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【発明の名称】 帯状ワークの露光装置
【発明者】 【氏名】高野 格

【要約】 【課題】グリップフィード方式で帯状ワークを搬送する露光装置において、帯状ワークにテンションをかけずに露光できるようにすること。

【解決手段】送りグリップ部12により帯状ワークWbを把持し、帯状ワークWbを搬送方向下流側に搬送する。帯状ワークWbの搬送中、帯状ワークWbの蛇行を検出し蛇行修正を行う。帯状ワークWbの移動停止後、露光部3の上流側に設けられたワーク固定機構21により帯状ワークWbを固定する。ワーク固定機構21は、帯状ワークWbが伸びている量だけ搬送下流に向かって移動し、帯状ワークWbにかかっていたテンションを除去する。次に、帯状ワークWbをワークステージに吸着固定して、マスクMを移動させてアライメントを行い、帯状ワークWbに露光処理を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長尺連続ワークを把持して間歇的に搬送する搬送機構と、上記搬送機構を制御して、上記ワークの未露光領域を間歇的に露光部に搬送制御する制御部とを備え、上記ワークを常時テンションをかけて搬送し、露光部において上記ワーク上に露光処理を行う露光装置において、露光部の上流側に、上記ワークを把持する第1のワーク固定部を設けるとともに、下流側に上記ワークを把持する第2のワーク固定部を設け、また、上記制御部に、ワークにかかるテンションによる伸び分だけワークを下流側に送る送り量を記憶する記憶部を設け、ワーク上に露光処理を行うに際し、上記制御部は、ワークを露光部に停止させ、第1と第2のワーク固定部でワークを固定後、上記記憶部に記憶された送り量に基づき第1のワーク固定部を露光部方向に送って、ワークにテンションがかからない状態にすることを特徴とする帯状ワークの露光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物のフィルム、薄物金属等の長尺連続ワーク(以下、帯状ワークという)の露光装置に関し、特に、本発明は帯状ワーク上へのマスクパターンの露光等に使用される帯状ワークの露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機化合物のフィルム、薄物金属等の帯状ワークの露光は、ワークをロール状に巻かれた状態から引き出して露光し、再びロールに巻き取る方法で行われる。一般に、上記露光装置に用いられる帯状ワークの搬送は、ワーク搬送中のワーク送りの安定性、位置精度の確保、ワークの反り・うねりの矯正のために、巻き出しロールから巻き取りロールの間で、ワークに対して常に張力(テンション)を働かせている。
【0003】図6は上記した帯状ワークの露光装置の従来例を示す図である。同図において、10は巻出しロール部であり、巻出しロール部10には巻出しロール1、スペーサ巻取りロール1a、ガイドロールR1が設けられている。帯状ワークWbは通常スペーサSと重ね合わせて巻出しロール1にロール状に巻かれており、巻出しロール1から帯状ワークWbが引き出されるとき、スペーサSはスペーサ巻取りロール1aにより巻き取られる。帯状ワークWbは比較的厚く(t=150μm以上、よく使用されるのは250μm)、例えば樹脂製のフィルム上に銅箔(通常樹脂製フィルムより厚い)を張ったものが使用される。このため、帯状ワークWbには、幅方向にそりが生じているものがある。
【0004】帯状ワークの搬送には、例えば、特開平3−19249号公報に示されたような方法が用いられる。すなわち、帯状ワークWbの周縁を後述するグリップフィード機構により狭持し、所定量引っ張って、帯状ワークWbを所定量搬送するものである(以下この搬送方式をグリップフィード方式と呼ぶ)。グリップフィード方式は、厚く幅方向にそりのある帯状ワークを、ワークを露光処理する部分に接触しないで搬送するときに有効である。この方式はワーク両端をつかんだ状態で引っ張るので、そりがあるワークを高速で搬送しても、ワークが搬送手段から外れることがない。グリップフィード機構11により巻出しロール1から引き出された帯状ワークWbは上記したガイドロールR1、帯状ワークのエッジ位置を検出するエッジセンサS1、ガイドロールR2を介して、ワークステージWS等から構成される露光部3に送られる。
