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【発明の名称】 画像形成方法、及び画像形成装置
【発明者】 【氏名】大柴 武雄

【氏名】伊丹 明彦

【氏名】中沢 和浩

【要約】 【課題】長期に亘ってカブリ、画像ムラのない安定した出力画像品質を得ることの出来る画像形成方法を開発することにあり、又前記画像形成方法を採用した画像形成可能な装置を提供することにある。

【解決手段】電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、前記電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層の表面層を有し、且つ帯電工程に用いられる帯電手段が放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、前記電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層の表面層を有し、且つ帯電工程に用いられる帯電手段が放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】 電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、前記電子写真感光体が下記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10-5である表面層を有し、且つ帯電工程に用いられる帯電手段が放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成方法。
・摩耗試験常温常湿環境下(20℃、50%RH)駆動部に接続した電子写真感光体に硬度70±1°、反発弾性35±1%、厚さ2±0.1(mm)、自由長9±0.1mmのクリーニングブレードをカウンター方向に当接角10±0.5°、食い込み量1.5±0.2(mm)の条件で当接し、電子写真感光体を1回転0.1〜10秒の回転で駆動部により回転させながら電子写真感光体上に0.15±0.05(mg/cm2)の付着量で現像されたカサ密度が0.41±0.1g/cm3、且つ個数平均粒径10〜40(nm)の粉体が外添剤としてトナーに対して1±0.1質量(%)で混合された体積平均粒径8.5±0.2μmのトナーをクリーニングする。上記条件にて該電子写真感光体が100,000回以上の回転を行った際の電子写真感光体の膜厚変動量を測定し、その値を電子写真感光体の回転数で除した値を1回転当たりの膜厚減耗量とする。
【請求項3】 前記表面層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】 前記シロキサン系樹脂層が水酸基、或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、下記一般式(1)で示される化合物とを反応させて得られるシロキサン系樹脂層であることを特徴とする請求項1又は3に記載の画像形成方法。
一般式(1)
B−(R1−ZH)m(式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む1価又は多価の基を表し、R1は単結合又は2価のアルキレン基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、mは1〜4の整数を表す。)
【請求項5】 前記一般式(1)中のZが酸素原子であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
【請求項6】 前記シロキサン系樹脂層に酸化防止剤が含有されていることを特徴とする請求項1及び3〜5の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項7】 前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤又はヒンダードアミン系酸化防止剤であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
【請求項8】 前記シロキサン系樹脂層に有機乃至無機粒子が含有されていることを特徴とする請求項1及び3〜7の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項9】 前記シロキサン系樹脂層にコロイダルシリカが含有されていることを特徴とする請求項1及び3〜8の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項10】 前記現像工程で用いられるトナーが個数平均粒径3〜8μmであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項11】 前記現像工程で用いられるトナーにおける角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項12】 前記現像工程で用いられるトナーにおける形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項13】 前記現像工程で用いられるトナーがトナーの粒径をD(μm)とするとき、自然対数InDを横軸に取り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムで、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項14】 前記放電ワイヤーが複数であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項15】 前記放電ワイヤーの直径が30〜50μmであることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項16】 前記放電ワイヤーが耐酸化性を有する金属を厚さ0.1〜2.0μm被覆されてなることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の画像形成方法。
【請求項17】 電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層の表面層を有し、且つ帯電手段が複数の放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】 電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体が前記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10-5である表面層を有し、且つ帯電手段が複数の放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】 前記放電ワイヤーが複数であることを特徴とする請求項17又は18に記載の画像形成装置。
【請求項20】 前記放電ワイヤーの直径が30〜50μmであることを特徴とする請求項17〜19の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項21】 前記放電ワイヤーが耐酸化性を有する金属を厚さ0.1〜2.0μm被覆されてなることを特徴とする請求項17〜20の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やプリンター、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式を用いた画像形成装置、及び画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カールソン法の電子写真複写機においては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって画像様に電荷を消去して静電潜像を形成し、その静電潜像をトナーによって現像、可視化し、次いでそのトナーを紙等に転写、定着させて画像形成している。
【0003】近年、電子写真画像形成装置で得られる画像の品質に対して要望がますます厳しくなってきており、特に、LD、LEDプリンタ等の反転現像方式のプリンタでは高い印字品質が長期に亘って要求されている。
【0004】電子写真感光体としては公害対策上好ましく、希望する特性に照らして各機能を発揮する物質を広い範囲から選択しうる有機感光体を実用化する動向にある。このような有機感光体は、従来より主として負帯電用として用いられ、特開昭60−247647号に記載されるように支持体上に薄い電荷発生層を設け、この上に比較的厚い電荷輸送層を設ける構成がとられている。しかしながら、この電荷輸送層は高分子バインダーや電荷輸送物質等から構成されているため、使用時には現像スリーブ、転写紙、クリーニング部材などにより擦過され感光体表面に傷が付いたり、感光層が次第に摩耗し、初期の帯電特性、光減衰特性が得られなくなってしまうという問題点を有する。
【0005】この様な欠点を改善する方法として、特開平9−124943号や、特開平9−190004号では有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を表面層として有する感光体を提案している。しかし、この樹脂層は耐摩耗性は高いものの、高湿環境下で白地部のカブリや黒地部のムラが発生しやすくトータルの画質としては十分な耐久性を有していない。
【0006】感光体の耐摩耗性が向上しても、このような画像品質の低下が起こる原因としては、帯電時の均一性の低下が上げられる。従来、放電ワイヤー型の帯電器には、タングステンワイヤーやステンレスワイヤー等が用いられている。これら放電ワイヤーは直径80〜100μmのものが主に用いられている。しかしながら、この範囲の直径を持つワイヤーは表面積が大きくなり過ぎ、放電ムラが生じやすく、長期にわたり均一に感光体を帯電させることが困難である。
【0007】そこで特開平2−12172号には、繊維状微細金属組織を有する超高強度鋼極細線(具体的には45〜60μm)を用いた放電ワイヤーが提案されている。このような線形の小さい放電ワイヤーを用いた帯電器では感光体への帯電が均一で、且つオゾン等の活性気体により酸化されにくいために、長期にわたり安定した帯電が可能になるが、他方線径が小さいために放電電流が少なくなり、感光体の削れムラ等がある場合、出力画像上にムラが生じてしまいやはりトータル画質の安定性が不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑みて為されたものでありその目的は長期に亘ってカブリ、画像ムラのない安定した出力画像品質を得ることの出来る画像形成方法を開発することにあり、又該画像形成方法を適用した画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題解決のため鋭意検討した結果、本発明の目的は請求項に示す構成の何れかを採用することにより達成されることを見出した。
【0010】即ち、下記構成の何れかを採用することにより本発明の目的が達成される。
1.電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、前記電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層の表面層を有し、且つ帯電工程に用いられる帯電手段が放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成方法。
【0011】2.電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各工程を有する画像形成方法において、前記電子写真感光体が前記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10-5である表面層を有し、且つ帯電工程に用いられる帯電手段が放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成方法。
【0012】前記画像形成方法の好ましい態様を以下に挙げる。
・前記表面層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層であること・前記シロキサン系樹脂層が水酸基、或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、前記一般式(1)で示される化合物とを反応させて得られるシロキサン系樹脂層であること・前記一般式(1)中のZが酸素原子であること・前記シロキサン系樹脂層に酸化防止剤が含有されていること・前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤又はヒンダードアミン系酸化防止剤であること・前記シロキサン系樹脂層に有機乃至無機粒子が含有されていること・前記シロキサン系樹脂層にコロイダルシリカが含有されていること・前記現像工程で用いられるトナーが個数平均粒径3〜8μmであること・前記現像工程で用いられるトナーにおける角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であること・前記現像工程で用いられるトナーにおける形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であること・前記現像工程で用いられるトナーがトナーの粒径をD(μm)とするとき、自然対数InDを横軸に取り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムで、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であること・前記放電ワイヤーが複数であること・前記放電ワイヤーの直径が30〜50μmであること・前記放電ワイヤーが耐酸化性を有する金属を厚さ0.1〜2.0μm被覆されてなること3.電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層の表面層を有し、且つ帯電手段が複数の放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成装置。
