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【発明の名称】 電気光学装置の製造方法及び電気光学装置の製造装置
【発明者】 【氏名】大構 哲也

【要約】 【課題】液晶装置装置の製造過程で使用される、パドル現像における現像ムラを無くす方法及びそのたに最適な装置を提供する。

【解決手段】長方形の基板のパドル現像工程において、現像液流出管の移動方向を、長方形の基板の短辺に沿った方向にして、基板表面を走査する時間差を極力少なくする。このための装置としては、長方形の基板を長手方向に沿って搬送する搬送系と、基板を水平に保持して回転可能な基板支持部と、長方形の基板の短辺に向かう方向に移動可能な現像液流出管とから構成する。また、パドル現像と同時に洗浄処理もできるように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定のパターンに露光されたレジストが形成された長方形の基板の前記レジストを現像液により現像する電気光学装置の製造方法であって、現像液流出管を前記基板表面と平行にかつ前記基板の短辺に沿った方向に移動させながら前記レジストが形成された前記基板上に前記現像液を供給し、前記基板上に所定の時間、前記現像液を保持して現像処理する工程を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】 請求項1記載の電気光学装置の製造方法であって、前記現像液流出管は、前記基板の長辺方向に平行に配置され、前記移動は、前記基板の1端の長辺側から前記基板の他端の長辺側への移動であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項3】 請求項1記載の電気光学装置の製造方法であって、前記現像処理工程が、前記基板を洗浄する工程を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項4】 前記現像液流出管として、現像液流出管の前記基板と対向する側に、複数の現像液吐出ノズルを有するものを使用することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項5】 前記基板表面を前記現像液流出管が移動する時間が、現像時間の10%以内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項6】 長方形の基板を有する電気光学装置を製造するための電気光学装置の製造装置であって、前記基板を搬送する搬送系と、前記基板を水平かつ回転可能に支持する基板支持部と、前記基板表面と平行に、かつ前記基板の短辺に沿った方向に移動可能でかつ複数の現像液吐出ノズルを有する現像液流出管と、前記基板表面上の前記現像液を洗浄する洗浄手段と、を具備してなる電気光学装置の製造装置。
【請求項7】 前記洗浄手段が、前記基板表面に純水を噴射する水洗ノズルからなることを特徴とする請求項6記載の電気光学装置の製造装置。
【請求項8】 前記現像液流出管と前記洗浄手段が前記基板支持部上に配置されており、前記基板に現像液を供給する処理と洗浄処理が前記基板支持部上で連続して行えるように構成されてなる請求項6に記載の電気光学装置の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電気光学装置の製造方法及び電気光学装置の製造に使用される電気光学装置の製造装置に関するものである。さらに詳しくは、電気光学パネルを構成する長方形の基板上に対してフォトリソグラフィ法によってパターンを形成するときのレジストの現像工程に関するものである。
【0002】
【従来の技術】長方形の基板に対するフォトリソグラフィ法によるパターン形成は、例えば、電気光学装置の一種である液晶装置の基板の製造で広く使用されている。フォトリソグラフィ法は一種の写真技術であって、基板上にレジストを塗布した後、所定のパターンを光で露光し、現像液による現像処理、ポストベーク、冷却等の工程を経て、基板上に所望のパターンを得る方法である。
【0003】現像液による現像処理をする場合において、基板と現像液を接触させる方法には、現像液を液槽に貯留しておいて当該液槽中に基板を浸漬させるデイップ法がある。デイップ法では、現像処理が進むにつれて現像液が劣化し、現像ムラが生じる欠点がある。この欠点を解決する手段として、多量の現像液を基板表面にシャワー状に供給しながら現像するシャワー方式がある。シャワー方式では、常に新鮮な現像液が供給される反面、現像液の消費量が莫大になり、現像液を回収して再利用するためには、新たな設備が必要となる。
