| 【発明の名称】 |
平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】米原 祥友
【氏名】南 努
【氏名】忠永 清治
【氏名】松田 厚範
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| 【要約】 |
【課題】支持体として陽極酸化したアルミニウム金属基板を必要としない、新規な基体と親水性層を持つ良好な印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法を提供する。
【解決手段】第一の構成は、基体として紙、プラスチック、アルミニウムなどの基板上、又は、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板を用いた支持体上に、特に焼成することなく温水に浸漬または加熱水蒸気処理することで作製した花弁状アルミナ層および光照射により親水化処理された親水性金属酸化物層を設け、その上にネガ型またはポジ型の感光性層を塗設して成る平版印刷版原版であり、第二の構成は、得られた平版印刷版原版に活性エネルギー線照射により画像形成し、必要に応じ加熱処理した後、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版を作製する印刷刷版作製方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基体上に形成した花弁状アルミナ膜と、親水性金属酸化物層および感光性層をこの順に設けて成る平版印刷版原版であって、該花弁状アルミナ層がアルミニウム化合物を含む溶液を基体上に塗布して、皮膜を形成し、これを特に熱処理することなく温水に浸漬又は加熱水蒸気処理して作製したものであることを特徴とする平版印刷版原版。 【請求項2】 アルミニウム化合物を含む溶液が、少なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とからなることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版原版。 【請求項3】 アルミニウム化合物を含む溶液が水溶性有機高分子を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の平版印刷版原版。 【請求項4】 水溶性有機高分子がポリエチレングリコールである請求項1〜3項のいずれかに記載の平版印刷版原版。 【請求項5】 親水性金属酸化物層が、金属のアルコキシド化合物、キレート化合物またはアセテート化合物などの金属有機化合物を塗布して加熱処理した後、光により親水化して形成した親水性金属酸化物層である請求項1〜4項のいずれかに記載の平版印刷版原版。 【請求項6】 親水性金属酸化物層が、固体酸を含有した親水性金属酸化物層である請求項5記載の平版印刷版原版。 【請求項7】 金属酸化物の金属が、チタンまたはジルコニウムである、請求項1〜6の何れかに記載の平版印刷版原版。 【請求項8】 感光性層が、活性エネルギー線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層である請求項1〜7項の何れかに記載の平版印刷版原版。 【請求項9】 感光性層が、活性エネルギー線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層である請求項1〜7項の何れかに記載の平版印刷版原版。 【請求項10】 基体が、紙、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板である請求項1〜9項のいずれかに記載の平版印刷版原版。 【請求項11】 請求項1〜10の何れかに記載の平版印刷版原版を用い、活性エネルギー線の照射により画像形成し、必要に応じて加熱処理をした後、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版を得ることを特徴とする印刷刷版作製方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷分野で使用される平版印刷版に関し、特に新規な基板と親水性層を持つ平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法に関する。 【0002】 【従来の技術】オフセット印刷分野で使用される平版印刷版は、油性のインキと水が反発して互いに混じり合わないと言う原理を巧みに応用した平版型の印刷版であって、凸版やグラビアのような版面上に凸凹がない。しかしその表面には親水性の非画線部と親油性の画線部が存在しており、版の非画線部に水分を与えた後にインキローラーを転がしてインキ付けを行うと、非画線部においては水とインキとの反発によりインキを受け付けず、画線部は水分を反発してインキを良く受け付ける。このようにして画線部に乗ったインキを紙などの媒体に転写することによって印刷がなされる。 【0003】上記のような目的で使用される平版印刷版として、新聞印刷や商業印刷に用いられているPS版がある。PS版は、アルミニウム板を基板とし、砂目立て、陽極酸化、化成処理などの種々の親水化表面処理を単独あるいは適宜組み合わせて施し、次いで感光液を塗布、乾燥して製造される。作製されたPS版は、活性エネルギー線照射により画像形成し、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版とすることが出来る。得られた印刷版の画像部は極めて堅固で耐刷性があり、非画像部の親水性や保水性も申し分なく良好な印刷版である。しかしながら、電気の塊といわれるアルミニウムを素材として使用すること、陽極酸化など一連の親水化基盤処理には膨大な量の電気を使用するなど、多エネルギー消費型の材料であり、もっと廉価で良好な親水性と保水性を持った基板と親水化システムが求められていた。 【0004】一方、ガラス基板上に花弁状アルミナ層を設けることは公知であって、例えば、南努ら,J.Ceram.Soc.Japan,Vol.103,No.6,582−585(1995).、南努ら,Proc.ofXVII,Inter.Congress on Glass,Vol.4,445−449(Beijing,China,1995).、南努ら,New Glass,Vol.12,No.2,42−45(1996).、南努ら,Sol−Gel Optics IV,Proc.of SPIE,Vol.3136,168−175(San Diego,USA,1997).、南努ら,J.Am.Ceram.Soc.,Vol.80,No.4,1040−42(1997).、南努ら,J.Am.Ceram.Soc.,Vol.80,No.12,3213−16(1997).、南努ら,表面技術,Vol.48,No.3,58−63(1997).、特開平9−202,649号、同9−202,650号、同9−202,651号などに、花弁状アルミナ層およびその形成方法について開示されている。ガラス基板上に花弁状アルミナ層を設けた構造物あるいはさらにその上に超撥水性層を設けた構造物は、機能性薄膜の下地層膜、あるいは反射低減膜、耐熱性や耐候性に優れた撥水撥油防汚性膜、高い防曇機能を有する親水性被膜として車輌用、船舶用、航空用、各種建築材、建装材などとして利用され得ることが示されている。以上のように基体上に設けられた花弁状アルミナ層は親水性を示すことは公知であったが、花弁状アルミナ構造が印刷における非画像部の保水性を保持するのに有用であり、平版印刷刷版の親水性層として強固で安定的な親水性を保証する構造の基材であることは知られていなかった。 【0005】また、これらにおける花弁状アルミナ膜は、例えば安定剤を含有するアルミニウムアルコキシド溶液を基板上に塗布し、次いで、600℃以下の温度で焼成してアモルファスアルミナ膜を得、更に熱水処理、熱乾燥、300〜500℃の温度で焼成して花弁状アルミナ膜を得るものであり、紙、プラスチック、アルミニウムなどの耐熱性に劣る基板上に花弁状アルミナ膜を形成することができず、一般的な平版印刷用基板表面材料として利用されたことはなかった。 【0006】一方、金属酸化物材料で光触媒作用を持ち、光照射により超親水性を示す材料としては、特に光触媒性酸化チタンを中心にした多くの技術が公開されており、例えば、特開平7−155,598号、同7−222,928号、同8−66,635号、同8−117,606号、同8−131,834号、同8−131,842号、同8−175,887号、同8−224,481号、同8−267,646号、同9−939号、同9−56,742号、同9−57,912号、同9−76,395号、同9−78,791号、同9−188,850号、同9−225,387号、同9−225,388号、同9−226,041号、同9−226,042号、同9−227,805号、同9−227,829号、同9−227,156号、同9−227,160号、同9−227,831号、同9−227,832号、同9−241,038号、同9−314,750号、同10−50,159号、同10−67,543号、同10−72,242号、同10−81,840号、同10−85,608号、同10−85,609号、同10−85,610号、同10−95,635号、同10−114,544号、同10−114,545号、同10−114,546号、同10−140,046号、同10−146,251号、同10−147,770号、同10−147,771号、WO96/29,375号、WO97/23,572号などに記載され、広く光触媒作用を用いた自己洗浄性、易洗浄性、防曇性、結露防止性、抗菌性などを利用した多くの有用な材料が発表されている。しかしながら、光触媒反応に基づく超親水化現象を利用した印刷刷版への応用は見あたらず、光触媒性金属酸化物から構成された非画像部親水性層が印刷用材料として有用であることは知られていなかった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明による第一の課題は、基体上に高温で焼成することなく花弁状アルミナ膜を形成し、その上に親水性金属酸化物層および感光性層をこの順に設けて成る平版印刷版原版を提供することである。本発明による第二の課題は、基体として紙やプラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板を用いた平版印刷版原版を提供することである。