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【発明の名称】 レジストパターンの形成方法、薄膜パターンの形成方法および薄膜磁気ヘッドの製造方法
【発明者】 【氏名】佐藤 慶一

【氏名】六本木 哲也

【要約】 【課題】従来のフォトリソグラフィーを用いた技術では製造することが困難であった微細な薄膜パターンを高いスループットで形成できるようにする。

【解決手段】薄膜磁気ヘッドの上部磁極層の形成方法では、まず、基板20の上に電極層21を成膜する。次に、電極層21の上に第1のレジスト層31を形成し、第1のレジスト層31を露光、現像する。次に、電極層21および第1のレジスト層31の上に第2のレジスト層32を形成し、第2のレジスト層32を例えば電子線によって露光する。次に、第1のレジスト層31を再度露光し、第2のレジスト層32の現像と、第1のレジスト層31の現像を行う。このようにして形成されたフレームを用いて、フレームめっき法により上部磁極層を形成する。フレームは、内周側の端部が第2のレジスト層32によって規定され、外周側の端部が第1のレジスト層31によって規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周側の端部と内周側の端部とを有するレジストパターンを形成する方法であって、下地の上に第1のレジストによって第1のレジスト層を形成する工程と、前記第1のレジスト層をパターニングして、第1のレジストとは異なる第2のレジストによって第2のレジスト層を形成するための領域を形成する工程と、前記領域に第2のレジストによって第2のレジスト層を形成する工程と、前記第2のレジスト層をパターニングする工程とを備え、レジストパターンにおける外周側と内周側のうちの一方の端部である第1の端部は第1のレジスト層によって規定され、他方の端部である第2の端部の少なくとも一部は第2のレジスト層によって規定されることを特徴とするレジストパターンの形成方法。
【請求項2】 前記第1の端部はレジストパターンにおける外周側の端部であり、前記第2の端部はレジストパターンにおける内周側の端部であることを特徴とする請求項1記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項3】 前記第2のレジスト層を形成する工程は、前記領域に加え、第1のレジスト層の上にも第2のレジスト層を形成することを特徴とする請求項1または2記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項4】 更に、前記第2のレジスト層をパターニングする工程の後で、レジストパターン外の領域に配置された第1のレジスト層とその上に形成された第2のレジスト層とを除去することによって前記第1の端部を形成する工程を備えたことを特徴とする請求項3記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項5】 前記第1のレジストはポジティブ型のレジストであり、更に、前記第2のレジスト層をパターニングする工程の前または後で、レジストパターン外の領域に配置された第1のレジスト層を露光し、レジストパターン外の領域に配置された第1のレジスト層とその上に形成された第2のレジスト層とを除去することによって前記第1の端部を形成する工程を備えたことを特徴とする請求項3または4記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項6】 前記第2のレジストはポジティブ型のレジストであり、前記第2のレジスト層をパターニングする工程において、第2のレジスト層のうちレジストパターン外の領域に配置された部分の少なくとも一部を露光し、除去することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項7】 前記第2のレジストはポジティブ型のレジストであり、前記第2のレジスト層をパターニングする工程において、第2のレジスト層のうちレジストパターンの端部を縁取る領域を露光し、除去することを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項8】 前記第2のレジストはネガティブ型のレジストであり、前記第2のレジスト層をパターニングする工程において、第2のレジスト層のうち、前記レジストパターンにおける第2の端部から第1のレジスト層と第2のレジスト層の境界部分までの領域を露光することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項9】 前記第2のレジストは、第1のレジストよりも粘性が低いことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項10】 前記第1のレジストと第2のレジストは、g線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、X線、電子線のうちのいずれかであって、互いに異なるものによって感光することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項11】 前記第2のレジストは電子線によって感光することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項12】 前記第1のレジストは、g線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、X線のうちのいずれかによって感光し、前記第2のレジストは電子線によって感光することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項13】 前記第1のレジストと第2のレジストは、共に電子線によって感光し、且つ第1のレジストの方が第2のレジストよりも高感度であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法。
【請求項14】 フレームめっき法により薄膜パターンを形成する方法であって、フレームとして、請求項1ないし13のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法によって形成されるレジストパターンを用いることを特徴とする薄膜パターンの形成方法。
【請求項15】 互いに磁気的に連結され、記録媒体に対向する媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、前記第1の磁性層を形成する工程と、前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程と、前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配置されるように、前記薄膜コイルを形成する工程とを備え、少なくとも一方の磁性層を形成する工程は、フレームとして、請求項1ないし13のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法によって形成されるレジストパターンを用い、フレームめっき法によって、磁極部分を含む層を形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジストパターンの形成方法、レジストパターンを用いる薄膜パターンの形成方法および薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置に用いられる薄膜磁気ヘッドとしては、磁気抵抗効果(以下、MR(Magneto Resistive )と記す。)素子を用いた再生素子と、誘導型電磁変換記録素子とを有する複合型のものが主に用いられるようになっている。
