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【発明の名称】 電子写真用感光体の製造方法
【発明者】 【氏名】小林 広高

【要約】 【課題】感光層用塗液に用いる溶剤を改良することにより、画像障害の要因となる感光層の白化を防止して、良好な性能を有する感光体を得ることのできる、電子写真用感光体の製造方法を提供する。

【解決手段】導電性基体上に、少なくとも電荷発生材料、電荷輸送材料およびバインダ樹脂を含有する感光層を形成する工程を含む電子写真用感光体の製造方法において、感光層用塗液の塗液用溶剤として、(A)塩化メチレンまたはテトラヒドロフランのうち少なくとも1種類と、(B)25℃における蒸気圧が80mmHg以下で、かつ、沸点における蒸発熱が110cal/g以下である溶剤のうち少なくとも1種類と、を混合してなる混合溶剤を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生材料、電荷輸送材料およびバインダ樹脂を含有する感光層を形成する工程を含む電子写真用感光体の製造方法において、感光層用塗液の塗液用溶剤として、(A)塩化メチレンまたはテトラヒドロフランのうち少なくとも1種類と、(B)25℃における蒸気圧が80mmHg以下で、かつ、沸点における蒸発熱が110cal/g以下である溶剤のうち少なくとも1種類と、を混合してなる混合溶剤を用いることを特徴とする電子写真用感光体の製造方法。
【請求項2】 前記(B)溶剤としてトルエンを用いる請求項1記載の電子写真用感光体の製造方法。
【請求項3】 前記(B)溶剤としてテトラヒドロピランを用いる請求項1記載の電子写真用感光体の製造方法。
【請求項4】 前記(B)溶剤を、前記塗液用溶剤に対して5〜50重量%で配合する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の電子写真用感光体の製造方法。
【請求項5】 前記感光層の膜厚を25μm以上に形成する請求項1〜4のうちいずれか一項記載の電子写真用感光体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用感光体(以下、単に「感光体」とも称する)に関し、特には、主として導電性基体と有機材料を含む感光層とからなり、電子写真方式のプリンター、複写機などに用いられる電子写真用感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体は、導電性基体上に光導電機能を有する感光層を積層した構造を基本構造とする。近年、材料の多様性、高生産性、安全性などの利点から、電荷の発生や輸送を担う機能成分として有機化合物を用いる、いわゆる有機電子写真用感光体に関して研究開発が活発に行われてきており、複写機やプリンター等への適用が進められている。
【0003】感光体には、暗所で表面電荷を保持する機能と、光を受容して電荷を発生する機能と、同じく光を受容して発生した電荷を輸送する機能とが必要であり、これらの機能を併せ持つ単層の感光層を備えたいわゆる単層型感光体と、主として光受容時の電荷発生の機能を担う電荷発生層と、暗所で表面電荷を保持する機能および光受容時に電荷発生層にて発生した電荷を輸送する機能を担う電荷輸送層とに機能を分離した、いわゆる機能分離積層型感光体とがある。
【0004】上記のように有機感光体には様々な構造や組成があるが、その製造方法としては、感光層材料を溶剤中に溶解および/または分散して形成した感光層用塗液を基体上に塗布した後、乾燥して感光層用塗液中の溶剤を除去することにより、かつ/または、加熱して感光層用塗液を硬化することにより感光層を形成するという点で、基本的にはほぼ同じである。感光体が複数の層構成である場合には、各層ごとにその構成材料を溶剤に溶解して感光層用塗液を作製し、1層ずつ塗布、乾燥および/または硬化の工程を繰り返すことにより各層を積層し、感光体を形成する。積層型感光体の製造においては、電荷発生層を光導電性物質の真空蒸着などにより形成する場合もあるが、すべての層を塗布法以外の工程で形成することは極めて稀であり、いずれかの層を塗布法により形成するのが一般的な方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、オフィスオートメーション化に伴って電子写真装置においても小型化、軽量化が進み、これに伴い、電子写真用感光体に対しても小型化、軽量化が要求されるようになってきている。かかる要請に対応し得る感光体の実現には高性能の光導電材料により感光層を形成することが必要となるため、これまでに種々の機能材料が開発、提案されているが、このような機能材料においては、溶剤に対する溶解性や分散性に劣るために、塗布膜中に材料の析出を生じて局所欠陥を発生する場合があった。
【0006】また、一般的なドラム状感光体の場合も、上述のように、円筒状の導電性基体上に、感光層材料を溶剤に溶解して形成した感光層用塗液を塗布、乾燥して、かつ/または、硬化させることにより形成するが、塗液を塗布する基体の肉厚が薄くなると、基体上に塗液を塗布した直後から乾燥および/または硬化までの過程において、感光層が白く曇ってしまういわゆる白化の現象が発生して、均一な感光層が得られないという問題が生ずる。かかる白化が生じた感光体を電子写真装置に適用した場合、感光体表面の帯電電位および露光後の電位が不均一となり、結果として画像にムラが発生する。
【0007】さらに、感光体に対する市場の要求として耐刷性の向上があることから、積層型感光体における電荷輸送層および単層型感光体における感光層の膜厚は、25μm以上で形成することが必要となる。一方、膜厚が厚くなれば白化現象はより発生しやすくなるため、この点からも白化防止策が重要な課題となっている。
【0008】上述の問題を解消するためには、感光体の感光層用塗液に用いる溶剤として、感光層材料を均一に溶解または分散させることが可能で、かつ、導電性基体上に塗布した際に適度な速さで感光層から蒸発するものを用いることが必要である。溶剤が急速に蒸発してしまうと、基体から熱が奪われて周囲環境と感光体との温度差が大きくなるために空気中の水分が感光層表面で結露して感光層の白化が起こる一方、溶剤の蒸発速度が遅いと、塗膜が垂れ落ちてしまい感光層全体の膜厚が均一に形成できないためである。
