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【発明の名称】 ポリイミドフィルムのエッチング方法
【発明者】 【氏名】小國 隆志

【氏名】秋田 雅典

【氏名】浦島 利夫

【氏名】小山 稔

【氏名】鈴木 篤

【氏名】橋野 優子

【氏名】金子 美晴

【要約】 【課題】ポリイミドフィルム面上に形成された感光性樹脂層に、フォトマスクを用いて紫外線を照射し、かつ、現像して樹脂層パターンマスクを形成した後、アルカリ性液でポリイミドフィルムをエッチングする場合において、樹脂層パターンマスクの可撓性を損わないでリールツーリール方式の搬送等に適した可撓性を保持し、しかも、穴等のエッチング寸法及び形状が安定化したエッチング製品を得ることができるようにする。

【解決手段】ポリイミドフィルム面上に形成された感光性樹脂層に、フォトマスクを用いて紫外線を照射し、かつ、現像して樹脂層パターンマスクを形成した後、引き続いて前記樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化せしめるように再度の紫外線照射を行った上で、アルカリ性液でエッチングする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリイミドフィルム面上に形成された感光性樹脂層にフォトマスクを用いて紫外線を照射し、かつ、現像して樹脂層パターンマスクを形成した後、アルカリ性エッチング液でエッチングを行うポリイミドフィルムのエッチング方法において、前記樹脂層パターンマスクの形成に引き続いて、前記樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化せしめるように再度の紫外線照射を行うことを特徴とするポリイミドフィルムのエッチング方法。
【請求項2】 樹脂層パターンマスクの開口部表面をも硬化せしめるように再度の紫外線照射を行うことを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルムのエッチング方法。
【請求項3】 感光性樹脂層を感光性ドライフィルムで構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミドフィルムのエッチング方法。
【請求項4】 有機アミン化合物を含有のアルカリ性エッチング液を用いることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のポリイミドフィルムのエッチング方法。
【請求項5】 ポリイミドフィルムが片面銅張りポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のポリイミドフィルムのエッチング方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミドフィルムのエッチング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、周知のように、片面銅張りポリイミドフィルムは、多層基板等の製造の為に広く用いられている。
【0003】その為、片面銅張りポリイミドフィルムのエッチングについても各種の方法が広く実用に供されているが、その代表例として、片面銅張りポリイミドフィルムの樹脂面上に形成された感光性樹脂層にフォトマスクを用いて紫外線を照射し、かつ、現像して樹脂層パターンマスクを形成した後、アルカリ性エッチング液で前記ポリイミドフィルムのエッチングを行う方法が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来方法においては、経済性及び作業環境等を考慮して、感光性樹脂層を、アルカリ性エッチング液に対する耐溶剤性が十分とは言い切れない感光性ドライフィルムで構成している関係上、アルカリ性エッチング液で穴加工等を行うと樹脂(フィルム自体)が膨潤し、従って、穴等のエッチング寸法及び形状が不安定になり易いといった欠点を有していた。
【0005】そこで、かかる欠点を解消する為に加熱によるポストキュアが必要とされていたが、それを行うとフィルム全体が硬くなってしまう為に、それをリールツーリール式に搬送しようとする場合等において曲げの力が作用し、これに起因してひび割れが発生したり或いは一部が剥がれてしまうといった致命的なトラブルが惹起され、従って、樹脂層パターンマスクとしての役割りが不十分になって製品の歩留まりが問題視されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の欠点に鑑みて発明されたものであって、その目的とするところは、ポリイミドフィルム面上に形成された感光性樹脂層の可撓性を損わないでリールツーリール方式の搬送等に適した可撓性を保持し、しかも、穴等のエッチング寸法及び形状が安定化したエッチング製品を得ることができるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に、本発明においては、請求項1に記載するように、ポリイミドフィルム面上に形成された感光性樹脂層に、フォトマスクを用いて紫外線を照射し、かつ、現像して樹脂層パターンマスクを形成した後、アルカリ性エッチング液でエッチングを行うポリイミドフィルムのエッチング方法において、前記樹脂層パターンマスクの形成に引き続いて、前記樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化せしめるように再度の紫外線照射を行うようにしている。