特に、陽極酸化を施さない通例のアルミニウム基板、紙やプラスチック基板などの耐熱性に劣る基板を用いた平版印刷板原板を提供することにある。本発明による第三の課題は、該花弁状アルミナ層と親水性金属酸化物層とから成る構造を印刷刷版の親水性層とする平版印刷版原版を提供することである。さらに、本発明による第四の課題は、該花弁状アルミナ層を基体の保水性層とし、その上の親水性金属酸化物層を親水性層とする平版印刷版原版に、活性エネルギー線を画像書き込みの光源として用いるネガ型またはポジ型の感光性層をインキ受容層とする平版印刷版原版を提供することである。本発明による第五の課題は、本発明の平版印刷版原版を用いた印刷刷版の作製方法を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、■花弁状アルミナ層の特異な構造により保水性が高く、さらにその上に設けられた親水性金属酸化物層による親水性により平版印刷刷版の親水性層として有用であるだけではなく、実際の印刷に当たっても極めて保水性が高いために、優れた平版印刷刷版の非画像部形成構造と成り得ること、■特に焼成することなく温水に浸漬処理することまたは加熱水蒸気処理することで花弁状アルミナ層を耐熱性に劣る紙、プラスチック、アルミニウムなどの基板上に形成できることを見出し本発明に至ったものである。 【0009】即ち、本発明は(1)基体上に形成した花弁状アルミナ膜と、親水性金属酸化物層および感光性層をこの順に設けて成る平版印刷版原版であって、該花弁状アルミナ層がアルミニウム化合物を含む溶液を基体上に塗布して、皮膜を形成し、これを特に熱処理することなく温水に浸漬又は加熱水蒸気処理して作製した平版印刷版原版を提供する。 (2)アルミニウム化合物を含む溶液が、少なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とからなる、好ましくは、更にポリエチレングリコール等の水溶性有機高分子を含むことを特徴とする上記(1)記載の平版印刷版原版を提供する。 (3)親水性金属酸化物層が、金属のアルコキシド化合物、キレート化合物またはアセテート化合物などの金属有機化合物を塗布して加熱処理した後、光により親水化して形成した親水性金属酸化物層である上記(1)〜(2)のいずれかに記載の平版印刷版原版を提供する。この時、親水性金属酸化物層に、固体酸を含有させてもよい。 (4)金属酸化物の金属が、チタンまたはジルコニウムである、上記(1)〜(3)の何れかに記載の平版印刷版原版を提供する。 (5)感光性層が、活性エネルギー線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層である上記(1)〜(4)の何れかに記載の平版印刷版原版を提供する。 (6)感光性層が、活性エネルギー線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層である上記(1)〜(4)の何れかに記載の平版印刷版原版を提供する。 (7)基体が、紙、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の平版印刷版原版を提供する。 (8)上記(1)〜(7)の何れかに記載の平版印刷版原版を用い、活性エネルギー線の照射により画像形成し、必要に応じて加熱処理をした後、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版を得ることを特徴とする印刷刷版作製方法を提供する。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の平版印刷版原版は、まず、基体上にアルミニウム化合物を含む溶液を塗布して、皮膜を形成し、これを焼成することなく温水に浸漬して又は加熱水蒸気処理をして作製した花弁状アルミナ層を設けたことを第一の特徴とする。本発明に用いることのできる基体としては、平版印刷版として利用することを考えて、ガラス基板のみならず紙やプラスチック基板、セラミック基板または好ましくは厚さ1mm以下、さらに好ましくは厚さ0.5mm以下のプラスチック基板、ガラス基板、アルミニウム板、鉄板、ステンレス鋼板、トタン板、ニッケル鍍金鋼板またはクロム鍍金鋼板などの金属製基板薄板などが使用される。 【0011】中でも、好ましい基板としては、耐水性支持体であり、アルミニウム板、特に陽極酸化を施さない通例のアルミニウム基板、プラスチックフィルム、耐水性処理を施した紙、金属箔をラミネートした紙またはプラッスチックフィルムなどを用いることができる。さらに、支持体と花弁状アルミナ層の間に耐水性および接着性を向上する目的で中間層を、また、花弁状アルミナ層とは反対の支持体面にカール防止を目的としてバックコート層を設けることができる。 【0012】本発明の平版印刷版原版は上記の基体上に花弁状アルミナ層を設けて作製される。花弁状アルミナ層は、アルミニウム化合物を含む溶液を基体に塗布して、アルミニウム化合物の皮膜を形成し、これを特に熱処理することなく温水に浸漬又は加熱水蒸気処理することで形成される。特に、塗布溶液がアルミニウム化合物としてアルミニウムアルコキシドとさらにその安定化剤を含むことが花弁状アルミナ層を形成することにとって推奨される。 【0013】本発明に用いることのできるアルミニウム化合物としてはアルミニウムアルコキシド、アルミニウム錯体、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムが挙げられる。なかでもアルミニウムアルコキシドが好ましい。アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリn−ブトキシド、アルミニウムトリsec−ブトキシド、アルミニウムトリtert−ブトキシドなどを挙げることができる。 【0014】本発明に用いる安定化剤としては、具体例として、例えば、アセチルアセトン、ジピロバイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトンなどの1,3−ジケトン(β−ジケトン)化合物類および/またはアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸−tert−ブチル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル、2−ケト−n−バレリック酸メチル、3−メチル−2−ケト−n−バレリック酸メチル、2−ケト−カプロニック酸メチル、2−ケト−エナンチック酸メチルなどのβ−ケトエステル化合物類を挙げることができる。さらに別の安定化剤として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、さらに一般的に使用される金属アルコキシドの安定化剤等も挙げることができる。 【0015】アルミニウムアルコキシドと安定化剤とから成る塗布液には必要に応じて希釈溶媒を用いることができる。希釈溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコールまたはエチレングリコール−モノ−n−プロピルエーテルなどのアルコール類;n−へキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類;ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの各種のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの各種のケトン類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテルのような各種のエーテル類;クロロホルム、メチレンクロリド、四塩化炭素、テトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。 【0016】中でも、溶液の安定性の点から上述した各種の溶剤類のうちアルコール類を使用することが好ましい。 【0017】塗布液の作製方法としては、アルミニウムアルコキサイドが空気中の水分とすばやく反応してゲル化し白濁化するのを防ぐため、これを防止する効果のあるβ−ジケトン化合物類、β−ケトエステル化合物類またはアルカノールアミン類などの安定化剤を例えばモル比で1以上を加え、各種アルコール類の希釈溶媒で塗布し易い濃度まで、例えば10倍から20倍に希釈し、さらに少量の水を加えることで塗布液とすることができる。好ましい混合割合としては、モル比で、アルミニウムアルコキシド:希釈溶媒:安定化剤:水=1:10〜100:0.5〜2:0〜5である。 【0018】アルミニウムアルコキシドと安定化剤を含有する塗布溶液には、アルコキシ基の加水分解を促進する、及び/又は、脱水縮合反応を促進する目的で触媒を添加することができる。 【0019】触媒の代表的なものとしては、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、アンモニアなどが挙げられる。 【0020】触媒類の添加量としては、幅広く設定できるが、アルミニウム化合物1モルに対して、0.0001−1モルになる範囲内が好ましい。 【0021】アルミニウム化合物を含む溶液に、必要に応じて水溶性有機高分子を添加することができる。有機高分子は、温水への浸漬によってゲル膜中から容易に溶出し、これにより温水との反応表面積が増大し低温かつ短時間での花弁状(微細凹凸)組織の形成を可能にする。また、添加する有機高分子の種類や分子量を変化させることにより、形成される花弁状組織の形状を制御することが可能になる。 【0022】前記有機高分子には、ポリエチレングリコール、ボリプロピレングリコールなどのポリエーテルグリコール類が温水浸漬によって容易にゲル膜から溶出するので好ましい。ポリエーテルグリコールの添加量は、アルミニウム化合物がすべてアルミナになったと仮定して求められる酸化物重量に対して重量比で0.1から10の範囲にすることが好ましい。 【0023】安定化剤を含まない塗布溶液を用いて薄膜を形成する際には、塗布を行う雰囲気を乾燥空気もしくは乾燥窒素等の不活性気体雰囲気とすることが好ましい。乾燥雰囲気の相対湿度は30%以下にすることが好ましい。 【0024】基体上に塗布液を塗布する塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、ノズルフローコート法、スプレー法、リバースコート法、フレキソ法、印刷法、フローコート法、バーコート法など既知の塗布手段が適宜使用することができる。