| 【発明の名称】 |
感光体、それを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ |
| 【発明者】 |
【氏名】加幡 利幸
【氏名】深貝 俊夫
【氏名】山崎 純一
【氏名】谷 克彦
【氏名】岩田 周行
【氏名】加藤 拓司
【氏名】渡邉 好夫
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| 【要約】 |
【課題】可干渉光の感光体中での多重反射により発生する濃淡縞画像が発生しない感光体及びそれを用いた高品質な画像形成が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)により導出したパワースペクトルから、下式(数3)により計算したI(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)により導出したパワースペクトルSから、下式(数3)により計算したI(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 【数1】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数2】
【数3】
【請求項2】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光体。 【請求項3】 基体上に少なくとも下引層を介して感光層を設けた感光体において、下引層表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数4)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数5)により導出したパワースペクトルSから、下式(数6)により計算したI(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 【数4】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数5】
【数6】
【請求項4】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする請求項3に記載の感光体。 【請求項5】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数7)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数8)により導出したパワースペクトルSから、下式(数9)により計算したI(S)が12.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 【数7】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数8】
【数9】
【請求項6】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする請求項5に記載の感光体。 【請求項7】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数10)に従い離散的なフーリエ変化を行い、下式(数11)により導出したパワースペクトルSから、下式(数12)により計算したI’(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 【数10】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数11】
【数12】
(ここでjはN・Δt/j≧φ/2 を満たす最大の整数、φは画像形成のためのス書き込み光のスポット径[μm]である) 【請求項8】 基体上に下引層、電荷発生層及び電荷輸送層を積層した積層型の感光体であって、該下引層と該電荷発生層の合計の膜厚が15μm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光体。 【請求項9】 該感光層の膜厚が15μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光体。 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を用いることを特徴とする画像形成装置。 【請求項11】 書き込み光のスポット径が80μm以下であることを特徴とする請求項10の画像形成装置。 【請求項12】 書き込み光の波長が700μm以下であることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成装置。 【請求項13】 多値方式による階調再現方法により書き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の画像形成装置。 【請求項14】 書き込み画像の解像度が600dpi以上であることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の画像形成装置。 【請求項15】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を用いることを特徴とする画像形成方法。 【請求項16】 スポット径が80μm以下の書き込み光を用いることを特徴とする請求項15の画像形成方法。 【請求項17】 波長が700μm以下の書き込み光を用いることを特徴とする請求項15又は16に記載の画像形成方法。 【請求項18】 多値方式による階調再現方法により書き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の画像形成方法。 【請求項19】 書き込み画像の解像度が600dpi以上であることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一項に記載の画像形成方法。 【請求項20】 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光体を搭載したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高精度で、高精細かつ高解像度の画像形成を行うことのできる感光体、それを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、画像情報の高精度な再現性の要求のため、より高精細でより高解像度の画像形成が強く求められている。画像形成が高解像度の場合、画像情報以外に感光体そのものの情報が、形成する画像に出やすい。特に、書き込み光にレーザー等の可干渉光を用いた画像形成プロセスは、複写機、プリンター、FAX等のデジタル画像を形成する電子写真の分野で広く用いられているが、書き込み光に可干渉光を用いる電子写真プロセスでは可干渉光の感光体中での干渉により、画像に濃淡縞が生じてしまう問題が生じやすい。 【0003】この濃淡縞は、感光体が2nd=mλ(n:電荷輸送層の屈折率、d:電荷輸送層の膜厚、λ:書き込み光の波長、m:整数)の関係を満たすときに書き込み光が強められて発生することが知られている。即ち、例えばλ=780nm、n=2.0とすると、電荷輸送層の膜厚が0.195μm変動する毎に一組の濃淡縞が発生することになる。濃淡縞を完全になくすためには、電荷輸送層の膜厚偏差を画像形成域全域について0.195μm以下とする必要があるが、そのような感光体を作成することは経済性の面で大変困難であるため、濃淡縞の抑制について種々の方法が提案されている。 【0004】例えば、特開昭57−165845号公報では、a−Siを電荷発生層に用いた感光体において、アルミニウム基体上に光吸収層を設けて、アルミニウム基体での鏡面反射をなくすことにより、濃淡縞の発生を防ぐ感光体が開示されている。この手法は、a−Siのように感光体の層構成がアルミニウム基体/電荷輸送層/電荷発生層である感光体には大変有効であるが、多くの有機感光体で見られるようなアルミニウム基体/電荷発生層/電荷輸送層の構成の感光体では効果は少なかった。 