【0008】なお、再度の紫外線照射は、樹脂層パターンマスクの全表面を硬化(全表面硬化)せしめるように行うよりも、リールツーリール方式の搬送に適した可撓性保持の為に、樹脂層パターンマスクの開口部表面をも硬化(局部的表面硬化)せしめるように行うのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、ポリイミドフィルムをエッチングするが、ここにおいていう「ポリイミドフィルム」とは、単体基材としてのポリイミドフィルムのみならず、その片面に銅膜(又は銅箔)を積層した片面銅張りポリイミドフィルムも包含し、かつ、かかる片面銅張りポリイミドフィルムは、接着剤を使用しないで例えば、スパッダ等により銅膜(又は銅箔)を積層した所謂、二層材の片面銅張りポリイミドフィルムのみならず、接着剤を使用の三層の片面銅張りポリイミドフィルムであってもよい。
【0010】また、本発明においては、ポリイミドフィルム面上(片面銅張りポリイミドフィルムにあっては銅張りされていない方のフィルム面上)に、マスク材料としての感光性樹脂層を形成するが、かかる樹脂層は、一般には、ポリイミドフィルム面上にラミネートされた感光性ドライフィルムで構成される。
【0011】しかし、それ以外の例えば、感光性液状樹脂を塗布し乾燥せしめた塗膜で構成されるものであってもよく、要するに、感光性樹脂層の形成に用いられる樹脂は、紫外線に感光して橋かけ硬化し得ると共にアルカリ性水溶液で現像し得る樹脂であれば、フィルム体又は液状体のいずれであってもよい。
【0012】なお、それらの樹脂は、一般にはアクリル系のものが多いが、これに該当するものとして、日合モートン株式会社製の「ラミナーAX」や「NIT」等が挙げられ、かつ、感光性ドライフィルムは、マスク材料として価格が安いと共に作業環境の面においても優れているアクリル系のアルカリ現像ネガ型のものが好ましい。
【0013】また、本発明においては、感光性樹脂層に対してフォトマスクを用いて紫外線を照射するが、その為の紫外線ランプは、感光性樹脂中に含まれる増感剤に対応して所定のものが選択、すなわち、通常は、高圧水銀灯が選択されるが、必要に応じて低圧水銀灯を選択してもよい。
【0014】また、その為の紫外線照射量も、感光性樹脂層の厚みやパターン寸法等に応じて最適な照射量が選択されると共にフォトマスクも適当なものが選択され、更に、フォトマスクを用いて紫外線を照射した後の現像においても、適当な現像液が選択される。
【0015】かかる現像液は、各種の樹脂に対応して、それ専用のものが市販されており、その組成は異なるが、基本的には、アルカリ金属水酸化物又は炭酸塩の水溶液か、この水溶液に水溶性アルコールやアミン化合物を溶解したものが多い。
【0016】また、本発明においては、ポリイミドフィルム面上(片面銅張りポリイミドフィルムにあっては銅張りされていない方のフィルム面上)に樹脂層パターンマスクを形成した後、それに引き続いて、樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化せしめるように再度の紫外線照射を行うが、その際における紫外線照射も感光性樹脂層の厚みなどに応じて最適な照射量が選択される。
【0017】通常は、上述の現像前のフォトマスク露光における照射量よりも、これの方が多く、一般には、その照射量は100〜3000mJ/cm2 である。しかし、耐溶剤性の向上効果と経済性の面からみて数百mJ/cm2 程度が適当である。
【0018】なお、ここにおいていう「樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化」とは、樹脂層パターンマスクの内部を硬化させない状態のことであって、かつ、「開口部表面をも硬化」は、樹脂層パターンマスクの全表面の硬化(全表面硬化)だけでなく、樹脂層パターンマスクの開口部表面、すなわち、露光・現像部のマスク表面のみの硬化(局部的表面硬化)も包含することをいう。
【0019】このように、本発明においては、樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化させる為に、リールツーリール方式の搬送に適した可撓性を保持した状態でエッチング操作をすることができる。
【0020】なお、単体基材としてのポリイミドフィルムを使用するか、或るいは、その片面に銅膜(又は銅箔)を積層した片面銅張りポリイミドフィルムを使用するかによって、スルーホールやブラインドビアホール等、種々の穴を形成することができる。
【0021】また、本発明においては、樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化せしめるように再度の紫外線照射を行った後に、アルカリ性エッチング液を用いてポリイミドフィルムのエッチングを行うが、かかるエッチング液も、所定のものが選択される。