【0004】あるいはまた別の方法として、基板表面にパドルから現像液を供給して、現像液の表面張力を利用して基板表面上に現像液の液盛りを形成し、一定時間保持して現像処理を行うするパドル方式も行われている。
【0005】パドル方式は、デイップ法やシャワー方式に比較して、1回の現像に使用する現像液の量を大幅に節減できる利点を有し、メンテナンスも容易であるという利点も有するため、電気光学装置の製造方法としても広く実施されている方法である。
【0006】上記パドル方式の現像方法において、現像液流出管を基板表面に沿って移動させながら、現像液供給管に設けた複数の現像液吐出ノズルから基板表面に現像液を滴下する方法も採用されている。
【0007】上記パドル方式の現像方法においては、現像が不均一になって現像ムラを起こさないようにすることが重要である。現像ムラを防ぐには、劣化のない良質な同じ量の現像液を、基板表面に均一に供給する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電気光学装置の製造においては、一般に1枚のマザー基板から多数個の電気光学パネルを製造することが行われている。電気光学装置の製造装置では、長方形のマザー基板を基板の長辺方向に搬送し、順次、所定の工程を経る搬送方式が採用されている。マザー基板の長辺方向に移動させた方が、基板を安定して搬送できるとともに、装置のスペースを小さくできるからである。現像液塗布工程、現像処理工程、現像液洗浄工程も1つの現像装置の中で実施されるが、基板は1枚毎、基板の長辺に沿った方向に移動して、各工程を経ている。
【0009】現像液塗布工程において、現像液流出管をマザー基板の短辺と平行に配置し、長方形のマザー基板が長辺方向への搬送されるにつれて、マザー基板の1端の短辺から他端の短辺に現像液が供給される場合には、マザー基板の一端側の表面から現像液が供給され始める時とマザー基板の他端側表面まで現像液が供給しおわる時との間に時間的なズレが生じ、現像ムラの原因となる。例えば、長辺の長さ500mmの基板の表面を、毎秒80mmの速度で現像液流出管を移動させる場合所要時間は6.25秒となり、最初に現像液が供給された部分と最後に現像液が供給された部分とでは、現像時間に6.25秒の差異が生じることになる。現像液流出管と基板搬送の相対的な移動速度を増して短時間に現像液を供給しようとすると、基板と現像液との濡れ性が悪いため、現像液が基板表面で弾かれてにスムースに広がらず、いわゆる液切れ現象を呈するようになる。
【0010】現像時間(基板に現像液が供給され始めてから、基板全面に現像液が供給されて、さらに基板上に所定の時間現像液を保持する時間)に差異が生じると、得られるレジストパターンの幅に差が生じる。すなわち、このレジストパターンのばらつきに起因して、最終的に基板上に形成されるパターン寸法について、基板面内でばらつきが生じることになる。
【0011】電気光学装置の一例であるアクティブマトリクス型の液晶装置で考えると、液晶駆動用素子として使用するTFD( Thin Film Diode ) 素子 やTFT( Thin Film Transistor ) 素子のパターン寸法のばらつきは、スイッチング特性がばらくつことを意味する。よって、TFD素子が、一対の導電膜の間に絶縁層が介されてなる2端子型の素子であって、一方の導電膜をタンタル(Ta)パターンで形成する場合、タンタルパターンの幅は2.5μm程度であり、パターン幅のばらつきは±0.2μm以内にすることが求められている。また、他方の導電膜を構成するクロム(Cr)パターンを形成する場合、クロムパターンの幅は3.0μm程度であり、パターン幅のばらつきは±0.2μm以内にすることが求められている。
【0012】タンタル膜やクロム膜からフォトリソグラフィ法を使用してTFD素子用のタンタルパターンやクロムパターンを形成する場合、レジストパターンの現像処理に要する時間は、通常50〜60秒程度である。理想的にはこの範囲内で基板全面が同じ時間現像処理されることが望ましい。50〜60秒程度の現像時間に対して6.25秒の現像時間差が生じると10%以上の差が生じることとなり、基板面内で均一なレジストパターンを得ることは期待できない。