【0003】図50は、従来の薄膜磁気ヘッドの一例における要部を切り欠いて示す斜視図である。この薄膜磁気ヘッドは、再生素子の上に記録素子が配置された構成になっている。
【0004】再生素子は、下部シールド層103と、この下部シールド層103の上に形成された絶縁膜である下部シールドギャップ膜104と、この下部シールドギャップ膜104の上に形成されたMR素子105と、下部シールドギャップ膜104の上に形成され、MR素子105に接続された導電層106と、MR素子105および導電層106を覆うように形成された絶縁膜である上部シールドギャップ膜107と、この上部シールドギャップ膜107の上に形成された上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)108とを有している。
【0005】記録素子は、下部磁極層108と、この下部磁極層108の上に形成された非導電性且つ非磁性のギャップ層109と、このギャップ層109の上に配置され、非導電性且つ非磁性のレジスト層111で囲まれた薄膜コイル110と、ギャップ層109およびレジスト層111の上に形成された上部磁極層112とを有している。上部磁極層112は、記録媒体に対向する面を有し、ギャップ層109を介して下部磁極層108と対向する磁極部分112aと、この磁極部分112aの媒体対向面とは反対側に配置されたヨーク部分112bとを含んでいる。磁極部分112aは一定の幅を有し、ヨーク部分112bの幅は磁極部分112aの幅よりも大きくなっている。磁極部分112aの幅は、記録時のトラック幅を決定している。ヨーク部分112bは下部磁極層8に接続されている。
【0006】ところで、近年の磁気ディスク装置における面記録密度の向上の要求に応えるためには、記録媒体におけるトラック密度と線記録密度を向上させる必要がある。このうちトラック密度を向上させるためには、トラック幅を縮小することが必要である。トラック幅は磁極部分の幅(以下、磁極幅と言う。)によって決定される。従って、トラック幅を縮小するには、トラック幅を決める磁極部分を微細に形成する必要がある。
【0007】従来、磁極層の形成には、フレームめっき法やドライエッチング法が用いられていた。ドライエッチング法では、まず、磁極部分を構成する磁性膜を形成し、次に、磁性膜の上にレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして、イオンミリング等のドライエッチングを施し、磁極層を形成する。一方、フレームめっき法では、例えば特開平8-124124号公報に示されるように、まず、スパッタ法等によって導電性の材料からなる電極層を形成し、次に、電極層の上に磁極層形成のためのレジストパターンを形成する。次に、このレジストパターンをフレームとして電気めっきを行い、磁極部分を含む磁性膜を形成する。その後、フレームによって囲まれた磁性層の領域を、フォトリソグラフィーによって形成したレジストパターンでカバーし、ウェットエッチング等によって不必要な磁性膜を除去して、磁極層を形成する。
【0008】ドライエッチング法では、マスク形状のばらつきに加え、エッチングに起因する形状のばらつきもあるため、磁極部分の微細化、高精度化に不利である。一方、フレームめっき法は、レジストフレームの寸法精度によって磁極部分の微細化、高精度化が決定されるため、高記録密度用の薄膜磁気ヘッドにおける磁極層の形成にはフレームめっき法が適している。
【0009】図51は、フレームめっき法によって磁極層を形成するために用いられるフレームの一例を示す斜視図である。この例では、基板120の上に電極層121が形成され、電極層121の上にフレーム122が形成されている。ここで、基板120は、薄膜磁気ヘッドの構成要素のうち電極層121よりも前に形成されるものを含んでいる。
【0010】ここで、図52ないし図62を参照して、従来のフレームめっき法を用いた磁極層の形成方法の一例について説明する。この例では、まず、図52に示したように、基板120の上に電極層121をスパッタ法等の方法によって成膜する。次に、図53に示したように、電極層121の上にレジストを塗布して、レジスト層131を形成する。次に、図54に示したように、レチクル(フォトマスク)に形成されたパターンをレジスト層131に投影し、レジスト層131を露光することで転写する。図54において、符号131aは、レジスト層131のうちの露光された部分を示している。
【0011】次に、図55に示したように、露光後のレジスト層131を現像する。これにより残ったレジスト層131が図51に示したフレーム122となる。次に、図56に示したように、電気めっき法により磁性材料を成膜して、磁性層132を形成する。
【0012】次に、図57に示したように、レジスト層131および磁性層132の上にレジストを塗布して、レジスト層133を形成する。次に、図58に示したように、レチクル(フォトマスク)に形成されたパターンをレジスト層133に投影し、レジスト層133を露光して転写する。図58において、符号133aは、レジスト層133のうちの露光された部分を示している。
【0013】次に、図59に示したように、露光後のレジスト層133を現像する。これにより、磁性層132のうちの磁極層となる部分を覆うカバーが形成される。次に、図60に示したように、ウェットエッチングにより、磁性層132のうち、レジスト層133によるカバーによって覆われていない不要な部分を除去する。
【0014】次に、図61に示したように、レジスト層133を有機系の剥離液に浸して剥離し、磁性層132を露出させる。次に、図62に示したように、磁性層132をマスクとしてイオンミリング等のドライエッチングにより、磁性層132の下の部分以外の電極層121を除去する。これにより、残った磁性層132が磁極層となる。電極層121が磁性材料である場合には、電極層121も磁極層の一部となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一般に、フレームめっき法におけるフレームの形成には、レチクル(フォトマスク)に形成されたパターンを、波長が436nmのg線や、波長が365nmのi線や、KrFエキシマレーザを用いた波長248nmのレーザ光等を用いて、基板に塗布されたレジストに投影露光するというフォトリソグラフィーの技術が用いられている。
【0016】上記のフォトリソグラフィーによるフレームの微細化は、パターンの解像度により制限される。パターンの解像度Rは、投影露光用の光の波長λ、露光装置のレンズの開口数NAおよび定数k1を用いて以下の式(1)で表されるため、これら波長λ、開口数NAおよび定数k1によって制限される。
【0017】R=k1・λ/NA …(1)
【0018】特開平11−134609号公報および特開平11−154308号公報には、KrFエキシマレーザのレーザ光を用いて、トラック幅が0.5μm以下の記録ヘッドを形成する技術が示されている。
【0019】しかしながら、従来のフレームめっき法におけるフレームの微細化は、上記各公報に示されるように、現在実用化されている中で最も波長の短いKrFエキシマレーザのレーザ光を用いても0.3μmの幅が限界であった。また、フレームめっき法によって形成される磁極層の幅はフレームの解像度に依存しているため、従来のフレームめっき法を用いて磁極層を形成する場合には、記録素子のトラック幅を0.3μmよりも小さくすることができなかった。
