トップ :: G 物理学 :: G03 写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ




【発明の名称】 電子写真感光体及び画像形成装置
【発明者】 【氏名】戸田 直博

【氏名】深貝 俊夫

【氏名】加幡 利幸

【要約】 【課題】膜厚変動が少なく、画像ムラの発生のない電子写真感光体を提供する。

【解決手段】帯電手段によって潜像形成準備を行い、その後の像露光によって潜像形成を行う電子写真装置に用いる電子写真感光体の画像形成領域において、任意の5mm以内の領域における電子写真感光体の最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 帯電手段によって潜像形成準備を行い、その後の像露光によって潜像形成を行う電子写真装置に用いる電子写真感光体の画像形成領域において、任意の5mm以内の領域における電子写真感光体の最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【請求項2】 帯電手段によって潜像形成準備を行い、その後の像露光によって潜像形成を行う電子写真装置に用いる電子写真感光体の画像形成領域において、任意の10mm以内の領域における電子写真感光体の最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【請求項3】 請求項1又は2記載の電子写真感光体に対し、帯電手段に接触帯電ローラーを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 請求項3記載の帯電手段に接触帯電ローラーを用いる画像形成装置において、接触帯電ローラーの任意の5mm以内の領域における最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】 請求項1又は2記載の電子写真感光体に対し、帯電手段に導電性ブラシや磁気ブラシ等の接触帯電ブラシを用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】 請求項1又は2記載の電子写真感光体に対し、帯電手段にコロナ帯電を用いることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成を行う電子写真装置、及び電子写真装置に用いる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真装置の小型化、軽量化に伴い小径支持体、薄肉支持体が求められるようになっている。さらに電子写真プロセスの帯電方式としてコロナ放電にかわり、ローラーやブラシ、ブレード等の導電材料や導電性磁性材料を用いた接触帯電方式の採用が増加している。これは、オゾン発生の減少や印加電圧の縮小等のメリットを有する。
【0003】しかしそれに反して、感光体表面に凹凸を有することにより耐電圧の低い部分が存在し絶縁破壊を起こしたり、帯電器が接触することで帯電能が膜厚ムラに依存しやすく帯電ムラを発生しやすい等の問題がある。
【0004】これらの問題を解決するために、特許2584873号公報には、感光体と帯電部材の十点平均粗さを適当な粗面性にすることで絶縁破壊のなく、均一な帯電が可能である電子写真装置が提案された。
【0005】また特開平7−64302号公報には接触帯電方式により直流電圧のみを印加する電子写真装置において、電子写真感光体の静電容量が95pF/cm2以上である感光体を用いることで絶縁破壊のなく、均一な帯電が可能である電子写真装置が提案されている。
【0006】さらには、帯電をより均一にする手段として、特開平6−138672では画像形成領域の感光層の最大膜厚と最小膜厚の差を1.5μm以下にする方法が提案された。
【0007】また、感光体の膜厚ムラに対して、帯電部材や露光装置側で帯電ムラを解決する方法が提案されている。特開平8−137192や特開平9−236967では感光体長手方向の中央と端部での膜厚差を帯電装置の構成を中央部と端部で変えることで帯電ムラを防止する方法が提案されている。
【0008】特開平8−254930では画像形成プロセスにおける帯電工程の前の前露光工程において、光量分布を膜厚の差に応じて調整を行うことで、膜厚差に影響を受けず均一に感光体表面を帯電させることが可能になり、濃度ムラ等の画像欠陥のない良好な画像を得る方法が提案された。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、接触帯電方式において絶縁破壊のなく、均一な帯電が可能である電子写真感光体として、十点表面平均粗さRzや画像形成領域の最大膜厚と最小膜厚差を規定する方法が提案されている。さらには、帯電部材や露光装置側で帯電ムラを解決する方法も提案されている。
【0010】しかし実際は感光体表面のRzを種々に変えたり、電子写真感光体の画像形成領域内での膜厚差を変える等の試みに関わらず、電子写真感光体表面の形状に起因すると思われる画像ムラが発生していた。
【0011】そこで本出願人はこれらの要因を、種々の実験を行うことにより、RzやRmaxなどの測定で用いられる基準長さのJIS標準値である0.25〜2.5mm程度の局所的膜厚変動や、画像領域全体のなかでの膜厚変動ではなく、5〜10mm程度の長さの間での大きい膜厚変動が画像ムラに最も起因することを見いだした。
【0012】この原因としては、膜厚変動の傾きに起因する帯電ムラや露光プロセスにおける感光層中の多重反射等により発生する干渉縞の要因が重なって起こると考えられる。そのため、接触、非接触帯電方式に関わらず画像ムラが発生し、帯電部材の構成を5〜10mm程度の長さ内の膜厚変動に合わせて作成することが困難なため、画像ムラは発生してしまっていた。
【0013】この5〜10mm程度の長さにおいて、1μm程度の膜厚変動が発生する原因として、電子写真感光体用塗工液の種類や粘度、さらには浸漬塗工時における塗工液溶媒蒸気の乱れ等種々の要因から発生すると考えられ、これらを最適な条件下で浸漬塗工を行うことにより膜厚変動が少なく、画像ムラの発生のない電子写真感光体を作成することが可能となった。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成よりなる。