【0009】しかしながら、感光層材料に対する良好な溶解性や分散性と適度な蒸発速度とを一種類の溶剤で満たすのは極めて難しいため、感光層用塗液に用いる溶剤として十分満足な性能を有するものは未だ得られていないというのが現状であった。
【0010】そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、感光層用塗液に用いる溶剤を改良することにより画像障害の要因となる感光層の白化を防止して、良好な性能を有する感光体を得ることのできる、電子写真用感光体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、感光層用塗液に用いる溶剤として、感光層材料に極めて溶解性が高いかまたは分散性が高い特定の溶剤と、感光層材料に対してある程度の溶解性または分散性を有し、蒸気圧および蒸発熱が低い他の特定の溶剤との混合溶剤を用いることにより、白化のない良好な電子写真用感光体を製造することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、上記課題を解決するために、本発明の電子写真用感光体の製造方法は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生材料、電荷輸送材料およびバインダ樹脂を含有する感光層を形成する工程を含む電子写真用感光体の製造方法において、感光層用塗液の塗液用溶剤として、(A)塩化メチレンまたはテトラヒドロフランのうち少なくとも1種類と、(B)25℃における蒸気圧が80mmHg以下で、かつ、沸点における蒸発熱が110cal/g以下である溶剤のうち少なくとも1種類と、を混合してなる混合溶剤を用いることを特徴とするものである。
【0013】本発明においては、前記(B)溶剤としてトルエンまたはテトラヒドロピランを用いて、その配合量を前記塗液用溶剤に対して5〜50重量%とすることが好ましい。また、好ましくは、前記感光層の膜厚を25μm以上に形成する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形態についてより詳細に説明する。本発明の電子写真用感光体の製造方法においては、導電性基体上に感光層を形成する際に用いる感光層用塗液の塗液用溶剤として、(A)塩化メチレンまたはテトラヒドロフランのうち少なくとも1種類と、(B)25℃における蒸気圧が80mmHg以下で、かつ、沸点における蒸発熱が110cal/g以下である溶剤のうち少なくとも1種類と、を混合してなる混合溶剤を用いることが重要であり、それ以外の製造条件等は特に制限されない。また、本発明の方法を適用することのできる感光体にも制限はなく、各種の層構成を有する感光体に適用することが可能である。
【0015】本発明に係る(B)溶剤としては、特には、トルエンまたはテトラヒドロピランを用いることが好ましい。また、(A)溶剤および(B)溶剤の比率としては、(B)溶剤を、塗液形成用溶剤全体に対して好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜50重量%で配合する。
【0016】以下、本発明に係る感光体につき、詳細に説明する。図1(a)〜(c)は、本発明の製造方法に係る感光体の一実施の形態を示す概念的断面図であり、1は導電性基体、2は下引き層、3は電荷発生層、4は電荷輸送層、5は表面保護層、6は感光層を示している。図1(a)および(b)は、いわゆる積層型感光体であり、感光層6が電荷発生層3と電荷輸送層4とに分離した機能分離型の感光体である。図1(a)の感光層は電荷発生層、電荷輸送層の順に積層された負帯電タイプであり、(b)の感光層は(a)とは逆に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層された正帯電タイプである。また、図1(c)は、単一の層が電荷発生物質および電荷輸送物質を含有するいわゆる単層型感光体であり、この感光層は、主として正帯電タイプである。
【0017】導電性基体1は、感光体の電極としての役目と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板状、フィルム状のいずれでもよく、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガラス、樹脂等に導電処理を施したものでもよい。
【0018】下引き層2は、樹脂を主成分とする層やアルマイト等の酸化皮膜等からなり、導電性基体1から感光層6への不要な電荷の注入防止、基体表面の欠陥被覆、感光層の接着性の向上等の目的で必要に応じて設けることができる。樹脂バインダーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂およびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。また、樹脂バインダー中には、金属酸化物微粒子等を含有させてもよい。かかる金属酸化物微粒子としては、SiO2、TiO2、In23、ZrO2等を用いることが可能である。
【0019】電荷発生層3は、有機光導電性物質を真空蒸着させるか、または、有機光導電性物質の粒子を樹脂バインダー中に分散させた塗液を塗布して形成し、光を受容して電荷を発生する。その電荷発生効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層4への注入性が重要であり、電場依存性が少なく、低電場でも注入のよいことが望ましい。電荷発生層は電荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発生物質の光吸収係数により決まり、一般的には5μm以下であり、好適には1μm以下である。電荷発生層は電荷発生物質を主体とするが、電荷輸送物質などを添加して形成することも可能である。電荷発生物質としては、フタロシアニン系顔料、アントアントロン等の多環キノン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、スクアリリウム顔料、チアピリリウム顔料、キナクリドン顔料などを用いることができ、これらの顔料を組み合わせて用いてもよい。電荷発生層に用いる樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩ビ系樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂およびこれらの共重合体などを、適宜組み合わせて使用することができる。