膜厚は、ディッピング法における引き上げ速度やスピンコート法における基板回転速度などを変化させることと塗布溶液の濃度を変えることにより制御することができる。 【0025】花弁状の微細凹凸組織を有する薄膜を形成する際に使用される基材としては、各種の金属基材、無機質基材、プラスチック基材、紙、木質系基材など各種のものが挙げられる。特に、基材に耐熱性の低いプラスチック基材、紙系基材や陽極酸化を施さないアルミニウム基板などを選んだ場合には、熱処理することなく低温で花弁状組織が形成できる本発明の効果が十分発揮されて好ましい。 【0026】プラスチック基材の代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ボリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂のフィルムや成形品;不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、架橋型ポリウレタン、架橋型のアクリル樹脂、架橋型の飽和ポリエステル樹脂など各種の熱硬化性樹脂から得られる架橋フィルムや架橋した成形品等が挙げられる。 【0027】紙基材の代表的なものとしては、耐水性処理を施した紙、金属箔や上記プラスチックをラミネートした紙、熱硬化性、紫外線または電子線硬化性材料を塗布し硬化させたコート紙などが例示できる。 【0028】金属基材の代表的なものとしては、鉄、ニッケル、アルミニウム、クロム、亜鉛、錫、銅など各種の金属類;ステンレススチール、真鍮のような各種金属の合金類が挙げられる。特に、陽極酸化を施さないアルミニウム基板をもちいることができる。また、無機質基材とは、セメント系、ガラス系、セラミックス系等で代表される無機質の材料が挙げられる。 【0029】前記手法によって作製したアルミニウム化合物のゲル膜は、室温で30分程度乾燥させればよい。また、必要に応じてさらに高い温度で乾燥させることも可能である。 【0030】次いで、前記アルミニウム化合物のゲル膜を温水に浸漬又は加熱水蒸気処理することにより花弁状組織を有する薄膜を基体に形成する。温水の温度は50℃から100℃とすることが好ましい。温水の温度は、基体の耐熱性等を鑑みて決定されるが、温度が低いほど花弁状組織を完全に形成するためには長い時間を要するようになるが、一般に5分〜24時間の範囲が推奨される。加熱水蒸気を用いる場合、加熱水蒸気の温度は、基体の耐熱性等を鑑みて決定されるが、100℃〜150℃とすることが好ましい。花弁状組織を完全に形成するためには1秒〜1時間の範囲が推奨される。 【0031】該アルミニウム化合物ゲル膜付き基体を温水に浸漬する又は加熱水蒸気に曝すすことで、該アルミニウム化合物ゲル膜の表層表面が解膠用等を受ける。これにより、特異な微小な孔状の空隙を持って特異な花弁状の形物がランダムに集合体化した表層表面を有するものと成り、目的とする特異な空隙と形状の微細凹凸を形成することができ、その機能や性能をより発揮する膜とすることができる。 【0032】さらに、例えば約100℃以下で乾燥を行う。または該乾燥後、基体の耐熱性に応じて焼成を行うこともできる。なお、該花弁状透明アルミナ膜の膜厚としては、任意に設定できるが約50nm以上400nm以下程度が好ましい。 【0033】さらにまた、花弁状アルミナ膜は、中心線平均粗さRaを面拡張した平均面粗さRa’値が約12nm以上、かつ比表面積SRが1.3以上であることが好ましい。 【0034】本発明による平版印刷版原版は、花弁状アルミナ層の上に親水性金属酸化物層を設けたことを特徴とする。 【0035】本発明の親水性金属酸化物層に使用できる金属酸化物としては、光による作用に伴い親水性を示す化合物類であり、具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸ストロンチウム、三酸化タングステン、三酸化二ビスマス、酸化第二鉄などが使用可能であるが、特に酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムが好ましく用いられる。これら金属を用いて親水性金属酸化物層を形成する方法としては、金属のアルコキシ化合物、キレート化合物、アセテート化合物などの有機化合物を適当な溶剤に希釈して塗布液とし、花弁状アルミナ層の上に塗布・乾燥して塗膜を形成し、乾燥後必要に応じて100℃以上の温度で加熱処理した後、光を照射して親水化することにより達成することができる。加熱処理温度は基板の耐熱性に鑑みて適宜決定され、耐熱性に劣る基板では100℃〜250℃の範囲が、耐熱性の高い基板の場合は200℃以上の温度が推奨される。 【0036】具体的には、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのチタンアルコキシド化合物類、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウムなどのジルコニウムアルコキシド化合物類、チタニウムアセチルアセトナートやジルコニウムアセチルアセトナートなどのアセテート化合物類、あるいはチタンやジルコニウムと各種金属キレート剤から形成されたキレート化合物類を用い、これに塩酸またはエチルアミンの如き加水分解抑制剤を添加し、エタノールやプロパノールの如きアルコール系有機溶剤で希釈し、部分的にあるいは完全に加水分解を進行させた後、混合物をディッピング法、スピンコート法、ノズルフローコート法、スプレー法、リバースコート法、フレキソ法、印刷法、フローコート法、バーコート法など公知の塗布方法にて花弁状アルミナ層上に塗布し、乾燥し、必要に応じて100℃以上の温度で5分から24時間焼成して、酸化チタンあるいは酸化ジルコニウムの脱水縮重合により無定形酸化チタンまたは無定形酸化ジルコニウムが形成できる。 【0037】形成させた無定形酸化チタンまたは無定形酸化ジルコニウムの親水化方法としては、相変化を伴う加熱焼結処理による方法があり、例えば、酸化チタンの場合には500℃以上また酸化ジルコニウムの場合には1100℃以上に加熱焼結することにより、親水性表面を得ることもできる。しかしながら、本発明ではその様な高い温度での処理を必要とせず、形成させた無定形酸化チタンまたは無定形酸化ジルコニウムを波長が400nm以下の紫外線領域の光を5分から数日間照射することにより、該無定形酸化チタン層または無定形酸化ジルコニウム層を水との接触角が10度以下の親水性表面とすることができることを特徴とする、より簡便で効率の良い方法によるものである。このとき用いることのできる紫外線光源としては日光、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯などを挙げることができる。 【0038】以上の方法で形成された親水性金属酸化物層の膜厚としては5nm〜5μmが好ましい。 【0039】本発明の親水性金属酸化物層中には、複数の金属酸化物を含有させることができる。すなわち、金属酸化物としての酸化チタンまたは酸化ジルコニウムの他に、前述した金属酸化物として酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸ストロンチウム、三酸化タングステン、三酸化二ビスマス、酸化第二鉄などの中から1種類以上の金属酸化物を添加することができる。添加方法としては、前述の親水性金属酸化物層の塗膜を形成するに際し、それら塗膜液中に金属のアルコキシ化合物、キレート化合物、アセテート化合物などの有機金属化合物を適当な割合で塗布液に添加し、花弁状アルミナ層の上に塗布・乾燥して塗膜を形成し、必要に応じ100℃以上の温度で加熱処理した後、光を照射して親水化することにより達成することができる。加熱処理温度は基板の耐熱性に鑑みて適宜決定され、耐熱性に劣る基板では100℃〜250℃の範囲が、耐熱性の高い基板の場合は200℃以上の温度が推奨される。 【0040】また、親水性金属酸化物層中には塗膜形成要素として、塗膜形成能のあるシリコーンの前駆体を添加し塗膜強度を強固にすることができる。シリコーンの前駆体としては、種々の有機基置換アルコキシシラン化合物類、アルコキシシラン化合物類、有機基置換ハロゲノシラン化合物類、ハロゲノシラン化合物類、ハロゲノアルコキシシラン化合物類およびヒドロシラン化合物類などを挙げることができる。これらシリコーンの前駆体の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロピルトリブトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、テトラクロルシラン、ジメトキシメチルクロルシラン、ジエトキシジクロルシラン、トリエトキシクロルシラン、ジフェニルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、トリクロルヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどを挙げることができる。 【0041】さらにこれら前駆体の部分加水分解および脱水縮重合物としてのダイマーやトリマーさらにはオリゴマーなども使用することができる。またシロキサン結合を有するシリコーンに変えて、シラザン結合を有するオルガノポリシラザン化合物を使用することもできる。 【0042】親水性金属酸化物層の塗膜にシリコーン前駆体を使用する場合には、前述の有機金属化合物類とシリコーンの前駆体を必須成分として、その他水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの溶媒や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化合物、塩酸、硝酸、硫酸、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライソプロピルチタネートなどの酸性化合物などのシリコーンの前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤などのコーテイング液の分散性を向上させる界面活性剤などを添加し、花弁状アルミナ層の上に塗布・乾燥して塗膜を形成し、必要に応じ、100℃以上の温度で加熱処理した後、光を照射して親水化することにより親水性金属酸化物層を形成することができる。