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【発明の名称】 記録材料搬送方法及び記録材料搬送制御装置
【発明者】 【氏名】豊福 貴司

【要約】 【課題】プリントデータの転送と、記録材料の搬送を並行処理して記録材料へ画像記録を行う際に、露光が中止された時点における記録材料が、変化がつけられる前の状態である確率を高くする。

【解決手段】プリントデータの転送と並行して開始されるフォトポリマー版102の搬送を、パンチ孔穿設処理の手前で一旦停止させて待機することで、プリントデータの転送が途中で中止になったときに、再利用可能な状態としておく確率が高くなり、廃棄処分となるフォトポリマー版102を軽減することができる。また、待機時間並びに搬送再開時期は、プリントデータの転送速度と、残りの搬送時間とに基づいて定めているので(本実施の形態では、15秒に固定)、一旦停止による画像記録処理の遅れはない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の転送速度で転送されてくるプリントデータに基づいて記録材料へ画像を記録する画像記録装置において、前記記録材料を画像記録ステージへ搬送するための記録材料搬送方法であって、前記プリントデータの転送と、前記記録材料の搬送の並列処理を開始し、前記記録材料を加工する作業工程直前で、所定量のプリントデータを受信していないときには当該記録材料の搬送を一旦停止させ、前記所定の転送速度に基づいて、前記記録材料の前記一旦停止をすべき位置から画像記録位置までの搬送時間に転送可能な前記プリントデータ量を演算し、前記プリントデータの未転送量が前記演算されたプリントデータ量になった時点で、前記記録材料の搬送を再開する、ことを特徴とする記録材料搬送方法。
【請求項2】 前記記録材料が一旦停止するまで、並びに一旦停止中に、プリントデータの転送が中止された場合に、前記記録材料を再利用することを特徴とする請求項1記載の記録材料搬送方法。
【請求項3】 前記記録材料を加工する作業工程が、前記記録材料を所定の位置に位置決めして、パンチ孔を穿設する工程である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の記録材料搬送方法。
【請求項4】 プリントデータを転送する転送手段と、前記転送手段により転送されるプリントデータを受けて、記録材料の搬送を開始し、当該記録材料を所定の記録ステージへ搬送する搬送手段と、前記搬送手段による搬送経路途中において、予め定められた時間で前記記録ステージへ位置決め可能な位置で、所定量のプリントデータを受信していないときには当該記録材料の搬送を一旦停止させる停止制御手段と、前記転送手段から転送されるプリントデータ残量が、前記プリントデータの転送速度に基づく前記予め定められた時間で転送可能なプリントデータ量となったか否かを判断する判定手段と、前記判定手段で、前記プリントデータ残量と前記プリントデータの転送速度に基づく前記予め定められた時間で転送可能なプリントデータ量とが一致した場合には、前記停止制御手段による記録材料の一旦停止を解除する解除手段と、前記判定手段で前記解除手段を実行させる以前に前記転送手段からのプリントデータの転送が中止された場合に、前記記録材料を排出する排出手段と、を有する記録材料搬送制御装置。
【請求項5】 前記予め定められた時間はこの記録材料を加工する作業工程に基づいて設定され、前記停止制御手段で記録材料を停止する位置が、前記記録材料を加工する作業工程を実行する前位置とされていることを特徴とする請求項4記載の記録材料搬送制御装置。
【請求項6】 前記記録材料を加工する作業工程が、前記記録材料を所定の位置に位置決めして、パンチ孔を穿設する工程である、ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の記録材料搬送制御装置。