【0013】生産効率を高めるために液晶装置用のマザー基板の大きさは益々大きくなり、現像時間の差は深刻な問題となっている。大型のマザー基板に対応可能で現像液の使用量が少なく、短時間でマザー基板全面に均一に現像液を載置でき、しかも現像時間差が少なくなる処理方法の提供が求められている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の電気光学装置の製造方法は、所定のパターンに露光されたレジストが形成された長方形の基板を現像液により現像する電気光学装置の製造方法であって、現像液流出管を前記基板表面と平行にかつ前記基板の短辺に沿った方向に移動させながら前記レジストが形成された前記基板上に前記現像液を供給し、前記基板上に所定の時間前記現像液を保持して現像処理する工程を有することを特徴とする。
【0015】さらに、前記現像液流出管は、前記基板の長辺方向に平行に配置され、前記移動は、前記基板の1端の長辺側から前記基板の他端の長辺側への移動であることを特徴とする。
【0016】基板の長手方向よりも短辺方向に現像液流出管を移動させることにより、基板上に現像液を載置するのに要する時間を短縮して、しかも現像液が最初に載置される部分と最後に載置される部分との時間差を小さくすることができる。
【0017】さらに、前記現像処理工程の後、前記基板を洗浄する工程を有することを特徴とする。
【0018】また、本発明では、前記現像液流出管として、現像液流出管の基板と対向する側に複数の現像液吐出ノズルを有するものを使用するのが好ましい。
【0019】なるべく短時間に均一に基板表面全面に現像液を載置するためである。
【0020】さらに、本発明では、長方形の基板表面を前記現像液流出管が移動する時間が、現像時間の10%以内とすることが好ましい。
【0021】レジストパターンの現像処理に要する時間は、通常50〜60秒程度であり、10%以内の現像時間の差では顕著な現像ムラは認められないからである。
【0022】本発明の電気光学装置の製造装置は、長方形の基板を有する電気光学装置を製造するための電気光学装置の製造装置であって、前記基板を搬送する搬送系と、前記基板を水平かつ回転可能に支持する基板支持部と、前記基板表面と平行に、かつ前記基板の短辺に沿った方向に移動可能でかつ複数の現像液吐出ノズルを有する現像液流出管と、前記基板表面上の前記現像液を洗浄する洗浄手段と、を具備している。
【0023】前記洗浄手段が、前記基板表面に純水を噴射する水洗ノズルからなることを特徴とする。
【0024】前記現像液流出管と前記洗浄手段が前記基板支持部上に配置されており、前記基板の現像処理と洗浄処理が前記基板支持部上で連続して行えるように構成されていることが好ましい。
【0025】前記現像液流出管と前記水洗ノズルが前記基板支持装置直上に配置し、現状処理と水洗処理が同じ基板支持装置上で連続して行えるように構成しておくと、作業の連続性が確保されるので好ましいからである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明に係わる電気光学装置の製造方法及びそれに使用するのに適した電気光学装置の製造装置について詳しく説明する。
【0027】図1は、レジストの現像処理工程を中心とした電気光学装置の製造工程の一部分を示した工程図である。
【0028】本発明の電気光学装置の製造工程の概略を示せば、透明なガラスあるいはプラスチックなどからなるマザー基板の表面全面に、所定の膜を形成した後、この膜上にレジストを塗布する(工程a)。次いで、所定のマスクを使用してレジストを露光してパターンを焼き付ける(工程b)。パターンを焼き付けた基板上に現像液を供給し、所定時間保持したのち、基板を洗浄し、前記膜上に必要なレジストパターン部分を残す(工程c)。本発明の中心的な工程である。現像処理工程は基板表面に現像液を供給し、一定時間保持して現像処理を行った後、基板を純水洗浄し脱水する工程を含んでいる。次いで、残ったレジストパターンを低温で焼き固め(工程d)、さらに冷却(工程e)して、所望のレジストパターンを得る。
【0029】まず、上記のような一連の現像処理工程に使用する装置について説明する。
【0030】図2は本発明の電気光学装置の製造装置である現像装置の一例を示す断面図で、図3は現像装置を上からみた平面図ある。
【0031】図2の電気光学装置の製造装置は、中央には位置された現像室1と、この現像室1の基板搬入側と基板搬出側にそれぞれ隣接して配置された搬入室2と搬出室3と、これらの部屋を貫通して基板10を搬送する基板搬送系4と、基板搬送系4により移送されてきた基板10の表面に、現像液を供給するために現像室1内に配置された現像液流出管5と、現像液流出管5に現像液を定量的に送り込むための、定量ポンプ63を含む現像液供給系6と、基板10の搬送と定量ポンプ63による現像液の送出を、基板10の搬送のタイミングに合わせて制御する制御部7とから主として構成されている。