【0020】ところで、前述のフォトリソグラフィー用のレチクル(フォトマスク)の作製には、一般に電子線露光装置が用いられている。電子線露光装置は、0.005〜1μmの径の電子ビームを、電子線に感光する電子線露光用レジストに照射する装置である。この電子線露光装置を用いたリソグラフィー技術は、電子線リソグラフィーと呼ばれている。電子線リソグラフィーでは、フォトリソグラフィーと異なり解像度が式(1)に依存しないため、例えば0.05μm以下の解像度を達成することが可能である。
【0021】しかしながら、電子線リソグラフィーは、光源から発生され、マスクを通過した電磁波をレジストに投影してレジストを露光するフォトリソグラフィーとは異なり、小径の電子ビームを使用してレジストを露光するため、一度に露光できる面積が小さい。従って、電子線リソグラフィーを用いて、レジストの広い領域を露光する場合には、電子ビームを走査する必要がある。この場合、電子線リソグラフィーでは、露光時間は露光面積に比例する。そのため、電子線リソグラフィーは、スループットの面から、大量生産のための技術として使用するには不利であった。
【0022】ところで、電子線リソグラフィーによってフレームを作製する場合には、断面の形状や分解能の観点から、ネガティブ型のレジストよりもポジティブ型のレジストを使用する方が好ましい。
【0023】特開平8‐124124号公報や特開平10‐241115号公報に示されるような従来のフレームめっき法による磁極層の形成方法では、めっき膜の磁気的特性や膜厚均一性を良くするため、図51に示したように、フレーム122の周辺の電極層121を露出させるようにしている。この場合においてポジティブ型のレジストを使用してフレーム122を形成しようすると、レジスト表面のうち、フレーム122に対応する部分の面積が高々10000μm2であるのに対し、その100倍以上の面積を有するフレーム122の周辺(外側)部分も露光する必要があった。
【0024】以上の理由により、フレームめっき法で用いるフレームを作製する場合、特に電子線露光によってレジストを露光する場合には、露光面積が大きく、且つ露光時間が長くなるようなレジストを使用することは大変不利であった。
【0025】以上説明したように、従来は、例えば磁極幅が0.3μmよりも小さい磁極層のような微細な薄膜パターン、およびそれを形成するための微細なレジストパターンを高いスループットで形成することは難しかった。
【0026】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、従来のフォトリソグラフィーを用いた技術では製造することが困難であった微細なレジストパターンや、薄膜パターンや、磁極部分を含む層を高いスループットで形成できるようにしたレジストパターンの形成方法、薄膜パターンの形成方法および薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明のレジストパターンの形成方法は、外周側の端部と内周側の端部とを有するレジストパターンを形成する方法であって、下地の上に第1のレジストによって第1のレジスト層を形成する工程と、第1のレジスト層をパターニングして、第1のレジストとは異なる第2のレジストによって第2のレジスト層を形成するための領域を形成する工程と、前記領域に第2のレジストによって第2のレジスト層を形成する工程と、第2のレジスト層をパターニングする工程とを備え、レジストパターンにおける外周側と内周側のうちの一方の端部である第1の端部は第1のレジスト層によって規定され、他方の端部である第2の端部の少なくとも一部は第2のレジスト層によって規定されるものである。
【0028】本発明のレジストパターンの形成方法では、第2のレジスト層のパターニングによって、レジストパターンにおける第2の端部を微細に形成することが可能になる。レジストパターンにおける第1の端部は、第1のレジスト層によって規定されるので、スループットを低下させることなく形成することが可能になる。
【0029】本発明のレジストパターンの形成方法において、第1の端部はレジストパターンにおける外周側の端部であり、第2の端部はレジストパターンにおける内周側の端部であってもよい。
【0030】また、本発明のレジストパターンの形成方法において、第2のレジスト層を形成する工程は、前記領域に加え、第1のレジスト層の上にも第2のレジスト層を形成してもよい。
【0031】また、本発明のレジストパターンの形成方法は、更に、第2のレジスト層をパターニングする工程の後で、レジストパターン外の領域に配置された第1のレジスト層とその上に形成された第2のレジスト層とを除去することによって第1の端部を形成する工程を備えていてもよい。
【0032】また、本発明のレジストパターンの形成方法では、第1のレジストをポジティブ型のレジストとし、更に、第2のレジスト層をパターニングする工程の前または後で、レジストパターン外の領域に配置された第1のレジスト層を露光し、レジストパターン外の領域に配置された第1のレジスト層とその上に形成された第2のレジスト層とを除去することによって第1の端部を形成する工程を備えていてもよい。
【0033】また、本発明のレジストパターンの形成方法では、第2のレジストをポジティブ型のレジストとし、第2のレジスト層をパターニングする工程において、第2のレジスト層のうちレジストパターン外の領域に配置された部分の少なくとも一部を露光し、除去するようにしてもよい。
【0034】また、本発明のレジストパターンの形成方法では、第2のレジストをポジティブ型のレジストとし、第2のレジスト層をパターニングする工程において、第2のレジスト層のうちレジストパターンの端部を縁取る領域を露光し、除去するようにしてもよい。
【0035】また、本発明のレジストパターンの形成方法では、第2のレジストをネガティブ型のレジストとし、第2のレジスト層をパターニングする工程において、第2のレジスト層のうち、レジストパターンにおける第2の端部から第1のレジスト層と第2のレジスト層の境界部分までの領域を露光するようにしてもよい。
【0036】また、本発明のレジストパターンの形成方法において、第2のレジストは、第1のレジストよりも粘性が低くてもよい。
【0037】また、本発明のレジストパターンの形成方法において、第1のレジストと第2のレジストは、g線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、X線、電子線のうちのいずれかであって、互いに異なるものによって感光するようにしてもよい。
【0038】また、本発明のレジストパターンの形成方法において、第2のレジストは電子線によって感光するようにしてもよい。
【0039】また、本発明のレジストパターンの形成方法において、第1のレジストは、g線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、X線のうちのいずれかによって感光し、第2のレジストは電子線によって感光するようにしてもよい。
【0040】また、本発明のレジストパターンの形成方法において、第1のレジストと第2のレジストは、共に電子線によって感光し、且つ第1のレジストの方が第2のレジストよりも高感度であるようにしてもよい。
【0041】本発明の薄膜パターンの形成方法は、フレームめっき法により薄膜パターンを形成する方法であって、フレームとして、本発明のレジストパターンの形成方法によって形成されるレジストパターンを用いるものである。