【請求項7】 前記記録材料が、支持体上に感光層を有する印刷版であり、前記記録材料搬送制御装置が、印刷版を所定方向に搬送しながら定盤上へ受け渡し、当該定盤上で前記印刷版を正規の位置に矯正した後、この印刷版の所定位置に印刷版胴へ巻き付けるときの位置決め用パンチ孔を穿設し、定盤を移動させることで前記印刷版を記録ステージへ送り、プリントデータに基づいて印刷版上に画像を記録する印刷版自動露光装置に適用されることを特徴とする前記請求項4乃至請求項6の何れか1項記載の記録材料搬送制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の転送速度で転送されてくるプリントデータに基づいて記録材料へ画像を記録する画像記録装置において、前記記録材料を画像記録ステージへ搬送するための記録材料搬送方法及び記録材料搬送制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】支持体上に感光層(例えば、光重合層)が設けられた印刷版(以下、フォトポリマー版)を用い、このフォトポリマー版の光重合層に直接レーザビーム等で画像を記録する技術が開発されてきている(印刷版自動露光装置)。
【0003】このような技術では、フォトポリマー版への画像記録が迅速に行われるため、次々とフォトポリマー版を送り込む必要があるため、予め複数のフォトポリマー版を積層した状態で所定の位置に待機させ、自動的に1枚ずつ取り出して、露光部の露光ステージへ送り込むことが好ましい。また、送り込んだ後は、予め定められた正しい搬送路に沿って搬送させることが好ましい。
【0004】ところで、フォトポリマー版には、印刷時に版胴へ巻き付ける作業があり、そのときの位置決め用として、印刷版自動露光装置には、パンチ孔を穿孔する工程が含まれている。このパンチ孔は、フォトポリマー版へ露光するときのベースであり、かつ副走査移動を受け持つ定盤上で行われる。
【0005】このため、定盤上に受け渡されたフォトポリマー版は正規の位置に位置決めされていなければならない。
【0006】パンチ孔が穿設された印刷版は、仮に、プリントデータの転送が中止され、露光部での露光が中止されたとしても、再利用することはできず、廃棄することになる。一方、パンチ孔が穿設される前の印刷版は、前述のようにプリントデータの転送が中止され、露光部で露光を中止されると、変化がつけられていないため、そのまま排出することで再利用することができる。
【0007】すなわち、上記パンチ孔穿設作業工程の前後でプリントデータ転送中止に基づく露光処理の中止がなされた後の取扱いが異なるため、露光処理が中止されるのが、パンチ孔穿設作業工程前であることが好ましい。
【0008】しかしながら、印刷版の搬送は、プリントデータの転送とは無関係に、プリントデータの転送の開始と並行して開始されるため、プリントデータの転送開始前半には、露光ステージへ到達してしまい、露光中止による印刷版の救済の確率が低くなっている。このため、パンチ孔の穿設された印刷版の廃棄量が増大するという問題点が生じている。
【0009】なお、参考として、プリントデータは、外部のパーソナルコンピュータ等の端末機器から転送されるようになっており、そのデータ量は100MB〜1GB程度と幅広く存在している(Bはバイトの略である)。また、転送速度は7Mb/sec程度となっている。このため、最小データ量を転送する時間は約14.3秒であり、最大データ量を転送する時間は約143秒となる。これに対して、印刷版は搬送開始からパンチ孔穿設工程へ到達するまで約15秒程度、露光ステージへ到達するまで30秒程度となっている。
【0010】このような状況を鑑みると、露光処理が中止になった場合、ほとんどの印刷版が無駄となっているのが現状である。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、プリントデータの転送と、記録材料の搬送を並行処理して記録材料へ画像記録を行う際に、露光が中止された時点における記録材料が、変化がつけられる前の状態である確率を高くすることができる記録材料搬送方法及び記録材料搬送制御装置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、所定の転送速度で転送されてくるプリントデータに基づいて記録材料へ画像を記録する画像記録装置において、前記記録材料を画像記録ステージへ搬送するための記録材料搬送方法であって、前記プリントデータの転送と、前記記録材料の搬送の並列処理を開始し、前記記録材料を加工する作業工程直前で、当該記録材料の搬送を一旦停止させ、前記所定の転送速度に基づいて、前記記録材料の前記一旦停止位置から画像記録位置までの搬送時間に転送可能な前記プリントデータ量を演算し、前記プリントデータの未転送量が前記演算されたプリントデータ量になった時点で、前記記録材料の搬送を再開する、ことを特徴としている。