このとき、シリコーン塗膜の良好な硬度と平滑性を確保するために、3次元架橋性シロキサンを10モル%以上含有させることや、塗膜の可撓性を得るために2次元架橋性シロキサンを60モル%以下含有させることが好ましい。また、加熱処理温度は基板の耐熱性に鑑みて適宜決定され、耐熱性に劣る基板では100℃〜250℃の範囲が、耐熱性の高い基板の場合は200℃以上の温度が推奨される。 【0043】親水性金属酸化物層中におけるシリコーンの含有量は、5重量%〜60重量%までが好ましい。 【0044】本発明の平版印刷版原版の親水性金属酸化物層中には、親水性を安定的に維持する目的で固体酸を添加することができる。固体酸としては、例えば、硫酸担持金属酸化物、硝酸担持金属酸化物、酸化チタン/酸化アルミニウム、酸化チタン/酸化イットリウム、酸化チタン/酸化タングステン、酸化チタン/酸化ジルコニウム、酸化チタン/酸化モリブデン、酸化タングステン/酸化ジルコニウム、酸化タングステン/酸化錫などの金属酸化物複合体、酸化アルミニウム/シリカなどを挙げることができる。これら金属酸化物の添加方法としては、前述の親水性金属酸化物層の塗膜を形成するに際して、それら塗膜液中に金属酸化物の粉末またはゾルを添加するとか、これら金属酸化物の前駆体としてのアルコキシ化合物、キレート化合物、アセテート化合物などの金属有機化合物またはハロゲン化合物、硫酸化合物、硝酸化合物などの金属無機化合物などを添加した後、塗布して乾燥して塗膜を形成した後、必要に応じ、200℃以上の温度で加熱処理することにより、親水性金属酸化物層を形成することができる。上記金属酸化物の前駆体としては、酸化アルミニウムに関しては、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、硫酸アンモニウムアルミニウム、臭化アルミニウム、アルミニウムn−ブトキサイド、アルミニウムsec−ブトキサイド、アルミニウムtert−ブトキサイド、塩化アルミニウム、アルミニウムエトキサイド、弗化アルミニウム、沃化アルミニウム、アルミニウムメトキシド、アルミニウムイソプロポキシドなど、酸化イットリウムに関しては、酢酸イットリウム、イットリウムアセチルアセトナート、炭酸イットリウム、塩化イットリウム、弗化イットリウム、硝酸イットリウムなど、酸化タングステンに関しては、塩化タングステン、タングステンヘキサカルボニル、タングステン酸、燐タングステン酸、珪タングステン酸など、酸化モリブデンに関しては、塩化モリブデン、モリブデンヘキサカルボニル、モリブデニルアセチルアセトナート、モリブデン酸、モリブド燐酸など、酸化錫に関しては、酢酸錫、臭化錫、塩化錫、弗化錫、沃化錫、蓚酸錫、硫酸錫、などを挙げることができる。 【0045】好ましく用いられるのは、金属酸化物の複合体であって600℃〜800℃で焼成した酸化チタン/酸化タングステン、700℃〜900℃で焼成した酸化タングステン/酸化ジルコニウム、900℃〜1100℃で焼成した酸化タングステン/酸化錫などであるが、特に好ましく用いることの出来るのは、400℃〜600℃で焼成した酸化アルミニウム/シリカである。これらは、耐熱性の高い基材上に適用できる。 【0046】さらに花弁状アルミナ層上に設けられた親水性金属酸化物層上には、感光性層との接着性改良や印刷時の汚れ防止、平版印刷版の調子再現性改良などを目的として下塗りを施しても良い。下塗りに用いられる化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有しても良いフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸類、置換基を有しても良いフェニル燐酸、ナフチル燐酸、アルキル燐酸およびグリセロ燐酸などの有機燐酸類、置換基を有しても良いフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸、およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸類、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩類、特開昭59−101,651号に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体、および特開昭60−64,352号に記載されている酸性染料などが用いられる。この下塗り層は、水、メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどもしくはそれらの混合溶媒に上記の化合物を溶解させ、親水性金属酸化物層上に塗布・乾燥して設けることができる。下塗り層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当である。 【0047】本発明の平版印刷版原版は、基体上に形成した花弁状アルミナ層上に設けられた親水性金属酸化物層の上に感光性層が設けられた構造をしている。感光性層としては、構造的に一層のもの、あるいは多層のもの、製版方法として湿式法のもの、破壊法のもの、露光以外に特別な操作を必要としないものなど各種のものが考えられ、親水性層を感光性層の下層として使用する場合には本発明の花弁状アルミナ層上に設けた親水性金属酸化物層を良好な親水性層としていずれの場合にも好適に用いることができるが、好ましくは一層で湿式法により製版が行われるものである。そのような感光性層として、活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層のもの、活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層のものがある。 【0048】本発明に用いられる活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層に含有される感光性組成物の代表的なものとして次のものがあげられる。 【0049】(1)感光性ジアゾ樹脂とバインダー樹脂とからなる感光性組成物:感光性ジアゾ樹脂としては、ジアゾジアリールアミンと活性カルボニル化合物との縮合物の塩に代表されるジアゾ樹脂があり、水に不溶性で有機溶媒に可溶性のものが好ましい。特に好適なジアゾ樹脂は、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4′−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−3′ーメチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチル−4′−エトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン等と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、4,4′−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル等との縮合物の有機酸塩または無機酸塩である。有機酸塩としては、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ベンゼンホスフィン酸等が挙げられ、無機酸としては、ヘキサフルオロ燐酸、テトラフル硼酸等があげられる。その他の感光性ジアゾ樹脂として、特開昭54−30,121号に記載の主鎖にポリエステル基をもつジアゾ樹脂;特開昭61−273,538号に記載の無水カルボン酸残基を有する重合体に水酸基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂、ポリイソシアネート化合物に水酸基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂等も使用することができる。バインダー樹脂としては、例えば(メタ)アクリル酸[以下、アクリル酸とメタアクリル酸を総称して(メタ)アクリル酸と称す。]、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、米国特許第4,123,276号に記載の酸価10から100を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリロニトリル含有共重合体、特公昭57−43,890号に記載の芳香族性水酸基を有する共重合体、特公昭57−51,656号に記載の2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート単位を有する重合体等の共重合体、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ハロゲン化ビニル、特にポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂等のアセタール樹脂、エスタンの商品名で米国グッドリッチ社より販売されている可溶性ポリウレタン樹脂、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体またはその半エステル、繊維素誘導体、シェラック、ロジンまたはその変性体などが使用することができる。 【0050】(2)光架橋型樹脂を含む感光性組成物:光架橋型樹脂としては、水性アルカリ現像液に対して親和性を持つ光架橋型樹脂が好ましく、例えば、特公昭54−15,711号に記載の桂皮酸基とカルボキシル基を有する共重合体、特開昭60−165,646号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とカルボキシル基を有するポリエステル樹脂、特開昭60−203,630号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフェノール性水酸基を有するポリエステル樹脂、特公昭57−42,858号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とナトリウムイミノジスルホニル基を有するポリエステル樹脂、特開昭59−208,552号に記載の側鎖にアジド基とカルボキシル基を有する重合体などが使用できる。 【0051】(3)付加重合性不飽和化合物と光重合開始剤を含む感光性組成物:標記感光性組成物としては、例えば、米国特許第2,760,863号、同3,060,023号、特開昭62−121,448号等に記載の2個またはそれ以上の末端エチレン基を有する付加重合性不飽和化合物と光重合開始剤よりなる組成物がある。