつキャリアは、導電性微粉末の分散性が一段と改良される。
【0025】ストレートシリコーンオイルが、ジメチルシリコーンオイルであると、樹脂被覆層をもつキャリアは、導電性微粉末の分散性が一段と改良される。
【0026】請求項2、3、および4に示した、ストレートシリコーンオイルは、いずれも100℃〜400℃で加熱焼成(必要によっては減圧吸引)することによって、樹脂被覆層中の残留量を大幅に低減できる。
【0027】樹脂被覆層の膜厚はあまり薄いと、ストレートシリコーンオイルによる、導電性微粉末の分散効果がえられず、また余り厚いと、被覆層のオイルを低減できなくなるので、0.1〜1.0μmが好ましい。
【0028】樹脂被覆層のオイル残留量は、好ましくは樹脂固形分に対して3000ppm以下であり、より好ましくは2000ppm以下である。
【0029】本発明で使用できる、導電性微粉末は以下のようなものがある。導電性ZnO,Al等の金属粉、各種の方法で作られたSnO2および、種々の元素をドープした、SnO2ホウ化物例えばTIB2、ZnB2、MoB2、炭化ケイ素、および導電性高分子(ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)ポリピロール、ポリエチレン、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなど)等がある。
【0030】本発明では、被覆用樹脂として、以下のものを単独または、シリコーン樹脂と混合して使用することが可能である。即ち、例えば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0031】本発明の被覆樹脂として使用できる、シリコーン樹脂としては、下記一般式で表される繰り返し単位を含むシリコーン樹脂が挙げられる。
【0032】
【化7】

(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基またはC1〜C4の低級アルキル基または、フェニル基を表す。)
【0033】ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などがある。
【0034】また、変性シリコーンの例としては、エポキシ変性:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性:KR−5203、アルキッド変性:KR−206、ウレタン変性:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性:SR2115、アルキッド変性:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)などがある。
【0035】本発明で使用することが出来るキャリア芯材としては、従来より公知のものが使用できる。例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどが挙げられる。
【0036】本発明の被覆樹脂の形成方法は、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。
【0037】樹脂被覆層にアミノシランカプリング剤を含有させることにより、より帯電安定性の良好なキャリアが得られる。アミノシランカップリング剤の例としては下記のものが挙げられる。
【0038】
【化8】

【0039】
【化9】

【0040】
【化10】

【0041】(トナー用樹脂)本発明で使用されるトナー用樹脂としては、特に限定されるものではないが、次に示すモノマーを1種以上使用した重合体である。
【0042】即ち、スチレンおよびその誘導体、たとえば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレンの如きアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレンのごときハロゲン化スチレン、更にニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレンなどが挙げられる。
【0043】また、付加重合性不飽和カルボン酸、即ち、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸のごとき付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸、または、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸のごとき付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。また、カルボン酸の金属塩化したものも用いることができ、この金属塩化は重合終了後に行うことが出来る。
【0044】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸とアルキルアルコール、ハロゲン化アルキルアルコール、アルコキシアルキルアルコール、アラルキルアルコール、アルケニルアルコールのごときアルコールとのエステル化物などが挙げられる。そして、上記アルコールの具体例としてメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコールのごときアルキルアルコール;これらアルキルアルコールを一部ハロゲン化したハロゲン化アルキルアルコール、;メトキシエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、メトキシプロピルアルコール、エトキシプロピルアルコールの如きアルコキシアルキルアルコール;ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコールの如きアラルキルアルコール;アリルアルコール、クロトニルアルコールの如きアルケニルアルコールが挙げられる。
【0045】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸より誘導されるアミドおよびニトリル;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレンのごとき脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭化ビニル、よう化ビニル、1、2−ジクロルエチレン、1、2−ジブロムエチレン、1、2−ジヨードエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロペニル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリデンのごときハロゲン化脂肪族オレフィン、;1、3−ブタジエン、1、3−ペンタジエン、2−メチル−1、3−ブタジエン、2、3−ジメチル−1、3−ブタジエン、2、4−ヘキサジエン3−メチル−2、4−ヘキサジエンのごとき共役ジエン系脂肪族ジオレフィンが挙げられる。
【0046】更に酢酸ビニル類、ビニルエーテル類、;ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリドンなどの含窒素ビニル化合物が挙げられる。
【0047】(CCA)トナーの摩擦帯電性を充分に制御する目的で、いわゆる極性制御剤、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸およびその塩、サリチル酸、ナフトエ塩、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe等の金属錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染料などを含有させることができる。
【0048】(トナー用着色剤)本発明に使用される着色剤としては、カーボングラック、ランプブラック、鉄黒、マグネタイトなどの磁性体、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイイエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、フロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
【0049】(トナー用離型剤)さらに、必要に応じて離形剤を添加してもよい。離型材料として、低分子量ポリプロピレン,低分子量ポリエチレン,カルナウバワックス,マイクロクリスタリンワックス,ホホバワックス,ライスワックス,モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるがこれらに限定されるものではない。特に、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス、酸化ライスワックス、フィッシャートロプシュワックスから選ばれる離型剤を用いた場合、離形性に優れ、熱ローラー、熱フィルムなどの接触型定着を使用した場合、定着部材温度の広い温度範囲で使用が可能となる。
【0050】(トナー用流動化剤)トナーが良好な画像を得るためには十分な流動性を付与し、転写抜けなどの異常のない良好な画像を得ることが肝要である。これには一般に流動性向上材として疎水化された金属酸化物の微粒子や、滑剤などの微粒子を外添することが公知であり、金属酸化物、有機樹脂微粒子、金属石鹸など下記のものを用いることが可能である。例えばテフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤或るいは酸化セリウム、炭化ケイ素などの研磨剤、或るいは例えば表面を疎水化したSiO2,TiO2等の無機酸化物などの流動性付与剤、ケーキング防止剤として知られるもの、および、それらの表面処理物などである。特に従来、流動性の向上効果においては疎水性シリカが好ましく用いられる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下本発明を、製造例、実施例、比較例を用いて説明する。以下において、は重量部を表す。
【0052】
製造例1:トナーAの作成 ポリエステル(重量平均分子量12000) 100部 カーボンブラック 5部 含クロムアゾ染料 2部【0053】上記の材料を、熱ロールで120℃で混練後、冷却固化した後、粉砕、分級して、体積平均粒径7.3μmのフルカラー用ブラックトナーを得た。更に、このトナー100部に対して、シリカR972(日本アエロジル社製)を、0.5部添加混合しトナーAを得た。
【0054】(キャリアの製造例)
キャリア製造例1:樹脂コートキャリアAの作成メチルメタアクリレート樹脂(分子量約30万)100部に対してカーボン(ライオン・アクゾ社製ケッチェンブラックEC−DJ600)5部、および、下記構造式で示される、メチルハイドロジェンシリコーンオイル2部を加え、トルエンを溶媒にしてボールミルで、2時間分散した。
【0055】この分散液を固形分が5wt%になるように希釈して、50μmのCu−Znフェライト芯材に塗布し、その後、排気装置の付いた120℃の雰囲気中で、2時間加熱焼成し、膜厚1.3μmの樹脂コートキャリアAを得た。
【0056】
【化11】

