| 【発明の名称】 |
平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】米原 祥友
【氏名】南 努
【氏名】忠永 清治
【氏名】松田 厚範
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| 【要約】 |
【課題】支持体として紙やプラスチック基板、アルミニウム基板などの他に、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板等のと親水性層を持つ良好な印刷版原版及びそれを用いた印刷刷版作製方法を提供する。
【解決手段】第一の構成は、基体として紙、プラスチック、アルミニウムなどの耐熱性に劣る基板上、又は、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板を用いた支持体上に、特に焼成することなく温水に浸漬することで作製した花弁状アルミナ層を親水性層とし、その上にネガ型又はポジ型の感光性層を塗設して成ることを特徴とする平版印刷版原版。第二の構成は、得られた平版印刷版原版に活性エネルギー線照射により画像形成し、必要に応じ加熱処理した後、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版を作製することを特徴とする印刷刷版作製方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基体上に形成した花弁状アルミナ膜と、該花弁状アルミナ膜上に感光性インキ受容層を設けて成る平版印刷版原版であって、該花弁状アルミナ層がアルミニウム化合物を含む溶液を基体上に塗布して、皮膜を形成し、これを特に熱処理することなく温水に浸漬するか、又は加熱水蒸気に曝すことにより作製したものであることを特徴とする平版印刷版原版。 【請求項2】 アルミニウム化合物を含む溶液が、少なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とからなることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。 【請求項3】 アルミニウム化合物を含む溶液が水溶性有機高分子を含む事を特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版原版。 【請求項4】 水溶性有機高分子がポリエチレングリコールである請求項1〜3項のいずれかに記載の平版印刷版原版。 【請求項5】 感光性インキ受容層が、活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層である請求項1〜4項のいずれかに記載の平版印刷版原版。 【請求項6】 感光性インキ受容層が、活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層である請求項1〜4項のいずれかに記載の平版印刷版原版。 【請求項7】 基体が、紙、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板又は金属製基板である請求項1〜6の何れかに記載の平版印刷版原版。 【請求項8】 請求項1〜7の何れかに記載の平版印刷版原版を用い、活性エネルギー線照射により画像形成し、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版を得ることを特徴とする印刷刷版作製方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷分野で使用される平版印刷版に関し、特に新規な基板と親水性層を持つ平版印刷版原版およびそれを用いた印刷刷版作製方法に関する。 【0002】 【従来の技術】オフセット印刷分野で使用される平版印刷版は、油性のインキと水が反発して互いに混じり合わないと言う原理を巧みに応用した平版型の印刷版であって、版面上に凸版やグラビアのような凸凹がない。しかしその表面には親水性の非画線部と親油性の画線部が存在しており、版の非画線部に水分を与えた後にインキローラーを転がしてインキ付けを行うと、非画線部においては水とインキとの反発によりインキを受け付けず、画線部は水分を反発してインキを良く受け付ける。このようにして画線部に乗ったインキを紙などの媒体に転写することによって印刷がなされる。 【0003】上記のような目的で使用される平版印刷版として、耐水性処理を施した紙、プラスチックフィルム等からなる支持基体上に、無機顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤等からなる画像受容層を設けた直描型平版印刷版がある。このような直描型平版印刷用版材においては、画像受容層上に親油性インキを用いて、タイプライター又は手書きによって親油性画像を形成するか、又は電子写真感光体上に形成したトナー画像を画像受容層に転写し、これを熱定着することによって親油性画像を形成するか、あるいは、熱転写プリンターでインクリボンから画像を熱溶融転写して親油性画像を形成しインキの受容部とする。親油性画像部が形成された直描型平版印刷版は、エッチング液処理により非画像部が不感脂化されて印刷に際しての親水性部となる。このようにして作製された直描型平版印刷版は、専ら軽印刷分野のみで使用されてきたが、それは親油性画像部の強度が不足で多量部数の印刷に耐えられないと言う問題の他に、親水性部の不感脂化が十分でないために印刷汚れが発生し易い、保水性が不足のため印刷を続けると地汚れが発生する等の親水部に於ける問題が大きく、親水性が大きく保水性の良好な非画像部形成方法の開発が望まれていた。 【0004】また別のオフセット印刷で使用される平版印刷版として、新聞印刷や商業印刷に用いられているPS版がある。PS版は、アルミニウム板を基板とし、砂目立て、陽極酸化、化成処理などの種々の親水化表面処理を単独あるいは適宜組み合わせて施し、次いで感光液を塗布、乾燥して製造される。作製されたPS版は活性エネルギー線照射により画像形成し、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版とすることが出来る。得られた印刷版の画像部は極めて堅固で耐刷性があり、非画像部の親水性や保水性も申し分なく良好な印刷版である。しかしながら、電気の塊といわれるアルミニウムを素材として使用すること、陽極酸化など一連の親水化基板処理には膨大な量の電気を使用する等、多エネルギー消費型の材料であり、もっと廉価で良好な親水性と保水性を持った基板と親水化システムが求められていた。 【0005】一方、ガラス基板上に花弁状アルミナ層を設けることは公知であって、例えば、南努ら,J.Ceram.Soc.Japan,Vol.103,No.6,582−585(1995).、南努ら,Proc.ofXVII,Inter.Congress on Glass,Vol.4,445−449(Beijing,China,1995).、南努ら,New Glass,Vol.12,No.2,42−45(1996).、南努ら,Sol−Gel Optics IV,Proc.of SPIE,Vol.3136,168−175(San Diego,USA,1997).、南努ら,J.Am.Ceram.Soc.,Vol.80,No.4,1040−42(1997).、南努ら,J.Am.Ceram.Soc.,Vol.80,No.12,3213−16(1997).、南努ら,表面技術,Vol.48,No.3,58−63(1997).、特開平9−202,649号、同9−202,650号、同9−202,651号等に、花弁状アルミナ層及びその形成方法について開示されている。ガラス基板上に花弁状アルミナ層を設けた構造物あるいはさらにその上に超撥水性層を設けた構造物は、機能性薄膜の下地層膜、あるいは反射低減膜、耐熱性や耐候性に優れた撥水撥油防汚性膜、高い防曇機能を有する親水性被膜として車輌用、船舶用、航空用、各種建築材、建装材等として利用され得ることが示されている。以上のように基体上に設けられた花弁状アルミナ層は超撥水性を示すが、印刷における平版印刷刷版の親水性層として有用であることは知られていなかった。 