【0013】請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記記録材料が一旦停止するまで、並びに一旦停止中に、プリントデータの転送が中止された場合に、前記記録材料を前記変化をつける作業工程を実行する前に排出し、再利用することを特徴としている。
【0014】請求項1に記載の発明によれば、プリントデータの転送が開始されると、これと並行して記録材料の搬送が開始される。
【0015】記録材料の搬送経路途中には、記録材料を加工する作業工程があり、記録材料はこの作業工程を経て画像記録位置へ位置決めされる。
【0016】ここで、記録材料の搬送を、前記作業工程直前で一旦停止させる。この一旦停止から画像記録位置への移動時間は予め認識しており、この時間の間に転送可能なプリントデータ量を演算し、転送されるプリントデータデータの残量が、前記演算されたプリントデータ量になった時点で記録材料の搬送を再開する。
【0017】これによれば、記録材料はプリントデータの転送終了に遅れることなく、画像記録位置へ到達することができる。言い換えれば、プリントデータの転送終了時期と、記録材料の搬送完了時期とを一致させている。
【0018】この一致を、前記作業工程の直前の一旦停止によって制御しているため、最大限に記録材料に変化がつかない状態で待機することができる。このため、プリントデータの転送が中止になったときの記録材料の状態が、変化がついていない状態の方が変化がついた状態よりも確率が高くなる。これにより、請求項2に記載の如く、変化がついていない記録材料は再利用することができるため、記録材料の無駄を最小限に抑えることができる。
【0019】請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記記録材料を加工する作業工程が、前記記録材料を所定の位置に位置決めして、パンチ孔を穿設する工程である、ことを特徴としている。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、記録材料を加工する作業工程とは、パンチ孔を穿設である。例えば、記録材料が印刷版の場合、画像が記録された後、印刷用の版胴に巻き付け、インキをつけて用紙に印刷を行う。この場合、印刷版が版胴に正確に位置決めされ装着されていないと、カラー画像の場合には色ずれ等の原因となる。そこで、印刷版にパンチ孔を設け、このパンチ孔に基づいて版胴へ位置決めする。
【0021】また、パンチ孔の穿設のための位置決めは、画像記録のための基準位置にもなり得るため、一旦パンチ孔を穿設した印刷版を再利用しようとしても、印刷版によってパンチ孔の奥行きや幅等が異なり再利用できない。このため、印刷版をこのパンチ孔の穿設前で待機させることにより、廃棄する印刷版の数を軽減することができる。なお、パンチの条件が同じであれば、当然再利用は可能である。
【0022】請求項4に記載の発明は、プリントデータを転送する転送手段と、前記転送手段により転送されるプリントデータを受けて、記録材料の搬送を開始し、当該記録材料を所定の記録ステージへ搬送する搬送手段と、前記搬送手段による搬送経路途中において、予め定められた時間で前記記録ステージへ位置決め可能な位置で、前記記録材料を一旦停止させる停止制御手段と、前記転送手段から転送されるプリントデータ残量が、前記プリントデータの転送速度に基づく前記予め定められた時間で転送可能なプリントデータ量となったか否かを判断する判定手段と、前記判定手段で、前記プリントデータ残量と前記プリントデータの転送速度に基づく前記予め定められた時間で転送可能なプリントデータ量とが一致した場合には、前記停止制御手段による記録材料の一旦停止を解除する解除手段と、前記判定手段で前記解除手段を実行させる以前に前記転送手段からのプリントデータの転送が中止された場合に、前記記録材料を排出する排出手段と、を有している。
【0023】請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記予め定められた時間はこの記録材料を加工する作業工程に基づいて設定され、前記停止制御手段で記録材料を停止する位置が、前記記録材料を加工する作業工程を実行する前位置とされていることを特徴としている。
