| 【発明の名称】 |
単層型電子写真感光体 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 裕二
【氏名】今中 之勝
【氏名】秋葉 伸子
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| 【要約】 |
【課題】単層型感光体は印写枚数初期の感光体表面の削れ量が小さいと、感光体表面に付着したNOX、オゾン等の汚染が十分にクリーニングされず、電子写真特性の表面電位が低下する。
【解決手段】一般式(1)で示されるシリコン化合物を感光層に樹脂重量に対して0.2wt%以上、1.0%以下添加する事により、印写枚数初期のみ感光体表面の削れ量を増加させ、印写枚数初期から表面電位が低下の無い感光体を提供した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】支持体上に感光層を有し、前記感光層が一般式(1)で示されるシリコン化合物をバインダー樹脂重量に対して0.2wt%以上、1.0wt%以下含有することを特徴とする単層型電子写真感光体。 一般式(1):【化1】
(一般式(1)中、R1〜R4は、同一または異なって炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは100以上10万以下の整数を示す。) 【請求項2】未転写トナーをブレードクリーニング手段により回収する画像形成装置に使用されることを特徴とする請求項1記載の単層型電子写真感光体。 【請求項3】前記感光層が電荷発生剤、ホール輸送剤、電子輸送剤をバインダー樹脂中に含有することを特徴とする請求項1記載の単層型電子写真感光体。 【請求項4】前記電荷発生剤がフタロシアニン系顔料、前記バインダー樹脂がポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項3記載の単層型電子写真感光体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に使用される単層型電子写真感光体に関する。 【0002】より詳細には、ブレードクリーニング手段を有する画像形成装置に使用しても印写枚数初期の段階から表面電位が低下しない単層型電子写真感光体に関する。 【0003】 【従来の技術】電子写真感光体は、その像形成プロセスにおいて帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電の繰り返し工程の中で使用される。帯電露光により形成された静電潜像は、微粒子状の粉体であるトナーにより現像される。更に現像されたトナーは転写プロセスにおいて紙などの転写材に転写されるが100%のトナーが転写されるのではなく、一部が感光体上に残存する。この残存するトナーを除去しないと繰り返しプロセスにおいて汚れ等のない高品位な画像は得られない。そのため、残存トナーのクリーニングが必要となる。クリーニングプロセスとしては、ファーブラシ、磁気ブラシ、ブレード等を用いたものが代表的であるが、クリーニング精度、装置構成の合理化などの点から、ブレード状樹脂板が直接感光体に接することによりクリーニングを行うブレードクリーニング手段が選択されることが多い。 【0004】一方、画像形成装置内には印写により、NOx、オゾン等のガスが発生する。感光層表面はこれらのガスに暴露されると表面電位の低下が発生し、画像カブリ等の不具合が発生し易い。しかし、感光層表面はブレードクリーニング手段により、前記ガスの暴露により劣化した表面がある程度削られて新生表面が出現すると表面電位の低下が起こらない。逆に、必要以上に削れすぎても残存膜厚が減少して著しく表面電位が低下し、画像カブリ等が発生して印写枚数寿命を全うしない。 【0005】図1、2には単層型電子写真感光体の削れ量、表面電位低下量と印写枚数との関係を示した。図より明らかなように、一般に単層型電子写真感光体を画像形成装置に搭載しブレードクリーニングを行うと、印写枚数初期(約3万枚まで)では感光層の削れ量が少なく、その後、ほぼ直線的に削れ量が増加する。また、表面電位の低下量も印写枚数初期で大きいことが明らかとなった(図中●プロット)。 【0006】すなわち、印写枚数初期では削れ量が少なく、新生表面が出現し難いため、画像形成装置内で発生するNOx、オゾン等のガスの影響で表面電位が低下し易いと推測される。ところが、初期の感光層削れ量を増加させるために、例えばブレード線圧を増大させる(ブレード線圧を21g/cmから30g/cmに変更)対策を施すと、印写枚数の増加に従い削れ量が大きく増加し、前述のように印写枚数の増加により大きく表面電位が低下してしまう(図中■プロット)。 【0007】また、感光層に含有されるホール電荷輸送剤(ホール輸送剤、電子輸送剤)の種類及び含有量、あるいは、バインダー樹脂の種類及び分子量によっても削れ量が変化するが、電子写真特性が変化し材料選択が困難である。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子写真特性を変化させることなく、印写枚数初期のみの削れ量を増加させることにより、印写枚数初期から表面電位の低下の少ない単層型電子写真感光体を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究の結果、支持体上に感光層を有し、前記感光層が一般式(1)で示されるシリコン化合物をバインダー樹脂重量に対して0.2〜1.0wt%含有することを特徴とする単層型電子写真感光体が、電子写真特性を変化させることなく、印写枚数初期のみの削れ量が増加し、印刷枚数初期から表面電位の低下が少ないことを見出した。 