【0013】4.電子写真感光体の周辺に少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの各手段を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体が前記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<1×10-5である表面層を有し、且つ帯電手段が複数の放電ワイヤーによる放電型帯電器であり、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmであることを特徴とする画像形成装置。
【0014】前記画像形成装置の好ましい態様を以下に挙げる。
・前記放電ワイヤーが複数であること・前記放電ワイヤーの直径が30〜50μmであること・前記放電ワイヤーが耐酸化性を有する金属を厚さ0.1〜2.0μm被覆されてなること以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】本発明の画像形成装置は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0016】本発明の画像形成装置の概略を図を元に説明する。図1は本発明の画像形成装置の1例としての電子写真画像形成装置の横断面図である。図1に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0017】感光体への一様帯電ののち像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー542により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0018】その静電潜像は次いで現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像剤は、例えば前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は層形成手段によって現像スリーブ541上に100〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。又、現像剤は感光体に対して接触或いは非接触の状態で現像される。
【0019】転写紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0020】転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写ローラー(転写器)58が圧接され、給紙された転写紙Pを挟着して転写される。
【0021】次いで転写紙Pは転写ローラーとほぼ同時に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。尚前記の転写ローラー58及び分離ブラシ59は転写紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0022】一方転写紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器62のトナーガイドローラ622、及びクリーニングブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0023】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0024】電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0025】プロセスカートリッジには、一般には以下に示す一体型カートリッジ及び分離型カートリッジがある。一体型カートリッジとは、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に構成し、装置本体に着脱可能な構成であり、分離型カートリッジとは感光体とは別体に構成されている帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器であるが、装置本体に着脱可能な構成であり、装置本体に組み込まれた時には感光体と一体化される。本発明におけるプロセスカートリッジは上記双方のタイプのカートリッジを含む。
【0026】転写紙は代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0027】像露光は、電子写真画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
【0028】尚、ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、像露光器53は受信データをプリントするための露光を行うことになる。
【0029】・帯電器本発明における帯電器の構成は、コロトロン、スコロトロンの従来公知のものが用いられるが、本発明では放電ワイヤーによる放電型帯電器により行われ、該放電ワイヤーの直径が30〜60μmである。60μmより大きいとワイヤーの表面積が大きくなるため電極表面の影響が出やすくなりワイヤーの寿命が短くなる。又、30μmより小さいと安定に放電させるために必要なワイヤー張力に耐えられず、使用時に切断が発生し帯電に全く寄与しないという不具合を生じる。本発明においては、放電ワイヤーの直径の更に好ましい範囲は30〜50μmである。又、感光体の帯電電位を安定化させるために放電ワイヤーを複数有することが好ましい。
【0030】放電ワイヤーの材質は、W、W−Mo合金、Mo、ステンレス鋼等、チタン及びその合金等が挙げられるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
【0031】又、放電ワイヤーの酸化によるワイヤー表面の荒れや、ワイヤー表面へのゴミやSiO2等のガラス質が強固に付着した場合に起こる放電の不均一を防止するために耐酸化性を有する金属をメッキすることが好ましい。被覆したメッキ厚は0.1〜2.0μmの範囲であることが好ましい。メッキ厚が薄すぎるとワイヤー表面の被覆が不十分となり耐酸化性の効果が得られない。一方、メッキ厚が厚すぎるとメッキに長時間を要し製造原価が上がるとともに、メッキムラとなる等の問題を生じる。
【0032】耐酸化性を有する金属としてはAu、Pt、Ni、Cr等の単一金属又はこれらの金属の合金が挙げられ、用途に応じて適宜選択することができる。
【0033】上記の帯電器は、前述の如く削れやすく摩耗が生じて層表面が荒れてくる感光体に適用しても効果が低減されてしまう。本発明ではその問題について、クリーニングブレード等による摩耗がほどんどなく、電子写真特性も良好な以下に示す電子写真感光体、即ち電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を感光層の表面保護層として有する電子写真感光体を画像形成に適用することではじめて達成したものである。
【0034】以下に電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を感光層の表面保護層として有する電子写真感光体を設置した電子写真感光体について述べる。
【0035】・電子写真感光体本発明における電子写真感光体は電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂層(以下、単にシロキサン系樹脂層とも云う)を感光層の表面保護層として構成することにより達成される。該シロキサン系樹脂層は下記に詳述する硬化性有機ケイ素化合物等と該有機ケイ素化合物と反応性を有する反応性電荷輸送性化合物との組成物を塗布乾燥することにより得ることができる。
【0036】シロキサン系樹脂層前記硬化性有機ケイ素化合物は代表的には下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を原料とした塗布組成物を塗布乾燥することにより形成される。これらの原料は親水性溶媒中では加水分解とその後に生じる縮合反応により、溶媒中で有機ケイ素化合物の縮合物(オリゴマー)を形成する。これら塗布組成物を塗布、乾燥することにより、3次元網目構造を形成したシロキサン系樹脂層を形成することができる。
【0037】一般式(2)
(R)n−Si−(X)4-n式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。
【0038】一般式(2)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。特にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基が好ましい。又Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。特には炭素数6以下のアルコキシ基が好ましい。
【0039】本発明におけるシロキサン系樹脂層は、更に前記一般式(1)で示された化合物が前記有機ケイ素化合物又は該縮合物等との縮合反応により、該シロキサン系樹脂層中に取り込まれ、電荷輸送性を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂層に改質することにより電荷輸送性が付与される。
【0040】一般式(1)
B−(R1−ZH)m一般式(1)のBは電荷輸送性化合物構造を含む1価以上の基である。ここでBが電荷輸送性化合物構造を含むとは、一般式(1)中の(R1−ZH)基を除いた化合物構造が電荷輸送性能を有しているか、又は前記一般式(1)中の(R1−ZH)基を水素原子で置換したBHの化合物が電荷輸送性能を有することを意味する。
【0041】尚、前記の電荷輸送性化合物とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す化合物であり、又別の定義としてはTime−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる化合物として定義できる。
【0042】前記電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂層の中に、コロイダルシリカを該シロキサン系樹脂層中に分散させた構造を形成しても良い。即ち、本発明におけるシロキサン系樹脂層は該シロキサン系樹脂とコロイダルシリカとで複合化された樹脂層が好ましい。
【0043】又、前記コロイダルシリカは表面に前記有機ケイ素化合物と反応性を有する水酸基を有しており、このような反応性基を有するコロイダルシリカを用いることにより、該シロキサン系樹脂層はコロイダルシリカの表面と化学結合をした樹脂層を形成し、更に、強度と弾性を増強した樹脂層をなり、該シロキサン系樹脂層を感光体の保護層として用いるとブレードクリーニング等の擦過に対して摩耗しにくい、電子写真特性の良好な膜を形成する。
【0044】前記水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物との総量(H)と前記一般式(1)の化合物(I)の組成物中の組成比としては、質量比で100:3〜50:100であることが好ましく、より好ましくは100:10〜50:100の間である。
【0045】又コロイダルシリカ(J)の添加量は前記総量(H)+化合物(I)成分の総質量100部に対し(J)を1〜30質量部を用いることが好ましい。
【0046】前記総量(H)成分が前記の範囲内で使用されると、本発明の感光体の保護層として、硬度が高く且つ弾力性が高いシロキサン系樹脂層を形成できる。(J)成分のコロイダルシリカの過不足も前記総量(H)成分と同様の傾向がみられる。一方、前記化合物(I)成分が前記の範囲内で使用されると前記シロキサン系樹脂と感光層間のイオン化ポテンシャルの差を低下させ感度や残留電位特性等の電子写真特性が良好で、表面硬度が高い感光体を得ることができる。
【0047】前記のシロキサン系樹脂層を形成するには縮合反応を促進するために縮合触媒を用いることが好ましい。ここで用いられる縮合触媒とは縮合反応に接触的に作用する触媒、及び縮合反応の反応平衡を生成系に移動させる働きをするものの少なくとも何れか一方の作用をもつものであれば良い。
【0048】具体的な縮合触媒としては酸、金属酸化物、金属塩、アルキルアミノシラン化合物など従来シリコンハードコート材料に用いられてきた公知の触媒を用いることができる。例えば、有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)等が挙げられる。
【0049】一般式(1)の代表例を下記に示す。
【0050】
【化1】