【0005】帯状ワークWbの所定の領域が露光部3に達すると、帯状ワークWbの搬送が停止し、帯状ワークWbに露光処理が行われる。露光部3で露光された帯状ワークWbは、ガイドロールR3、R4を介して巻取りロール2に巻き取られる。帯状ワークWbが巻き取られるとき、スペーサ巻出しロール2aからスペーサSが送り出され、露光済の帯状ワークWbはスペーサSとともに巻取りロール2に巻き取られる。
【0006】ここで、帯状ワークWbに、波打ち、しわが生じないようにするためには、帯状ワークWbに常にテンションをかけておくことが望ましい。このため、巻出しロール1には、帯状ワークWbが搬送される方向と逆方向(図6では右回り)に回転する力が、常に加えられている。したがって、帯状ワークWbの搬送中、帯状ワークWbの停止中のいずれにおいても、巻出しロール1と巻取りロール2との間では、帯状ワークWbに常にテンションがかかっている。同様に、巻取りロール2には、帯状ワークWbを巻き取る方向に回転する力が、常に加えられている。したがって、巻出しロール1と巻取りロール2との間では、帯状ワークWbは常にテンションがかかっている。
【0007】上記帯状ワークの露光装置において、帯状ワークWbの搬送・露光処理・蛇行修正は次のように行われる。
(1)グリップフィード機構による帯状ワークWbの搬送・露光処理帯状ワークWbはグリップフィード機構により周縁を狭持して、所定量搬送される。図7は図6に示したグリップフィード機構を拡大した図である。同図に示すように、グリップフィード機構11は、帯状ワークWbの端部を把持する送りグリップ部12と、送りグリップ部12を所定量移動させる送りグリップ駆動部13とから構成される。送りグリップ駆動部13は、例えば同図に示すように、送りモータ13aにより回転するボールねじ13bと駆動ベルト13cを備え、モータ13aによりボールねじ13bが回転し、ボールねじ13bに係合する送りグリップ部12が同図の矢印方向に移動する。
【0008】図8は上記グリップフィード機構11の具体的構成例を示す図である。同図は、搬送方向から見たワークステージWSの断面図およびグリップフィード機構11を示しており、同図では、片側の送りグリップ部12を示しており、他側にも同様な構成を持つ送りグリップ部12が設けられ、帯状ワークWbの両端を把持して帯状ワークWbを搬送する。同図に示すように、送りグリップ部12は、前記したボールねじ13bと係合し、同図の前後方向に移動する送りガイド13dによりガイドされる移動部12aの両側に設けられたグリップ固定台12bに取り付けられており、帯状ワークWbの周辺部を、上部材12cのグリップ部Gr1と下部材12dのグリップ部Gr2とで上下から挟む構造になっている。
【0009】下部材12dにはガイドシャフト12eが取り付けられ、ガイドシャフト12eは、グリップ固定台12bに摺動可能に取り付けられている。また、グリップ固定台12bには、第1のエアシリンダ12fが取り付けられ、第1のエアシリンダ12fの駆動軸は、下部材12dに取り付けられている。このため、第1のエアシリンダ12fが駆動されると、下部材12dは上方向に移動する。上部材12cは軸12gを介して下部材12dに取り付けられており、軸12gを中心に回動する。また、上部材12cと下部材12dのグリップ部Gr1.Gr2の反対側にはスプリング12hが取り付けられており、スプリング12hにより、上部材12cと下部材12dはグリップ部Gr1.Gr2が開く方向に付勢されている。
【0010】また、下部材12dには第2のエアシリンダ12iが取り付けられており、第2のエアシリンダ12iの駆動軸は、下部材12dを貫通して突出しており、その先端は上部材12cに当接している。このため、第2のエアシリンダ12iが駆動されると、上部材12cが軸12gを中心として回動し、グリップ部Gr1,Gr2が閉じる。一方、ワークステージWSには、同図に示すように真空吸着穴Mが設けられており、帯状ワークWbを露光する際、真空通路VPから真空を供給して、真空吸着穴Mにより帯状ワークWbを吸着固定する。
【0011】送りグリップ部12が帯状ワークWbを狭持し、搬送する動作は次の通りである。図9(a)に示す状態から、第1のエアシリンダ12fにより下部材12dが上昇し、図9(b)に示すように、下部材12dのグリップ部Gr2が帯状ワークWbの裏面に接触する。第2のエアシリンダ12iが上昇し、上部材12cの帯状ワークWbを挟むグリップ部Gr1が下降し、帯状ワークWbを挟持する。送りグリップ部12が帯状ワークWbを把持すると、送りグリップ駆動部13のボールねじ13bが回転し、送りグリップ部12が搬送方向下流側に所定量移動する。これにより帯状ワークWbが所定量搬送され、帯状ワークWbの次の露光領域が露光部3に搬送される。