(1) 帯電手段によって潜像形成準備を行い、その後の像露光によって潜像形成を行う電子写真装置に用いる電子写真感光体の画像形成領域において、任意の5mm以内の領域における電子写真感光体の最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【0015】(2) 帯電手段によって潜像形成準備を行い、その後の像露光によって潜像形成を行う電子写真装置に用いる電子写真感光体の画像形成領域において、任意の10mm以内の領域における電子写真感光体の最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【0016】(3) (1)又は(2)記載の電子写真感光体に対し、帯電手段に接触帯電ローラーを用いることを特徴とする画像形成装置。
【0017】(4) (3)記載の帯電手段に接触帯電ローラーを用いる画像形成装置において、接触帯電ローラーの任意の5mm以内の領域における最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【0018】(5) (1)又は(2)記載の電子写真感光体に対し、帯電手段に導電性ブラシや磁気ブラシ等の接触帯電ブラシを用いることを特徴とする画像形成装置。
【0019】(6) (1)又は(2)記載の電子写真感光体に対し、帯電手段にコロナ帯電を用いることを特徴とする画像形成装置。
【0020】帯電手段によって潜像形成準備を行い、その後の像露光によって潜像形成を行う電子写真装置に用いる電子写真感光体の画像形成領域において、任意の5mm以内の領域における電子写真感光体の最大膜厚と最小膜厚との差が1.00μm以下、好ましくは0.01〜0.90μm以下、より好ましくは0.05〜0.80μmであれば、画像形成の際に常に画像欠陥のない良好な画像を出力することが可能となる【0021】また、帯電手段によって潜像形成準備を行い、その後の像露光によって潜像形成を行う電子写真装置に用いる電子写真感光体の画像形成領域において、任意の10mm以内の領域における電子写真感光体の最大膜厚と最小膜厚との差が1.00μm以下、好ましくは0.01〜0.90μm以下、より好ましくは0.05〜0.80μmであれば、画像形成の際に常に画像欠陥のない良好な画像を出力することが可能となる。
【0022】本発明の電子写真感光体に対して、帯電方式にシリコーンゴム、ポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、エポキシゴム、ブチルゴム等の帯電部材を用いる接触帯電ローラーを用いることで、画像ムラが極めて少なく、かつオゾン発生が少なく、印加電圧の小さい帯電効率の良い画像形成装置を得ることが可能となる。
【0023】また、本発明の電子写真感光体に対して、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、エポキシゴム、ブチルゴム等の帯電部材を用いる接触帯電ローラーの任意の5mm以内の領域における最大膜厚と最小膜厚との差が1.00μm以下であることにより、帯電ムラに起因する画像ムラがなく、かつオゾン発生が少なく、印加電圧の小さい帯電効率の良い画像形成装置を得ることが可能となる。
【0024】本発明の電子写真感光体に対して帯電方式にレーヨン繊維、カーボン繊維等の導電性ブラシや、導電スリーブとこれに内包されるマグネットロールとこのマグネットロールの磁界により磁気拘束された導電性磁性粒子(導電性磁性キャリア)で構成された磁気ブラシ等の接触帯電ブラシを用いることで、画像ムラが極めて少なく、かつオゾン発生が少なく、印加電圧の小さい帯電効率の良い画像形成装置を得ることが可能となる。
【0025】さらに、帯電方式にコロナ帯電を用いることで、画像ムラが極めて少なく、かつ絶縁破壊のない画像形成装置を得ることが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】実施例1電子写真感光体の膜厚分布と画像ムラの関係を調べるため、電子写真感光体を次のような方法で作成した。アルコール可溶性ポリアミド(CM−8000:東レ社製)3重量部をメタノール/n−ブタノール=8/2(vol比)の混合溶媒100重量部に加熱溶解し、中間層用塗工液を作成した。これを30mmφ、全長340mmのアルミ支持体上に塗布し、130℃で10分間乾燥して、膜厚1μmの中間層を作成した。
【0027】次にX型無金属フタロシアニン顔料2重量部、ポリビニルブチラール樹脂(BM―2:積水化学工業製)2重量部をシクロヘキサノン100重量部に添加し、1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルにて2時間分散を行った。分散終了後、メチルエチルケトン100重量部を加えて希釈し電荷発生層用塗工液を作成した。これを前記中間層上に塗布し、80℃で10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を作成した。次に、下記の構造式に示す化合物7重量部、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製)10重量部、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)0.002重量部をジクロロメタン100重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。これを前記電荷発生層上に浸漬塗工にて塗布する際に、塗工液面から引き上げ終了位置の上500mmまで金属のカバーでしっかり覆い、かつ引き上げ終了位置より100mm上で20分間静置した後、取り出して130℃で20分間乾燥して平均膜厚26μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0028】
【化1】