【0006】また、これらにおける花弁状アルミナ膜は、例えば安定剤を含有するアルミニウムアルコキシド溶液を基板上に塗布し、次いで、600℃以下の温度で焼成してアモルファスアルミナ膜を得、更に熱水処理、熱乾燥、300〜500℃の温度で焼成して花弁状アルミナ膜を得るものであり、紙、プラスチック、アルミニウムなどの耐熱性に劣る基板上に花弁状アルミナ膜を形成することができず、一般的な平版印刷用基板表面材料として利用されたことはなかった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従って本発明による第一の課題は、基体として紙やプラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板または金属製基板を用いた平版印刷版原版を提供することである。本発明による第二の課題は、紙、プラスチック、アルミニウムなどの耐熱性に劣る基板上に特に焼成することなく温水に浸漬するか、又は加熱水蒸気に曝すことで作製した花弁状アルミナ膜を印刷刷版の親水性層として形成した簡便な平版印刷原版を提供することにある。なかでも、陽極酸化等の処理を行っていないアルミニウム基板上に該花弁状アルミナ膜を形成した印刷版原版を提供することである。さらに、本発明による第三の課題は、該花弁状アルミナ層を基体の親水性層とし、活性エネルギー線を画像書き込みの光源として用いるネガ型またはポジ型の感光性層をインキ受容層とする平版印刷版原版を提供することである。本発明による第四の課題は、本発明の平版印刷版原版を用いた印刷刷版の作製方法を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、■花弁状アルミナ層の特異な構造により親水性が高く、平版印刷刷版の親水性層として有用であるだけではなく、実際の印刷に当たっても極めて保水性が高いために、優れた平版印刷刷版の親水性層を形成し得ること、■特に焼成することなく温水に浸漬処理するか、又は加熱水蒸気に曝すことで、花弁状アルミナ層を耐熱性に劣る紙、プラスチック、アルミニウムなどの基板上に形成できることを見出し本発明に至ったものである。 【0009】即ち、本発明は、(1)基体上に形成した花弁状アルミナ膜と、該花弁状アルミナ膜上に感光性インキ受容層を設けて成る平版印刷版原版であって、該花弁状アルミナ層がアルミニウム化合物を含む溶液を基体上に塗布して、皮膜を形成し、これを特に熱処理することなく温水に浸漬するか、又は、加熱水蒸気に曝すことにより作製したものであることを特徴とする平版印刷版原版を提供する。 (2)アルミニウム化合物を含む溶液が、少なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤とからなることを特徴とする上記(1)に記載の平版印刷版原版を提供する。 (3)アルミニウム化合物を含む溶液が水溶性有機高分子を含む事を特徴とする上記(1)または(2)記載の平版印刷版原版を提供する。 (4)水溶性有機高分子がポリエチレングリコールである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の平版印刷版原版を提供する。 (5)感光性インキ受容層が、活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の平版印刷版原版を提供する。 (6)感光性インキ受容層が、活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の平版印刷版原版を提供する。 (7)基体が、紙、プラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板又は金属製基板である上記(1)〜(6)の何れかに記載の平版印刷版原版を提供する。 (8)上記(1)〜(7)の何れかに記載の平版印刷版原版を用い、活性エネルギー線照射により画像形成し、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て印刷刷版を得ることを特徴とする印刷刷版作製方法を提供する。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の平版印刷版原版は、まず、基体上にアルミニウム化合物を含む溶液を塗布して、皮膜を形成し、これを焼成することなく温水に浸漬するか又は加熱水蒸気に曝すことにより作製した花弁状アルミナ層を設けたことを第一の特徴とする。本発明に用いることのできる基体としては、平版印刷版として利用することを考えて、ガラス基板のみならず紙やプラスチック基板、セラミック基板または好ましくは厚さ1mm以下、さらに好ましくは厚さ0.5mm以下のガラス基板、アルミニウム板、鉄板、ステンレス鋼板、トタン板、ニッケル鍍金鋼板又はクロム鍍金鋼板等の金属製基板薄板で耐熱性に劣る基板でも使用できる。好ましい基板としては、耐水性支持体であり、アルミニウム板、プラスチックフィルム、耐水性処理を施した紙、金属箔をラミネートした紙またはプラッスチックフィルムなどを用いることができる。アルミニウム板としては、陽極酸化等の処理を行っていないアルミニウムも用いることが出来る。さらに、支持体と花弁状アルミナ層の間に耐水性および接着性を向上する目的で中間層を、また、花弁状アルミナ層とは反対の支持体面にカール防止を目的としてバックコート層を設けることができる。 【0011】本発明の平版印刷版原版は上記の基体上に花弁状アルミナ層を設けて作製される。花弁状アルミナ層は、アルミニウム化合物を含む溶液を基体に塗布して、アルミニウム化合物の皮膜を形成し、これを特に熱処理することなく温水に浸漬するか、又は加熱水蒸気に曝すことで形成される。特に、塗布溶液がアルミニウム化合物としてアルミニウムアルコキシドとさらにその安定化剤を含むことが花弁状アルミナ層を形成することにとって推奨される。 【0012】本発明に用いることのできるアルミニウム化合物としてはアルミニウムアルコキシド、アルミニウム錯体、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムが挙げられる。なかでもアルミニウムアルコキシドが好ましい。アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、アルミニウム−tert−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート等を挙げることができる。 【0013】本発明に用いる安定化剤としては、具体例として、例えば、アセチルアセトン、ジピロバイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン等の1,3−ジケトン(β−ジケトン)化合物類及び/又はアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸−iso−プロピル、アセト酢酸−tert−ブチル、アセト酢酸−iso−ブチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル、2−ケト−n−バレリック酸メチル、3−メチル−2−ケト−n−バレリック酸メチル、2−ケト−カプロニック酸メチル、2−ケト−エナンチック酸メチル等のβ−ケトエステル化合物類を挙げることができる。更に別の安定化剤として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、更に一般的に使用される金属アルコキシドの安定化剤等も挙げることができる。 【0014】アルミニウムアルコキシドと安定化剤とから成る塗布液には必要に応じて希釈溶媒を用いることができる。希釈溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコールまたはエチレングリコール−モノ−n−プロピルエーテルなどのアルコール類;n−へキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンのような各種の脂肪族系ないしは脂環族系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの各種の芳香族炭化水素類;ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどの各種のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの各種のケトン類;ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテルのような各種のエーテル類;クロロホルム、メチレンクロリド、四塩化炭素、テトラクロロエタンのような、各種の塩素化炭化水素類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレンカーボネートのような、非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。 