【0051】
【化2】

【0052】
【化3】

【0053】更に、下記一般式(3)の化合物を用いても電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂層を形成することが出来る。
【0054】一般式(3)
B−(−R1−Si(R113-a(R12an式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基であり、R11は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、R1は置換若しくは無置換のアルキレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を示す。
【0055】前記一般式(3)の代表例を下記に示す。
【0056】
【化4】

【0057】前記一般式(1)で示された化合物の内最も好ましい化合物はZが水酸基(OH)で且つmが2以上の化合物である。Zが水酸基(OH)で且つmが2以上の化合物は該化合物が前記有機ケイ素化合物と反応し、前記シロキサン系樹脂の網目構造中に入り込むことにより該シロキサン系樹脂層のイオン化ポテンシャル値を低下させ、該シロキサン系樹脂層に十分な電荷輸送性能を付与することができる。
【0058】上記のような樹脂構造は前記一般式(1)で示された電荷輸送性化合物がシロキサン系樹脂中に化学反応により組み込まれた樹脂構造であり、該シロキサン系樹脂構造中に下記一般式(4)で示される部分構造で組み込まれる。即ち、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又はケイ素原子を介して下記一般式(4)中のYで示される連結原子又は連結基(Y)に結合し、Yを介してシロキサン系樹脂中に含有される。
【0059】
【化5】