【0042】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、互いに磁気的に連結され、記録媒体に対向する媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む第1および第2の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドを製造する方法であって、第1の磁性層を形成する工程と、第1の磁性層の上にギャップ層を形成する工程と、ギャップ層の上に第2の磁性層を形成する工程と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配置されるように、薄膜コイルを形成する工程とを備え、少なくとも一方の磁性層を形成する工程は、フレームとして、本発明のレジストパターンの形成方法によって形成されるレジストパターンを用い、フレームめっき法によって、磁極部分を含む層を形成するものである。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。[第1の実施の形態]始めに、図1ないし図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法の概略について説明する。なお、図1ないし図6において、(a)は媒体対向面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分の媒体対向面に平行な断面を示している。
【0044】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティック(Al23・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(Al23)よりなる絶縁層2を形成する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、例えばパーマロイよりなる再生素子用の下部シールド層3を形成する。
【0045】次に、図2に示したように、下部シールド層3の上に、絶縁膜としての下部シールドギャップ膜4を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5を形成する。MR素子5は、一端部が、記録媒体に対向する媒体対向面30に配置される。MR素子5には、AMR素子、GMR素子、あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、MR素子5に電気的に接続される一対の電極層6を形成する。次に、絶縁膜としての上部シールドギャップ膜7を形成し、MR素子5をシールドギャップ膜4,7内に埋設する。
【0046】次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、再生素子と記録素子の双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)8の第1の層8aを形成する。なお、下部磁極層8は、この第1の層8aと、後述する第2の層8bおよび層8cとで構成される。下部磁極層8の第1の層8aは、後述する薄膜コイルの少なくとも一部に対向する位置に配置される。
【0047】次に、下部磁極層8の第1の層8aの上に、下部磁極層8の第2の層8bおよび層8cを形成する。第2の層8bは、下部磁極層8の磁極部分を形成する。層8cは、第1の層8aと後述する上部磁極層とを接続するための部分であり、後述する薄膜コイルの中心の近傍の位置に配置される。第2の層8bのうち上部磁極層と対向する部分における媒体対向面30とは反対側の端部の位置は、スロートハイトを規定する。なお、スロートハイトは、2つの磁極層が記録ギャップ層を介して対向する部分、すなわち磁極部分の、媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。
【0048】下部磁極層8の第2の層8bおよび層8cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等をスパッタすることによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0049】次に、図3に示したように、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁膜9を形成する。
【0050】次に、絶縁膜9の上に、層8cを中心にして、一部が第2の層8bと層8cとの間を通るように、薄膜コイル10を形成する。なお、図3(a)において、符号10aは、薄膜コイル10を、後述する導電層(リード)と接続するための接続部を示している。
【0051】次に、図4に示したように、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層11を形成する。次に、例えばCMP(化学機械研磨)によって、下部磁極層8の第2の層8bおよび層8cが露出するまで、絶縁層11を研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図4(a)では、薄膜コイル10は露出していないが、薄膜コイル10が露出するようにしてもよい。
【0052】次に、露出した下部磁極層8の第2の層8bおよび層8cと絶縁層11の上に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層12を形成する。
【0053】次に、磁路形成のために、下部磁極層8における層8cの上において、記録ギャップ層12を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。また、薄膜コイル10の接続部10aの上の部分において、記録ギャップ層12および絶縁層11を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0054】次に、図5に示したように、記録ギャップ層12の上において、媒体対向面30から下部磁極層8における層8cの上の部分にかけて、磁性材料よりなる上部磁極層13を形成すると共に、薄膜コイル10の接続部10aに接続されるように導電層16を形成する。上部磁極層13は、下部磁極層8における層8cの上の部分に形成されたコンタクトホールを介して、下部磁極層8における層8cに接触し、磁気的に連結されている。上部磁極層13は、フレームめっき法によって形成される。この上部磁極層13の形成方法については、後で詳しく説明する。
【0055】次に、上部磁極層13をマスクとして、ドライエッチングにより、記録ギャップ層12を選択的にエッチングする。次に、上部磁極層13をマスクとして、例えばアルゴンイオンミリングによって、下部磁極層8の第2の層8bの一部をエッチングして、図5(b)に示したようなトリム(Trim)構造とする。このトリム構造によれば、磁極部分における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
【0056】次に、図6に示したように、全体に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を形成し、その表面を研磨して、図示しない電極用パッドを形成する。
【0057】本実施の形態における薄膜磁気ヘッドは、再生素子と誘導型電磁変換記録素子とを備えている。再生素子は、MR素子5と、媒体対向面30側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置され、MR素子5をシールドする下部シールド層3および上部シールド層(下部磁極層8)とを有している。
【0058】記録素子は、互いに磁気的に連結され、媒体対向面30側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む下部磁極層8および上部磁極層13と、下部磁極層8の磁極部分と上部磁極層13の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層12と、少なくとも一部が下部磁極層8および上部磁極層13の間に、これらに対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイル10とを有している。