【0005】また、特開平7−295269号公報では、アルミニウム基体/下引層/電荷発生層/電荷輸送層の層構成の感光体において、アルミニウム基体表面に光吸収層を設けて濃淡縞を防止する感光体が開示されているが、完全には濃淡縞を抑えることができなかった。また、特公平7−27262号公報には、円筒状支持体の中心軸を含む面で切断した凸部の断面形状が主ピークに副ピークが重畳された凸状形状である支持体を用いた感光体と、前記主ピークの1周期の大きさより小さい径で可干渉光を露光するための光学系を備えた電子写真装置が開示されている。この電子写真装置は、より限定された一部の感光体については濃淡縞がかなり抑制される場合があるものの、円筒状支持体の中心軸を含む面で切断した凸部の断面形状が、主ピークに副ピークが重畳された凸状形状である支持体を用いた感光体であっても濃淡縞の発生する感光体は数多くあった。 【0006】さらに、基体の表面粗さのパラメータを規定した感光体(例えば特開平10−301311号公報)も提案されている。この感光体は、電子写真装置の解像度が低い場合には、濃淡縞を抑えられる場合もあるが、電子写真装置の解像度が高くなると、従来から用いられている表面粗さのパラメータ(最大高さ(Rmax)、十点平均粗さ(Rz)、中心線平均粗さ(Ra)等)で基体の表面粗さを規定しても濃淡縞は完全になくすための条件を定めることができなかった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の問題を解決し、可干渉光による感光体中での多重反射により発生する濃淡縞画像の発生がない感光体、それを用いた高品質な画像形成が可能な画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することをその課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の感光体、種々の電子写真装置について、書き込み光の感光体中での多重反射によると思われる濃淡縞画像の発生しているもの、発生していないものに関し詳細に観察を重ねた結果、感光体の感光層の基体側界面の状態が濃淡縞画像の発生と相関があるらしいことを知見した。ところが、これらの感光体の感光層の基体側界面の状態を、例えばJIS法に従って表面粗さのパラメータである最大高さ(Rmax)、十点平均粗さ(Rz)、中心線平均粗さ(Ra)を測定しても、ほとんど差がなかったり、傾向が逆転してしまったりする場合がかなりあった。また、感光層の基体側界面を制御するには感光体の基体の表面状態を制御することが極めて有効であることが分かったが、基体表面を従来からある表面粗さのパラメータで制御することでは、好ましい基体表面状態を規定することはできなかった。また、同じ感光体を用いても、画像形成装置によって濃淡縞の発生状況が変化し、特に書き込み光のスポット径によって大きく変化することが分かったが、どのような関係で濃淡縞の発生状況が変化するのか明らかではなかった。 【0009】本発明者らは、濃淡縞画像の発生メカニズムについて再度考察を重ね、感光層の基体側界面に、適切な凹凸を設けることで微細な濃淡縞を発生させても、その濃淡縞の間隔が十分狭ければ、結果として濃淡縞の発生を肉眼で確認できなくなると言う考えに基づき、感光体の基体側界面をどのように制御すれば濃淡縞画像の問題のない感光体を提供できるか鋭意検討を重ねた結果、感光体の基体側界面には微細な凹凸があり、その断面曲線に着目するとこれらの微細な凹凸は多数の波が重畳して構成されていることを見出し、感光体の基体側界面を前述のような好ましい状態にするにはそれら全ての波のパワーを一定以上にすればよいことを確認し、本発明を完成するに至った。 【0010】即ち、本発明によれば、下記の感光体、それを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジが提供される。 (1)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数13)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数14)により導出したパワースペクトルSから、下式(数5)により計算したI(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 【数13】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数14】
【数15】
(2)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする上記(1)の感光体。 (3)基体上に少なくとも下引層を介して感光層を設けた感光体において、下引層表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数16)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数17)により導出したパワースペクトルSから、下式(数18)により計算したI(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 【数16】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数17】
【数18】
(4)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする上記(3)の感光体。 (5)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数19)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数20)により導出したパワースペクトルSから、下式(数21)により計算したI(S)が12.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 【数19】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数20】
【数21】
(6)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする上記(5)の感光体。 (7)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数22)に従い離散的なフーリエ変化を行い、下式(数23)により導出したパワースペクトルSから、下式(数24)により計算したI’(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体。 【数22】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数23】
【数24】
(ここでjはN・Δt/j≧φ/2を満たす最大の整数、φは画像形成のためのス書き込み光のスポット径[μm]である) (8)基体上に下引層、電荷発生層及び電荷輸送層を積層した積層型の感光体であって、該下引層と該電荷発生層の合計の膜厚が15μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(7)の感光体。 (9)基体上に下引層、電荷発生層及び電荷輸送層を積層した積層型の感光体であって、該下引層と該電荷発生層の合計の膜厚が15μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)の感光体。 (9)該感光層の膜厚が15μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)の感光体。 (10)上記(1)〜(9)の感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を用いることを特徴とする画像形成装置。 (11)書き込み光のスポット径が80μm以下であることを特徴とする上記(10)の画像形成装置。 (12)書き込み光の波長が700μm以下であることを特徴とする上記(10)〜(11)に記載の画像形成装置。 (13)多値方式による階調再現方法により書き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする上記(10)〜(12)の画像形成装置。 (14)書き込み画像の解像度が600dpi以上であることを特徴とする上記(10)〜(13)の画像形成装置。 (15)上記(1)〜(9)の感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を用いることを特徴とする画像形成方法。 (16)スポット径が80μm以下の書き込み光を用いることを特徴とする上記(15)の画像形成方法。 (17)波長が700μm以下の書き込み光を用いることを特徴とする上記(15)〜(16)に記載の画像形成方法。 (18)多値方式による階調再現方法により書き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする上記(15)〜(17)の画像形成方法。 (19)書き込み画像の解像度が600dpi以上であることを特徴とする(15)〜(18)の画像形成方法。 (20)上記(1)〜(9)の感光体を搭載したことを特徴とするプロセスカートリッジ。 【0011】感光体の基体側界面において全体の波のパワーが大きいということは、感光体の基体側界面全体が大きく変動していることを意味し、即ち十分に荒れていることになり、発生する濃淡縞の間隔を非常に狭くできるため、濃淡縞は肉眼で判読できなくすることができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本発明の感光体は、基体上に少なくとも電荷発生物質及び電荷輸送物質を含有した感光層を設けた構成であり、必要により下引層、保護層を設けることもできる。本発明の感光体は、電荷発生層と電荷輸送層を別々に積層した積層型、電荷発生物質と電荷輸送物質が混合されている単層型、いずれの感光体においても優れた性能を示す。本発明における感光層の基体側界面の断面曲線は、感光層の形成によって感光層より基体側の層あるいは基体が溶解、変形等が起こらない限り、感光層が積層される層の表面あるいは基体の断面曲線に代用できる。即ち、感光体が下引層を有する場合には、下引層表面の断面曲線を代用することができ、感光体が下引層を有していない場合には、基体表面の断面曲線を代用することができる。 【0013】本発明における断面曲線の測定方法としては、光学的方法、電気的方法、電気化学的方法、物理的方法等、再現性が良く、測定精度の高く、簡便な方法であればどのような方法であっても良いが、光学的方法、物理的方法が簡便さの点で好ましく、中でも物理的方法で触芯式による測定方法が、再現性、測定精度の点で最も好ましい。 【0014】本発明の第1の感光体は、基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数25)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数26)により導出したパワースペクトルSから、下式(数27)により計算したI(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体である。 【数25】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数26】
【数27】
サンプリング方向は基本的には任意の方向とすることができるが、通常は主走査方向か副走査方向のいずれか一方が好ましく、ドラム状感光体の場合は主走査方向(長手方向)とすることが好ましい。 【0015】感光体の基体側界面全体の波の強さは、水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数28)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数29)により導出したパワースペクトルSから、下式(数30)により計算したI(S)により代用できる。 【数28】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数29】
【数30】
【0016】I(S)の値は6.0×10-3以上、好ましくは8.0×10-3以上、より好ましくは10.0×10-3以上、さらに好ましくは12.0×10-3以上である。I(S)の値が6.0×10-3未満では基体側界面全体の波の強さが弱いため、濃淡縞の間隔が広くなる部分が存在しやすく、濃淡縞画像として問題となりやすい。濃淡縞画像の抑制のみの目的では、I(S)の値は大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎると振幅の大きい鋭い突起のような波が多数存在することになるため、短絡による放電破壊や鋭い突起の周辺に感光体材料が凝集しやすくなり、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値としては100.0×10-3以下、好ましくは80.0×10-3以下、より好ましくは60.0×10-3以下である。 【0017】感光層の基体側界面の断面曲線の水平方向をt[μm]としたとき、表面粗さx(t)[μm]は、不規則変動量であるが、どのような不規則変動も種々の周波数の正弦波的変動を適当な位相と振幅で合成して得られる。つまり、これはフーリエ変換により表現できる。 【数31】
【数32】
(上記式中、kは波数[μm-1;1μmの長さ当たりの波の数]、フーリエ成分X(k)は、不規則変動量x(t)に含まれる波数k[すなわち波長で言うとλ=1/k[μm]]の波の振幅を表している。|X(k)|2は、波数kの成分波のエネルギーを表している。) 【0018】次に波数kとその成分波のエネルギー|X(k)|2の分布関係(スペクトル)の考察を行う。 【数33】
S(k)は、単位区間[1μm]当たりの断面曲線の波数kの成分波の平均エネルギーであり、S(k)をパワースペクトルと定義する。しかしながら実際は、断面曲線の高さx(t)は、−∞<t<∞で定義できる訳ではなく、測定は断面曲線内の一部分−T/2≦t≦T/2でなされる。ここでTは全測定区間の長さである。このため、T→∞の極限をとるのではなく、波長1/kに対して巨視的物理量としての平均が意味を持つ程度に十分大きいTをとり、下式(数34)を計算すれば、実質的には、T→∞の極限をとったものと一致する。 【数34】
【0019】フーリエ変換も、離散的なフーリエ変換を用いるために以下のような変更を行う。 【数35】
(ここで、n、mは整数、ただし、Nは、表面粗さのサンプリング点数で、N=2pの形で表される整数の必要がある。Δt[μm]は、断面曲線の高さの測定点(サンプリング)間隔であり、T/Δt=Nの関係がある。) 【0020】断面曲線の水平方向の測定範囲Tは短すぎると変換に係る波の数が少なくなるため誤差が大きくなったり、存在すべき波を評価できなくなったりする。測定範囲Tは、Δt、Nの値により適切な値を選択する必要がある。本発明の感光体において、Δtは0.01〜50.00μm、好ましくは0.05〜40.00μm、より好ましくは0.10〜30.00μmである。サンプリング数Nが無限大であればΔtは小さいほど正確に断面曲線を再現できるため好ましいのであるが、Δtが0.01μm未満では、断面曲線を構成する全ての波をサンプリングできるように測定範囲Tを十分な大きさにするためには膨大な数のサンプリングが必要となり計算に負担がかかるため、結果的に測定範囲Tを小さくすることになってしまい、誤差が大きくなりやすい。Δtが50.00μmを超えると、感光体の特性に関係する多くの波を抽出することができなくなり、好ましくない。サンプリング数Nは計算の負担を考えなければ、大きいほどよいが、実用的には、2048以上、好ましくは4096以上、より好ましくは8192以上であることが誤差を小さくできる上で好ましい。 【0021】本発明者らは、本発明の感光体における感光層の基体側界面のサンプリング点数N及びΔtの各組み合わせについてそれぞれパワースペクトルを求め検討した結果、本発明の実施例に用いられているサンプリング間隔Δt=0.31[μm]のとき、N=4096では、パワースペクトルは十分に収束していることを確認した。 【0022】具体的な離散的なフーリエ変換でのパワースペクトル導出には、下式(数36)に従う以下の計算を行う。 【数36】