【0060】好ましくは前記一般式(4)のYが、隣接する結合原子(ケイ素原子Siと前記電荷輸送性能を有する構造単位の一部を構成する炭素原子C)を除いた2価以上の原子又は基である。
【0061】但し、Yが3価以上の原子の時は式中のSiとC以外のYの結合手は結合が可能な前記シロキサン系樹脂中の何れかの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0062】又、前記一般式(4)の中で、Y原子として、特に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。
【0063】ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記連結基は−NR−で表される(Rは水素原子又は一価の有機基である)。
【0064】電荷輸送性能を有する構造単位Xは式中では一価の基として示されているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合はシロキサン系樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0065】本発明の画像形成装置に使用できる電子写真感光体は前記摩耗試験における該電子写真感光体の1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<5×10-5であることを特徴とする。
【0066】1回転当たりの膜厚減耗量ΔHd(μm)は0≦ΔHd<1×10-5であり、好ましくは0≦ΔHd<5×10-6、更に好ましくは0≦ΔHd<3×10-6である。
【0067】以下に図面を示しながらクリーニングブレードと感光体の膜厚減耗量関連について説明する。
【0068】図2は前記摩耗試験におけるクリーニングブレードの感光体への当接条件の説明図である。図2において電子写真感光体は81、当接角はθで表される。又、前記クリーニングブレード82の自由長Lは図1に示すように支持部材83の端部Bから変形前のブレードの先端点の長さを表す。84は支持部材83を固定するための固定ねじである。hはブレードの厚さを示す。又当接角θは感光体の当接点Aにおける接線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)とのなす角を表す。又、食い込み量aは図2に示すように感光体外周S0の半径r0と変形前のブレード(図面では点線で示した)の位置A′を一点とする感光体の中心軸Cを中心とした円S1の半径r1との差である。
【0069】前記クリーニングブレードに用いられる弾性体ゴムブレードの物性値;硬度と反発弾性はJISA硬度及び反発弾性として、JIS K6301の加硫ゴム物理試験方法に基づいて測定される。
【0070】又、トナーの付着量とは現像器よりバイアス現像により感光体表面に現像された1cm2当たりのトナー質量(mg)であり、本発明における摩耗試験ではクリーニングブレードにより除去される単位面積当たりのトナー量に相当する。
【0071】トナーの付着量は感光体表面に現像され付着したトナーを粘着テープ上に転写し、トナー転写前後の該粘着テープの質量差を求め、1cm2当たりに換算することによって求められる。
【0072】本発明における膜厚減耗量測定の具体例を次に示す。コニカ社製デジタル複写機Konica7050を改造して現像部、クリーニング部のみを有する摩耗試験機を作製した。クリーニング部に硬度70°、反発弾性35%、厚さ2(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウンター方向に当接角10°、食い込み量1.5(mm)の条件で当接した。次に60mmφの円筒状電子写真感光体を線速210(mm/sec)で回転させながら現像部のバイアス電位とアースに接続された感光体との電位差を利用して電子写真感光体上に0.1〜0.2(mg/cm2)のトナー付着量で現像を行う。トナー及び現像剤は下記の評価用現像剤を用いた。上記条件にて常温常湿環境下(20℃、50%RH)該電子写真感光体を1,000,000回転を行い、現像−クリーニングの工程を繰り返し行った際の感光体の膜厚変動量(初期膜厚との差)を測定し、その値を感光体の回転数で除した値を1回転当たりの膜厚減耗量とした。
【0073】評価用現像剤の作製スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート=75:20:5の質量比からなるスチレンアクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、分級して体積平均粒径が8.5μmの着色粒子を得た。
【0074】得られた着色粒子100部に対して外添剤として平均粒径12nmの疎水性シリカ粒子、0.4部、平均粒径30nmのチタニア粒子0.6部を混合し、ヘンシェルミキサーで常温下、撹拌羽根の周速40(m/sec)で10分間混合し、負帯電性トナーを得た。該トナーのカサ密度は0.41g/cm3であった。
【0075】上記トナーに、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合して、トナー濃度が5%の現像剤を調製した。
【0076】カサ(見掛け)密度測定:パウダーテスター(細川ミクロン製)を用い、見掛け密度を測定する。
【0077】測定としては、振動台に60メッシュフルイをセットし、その真下にあらかじめ質量を測定した見掛け密度測定用カップ(内容量100ml)を置く。次にレオスタット目盛を2.0に合わせ振動を開始する。この振動している60メッシュフルイ上部から静かに測定試料を、前記測定用カップに入るように流出させる。
【0078】カップに山盛り試料が充填されたら、振動を停止し、山盛のカップ上面をブレードによりすり切り、天秤により正確に秤量する。測定用カップは100mlの内容量となっているため見掛け密度(g/cm3)=試料の質量÷100より求めることができる。試料は20℃、50%RHの環境下で約12時間放置したものを用い、測定環境は20℃、50%RHである。
【0079】*膜厚測定法感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行った。
【0080】次に、感光層構成について記載する。本発明における電子写真感光体の層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)等の感光層とその上に上述したシロキサン系樹脂層を塗設した構成をとるのが好ましい。
【0081】感光層本発明の画像形成装置に使用できる感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL層)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明において最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0082】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
a.電荷発生層電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0083】電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0084】電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、シリコン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01〜2μmが好ましい。
【0085】b.電荷輸送層電荷輸送層:電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0086】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
【0087】電荷輸送層のイオン化ポテンシャルは該電荷輸送層の主要構成成分である電荷輸送性化合物の構造とその量に大きく依存する。上記各種の電荷輸送物質の中で有用な化合物は該電荷輸送層のイオン化ポテンシャルを前記シロキサン系樹脂層のイオン化ポテンシャルより小さくその差が0.4(eV)となるような化合物を選択することが重要である。本発明に有用な電荷輸送性物質はイオン化ポテンシャルの値が5.0〜5.7(eV)にある化合物が好ましく、より好ましくは5.2〜5.5(eV)のイオン化ポテンシャルを有する化合物である。このような電荷輸送物質としては例えば下記のような化合物が挙げられる。
【0088】
【化6】