【0032】基板搬送系4は、回転軸41とローラー42から構成されたローラーユニットを搬送ライン40に沿って多数配置することによって構成されている。現像室1と搬入室2とを区画する搬入側隔壁11には、基板搬入口130が形成され、現像室1と搬出室3とを区画する搬出側隔壁13には、基板搬出口140が形成されている。上記搬送系4によって基板10は基板搬入口130から現像室1に入り、後述のようにして所定の現像処理を行った後、基板搬出口140から搬出されるようになっている。
【0033】基板10の長辺方向に、搬入室2から現像室1内に搬送された基板10は、搬送ローラー42から基板支持部8へ載せかえられる。基板支持部8は例えば真空チャク機構により基板10を吸着保持できるようになっている。そして基板支持部8は図示しない油圧式の押し上げ機構及び電動式の回転機構を備えていて、基板10を吸着保持すると基板10を搬送ローラー42の面よりも上に押し上げると同時に基板10を90度回転させることができる。本発明の現像処理法法では、現像液流出管5を基板10の短辺に沿った方向(図3のFの方向)に移動させる必要がある。このために図3に示すように、直線の管状の現像液流出管5が、基板の搬送方向に対して、垂直に設けられる場合には、基板10を基板支持部上で90度回転して現像処理することになる。
【0034】直線の管状の現像液流出管5が、基板の搬送方向に対して、平行に設けられる場合には、基板を90度回転させる必要はない。
【0035】現像液流出管5は、図3に示すように、少なくとも基板の長辺の長さよりも長い直線の管状をしている。支持アーム51によって現像室1の天井に取り付けられた支持レール54に移動可能に懸垂状態で取り付けられ、図示しない駆動装置によって基板10の短辺に沿った方向に、基板10のはじからはじまで(基板の1端の長辺から他端の長辺まで)を移動可能に構成されている。
【0036】また、現像液流出管5は、フレキシブルホース53を介して現像液供給系6の主配管50に接続されている。この現像液流出管5の内径は6〜10mm程度である。現像液流出管5の基板10と対向する位置には複数の現像液吐出ノズル52が設けられている。現像液吐出ノズル52の口径は、例えばノボラック系レジストをアルカリ水溶液で現像する場合は1mm程度であり、現像液吐出ノズル52の間隔は2〜4mm程度である。しかしながらこれらの値は特に制限があるわけではなく、現像液の種類、吐出温度、基板10と現像液吐出ノズル52の間隔等を考慮して、適宜決めればよい。
【0037】現像液供給系6は、本発明の液晶装置の製造装置外に配置された現像液タンク61と、現像液タンク61から現像液流出管5の現像液を供給するための供給側配管62とを備えている。そして供給側配管62による現像液の供給経路の途中には、定量ポンプ63、フィルター64、電磁弁65及びサックバック66がこの順序で挿入されている。
【0038】現像液タンク61は、窒素等の不活性ガスでパージされていて、現像液が空気と反応して酸化劣化するのを防止するようにしてある。また、現像液タンク61には必要により新しい現像液が補給されるようになっている。
【0039】定量ポンプ63は、現像液を現像液タンク61から現像液流出管5に定量的に供給するものである。定量ポンプ63は図示しない流量コントローラーを備えており、制御部7からの信号で電磁弁65が開くと、現像液流出管5に現像液を送り込み、各現像液吐出ノズル52から所定量の現像液が吐出されるようになっている。現像液の供給停止は制御部7を通して任意のプログラムで行えるようになっている。基板10の大きさや、現像液の種類が変更になった場合には、制御部を通して適宜流量コントローラーを調整し、所定量の現像液が供給されるようにする。現像液の供給停止は制御部7からの信号で任意のプログラムを設定して行えるようになっている。
【0040】フィルター64は、現像液に万が一混入した異物を除去するためのものであり、従来周知のものが利用できる。
【0041】サックバック66は、電磁弁65が閉じたときに配管内の現像液の圧力を負圧にして、現像液吐出ノズル52からの現像液の滴下を防止するためのものである。
【0042】本装置の現像室1内では、現像処理に引き続き現像処理の後半に相当する洗浄処理を行う方式を採っている。基板10の中心部直上に配置された散水ノズル9から散水された洗浄用の純水を基板に向けて噴射し、基板は基板支持部の回転により回転させられ、この回転の遠心力を利用して、純水を吹き飛ばす。洗浄が終了すると、再び基板支持部8を搬送ローラー42のレベルまで下げて、基板10を搬出室3側の搬送ローラー42へ載せ変えて、搬出室3へ搬送する。