【0024】請求項4に記載の発明によれば、転送手段でプリントデータの転送が開始さえると、これを受けて搬送手段では記録材料の搬送を開始する。この搬送手段による記録材料の搬送経路途中に停止制御手段によって記録材料の搬送が停止される。この停止位置は、予め定められた時間で記録ステージへ到達し、位置決め可能な位置である。
【0025】この停止位置において、判定手段では、前記転送手段から転送されるプリントデータ残量が、前記プリントデータの転送速度に基づく前記予め定められた時間で転送可能なプリントデータ量となったか否かを判断する。
【0026】この判定手段で、前記プリントデータ残量と前記プリントデータの転送速度に基づく前記予め定められた時間で転送可能なプリントデータ量とが一致したと判断された場合には、解除手段によって前記停止制御手段による記録材料の一旦停止を解除し、搬送を再開する。
【0027】一方、前記判定手段で前記解除手段を実行させる以前に前記転送手段からのプリントデータの転送が中止された場合には、排出手段によって前記記録材料を排出する。
【0028】上記の如く、記録材料の搬送経路途中で一旦停止させておくことで、例えば、この一旦停止時期が、請求項5に記載の如く、記録材料に何ら変化していない時期である場合に、記録材料は搬送開始時と同一の状態で排出されるため、再利用が可能となる。また、プリントデータの残量に基づいて記録材料の搬送を再開するため、プリントデータの転送終了に遅れることなく、記録材料を記録ステージに位置決めすることができる。
【0029】請求項6に記載の発明は、前記請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記記録材料を加工する作業工程が、前記記録材料を所定の位置に位置決めして、パンチ孔を穿設する工程である、ことを特徴としている。
【0030】請求項7に記載の発明は、前記請求項4乃至請求項6の何れか1項記載の発明において、前記記録材料が、支持体上に感光層を有する印刷版であり、前記記録材料搬送制御装置が、印刷版を所定方向に搬送しながら定盤上へ受け渡し、当該定盤上で前記印刷版を正規の位置に矯正した後、この印刷版の所定位置に印刷版胴へ巻き付けるときの位置決め用パンチ孔を穿設し、定盤を移動させることで前記印刷版を記録ステージへ送り、プリントデータに基づいて印刷版上に画像を記録する印刷版自動露光装置に適用されることを特徴としている。
【0031】請求項6及び請求項7に記載の発明によれば、記録材料搬送制御装置を、印刷版自動露光装置に適用したものであり、この印刷版自動露光装置では、印刷版の搬送途中で版胴への巻き付けの基準にもなり、記録ステージでの画像記録のための基準位置にもなり得るパンチ孔の穿設という、通常の画像記録装置には少ない搬送途中の作業工程(記録材料を加工する作業工程)が必ず存在し、本発明を適用することが非常に有効となる。
【0032】
【発明の実施の形態】(全体構成)図1には、本実施の形態に係るフォトポリマー版の自動露光装置100が示されている。
【0033】自動露光装置100は、台車200に搭載されたフォトポリマー版102(図2参照)を収容する版収容部104及び版収容部104に収容されたフォトポリマー版102を持ち出する枚葉部106を備えた給版部108と、フォトポリマー版102が位置決め保持される定盤110と、定盤110に位置決めされたフォトポリマー版102へ画像を記録する露光部112と、で構成されている。
【0034】なお、この自動露光装置100の下流側には、バッファ部114を介して自動現像装置116が設定可能であり、給版、露光、現像を全て自動で処理することも可能となっている。
【0035】図3に示される如く、版収容部104には、複数枚のフォトポリマー版102が立てかけられ台車200が収容可能となっている。なお、図2に示される如く、フォトポリマー版102の表面には、1枚毎に保護用の合紙118が設けられており、結果としてフォトポリマー版102と合紙118とが交互に積層された状態となっている。
【0036】版収容部104は、路面よりも高い位置に床部104Aを形成しており、台車200は、路面からこの床部104Aへと乗り上げられる構造となっている。すなわち、路面に対してはキャスタ120を介して支持されており、このキャスタ120は、台車200に対して突出位置(図3の想像線位置)及び収容位置(図3の突出位置)に移動可能となっている。