【0089】
【化7】

【0090】
【化8】

【0091】
【化9】

【0092】本発明ではイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0093】電荷輸送層(CTL層)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0094】これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0095】前記シロキサン系樹脂層において前記コロイダルシリカと併用したり、或いはコドイダルシリカの代わりに用いることができる有機粒子及び無機粒子としては以下のものを挙げることができる。
【0096】有機粒子上記有機粒子としては、例えばシリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリエチレン−三フッ化エチレン共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ステアリン酸金属塩、ポリメチルメタクリレート又はメラミン等を挙げることができ、体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmである。
【0097】又、樹脂層に含有する有機粒子の量は、該樹脂層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜100質量%、より好ましくは1〜50質量%であり、0.1%未満の場合は感光層に十分な耐刷性や潤滑性を付与することができず、画像形成の際クリーニング不良となり易く、下層との接着性を改善しない。100質量%を越えると感光体の光感度が低下し、カブリを生じ易くなる。
【0098】無機粒子上記無機粒子としては金属酸化物として、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化インジウム、酸化ベリリウム、酸化鉛、酸化ビスマス等を挙げることができ、窒化物として、例えば窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素を挙げることができ、又炭化物としては、例えば炭化ケイ素、炭化ホウ素等を挙げることができる。又上記無機粒子は、好ましくはチタンカップリング剤、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、高分子脂肪酸等の疎水化処理剤により疎水化処理を行ってもよい。
【0099】上記上記無機粒子の粒径は体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmである。又、感光体表面層に含有する上記無機粒子の量は、該表面層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜100質量%、より好ましくは1〜50質量%であり、0.1%未満の場合は感光体表面層に十分な耐刷性や機械的強度或いは下層との接着性を付与することができず、画像形成の際感光体表面層が摩耗、損傷し易く、100質量%を越えると感光体表面層の表面粗さが大きくなり、クリーニング部材を損傷してクリーニング不良を引き起こす。
【0100】尚、上記有機粒子、及び無機粒子の体積平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製作所(株)社製)により測定される。
【0101】前記シロキサン樹脂層は酸化防止剤を含有することが好ましい。前記酸化防止剤とは、その代表的なものは電子写真感光体中乃至感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止乃至、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0102】(1)ラジカル連鎖禁止剤・フェノール系酸化防止剤ヒンダードフェノール系・アミン系酸化防止剤ヒンダードアミン系ジアリルジアミン系ジアリルアミン系・ハイドロキノン系酸化防止剤(2)過酸化物分解剤・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
【0103】前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
【0104】ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の樹脂層中の含有量は0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満だと高温高湿時のカブリや画像ボケに効果がなく、20質量%より多い含有量では樹脂層中の電荷輸送能の低下が起こり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生する。
【0105】又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させて良い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に対して0.01〜20質量%が好ましい。
【0106】ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い)。
【0107】ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
【0108】
【化10】

【0109】式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0110】ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0111】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0112】有機リン化合物としては、例えば、一般式RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0113】有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0114】以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙げる。
【0115】
【化11】