【0043】次に、図2に示した電気光学装置の製造装置を使用して、電気液晶基板を製造する際の現像処理の方法につて説明する。
【0044】図3は、図2に示した現像装置の現像室1を中心にして、上から見た平面配置を示す図である。レジストを塗布した基板10が、基板搬送系4によって、基板の長手方向に沿って搬入室2から現像室1へ搬入される。現像室1へ搬入された基板10は、基板支持部8に乗せられる。ここで、基板10を乗せた基板支持部8は、図示しない押し上げ装置と回転装置により、搬送ローラー42面よりも上に押し上げられると共に、基板10を90度回転させて停止する。
【0045】基板10の一端(図3では紙面右端)に配置された現像液流出管5から現像液が定量的に吐出し、同時に現像液流出管5は基板10の他端(図3では紙面左端)に向かって、基板10の短辺に沿った方向に所定の速度で移動する。この間に基板10の表面に滴下された現像液は、基板全面に広がり、表面張力により一定厚さの均一な液盛りを形成する。
【0046】この時、現像液流出管5の移動方向は、図4に詳細に示すように基板10の短辺(W)に沿った方向の図中Fの方向に移動させることとする。長編(L)に沿った方向よりも移動時間が短く、基板の長辺の一端から他端までに現像液を供給する間の時間差を少なくするためである。この時間差が少なくなる結果、最初の現像液が載置された部分(図4では右端の記号Sの部分)と、現像液が最後に載置された部分(図4では左端の記号Eの部分)とで現像時間差が小さくなり、現像ムラを回避することができる。
【0047】図5は現像液流出管5が移動する様子を説明する概観図である。現像液流出管5は支持アーム51を介して現像室1内に設けられた支持レール54に懸垂状態で支えられ、図示しない駆動装置によって図面F方向に移動する。勿論、現像液流出管5は支持アーム51を介して下から支えるような方式でも良い。
【0048】図6には、上記のようにして得られる現像液の液盛り形成過程(現像液の供給過程)を示している。まず、基板10上の一端部Sに滴下された現像液は、周辺に広がって表面張力により液盛り20を形成する(図6(a)参照)。現像液流出管5が移動するに従って、液盛り20も順次拡大し(図6(b)参照)、現像液流出管5が基板10上の他端部Eに到達したときには、図6(c)に示すように基板10の全面にわたって液盛り20が形成される。
【0049】基板10の全面にわたって液盛り20が形成された後、現像液の供給を停止し所定時間保持してた後、図2に示す基板支持部8を回転させながら、現像室1の天井に取り付けられた散水ノズル9から洗浄用の純水を噴射し、基板10の表面を十分に洗浄する。洗浄を終えた基板10は、基板支持部8を回転させ長手方向に向けて、再び基板搬送系4により搬出室3に搬送し、次工程に送られる。
【0050】また、本発明で現像時間とは、基板の一端から現像液が供給され始めた時から、他端まで現像液が供給された後、一定時間保持されて、基板の洗浄が始まる前までをいう。
【0051】この一連の工程は、基板10の搬送・回転、現像液流出管5の移動、現像液の吐出、洗浄水の吐出等全ての工程を制御部7からの信号で自動的に制御することができる。
【0052】(液晶装置の具体例)本発明の電気光学装置の製造方法と現像装置を使用して製造される電気光学装置の一例として、アクティブマトリクス型の液晶装置を説明する。この液晶装置は、スイッチング素子としてTFD素子を備えるものである。
【0053】図7は、本発明の製造方法により得られる液晶装置の部分構成図を示す図である。図7において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材の縮尺は実際のものとは異なるように表している。
【0054】図7に示すように、液晶装置100において、TFD素子25備えた素子基板(下側基板)111と、カラーフィルター層18を備えたカラーフィルター基板(上側基板)121とが、それぞれの基板の周縁部において図示は省略しているシール材を介して所定間隔を保って貼り合わせてあり、素子基板111とカラーフィルター基板121の間に液晶層(図示省略)が挟持されている。
【0055】素子基板111は、ガラス等あるいはプラスチックからなる透明の基板110と、その上に形成された画素電極28とTFD素子25とを主体に構成されている。カラーフィルター基板121は、ガラス等からなる透明の基板120と、その下面側(液晶層側)に積層形成されたカラーフィルター層18と透明電極19とを主体に構成されている。