【0015】中でも、溶液の安定性の点から上述した各種の溶剤類のうちアルコール類を使用することが好ましい。 【0016】塗布液の作製方法としては、アルミニウムアルコキサイドが空気中の水分とすばやく反応してゲル化し白濁化するのを防ぐため、これを防止する効果のあるβ−ジケトン化合物類、β−ケトエステル化合物類又はアルカノールアミン類等の安定化剤を例えばモル比で1以上を加え、各種アルコール類の希釈溶媒で塗布し易い濃度まで、例えば10〜20倍に希釈し、更に少量の水を加えることで塗布液とすることができる。好ましい混合割合としては、モル比で、アルミニウムアルコキシド:希釈溶媒:安定化剤:水=1:10〜100:0.5〜2:0〜5である。 【0017】アルミニウムアルコキシドと安定化剤を含有する塗布溶液には、アルコキシ基の加水分解を促進する、及び/又は、脱水縮合反応を促進する目的で触媒を添加することができる。 【0018】触媒の代表的なものとしては、硝酸、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、アンモニアなどが挙げられる。 【0019】触媒類の添加量としては、幅広く設定できるが、アルミニウム化合物1モルに対して、0.0001−1モルになる範囲内が好ましい。 【0020】アルミニウム化合物を含む溶液に、必要に応じて水溶性有機高分子を添加することができる。有機高分子は、温水への浸漬によってゲル膜中から容易に溶出し、これにより温水との反応表面積が増大し低温かつ短時間での花弁状(微細凹凸)組織の形成を可能にする。また、添加する有機高分子の種類や分子量を変化させることにより、形成される花弁状組織の形状を制御することが可能になる。 【0021】前記有機高分子には、ポリエチレングリコール、ボリプロピレングリコールなどのポリエーテルグリコール類が温水浸漬によって容易にゲル膜から溶出するので好ましい。ポリエーテルグリコールの添加量は、アルミニウム化合物がすべてアルミナになったと仮定して求められる酸化物重量に対して重量比で0.1から10の範囲にすることが好ましい。 【0022】安定化剤を含まない塗布溶液を用いて薄膜を形成する際には、塗布を行う雰囲気を乾燥空気もしくは乾燥窒素等の不活性気体雰囲気とすることが好ましい。乾燥雰囲気の相対湿度は30%以下にすることが好ましい。 【0023】基体上に塗布液を塗布する塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、ノズルフローコート法、スプレー法、リバースコート法、フレキソ法、印刷法、フローコート法、バーコート法等既知の塗布手段が適宜使用することができる。膜厚は、ディッピング法における引き上げ速度やスピンコート法における基板回転速度などを変化させることと塗布溶液の濃度を変えることにより制御することができる。 【0024】花弁状の微細凹凸組織を有する薄膜を形成する際に使用される基材としては、各種の金属基材、無機質基材、プラスチック基材、紙、木質系基材など各種のものが挙げられる。特に、基材に耐熱性の低いプラスチック基材、紙系基材を選んだ場合には、熱処理することなく低温で花弁状組織が形成できる本発明の効果が十分発揮されて好ましい。 【0025】プラスチック基材の代表的なものとしては、ポリエチレンテレフタレート、ボリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂のフィルムや成形品;不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、架橋型ポリウレタン、架橋型のアクリル樹脂、架橋型の飽和ポリエステル樹脂など各種の熱硬化性樹脂から得られる架橋フィルムや架橋した成形品等が挙げられる。 【0026】紙基材の代表的なものとしては、耐水性処理を施した紙、金属箔や上記プラスチックをラミネートした紙、熱硬化性、紫外線または電子線硬化性材料を塗布し硬化させたコート紙などが例示できる。 【0027】金属基材の代表的なものとしては、鉄、ニッケル、アルミニウム、クロム、亜鉛、錫、銅など各種の金属類;ステンレススチール、真鍮のような各種金属の合金類が挙げられる。中でも、陽極酸化処理を施さないアルミニウム板は好ましく用いられる。また、無機質基材とは、セメント系、ガラス系、セラミックス系等で代表される無機質の材料が挙げられる。 【0028】前記手法によって作製したアルミニウム化合物のゲル膜は、室温で30分程度乾燥させればよい。また、必要に応じてさらに高い温度で乾燥させることも可能である。 【0029】次いで、前記アルミニウム化合物のゲル膜を温水に浸漬処理するか、又は加熱水蒸気に曝すことにより花弁状組織を有する薄膜を基体に形成する。温水の温度は50℃から100℃、水蒸気の温度は200℃以下とすることが好ましい。温水、加熱水蒸気の温度は、基体の耐熱性等を鑑みて決定されるが、温度が低いほど花弁状組織を完全に形成するためには長い時間を要するようになる。 【0030】温水に該アルミニウム化合物ゲル膜付き基体を浸漬するか、又は加熱水蒸気に曝すことで、該アルミニウム化合物ゲル膜の表層表面が解膠用等を受ける。これにより、特異な微小な孔状の空隙を持って特異な花弁状の形物がランダムに集合体化した表層表面を有するものと成り、目的とする特異な空隙と形状の微細凹凸を形成することができ、その機能や性能をより発揮する膜とすることができる。なお、熱水処理時間としては約5分間ないし24時間程度が推奨される。 【0031】さらに、例えば約100℃以下で乾燥を行う。または該乾燥後、基体の耐熱性に応じて焼成を行うこともできる。なお、該花弁状透明アルミナ膜の膜厚としては、任意に設定できるが約50nm以上400nm以下程度が好ましい。 【0032】さらにまた、花弁状アルミナ膜は、中心線平均粗さRaを面拡張した平均面粗さRa’値が約12nm以上、かつ比表面積SRが1.3以上であることが好ましい。 【0033】以上の様にして基体上に作製された花弁状アルミナ層は、更に必要に応じて、米国特許第2,714,066号や同第3,181,461号に記載されている珪酸塩処理、米国特許第2,946,638号に記載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,247号に記載されているホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,559号に記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,091,433号に記載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号や英国特許第1,230,447号に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6,409号に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16,893号や同58−18,291号に記載されている親水性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、特開昭59−101,651号に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体の下塗りによって親水化処理を行ったもの、特開昭60−64,352号に記載されている酸性染料による着色を行ったもの等の親水化処理を行うことができる。 【0034】更に花弁状アルミナ親水性層上には、感光性インキ受容層との接着性改良や印刷時の汚れ防止、平版印刷版の調子再現性改良等を目的として下塗りを施しても良い。