【0116】
【化12】

【0117】
【化13】

【0118】又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール系、「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン系が挙げられる。
【0119】本発明の画像形成装置に使用できる感光体の作製に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。又、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0120】上記電子写真感光体の導電性支持体としては、以下のものが好適に挙げられる。
【0121】1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネート若しくは蒸着によって設けたもの3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの本発明で用いられる導電性支持体の材料としては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベルト状又はドラム状に成形加工したものが用いられる。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが好ましく用いられ、通常押出成型又は引抜成型された薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0122】本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0123】本発明の画像形成装置に使用できる電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が挙げられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。尚前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号に詳細に記載されている。
【0124】本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0125】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを用いた中間層、或いは特開平9−68870号の如く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップリング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜5μmが好ましい。
【0126】又、支持体の形状はドラム状でもシート状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に適した形状であればよい。
【0127】本発明において、クリーニング工程に用いられるクリーニング手段として、ゴム弾性クリーニングブレードとクリーニング補助部材を用いても良い。以下、本発明に用いられるゴム弾性クリーニングブレードとクリーニング補助部材を用いたクリーニング工程について説明する。
【0128】・クリーニングブレードの特性と当接条件クリーニング工程では感光体に圧接配置されたゴム弾性クリーニングブレード部材を備えたクリーニング手段を用いて、転写されず感光体上に残留したトナーをクリーニングする。
【0129】前記ゴム弾性クリーニングブレードを感光体の回転方向に対し、カウンター方向に当接する。前記ゴム弾性クリーニングブレード自由長Lの好ましい値としては6〜15mmである。前記ゴム弾性クリーニングブレードの厚さは0.5〜10mmが好ましい。
【0130】前記ゴム弾性クリーニングブレードの当接条件は、クリーニング性を向上させる観点から当接荷重P:5〜50g/cmの線圧で当接することが好ましい。線圧が5g/cm未満だとトナーのすり抜けが発生しやすくなり、50g/cmより大きいとブレードメクレが発生し易くなる。該クリーニングブレードに対する当接荷重は重り荷重、バネ荷重、支持部材固定方式等で与えられる。
【0131】尚クリーニング工程の前段階においては、クリーニングを容易にするために感光体表面を除電する除電工程を付加することが好ましい。この除電工程は、例えば交流コロナ放電を生じさせる除電器により行われる。
【0132】本発明に用いられるゴム弾性クリーニングブレードの硬度は65°〜75°、反発弾性が15%〜60%(20℃、50±5%RHの条件下)のゴム弾性体が好ましい。反発弾性が15%未満だとブレードのバウンディングが起こりや易くなり、低温環境でのクリーニング性の確保が難しく、75%を越えると逆にブレードの追随性が大きくなりブレードメクレが発生し易くなる(前記クリーニングブレードに用いられる弾性体ゴムブレードの物性値;硬度と反発弾性はJISA硬度及び反発弾性として、JIS K6301の加硫ゴム物理試験方法に基づいて測定される)。
【0133】本発明に用いられるゴム弾性クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が知られているが、これらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点で特に好ましい。例えば、特開昭59−30574号に記載のポリカプロラクトンエステルとポリイソシアネートとを反応硬化せしめて得られるウレタンゴム等が好ましい。
【0134】・トナー〈トナーの形状係数〉本発明に使用されるトナーの「形状係数」は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0135】
形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。又、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
【0136】本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して形状係数を上記算出式にて測定したものである。
【0137】トナーは、この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは70個数%以上である。更に好ましくは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上とすることであり、より好ましくは70個数%以上である。
【0138】トナー形状係数の本発明に対する効果本発明の画像形成装置に用いられるトナーにこの形状係数が揃ったトナーを用いると、トナー個々の帯電特性が均一になり、カブリのない、良好な画像を作製することができる。又、形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上であるトナーを用いると、トナー粒子が破砕されにくくなって微粒子トナーの発生が減少し、クリーニング不良による感光体のトナーフィルミングが防止される。
【0139】この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、トナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、トナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.0〜1.6又は1.2〜1.6にしたトナー粒子を調製し、これを通常のトナー中へ上記の範囲内になるように添加して調整する方法がある。又、いわゆる重合法トナーを調製する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6又は1.2〜1.6に調整したトナー粒子を同様に通常のトナーへ添加して調整する方法がある。
【0140】上記方法の中では重合法トナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0141】〈トナーの形状係数の変動係数〉トナーの「形状係数の変動係数」は下記式から算出される。
【0142】トナーの形状係数の変動係数=(S1/K)×100(%)
式中、S1は100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。
【0143】本発明の画像形成装置にこの形状係数の変動係数は16%以下のトナーを用いることにより、前記形状係数の効果で記した効果がより顕著に発現される。更に好ましい形状係数の変動係数は14%以下である。
【0144】このトナーの形状係数及び形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、本発明のトナーを構成する樹脂粒子(重合体粒子)を調製(重合)、当該樹脂粒子を融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。
【0145】モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。即ち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。
【0146】モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。即ち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
【0147】〈トナーの個数変動係数〉トナーの個数粒度分布及び個数変動係数はコールターカウンターTA−或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布及び平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナーの「個数粒度分布における個数変動係数」(以下トナーの個数変動係数という)は下記式から算出される。
【0148】
トナーの個数変動係数=(S2/Dn)×100(%)
式中、S2は個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。
【0149】トナーの個数変動係数の本発明に対する効果本発明に用いられるトナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下であることにより、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が向上する。このようなトナーを本発明の画像形成装置に用いると、トナーの帯電特性が安定する、クリーニング不良が発生しにくく、上述したシロキサン系樹脂層を有する感光体の表面を常にクリーンに保つことができる。
【0150】トナーにおける個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0151】特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。即ち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
【0152】〈角がないトナー粒子の割合〉本発明におけるトナーを構成するトナー粒子中、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であることが好ましく、この割合が70個数%以上であることが更に好ましい。
【0153】角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、転写されたトナー層(粉体層)の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。又、摩耗、破断しやすいトナー粒子及び電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0154】本発明において「角がないトナー粒子」とは、電荷の集中するような突部又はストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。以下、図3をもとに説明する。図3は角がないトナー粒子の説明図である。即ち、図3(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側を転がした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみ出さない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。又、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。尚、図3(b)及び(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0155】本発明においては、角がないトナー粒子の割合の測定は次のようにして行う。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、更に拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行う。
【0156】〈トナー粒子の粒径〉トナーの粒径は個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、又は融着時間、更には重合体自体の組成によって制御することができる。
【0157】個数平均粒径が3〜8μmであることにより、感光体に付着してフィルミングを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、又、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0158】本発明に用いられるトナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーが好ましい。
【0159】相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0160】本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従ってコールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データをI/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作製されたものである。
【0161】〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0162】粉砕法トナーの場合、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度である。このものの形状係数の変動係数は20%程度である。又、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後の分級操作が1回である場合には、30%程度であり、個数変動係数を27%以下とするためには、更に分級操作を繰り返す必要がある。
【0163】懸濁重合法によるトナーの場合、従来は層流中において重合されるため、ほぼ真球状のトナー粒子が得られ、例えば特開昭56−130762号に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合が20個数%程度となり、又形状係数の変動係数も18%程度となる。又、個数粒度分布における個数変動係数を制御する方法として前記した様に、重合性単量体の大きな油滴に対して、機械的な剪断を繰り返してトナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくするため、油滴径の分布は広くなり、従って得られるトナーの粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度と大きいものであり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0164】樹脂粒子を会合或いは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、例えば特開昭63−186253号に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度であり、又形状係数の変動係数は18%程度である。更に、トナーの粒度分布は広く、個数変動係数は30%であり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0165】本発明に用いられるトナーの粒径は、体積平均粒径で3〜8μmが好ましい。トナーの体積平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。コールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーではアパーチャー径=100μmのアパーチャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分布を測定し求めたものである。
【0166】更に、前記トナーはトナーの体積平均粒径3.0μm未満の粒子が30個数%以下であることが好ましい。このトナーを製造する方法としては特に限定されるものでは無い。粉砕分級法でも粉砕時に過粉砕を抑制しつつ粉砕を行うことでもよい。更に、繰り返し分級する方法を採用してもよい。更にいわゆる重合法トナーの製造方法は懸濁重合法や融着法によるトナーの製造方法も好ましい。
【0167】尚、重合法では必要に応じて、樹脂粒子の分散液中での遠心分離などによる微粒子除去等によても達成できる。
【0168】何れにしろ、粉砕法トナーであれ重合法トナーであれ上記本発明の要件を満たすものであれば本発明の目的を達成できる。
【0169】〈本発明に使用されるトナーの製造方法〉本発明に使用されるトナーの製造方法は、最も一般的に用いられている粉砕法、即ちバインダー樹脂と着色剤、その他必要により添加される種種の添加剤を混練粉砕後分級して作製しても良いし、離型剤、着色剤を含有した樹脂粒子を媒体中で合成作製して製造してもよい。