【0059】次に、図7および図8を参照して、上記薄膜磁気ヘッドにおける上部磁極層13について詳しく説明する。図7は上部磁極層13の近傍を示す斜視図、図8は図7におけるB−B´線を含み基板の面に垂直な断面を示す斜視図である。なお、図7および図8では、基板1から記録ギャップ層12までの部分を基板20として表している。図7および図8に示したように、基板20の上には、上部磁極層13をフレームめっき法によって形成する際に使用される電極層21が形成されている。電極層21は、例えば、チタン(Ti)、銅(Cu)、パーマロイ(NiFe)等の金属によって形成されるが、導電性を有するものであれば無機系または有機系の材料によって形成されていてもよい。電極層21が、パーマロイ等の磁性材料である場合は、電極層21も上部磁極層13の一部となる。
【0060】電極層21の上には、パーマロイ等の金属軟磁性体よりなる上部磁極層13が形成されている。上部磁極層13は、媒体対向面側に配置され、記録ギャップ層12(図6(a)参照)を介して下部磁極層8の第2の層8b(図6(a)参照)と対向する磁極部分13aと、この磁極部分13aの媒体対向面とは反対側に配置されたヨーク部分13bとを含んでいる。磁極部分13aは一定の幅を有し、ヨーク部分13bの幅は磁極部分13aの幅よりも大きくなっている。ヨーク部分13bは下部磁極層8に接続されている(図6(a)参照)。
【0061】図7において、A−A´線を含み、基板20の面に垂直な断面は、薄膜磁気ヘッドの媒体対向面となる。そして、この媒体対向面における上部磁極層13の磁極部分13aの幅、すなわち磁極幅Twが、薄膜磁気ヘッドにおける記録素子のトラック幅を決定する。
【0062】次に、図9ないし図24を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における上部磁極層13の形成方法について説明する。なお、図9ないし図23は、図7におけるA−A´線を含み、基板20の面に垂直な断面を示している。また、以下の説明は、本実施の形態に係るレジストパターンの形成方法および薄膜パターンの形成方法の説明を兼ねている。
【0063】本実施の形態における上部磁極層13の形成方法では、まず、図9に示したように、基板20の上に電極層21をスパッタ法等の方法によって成膜する。次に、図10に示したように、電極層21の上に第1のレジストを塗布して、第1のレジスト層31を形成する。ここでは、一例として、第1のレジスト層31の厚さを1μmとする。
【0064】本実施の形態において、第1のレジストはポジティブ型のレジストであり、g線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、X線レーザ光、電子線等のうちのいずれに感光するものでもよい。しかし、第1のレジストとしては、g線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、X線等の電磁波を使用して露光するタイプのレジストの方が、電子線用レジストよりも、後述するような一括露光に適しており、スループットの観点から好ましい。
【0065】また、第1のレジスト層31の形成後、第1のレジスト層31の下地に対する密着性や硬度を高めるため、第1のレジスト層31を加熱したり、第1のレジスト層31に紫外線を照射してもよい。
【0066】次に、図11に示したように、第1のレジスト層31を露光する。図11において、符号31aは、第1のレジスト層31のうちの露光された部分を示している。
【0067】次に、図12に示したように、露光後の第1のレジスト層31を現像する。このようにしてパターニングされた第1のレジスト層31によって、第1のレジストとは異なる第2のレジストによって第2のレジスト層を形成するための領域が形成される。また、第1のレジスト層31の内壁がフレームの外周側の端部を規定する。
【0068】次に、図13に示したように、電極層21および第1のレジスト層31の上に、第2のレジストを、第1のレジスト層31を覆うように塗布して、第2のレジスト層32を形成する。第2のレジストは、第1のレジスト層31によって形成されたパターンにおける溝の部分では厚く塗布され、それ以外の部分では薄く塗布される。また、第1のレジスト層31によって形成されたパターンにおける溝の部分に第2のレジストが入り込みやすくなるように、第2のレジストの粘性は低い方がよく、特に第1のレジストの粘性よりも低い方が好ましい。ここでは、一例として、第2のレジスト層32の最も厚い部分の厚さを1.3μmとする。
【0069】また、第2のレジストは、g線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、X線レーザ光、電子線等のうちのいずれに感光するものでもよい。しかし、第1のレジスト層31の露光と第2のレジスト層32の露光とを分けて行うことができるように、第2のレジストには第1のレジストと異なるタイプのものを用いるのが好ましい。
【0070】また、本実施の形態では、第1のレジスト層31の露光面積が第2のレジスト層32の露光面積よりも広い。そのため、第1のレジストと第2のレジストが、いずれも電子線で感光するタイプである場合には、第1のレジストの方が第2のレジストよりも高感度である方が、スループットの点で好ましい。
【0071】次に、図14に示したように、第2のレジスト層32を露光する。図14において、符号32aは、第2のレジスト層32のうちの露光された部分を示している。
【0072】図24は、図14に示した状態を示す平面図である。図14および図24に示したように、第2のレジスト層32を露光する領域は、フレームの内側全体に対応する領域32Aと、フレームの外周を縁取る領域32Bと、フレームの外側の領域における少なくとも一部の領域32Cである。領域32Cにおいて第2のレジスト層32を露光するのは、後述する第1のレジスト層31の現像を促進させるためである。ここでは、一例として、領域32Cの形状を円形とし、また複数箇所に領域32Cを設けている。
【0073】本実施の形態では、磁極幅Twは第2のレジストの解像度で決定されるため、第2のレジストとしては0.1μm以下の高解像度が可能な電子線用のレジストを用い、電子線によって第2のレジスト層32を露光するのが好ましい。
【0074】次に、図15に示したように、第1のレジスト層31に対し、再度露光を行う。図15において、符号31aは、第1のレジスト層31のうちの露光された部分を示している。本実施の形態では、フレームは第2のレジスト層32によって形成されるので、第1のレジスト層31は全て除去してもよい。そのため、ここでの第1のレジスト層31の露光の際には、ステッパ等を用いる必要がなく、基板20上の層全体を一括して露光してよい。
【0075】第1のレジストが、g線、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、X線等の電磁波を使用して露光するタイプのレジストであれば、一括露光により要する時間は、一つの基板20につき10秒以下である。