下塗りに用いられる化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有しても良いフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸等の有機ホスホン酸類、置換基を有しても良いフェニル燐酸、ナフチル燐酸、アルキル燐酸及びグリセロ燐酸等の有機燐酸類、置換基を有しても良いフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸、及びグリセロホスフィン酸等の有機ホスフィン酸類、グリシンやβ−アラニン等のアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩類、特開昭59−101,651号に記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体、及び特開昭60−64,352号に記載されている酸性染料等が用いられる。この下塗り層は、水、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン等もしくはそれらの混合溶媒に上記の化合物を溶解させ、花弁状アルミナ親水性層上に塗布・乾燥して設けることができる。下塗り層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当である。 【0035】本発明の平版印刷版原版は、基体上に形成した花弁状アルミナ層の上に感光性インキ受容層が設けられた構造をしている。感光性インキ受容層としては、構造的に一層のもの、あるいは多層のもの、製版方法として湿式法のもの、破壊法のもの、露光以外に特別な操作を必要としないもの等各種のものが例示でき、親水性層を感光性インキ受容層の下層として使用する場合には本発明の花弁状アルミナ層を良好な親水性層として何れの場合にも好適に用いることができるが、好ましくは一層で湿式法により製版が行われるものである。そのような感光性インキ受容層として、活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層のもの、活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層のもの等がある。 【0036】本発明に用いられる活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層に含有される感光性組成物の代表的なものとして次のものがあげられる。 【0037】(1)感光性ジアゾ樹脂とバインダー樹脂とからなる感光性組成物:感光性ジアゾ樹脂としては、ジアゾジアリールアミンと活性カルボニル化合物との縮合物の塩に代表されるジアゾ樹脂があり、水に不溶性で有機溶媒に可溶性のものが好ましい。特に好適なジアゾ樹脂は、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−4′−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−3′−メチルジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メチル−4′−エトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン等と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、4,4′−ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテル等との縮合物の有機酸塩または無機酸塩である。有機酸塩としては、例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ベンゼンホスフィン酸等が挙げられ、無機酸としては、ヘキサフルオロ燐酸、テトラフル硼酸等が挙げられる。その他の感光性ジアゾ樹脂として、特開昭54−30,121号に記載の主鎖にポリエステル基をもつジアゾ樹脂;特開昭61−273,538号に記載の無水カルボン酸残基を有する重合体に水酸基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂、ポリイソシアネート化合物に水酸基を有するジアゾ化合物を反応してなるジアゾ樹脂等も使用することができる。バインダー樹脂としては、例えば(メタ)アクリル酸[以下、アクリル酸とメタアクリル酸を総称して(メタ)アクリル酸と称す。]、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、米国特許第4,123,276号に記載の酸価10から100を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリロニトリル含有共重合体、特公昭57−43,890号に記載の芳香族性水酸基を有する共重合体、特公昭57−51,656号に記載の2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート単位を有する重合体等の共重合体、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ハロゲン化ビニル、特にポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ホルマール樹脂、ブチラール樹脂等のアセタール樹脂、エスタンの商品名で米国グッドリッチ社より販売されている可溶性ポリウレタン樹脂、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体またはその半エステル、繊維素誘導体、シェラック、ロジンまたはその変性体などが使用することができる。 【0038】(2)光架橋型樹脂を含む感光性組成物:光架橋型樹脂としては、水性アルカリ現像液に対して親和性を持つ光架橋型樹脂が好ましく、例えば、特公昭54−15,711号に記載の桂皮酸基とカルボキシル基を有する共重合体、特開昭60−165,646号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とカルボキシル基を有するポリエステル樹脂、特開昭60−203,630号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とフェノール性水酸基を有するポリエステル樹脂、特公昭57−42,858号に記載のフェニレンジアクリル酸残基とナトリウムイミノジスルホニル基を有するポリエステル樹脂、特開昭59−208,552号に記載の側鎖にアジド基とカルボキシル基を有する重合体などが使用できる。 【0039】(3)付加重合性不飽和化合物と光重合開始剤を含む感光性組成物:標記感光性組成物としては、例えば、米国特許第2,760,863号、同3,060,023号、特開昭62−121,448号等に記載の2個またはそれ以上の末端エチレン基を有する付加重合性不飽和化合物と光重合開始剤よりなる組成物がある。さらにバインダー樹脂として、前記(1)に記載のバインダー樹脂、特開昭61−285,449号に記載の側鎖に不飽和基を有する共重合体等が使用できる。 【0040】上記のネガ型感光性組成物は、さらに必要に応じて染料、顔料、安定剤、充填剤、架橋剤等を添加し、適当な溶媒に溶解して花弁状アルミナ層上に塗布乾燥して通常 0.5〜5g/m2 の感光性層を有する本発明の活性エネルギー線用のネガ型感光性平版印刷版原版とされる。 【0041】本発明に用いられる活性エネルギー線の作用を受けてアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層に含有される感光性組成物の代表的なものとしてo−キノンジアジド化合物や酸分解性のエーテル化合物、エステル化合物などが挙げられる。