【0023】本発明では、感光層の基体側界面を構成する全ての波の総和、即ち感光層の基体側界面全体のパワーと関係するI(S)を、下式(数37)により算出した。測定範囲における感光層の基体側界面の断面曲線全体のパワーは、パワースペクトルの総和(数38)で表すことができる。しかし、この値は、測定範囲のみのパワーであるため、測定条件が変化してしまう。パワースペクトルの各成分の総和を測定点数Nで規格化したI(S)は、断面曲線全体のパワーを表す普遍的な値である。 【数37】
【数38】
この積分値もΔt=0.31[μm]のときは、N=4096ならば、数%誤差内に収束していることを確認した。 【0024】別の見方をすれば、感光層の基体側界面の表面粗さの測定値のサンプリング間隔(実空間)Δt[μm]、パワースペクトルのサンプリング間隔(逆空間)Δn=1/(N・Δt)[μm-1]となるが、これは、断面曲線の高さx(t)の定義域が、T=N・Δtの区間であることによるためで、逆空間でのΔn=1/(N・Δt)間隔のサンプル値のフーリエスペクトルにより、原信号x(t)が再現することを意味しており、ここで再現できる断面曲線の変動周期は、[シャノン(Shannon)のサンプリング定理によると]、2Δt程度である。現在考察している現象に関しては、この程度以上の変動周期の表面粗さが関与しており、Δt=0.31[μm]のサンプリング間隔で十分であるが、現象によってはさらに細かい周期の変動を考察対象とする必要がある。この時は、それに応じて、サンプリング間隔を短くすればよい。 【0025】感光層の基体側界面の断面曲線のI(S)を制御するためには、基体表面の断面曲線を制御することが極めて有効である。これは、感光体が下引層を有していない場合は当然であるが、下引層を有している場合には、基体に下引層を積層した後、感光層が積層されるのであるが、下引層が極端に厚いものでない限り、基体表面の凹凸の多くは、下引層表面にも強く反映されているためであり、下引層の組成、積層方法等を制御するよりも基体表面の断面曲線を制御する方が感光層の基体表面側の断面曲線に及ぼす影響が極めて強く、かつ容易であることによる。 【0026】また、本発明の第2の感光体は、基体上に少なくとも下引層を介して感光層を設けた感光体において、下引層表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数39)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数40)により導出したパワースペクトルSから、下式(数41)により計算したI(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体である。 【数39】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数40】
【数41】
前述のように、基体上に少なくとも下引層を介して感光層を設けた感光体においては、下引層の上に感光層を積層する際に、下引層の溶解あるいは変形が生じない限り、基本的には下引層表面の断面曲線とほぼ同じになるため、下引層表面の断面曲線のI(S)の値は6.0×10-3以上、好ましくは8.0×10-3以上、より好ましくは10.0×10-3以上、さらに好ましくは12.0×10-3以上である。下引層表面の断面曲線のI(S)の値が6.0×10-3未満では基体側界面全体の波の強さが弱いため、濃淡縞の間隔が広くなる部分が存在しやすく、濃淡縞画像として問題となりやすい。濃淡縞画像の抑制のみの目的では、下引層表面の断面曲線のI(S)の値は大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎると振幅の大きい鋭い突起のような波が多数存在することになるため、短絡による放電破壊や鋭い突起の周辺に感光体材料が凝集しやすくなり、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値としては100.0×10-3以下、80.0×10-3以下、60.0×10-3以下である。 【0027】また、本発明の第3の感光体は、基体上に少なくとも感光層を設けた感光体において、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数42)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数43)により導出したパワースペクトルSから、下式(数44)により計算したI(S)が12.0×10-3以上であることを特徴とする感光体である。 【数42】
(ここで、n、mは整数、N=2p、pは整数である) 【数43】
【数44】
感光体が下引層を有していない場合は、感光層を基体上に積層する際に、基体の溶解あるいは変形が起こらない限り、感光層の基体側界面の断面曲線は、基体表面の断面曲線となり、たとえ感光体が下引層を有していても、下引層の組成あるいは下引層の積層方法を制御するよりも基体表面の断面曲線を制御する方が容易で再現性がよい。本発明の感光体の基体表面の断面曲線のI(S)の値は12.0×10-3以上、好ましくは14.0×10-3以上、より好ましくは16.0×10-3以上である。基体表面の断面曲線のI(S)の値が12.0×10-3未満では濃淡縞の間隔が広くなる部分が存在しやすく、濃淡縞画像として問題となりやすい。濃淡縞画像の抑制のみの目的では、基体表面の断面曲線のI(S)の値は大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎると振幅の大きい鋭い突起のような波が多数存在することになるため、短絡による放電破壊や鋭い突起の周辺に感光体材料が凝集しやすくなり、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値としては150.0×10-3以下、125.0×10-3以下、100.0×10-3以下である。 【0028】また、本発明者らは、感光体の基体表面の表面状態と書き込み光のスポット径の関係が、濃淡縞画像発生に関与しているおり、特に感光体が基体上に下引層を介して感光層を積層した構成のものにおいては顕著であることを見出した。前述のように感光体の基体表面には、微細な凹凸があり、その微細な凹凸は多数の波が重畳されて構成されている。これら多数の波のうち、書き込み光のスポット径の1/2以上の波長の波が濃淡縞画像の発生に関わっていることを見出した。 【0029】書き込み光のスポット径の1/2以上の波長の波全体のエネルギーが高いということは、感光体の表面が書き込み光のスポット径の1/2以上の波長の波によって大きく変動していることを意味している。感光体の基体表面を構成する波の内、書き込み光のスポット径の1/2以上の波長の波が濃淡縞画像の発生に関与し、書き込み光のスポット径の1/2未満の波長の波が関与しない理由は定かではないが、明らかに相関が認められるため、書き込み光の書き込み工程における光学的な何らかの作用が働いているものと思われる。従って、書き込み光のスポット径をφ[μm]とした場合、本発明の感光体の基体の断面曲線を構成する波のうち、φ/2以上の波長の波のパワースペクトルから計算したI’(S)が重要である。 【0030】従って、本発明の感光体の基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数45)に従い離散的なフーリエ変化を行い、下式(数46)及び(数47)により導出したI’(S)は、6.0×10-3以上、好ましくは8.0×10-3以上、より好ましくは10.0×10-3以上、さらに好ましくは12.0×10-3以上である。I’(S)が6.0×10-3未満では濃淡縞画像として問題となりやすい。濃淡縞画像の抑制のみの目的では、I’(S)の値は大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎると振幅の大きい鋭い突起のような波が多数存在することになるため、短絡による放電破壊や鋭い突起の周辺に感光体材料が凝集しやすくなり、濃淡縞画像とは別の異常画像が発生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値としては100.0×10-3以下、80.0×10-3以下、60.0×10-3以下である。 【数45】
(ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数46】
【数47】
(ここでjはN・Δt/j≧φ/2 を満たす最大の整数、φは画像形成のためのス書き込み光のスポット径[μm]である) 【0031】このように基体断面曲線を構成する波長がφ/2以上の波のI’(S)は6.0×10-3以上とした本発明の感光体において、下引層を有している場合には、下引層と電荷発生層の合計の膜厚は、好ましくは15μm以下、より好ましくは12μm以下、さらに好ましくは8μm以下である。下引層と電荷発生層の合計の膜厚が15μmを超えると基体表面の凹凸が電荷輸送層の底面の状態に反映され難くなるため、濃淡縞画像が発生しやすくなる。 【0032】本発明の感光体の感光層の厚みは、感光体の用いられる画像形成装置の求める静電特性、解像度に応じて適宜選定されるが、高解像度が求められる15μm以下、好ましくは14μm以下の場合に効果が高い。感光層の厚みが15μm以下の感光体は、高解像度である反面、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳して画像形成しやすいため、従来の感光体では濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の感光体ではほとんど起きることはない。 【0033】本発明の感光体の基体としては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、鉄、パラジウム、ニッケル等の金属あるいはこれら金属を主成分とする合金をドラム状あるいはベルト状に形成したものや、上記の金属、酸化錫、酸化インジウム等の導電性物質をプラスチックフィルム等に真空蒸着、無電解メッキ、貼りあわせ等によって付着させたベルトあるいはシートを例示することができる。本発明の基体表面は、感光層との接着性を向上させるために下引層の積層、陽極酸化皮膜形成、切削、ブラスト等により表面加工が施されていることが好ましい。また前述のように、濃淡縞の異常画像を抑制するためには基体表面は十分荒れていることが好ましく、基体の組成、作成条件等を制御したり、物理的、電気化学的等の方法により荒らしたりすることが好ましい。中でも切削、ブラスト等の物理的加工方法が荒らす効果が高く好ましい。 【0034】本発明の感光体の下引層としては樹脂、あるいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ましい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等熱の硬化性樹脂、これらの中の一種あるいは複数種の混合物を例示することができる。 【0035】本発明の感光体に用いる電荷発生剤としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料を使用することができ、電荷発生剤は一種あるいは複数種を、結着樹脂を用いて電荷輸送層を形成する。 【0036】本発明の電子写真感光体に用いる電荷輸送材料としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等の一種あるいは複数種を混合して使用することができる。 【0037】上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは複数種と結着樹脂の混合を挙げることができるが、特にこれらのものに限定されるものではない。 【0038】本発明の感光体は、複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置及びこれらにおける画像形成方法に用いることにより極めて高画質の画像形成が可能となる。 【0039】本発明の感光体はプロセスカートリッジに組み込んで用いることができる。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は従来公知の各種のものとすることができる。 【0040】本発明の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成方法は、書き込み光が非干渉光、可干渉光、いずれにおいても高画質の画像形成が可能であるが、特に可干渉光を用いた場合においても濃淡縞の異常画像を発生させることないため、高解像度、高精細な画像品質の優れた画像形成が可能となる。 【0041】本発明の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成方法は、いかなる書き込み光のスポット径に対して高画質の画像形成が可能であり、求められる画像の解像度に応じて書き込み光のスポット径は適宜選択されるものであるが、好ましくは80μm以下、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは5〜60μmであることが好ましい。書き込み光のスポット径が80μm以下の画像形成装置ないし画像形成方法は、高解像度の画像形成を行うことができるため、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳されて画像形成されやすく、従来の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成方法では濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成方法ではほとんど起きることはない。 【0042】本発明の画像形成装置ないし画像形成方法で用いる書き込み光の波長は、特に制限はないが、700nm以下、好ましくは675nm以下、特に好ましくは400〜600nmとすることができる。このような短波長の書き込み光を用いても、本発明の画像形成装置ないし画像形成方法によれば、スジ状画像、濃淡縞の異常画像を発生させることなく、高解像度、高精細な画像品質の優れた画像形成が可能となる。 【0043】本発明の画像形成装置ないし画像形成方法における書き込み画像の階調再現方法としては、特に制限はなく、種々の方式を用いることができる。従来装置ないし方法では、多値方式による階調再現方法を用いた場合、画素の濃度が多段階に設定されるため、濃淡縞が目立ちやすく、特にパルス幅変調、パワー変調あるいはパルス幅変調とパワー変調を組み合わせたとき、その傾向が極めて高くなっていた。しかし、本発明の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成方法では、このような多値方式による階調再現方法であっても、濃淡縞が発生することはなく、高解像度、高精細な画像品質の優れた画像形成が可能となる。 【0044】本発明の画像形成装置ないし画像形成方法における書き込み画像の解像度は、制限されるものではないが、600dpi以上、特に1000dpi以上の高解像度のときにおいても優れた画像品質の優れた画像形成が可能である。このような高解像度の書き込み画像では、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳されて画像形成されやすいため、従来の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成装置ではスジ状画像、濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成方法ではほとんど起きることはない。 【0045】 【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。 【0046】実施例1アルミニウムドラムの表面を新品のダイヤモンドバイトを用いた切削機により切削して、直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmのアルミニウムドラムを同一切削条件で4本作製した。