【0022】通常のポリイミドエッチング液は、そのほとんどがアルカリ性の水溶液であるが、それらの内、アルカリ金属水酸化物とヒドラジンとアルコールとの水溶液系のエッチング液は、毒性や液安定性の面で好ましくない。
【0023】しかし、苛性アルカリ(例えば、アルカリ金属水酸化物)と有機アミン化合物(例えば、水溶性アミン)を主成分とするアルカリ水溶液である東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液「TPE−3000」は、エッチング性能、液の安全性及び安定性の面において優れているから、これが好ましい。
【0024】なお、エッチング条件(温度、処理時間)は、使用するエッチング液組成、ポリイミドの種類或いはフィルムの厚さ等に対応して所定に設定されるが、通常は60℃〜90℃で2分から20分程度で行われる。
【0025】このような条件下では、一般に広く用いられているアクリル系のアルカリ現像ネガ型の感光性ドライフィルムは、そのエッチング中において膨潤する。その為、マスク(樹脂層パターンマスク)のパターン寸法が変化し易いので、穴等のエッチング加工寸法及び形状が不安定になり易い。
【0026】しかし、本発明においては、上述のように、ポリイミドフィルム面上(片面銅張りポリイミドフィルムにあっては銅張りされていない方のフィルム面上)に樹脂層パターンマスクを形成した後、これに引き続いて樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化せしめるように再度の紫外線照射を行うようにしているから、樹脂層パターンマスクの寸法安定化を図ることができ、その為、穴等のエッチング加工寸法及び形状が安定化したエッチング製品を得ることができる。
【0027】なお、本発明においては、樹脂層パターンマスクの表面のみの硬化を促進する為に、樹脂中に含まれる橋かけ型のモノマーを樹脂表面に塗布してもよい。
【0028】また、本発明においては、上述のように、紫外線照射を2回行うが、一般に、紫外線の露光効果は、照射量が多いほど現像後のマスク穴径は小さくなる。従って、後露光でも同じ傾向を示し、このことは、後述の実施例7からして明らかである。
【0029】なお、照射量が多くなると、マスク下部でのサイドエッチングが防止される為か同じエッチング時間で得られる穴の径が小さくなる一方においてテーパー角はより大きくなる特性を有している。
【0030】
【実施例】次に、本発明にかかる実施例について述べる。
【0031】(実施例1)片面銅張りポリイミドフィルム(Cu18μm/米国のデュポン社製のカプトンEN50μm)100mm×100mmを1%のNaOHで洗浄後、ポリイミド面にアクリル系感光性ドライフィルム(日合モートン株式会社製のラミナーAX25μm)を130℃でラミネート(樹脂層を形成)し、次いで、穴径330μmのパターンを形成したフィルムフォトマスクを用いて、高圧水銀灯で照射量80mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0032】次いで、前記ドライフィルムをラミナー専用の現像液で現像し、開口穴径が333μm、底部穴径が350μmの逆テーパー穴を有するドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した。
【0033】次いで、このドライフィルムパターンマスク面に高圧水銀灯から照射量が400mJ/cm2 になるように紫外線を照射し、パターン部分の橋かけ硬化を行った。
【0034】次いで、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)を用い、80℃で6分間エッチング処理と水洗を行い、片面銅張りポリイミドフィルムのポリイミドフィルムにブラインドビアホールパターンを形成した。
【0035】ブラインドビアホールの穴径は、開口部が488μm、穴底部が318μmであり、形状は円形であって崩れのない良好なものであった(図1参照)。
【0036】(実施例2)片面銅貼りポリイミドフィルム(Cu18μm/米国のデュポン社製のカプトンEN75μm)100mm×100mmを1%のNaOHで洗浄後、ポリイミド面にアクリル系感光性ドライフィルム(日合モートン株式会社製のラミナーAX25μm)を130℃でラミネートした。
【0037】次いで、穴径330μmのパターンを形成したフィルムフォトマスクを用いて、高圧水銀灯で照射量80mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0038】次いで、前記ドライフィルムをラミナー専用の現像液で現像し、開口穴径が333μm、底部穴径が350μmの逆テーパー穴を有するドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した。
【0039】次いで、このドライフィルムパターンマスク面に高圧水銀灯から照射量が400mJ/cm2 になるように紫外線を照射し、パターン部分の橋かけ硬化を行った。
【0040】次いで、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)を用い、80℃で15分間エッチング処理と水洗を行い、片面銅張りポリイミドフィルムのポリイミドフィルムにブラインドビアホールパターンを形成した。