【0029】得られた電子写真感光体サンプルAの膜厚をフィッシャー製膜厚計(タイプ=EC)を用いて、画像形成領域の長手方向に2.5mm間隔で測定を行い、その結果長手方向5mm間における最大膜厚と最小膜厚の膜厚差の最大値は0.3μm、10mm間における最大膜厚差は0.5μmであった。
【0030】実施例2実施例1と同様に作成して得られた感光体サンプルBを感光体の円周方向に2.5mm間隔で膜厚測定を行った。測定装置は実施例1と同様フィッシャー製膜厚計(タイプ=EC)を用いた。その結果、円周方向5mm間隔における膜厚差の最大値は0.2μm、10mm間隔における膜厚差の最大値は0.3μmであった。
【0031】比較例1実施例1で作成した電荷輸送層用塗工液で用いたジクロロメタンを、トルエンに変えて同様に作成し、浸漬塗工により感光体を作成した。その結果、実施例1と比べ長手方向に膜厚の傾斜を大きく有し、長手方向5mm間隔における膜厚差の最大値が1.9μmのサンプルCと、長手方向10mm間隔における膜厚差の最大値が1.4μmのサンプルDの2種類を作成した。
【0032】比較例2実施例1で作成した電荷輸送層用塗工液で用いたジクロロメタンを、トルエンに変えて同様に作成し、浸漬塗工により感光体を作成した。その結果、実施例2と比べ円周方向に膜厚の傾斜を大きく有し、円周方向5mm間隔における膜厚差の最大値が1.1μmのサンプルEと、円周方向10mm間隔における膜厚差の最大値が1.2μmのサンプルFの2種類を作成した。
【0033】このように作成した感光体を、接触帯電器を備えた画像形成装置(株式会社リコー製IMAGIO MF-2200)により評価を行った。帯電部材は帯電ローラーを使用し、感光体の暗部帯電電位を−900(V)になるよう設定し、出力画像をハーフトーンを用い、画像濃度のムラを目視にて判断した。
【0034】その結果、表1に示すように画像形成領域内任意の5mm又は10mmの範囲内での電荷輸送層の膜厚差が1.0μm以下であるものは、画像濃度の局所的変化による帯の発生等のない良好な画像を得ることができた。
【0035】
【表1】

【0036】実施例3中間層用塗工液酸化チタン(CR−EL:石原産業製)70重量部、アルキッド樹脂{ベッコライトM6401−50−S(固形分50%):大日本インキ化学工業製}15重量部、メラミン樹脂{スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%):大日本インキ化学工業製}10重量部、メチルエチルケトン100重量部からなる混合物をボールミルで72時間分散し作成し、130℃で20分間乾燥して、膜厚3μmの中間層を作成した。次に実施例1と同様の電荷発生層を前記中間層上に塗布し、80℃で10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を作成した。次に下記の構造式に示す化合物7重量部、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製)10重量部、シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製)0.002重量部をテトラヒドロフラン90重量部に溶解し、電荷輸送層塗工液を作成した。
【0037】
【化2】