【0037】版収容部104への収容動作に応じてこのキャスタ120が上方にたたまれるように収容位置へ移動すると同時に補助ローラ122が床部104Aに対応し、その後の台車200は、床部104Aに対してこの補助ローラ122を介して支持される構造となっている。
【0038】前記版収容部104の上方には、枚葉部106が設けられている。枚葉部106は、フォトポリマー版102及び合紙118を交互に積層状態から取り出して、給版部108へ送り出すようになっており、フォトポリマー版102及び合紙118を吸着する吸盤124を備えている。また、吸盤124の近傍には、吸盤124とは別に、合紙118を吸着する際の補助手段として、吸引ファン126が設けられている。これらの吸盤124及び吸引ファン126は一体的に積層された合紙118又はフォトポリマー版102面に対して接近、離反することが可能となっている。
【0039】ここで、フォトポリマー版102の吸着時は吸盤124を接触させて吸着するが、合紙118の吸着時には吸引ファン126を合紙118に対して若干離れた位置(接触してもよい)に配置し、吸引ファン126のみを作動することによって重量的に軽くかつ薄い合紙118のみを吸い上げ、その後、吸盤124によって吸着することで、合紙118の吸着時の二重吸着(下層のフォトポリマー版102をいっしょに吸着すること)を防止している。
【0040】合紙を吸着したとき、吸着圧力がセンサにより、あるしきい値の範囲でなければ、一度吸着を停止して、合紙を離し、サイド合紙吸着シーケンスを実行することで、エラーとなる頻度を低減している。これは、フォトポリマー版の吸着でも同様である。また、2回目のリトライシーケンスは、1回目のシーケンスとは異なり、よりエラーの出にくいシーケンスとなっている(但し、処理時間は長い)。
【0041】給版部108は、大きく分けて、前記枚葉部106からフォトポリマー版102又は合紙118を受け取って搬送する共用搬送部128と、フォトポリマー版102を受けとって定盤110へ送り出すためのフォトポリマー版搬送部130と、合紙118を受けとって合紙収容部(台車200に搭載されている)132へ送り出す合紙搬送部134と、前記共用搬送部128から前記フォトポリマー版搬送部130又は合紙搬送部134の何れかへの搬送部へ切替え動作によって案内する切替搬送部136と、で構成されている。
【0042】すなわち、フォトポリマー版102と合紙18とが交互に積層されているため、枚葉部106において吸着する毎に、切替搬送部136が切替わり、それぞれの所定方向へ搬送する構造となっている。
【0043】ここで、図4(A)に示される如く、共用搬送部128、フォトポリマー版搬送部130及び切替搬送部136は、串型ローラ138と細幅ベルト140とが組み合わされた搬送系となっており、上記フォトポリマー版102を搬送することがメインとされている(図4(B)参照)。すなわち、フォトポリマー版102は、串型ローラ138の強い挟持力で搬送され、細幅ベルト140は、搬送に同期して移動するガイド板としての役目を有する。
【0044】これに対して、合紙搬送部134は、図4(C)に示される如く、細幅ベルト140のみの搬送系となっており、合紙118を細幅ベルト140による弱い挟持力で搬送する構造となっている。
【0045】ここで、図5に示される如く、各搬送部での受け渡し部分は、それぞれ互い違いに先端部が串状に突出され、一方の凹又は凸の先端が他方の凸又は凹の先端に対向するように重なり合っている(同軸の共通の搬送路を持っている)。これにより、フォトポリマー版102及び合紙118の受け渡し時に、串型ローラ138や細幅ベルト140に巻き込まれるようなことが防止される。
【0046】図3に示される如く、合紙搬送部134によって搬送される合紙118は、台車200に設けられた合紙収容部132へ案内される。合紙収容部132の上部に設けられた合紙118の挿入口142は、一対のローラ144が設けられており、前記合紙搬送部134の搬送速度よりも若干速い線速度(約1.1倍)で回転駆動している。これにより、合紙118が合紙搬送部134とこのローラ144との間に掛け渡されると、所定の緊張状態を維持しながら搬送されることになり、弛み等によるジャミングを防止することができる。