o−キノンジアジド化合物の具体例としては、特開昭47−5,303号、同48−63,802号、同48−63,803号、同49−38,701号、同56−1,044号、同56−1,045号、特公昭41−11,222号、同43−28,403号、同45−9,610号、同49−17,481号、米国特許2,797,213号、同3,046,120号、同3,188,210号、同3,454,400号、同3,544,323号、同3,573,917号、同3,674,495号、同3,785,825号、英国特許1,227,602号、同1,251,345号、同1,267,005号、同1,329,888号、同1,330,932号、独国特許854,890号などがあり、酸分解性化合物の例としては、特開昭60−37,549号、同60−10,247号、同60−3,625号などに記載されているものを挙げることが出来る。これらの化合物を単独あるいは組み合わせて感光成分とした感光材料に対して、少なくとも本発明を好ましく適用することができる。これらの感光成分には芳香族ヒドロキシ化合物のo−キノンジアジドカルボン酸エステルおよび芳香族アミノ化合物のo−キノンジアジドスルホン酸またはo−キノンジアジドカルボン酸アミドが包含され、また、これらo−キノンジアジド化合物を単独で使用したもの、およびアルカリ可溶性樹脂と混合し、この混合物を感光層として設けたものが包含される。 【0042】アルカリ可溶性樹脂には、ノボラック型フェノール樹脂及び/又はポリビニルフェノール樹脂からなる樹脂が用いられる。ノボラック樹脂としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノール、ビスフェノール−A、トリスフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等の芳香族炭化水素類の少なくとも1種を酸性触媒下、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類及び、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド類又はケトン類と重縮合させたものが挙げられる。 【0043】好ましいノボラック樹脂の芳香族炭化水素類としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種のフェノール類をホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類の中から選ばれる少なくとも1種のアルデヒド類と重縮合したものが、特に好ましく用いられる。 【0044】ノボラック樹脂の分子量としては、ゲルパーメーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜15,000、好ましくは、1,500〜10,000のものが用いられる。 【0045】ポリビニルフェノール樹脂としては、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒドロキシスチレン類の単独あるいは2種以上の共重合体が挙げられる。ヒドロキシスチレン類は芳香環に塩素、臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子あるいは炭素数1〜4の低級アルキル置換基等の置換基を有していても良く、従ってポリビニルフェノール樹脂としては、芳香環にハロゲン原子あるいは炭素数1〜4の低級アルキル置換基等の置換基を有していても良いポリビニルフェノール樹脂が挙げられる。 【0046】ポリビニルフェノール樹脂は、通常、置換基を有していても良いヒドキシスチレン類を単独であるいは2種以上をラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で嫌気的に重合させることにより得られる。かかるポリビニルフェノール樹脂は、一部水素添加を行ったものでも良い。又、t−ブトキシカルボニル基、ピラニル基、フラニル基等でポリビニルフェノール類の一部のOH基を保護した樹脂でも良い。ポリビニルフェノール樹脂の、重量平均分子量は、1,000〜100,000、好ましくは1,500〜50,000のものが用いられる。 【0047】o−キノンジアジド化合物を感光成分とする感光性層には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調製剤、塗工助剤等の添加剤を加え適当な溶媒に溶解して、花弁状アルミナ層上に塗布乾燥して通常、0.5〜5g/m2の感光性層を有する本発明の活性エネルギー線用のポジ型感光性平版印刷版原版とされる。 【0048】本発明に用いられる活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層に含有される代表的なものとして、光を吸収し熱を発生する物質、酸発生剤、酸硬化性化合物ないしは酸架橋性化合物及びアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。 【0049】光を吸収し熱を発生する物質は特定波長の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線を効率良く吸収し熱を発生する化合物で、各種の顔料や染料を選んで用いることが出来る。本発明に使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)等に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料その他ポリマー結合色素等があげられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。 【0050】これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、又、公知の表面処理を施して用いても良く、公知の表面処理方法としては、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(たとえば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方等が考えられる。これらの表面処理方法については、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている。 【0051】本発明に用いる染料としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集,昭和45年刊、「色材工学ハンドブック」色材協会編,朝倉書店刊,1989年、「工業用色素の技術と市場」シーエムシー刊,1983年、「化学便覧、応用化学編」日本化学会編,丸善書店刊,1986年)に記載されている公知のものが使用できる。具体的には、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料等の染料が挙げられる。これらの染料の中、赤外光もしくは近赤外光を吸収するものが特に好ましい。赤外光もしくは近赤外光を吸収する染料としては、例えば、特開昭58−125,246号、同59−84,356号、同59−202,829号、同60−78,787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173,696号、同58−181,690号、同58−194,595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112,793号、同58−224,793号、同59−48,187号、同59−73,996号、同60−52,940号、同60−63,744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112,792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号記載のシアニン染料、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収剤等を挙げることができる。