【0010】 【発明の実施形態】 【0011】本発明の電子写真感光体の感光層は単一層(単層型)で、正帯電、負帯電のいずれでも適用可能であるが、特に正帯電型で使用するのが好ましい。また、請求項3記載のように、本発明の単層型電子写真感光体は、電荷発生剤、及びホール輸送剤、電子輸送剤をバインダー樹脂中に含有し、同一感光層内で光キャリアの生成及び移動を行う。 【0012】次に、本発明の単層型電子写真感光体に使用される材料について、より詳細に説明する。 【0013】<添加剤>感光層には、後述の電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダー樹脂の他に、従来公知の種々の添加剤、例えば、レベリング剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することが知られている。本発明の単層型電子写真感光体は、感光層表面を平滑にするためのレベリング剤として一般式(1)で示されるシリコン化合物を含有し、且つその含有量がバインダー樹脂重量に対して0.2〜1.0wt%であることを特徴とする。 【0014】従来、レベリング剤は、感光層表面を平滑にする目的で使用され、バインダー樹脂重量に対して0.01〜0.1wt%含有させるのが一般的である。しかし、0.2〜1.0wt%含有させることにより、請求項2記載のようにブレードクリーニング手段を有する画像形成装置に使用した場合、電子写真特性を変化させることなく、印写枚数初期のみの削れ量が増加し、表面電位低下を防止するという特有の効果がある。 【0015】上記理由の詳細は不明であるが次のように推測される。すなわち、一般式(1)で示されるシリコン化合物等のレベリング剤は感光層表面にだけ存在し感光層表面を平滑にする働きがある。バインダー樹脂重量に対して0.01〜0.1wt%含有させると、印写枚数初期では感光層表面が平滑であるため感光層表面とブレード間の摩擦係数が減少して削れ量が低下し、その後、レベリング剤が存在する感光層表面が削られると、摩擦係数が増加し直線的に削れ量が増加する。 【0016】一方、0.2〜1.0wt%含有させると、感光層表面とブレードとの摩擦係数がより減少し、印写枚数初期での削れ量が一層低下するように予想されるが、実際はレベリング剤添加量の増加により電気特性の変化は無いが、感光層表面の硬度が減少し、これが摩擦係数の減少よりも削れ量の増加に寄与する。そして、レベリング剤が存在する感光層表面が削られると、その後は0.01〜0.1wt%含有の場合と同等程度削られる。 【0017】一般式(1)で示されるシリコン化合物の含有量は、0.2wt%より少ないと印写枚数初期のみの削れ量増加に効果が無く、1.0wt%より多いと感光層と支持体との結着(または密着)性が低下し、感光層が支持体から剥離するという別の問題が発生する。 【0018】<電荷発生剤>本発明の単層型電子写真感光体には従来から感光層に使用されている種々の電荷発生剤を使用することができるが、特に、請求項4記載のようにフタロシニン系顔料が好適に使用される。 【0019】一般的にフタロシニン系顔料には、中心金属を有さないメタルフリーフタロシニン(CGM−1)と、近年研究開発が活発に行われているチタニルフタロシニン、等の中心金属を有する金属フタロシアニンとがあり、またα型、β型、等、種々の結晶型のものがあり、何れも使用可能である。また、これらのフタロシアニン系顔料は単独または二種以上をブレンドして使用できる。 【0020】(CGM−1) 【化2】
【0021】前記フタロシアニン系顔料は、バインダー樹脂重量に対して0.1〜20wt%、特に0.5〜10wt%含有することが好ましい。 【0022】<電荷輸送材料>本発明の単層型電子写真感光体には従来から感光層に使用されている種々の電荷輸送材料(ホール輸送剤、電子輸送剤)を使用することができる(請求項3記載)。 【0023】例えば2、5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1、3、4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系の化合物、9−4(−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物等のホール輸送剤、または、ピレン系化合物、カルバゾール系化合物、ヒドラゾン系化合物、N、N−ジアルキルアニリン系化合物、ジフェニルアミン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、スチルベン系化合物等の電子輸送剤があげられる。これらの電荷輸送剤は単独または2種以上をブレンドして使用できる。 【0024】電荷輸送材料は全バインダー樹脂重量に対して20〜500重量%、更には30〜200重量%が含有させるのが好ましい。 【0025】<バインダー樹脂>本発明の単層型電子写真感光体には、従来から感光層に使用される種々のバインダー樹脂を使用することができる。 【0026】例えば、ポリアリレート樹脂、ビスフェノールA骨格あるいはビスフェノールZ骨格等を有する種々のポリカーボネート樹脂、更にはスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂があげられる。これらのバインダー樹脂は単独または2種以上をブレンドして使用できる。 