【0047】また、この挿入口142の手前側には、徐々に幅(合紙118の肉厚方向)が狭まるようなテーパー形状のガイド板146が設けられている。このテーパー形状とされた互いに対向するガイド板146には、除電ブラシ148がそれぞれ取り付けられ、挿入口142に挿入する合紙118の電荷を除去するようになっている。
【0048】前記一対のローラ144は串型とされ、この串型による凹凸に沿うように仕切板150が設けられている。これにより、合紙収容部132に収容された後の合紙118の一部がローラ144に接触しても、仕切板150によって巻き込みを防止することができる。
【0049】図1に示される如く、フォトポリマー版搬送部130によって搬送されるフォトポリマー版102は、水平搬送状態でフォトポリマー版搬送部130から離脱し、定盤110へ受け渡すようになっている。
【0050】ここで、定番110の上面高さは、フォトポリマー版搬送部130による水平搬送高さよりも低い位置となっており、かつ搬送方向において若干の間隔を持っている。このため、フォトポリマー版搬送部130から排出されると、若干垂れ下がった状態で定盤110上に着地し、搬送方向後端部は、定盤110よりも手前側に位置することになる。この手前側には、図6に示される如く、定盤110に対して接近離反可能な移動体152に設けられた仮支持プレート154が配設されており、フォトポリマー版102の垂れ下がりを防止している。
【0051】仮支持プレート154の一部には、フォトポリマー版102の後端部を搬送方向に押圧する押圧プレート156が設けられ、この押圧プレート156によってフォトポリマー版102の後端部を押圧することで、フォトポリマー版102の斜行が解消されると共に、所定の搬送方向基準位置まで送り出すことができる。この基準位置は、フォトポリマー版102の搬送方向後端部が若干定盤110からはみ出した状態である。
【0052】この基準位置では、フォトポリマー版102の搬送方向後端部両角部を含む複数の位置にセンサ158A乃至Dが設けられ、このセンサ158A乃至Dでフォトポリマー版102の搬送方向後端部を検出することによって押圧プレート156の押圧を停止させている。また、このセンサ158A乃至Dはフォトポリマー版102の搬送幅方向の位置検出にも適用されている。すなわち、定盤110が搬送幅方向に移動することで、フォトポリマー版102の角部とセンサ158A乃至Dとを一致させ、この位置で図示しないパンチ孔を穿設すると共にこの位置をフォトポリマー版102の初期位置として登録するようになっている。
【0053】また、初期位置に移動されたフォトポリマー版102の位置は、露光部112での走査露光開始位置と相対位置が決められており、この状態で定盤110に設けられた吸引溝110A(図6(A)参照)により吸着保持される。
【0054】吸着保持されたフォトポリマー版102には、前記移動体152に設けられたパンチャー160(図6(B)参照)によりパンチ孔が設けられる。
【0055】また、定盤110は、フォトポリマー版搬送部130からのフォトポリマー版102を受け取る第1の位置(図1の実線位置参照)と、露光部112に収容される第2の位置(図1の想像線位置参照)との間を等速度で往復移動可能(位置決めのための搬送幅方向移動と共通)となっている。
【0056】露光部112には、前記定盤110の搬送路よりも上方に走査ユニット164が設けられ、画像信号応じて点灯制御されるレーザビームが主走査(定盤110の搬送方向と直交する方向)される構成となっている。一方、定盤110の往路搬送は副走査移動となり、この結果、定盤110上のフォトポリマー版102には、露光部112への往路搬送時に画像が記録され、復路搬送によって、元の位置に戻されることになる。なお、元の位置に戻った定盤110上のフォトポリマー版102は、吸着保持が解除される。
【0057】露光部112には、外部のパーソナルコンピュータ等のデータベース端末機器からプリントデータが転送され、露光部112に設けられたハードディスク250(図8参照)に1画像分が記録されるようになっている。露光部112では、1画像分のプリントデータが転送し終えた時点でフォトポリマー版102への画像の記録(露光)が開始されるようになっている。
【0058】画像が記録され、元の位置に戻った定盤110に対応し、フォトポリマー版搬送部13によるフォトポリマー版102の搬送方向後端部側に待機していた排出機構部166が定盤110の上方を通過してフォトポリマー版102の搬送方向前端部へと移動する(図7(A)参照)。