【0012】帯状ワークWbの搬送中、ワークステージWSを搬送レベルの下方に退避させ、帯状ワークWbの裏面がワークステージWSに接触して傷が付くのを防止する。なお、帯状ワークWbの搬送しているとき、ワークステージWSの帯状ワーク固定用に設けられる真空吸着孔M(図8参照)からエアーを噴出すようにしておくと、帯状ワークWbの裏面とワークステージWSとが接触することにより帯状ワークWb裏面が傷つく心配がなくなる。帯状ワークWbが所定量移動し、露光部3に帯状ワークWbの露光領域が達すると、帯状ワークWbの移動を停止する。下方に退避していたワークステージWSがワークステージ駆動部WSDにより搬送レベルにまで上昇し、前記した真空通路VPからワークステージWSに真空を供給し、真空吸着によって帯状ワークWbをワークステージWS表面に保持する。
【0013】ここで、送りグリップ部12が帯状ワークWbを狭持したままであれば、送りグリップ部12による搬送のテンションが帯状ワークWbにかかった状態でワークステージWSに吸着される。また、送りグリップ部12が帯状ワークWbの把持を解除した場合でも、帯状ワークWbは巻出しロール1と巻き取りロール2との間で生じるテンションがかかった状態でワークステージWSに吸着される。帯状ワークWbがワークステージWSに吸着固定されると、第2のエアシリンダ12iが復帰し、送りグリップ部12の上部材12cが回動し、グリップGr1,Gr2は帯状ワークWbを開放する(図9(b)の状態)。さらに、第1のエアシリンダ12fが復帰し、下部材12dが下降する(図9(a)の状態)。ついで、送りグリップ部12は送りグリップ駆動部13により搬送方向上流側に移動し、元の位置に戻る。
【0014】一方、露光部3ではマスクステージ駆動部MSDによりマスクMを移動させて、マスクMとワークとの位置合せを行い露光処理する。露光処理が終わると、送りグリップ部12が帯状ワークWbの両側を挟む。また、ワークステージWSによる帯状ワークWbの真空による保持が解除され、ワークステージWSが下方に退避する。次に、搬送方向上流側の元の位置に戻っている送りグリップ部12により前記したように帯状ワークWbの両側を把持し、送りグリップ部12を搬送方向下流に移動させ、帯状ワークの次の露光領域が露光部3にくるように、帯状ワークWbを搬送する。
【0015】(2)蛇行修正帯状ワークWbを連続して搬送すると、帯状ワークWbが、露光部3において、帯状ワークWbの幅方向(帯状ワークWbの進行方向に対して直角方向)に位置ずれを生じることがあり、これを修正し、露光部での帯状ワークWbの位置を確保する必要がある。ここで、帯状ワークWbの幅方向のずれを帯状ワークWbの蛇行、帯状ワークWbの蛇行を修正することを蛇行修正と呼ぶ。上記に述べたような帯状ワークWb全体に常時テンションをかける装置の場合、帯状ワークWbの蛇行の検出と、その修正は、以下のような方法で行っている。
【0016】図10に示すように、露光部3のワーク搬送上流側の所定の位置にエッジセンサS1を設け、エッジセンサS1により、帯状ワークWbのエッジ位置を検出する。エッジセンサS1の出力は、制御部31を介して巻き出しロール駆動機構32、アクチュエータ33に送られる。搬送中、エッジセンサS1により、帯状ワークWbの蛇行が検出されると、制御部31は巻き出しロール駆動機構32を介してアクチュエータ33によりにより巻き出しロール部10全体を、帯状ワークWbの幅方向に移動させ、蛇行を修正する。
【0017】エッジセンサS1としては、図11に示すものを用いることができる。すなわち、図11(a)に示すように、発光素子L11と受光素子PT1、発光素子L12と受光素子PT2から構成される2組のフォトセンサS11,S12を帯状ワークWbの外側と内側に並べたもの、あるいは、図11(b)に示すように、発光素子L13と、ワークの搬送方向に対して直角に配置したCCD等のラインセンサLS1から構成されるリニアセンサS13を使用することができる。図11(a)に示すセンサを用いる場合には、フォトセンサS11,S12のON,OFFの組み合わせにより帯状ワークWbのエッジ位置を検出する。また、図11(b)を用いる場合には、光がラインセンサLS1に入射する位置で帯状ワークWbのエッジ位置を検出する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来の装置においては、帯状ワークWbにテンションがかかった状態でワークステージWSに保持されて露光することになる。このため、帯状ワークWbが、例えば有機化合物の薄いフィルムである場合、帯状ワークWbが伸びた状態で露光される。そして、露光装置から取り外されると、帯状ワークWbにテンションがかからなくなり、帯状ワークWbが縮み、露光精度が変化するといった問題が生ずる。すなわち、図12(a)に示すようにテンションを掛けた状態で露光したのち、テンションを解除すると図12(b)に示すように帯状ワークWbが縮んで露光パターンの位置がずれ、露光精度を確保できなくなる。以上の問題は、露光パターンの微細化等、露光精度の向上に伴い、近年、特に問題視されるようになってきた。