【0076】次に、図16に示したように、第2のレジスト層32の現像を行い、その後、第1のレジスト層31の現像を行う。第2のレジスト層32を現像することにより、第2のレジスト層32のうち領域32A,32B,32Cの部分が除去される。第1のレジスト層31の現像の際には、第2のレジスト32において領域32Cの部分に形成された孔や、領域32Bの部分に形成された溝を通して、現像液が第1のレジスト層31に達し、これにより、第1のレジスト層31が除去される。第1のレジスト層31が除去されることにより、フレームの外側となる部分において、第1のレジスト層31の上に存在していた第2のレジスト層32も同時に除去される。その結果、図16に示したように第2のレジスト層32がパターニングされ、この第2のレジスト層32によって形成されたレジストパターンが、上部磁極層13を形成するために用いられるフレームとなる。本実施の形態におけるフレームは、外周側の端部が第1のレジスト層31によって規定され、内周側の端部が第2のレジスト層32によって規定される。
【0077】なお、第2のレジストと第1のレジストが同じ現像液で現像される場合には、第2のレジスト層32の現像と第1のレジスト層31の現像を同時に行うことができる。ここでは、一例として、第1のレジストにノボラック系のi線用のレジストを用い、第2のレジストに同系の電子線用レジストを用いるものとする。また、この場合には、いずれのレジストも、現像液としてテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を用いて現像が可能であるため、第2のレジスト層32の現像と第1のレジスト層31の現像を同時に行うことができる。
【0078】次に、図17に示したように、電気めっき法により磁性材料を成膜して、磁性層33を形成する。
【0079】次に、図18に示したように、フレームである第2のレジスト層32と磁性層33の上に、例えばポジティブ型の第3のレジストを塗布して、第3のレジスト層34を形成する。次に、図19に示したように、第3のレジスト層34を露光する。図19において、符号34aは、第3のレジスト層34のうちの露光された部分を示している。
【0080】次に、図20に示したように、露光後の第3のレジスト層34を現像する。これにより、磁性層33のうちの上部磁極層13となる部分を覆うカバーが形成される。次に、図21に示したように、ウェットエッチングにより、磁性層33のうち、第3のレジスト層34によるカバーによって覆われていない不要な部分を除去する。
【0081】次に、図22に示したように、第2のレジスト層32を剥離する。次に、図23に示したように、磁性層33をマスクとしてイオンミリング等のドライエッチングにより、磁性層33の下の部分以外の電極層21を除去する。これにより、残った磁性層33が上部磁極層13となる。電極層21が磁性材料である場合には、電極層21も上部磁極層13の一部となる。また、上部磁極層13は、本発明における薄膜パターンに対応する。
【0082】以上説明したように、本実施の形態では、上部磁極層13をフレームめっき法によって形成するために用いられるフレームにおける外周側の端部を第1のレジスト層31によって規定し、内周側の端部を第2のレジスト層32によって規定している。これにより、従来のフォトリソグラフィーを用いた技術では製造することが困難であった微細な磁極部分、例えば磁極幅が0.3μmよりも小さい磁極部分を有する上部磁極層13を、高いスループットで形成することが可能になる。このことを、以下で詳しく説明する。
【0083】磁極層をフレームめっき法で形成する場合には、フレームの外側部分におけるレジストも取り除く必要がある。そのため、従来、1種類のポジティブ型のレジストを用いてフレームを形成する場合には、レジストのうち、フレームの内側の領域のみならず、フレームの外側の領域全体も露光する必要があった。微細な磁極部分を形成するためには電子線露光を用いることが考えられるが、電子線露光を用いると、上述のようにフレームの外側の領域を露光する必要性のためにスループットが悪くなる。例えば、感度が1μC/cm2のレジストを、電流が0.1nAの電子線で露光する場合には、レジスト表面のうちフレームに対応する部分の面積が高々10000μm2であるのに対し、その100倍以上の面積を有するフレームの外側の領域を露光するために、300時間程度を要する。
【0084】これに対し、本実施の形態では、第2のレジスト層32のうちフレームの内側の領域32Aを露光する際に、フレームの外側の領域においては領域全体ではなく、図14および図24に示したようにフレームの外周を縁取るような領域32Bのみを露光する。領域32Bの幅は1μmもあれば十分であり、その際の露光面積は300μm2程度となり、前述の電子線露光の条件ならば0.3秒で露光が終了する。このように、本実施の形態によれば、スループットを向上させることができる。
【0085】また、図14に示したように、フレームの外側の領域における第2のレジスト層32の厚さは、フレームの内側の領域における第2のレジスト層32の厚さに比べて小さくなっており、例えば30%以下である。一般に、レジスト層の感光に必要な露光量はレジスト層の厚さに比例する。従って、従来のように1種類のレジストを用いてフレームを形成する場合に比べて、レジスト層の厚さが30%程度に減少すると、単位面積当たりの露光時間も30%程度に減少する。この点からも、本実施の形態によればスループットを向上させることができる。前述の条件では、300μm2程度の露光面積に対し、約0.1秒で領域32Bの露光を終了させることが可能になる。
【0086】本実施の形態では、電子線で第2のレジスト層32を露光することにより、第2のレジスト層32の厚さ1.3μmのときに、磁極部分13aに対応する部分の幅が0.16μmのフレームを作製することができた。その結果、幅が0.16μmの磁極部分13aを有する上部磁極層13を形成することができた。
【0087】なお、本実施の形態において、電極層21に金属磁性材料を用いた場合には、図23に示したように、磁性層33の下の部分以外の電極層21を除去する必要があるが、チタン(Ti)等の非磁性金属材料によって電極層21を形成すれば、磁性層33の下の部分以外の電極層21を除去する工程は省略することも可能である。
【0088】また、本実施の形態において、第1のレジスト層31を第2のレジスト層32に影響を与えずに剥離できる場合には、第1のレジストをネガティブ型のレジストとしてもよい。一例としては、第1のレジストに、エタノールに可溶であるノボラック系のネガティブ型i線用レジストを用い、第2のレジストに、エタノールに対して難溶性であるポリスチレン系のポジティブ型電子線用レジストを用いることが可能である。
【0089】第1のレジストにネガティブ型のレジストを用いる場合における上部磁極層13の形成方法では、図11に示した工程において第1のレジスト層31の露光領域と非露光領域とを反転させ、図15に示した第1のレジスト層31への露光を省略し、図16に示した第1のレジスト層31の現像工程を、第1のレジスト層31の剥離に置き換えれば、他の工程は第1のレジストがポジティブ型のレジストの場合と同じ工程でよい。
【0090】[第2の実施の形態]次に、図25ないし図38を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における上部磁極層13の形成方法について説明する。なお、図25ないし図37は、図7におけるA−A´線を含み、基板20の面に垂直な断面を示している。また、以下の説明は、本実施の形態に係るレジストパターンの形成方法および薄膜パターンの形成方法の説明を兼ねている。
【0091】本実施の形態における上部磁極層13の形成方法では、図10に示したように、基板20の上に電極層21を成膜し、電極層21の上にポジティブ型のレジストを塗布して第1のレジスト層31を形成する工程までは第1の実施の形態と同様である。
【0092】本実施の形態では、次に、図25に示したように、第1のレジスト層31を露光する。図11において、符号31aは、第1のレジスト層31のうちの露光された部分を示している。本実施の形態では、第1のレジスト層31の露光領域の外周部が、フレームの内周部と外周部との間にくるようにする。