【0170】水系媒体中で融着させる方法として、例えば特開昭63−186253号、同63−282749号、特開平7−146583号等に記載されている方法や、樹脂粒子を塩析/融着させて形成する方法等を挙げることができる。
【0171】ここで用いられる樹脂粒子は重量平均粒径50〜2000nmが好ましく、これらの樹脂粒子は乳化重合、懸濁重合、シード重合等の何れの造粒重合法によっても良いが、好ましく用いられるのは乳化重合法である。
【0172】以下、樹脂の製造に用いられる単量体は、何れの製造方法においても、従来公知の重合性単量体を用いることができる。又、要求される特性を満たすように、1種又は2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0173】トナーを構成するバインダー樹脂としては特に限定されるものではなく、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂等、一般的に知られているバインダー樹脂を使用することができる。
【0174】着色剤としては無機顔料、有機顔料を挙げることができる。無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0175】黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0176】これらの無機顔料は所望に応じて単独又は複数を選択併用することが可能である。又顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0177】磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%添加することが好ましい。
【0178】有機顔料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0179】マゼンタ又はレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0180】オレンジ又はイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0181】グリーン又はシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0182】これらの有機顔料は所望に応じて単独又は複数を選択併用することが可能である。又顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0183】着色剤は表面改質して使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0184】本発明に使用されるトナーには、流動性の改良やクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
【0185】無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミナ微粒子等が好ましく用いられる。これら無機微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0186】チタン微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0187】アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0188】又、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。このものとしては、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
【0189】滑剤には、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0190】これら外添剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%程度が好ましい。トナー化工程は上記で得られたトナー粒子を、例えば流動性、帯電性、クリーニング性の改良を行うことを目的として、前述の外添剤を添加してもよい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
【0191】トナーは、バインダー樹脂、着色剤以外にトナー用添加剤として種々の機能を付与することのできる材料を加えてもよい。具体的には離型剤、荷電制御剤等が挙げられる。
【0192】尚、離型剤としては、種々の公知のもので、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックスや、これらの変性物、カルナウバワックスやライスワックス等の天然ワックス、脂肪酸ビスアミドなどのアミド系ワックスなどを挙げることができる。これらは離型剤粒子として加えられ、樹脂や着色剤と共に塩析/融着させることが好ましいことはすでに述べた。
【0193】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩或いはその金属錯体等が挙げられる。
【0194】〈現像剤〉本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよいが、好ましくは二成分現像剤としてである。
【0195】一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが普通である。
【0196】又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。
【0197】キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0198】キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0199】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0200】下記のごとくして感光体を作製した(各実施例の感光体は膜厚減耗試験用感光体、画像評価用感光体を作製した)。
【0201】感光体1の作製下記中間層塗布液を調製し、洗浄済み80mmφの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0202】
〈中間層(UCL)塗布液〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0203】
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の 最大ピーク角度が2θで27.3) 60g シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液: 信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0204】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉 電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300: 三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml下記塗布液を混合し、溶解して表面層塗布組成物を調製した。
【0205】〈表面層(OCL)塗布液〉メチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%から生成したポリシロキサン樹脂10部にモレキュラーシーブ4A(和光純薬)を添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5部、ジブチル錫アセテート0.2部を加え均一な溶液にした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)6部、ヒンダードアミン(例示化合物2−1)0.3部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、120℃・1時間の加熱硬化を行い、感光体1を作製した。
【0206】感光体2の作製感光体1の作製において、下記中間層に変えた以外は同様にして感光体2を作製した。
【0207】
〈中間層(UCL)塗布液〉 ジルコニウムキレート化合物ZC−540(松本製薬(株)) 200g シランカップリング剤KBM−903(信越化学(株)) 100g メタノール 700ml エタノール 300ml上記材料を浸漬塗布し、150℃・30分間乾燥し、乾燥膜厚1.0μmの中間層を形成した。
【0208】感光体3の作製引き抜き加工より得られた80mmφの円筒状アルミニウム基体上に、下記分散物を作製、塗布し、乾燥膜厚15μmの導電層を形成した。
【0209】
〈導電層(PCL)塗布液〉 フェノール樹脂 160g 導電性酸化チタン 200g メチルセロソルブ 100ml下記中間層塗布液を調製した。この塗布液を前記導電層上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの中間層を形成した。
【0210】
〈中間層(UCL)塗布液〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 1−ブタノール 400ml下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0211】
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉 Y型チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液: 信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0212】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉 電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300: 三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml〈表面層(OCL)塗布液〉上記CTL上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%から生成したポリシロキサン樹脂10部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5部、ジブチル錫アセテート0.2部を加え均一な溶液にした。
【0213】これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)6部、ヒンダードフェノール(例示化合物1−3)0.3部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、120℃・1時間の加熱硬化を行い、感光体3を作製した。
【0214】感光体4の作製感光体1の作製において、CTLまで塗布した感光体上に、メチルシロキサン単位80モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%から生成した1質量%のシラノール基を含有のメチルポリシロキサン樹脂10部とトルエン10部の混合溶液に、モレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。これにメチルトリメトキシシラン5部、ジブチル錫アセテート0.2部を加え均一な溶液にした。この組成物100部にトルエン200部と4−〔N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)アミノ〕−〔2−(トリエトキシシリル)エチル〕ベンゼン40部とヒンダードアミン(例示化合物2−10)0.3部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、140℃・4時間の加熱硬化を行い、感光体4を作製した。
【0215】感光体5の作製感光体1の作製において、アルミニウム基体を封孔処理したアルマイトに代え、OCL中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)を、ヒドラゾン型の(例示化合物B−14)に代えた以外は全く同様にして感光体5を作製した。
【0216】感光体6の作製感光体1の作製において、表面層にコロイダルシリカを5部加えた以外は全く同じにして感光体6を作製した。
【0217】感光体7の作製感光体1の作製において、電荷発生層までは同様に塗布した。
【0218】
〈電荷輸送層CTL〉 電荷輸送物質(例示化合物B−1) 200g メチルトリメトキシシラン 300g ヒンダードフェノール化合物(例示化合物1−7) 1g コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 8g 1−ブタノール 50g 1%酢酸 50g アルミニウムテトラアセチルアセテート 2g フッ素樹脂粒子(平均粒径1μm) 10gを混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃・2時間の加熱硬化を行い乾燥膜厚12μmの電荷輸送層を形成し、感光体7を作製した。
【0219】感光体8の作製感光体1の作製において、電荷輸送層までは同様に形成した。更にこの上に下記塗布液を混合し、溶解して表面層塗布組成物を調製した。
【0220】
〈表面層(OCL)塗布液〉 電荷輸送物質(例示化合物B−1) 200g メチルトリメトキシシラン 300g ヒンダードフェノール化合物(例示化合物1−8) 1g コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 8g エタノール/t−ブタノール(1/1質量比) 50g 1%酢酸 50g アルミニウムテトラアセチルアセテート 2g シリコーンオイルKF−54(メチルフェニルシリコーンオイル: 信越化学(株)) 1gを混合し、溶解して乾燥膜厚2μmの表面層として塗布し、110℃・1時間の加熱硬化を行い、感光体8を作製した。
【0221】感光体9の作製感光体8の作製において、表面層中のメチルトリメトキシシランをメチルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシラン(6/4質量比)に代え、シリコーンオイルKF−54をX−22−160AS(末端が水酸基のシリコーンオイル:信越化学(株))に代えた以外は全く同様にして感光体9を作製した。
【0222】感光体10の作製感光体1の作製において、CTL上に市販のプライマーPC−7J(信越化学社製)をトルエンで2倍に希釈し、塗布後100℃・30分間乾燥させ、乾燥膜厚0.3μmの接着層を形成した。
【0223】更にこの上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%から生成したポリシロキサン樹脂(1質量%のシラノール基を含む)10部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5部、ジブチル錫アセテート0.2部を加え均一な溶液にした。
【0224】これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)6部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1μmの表面層として塗布して、120℃・1時間の乾燥を行い感光体10を作製した。
【0225】感光体11の作製感光体1の作製において、OCLからジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物B−1)6部を除いた以外は同様にして感光体11を作製した。
【0226】感光体12の作製感光体1の作製において、OCLを除いた以外は同様にして感光体12を作製した。
【0227】トナーの作製次に、下記のごとくして画像評価用トナーを作製した。
【0228】スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート=75:20:5の質量比からなるスチレン−アクリル樹脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、風力分級機により分級して個数平均粒径が5.0μmの着色粒子を得た。この着色粒子に対して疎水性シリカ(疎水化度=75/数平均一次粒子径=12nm)を1.2質量%添加しトナーを得た。
【0229】現像剤の作製上記トナーにシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径が45μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤をそれぞれ調整し、評価に供した。
【0230】画像形成装置の作製Konica7050(コニカ社製レーザーデジタル複写機:感光体と帯電器、現像器、クリーニング装置及び除電器とが一体となったカートリッジを備えている)の帯電器としてワイヤー径50μmのタングステン線に厚さ1.0μmの金メッキを施したワイヤーを放電ワイヤーとして2本装着した。更にこの画像形成装置に感光体1を装着し、以下の帯電条件及びクリーニング条件に設定した。これを実施例1とする。
【0231】帯電条件帯電器;初期帯電電位を−650V現像条件DCバイアス ;−500VDsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式現像剤層厚 ;700μm現像スリーブ径;40mm転写極;コロナ帯電方式、転写ダミー電流値:45μAクリーニング条件弾性体ゴムブレード;自由長:9mm、厚さ:2mm、硬度:70°、反発弾性:35、感光体当接圧(線圧):15g/cm又感光体1に変えて感光体2〜11を用い、ワイヤー径、ワイヤー本数、メッキ材質及びその厚さを以下に示す表1の条件に設定した。これらを実施例2〜15とする。
【0232】
【表1】