【0020】電荷輸送層4は、樹脂バインダー中に電荷輸送物質を分散させた塗膜であり、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を発揮する。電荷輸送層4は主として電荷輸送物質および樹脂バインダーから構成されるが、本発明においては、オゾン、光または熱等に対する安定性を向上させる目的で、酸化防止剤等の添加剤を添加することができる。電荷輸送物質としては、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、ピラゾロン化合物、オキサジアゾール化合物、他のアミン化合物およびポリビニルカルバゾールなどの電荷輸送性ポリマー等が挙げられる。また、樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート樹脂をはじめ、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体および共重合体などを用いることができるが、機械的、化学的および電気的安定性、密着性などの他に、電荷輸送物質との相溶性が重量である。尚、電荷輸送層に酸化防止剤を添加する場合には、電荷輸送物質とバインダー樹脂との合計100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、より好適には0.005〜5重量部の範囲で用いる。電荷輸送層の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、より好適には10〜40μmである。
【0021】表面保護層5は必要に応じて設けることができ、機械的ストレスに対する耐久性に優れ、化学的に安定な物質で構成する。暗所ではコロナ放電の電荷を受容して保持する機能を有し、かつ、電荷発生層が感応する光を透過する性能を備え、露光時に光を透過して電荷発生層に到達させ、発生した電荷の注入を受けて表面電荷を中和消滅させることが必要である。表面保護層5は、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、変性シリコン樹脂としてアクリル変性シリコン樹脂、エポキシ変性シリコン樹脂、アルキッド変性シリコン樹脂、ポリエステル変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコン樹脂等の他、ハードコート剤としてのシリコン樹脂などを適用することが可能である。これら変性シリコン樹脂は単独でも使用可能であるが、より耐久性を向上させる目的で、SiO2、TiO2、In23、ZrO2を主成分とする被膜を形成できる金属アルコキシ化合物の縮合物との混合物が好適である。表面保護層の膜厚は、保護層の配合組成にも依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。
【0022】また、単層型の場合の感光層6は、樹脂バインダー中に電荷発生物質および電荷輸送物質を分散させた塗膜であり、上記の積層型の場合の電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂バインダーおよび酸化防止剤を同様に用いることができる。単層型の感光層6の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲、より好適には10〜40μmである。尚、本発明においては、積層型および単層型のいずれの場合においても、感光層の膜厚を25μm以上に形成することが好ましく、かかる膜厚の感光体を製造する場合に、本発明の効果を最も顕著に得ることができる。
【0023】さらに、積層型および単層型のいずれのタイプの感光体においても、感度の向上や残留電位の減少、繰り返し使用時の特性変動を低減する等の目的で、必要に応じて感光層中に電子受容物質を含有させることができる。かかる電子受容物質としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水コハク酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル、ブロマニル、o−ニトロ安息香酸などの電子親和力の大きな化合物を挙げることができる。
【0024】本発明において感光層を形成する際には、通常の塗布法を用いることができ、感光層材料を、感光層用塗液の塗液用溶剤としての本発明に係る混合溶剤と共に、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、超音波分散等の公知の方法により溶解、分散して塗液を作製し、この塗液を、浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート等の公知の塗布法により塗布した後、感光層中の溶剤を蒸発させて、均一な感光層を形成するための乾燥工程を行う。乾燥工程としては、温度を変えないで行う真空乾燥もあるが、ヒーターを備えた乾燥炉を用いる場合が一般である。
【0025】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に説明する。尚、以下の実施例において、部は重量部を、%は重量%を夫々表している。下記に、使用した溶剤の蒸気圧および蒸発熱を示す。
塩化メチレン(蒸気圧:340mmHg、蒸発熱:78.7cal/g)
テトラヒドロフラン(蒸気圧:130mmHg、蒸発熱:110cal/g)
ブタノール(蒸気圧:4.39mmHg、蒸発熱:141.4cal/g)
1、3ジオキソラン(蒸気圧:90mmHg、蒸発熱:115cal/g)
トルエン(蒸気圧:24mmHg、蒸発熱:86.8cal/g)
テトラヒドロピラン(蒸気圧:60mmHg、蒸発熱:94cal/g)
また、実施例では電荷輸送物質(正孔輸送物質)として下記式(CTM−1)、また電子輸送物質として下記式(ETM−1)の構造のものを夫々用いた。


【0026】実施例1アルミニウム素管上に、以上の組成の下引き層用分散液を浸漬塗工して、常圧下135℃で30分間乾燥、冷却して、膜厚0.5μmの下引き層を形成した。