【0027】請求項4記載のように、特に好適な樹脂は、帝人化成(株)社製パンライト、三菱瓦斯化学(株)社製PCZ等のビスフェノールZ型モノマーとホスゲンとから誘導されるビスフェノールZ型ポリカーボネート等のポリカーボネート樹脂である。 【0028】バインダー樹脂の重量平均分子量は5,000〜200,000、更には15,000〜100,000が好ましい。 【0029】本発明の単層型電子写真感光体の膜厚は5〜100μm、更には10〜50μm程度が好ましい。 【0030】感光層が形成される支持体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。 【0031】支持体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、支持体自体が導電性を有するか、あるいは支持体の表面が導電性を有していればよい。また、支持体は使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。 【0032】感光層を塗布の方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダー樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシエーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。 【0033】上記分散液を作製するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独で、または2種以上混合して用いられる。 【0034】以下、実施例および比較例をあげて本発明を説明する。なお、以下の例は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。 【0035】<実施例1〜4>電荷発生材料としてX型無金属フタロシアニン顔料(CGM−1);2.5重量部、ホール輸送材料としてHTM−1;60重量部、及び電子輸送材料としてETM−1;30重量部、バインダー樹脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(重量分子量50,000);100重量部、及び一般式(1)で示されるシリコン化合物(ポリジメチルシロキサン:化3)を0.2〜1.0重量部の範囲で添加し、テトラヒドロフラン;800重量部にボールミル中で24時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、120℃、30分間の熱風乾燥を行い、膜厚30μmの単一感光層を有する単層型電子写真感光体を作製した。 【0036】<比較例1〜4>一般式(1)で示されるシリコン化合物(ポリジメチルシロキサン:化3)を、0.2重量部未満または1.0重量部より多く添加した以外は実施例1〜5と同様にして単層型電子写真感光体を作製した。 【0037】ポリジメチルシロキサン【化3】
【0038】HTM−1【化4】
【0039】ETM−1【化5】
【0040】上記各実施例、比較例の単層型電子写真感光体について下記の印写試験を実施した。 【0041】<感光層削れ量の測定>各実施例、比較例で得た感光体ドラムを、ブレードクリーニング手段を有するデジタル複写機(富士通(株)社製F−6765N)に装着し、11インチ紙10万枚連続印写試験を行い、5000枚、1万枚、3万枚、5万枚、7万枚、10万枚印写後と印写試験前における感光層の膜厚を測定し削れ量を算出した。 【0042】<表面電位低下量の測定>各実施例、比較例で得た感光体ドラムを、ブレードクリーニング手段を有するデジタル複写機(富士通(株)社製F−6765N)に装着し、11インチ紙10万枚連続印写試験を行い、5000枚、1万枚、3万枚、5万枚、7万枚、10万枚印写直後と印写試験前における表面電位を感光体ドラムに近接して設置したプローブにより測定し表面電位低下量を算出した。 【0043】表1、図3、4、5、6に結果を示した。一般式(1)で示されるシリコン化合物(ポリジメチルシロキサン:化3)をバインダー樹脂重量に対して0.2〜1.0wt%含有させることにより、印写枚数初期のみの削れ量が増加し、表面電位の低下が防げることが明らかである。また、1.0wt%より多く含有させると、1000枚程度の印写を行った時点で、感光層が支持体から剥離してしまうという現象が発生した。 【0044】ブレード線圧;21g/cm【表1】
【0045】 【発明の効果】本発明は、電子写真特性を変化させることなく、印写枚数初期のみの削れ量を増加させることにより、印写枚数初期から表面電位の低下の少ない単層型電子写真感光体の提供を可能にした。 【0046】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006150 【氏名又は名称】京セラミタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月14日(2000.3.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−265030(P2001−265030A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−76304(P2000−76304) |
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