さらに、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142,645号記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181,051号、同58−220,143号、同59−41,363号、同59−84,248号、同59−84,249号、同59−146,063号、同59−146,061号等に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216,146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号記載のペンタメチンチオピリリウム塩、特公平5−13,514号、同5−19,702号公報に開示されているピリリウム化合物、米国特許第4,756,993号に記載の近赤外吸収染料等も挙げることができる。 【0052】本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層に含有される酸発生剤としては、各種のジアゾニウム塩類、トリクロロメチル基等を含有するハロゲン化合物類、チオピリリウム塩、ホスホニウム塩、ヨウドニウム塩、チオニウム塩、スルホニウム塩等の各種オニウム塩類、さらにはホウ酸塩、アルミナート錯体、鉄アーレン錯体等の錯化合物類を挙げることができる。 【0053】また、本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層に含有される酸硬化性化合物としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの各種熱硬化性樹脂や、これら樹脂を化学変性したりアルカリ水溶性のモノマーと共重合することによりアルカリ水溶性としたオリゴマーやポリマーを挙げることができる。 【0054】本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層に含有される酸架橋性化合物としては、分子内に2個以上の酸架橋性の置換基を有する化合物であり、その様な置換基として、オレフィン基、エポキシ基、アセタール基、ケタール基、アルデヒド基、エノールエーテル基等を挙げることができる。 【0055】本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層に含有されるアルカリ可溶性樹脂は、前述の活性エネルギー線用ネガ型またはポジ型感光性インキ受容層に用いられるアルカリ可溶性樹脂をいずれも使用することができる。好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、(メタ)アクリル酸共重合による樹脂等を挙げることができる。 【0056】本発明に用いられる活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に不溶解となって印刷刷版画像を形成するネガ型感光性層として利用できるその他の事例として、例えば、特開平7−306,528号、同9−179,292号によるジアゾニウム基を含有した樹脂とカーボンブラックとから構成されたもの、特開平9−274,317号によるキノンジアジド化合物を使用したもの、特開平7−020,629号、同7−271,029号、同8−234,426号、同9−185,160号、同9−197,668号、同9−197,671号、同9−202,873号、同9−208,925号、同9−221,652号、同9−221,654号、同9−176,112号、同9−183,960号、同9−183,961号、同9−222,731号、同9−239,945号、同9−244,226号、同9−244,233号等による熱による酸発生物質を使用するもの等を挙げることができ、いずれも本発明による高密度エネルギー光用のネガ型感光性層として使用することができる。 【0057】本発明による活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性層には、必要に応じてさらに増感剤、可塑剤、プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調製剤、塗工助剤等の添加剤を加え適当な溶媒に溶解して、花弁状アルミナ層上に塗布乾燥して、通常、0.5〜5g/m2のネガ型感光性層を有する本発明の高密度エネルギー光用のネガ型感光性平版印刷版原版とされる。 【0058】本発明に用いられる活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線の作用を受けたのち、該当部分がアルカリ性現像液に可溶解となって印刷刷版画像を形成するポジ型感光性層に含有される代表的なものとして、光を吸収し熱を発生する物質、酸発生剤、アルカリ可溶性樹脂及び酸分解性樹脂等が挙げられる。 【0059】活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層に含有される光を吸収し熱を発生する物質及び酸発生剤については、前述の本発明による活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のネガ型感光性に含有される光を吸収し熱を発生する物質及び酸発生剤と全く同じ化合物類が使用できる。 【0060】活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層に含有されるアルカリ可溶性樹脂は、前述の活性エネルギー線用ネガ型又はポジ型感光性インキ受容層に用いられるアルカリ可溶性樹脂をいずれも使用することができるが、好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、(メタ)アクリル酸共重合による樹脂等を挙げることができ、特に好ましい樹脂としてノボラック樹脂及びレゾール樹脂を挙げることができる。 【0061】活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層に含有される酸分解性樹脂としては、オルトカルボン酸エステル、アセタール、ケタールから導かれるグラフト基を有するビニルポリマー等を挙げることができる。 【0062】又、本発明の活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層として使用できる事例として、例えば、特開平7−20,629号、同7−271,029号、同8−220,752号、同9−171,254号、同9−211,863号、同9−211,864号、同9−211,865号、同9−304,931号、同10−3,165号、同10−10,735号、同10−10,737号、同10−39,514号、同10−87,733号、同10−123,703号、同10−15,365号等に記載されたポジ型感光層を挙げることが出来、いずれも本発明の高密度エネルギー光用のポジ型感光性層として使用することができる。 【0063】本発明による活性エネルギー線、中でも特にレーザー光線用のポジ型感光性層には、必要に応じてさらに増感剤、可塑剤、プリントアウト性能を与える成分、界面活性剤、溶解調製剤、塗工助剤等の添加剤を加え適当な溶媒に溶解して、花弁状アルミナ層上に塗布乾燥して、通常0.5〜5g/m2のポジ型感光性層を有する本発明の高密度エネルギー光用のポジ型感光性平版印刷版原版とされる。 【0064】本発明の平版印刷版原版は、公知の技術により基体の上に設けられた花弁状アルミナ層上に、上記それぞれの感光性組成物塗布液を塗布し乾燥することにより製造される。塗布方法としては、回転塗布法、ワイヤーバー塗布法、ディップ塗布法、エアーナイフ塗布法、ロール塗布法、ブレード塗布法、カーテン塗布法、及びスプレー塗布法等を挙げることができる。このようにして塗布されたネガ型感光性組成物層は、40〜150℃で、30秒〜10分間、熱風乾燥機、赤外線乾燥機等を用いて乾燥される。 【0065】活性エネルギー線用に使用されるネガ又はポジ型感光性層上には、相互に独立して設けられた突起物により構成されるマット層を設けることが望ましい。マット層の目的は密着露光におけるネガもしくはポジ画像フィルムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良することにより、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良による露光時の微小網点のつぶれを防止することである。マット層の塗布方法としてはパウダリングされた固体粉末を熱融着する方法やポリマー含有水をスプレーし乾燥させる方法等がありいづれも使用できる。