アルコール可溶性ナイロン(東レ(株)製:CM8000) 5部アミノシラン処理された酸化チタン微粒子 5部メタノール、塩化メチレン混合溶剤(6/4) 90部【0027】次に、以下の組成の電荷発生層用分散液を浸漬塗工して、常圧下80℃で30分間乾燥、冷却して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
チタニルオキシフタロシアニン 1部塩化ビニル系共重合樹脂(日本ゼオン:MR110) 1部塩化メチレン 98部【0028】次に、以下の組成の電荷輸送層用溶液を浸漬塗工して、常圧下120℃で60分間乾燥、冷却して、膜厚40μmの電荷輸送層を形成した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・トルエン混合溶剤(95/5) 80部以上のようにして電子写真用感光体を作製した。
【0029】実施例2電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・トルエン混合溶剤(90/10) 80部【0030】実施例3電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・トルエン混合溶剤(70/30) 80部【0031】実施例4電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・トルエン混合溶剤(50/50) 80部【0032】実施例5電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・トルエン混合溶剤(30/70) 80部【0033】実施例6電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(95/5) 80部【0034】実施例7電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(90/10) 80部【0035】実施例8電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(70/30) 80部【0036】実施例9電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(50/50) 80部【0037】実施例10電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(30/70) 80部【0038】実施例11電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・トルエン混合溶剤(95/5) 80部【0039】実施例12電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・トルエン混合溶剤(90/10) 80部【0040】実施例13電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・トルエン混合溶剤(70/30) 80部【0041】実施例14電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・トルエン混合溶剤(50/50) 80部【0042】実施例15電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・トルエン混合溶剤(30/70) 80部【0043】実施例16電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・テトラヒドロピラン混合溶剤(95/5) 80部【0044】実施例17電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・テトラヒドロピラン混合溶剤(90/10) 80部【0045】実施例18電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・テトラヒドロピラン混合溶剤(70/30) 80部【0046】実施例19電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・テトラヒドロピラン混合溶剤(50/50) 80部【0047】実施例20電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン・テトラヒドロピラン混合溶剤(30/70) 80部【0048】実施例21アルミニウム素管上に、以下の組成の下引き層用分散液を浸漬塗工して、常圧下100℃で30分間乾燥、冷却して、膜厚0.2μmの下引き層を形成した。
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体(SOLBIN A:日信化学(株))(塩化ビニル92%、酢酸ビニル3%、ビニルアルコール5%) 50部メチルエチルケトン 950部【0049】次に、以下に示す材料のうち、結着樹脂以外のものをペイントシェーカーにて1時間分散した後、結着樹脂を加えて十分撹拌溶解し、さらに1時間分散して調製した塗布液を用いて成膜を行い、120℃で60分間乾燥して、膜厚40μmの単層型感光層を形成した。
電荷発生物質 :X型無金属フタロシアニン 2部正孔輸送物質 :正孔輸送物質(CTM−1) 65部電子輸送物質 :電子輸送物質(ETM−1) 28部シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業(株)) 0.1部結着樹脂 :タフゼットG−400(出光興産(株)) 105部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(95/5) 1000部【0050】実施例22感光層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例21と同様にして感光体を作製した。
電荷発生物質 :X型無金属フタロシアニン 2部正孔輸送物質 :正孔輸送物質(CTM−1) 65部電子輸送物質 :電子輸送物質(ETM−1) 28部シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業(株)) 0.1部結着樹脂 :タフゼットG−400(出光興産(株)) 105部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(90/10) 1000部【0051】実施例23感光層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例21と同様にして感光体を作製した。