さらにバインダー樹脂として、前記(1)に記載のバインダー樹脂、特開昭61−285,449号に記載の側鎖に不飽和基を有する共重合体等が使用できる。 【0052】上記のネガ型感光性組成物は、さらに必要に応じて染料、顔料、安定剤、充填剤、架橋剤等を添加し、適当な溶媒に溶解して親水性シリコーン層上に塗布乾燥して通常 0.5〜5g/m2 の感光性層を有する本発明の活性エネルギー線用のネガ型感光性平版印刷版原版とされる。 【0053】本発明に用いられる活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層に含有される代表的なものとして、光を吸収し熱を発生する物質、酸発生剤、酸硬化性化合物ないしは酸架橋性化合物およびアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。 【0054】光を吸収し熱を発生する物質は特定波長の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線を効率良く吸収し熱を発生する化合物で、各種の顔料や染料を選んで用いることが出来る。 【0055】本発明に使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)等に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料その他ポリマー結合色素等があげられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。 【0056】これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、また公知の表面処理を施して用いても良く、公知の表面処理方法としては、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(たとえば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方などが考えられる。これらの表面処理方法については、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている。 【0057】本発明に用いる染料としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集,昭和45年刊、「色材工学ハンドブック」色材協会編,朝倉書店刊,1989年、「工業用色素の技術と市場」シーエムシー刊,1983年、「化学便覧、応用化学編」日本化学会編,丸善書店刊,1986年)に記載されている公知のものが使用できる。具体的には、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料等の染料が挙げられる。これらの染料の中、赤外光もしくは近赤外光を吸収するものが特に好ましい。赤外光もしくは近赤外光を吸収する染料としては、例えば、特開昭58−125,246号、同59−84,356号、同59−202,829号、同60−78,787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173,696号、同58−181,690号、同58−194,595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112,793号、同58−224,793号、同59−48,187号、同59−73,996号、同60−52,940号、同60−63,744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112,792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号記載のシアニン染料、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収剤等を挙げることができる。さらに、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142,645号記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181,051号、同58−220,143号、同59−41,363号、同59−84,248号、同59−84,249号、同59−146,063号、同59−146,061号等に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216,146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号記載のペンタメチンチオピリリウム塩、特公平5−13,514号、同5−19,702号公報に開示されているピリリウム化合物、米国特許第4,756,993号に記載の近赤外吸収染料等も挙げることができる。 【0058】本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層に含有される酸発生剤としては、各種のジアゾニウム塩類、トリクロロメチル基などを含有するハロゲン化合物類、チオピリリウム塩、ホスホニウム塩、ヨウドニウム塩、チオニウム塩、スルホニウム塩などの各種オニウム塩類、さらにはホウ酸塩、アルミナート錯体、鉄アーレン錯体などの錯化合物類を挙げることができる。 【0059】また、本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層に含有される酸硬化性化合物としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの各種熱硬化性樹脂や、これら樹脂を化学変性したりアルカリ水溶性のモノマーと共重合することによりアルカリ水溶性としたオリゴマーやポリマーを挙げることができる。 【0060】本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層に含有される酸架橋性化合物としては、分子内に2個以上の酸架橋性の置換基を有する化合物であり、その様な置換基として、オレフィン基、エポキシ基、アセタール基、ケタール基、アルデヒド基、エノールエーテル基などを挙げることができる。 【0061】本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層に含有されるアルカリ可溶性樹脂は、前述の活性エネルギー線用ネガ型感光性層または後述のポジ型感光性層に用いられるアルカリ可溶性樹脂をいずれも使用することができる。好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、(メタ)アクリル酸共重合による樹脂などを挙げることができる。 【0062】本発明に用いられる活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層として利用できるその他の事例として、例えば、特開平7−306,528号、同9−179,292号によるジアゾニウム基を含有した樹脂とカーボンブラックとから構成されたもの、特開平9−274,317号によるキノンジアジド化合物を使用したもの、特開平7−020,629号、同7−271,029号、同8−234,426号、同9−185,160号、同9−197,668号、同9−197,671号、同9−202,873号、同9−208,925号、同9−221,652号、同9−221,654号、同9−176,112号、同9−183,960号、同9−183,961号、同9−222,731号、同9−239,945号、同9−244,226号、同9−244,233号、などによる熱による酸発生物質を使用するもの等を挙げることができ、いずれも本発明による活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層として使用することができる。 【0063】本発明による活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層には、必要に応じてさらに増感剤、可塑剤、プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調製剤、塗工助剤などの添加剤を加え適当な溶媒に溶解して、親水性シリコーン層上に塗布乾燥して、通常 0.5〜5g/m2 のネガ型感光性層を有する本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性平版印刷版原版とされる。 【0064】本発明に用いられる活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層に含有される感光性組成物の代表的なものとしてo−キノンジアジド化合物や酸分解性のエーテル化合物、エステル化合物などが挙げられる。o−キノンジアジド化合物の具体例としては、特開昭47−5,303号、同48−63,802号、同48−63,803号、同49−38,701号、同56−1,044号、同56−1,045号、特公昭41−11,222号、同43−28,403号、同45−9,610号、同49−17,481号、米国特許2,797,213号、同3,046,120号、同3,188,210号、同3,454,400号、同3,544,323号、同3,573,917号、同3,674,495号、同3,785,825号、英国特許1,227,602号、同1,251,345号、同1,267,005号、同1,329,888号、同1,330,932号、独国特許854,890号などがあり、酸分解性化合物の例としては、特開昭60−37,549号、同60−10,247号、同60−3,625号などに記載されているものを挙げることが出来る。これらの化合物を単独あるいは組み合わせて感光成分とした感光材料に対して、少なくとも本発明を好ましく適用することができる。これらの感光成分には芳香族ヒドロキシ化合物のo−キノンジアジドカルボン酸エステルおよび芳香族アミノ化合物のo−キノンジアジドスルホン酸またはo−キノンジアジドカルボン酸アミドが包含され、また、これらo−キノンジアジド化合物を単独で使用したもの、およびアルカリ可溶性樹脂と混合し、この混合物を感光性層として設けたものが包含される。 【0065】アルカリ可溶性樹脂には、ノボラック型フェノール樹脂及び/またはポリビニルフェノール樹脂からなる樹脂が用いられる。