このアルミニウムドラム表面を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定したところ、いずれも図1のような断面曲線を有していた。この断面曲線からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、図2に示すパワースペクトルを作成した。I(S)を計算したところ21.8×10-3であった。次に、アクリル樹脂(アクリディックA−460−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(TM−1(富士チタン工業製))90重量部を加え、ボールミルで12時間分散し、下引層塗布液を作製した。切削により表面を粗面化したアルミニウムドラムを上記下引層塗工液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。アルミニウムドラムの方向を維持したまま乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ3.5μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成した。この下引層表面を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定したところ、図3のような断面曲線を有していた。この断面曲線からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、図4に示すパワースペクトルを作成した。I(S)を計算したところ17.4×10-3であった。次に、ブチラール樹脂(エスレックBLS(積水化学製))15重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これに下記構造式(化1)のトリスアゾ顔料10重量部を加えてボールミルで48時間分散した。 【化1】
次に、シクロヘキサノン210重量部を加え、3時間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、下記構造式(化2)の電荷輸送材料6重量部、ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300(帝人化成製))10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業製))0.002重量部を90重量部の塩化メチレンに溶解した。こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約23μmの電荷輸送層を形成した。 【化2】
上記で作製した感光体を、書き込み光の波長が780nm、書き込み画像の解像度が400dpiで、パルス幅変調とパワー変調を組み合わせ256階調の書き込みが可能なimagio color 2800(リコー製)に搭載した。全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な白黒ハーフトーン画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、カラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。 【0047】実施例2実施例1において、下引層の厚みを7.0μmとしたこと以外は同様にして感光体を作製した。下引層表面の断面曲線を実施例1と同様に測定したところ、図5のようになり、実施例1と同様に下引層表面の断面曲線のパワースペクトル(図6)を作成し、I(S)を計算したところ15.4×10-3であった。実施例1と同じ全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。また、実施例1で用いたカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。 【0048】比較例1実施例1で用いたバイトで、アルミニウムドラムを500本切削後、実施例1と同様にして感光体を作製し、画像を出力した。次に、実施例1と同様に感光体のアルミニウムドラム表面の断面曲線(図7)を測定した。また、実施例1と同様にアルミニウムドラム表面の断面曲線のパワースペクトル(図8)を作成し、I(S)を計算したところ11.1×10-3であった。下引層の断面曲線についても実施例1と同様に下引層の断面曲線のI(S)を計算したところ5.6×10-3であった。実施例1と同じ全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像端部付近に濃淡の乱れが生じているように見えた。実施例1で用いたカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、凝視すると画像端部付近が僅かに濃淡の乱れが生じているように見えた。 【0049】実施例3実施例1において、imagio color 2800(リコー製)を改造し、書き込み画像の解像度を1200dpiとしたこと以外は実施例1と同様にして面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。また、実施例1で用いたカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。 【0050】比較例2比較例1で作製した感光体を用いたこと以外は実施例3と同様に白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像端部付近に帯状の4組の薄い濃淡縞が認められ、また、感光体の円周の長さに相当する約280mm間隔で、木目状の薄い濃淡縞が認められた。また、実施例1で用いたカラーの風景写真をコピーしたところ、画像端部付近に薄い帯状の異常画像が観測され、さらに全面均一の白黒ハーフトーン画像で木目状の濃淡縞が認められたのとほぼ同じ高さの場所の色合いが部分的にやや不自然であった。比較例1及び2で用いた感光体のアルミニウムドラム表面の断面曲線は、主ピークに副ピークが重畳された形状であったが、濃淡縞の異常画像を抑えることができていなかった。本明細書で述べてきたように、断面曲線のパワースペクトルの積分値を適切な値になるようにすることが重要であることが、本結果により確認された。 【0051】実施例4実施例3において、電荷輸送層の厚みを14.5μmとしたこと以外は同様にして感光体を作製し、この感光体を用いて実施例3と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。また、実施例1で用いたカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。 【0052】比較例3比較例2において、電荷輸送層の厚みを14.5μmとしたこと以外は同様にして感光体を作製し、この感光体を用いて比較例2と同様に白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像端部付近に帯状の5組の濃淡縞が認められ、また、感光体の円周の長さに相当する約280mm間隔で木目状の濃淡縞が認められた。また、実施例1で用いたカラーの風景写真をコピーしたところ、画像端部付近に帯状の異常画像が明らかに観測され、さらに全面均一の白黒ハーフトーン画像で木目状の濃淡縞が認められたのとほぼ同じ高さの場所の色合いが部分的に不自然であった。 【0053】実施例5〜10、比較例4〜5実施例3で用いたダイヤモンドバイトと同じ型の新品のダイヤモンドバイトを用い、実施例3と同じ大きさのアルミニウムドラムを500本作製した。その中から無作為にアルミニウムドラムを選び出し、アルミニウムドラム表面の断面曲線を実施例3と同様に測定し、I(S)を求めた。これらのアルミニウムドラムを用いたこと以外は実施例3と同様にして感光体を作製した。これらの感光体を用い、実施例3と同様の画像形成装置を作製し、全面均一の白黒ハーフトーンを出力して濃淡縞の異常画像の有無を評価した。その評価結果を表1に示す。評価基準としては、異常なし:4、凝視すると濃淡縞が分かってくるレベル:3、薄く濃淡縞が分かるレベル:2、明らかに濃淡縞が分かるレベル:1、とした。 【0054】 【表1】