【0019】本発明は上記した従来技術の問題点を考慮してなされたものであって、帯状ワークにテンションをかけ、グリップフィード方式で搬送する露光装置において、帯状ワークにテンションをかけないでワークステージに保持できるようにし、帯状ワークの露光精度を向上させることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記課題を次のようにして解決する。長尺連続ワークを把持して間歇的に搬送する搬送機構と、上記搬送機構を制御して、上記ワークの未露光領域を間歇的に露光部に搬送制御する制御部とを備え、上記ワークを常時テンションをかけて搬送し、露光部において上記ワーク上に露光処理を行う露光装置において、露光部の上流側に、上記ワークを把持する第1のワーク固定部を設けるとともに、下流側に上記ワークを把持する第2のワーク固定部を設け、また、上記制御部に、ワークにかかるテンションによる伸び分だけワークを下流側に送る送り量を記憶する記憶部を設ける。そして、ワーク上に露光処理を行うに際し、上記制御部は、ワークを露光部に停止させ、第1と第2のワーク固定部でワークを固定後、上記記憶部に記憶された送り量に基づき第1のワーク固定部を露光部方向に送って、ワークにテンションがかからない状態にする。
【0021】本発明においては、上記のように、露光部の上流側および下流側に、上記ワークを把持する第1および第2の固定部を設け、また、制御部に、ワークにかかるテンションによる伸び分だけワークを下流側に送る送り量を記憶する記憶部を設け、第1と第2のワーク固定部でワークを固定後、上記記憶部に記憶された送り量に基づき第1のワーク固定部を露光部方向に送って、ワークにテンションがかからない状態にし、露光処理を行うようにしたので、露光時、ワークにテンションがかからず、露光精度を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施例の帯状ワークの露光装置の構成を示す図であり、前記図6に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、本実施例においては、図1に示したものに第1、第2のワーク固定機構21,22、制御部40が追加されている。同図において、10は巻出しロール部であり、巻出しロール部10には前記したように巻出しロール1、スペーサ巻取りロール1a、ガイドロールR1が設けられている。また、帯状ワークWbは通常スペーサSと重ね合わせて巻出しロール1にロール状に巻かれており、巻出しロール1から帯状ワークWbが引き出されるとき、スペーサSはスペーサ巻取りロール1aにより巻き取られる。帯状ワークの搬送には、前記図6〜図9に示したグリップフィード方式が用いられる。すなわち、ワークステージWSの下流側にグリップフィード機構11が設けられており、前記したようにグリップフィード機構11の送りグリッブ部12により、帯状ワークWbの両側を把持して、帯状ワークWbを搬送する。
【0023】また、本実施例においては、露光装置の露光部3の、帯状ワークWbの搬送方向における上流側と下流側に、第1、第2のワーク固定機構21,22が設けられている。上記第1のワーク固定機構21には、後述するワーク機構駆動部14が設けられている。図2は図1の一部を拡大した図であり、第1、第2のワーク固定機構21,22は、同図に示すように帯状ワークWbを裏面から真空吸着する第1、第2の吸着固定ステージ23,24と、帯状ワークWbの周辺部を上下からはさんで保持する第1、第2の固定グリップ部25,26とから構成される。第1、第2の吸着固定ステージ23,24は、帯状ワークWbの裏面側に搬送レベルで設けられている。