マット層は実質的に有機溶剤を含まない水性現像液に溶解するか、あるいはこれにより除去可能な物質から構成されることが好ましい。 【0066】次に本発明の平版印刷版原版を使用して印刷刷版を作製する方法について説明する。 【0067】本発明の平版印刷版原版には、まず活性エネルギー線により画像書き込みが行われる。本発明の平版印刷版原版に使用することのできる活性エネルギー線としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、発振波長が300nm〜1250nmまでの各種半導体レーザー、炭酸ガスレーザー(発振波長;10.6μm)、YAGレーザー(発振波長;1064nm、SHG=532nm、THG=355nm)、エキシマレーザー(発振波長;193nm・308nm・351nm)、アルゴンレーザー(発振波長;488nm)等が使用できる。活性エネルギー線による画像書き込みを行うには、例えば、■既に画像形成されたフィルムを用い、本発明の活性エネルギー線用の平版印刷版原版に密着させたのち、必要量の光量を活性光源により全面照射すればよく、通常は市販のプリンター等を使用して容易に行うことができる。 【0068】また、■予め作成されたコンピュータ等によるデジタル画像情報を用い、直接活性エネルギー線源から回路を経て本発明のネガ型又はポジ型平版印刷版原版に照射して画像書き込みを行うことができる。この時用いる機器としては、市販されている専用のセッターやプリンターが使用できる。 【0069】又、ネガ型の活性エネルギー線の平版印刷版原版の場合には、活性エネルギー線による照射だけでは書き込み部の耐現像性や耐印刷適性が十分でない場合があり、そのような場合には現像処理前に適宜加熱処理を行って画像部を強化することができる。加熱処理条件としては、熱オーブン、赤外線ヒーター等を用い、80℃〜170℃で数秒〜5分間加熱することにより行われる。 【0070】画像露光され、必要に応じ加熱処理された本発明の平版印刷版原版は、次にアルカリ性現像液による現像処理が行われる。 【0071】現像処理に使用されるネガ用のアルカリ水溶液系現像液にはアルカリ剤として、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第二又は第三燐酸のナトリウム又はアンモニウム塩、メタ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ剤、モノ、ジ、又はトリメチルアミン、モノ、ジ、又はトリエチルアミン、モノ又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ、ジ、又はトリエタノールアミン、モノ、ジ、又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン等の有機アミン化合物類が使用される。これらのアルカリ剤の現像液中における含有量は、0.005〜10重量%で、好ましくは0.05〜5重量%である。0.005重量%より少ないと現像が不良となり、10重量%より多いとネガ型感光性画像形成層を侵す等の悪影響を及ぼす。 【0072】ネガ用現像液には有機溶剤が添加され、その具体例としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レブリン酸ブチル、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール、キシレン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロルベンゼン等を挙げることができる。これら有機溶剤のネガ用現像液中における含有量は、20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。 【0073】さらにまた、ネガ用現像液中には必要に応じて、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウム等の水溶性亜硫酸塩、アルカリ可溶性ピラゾロン化合物、アルカリ可溶性チオール化合物、メチルレゾルシン等のヒドロキシ芳香族化合物、ポリ燐酸塩、アミノポリカルボン酸類等の硬水軟化剤、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、n−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルサルフェートナトリウム塩等のアニオン界面活性剤や両性界面活性剤、消泡剤等を用いることができる。 【0074】本発明のポジ用現像処理に用いる現像液としては、実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性水溶液が好ましく、アルカリ剤として例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水等のような無機アルカリ剤およびテトラアルキルアンモニウムハイドライド等の様な有機アルカリ剤の水溶液が適当であり、それらの濃度が0.005〜20重量%、好ましくは0.01〜5重量%になるように添加し使用される。また、ポジ用現像液には必要に応じて、アニオン性活性剤、ノニオン性活性剤、カチオン性活性剤、両性活性剤、弗素系活性剤及びシリコーン系活性剤等の界面活性剤やアルコール等のような水溶性有機溶剤を加えることもできる。 【0075】本発明に用いるネガ用又はポジ用現像液としては、実用上は通常市販されているネガ用又はポジ用の現像液を1〜200倍に希釈して使用することができるし、必要に応じポジ及びネガ両用の現像液を希釈して用いて現像することも可能である。 【0076】本発明における現像処理条件としては、温度15℃〜40℃、時間は1秒〜2分間、露光済みの本発明による平版印刷版原版を現像液に浸漬し、その後、水洗することにより行われる。必要に応じ、軽く表面を擦る等しても良い。 【0077】現像処理を終えた本発明の平版印刷版原版は、水洗及び/又は水系の不感脂化剤による処理が施される。水系の不感脂化剤としては、例えば、アラビアゴム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等の水溶性天然高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の水溶性合成高分子等の水溶液が挙げられ、必要に応じて、これらの水系の不感脂化剤に酸や界面活性剤等が加えられる。そして、不感脂化後乾燥し、印刷刷版として印刷に使用される。又、上記製版処理を行うに当たり、現像処理、水洗、ガム処理、乾燥の工程を一時に一貫処理できる現像液やガム液を充填した自動現像機等の使用も効果的である。 【0078】 【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく具体的に説明するが、もとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 【0079】〔実施例1〕大きさ約25mm×25mm、厚さ約1mmのボリカーボネート基板を中性洗剤、水すすぎ、2−プロパノールで順次洗浄し、乾燥したあとコーティング用基板とした。 【0080】アルミニウム−sec−ブトキシド〔Al(O−sec−Bu)3〕を2−プロパノール〔IPA〕とアセト酢酸エチル〔EAcAc〕に添加し、さらに0.01M希硝酸〔H2O〕とIPAを加えた。ここで溶液のモル比は、Al(O−sec−Bu)3:IPA:EAcAc:H2O=1:20:1:lの割合とした。これを約1時間室温で攪拌しアルミナゾルである塗布液を調製した。 【0081】塗布液中に、上記ポリカーボネート基板を浸漬した後、ディッピング法(約1mm/秒の引き上げスピード)で、ポリカーボネート基板の表面に塗布膜を形成した。 【0082】室温で30分乾燥して、透明なアモルファスアルミナ膜を被膜した後、約60℃の温水中に5分間浸漬して、温水処理を行い、室温で再び乾燥した。得られたボリカーボネート基板上に透明アルミナ薄膜がコートされた薄膜は可視域で高い透過率を示し、膜厚は約200nmであった。 【0083】赤外吸収スペクトル測定より、温水処理後、EAcAcに帰属されるピークが消失し、EAcAcが完全に溶出していることが分かった。