【0093】次に、図26に示したように、露光後の第1のレジスト層31を現像する。次に、図27に示したように、電極層21および第1のレジスト層31の上に、第2のレジストを塗布して、第2のレジスト層32を形成する。第2のレジストの種類や厚さ等の条件は第1の実施の形態と同様である。
【0094】次に、図28に示したように、第2のレジスト層32を露光する。図28において、符号32aは、第2のレジスト層32のうちの露光された部分を示している。
【0095】図38は、図28に示した状態を示す平面図である。図28および図38に示したように、第2のレジスト層32を露光する領域は、フレームの内側全体に対応する領域32Aと、フレームの外周を縁取る領域32Bと、フレームの外側の領域における少なくとも一部の領域32Cである。また、図38において、符号51はフレームの外周部を示し、符号52はフレームの内周部を示し、符号53は第1のレジスト層31と第2のレジスト層32との境界を示している。
【0096】次に、図29に示したように、第1のレジスト層31に対し、再度露光を行う。図29において、符号31aは、第1のレジスト層31のうちの露光された部分を示している。本実施の形態では、フレームの外周側の部分を第1のレジスト層31で構成するため、ここでの第1のレジスト層31に対する露光は、ステッパ等の装置により、マスク投影して行う。
【0097】次に、図30に示したように、第2のレジスト層32の現像を行い、その後、第1のレジスト層31の現像を行う。これにより、外周側の部分が第1のレジスト層31によって構成され、内周側の部分が第2のレジスト層32によって構成されたレジストパターンが形成され、これが上部磁極層13を形成するために用いられるフレームとなる。本実施の形態におけるフレームの形成方法は、電極層21に対する第2のレジスト層32の密着性が悪い場合や、第2のレジスト層32が電極層21に対して化学的にダメージを与えてしまう場合に有効である。
【0098】次に、図31に示したように、電気めっき法により磁性材料を成膜して、磁性層33を形成する。ここでは、一例として、電極層21の材料としてNiが50重量%、Feが50重量%のパーマロイ(NiFe)を用い、第2のレジストに化学増幅系のポジティブ型電子線用レジストを用いるものとする。この場合には、第2のレジスト層32の露光の際に、第2のレジストから発生する酸により電極層21が腐食し、電極層21に対する第2のレジスト層32の密着性が悪化する。そのため、第2のレジストのみによってフレームを作製すると、後で行われるウェットエッチングの工程において、エッチング液が第2のレジストと電極層21の隙間からフレーム内に侵食し、上部磁極層13をエッチングしてしまう。
【0099】これに対し、本実施の形態によれば、フレームの外周側の部分が第1のレジスト層31によって構成されるので、この第1のレジスト層31によってフレーム内へのエッチング液の侵食を防ぐことができ、上部磁極層13を精度よく形成することができる。
【0100】次に、図32に示したように、フレームと磁性層33の上に第3のレジストを塗布して、第3のレジスト層34を形成する。次に、図33に示したように、第3のレジスト層34を露光する。図33において、符号34aは、第3のレジスト層34のうちの露光された部分を示している。次に、図34に示したように、露光後の第3のレジスト層34を現像する。これにより、磁性層33のうちの上部磁極層13となる部分を覆うカバーが形成される。次に、図35に示したように、ウェットエッチングにより、磁性層33のうち、第3のレジスト層34によるカバーによって覆われていない不要な部分を除去する。次に、図36に示したように、フレームを剥離する。次に、図36に示したように、磁性層33をマスクとしてイオンミリング等のドライエッチングにより、磁性層33の下の部分以外の電極層21を除去する。これにより、残った磁性層33が上部磁極層13となる。本実施の形態では、幅が0.16μmの磁極部分13aを有する上部磁極層13を形成することができた。
【0101】また、本実施の形態によれば、フレームの外周側の部分を第1のレジスト層31によって構成したので、フレーム内へのエッチング液の侵食を防ぐことができ、上部磁極層13を精度よく形成することができる。
【0102】なお、本実施の形態において、フレームの外周側の端部を規定するために第1のレジスト層31を露光する工程は、第2のレジスト層32のパターニング工程の前に行ってもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は第1の実施の形態と同様である。
【0103】[第3の実施の形態]次に、図39ないし図49を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における上部磁極層13の形成方法について説明する。なお、図39ないし図49は、図7におけるA−A´線を含み、基板20の面に垂直な断面を示している。また、以下の説明は、本実施の形態に係るレジストパターンの形成方法および薄膜パターンの形成方法の説明を兼ねている。
【0104】本実施の形態では、第2のレジストにネガティブ型のレジストを用いている。ネガティブ型のレジストを用いてフレームを作製する場合には、レジスト層のうちのフレーム部分のみを露光すればフレームを作製することができる。しかし、フレームに使用するレジストが、第2の実施の形態のように化学増幅系のレジストである場合には、レジスト層が電極層21にダメージを与えたり、電極層21に対する密着性が低下したりしてしまう。そのため、ネガティブ型のレジストを用いてフレームを作製する場合には、本実施の形態のように、フレームの内周側の部分をネガティブ型のレジストを用いて構成し、フレームの外周側の部分を他の種類のレジストを用いて構成する方法が有効である。
【0105】本実施の形態における上部磁極層13の形成方法では、図26に示したように、基板20の上に電極層21を成膜し、電極層21の上にポジティブ型のレジストを塗布して第1のレジスト層31を形成し、第1のレジスト層31を露光し、露光後の第1のレジスト層31を現像する工程までは第2の実施の形態と同様である。なお、本実施の形態では、第1のレジスト31の露光領域の外周部が、フレームの内周部に近くなるようにするのが好ましい。
【0106】本実施の形態では、次に、図39に示したように、電極層21および第1のレジスト層31の上に、ネガティブ型の第2のレジストを塗布して、第2のレジスト層42を形成する。
【0107】次に、図40に示したように、第2のレジスト層42を露光する。図40において、符号42aは、第2のレジスト層42のうちの露光された部分を示している。本実施の形態では、第2のレジスト層42の露光領域は、フレームの内周部と、第1のレジスト層31と第2のレジスト層42の境界部分とに囲まれた領域となる。前述のように、第1のレジスト31の露光領域の外周部をフレームの内周部に近くなるようにすることにより、第1のレジスト層31と第2のレジスト層42の境界部分がフレームの内周部に近くなるので、第2のレジスト層42の露光領域を小さくすることができ、露光時間を短縮することができる。また、第2のレジスト層42に対する露光の際には、第1および第2の実施の形態とは異なり、フレームの外周を縁取る領域や、第2のレジスト層42が第1のレジスト層31と重なる領域に対する露光は必要ない。
【0108】次に、図41に示したように、第1のレジスト層31に対し、再度露光を行う。図41において、符号31aは、第1のレジスト層31のうちの露光された部分を示している。本実施の形態では、フレームの外周側の部分を第1のレジスト層31で構成するため、ここでの第1のレジスト層31に対する露光は、ステッパ等の装置により、マスク投影して行う。