【0059】排出機構部164には、フォトポリマー版102の搬送方向後端部を載置するフック部166Aが形成されており、前記定盤110からはみ出したフォトポリマー版102の後端部を移動体152に設けられた仮支持プレート154により持ち上げ(図7(B)参照)、かつ排出機構部166をフォトポリマー版102の搬送方向へ移動させることにより、フォトポリマー版102は、フック部166Aに引っ掛けられて排出機構部166の移動に伴って、定盤110の下流側へ搬送されていく(図7(C)参照)。この下流側には、バッファ部114が設けられ、さらに自動現像装置116が設けられており、フォトポリマー版102は、排出機構部166による排出速度と自動現像装置116での搬送速度との差をバッファ部114で吸収されながら円滑に送り出されていく。
(フォトポリマー版102の搬送制御)図8には、プリントデータの転送と、フォトポリマー版の搬送をリンクして制御する制御ブロック図が示されている。
【0060】露光部112には露光制御部252が設けられ、露光系(光ビームによる主走査、定盤110による副走査)の動作を制御している。この露光制御部252には、前述のハードティスク250が接続されている。なお、ハードディスク250に限らず、メモリ(SDRAM)、MO、ZIP等の他の画像記録媒体であってもよい。
【0061】また、露光制御部252には、外部に設けられたパーソナルコンピュータ等で構成されるデータベース端末254が接続されており、この端末254からプリントデータが露光制御部252へ転送されるようになっている。露光制御部252では、転送されたプリントデータをハードディスク250に蓄積すると共に、プリントデータの転送開始を搬送制御ユニット256へ報知するようになっている。
【0062】搬送制御ユニット256では、受信したプリントデータ転送開始信号に基づいて、供給搬送ドライバ258を制御して、搬送系の各駆動部を動作させ、フォトポリマー版102の搬送を開始させるようにしている。
【0063】また、搬送制御ユニット256では、プリント転送開始から所定時間経過した時点で、停止制御部260により、フォトポリマー版102の搬送を一旦停止させる。この一旦停止の時期は、定盤110上にフォトポリマー版102が送り出された時期と同期しており、パンチ孔穿設のための位置決めの直前である。
【0064】また、搬送制御ユニット256に設けられた判定制御部262では、プリントデータの転送残量と、この一旦停止位置から露光部112の記録開始位置までフォトポリマー版102を搬送する時間で転送可能なデータ量を比較する。
【0065】なお、本実施の形態では、プリントデータは、そのデータ量が100Mb〜1Gb程度となっている。また、転送速度は7Mb/sec程度である。このため、最小データ量を転送する時間は約14.3秒であり、最大データ量を転送する時間は約143秒となる。これに対して、印刷版は搬送開始からパンチ孔穿設工程へ到達するまで約15秒程度、露光ステージへ到達するまで30秒程度となっている。
【0066】上記条件に基づいて、本実施の形態では、判定制御部262において、一旦停止位置から画像記録位置までの時間を15秒と定め、この15秒で転送可能なデータ量を前記転送速度から演算している(7Mb×15=105Mb)。
【0067】すなわち、端末254から転送されているプリントデータの残量が105Mbになったか否かが判断されることになる。
【0068】判定制御部262において、上記判定が肯定(転送されているプリントデータの残量が105Mbになったか)されると、解除制御部264に搬送再開を促す信号が送出され、この信号を受けて解除制御部では、供給搬送ドライバ258を制御して搬送を再開する。
【0069】これにより、プリントデータの転送の終了時と、フォトポリマー版102の画像記録位置への搬送終了時とが一致し、画像記録が実行される。
【0070】画像記録が終了すると、露光制御部264から画像記録終了の信号が搬送制御ユニット256に送出され、搬送制御ユニット256では、これを受けて排出搬送ドライバ266を制御し、露光部112から定盤110を基の位置に戻し、フォトポリマー版102を排出する。
【0071】以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0072】図9及び図10には、プリントデータの転送とリンクされたフォトポリマー版102の搬送制御タイミングチャートが示されている。