ノボラック樹脂としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノール、ビスフェノール−A、トリスフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトールなどの芳香族炭化水素類の少なくとも1種を酸性触媒下、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類及び、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド類またはケトン類と重縮合させたものが挙げられる。 【0066】好ましいノボラック樹脂の芳香族炭化水素類としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種のフェノール類をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類の中から選ばれる少なくとも1種のアルデヒド類と重縮合したものが、特に好ましく用いられる。 【0067】ノボラック樹脂の分子量としては、ゲルパーメーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜15,000、好ましくは、1,500〜10,000のものが用いられる。 【0068】ポリビニルフェノール樹脂としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキシスチレン類の単独あるいは2種以上の共重合体が挙げられる。ヒドロキシスチレン類は芳香環に塩素、臭素、沃素、弗素などのハロゲン原子あるいは炭素数1〜4の低級アルキル置換基などの置換基を有していても良く、従ってポリビニルフェノール樹脂としては、芳香環にハロゲン原子あるいは炭素数1〜4の低級アルキル置換基などの置換基を有していても良いポリビニルフェノール樹脂が挙げられる。 【0069】ポリビニルフェノール樹脂は、通常、置換基を有していても良いヒドキシスチレン類を単独であるいは2種以上をラジカル重合開始剤またはカチオン重合開始剤の存在下で嫌気的に重合させることにより得られる。かかるポリビニルフェノール樹脂は、一部水素添加を行ったものでも良い。また、t−ブトキシカルボニル基、ピラニル基、フラニル基などでポリビニルフェノール類の一部のOH基を保護した樹脂でも良い。ポリビニルフェノール樹脂の、重量平均分子量は、1,000〜100,000、好ましくは1,500〜50,000のものが用いられる。 【0070】o−キノンジアジド化合物を感光成分とする感光性層には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調製剤、塗工助剤などの添加剤を加え適当な溶媒に溶解して、親水性シリコーン層上に塗布乾燥して通常 0.5〜5g/m2 の感光性層を有する本発明の活性エネルギー線用のポジ型感光性平版印刷版原版とされる。 【0071】本発明に用いられる活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層に含有される代表的なものとして、光を吸収し熱を発生する物質、酸発生剤、アルカリ可溶性樹脂および酸分解性樹脂などが挙げられる。 【0072】活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層に含有される光を吸収し熱を発生する物質および酸発生剤については、前述の本発明による活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性に含有される光を吸収し熱を発生する物質および酸発生剤と全く同じ化合物類が使用できる。 【0073】活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層に含有されるアルカリ可溶性樹脂は、前述の活性エネルギー線用ネガ型またはポジ型感光性層に用いられるアルカリ可溶性樹脂をいずれも使用することができるが、好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、(メタ)アクリル酸共重合による樹脂などを挙げることができ、特に好ましい樹脂としてノボラック樹脂およびレゾール樹脂を挙げることができる。 【0074】活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層に含有される酸分解性樹脂としては、オルトカルボン酸エステル、アセタール、ケタールから導かれるグラフト基を有するビニルポリマーなどを挙げることができる。 【0075】また、本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層として使用できる事例として、例えば、特開平7−20,629号、同7−271,029号、同8−220,752号、同9−171,254号、同9−211,863号、同9−211,864号、同9−211,865号、同9−304,931号、同10−3,165号、同10−10,735号、同10−10,737号、同10−39,514号、同10−87,733号、同10−123,703号、同10−15,365号等に記載されたポジ型感光性層を挙げることが出来、いずれも本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層として使用することができる。 【0076】本発明による活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層には、必要に応じてさらに増感剤、可塑剤、プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調製剤、塗工助剤などの添加剤を加え適当な溶媒に溶解して、親水性シリコーン層上に塗布乾燥して、通常0.5〜5g/m2 のポジ型感光性層を有する本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性平版印刷版原版とされる。 【0077】本発明の平版印刷版原版は、基体上の花弁状アルミナ層上に設けられた親水性金属酸化物層上に、上記それぞれの感光性組成物塗布液を公知の技術により塗布し乾燥することにより製造される。塗布方法としては、回転塗布法、ワイヤーバー塗布法、ディップ塗布法、エアーナイフ塗布法、ロール塗布法、ブレード塗布法、カーテン塗布法、およびスプレー塗布法などを挙げることができる。このようにして塗布された感光性組成物層は、40〜150℃で30秒から10分間、熱風乾燥機、赤外線乾燥機などを用いて乾燥される。 【0078】活性エネルギー線用に使用されるネガ型またはポジ型感光性層上には、相互に独立して設けられた突起物により構成されるマット層を設けることが望ましい。マット層の目的は密着露光におけるネガもしくはポジ画像フィルムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良することにより、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良による露光時の微小網点のつぶれを防止することである。マット層の塗布方法としてはパウダリングされた固体粉末を熱融着する方法やポリマー含有水をスプレーし乾燥させる方法などがありいずれも使用できる。マット層は実質的に有機溶剤を含まない水性現像液に溶解するか、あるいはこれにより除去可能な物質から構成されることが好ましい。 【0079】次に本発明の平版印刷版原版を使用して印刷刷版を作製する方法について説明する。 【0080】本発明の平版印刷版原版には、まず活性エネルギー線により画像書き込みが行われる。本発明の平版印刷版原版に使用することのできる活性光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、発振波長が300nm〜1250nmまでの各種半導体レーザー、炭酸ガスレーザー(発振波長;10.6μm)、YAGレーザー(発振波長;1064nm、SHG=532nm、THG=355nm)、エキシマレーザー(発振波長;193nm・308nm・351nm)、アルゴンレーザー(発振波長;488nm)等が使用できる。 【0081】活性エネルギー線による画像書き込みを行うには、■既に画像形成されたフィルムを用い、本発明の活性エネルギー線用の平版印刷版原版に密着させたのち、必要量の光量を活性エネルギー線により全面照射すればよく、通常は市販のプリンター等を使用して容易に行うことができる。又、■予め作成されたコンピュータなどによるデジタル画像情報を用い、直接活性エネルギー線源から回路を経て本発明のネガ型またはポジ型平版印刷版原版に照射して画像書き込みを行うことができる。この時用いる機器としては、市販されている専用のセッターやプリンターが使用できる。 【0082】またネガ型の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用の平版印刷版原版の場合には、活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線による照射だけでは書き込み部の耐現像性や耐印刷適性が十分でない場合があり、そのような場合には現像処理前に適宜加熱処理を行って画像部を強化することができる。加熱処理条件としては、熱オーブン、赤外線ヒーターなどを用い、80℃〜170℃で数秒から5分間加熱することにより行われる。 【0083】画像露光され、必要に応じ加熱処理された本発明の平版印刷版原版は、次にアルカリ性現像液による現像処理が行われる。活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版の現像処理に使用されるアルカリ水溶液系現像液にはアルカリ剤として、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第二または第三燐酸のナトリウムまたはアンモニウム塩、メタ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ剤、モノ、ジ、またはトリメチルアミン、モノ、ジ、またはトリエチルアミン、モノまたはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ、ジ、またはトリエタノールアミン、モノ、ジ、またはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン等の有機アミン化合物類が使用される。