【0233】(実写画像評価)次に、20℃、60%RH環境下において、A4紙を用い印字率10%のコピー実写を10万枚行い、コピー画像の最大濃度、カブリ、鮮鋭性、画像ムラについて以下の評価基準にて目視で画像評価を行った。
【0234】評価は画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4での複写を行い、1000枚毎にハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像、細線画像を評価した。
【0235】最大濃度、カブリ、画像ムラについては、各画像の濃度はマクベス社製RD−918を使用し絶対反射濃度の測定を行った。残留電位の上昇が大きくなると画像濃度は低下し、帯電電位の低下が大きくなるとカブリが発生する。又帯電電位の均一性が低下すると画像ムラが大きくなる。
【0236】一方鮮鋭性は5世代目のコピー画像で判別出来る1mm当たりの細線の本数を目視で判定した。得られた結果を以下の表2に示す。
【0237】最大濃度:ベタ黒画像濃度で判定○・・・1.2以上(良好)
△・・・1.0以上1.2未満(実用上問題ないレベル)
×・・・1.0未満(実用上問題あり)
カブリ:ベタ白画像濃度で判定○・・・0.005以下(良好)
△・・・0.005より大で0.01未満(実用上問題ないレベル)
×・・・0.01以上(実用上問題あり)
鮮鋭性:細線画像で判定○・・・8本/mm以上(良好)
△・・・5.6本/mm以上7.1本/mm以下(実用上問題ないレベル)
×・・・5本/mm以下(実用上問題あり)
画像ムラ:ハーフトーン画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定○・・・0.05以下(良好)
△・・・0.05より大で0.1未満(実用上問題ないレベル)
×・・・0.1以上(実用上問題あり)
【0238】
【表2】

【0239】表2から明らかなように、本発明の画像形成方法を採用した複写機にて得られたコピー画像は長期に亘って良好な画像特性が得られるのに対し、本発明から外れる比較例では長期実写で問題があることが分かる。即ち実施例1〜11は本発明における表面層及び帯電器を有しているため、最大濃度、カブリ、画像ムラ及び鮮鋭性が良好であるという顕著に優れた効果を示している。
【0240】
【発明の効果】本発明によれば長期に亘ってカブリ、画像ムラのない安定した出力画像品質を得ることが出来るという顕著に優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成12年3月22日(2000.3.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−265042(P2001−265042A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−80046(P2000−80046)