【0055】実施例11特別表面加工を施していない直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmのアルミニウムドラム上に実施例1の下引層塗工液を、スプレーガンを用いたスプレー塗工法により塗工し、アルミニウムドラムを乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ4.0μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成した。下引層の断面曲線を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定した。これらの断面曲線からΔt=2500/4096μmで、N=4096個サンプリングし、I(S)及び十点平均粗さ(Rz)を求めた。それ以外は実施例1と同様にして感光体を作製し、その感光体を実施例1で用いた画像形成装置に搭載して全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力した。 【0056】実施例12、13、比較例6、7実施例11において、スプレーガンの移動速度及び下引層塗工液の吐出量を種々変化させて特別表面加工を施していない直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmのアルミニウムドラム上に下引層塗工液をスプレー塗工し、アルミニウムドラムを乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ4.0μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成した。下引層の断面曲線を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定した。それ以外は実施例11と同様にして感光体を3本作製し、それぞれの感光体を実施例11の画像形成装置に搭載して全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力した。各感光体の下引層の十点表面粗さとI(S)、画像評価の結果を下表に示した。下引層の十点平均粗さと画像評価の結果とは全く相関性がなかったが、I(S)が6.0×10−3以上の画像形成装置は高画質な画像形成が可能であった。 【0057】 【表2】
【0058】実施例14アルミニウムドラムの表面をダイヤモンドバイトにより切削して、直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmのアルミニウムドラムを4本作製した。このアルミニウムドラム表面を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定したところ、図9のような断面曲線を有していた。この断面曲線からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、図10に示すパワースペクトルを作成した。書き込み光のスポット径が70μmの場合、4096×0.31/j≧70/2を満たす最大の整数jは36であるので、この条件を満たすI’(S)を計算したところ7.3×10-3であった。次に、アクリル樹脂(アクリディックA−460−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(TM−1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボールミルで12時間分散し、下引層塗布液を作製した。切削により表面を粗面化したアルミニウムドラムを上記下引層塗工液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。アルミニウムドラムの方向を維持したまま、乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ3.5μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成した。次に、ブチラール樹脂(エスレックBLS(積水化学製))15重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これに実施例1で用いたトリスアゾ顔料10重量部を加えてボールミルで48時間分散した。次に、シクロヘキサノン210重量部を加え、10時間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い約0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、下記構造式(化3)の電荷輸送材料1重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート1重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業製))0.02重量部を10重量部のテトラヒドロフランに溶解した。 【化3】
こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬塗工し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約23μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作製した。上記で作製した感光体を、書き込み光の波長が780nm、書き込み光のスポット径が70μmのimagio color 2800(リコー製)に搭載した。実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、実施例1と同様にカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。 【0059】実施例15実施例14において、ダイヤモンドバイトを新品に交換したこと以外は同様にしてアルミニウムドラムを作製した。このアルミニウムドラムの断面曲線を測定し、j=36でのI’(S)を計算したところ13.9×10-3であった。このアルミニウムドラムを用いて、下引層の厚みを7.0μmとしたこと以外は実施例1と同様にして感光体を作製した。実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。また、実施例1と同様にカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。 【0060】実施例16実施例15の感光体において、下引層の厚みを15.8μmとしたこと以外は実施例2と同様にして感光体を作製した。この感光体のアルミニウムドラムの断面曲線を測定し、j=36でのI’(S)を計算したところ14.0×10-3であった。実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像端部付近に帯状の乱れが生じているように見えた。また、実施例14と同じカラーの風景写真をカラーコピーしたが、高品質の画像が得られた。 【0061】比較例8実施例14で用いたバイトで、アルミニウムドラムを400本切削後、実施例14と同様にして感光体を作製した。この感光体のアルミニウムドラムの断面曲線は図11に示すように、主ピークに副ピークが重畳された形状を示していた。断面曲線のパワースペクトル(図12)を作成し、j=36でのI’(S)を計算したところ3.9×10-3であった。実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、明らかに画像端部付近に帯状の濃淡の乱れが生じ、木目状の濃淡縞が観測された。実施例1と同様にカラーの風景写真をカラーコピーしたが、画像端部付近が不自然であった。 【0062】実施例17実施例15で用いたバイトで、アルミニウムドラムを120本切削後、実施例1と同様にして感光体を作製した。書き込み光のスポット径を50μmとした場合、j=50であるので、j=50でのアルミニウムドラム表面の断面曲線のI’(S)を計算したところ6.9×10-3であった。