これらのアルカリ剤の現像液中における含有量は、0.005〜10重量%で、好ましくは0.05〜5重量%である。0.005重量%より少ないと現像が不良となり、10重量%より多いとネガ型感光性画像形成層を侵すなどの悪影響を及ぼす。 【0084】ネガ型平版印刷版原版の現像液には有機溶剤が添加され、その具体例としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レブリン酸ブチル、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビノール、nーアミルアルコール、メチルアミルアルコール、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロルベンゼン等を挙げることができる。これら有機溶剤のネガ用現像液中における含有量は、20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。 【0085】さらにまた、ネガ用現像液中には必要に応じて、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウム等の水溶性亜硫酸塩、アルカリ可溶性ピラゾロン化合物、アルカリ可溶性チオール化合物、メチルレゾルシン等のヒドロキシ芳香族化合物、ポリ燐酸塩、アミノポリカルボン酸類等の硬水軟化剤、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、n−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルサルフェートナトリウム塩などのアニオン界面活性剤や両性界面活性剤、消泡剤等を用いることができる。 【0086】本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版の現像処理に用いる現像液としては、実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性水溶液が好ましく、アルカリ剤として例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水等のような無機アルカリ剤およびテトラアルキルアンモニウムハイドライド等の様な有機アルカリ剤の水溶液が適当であり、それらの濃度が0.005〜20重量%好ましくは0.01〜5重量%になるように添加し使用される。また、ポジ用現像液には必要に応じて、アニオン性活性剤、ノニオン性活性剤、カチオン性活性剤、両性活性剤、弗素系活性剤およびシリコーン系活性剤等の界面活性剤やアルコール等のような水溶性有機溶剤を加えることもできる。 【0087】本発明に用いるネガ用またはポジ用現像液としては、実用上は通常市販されているネガ用またはポジ用の現像液を1から200倍に希釈して使用することができるし、必要に応じポジおよびネガ両用の現像液を希釈して用いて現像することも可能である。 【0088】本発明における現像処理条件としては、温度15℃〜40℃、時間は1秒から2分間、露光済みの本発明による平版印刷版原版を現像液に浸漬し、その後、水洗することにより行われる。必要に応じ、軽く表面を擦る等しても良い。 【0089】現像処理を終えた本発明の平版印刷版原版は、水洗および/または水系の不感脂化剤による処理が施される。水系の不感脂化剤としては、例えば、アラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性天然高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などの水溶性合成高分子等の水溶液が挙げられ、必要に応じて、これらの水系の不感脂化剤に酸や界面活性剤などが加えられる。そして、不感脂化後乾燥し、印刷刷版として印刷に使用される。 【0090】また、上記製版処理を行うに当たり、現像処理、水洗、ガム処理、乾燥の工程を一時に一貫処理できる現像液やガム液を充填した自動現像機などの使用が効果的である。 【0091】 【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく具体的に説明するが、もとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0092】〔実施例1〕大きさ約25mm×25mm、厚さ約1mmのボリカーボネート基板を中性洗剤、水すすぎ、2−プロパノールで順次洗浄し、乾燥したあとコーティング用基板とした。 【0093】アルミニウム−sec−ブトキシド〔Al(O−sec−Bu)3〕を2−プロパノール〔IPA〕とアセト酢酸エチル〔EAcAc〕に添加し、さらに0.01M希硝酸〔H2O〕とIPAを加えた。ここで溶液のモル比は、Al(O−sec−Bu)3:IPA:EAcAc:H2O=1:20:1:lの割合とした。これを約1時間室温で攪拌しアルミナゾルである塗布液を調製した。 【0094】塗布液中に、上記ポリカーボネート基板を浸漬した後、ディッピング法(約1mm/秒の引き上げスピード)で、ポリカーボネート基板の表面に塗布膜を形成した。 【0095】室温で30分乾燥して、透明なアモルファスアルミナ膜を被膜した後、約60℃の温水中に5分間浸漬して、温水処理を行い、室温で再び乾燥した。得られたボリカーボネート基板上に透明アルミナ薄膜がコートされた薄膜は可視域で高い透過率を示し、膜厚は約200nmであった。 【0096】赤外吸収スペクトル測定より、温水処理後、EAcAcに帰属されるピークが消失し、EAcAcが完全に溶出していることが分かった。また、薄膜の表面SEM像観察から花弁状アルミナが形成していることが確認され、また、該微細凹凸組織の中心線平均粗さを面拡張した平均面粗さRa値は19(nm)と比表面積1.7(SR)であった。 【0097】次いで、エタノール100.0gに攪拌しつつ、ジルコニウムテトラn−ブトキシド38.4gとアセチルアセトン10.0gを徐々に添加し均一な溶液を得た。この溶液に、さらに攪拌しつつ、7重量%の水を含んだエタノール100.0gを添加し、添加後さらに30分攪拌を続けて塗布液とした。得られた塗布液に、花弁状アルミナ層を形成したポリカーボネート板を浸漬して持ち上げるディッピング法により無定型酸化ジルコニウム層を塗布し、風乾した。次に紫外線ハンドランプR−51A型(入江商会社製)により1mの距離から全面照射を1時間行って、親水化処理を終了した。表面の水に対する接触角は5度以下であった。以上により、ポリカーボネート基板上に花弁状アルミナ層と親水性金属酸化物層が設けられた印刷版用基板が作製できた。 【0098】2−ヒドロキシエチルメタクリル酸エステル:エチルメタクリル酸エステル:メタクリル酸:アクリロニトリル=35:30:5:30の比率で共重合して得た重量平均分子量7万のバインダ−樹脂を10.0g,4−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物のヘキサフルオロ燐酸塩であるジアゾ樹脂を1.3g、「ビクトリアピュアーブルーBOH;保土ヶ谷化学工業社製」を0.15g、リンゴ酸を0.2gおよび「メガファックF−177;大日本インキ化学工業社製」を0.05g、メチルセルソルブ170gに溶解し、活性エネルギー線用ネガ型感光性層塗布液とした。 【0099】先のポリカーボネート基板上の親水性金属酸化物層上にスピナーにて、上記活性エネルギー線用ネガ型感光性層塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版(1)を得た。 【0100】本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版(1)の表面に、文字画像のあるフィルムを密着させ、これより1m離れた位置に設けた出力1kwのメタルハライドランプ(岩崎電気社製)「アイドルフィン1000」を用いて40秒間露光した。次いで現像液ND−1(ポリクロームジャパン社製)の1:3倍希釈液にて25℃、1分間現像処理を行い、水洗、ガム液(UG1を2倍に希釈;ポリクロームジャパン社製)処理して乾燥し、印刷刷版(1)を得た。 【0101】両面テープで印刷刷版(1)を金属板に固定し印刷を行った。印刷は、湿し水NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の存在下、インキローラーにてインキ(GEOS−G紅N、大日本インキ化学工業社製)付けを行った後、ゴムローラーに文字画像を転写し、更に紙上にゴムローラーから文字画像を転写することによって行った。以上の手順で1枚の文字の印刷物を得た。以下、湿し水付け⇒インキ付け⇒ゴムローラー転写⇒紙転写のサイクルで印刷を続けて、500枚の印刷物を得た。この間印刷物としての文字品質は良好であった。 【0102】〔実施例2〕予め脱脂処理をしたB4ワイドサイズで0.3mm厚の陽極酸化を施さないアルミニウム板上にロッド番号#12のワイヤーバーにて実施例1で作製したアルミナゾル塗布液を塗布した。風乾後、60℃の温水中に5分間浸漬して、温水処理を行い、室温で乾燥することでアルミニウム板上に花弁状アルミナ層を形成できた。 【0103】次に、テトラブトキシチタン3.4g、アセチルアセトン1.0g、水1.0gおよびエタノール100.0gから成る混合塗布液を、小型ホエラー(大日本スクリーン製)2000rpmの条件にて塗布し、200℃で1時間熱処理して無定形酸化チタン塗膜を形成した。紫外線ハンドランプR−51A型(入江商会社製)により1mの距離から全面照射を1時間行い、親水化処理を終えた。表面の水に対する接触角は5度以下であった。以上により、本発明による、アルミニウム板を基板とし、花弁状アルミナ層と親水性金属酸化物層を設けた印刷刷版用基板が作製できた。 【0104】次に、メチルセルソルブ92.3gに、アルカリ性水溶液に可溶な不飽和ポリエステル樹脂を4.0g、メチレンビス(−N−マレイミド)を2.0g、4−ジアゾフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物のp−トルエンスルホン酸塩を1.0g、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを0.5g、ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学工業社製)を0.1gおよびメガファックF−144D(大日本インキ化学工業社製)を0.1g溶解させて、活性エネルギー線用ネガ型感光性層塗布液を作製した。 