【0041】ブラインドビアホールの穴径は、開口部が561μm、穴底部が306μmであり、形状は円形であって崩れのない良好なものであった。
【0042】(実施例3)片面銅貼りポリイミドフィルム(Cu18μm/米国のデュポン社製のカプトンEN25μm)100mm×100mmを1%のNaOHで洗浄した後、ポリイミド面にアクリル系感光性ドライフィルム(日合モートン株式会社製のラミナーAX25μm)を130℃でラミネートした。
【0043】次いで、穴径330μmのフォトマスクを用いて高圧水銀灯で露光を行い、60mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0044】次いで、専用のアルカリ現像液で現像水洗し、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した。なお、得られたドライフィルムパターンマスクの底穴径は350μmであった。
【0045】次いで、このドライフィルムパターンマスクに更に高圧水銀灯から照射量400mJ/cm2の紫外線を照射した。
【0046】次いで、かかるドライフィルムパターンマスクを形成した片面銅張りポリイミドフィルムを、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)を用いて80℃で3分間エッチング処理と水洗を行い、ポリイミドフィルムにブラインドビアホールパターンを形成した。
【0047】ブラインドビアホールは、ほぼ真円でその穴径は、開口部が439μm、穴底部が370μmであった。
【0048】(実施例4)片面銅貼りポリイミドフィルム(Cu18μm/米国のデュポン社製のカプトンEN25μm)100mm×100mmを1%のNaOHで洗浄した後、ポリイミド面にアクリル系感光性ドライフィルム(日合モートン株式会社製のNIT25μm)を130℃でラミネートした。
【0049】次いで、穴径330μmのフォトマスクを用いて高圧水銀灯で露光を行い、100mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0050】次いで、専用のアルカリ現像液で現像水洗し、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した。なお、得られたドライフィルムパターンマスクの底穴径は330μmであった。
【0051】次いで、このドライフィルムパターンマスクに更に高圧水銀灯から照射量1500mJ/cm2の紫外線を照射した。
【0052】次いで、かかるドライフィルムパターンマスクを形成した片面銅張りポリイミドフィルムを、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)を用いて80℃で2分間エッチング処理と水洗を行い、ポリイミドフィルムに、ほぼ真円に近いブラインドビアホールパターンを形成した。
【0053】ブラインドビアホールの穴径は、エッチング時間が2分間で開口部が392μm、穴底部が326μmであった。
【0054】(実施例5)片面銅貼りポリイミドフィルム(Cu18μm/米国のデュポン社製のカプトンEN50μm)100mm×100mmを1%のNaOHで洗浄した後、ポリイミド面にアクリル系感光性ドライフィルム(日合モートン株式会社製のNIT40μm)を130℃でラミネートした。
【0055】次いで、穴径330μmのフォトマスクを用いて高圧水銀灯で露光を行い、130mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0056】次いで、専用のアルカリ現像液で現像水洗し、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した。なお、得られたドライフィルムパターンマスクの底穴径は332μmであった。
【0057】次いで、このドライフィルムパターンマスクに更に高圧水銀灯から照射量1500mJ/cm2の紫外線を照射した。
【0058】次いで、かかるドライフィルムパターンマスクを形成した片面銅張りポリイミドフィルムを、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)を用いて80℃で9分間エッチング処理と水洗を行い、ポリイミドフィルムにブラインドビアホールパターンを形成した。
【0059】ブラインドビアホールの穴径は、開口部が456μm、穴底部335μmであった。
【0060】(実施例6)片面銅貼りポリイミドフィルム(Cu18μm/米国のデュポン社製のカプトンEN50μm)100mm×100mmを1%のNaOHで洗浄した後、ポリイミド面にアクリル系感光性ドライフィルム(日合モートン株式会社製のNIT50μm)を130℃でラミネートした。
【0061】次いで、穴径330μmのフォトマスクを用いて高圧水銀灯で露光を行い、160mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0062】次いで、専用のアルカリ現像液で現像水洗し、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した。なお、得られたドライフィルムパターンマスクの底穴径は332μmであった。