【0057】キャリア被膜中の、シリコーンオイルの残留量は、3700ppmであった。キャリア作成時、被覆樹脂固形分100部に対して、シリコーンオイルは2部(約20000ppm)だから、相対的な比率が約4分の1に減っていることが分かる。
【0058】キャリア製造例2:樹脂コートキャリアBの作成メチルメタアクリレート樹脂(分子量約30万)100部に対してカーボン(ライオン・アクゾ社製ケッチェンブラックEC−DJ600)5部、および、下記構造式で示される、メチルフェニルシリコーンオイル2部を加え、トルエンを溶媒にしてボールミルで、2時間分散した。
【0059】この分散液を固形分が5wt%になるように希釈して、50μmのCu−Znフェライト芯材に塗布し、その後、排気装置の付いた120℃の雰囲気中で、2時間加熱焼成し、膜厚1.3μmの樹脂コートキャリアBを得た。
【0060】
【化12】

【0061】キャリア製造例3:樹脂コートキャリアCの作成メチルフェニルシリコーンオイルを、下記のジメチルシリコーンオイルに変える以外は、製造例2と全く同じ方法で、膜厚1.3μmのコートキャリアCを作成した。
【0062】
【化13】

【0063】キャリア製造例4:樹脂コートキャリDの作成製造例3のジメチルシリコーンオイルを、重量平均分子量17000(200量体以上)のジメチルシリコーンオイルに変える以外は、製造例3と全く同じ方法で、膜厚1.3μmのコートキャリアDを作成した。
【0064】キャリア製造例5:樹脂コートキャリアEの作成膜厚を0.7μmにする以外は、製造例3と全く同じ方法で、樹脂コートキャリアEを作成した。
【0065】キャリア製造例6:樹脂コートキャリアFの作成膜厚を0.05μmにする以外は、製造例3と全く同じ方法で、樹脂コートキャリアFを作成した。
【0066】キャリア製造例7:樹脂コートキャリアGの作成焼成温度を190℃にする以外は、製造例5と全く同じ方法で、樹脂コートキャリアGを作成した。
【0067】製造例8:樹脂コートキャリアHの作成シリコーン樹脂(SR2411:トーレ・ダウコーニングシリコーン社製)の固形分100部に対して、カーボン(ライオン・アクゾ社製ケッチェンブラックEC−DJ600)5部、および、下記構造式で示される、ジメチルシリコーンオイル2部を加え、トルエンを溶媒にしてボールミルで、2時間分散した。
【0068】この分散液を50μmのCu−Znフェライト芯材に塗布し、その後、排気装置の付いた300℃の雰囲気中で、2時間加熱焼成し、膜厚0.7μmの樹脂コートキャリアHを得た。
【0069】
【化14】

【0070】製造例9:樹脂コートキャリアIの作成下記構造式で示されるアミノシランカップリング剤2部を加える以外は、製造例8と全く同じようにしてキャリアIを得た。
【0071】
【化15】