【0105】作製した活性エネルギー線用ネガ型感光光性層塗布液を、前記アルミニウム板上に設けた親水性金属酸化物層上にロッド番号#12のワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版(2)を得た。 【0106】本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版(2)にネガ画像フィルムを密着させて、プリンターP−806−G(大日本スクリーン社製)にて35ユニットで露光し、現像液ND1(ポリクロームジャパン社製)1:3希釈液とフィニッシングガムNF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、19秒間の条件で処理して印刷刷版(2)を得た。 【0107】印刷刷版(2)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;2,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、5,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物5,000枚は、品質などの問題もなく良好な印刷物であった。 【0108】〔実施例3〕実施例2で作製した陽極酸化を施さないアルミニウム板を基体とする親水性金属酸化物層上に、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとピロガロール・アセトン樹脂とのエステル化合物を3.0g、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂を7.5g、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを0.06gおよび「オイルブルー#603;オリエント化学工業社製」を0.15g、メチルセルソルブアセテート90gに溶解して得た活性エネルギー線用ポジ型感光性層塗布液をロッド番号#12のワイヤーバーを使用して塗布し、120℃、1分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版(3)を得た。 【0109】本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版(3)にポジ画像フィルムを密着させて、プリンターP−806−G(大日本スクリーン社製)にて35ユニット間露光し、現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)1:8希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、12秒間の条件で処理して印刷刷版(3)を得た。 【0110】印刷刷版(3)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;2,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、5,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物5,000枚は、品質などの問題もなく良好な印刷物であった。 【0111】〔実施例4〕実施例1で作製したアルミナゾル塗布液を、予め脱脂処理をしたB4ワイドサイズで0.27mm厚のトタン板上にロッド番号#12のワイヤーバーにて塗布した。風乾後、60℃の温水中に5分間浸漬して、温水処理を行い、室温で乾燥することでアルミニウム板上に花弁状アルミナ層を形成した。 【0112】次いで、実施例2で作製した有機チタン化合物混合塗布溶液105.4gに、テトラメトキシシランの部分加水分解・縮合物であるMKCシリケートMS56(三菱化学社製)3.0g、エタノール30.0gおよび0.01規定の塩酸溶液0.3gから成るシリケート溶液を混合した後、素早く上記トタン基板上に塗設された花弁状アルミナ層上に小型ホエラー(大日本スクリーン社製)2000rpmの条件にて塗布した。300℃、10分間加熱処理して無定形シリカで担持された無定型酸化チタン層を形成した。その後、紫外線ハンドランプR−51A型(入江商会社製)により1mの距離から全面照射を1時間行い、親水化処理を終了した。表面の水に対する接触角は5度以下であった。以上の様にしてトタン板を基体とする花弁状アルミナ層上に親水性金属酸化物層を設けた印刷刷版用基板が作製できた。 【0113】メチルエチルケトン25mlと1−プロパノール20mlの混合溶液中に、UCARフェノール樹脂BKS−5928(ユニオンカーバイド社製)を3.0g、ノボラック樹脂ZH−8011(大日本インキ化学工業社製)を3.0g、IRDYE830(パンチム社製)を0.2g、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェートを0.2gおよびテレフタルアルデヒド0.2gを溶解させて、活性エネルギー線用ネガ型感光性層塗布液を作製した。 【0114】作製した活性エネルギー線用ネガ型感光性層塗布液を、先のトタン板を基体とする親水性金属酸化物層上にロッド番号#20のワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版(4)を得た。 【0115】本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版(4)にトレンドセッター3244F(クレオ社製)を用いて赤外線レーザー(830nm、150mJ/cm2)による画像書き込みを行い、次いで熱オーブン中135℃で30秒間加熱し、後処理を終えた。つぎに、現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)1:3.5希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、15秒間の条件で処理して印刷刷版(4)を得た。 【0116】印刷刷版(4)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;3,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、6,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物6,000枚は、品質などの問題もなく良好な印刷物であった。 【0117】〔実施例5〕メチルエチルケトン25mlと1−プロパノール20mlの混合溶液中に、ノボラック樹脂ZH−8011(大日本インキ化学工業社製)を6.0g、ノボラック樹脂ZH−8020(大日本インキ化学工業社製)を0.5g、IRDYE830(パンチム社製)を0.2g、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェートを0.2gおよびジエタノールアミン0.2gを溶解させて、活性エネルギー線用ポジ型感光性層塗布液を作製した。 【0118】作製した活性エネルギー線用ポジ型感光性層塗布液を、実施例3で得たアルミニウム板を基体とする親水性金属酸化物層上にロッド番号#16のワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版(5)を得た。 【0119】本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版(5)にトレンドセッター3244F(クレオ社製)を用いて赤外線レーザー(830nm、150mJ/cm2)による画像書き込みを行い、次いで現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)1:8希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、12秒間の条件で処理して印刷刷版(5)を得た。 【0120】印刷刷版(5)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;3,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、6,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物6,000枚は、品質などの問題もなく良好な印刷物であった。 【0121】 【発明の効果】基体として紙やプラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板を用いた支持体上に、花弁状アルミナ層と光照射による親水化処理を施した親水性金属酸化物層を設け、その上層に活性エネルギー線を画像書き込みの光源として用いるネガ型またはポジ型の感光性層を塗設して成る平版印刷版原版を作製した。得られた平版印刷版原版に活性エネルギー線照射により画像形成し、必要に応じ加熱処理をした後、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て、保水性と親水性に優れた新規で良好な印刷刷版が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社 【識別番号】592195919 【氏名又は名称】南 努
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| 【出願日】 |
平成12年3月21日(2000.3.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088764 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
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| 【公開番号】 |
特開2001−264997(P2001−264997A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−78042(P2000−78042) |
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