これを前記電荷発生層上に浸漬塗工にて塗布する際に、塗工液面から引き上げ終了位置の上500mmまで金属のカバーでしっかり覆い、かつ引き上げ終了位置より100mm上で20分間静置した後、取り出して130℃で20分間乾燥して平均膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。その結果、得られた電子写真感光体サンプルGの膜厚の長手方向5mm間隔における最大膜厚と最小膜厚の膜厚差の最大値は0.4μm、10mm間隔における膜厚差の最大値は0.5μmであった。
【0038】実施例4実施例3と同様に作成して得られた感光体サンプルHを感光体の円周方向に2.5mm間隔で測定を行った。その結果、円周方向5mm間隔における膜厚差の最大値は0.2μm、10mm間隔における膜厚差の最大値は0.3μmであった。
【0039】比較例3実施例3で作成した電荷輸送層用塗工液で用いたテトラヒドロフランを、キシレンに変えて同様に作成し、浸漬塗工により感光体を作成した。その結果、実施例3と比べ長手方向に膜厚の傾斜を大きく有し、長手方向5mm間隔における膜厚差の最大値が1.3μmのサンプルIと長手方向10mm間隔における膜厚差の最大値が1.4μmのサンプルJの2種類を作成した。
【0040】比較例4実施例3で作成した電荷輸送層用塗工液で用いたテトラヒドロフランを、キシレンに変えて同様に作成し、浸漬塗工により感光体を作成した。その結果、実施例4と比べ円周方向に膜厚の傾斜を大きく有し、円周方向5mm間隔における膜厚差の最大値が1.7μmのサンプルKと円周方向10mm間隔における膜厚差の最大値が1.5μmのサンプルLの2種類を作成した。
【0041】このように作成した感光体を、接触帯電器を備えた画像形成装置(株式会社リコー製IMAGIO MF-2200)により評価を行った。その際、帯電部材に導電性磁性粒子で構成された磁気ブラシを使用可能にするため、帯電系に改良を行った。帯電部材への印加電圧は直流電圧に交流電圧を重畳させ、暗部帯電電位を−900(V)になるよう設定した。出力画像はハーフトーンを用い、画像濃度のムラを目視にて判断した。その結果、表2に示すように画像形成領域内任意の5mm又は10mmの範囲内での電荷輸送層の膜厚差が1.0μm以下であるものは、画像濃度の局所的変化による帯の発生等のない良好な画像を得ることができた。
【0042】
【表2】

【0043】実施例5実施例3と同様に中間層を形成し、次のように電荷発生層を作成した。構造式(A)に示すトリスアゾ顔料10重量部を、ポリビニルブチラール(BM−2:積水化学工業社製)4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解した樹脂液に添加し、ボールミルにて72時間分散を行った。
【0044】
【化3】

【0045】分散終了後、シクロヘキサノン210重量部を加え3時間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作成した。これを前記中間層上に塗布し、130°で10分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を作成した。次に実施例3と同様にテトラヒドロフランを用いた電荷輸送層塗工液を作成し、平均膜厚が28μmの電荷輸送層を形成し感光体サンプルMを作成した。その結果、得られた電子写真感光体の膜厚の長手方向5mm間隔における最大膜厚と最小膜厚の膜厚差の最大値は0.6μm、10mm間隔における膜厚差の最大値は0.8μmであった。
【0046】実施例6実施例5と同様に作成して得られた感光体サンプルNを感光体の円周方向に2.5mm間隔で測定を行った。その結果、円周方向5mm間隔における膜厚差の最大値は0.2μm、円周方向10mm間隔における膜厚差の最大値は0.4μmであった。
【0047】比較例5実施例5で作成した電荷輸送層用塗工液で用いたテトラヒドロフランを、トルエンに変えて同様に作成し、浸漬塗工により感光体を作成した。その結果、実施例5と比べ長手方向に膜厚の傾斜を大きく有し、長手方向5mm間隔における膜厚差の最大値が1.6μmのサンプルOと長手方向10mm間隔における膜厚差の最大値が1.8μmのサンプルPの2種類を作成した。
【0048】比較例6実施例5で作成した電荷輸送層用塗工液で用いたテトラヒドロフランを、トルエンに変えて同様に作成し、浸漬塗工により感光体を作成した。その結果、実施例6と比べ円周方向に膜厚の傾斜を大きく有し、円周方向5mm間隔における膜厚差の最大値が1.3μmのサンプルQと円周方向10mm間隔における膜厚差の最大値が1.1μmのサンプルRの2種類を作成した。
【0049】このように作成した感光体を、コロナ帯電器を備えた画像形成装置(株式会社リコー製IMAGIO MF-530)により評価を行った。感光体の暗部帯電電位を−900(V)になるよう設定し、出力画像をハーフトーンを用い、画像濃度のムラを目視にて判断した。
【0050】表3に示すように、画像形成領域内任意の5mm又は10mmの範囲内での電荷輸送層の膜厚差が1.0μm以下であるものは、画像濃度の局所的変化による帯の発生等のない良好な画像を得ることができた。
【0051】
【表3】