【0109】次に、図42に示したように、第2のレジスト層42の現像を行い、その後、第1のレジスト層31の現像を行う。これにより、外周側の部分が第1のレジスト層31によって構成され、内周側の部分が第2のレジスト層42aによって構成されたレジストパターンが形成され、これが上部磁極層13を形成するために用いられるフレームとなる。
【0110】次に、図43に示したように、電気めっき法により磁性材料を成膜して、磁性層43を形成する。次に、図44に示したように、フレームと磁性層43の上に、例えばポジティブ型の第3のレジストを塗布して、第3のレジスト層44を形成する。次に、図45に示したように、第3のレジスト層44を露光する。図45において、符号44aは、第3のレジスト層44のうちの露光された部分を示している。次に、図46に示したように、露光後の第3のレジスト層44を現像する。これにより、磁性層43のうちの上部磁極層13となる部分を覆うカバーが形成される。次に、図47に示したように、ウェットエッチングにより、磁性層43のうち、第3のレジスト層44によるカバーによって覆われていない不要な部分を除去する。次に、図48に示したように、フレームを剥離する。次に、図49に示したように、磁性層43をマスクとしてイオンミリング等のドライエッチングにより、磁性層43の下の部分以外の電極層21を除去する。これにより、残った磁性層43が上部磁極層13となる。
【0111】本実施の形態では、例えば、第1のレジストとしてノボラック系のi線用ポジティブ型のレジストを用い、第2のレジストとしてポリヒドロキシスチレン系のネガティブ型電子線用レジストを用いて、上部磁極層13を形成することにより、1素子当たりの露光時間が1秒以内で、幅が0.16μmの磁極部分13aを有する上部磁極層13を形成することができた。
【0112】本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は第1または第2の実施の形態と同様である。
【0113】なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、各実施の形態において、第3のレジストはネガティブ型のレジストであってもよい。
【0114】また、上記各実施の形態では、フレームにおける内周側の端部の全体を第2のレジスト層によって規定したが、フレームにおける内周側の端部の一部、例えば磁極部分に対応する部分のみを第2のレジスト層によって規定してもよい。
【0115】また、本発明は、各実施の形態における第1のレジスト層と第2のレジスト層の位置関係が逆になる場合も含む。例えば、2重のフレームを用いて環状の薄膜パターンを形成する場合には、内側のフレームについては、フレームにおける内周側の端部を各実施の形態における第1のレジスト層によって規定し、フレームにおける外周側の端部を各実施の形態における第2のレジスト層によって規定してもよい。
【0116】また、本発明は、実施の形態における薄膜磁気ヘッドに対して、再生素子と記録素子の上下の位置が入れ替わった薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。
【0117】また、本発明は、上部磁極層が平坦な層ではなく、例えば図50に示したように屈曲した層である場合にも適用することができる。
【0118】また、本発明は、上部磁極層が複数の層によって構成される場合にも適用することができる。この場合、上部磁極層を構成する全ての層を本発明による方法によって形成してもよいし、磁極部分を含む層等の一部の層のみを本発明による方法によって形成するようにしてもよい。
【0119】また、本発明は、記録素子のトラック幅を上部磁極層ではなく、下部磁極層の磁極部分によって決定するように構成した薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。この場合、トラック幅を決定する下部磁極層を本発明による方法によって形成することにより、狭トラックの薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0120】また、本発明は、フレームめっき法によって薄膜磁気ヘッドの磁極層を形成する場合に限らず、フレームめっき法によって薄膜パターンを形成する場合の全般に適用することができる。
【0121】更に、本発明は、フレームめっき法のフレームの作製に限らず、エッチング用やスパッタ用等に用いられるマスクの形成等、薄膜形成技術で用いられる種々のレジストパターンの形成に適用することができる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし13のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法によれば、第2のレジスト層のパターニングによって、レジストパターンにおける第2の端部を微細に形成することが可能になる。また、レジストパターンにおける第1の端部は、第1のレジスト層によって規定されるので、スループットを低下させることなく形成することが可能になる。従って、本発明によれば、従来のフォトリソグラフィーを用いた技術では製造することが困難であった微細なレジストパターンを高いスループットで形成することができるという効果を奏する。
【0123】また、請求項9記載のレジストパターンの形成方法によれば、第2のレジストの粘性を第1のレジストよりも低くしたので、第1のレジスト層によって形成された第2のレジスト層を形成するための領域に第2のレジストが入り込みやすくなるという効果を奏する。
【0124】また、請求項11ないし13のいずれかに記載のレジストパターンの形成方法によれば、第2のレジストが電子線によって感光するようにしたので、第2のレジストを電子線によって露光することにより、より微細なレジストパターンを形成することができるという効果を奏する。
【0125】また、請求項13記載のレジストパターンの形成方法によれば、第1のレジストと第2のレジストが、共に電子線によって感光し、且つ第1のレジストの方が第2のレジストよりも高感度であるようにしたので、スループットを向上させることが可能になるという効果を奏する。
【0126】また、本発明の薄膜パターンの形成方法によれば、フレームめっき法により薄膜パターンを形成する際のフレームとして、本発明のレジストパターンの形成方法によって形成されるレジストパターンを用いるようにしたので、従来のフォトリソグラフィーを用いた技術では製造することが困難であった微細な薄膜パターンを高いスループットで形成することができるという効果を奏する。
【0127】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、フレームとして、本発明のレジストパターンの形成方法によって形成されるレジストパターンを用い、フレームめっき法によって、磁極部分を含む層を形成するようにしたので、従来のフォトリソグラフィーを用いた技術では製造することが困難であった微細な磁極部分を含む層を高いスループットで形成することができるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【出願日】 平成12年3月16日(2000.3.16)
【代理人】 【識別番号】100107559
【弁理士】
【氏名又は名称】星宮 勝美
【公開番号】 特開2001−265006(P2001−265006A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−73843(P2000−73843)