【0056】図7に示すように、基板110上には、複数の画素電極28がマトリクス状に配置され、これらの画素電極28を駆動するためのTFD素子25が各画素電極28毎に配置されている。また、基板110上において、また、TFD素子を列あるいは行毎に接続する複数の配線部21が設けられる。
【0057】基板120の液晶層側の表面上には、カラー画素18a及び遮光層18bからなるカラーフィルター層18が形成されている。カラー画素18aは、着色感材法、染色法、転写法、印刷法などにより形成され、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の3色が所定のパターンで配列している。また、遮光層18bはカラー画素18aが形成されない箇所に形成され、クロムなどの金属や、黒色顔料を分散させたカラーレジストなどから構成されている。
【0058】カラーフィルター層18の液晶層側には、インジウム錫酸化物( Injium TinOxide :ITO)などからなる複数の透明電極19が各々短冊状に形成され、各透明電極19は素子基板110に設けられた配線部21と交差するように設けられている。また、カラーフィルター層18と透明電極19との間には保護膜や絶縁膜などが形成されているが、図面上は簡略化のため省略している。
【0059】液晶装置100において、透明電極19、配線部21のうち、一方には走査信号が印加され、もう一方にはデータ信号が印加される。
【0060】画素電極28の液晶層側、透明電極19の液晶層側には配向膜が形成されているが、図面上は簡略化のため省略している。また、素子基板111、カラーフィルター基板121間には、液晶セルのセルギャップを均一化するために多数の球状のスペーサーが配置されているが図面上は省略している。また、素子基板111、カラーフィルター基板121の外側には位相差板、偏光板などの光学素子が設置されているが、図面上は省略している。
【0061】上記の液晶装置100の素子基板111を取り上げて、本発明に係る電気光学装置の製造方法を説明する。
【0062】図8は、液晶装置に使用するTFD素子の一例を示す平面図である。図9は、図8に示すTFD素子の線A−A’に沿った断面構造を示す図である。図8は、一つの画素30の液晶駆動素子の近傍部分を拡大して示したものである。
【0063】図8及び図9において、TFD素子25は基板110上に形成された絶縁膜31を下地層として、この上に順に形成された第1導電膜であるタンタルパターン22、タンタルの陽極酸化膜からなる絶縁膜24及び第2導電膜であるクロムパターン26から構成されたTFD素子構造を形成している。タンタルパターン22は基板110上に形成された配線部21の第1導電膜に接続されており、クロムパターン26はインジウム錫酸化物等からなる透明な画素電極28の隅部に一部が重複して接続されている。タンタルパターン22の厚さは約150nm程度、絶縁膜24の厚さは約50nm程度、クロムパターン26の厚さは約80〜100nm程度である。
【0064】このようなTFD素子25は、以下のような工程を経て形成させる。
【0065】図10は、ガラス等から形成される透明な基板上にTFD素子を形成する工程を示したものである。ここで使用する基板は、1枚の基板表面に多数個の液晶パネルを面取りする、いわゆるマザー基板である。
【0066】先ず、図10の工程(a)では、大きさが(370×470)mmのガラス製の基板110の上に、下地層31としてタンタル(Ta)膜をスパッタリングにより基板表面の全面に堆積させた後、熱酸化させることにより50〜200μm程度の厚さの酸化タンタル膜を形成する。このように下地層31を形成することにより、基板110と後述するTFD素子の構成要素であるタンタル膜との密着性を向上させることが可能となり、また、基板110からタンタル膜への不純物の拡散を防止することもできる。なお、タンタル膜への不純物の拡散が問題とならない場合には、下地層31の形成を省略することができる。
【0067】次に、下地層31の上に、第1の導電膜としてタングステンが0.1〜6原子%の割合で含まれたタンタルターゲットを使用し、スパッタリングにより100〜500nm程度の厚さのタンタル合金膜122を成膜する。
【0068】次に、工程(b)では、工程(a)にて形成されたタンタル合金膜122をフォトリソグラフィによりパターニングして、配線部21のタンタルパターンと素子部のタンタルパターン22を形成する。