電荷発生物質 :X型無金属フタロシアニン 2部正孔輸送物質 :正孔輸送物質(CTM−1) 65部電子輸送物質 :電子輸送物質(ETM−1) 28部シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業(株)) 0.1部結着樹脂 :タフゼットG−400(出光興産(株)) 105部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(70/30) 1000部【0052】実施例24感光層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例21と同様にして感光体を作製した。
電荷発生物質 :X型無金属フタロシアニン 2部正孔輸送物質 :正孔輸送物質(CTM−1) 65部電子輸送物質 :電子輸送物質(ETM−1) 28部シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業(株)) 0.1部結着樹脂 :タフゼットG−400(出光興産(株)) 105部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(50/50) 1000部【0053】実施例25感光層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例21と同様にして感光体を作製した。
電荷発生物質 :X型無金属フタロシアニン 2部正孔輸送物質 :正孔輸送物質(CTM−1) 65部電子輸送物質 :電子輸送物質(ETM−1) 28部シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業(株)) 0.1部結着樹脂 :タフゼットG−400(出光興産(株)) 105部塩化メチレン・テトラヒドロピラン混合溶剤(30/70) 1000部【0054】比較例1電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更し、電荷輸送層の膜厚を25μmとした以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン 80部【0055】比較例2電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン 80部【0056】比較例3電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部テトラヒドロフラン 80部【0057】比較例4電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン/1,3ジオキソラン混合溶剤(70/30) 80部【0058】比較例5電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
スチルベン化合物(CTM−1) 2部ポリカーボネート樹脂(帝人化成:TS2050) 10部塩化メチレン/ブタノール混合溶剤(70/30) 80部【0059】比較例6電荷輸送層用塗液の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして感光体を作製した。
電荷発生物質 :X型無金属フタロシアニン 2部正孔輸送物質 :正孔輸送物質(CTM−1) 65部電子輸送物質 :電子輸送物質(ETM−1) 28部シリコーンオイル:KF−54(信越化学工業(株)) 0.1部結着樹脂 :タフゼットG−400(出光興産(株)) 105部塩化メチレン 1000部【0060】評価方法上記実施例1〜25および比較例1〜6にて作製した感光体を、夫々塗工直後から30分間常温で乾燥し、その後塗膜表面を目視で観察して、塗膜の白化があれば長さを定規で測定した。この結果を、下記表1に示す。
【0061】
【表1】

【0062】上記実施例の結果から、感光体用塗液の塗液用溶剤として塩化メチレン等を単独で、または、蒸気圧、蒸発熱が本発明の範囲外である溶剤との混合溶剤として用いた比較例の感光体においては、25μm以上の膜厚で感光体を形成すると白化現象が発生することが確認された。これに対し、感光体用塗液の塗液用溶剤として塩化メチレンまたはテトラヒドロフランのうち少なくとも1種類と、25℃における蒸気圧が80mmHg以下で、かつ、沸点における蒸発熱が110cal/g以下である溶剤のうち少なくとも1種類との混合溶剤を用いた実施例の感光体においては、膜厚を40μmに形成した場合でも白化現象は確認されず、良好な感光体が得られたことが確認された。
【0063】また、テトラヒドロピランまたはトルエンの配合量が多い場合、溶解力が弱くなるために感光体の塗膜表面において析出が生じていることから、塗液用溶剤に対するテトラヒドロピランまたはトルエンの配合量は、50重量%以下とすることが好ましい。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の電子写真用感光体の製造方法によれば、感光層用塗液に用いる溶剤を改良することにより、画像障害の要因となる感光層の白化を防止して、良好な性能を有する感光体を得ることができる。また、本発明の製造方法は、特には膜厚25μm以上の電子写真用感光体の製造方法として、白化現象の防止に関し優れた効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】399045008
【氏名又は名称】富士電機画像デバイス株式会社
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】 【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎 (外2名)
【公開番号】 特開2001−265028(P2001−265028A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−76565(P2000−76565)