【0063】次いで、このドライフィルムパターンマスクに更に高圧水銀灯から照射量1500mJ/cm2の紫外線を照射した。
【0064】次いで、かかるドライフィルムパターンマスクを形成した片面銅張りポリイミドフィルムを、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)を用いて80℃で11分間エッチング処理と水洗を行い、ポリイミドフィルムにブラインドビアホールパターンを形成した。
【0065】ブラインドビアホールの穴径は、開口部が465μm、穴底部が357μmであった。
【0066】(実施例7)片面銅貼りポリイミドフィルム(Cu18μm/米国のデュポン社製のカプトンEN50μm)100mm×100mmを1%のNaOHで洗浄した後、ポリイミド面にアクリル系感光性ドライフィルム(日合モートン株式会社製のラミナーAX25μm)を130℃でラミネートした。
【0067】次いで、穴径330μmのフォトマスクを用いて高圧水銀灯で露光を行い、100mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0068】次いで、専用のアルカリ現像液で現像水洗し、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した。なお、得られたドライフィルムパターンマスクの開口穴径は332μmであった。
【0069】次いで、このドライフィルムパターンマスクに更に高圧水銀灯から照射量400mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0070】次いで、かかるドライフィルムパターンマスクを形成した片面銅張りポリイミドフィルムを、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)を用いて80℃で7分間エッチング処理と水洗を行い、ポリイミドフィルムにブラインドビアホールパターンを形成した。
【0071】ブラインドビアホールの穴径は、開口部が499μm、穴底部が345μmであった。
【0072】(実施例8)上記実施例7において、ドライフィルムパターンマスクに対する紫外線照射量を400mJ/cm2 から1500mJ/cm2 にしたこと以外の条件は上記実施例7と同一条件で処理した結果、ブラインドビアホールの穴径は、開口部が480μm、穴底部が328μmであった。
【0073】(実施例9)ポリイミドフィルム(米国のデュポン社製のカプトンEN75μm)100mm×100mmを1%のNaOHで洗浄した後、両面にアクリル系感光性ドライフィルム(日合モートン株式会社製のラミナーAX25μm)を130℃でカバーフィルムをつけたままでラミネートした。
【0074】次いで、片面のカバーフィルムをはがし、穴径330μmのフォトマスクを用いて高圧水銀灯で露光を行い、60mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0075】次いで、専用のアルカリ現像液で現像水洗し、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した。なお、得られたドライフィルムパターンマスクの穴底径は350μmであった。
【0076】次いで、この得られたドライフィルムパターンマスクに更に高圧水銀灯から照射量400mJ/cm2 の紫外線を照射した。
【0077】次いで、その一方の面にドライフィルムパターンマスクを形成し、他方の面にカバーフィルムをつけたままのポリイミドフィルムを、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)を用いて80℃で15分間エッチング処理と水洗を行い、ポリイミドフィルムにスルーホールパターンを形成した。貫通した穴は、ほぼ真円でその穴径は、開口部が550μm、穴底部が320μmであった。
【0078】
【比較例】次に、比較例について述べる。
【0079】(比較例1)上記実施例1において、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した後に、高圧水銀灯で紫外線照射を行わなかったこと以外の条件は上記実施例1と同一条件で処理した結果、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)でエッチング中に、ドライフィルムパターンマスクの穴の部分、特に、ポリイミドフィルムとの接触部で膨潤が起こり、開口部の穴径が拡大したものや形状が変化したブラインドビアホールしか得られなかった。
【0080】(比較例2)上記実施例2において、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した後に、高圧水銀灯で紫外線照射を行わなかったこと以外の条件は上記実施例2と同一条件で処理した結果、上記比較例1と同様にポリイミドフィルムとの接触部で膨潤が起こり、開口部の穴径が拡大したものや形状が変化したブラインドビアホールしか得られなかった。