【0069】タンタル合金膜122をパターニングするには、図1に示した工程に従って、基板110上のタンタル合金膜122の表面にレジストを塗布し(図1a)、所定のパターンを有するマスクによりレジストを露光して(図1b)複数個のパターンを焼き付け、現像液を使用して現像処理を施し(図1c)、ポストベーク(図1d)した後冷却してレジストパターンを得る。次いで、レジストパターンをマスクとして基板110をエッチング処理すれば、図10(b)に示す配線部21のタンタルパターンと素子部のタンタルパターン22が得られる。
【0070】さらに詳しく現像処理の条件を説明すると、レジストは約1.3μmの厚さに塗布する。次いで所定のパターンを露光した後、現像処理をする。具体的には、図2及び図3に示す装置を使用して、基板110の短辺に沿った方向に短辺の長さ370mmの距離について、現像液流出管5を毎秒61mmの速度で約6秒間かけて移動させ、この間に現像液流出管5の先端に取り付けた20個の現像液吐出ノズル52から、現像液を供給する。現像液流出管5が基板の他端近傍に到達し、基板110の全面に現像液を載置したたら現像液の供給を停止し、そのまま60秒間所定時間静置して現像処理を行う。その後基板を回転させながら、散水ノズル9から純水を散布して洗浄し、脱水した後、現像処理を終了する。このようにして、基板上に所定の形状のタンタルパターンが得られる。
【0071】次に、図10に示す工程(c)では、図10(b)工程で得られた配線部21のタンタルパターンと素子部のタンタルパターン22の上に、陽極酸化法により20〜70μm程度の厚さのタンタル酸化膜からなる絶縁膜24を形成する。
【0072】次に、図10に示す工程(d)では、図10(c)工程で得られた素子部のタンタルパターン22上に形成された絶縁膜24と一部が重なるように、第2の導電膜となるクロム(Cr)膜26を形成する。膜厚は50〜300μmとする。
【0073】絶縁膜24と一部が重なるようにクロム膜26を形成するに際しても、先ず、全面にクロム膜をスパッタリング成膜した後、クロム膜を、本発明の現像処理工程を含むフォトリソグラフィを利用してパターニングする。そして最後に、図10に示す工程(e)では、クロム膜26とその一部が重なるようにして、厚さ30〜200nmのITOからなる透明な画素電極28を形成する。
【0074】画素電極28を形成する際も、前記タンタル合金膜やクロム膜の形成の場合と同様に、先ず、全面にITO膜をスパッタリング成膜した後、ITO膜をフォトリソグラフィを利用してパターニングする。
【0075】このようにして、素子部のタンタルパターン22と絶縁膜24とクロムパターン26が重なる部分の領域に、TFD素子25が得られる。このようにして得られたTFD素子25のタンタルパターン22の幅は2.5μm±0.10μm、クロムパターン26の幅は3.0μm±0.15μmで、線切れがなく、バラツキが極めて少なくて良好な結果が得られており、液晶パネル面内でTFD素子としての特性にばらつきのない均一な素子が得られる。
【0076】このようにして得られた素子基板111を、もう一方の基板である例えばカラーフィルター基板121と画素の位置合わせをして所定の間隔を保って貼り合わせ、2枚の基板間に液晶を封じ込んで液晶パネルとした後、液晶を駆動するための外部回路等を液晶パネルに接続して液晶装置100とする。
【0077】本発明の製造方法および製造装置により製造される電気光学装置の具体例として、本実施例では液晶装置を例として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、長方形の基板から製造されるEL(エレクトロルミネッセンス)装置、フィールドエミッションダイオードパネル、プラズマディスプレイパネルなどの電気光学装置の製造方法および製造装置について適用可能である。
【0078】
【発明の効果】本発明の電気光学装置の製造方法によれば、露光済みのレジスト膜上に現像液を供給する際に、基板面内での現像時間の時間差を少なくすることができる。
【0079】
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成12年3月22日(2000.3.22)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉 (外1名)
【公開番号】 特開2001−265009(P2001−265009A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−80679(P2000−80679)