【0073】図9は、通常の搬送制御のタイミングチャートであり、プリントデータの転送が開始されると、これを受けて、フォトポリマー版102の供給搬送が開始される。
【0074】その後、フォトポリマー版102は、所定の位置で搬送が一旦停止される。この位置は、定盤110に送り出された後、かつ位置決めがなされる前である。
【0075】この一旦停止中にも、プリントデータは転送が続けられる。ここで、プリントデータの残量が105Mb(フォトポリマー版102が一旦停止位置から画像記録位置まで搬送される時間(15秒)に相当)となると、フォトポリマー版102は、搬送が再開され、15秒後に画像記録開始位置に到達する。一方プリントデータも15秒後に全ての転送が終了する。これにより、搬送の一旦停止による処理の遅れはない。
【0076】プリントデータの転送が終了し、かつ同じにフォトポリマー版102が画像記録位置に位置決めされると、露光が開始される。
【0077】この露光が終了すると、フォトポリマー版102の排出搬送が開始され、装置外へ排出されるか、或いは後工程の現像装置へと送られる。
【0078】次に、図10(A)のタイミングチャートに基づいて、プリントデータの転送が途中で中止された場合について説明する。
【0079】図10において、図9と異なるのは、プリントデータの転送が開始されてから、途中でプリントデータの転送が中止されることである。
【0080】このプリントデータの転送の中止時、供給搬送は既に一旦停止されており、フォトポリマー版102には、パンチ孔が穿設されていない。このため、転送中止を受けて、排出搬送が開始され、フォトポリマー版102を排出する。この排出されたフォトポリマー版102は、パンチ孔が穿設されていないため、再利用することができる。
【0081】ここで、図10(B)に示される如く、従来はプリントデータの転送中心時に既に、パンチ孔穿設処理が終了し、フォトポリマー版102は画像記録位置に到達してしまっている。このため、このフォトポリマー版102を排出したとしても、パンチ孔が設けられているため、再利用できず廃棄処分となる。
【0082】このように、本実施の形態によれば、プリントデータの転送と並行して開始されるフォトポリマー版102の搬送を、パンチ孔穿設処理の手前で一旦停止させて待機することで、プリントデータの転送が途中で中止になったときに、再利用可能な状態としておく確率が高くなり、廃棄処分となるフォトポリマー版102を軽減することができる。また、待機時間並びに搬送再開時期は、プリントデータの転送速度と、残りの搬送時間とに基づいて定めているので(本実施の形態では、15秒に固定)、一旦停止による画像記録処理の遅れはない。
【0083】なお、本実施の形態では、一般的なプリントデータの転送速度を基準として15秒という再開後の搬送時間を設定したが、画像の状況(文字(単色)のみのデータ、フルカラー画像に対応する色別データ、DTP等)によりプリントデータの転送速度が異なる場合がある。この画像の状況に応じた転送速度に基づいて適宜再開後の搬送時間を設定するようにしてもよい。
【0084】また、プリントデータの転送の中止があってもフォトポリマー版102を再利用できる間は、青色ランプを点灯させ、これを過ぎた場合は赤色ランプを点灯させるとか、、タイマで再利用可能までの時間を表示するといった報知手段を設けてもよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る記録材料搬送方法及び記録材料搬送制御装置は、プリントデータの転送と、記録材料の搬送を並行処理して記録材料へ画像記録を行う際に、露光が中止された時点における記録材料が、変化がつけられる前の状態である確率を高くすることができるという優れた効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成12年3月15日(2000.3.15)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2001−265004(P2001−265004A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−73060(P2000−73060)