【0081】(比較例3)上記実施例3において、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した後に、高圧水銀灯で紫外線照射を行わなかったこと以外の条件は上記実施例3と同一条件で処理した結果、比較例1と同様にポリイミドフィルムとの接触部で膨潤が起こり、開口部の穴径が拡大したものや形状が変化したブラインドビアホールしか得られなかった。
【0082】(比較例4)上記実施例4において、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した後に、高圧水銀灯で紫外線照射を行わなかったこと以外の条件は上記実施例1と同一条件で処理した結果、東レエンジニアリング株式会社製のポリイミドエッチング液(TPE−3000)でエッチング中に、ドライフィルムパターンマスクの穴の部分、特に、ポリイミドフィルムとの接触部においてエッチング液の浸透と樹脂の膨潤が起こり、ポリイミドフィルム表面部分が溶解したものしか得られなかった(図2参照)。
【0083】(比較例5)上記実施例5において、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した後に、高圧水銀灯で紫外線照射を行わなかったこと以外の条件は上記実施例1と同一条件で処理した結果、上記比較例1と同様にポリイミドフィルムとの接触部で膨潤が起こり、開口部の穴径が拡大したものや形状が変化したブラインドビアホールしか得られなかった(図3参照)。
【0084】(比較例6)上記実施例6において、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した後に、高圧水銀灯で紫外線照射を行わなかったこと以外の条件は上記実施例6と同一条件で処理した結果、上記比較例1と同様にポリイミドフィルムとの接触部で膨潤が起こり、開口部の穴径が拡大したものや形状が変化したブラインドビアホールしか得られなかった。
【0085】(比較例7)上記実施例1において、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した後の高圧水銀灯による紫外線照射に代えて、150℃で30分間加熱して樹脂硬化を行ったこと以外の条件は上記実施例1と同一条件で処理した結果、加熱処理後のドライフィルムパターンマスクの穴径が、加熱処理前に比べてやや拡大していたと共に前記マスクがかなり硬くなって脆弱化されており、従って、わずかな力でひび割れや剥がれが生じ、かつ、そこにエッチング液が浸透する為、満足するパターンが得られなかった(図4参照)。
【0086】(比較例8)上記実施例4において、ドライフィルムパターンマスク(樹脂層パターンマスク)を形成した後の高圧水銀灯による紫外線照射に代えて、150℃で30分間加熱して樹脂硬化を行ったこと以外の条件は上記実施例4と同一条件で処理した結果、比較例7と同様に満足するパターンが得られなかった。
【0087】(比較例9)上記実施例9において、ドライフィルムパターンマスクを形成した後にマスクへの紫外線照射を行わなかったこと以外の条件は上記実施例9と同一条件で処理した結果、比較例1と同様にエッチングでマスクが膨潤し、変形した穴しか得られなかった。
【0088】以上の実施例1〜9及び比較例1〜9の結果を表1に示す。
【0089】
【表1】

【0090】表1中、PIはポリイミドフィルムを、また、( )内はエッチング穴の開口径/穴底径を示している。なお、実施例1〜9及び比較例1〜9において、紫外線照度の測定は、オーク製作所製の紫外線照度計UV−102、受光器UV−35、測定波長範囲が320〜390nm中心波長360nmで行った。
【0091】このように、樹脂層パターンマスクを形成した後で紫外線で再露光する本発明に係る実施例1〜9においては、いずれも正常な穴パターンを持ったポリイミドフィルムが得られているのに対し、再露光を行わなかったり或いは再露光に代えて従来通りの熱硬化を行ったりする比較例1〜9においては、樹脂層パターンマスクの膨潤によるエッチング寸法や穴形状が変化したり或るいはマスクにひび割れが発生したりしているから、本発明に係るエッチング方法の方が有利であることがわかる。
【0092】
【発明の効果】上述のように、本発明においては、単体基材としてのポリイミドフィルムや片面銅貼りポリイミドフィルムをアルカリ性液でエッチングする場合において、樹脂層パターンマスクの形成に引き続いて、前記樹脂層パターンマスクの表面のみを硬化せしめるように再度の紫外線照射を行うようにしているから、リールツーリール方式の搬送等に適した可撓性を保持し得ると共に穴等のエッチング加工寸法及び形状が安定化したエッチング製品を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
【識別番号】594066132
【氏名又は名称】レイテック株式会社
【出願日】 平成12年4月18日(2000.4.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−305750(P2001−305750A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−116918(P2000−116918)