【0024】第1、第2の吸着固定ステージ23,24は前記図8に示したワークステージWSと同様の構成を有し、その表面に帯状ワークWb固定用の真空吸着穴Mが設けられている。そして、真空通路VPを介して真空が供給されたとき、帯状ワークWbは吸着固定ステージ23,24に吸着固定される。また、帯状ワークWbの搬送時には上記真空吸着穴Mからエアーを噴出し、帯状ワークWb裏面と第1、第2の吸着固定ステージ23,24表面との接触を防ぐ。第1、第2の固定グリップ部25,26の構造は前記図8に示した送りグリップ部の構造と基本的に同じである。第1のワーク固定機構21には、図7,図8に示した送りグリップ駆動部と同様のワーク固定機構駆動部14が設けられており、第1の固定グリップ部25は帯状ワークWbの搬送方向に移動する。すなわち、図2に示すようにワーク固定機構駆動部14は例えば送りモータ14aとボールねじ14bと駆動ベルト14cとを備え、送りモータ14aによりボールねじ14bが回転し、固定グリップ部25は同図の矢印方向に移動する。一方、第2のワーク固定機構22は移動しない。
【0025】図3は第1と第2のワーク固定機構21,22及び送りグリップ部12を上から見た図であり、同図に示すように、吸着固定ステージ24は、グリップフィード機構11の部分まで延びている。なお、第1、第2の固定グリップ部25,26の構造は、前記図7で説明した送りグリップ部12と基本的に同様である。第1の固定グリップ部25は、ボールねじ14b、移動部12aが設けられているが、第2の固定グリップ部26は直接基台に取り付けられたグリップ固定台に固定されている。また、第1、第2の固定グリップ部25,26による帯状ワークWbの把持/開放動作も前記図9で説明したのと同様である。
【0026】図1に戻り、40は制御部であり、制御部40には、蛇行制御部41、送り制御部42、全体制御部43が設けられており、蛇行制御部41は、前記図10で説明したように、エッジセンサS1の出力により巻出しロール部10を駆動して、帯状ワークの蛇行修正を行う。また、送り制御部42は、巻出しロール1、巻取りロール2、固定グリップ部25,26、送りグリップ部12を駆動して、帯状ワークWbの搬送を制御する。全体制御部43は、光照射部4、ワークステージ駆動部WSD、マスクステージ駆動部MSD等を制御するとともに、搬送、露光処理等の全体のシーケンスを制御する。
【0027】図4、図5は本実施例における帯状ワークの搬送・露光処理を説明する図であり、同図を参照しながら本実施例における搬送・露光処理について説明する。なお、巻出しロール1、巻取りロール2における帯状ワークWbの巻出し、巻取り制御は前記図6で説明した従来例と同じであり、ワーク固定機構21,22により帯状ワークWbが把持されていないとき、帯状ワークWbにはテンションが掛かっている。
【0028】(1) 帯状ワークWbへの露光処理が終わった段階では、図4(a)に示すように、送りグリップ部12が破線のように帯状ワークWbの周辺部を狭持しており、ワーク固定機構21,22の固定グリップ部25,26はともに開放している。また、ワークステージWSは帯状ワーク搬送面よりも下に下降している。マスクステージMSはワーク搬送面よりも上に上昇している。
(2) 送りグリップ駆動部13を駆動し、送りグリップ部12を搬送方向下流側に移動させる。帯状ワークWbは送りグリップ部12に狭持されているので、送りグリップ12の移動とともに搬送される。
(3) 帯状ワークWbの搬送中、ワークステージWSおよび吸着固定ステージ23,24に設けられたワーク保持用の真空吸着孔Mからエアーを吹き出すようにしておくと、帯状ワークWbが、ワークステージWSおよび吸着固定ステージ23,24上面で持ち上がるので、帯状ワークWbの裏面とワークステージWSおよび吸着固定ステージ23,24の表面とが接触して帯状ワークWb表面が傷つくという心配がなくなる。
【0029】(4) 帯状ワークWbの搬送中、エッジセンサS1が帯状ワークWbのエッジ位置を検出する。該センサS1により帯状ワークWbの蛇行が検出されると、エッジセンサS1の信号をフィードバックし、前記図10で説明したように、巻出しロール部10全体を帯状ワークWbの幅方向に移動させ、蛇行修正を行う。
(6) 送りグリップ駆動部13は所定量搬送方向下流側に移動すると停止する。なお、帯状ワークWbを次の露光領域にまで搬送するためのワーク移動量の制御は、送りグリップ駆動部13の移動量を調整することで行う。
(7) 図4(b)に示すように、帯状ワークWbの移動停止後、露光部3の上流側に設けられた第1のワーク固定機構21の固定グリップ部25が帯状ワークWbの周辺部を挟み、また、吸着固定ステージ23が真空吸着により帯状ワークWbの裏面を吸着することにより、帯状ワークWbの固定をより確かなものにする。
(8) また、露光部3の下流側に設けられた第2のワーク固定機構22の固定グリップ部26が帯状ワークWbの周辺部をはさみ、また、吸着固定ステージ24が真空吸着により帯状ワークWbの裏面を吸着することにより、帯状ワークWbの固定をより確かなものにする。