【0052】実施例7長手方向の膜厚変動が画像形成領域5mmの間で最大0.4μmのシリコーンゴム製帯電ローラーを使用し、実施例1において作成したサンプルAを用い接触帯電器を備えた画像形成装置(株式会社リコー製IMAGIO MF-2200)により評価を行った。感光体の暗部帯電電位を−900(V)になるよう設定し、出力画像をハーフトーンを用い、画像濃度のムラを目視にて判断した。
【0053】比較例7長手方向の膜厚変動が画像形成領域5mmの間で最大1.3μmのシリコーンゴム製帯電ローラーを使用し、実施例7と同様の画像評価を行った。その結果、表4に示すように帯電ローラーの任意の画像形成領域5mmの範囲内での膜厚差が1.0μm以下であるものは、画像濃度の局所的変化による帯の発生等のない良好な画像を得ることができた。
【0054】
【表4】

【0055】
【発明の効果】請求項1の発明は、電子写真感光体の画像形成領域における任意の5mm以内の最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下を満たすことにより、画像形成の際に膜厚変動に起因する帯電ムラや、露光プロセスにおける感光層中の多重反射等により発生する干渉縞等の要因が重なって起こると考えられる画像ムラのない良好な画像を出力することが可能となる。
【0056】請求項2の発明は、電子写真感光体の画像形成領域における任意の10mm以内の最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下を満たすことにより、画像形成の際に膜厚変動に起因する帯電ムラや、露光プロセスにおける感光層中の多重反射等により発生する干渉縞等の要因が重なって起こると考えられる画像ムラのない良好な画像を出力することが可能となる。
【0057】請求項3の発明は、請求項1又2記載の電子写真感光体に対して、帯電方式にシリコーンゴム、ポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、エポキシゴム、ブチルゴム等の帯電部材を用いる接触帯電ローラーを用いることで、画像ムラが極めて少なく、かつオゾン発生が少なく、印加電圧の小さい帯電効率の良い画像形成装置を得ることが可能となる。
【0058】請求項4の発明は、請求項1又は2記載の電子写真感光体に対して、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、エポキシゴム、ブチルゴム等の帯電部材を用いる接触帯電ローラーの任意の5mm以内の領域における最大膜厚と最小膜厚との差が1μm以下であることにより、帯電ムラに起因する画像ムラがなく、かつオゾン発生が少なく、印加電圧の小さい帯電効率の良い画像形成装置を得ることが可能となる。
【0059】請求項5の発明は、請求項1又は2記載の電子写真感光体に対して帯電方式にレーヨン繊維、カーボン繊維等の導電性ブラシや、導電スリーブとこれに内包されるマグネットロールとこのマグネットロールの磁界により磁気拘束された導電性磁性粒子(導電性磁性キャリア)で構成された磁気ブラシ等の接触帯電ブラシを用いることで、画像ムラが極めて少なく、かつオゾン発生が少なく、印加電圧の小さい帯電効率の良い画像形成装置を得ることが可能となる。
【0060】請求項6の発明は、請求項1又は2記載の電子写真感光体に対して、帯電方式にコロナ帯電を用いることで、画像ムラが極めて少なく、かつ絶縁破壊のない画像形成装置を得ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年3月22日(2000.3.22)
【代理人】 【識別番号】100078994
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀岳 (外2名)
【公開番号】 特開2001−265018(P2001−265018A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−80254(P2000−80254)