【0072】製造例10:樹脂コートキャリアJの作成下記構造式で示される、ジメチルシリコーンオイル2部を、カーボン(ライオン・アクゾ社製ケッチェンブラックEC−DJ600)5部、に加えてボールミルで、2時間分散した。
【0073】これを、シリコーン樹脂(SR2411:トーレ・ダウコーニングシリコーン社製)の固形分100部に投入し、混合攪拌しながら、50μmのCu−Znフェライト芯材に塗布した。その後、排気装置の付いた300℃の雰囲気中で、2時間加熱焼成し、膜厚0.7μmの樹脂コートキャリアJを得た。
【0074】
【化16】

【0075】キャリア製造例11:樹脂コートキャリアKの作成加熱焼成温度を70℃にする以外は、製造例3と全く同じ方法でキャリアJを作成した。
【0076】キャリア製造例12:樹脂コートキャリアLの作成加熱焼成温度を400℃にする以外は、製造例3と全く同じ方法でキャリアLを作成した。
【0077】
【化17】

【0078】実施例1キャリアA(95部)に対して、トナーA(5部)を加え、ボールミルで20分攪拌して、5wt%の現像剤を作成した。トナー帯電は、−17μc/gであった。
【0079】次に、イマジオDA355(リコー製デジタル複写機)を使用し、画像出しを行った。現像条件は、帯電電位(V)が−900Vであり、画像部にあたる部分の、露光部の電位が−100Vになるように設定した。
【0080】現像バイアス(Vb)を外部から印加し、Vbを変化させて、コピー後の画像濃度が1.5となる時の現像バイアスを求め、露光部電位(VL)から現像バイアス(VB)を差し引いて、Vp=(VL−VB)を計算して現像ポテンシャルVpとした。現像ポテンシャルが低いほど、現像能力のあることを示している。
【0081】結果は、Vp=550ボルトであった。地汚れなどの異常画像画像もなく、高画質であった。引き続きイマジオを使用して、2万枚のランニングを行った。2万枚後、帯電量は−12μc/gとなっていた。トナー飛散が少し発生していたが、概ね良好であった。
【0082】次に、後述の測定評価法(注2)に従って、ACバイアス現像方式における、白ポチ発生に対する余裕度試験を行った。その結果、550ボルトのポテンシャルが観察された。
【0083】現像剤を作成した後の、放置による帯電量低下を(注3)の方法で調べた。1ケ月後の帯電量低下は、4μc/gであった。
【0084】以下、同様の方法で、製造したキャリアBからキャリアLを使用して、測定評価法に述べた方法にしたがって、実施例2〜実施例8、および、比較例1から比較例4までの試験を行った。結果を、表1に示す。
【0085】
【表1】

【0086】(注1)現像ポテンシャルの評価:イマジオDA355(リコー製デジタル複写機)を使用し、画像試験を行った。現像条件は、帯電電位が−900Vであり、画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位(VL)が−100Vになるように設定した。現像バイアス(VB)は外部から印加し、Vbを変化させて、コピー後の画像濃度が1.5となる時の現像バイアスを求め、露光部電位(VL)から現像バイアス(VB)を差し引いて、Vp=(VL−VB)を計算して現像ポテンシャルVpとした。現像ポテンシャルが低いほど、現像能力のあることを示している。
【0087】(注2)ACバイアス現像における、白ポチ発生のポテンシャル評価:イマジオDA355(リコー製デジタル複写機)を使用し白ポチ発生試験を行った。現像条件は、帯電電位が−900Vであり、画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位(VL)が−100Vになるように設定した。現像バイアス(VB)は外部から印加し、4KHZの矩形波を用いた。バイアスの値は、AC電圧の積分平均値で表示した。VB変化させ、白ポチを発生させて、その時の現像バイアスを求め、露光後電位(VL)から現像バイアス電位(VB)を差し引いて、白ポチ発生ポテンシャルとした。(白ポチ発生ポテンシャルの大きいほど、余裕度があり、良好である。)
【0088】(注3)帯電量放置低下試験24℃、60%の環境でポリエチレンの容器に入れ、ふたをして密封した状態で、前記環境で保管し、1ケ月後の帯電量を測定し、初期剤との差(=帯電放置低下量(μc/g))を求めた。
【0089】(注4)抵抗は図1に示すセルを用いて測定した100ボルトを印加した時の、直流抵抗(LogR)は、10.6であった。図中、1はフッ素樹脂製容器、2は電極、3はキャリアである。
【0090】
【発明の効果】樹脂被覆層に導電性微粉末、および10量体以下のストレートシリコーンオイルを含有させ、更に、樹脂被膜中に残留するストレートシリコーンオイルの含有比率を低減させることによって、以下の特性をもつ二成分現像剤用の高信頼・高画質キャリア、およびその製造方法を提供することが可能となった。
■高画質で現像能力が高い■現像剤寿命が長い(経時のトナー飛散がない)
■ACバイアス印加時の白ポチ発生の防止■帯電量の放置低下が少ない
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年3月23日(2000.3.23)
【代理人】 【識別番号】100078994
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀岳 (外2名)
【公開番号】 特開2001−265065(P2001−265065A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−82023(P2000−82023)