【0030】(9) その状態で、図4(c)に示すように第1の固定グリップ部25が第1のワーク固定機構駆動部14により帯状ワークWbを狭持したまま、テンション搬送により帯状ワークWbが伸びている量(100〜200μm)だけ、搬送下流に向かって移動する。これにより、帯状ワークWbに生じていたテンションがなくなる。
【0031】(10)図4(d)に示すように、グリップフィード機構11において、送りグリップ部12が開放される。また、ワークステージWSの真空吸着機構がONになり、ワークステージ駆動部WSDにより、ワークステージWSが帯状ワークWb搬送位置にまで上昇し、帯状ワークWbをワークステージWS上に真空吸着・保持する。即ち、帯状ワークWbにはテンションがかからない状態でワークステージWSに保持されることになる。なお、帯状ワークWbをワークステージWSに吸着しても、第1と第2のワーク固定機構21,22の解除は行わない。これは、第1と第2のワーク固定機構21,22を解除すると、巻出しロール1と巻取りロール2との間にはテンションがかかっているので、テンションがかからない状態で保持した帯状ワークWbにテンションがかかってしまうためである。
【0032】(11)図5(e)(f)に示すように、アライメント、露光処理を行う。この間に、送りグリップ部12が次の帯状ワークWb搬送のために、搬送上流例の所定の位置(図5(e)の実線位置)に戻り、再び帯状ワークWbをはさむ。アライメント、露光処理は次のように行われる。まず、図5(e)のときに、図1に示すマスクステージMSが、マスクステージ駆動部MSDにより、アライメント位置にまで下降する。なお、帯状ワークWbは、テンションはかかっていないとはいえたるみはないので、帯状ワークWbを保持したワークステージWSをワーク搬送面以上に上昇させることができない。また同様に、マスクと帯状ワークWbの位置合わせも帯状ワークWbを移動させて行うことができない。
【0033】次に、マスクMと帯状ワークWbとの位置合わせを行う。上記のように帯状ワークWbを移動させることができないので、マスクテージMSをXYθ方向(X方向は例えば図5の左右方向、Y方向は図5の紙面前後方向、θはX,Y平面に垂直な軸を中心とした回転)に移動させて、位置合わせする。位置合わせ終了後、マスクステージMSを露光位置にまで移動させ、光照射部4(図1参照)から露光光を照射して、露光処理を行う。
【0034】(12)露光処理が終了すると、マスクステージMは上昇するとともに、アライメント時XYθ方向に移動しているので、移動前の原点位置にまで戻る。
(13)ワークステージWSのワーク真空吸着を解除し、図5(g)に示すように、ワークステージWSが下降する。また、第1、第2のワーク固定機構21,22の固定グリップ部25,26が開放し、また、第1、第2の吸着固定ステージ23,24の真空吸着が解除され、第1の固定グリップ部25は移動前の原点に戻る。
(14)グリップフィード機構11の送りグリップ部12は帯状ワークWbをはさんでいるので、図4(a)で説明したように、送りグリップ部12が移動し、帯状ワークWbを次の露光位置にまで搬送する。以下、上記(1) 〜(14)を繰り返す。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)露光処理部の上流側に第1のワーク固定部を、下流側に第2のワーク固定部を設け、帯状ワーク搬送後、第1と第2のワーク固定部で帯状ワークを固定後、帯状ワークをテンションによる伸び分だけ下流側に送り、ワークステージに保持するので、露光処理時、帯状ワークにテンションがかからない。このため、帯状ワークが伸びた状態で露光を行うことがなく、露光精度が低下することがない。
(2)帯状ワークがワークステージに吸着保持される寸前まで、帯状ワークにテンションがかかった状態であるので、帯状ワークに波打ち・しわが発生することなくワークステージに吸着・保持することができる。したがって、帯状ワークのしわ・波打ちなどによる露光精度の低下を防ぐことができる。
【出願人】 【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】 【識別番号】100100930
【弁理士】
【氏名又は名称】長澤 俊一郎
【公開番号】 特開2001−264999(P2001−264999A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−75765(P2000−75765)