上記で作製した感光体を、imagio color 2800(リコー製)を改造し、書き込み光のスポット径を50μmとした画像形成装置に搭載し、実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。また、実施例1と同様にカラーの風景写真をカラーコピーしたが、高品質の画像が得られた。 【0063】実施例18実施例17で用いたバイトで、アルミニウムドラムを切削した。書き込み光のスポット径を50μmとし、j=50でのアルミニウムドラム表面の断面曲線のI’(S)を計算したところ7.1×10-3であった。このアルミニウムドラムを用い、電荷輸送層の膜厚を14.5μmとしたこと以外は実施例14と同様にして感光体を作製した。この感光体を、imagiocolor 2800(リコー製)を改造し、書き込み光のスポット径を50μmとした画像形成装置に搭載した。実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、実施例1と同様にカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。 【0064】実施例19直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmのアルミニウムドラム表面をホーニング加工による粗面化を行った。粗面化終了後、アルミニウムドラムの断面曲線を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定した。断面曲線からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを作成し、I(S)を計算したところ18.1×10-3であった。次に、アクリル樹脂(アクリディックA−460−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(TM−1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボールミルで120時間分散し、下引層塗布液を作製した。次に、粗面化の加工時間の長い側を上方にして、アルミニウムドラムを下引層塗布液に浸漬した後、アルミニウムドラムを引き上げ、130℃で20分間乾燥して下引層を約4.8μm積層した。下引層の断面曲線をアルミニウムドラムの断面曲線の場合と同様に測定し、I(S)を求めたところ10.9×10-3であった。次に、ポリビニルブチラール樹脂(XYHL(UCC製))2重量部を、メチルエチルケトン200重量部に溶解し、これに下記構造式(化4)のビスアゾ顔料10重量部を加えてボールミルで40時間分散した。 【化4】
さらに、シクロヘキサノン200重量部を加え、10時間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミニウムドラムを浸漬塗工し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、下記構造式(化5)の電荷輸送材料1重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート1重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業製))0.02重量部を10重量部のテトラヒドロフランに溶解した。こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬塗工し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約14μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作製した。 【化5】
上記で作製した感光体を、imagio color 2800を改造して、書き込み光の波長を655nm、書き込み画像の解像度を1200dpiとした画像形成装置に搭載し、実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、実施例1と同様にカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。 【0065】実施例20〜23、比較例9,10実施例19と同様に6本の直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmのアルミニウムドラム表面をホーニング加工による粗面化を行った。次に、実施例19で用いた下引層塗布液をスプレー塗工法により、種々のスプレーガン移動速度、下引層塗布液の吐出量で塗布し、130℃で20分間乾燥して下引層を約4.5μm設けた。次に、実施例19と同様に電荷発生層、電荷輸送層を積層して感光体を6本作製した。上記で作製した感光体を、imagio color 2800を改造して、書き込み光の波長を504nm、書き込み画像の解像度を1200dpiとした画像形成装置に搭載し、実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力した。各感光体の下引層の断面曲線のI(S)及び画像評価結果を下表に示した。 【表3】
【0066】 【発明の効果】請求項1〜8の発明によれば、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項9の発明によれば、高解像度でありながら濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供することができる。請求項10の発明によれば、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項11及び12の発明によれば、高解像度でありながら濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項13の発明によれば、高階調性で、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項14の発明によれば、高解像度でありながら濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求項15の発明によれば、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成方法を提供することができる。請求項16及び17の発明によれば、高解像度でありながら濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成方法を提供することができる。請求項18の発明によれば、高階調性で、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成方法を提供することができる。請求項19の発明によれば、高解像度でありながら濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成方法を提供することができる。請求項20の発明によれば、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成装置ないし画像形成方法に利用可能なプロセスカートリッジを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成13年1月15日(2001.1.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074505 【弁理士】 【氏名又は名称】池浦 敏明
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| 【公開番号】 |
特開2001−265014(P2001−265014A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2001−6970(P2001−6970) |
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