また、薄膜の表面SEM像観察から花弁状アルミナが形成していることが確認され、また、該微細凹凸組織の中心線平均粗さを面拡張した平均面粗さRa値は19(nm)と比表面積1.7(SR)であった。 【0084】2−ヒドロキシエチルメタクリル酸エステル:エチルメタクリル酸エステル:メタクリル酸:アクリロニトリル=35:30:5:30の比率で共重合して得た重量平均分子量7万のバインダ−樹脂を10.0g,4−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物のヘキサフルオロ燐酸塩であるジアゾ樹脂を1.3g、「ビクトリアピュアーブルーBOH;保土ヶ谷化学工業社製」を0.15g、リンゴ酸を0.2gおよび「メガファックF−177;大日本インキ化学工業社製」を0.05g、メチルセルソルブ170gに溶解し、活性エネルギー線用ネガ型感光性インキ受容層塗布液とした。 【0085】先のポリカーボネート基板上の花弁状アルミナ層上にスピンナーにて上記活性エネルギー線用ネガ型感光性インキ受容層塗布液を塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版を得た。 【0086】本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版の表面に、文字画像のあるフィルムを密着させ、これより1m離れた位置に設けた出力1kwのメタルハライドランプ(岩崎電気社製)「アイドルフィン1000」を用いて40秒間露光した。次いで現像液ND−1(ポリクロームジャパン社製)の1:3倍希釈液にて25℃、1分間現像処理を行い、水洗、ガム液(UG1を2倍に希釈;ポリクロームジャパン社製)処理して乾燥し、印刷刷版(1)を得た。 【0087】両面テープで印刷刷版(1)を金属板に固定し印刷を行った。印刷は、湿し水NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の存在下、インキローラーにてインキ(GEOS−G紅N、大日本インキ化学工業社製)付けを行った後、ゴムローラーに文字画像を転写し、さらに紙上にゴムローラーから文字画像を転写することによって行った。以上の手順で1枚の文字の印刷物を得た。以下、湿し水付け⇒インキ付け⇒ゴムローラー転写⇒紙転写のサイクルで印刷を続けて、500枚の印刷物を得た。この間印刷物としての文字品質は良好であった。 【0088】〔実施例2〕実施例1で得たポリカーボネート基板上の花弁状アルミナ層上に、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとピロガロール・アセトン樹脂とのエステル化合物を3.0g、クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂を7.5g、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを0.06gおよび「オイルブルー#603;オリエント化学工業社製」を0.15g、メチルセルソルブアセテート90gに溶解して得た活性エネルギー線用ポジ型感光性インキ受容層塗布液をスピンナーにて塗布し、120℃、1分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版を得た。 【0089】本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版の表面に、文字画像のあるフィルムを密着させ、これより1m離れた位置に設けた出力1kwのメタルハライドランプ(岩崎電気社製)「アイドルフィン1000」を用いて40秒間露光した。次いで現像液PD−1(ポリクロームジャパン社製)の1:8倍希釈液にて25℃、1分間現像処理を行い、水洗、ガム液(UG1を2倍に希釈;ポリクロームジャパン社製)処理して乾燥し、印刷刷版(2)を得た。 【0090】両面テープで印刷刷版(2)を金属板に固定し印刷を行った。印刷は、湿し水NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の存在下、インキローラーにてインキ(GEOS−G紅N、大日本インキ化学工業社製)付けを行った後、ゴムローラーに文字画像を転写し、さらに紙上にゴムローラーから文字画像を転写することによって行った。以上の手順で1枚の文字の印刷物を得た。以下、湿し水付け⇒インキ付け⇒ゴムローラー転写⇒紙転写のサイクルで印刷を続けて、500枚の印刷物を得た。この間印刷物としての文字品質は良好であった。 【0091】〔実施例3〕実施例1で作製したアルミナゾル塗布液を、予め脱脂処理をしたB4ワイドサイズで0.3mm厚の、陽極酸化等を施していない未処理アルミニウム板上にロッド番号#12のワイヤーバーにて塗布した。風乾後、60℃の温水中に5分間浸漬して、温水処理を行い、室温で乾燥することでアルミニウム板上に花弁状アルミナ層を形成した。 【0092】次いで、同じく実施例1で作製した活性エネルギー線用ネガ型感光性インキ受容層塗布液を、ロッド番号#6のワイヤーバーを用いて花弁状アルミナ層上に塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版を得た。本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版にネガ画像フィルムを密着させて、プリンター「P−806−G;大日本スクリーン社製」にて35ユニットで露光し、現像液ND1(ポリクロームジャパン社製)1:3希釈液とフィニッシングガムNF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、19秒間の条件で処理して印刷刷版(3)を得た。 【0093】印刷刷版(3)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;1,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、3,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物3,000枚は、品質等の問題もなく良好な印刷物であった。 【0094】〔実施例4〕メチルセルソルブ92.3gに、アルカリ性水溶液に可溶な不飽和ポリエステル樹脂を4.0g,メチレンビス(−N−マレイミド)を2.0g、4−ジアゾフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの縮合物のp−トルエンスルホン酸塩を1.0g、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを0.5g、ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学工業社製)を0.1gおよびメガファックF−144D(大日本インキ化学工業社製)を0.1g溶解させて、活性エネルギー線用ネガ型感光性インキ受容層塗布液を作製した。 【0095】作製した活性エネルギー線用ネガ型感光光性インキ受容層塗布液を、実施例3で得たアルミニウム板を基体とする花弁状アルミナ層上にロッド番号#12のワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版を得た。 【0096】本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版にネガ画像フィルムを密着させて、プリンター「P−806−G;大日本スクリーン社製」にて35ユニットで露光し、現像液ND1(ポリクロームジャパン社製)1:3希釈液とフィニッシングガムNF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、19秒間の条件で処理して印刷刷版(4)を得た。 【0097】印刷刷版(4)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;1,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、5,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物5,000枚は、品質等の問題もなく良好な印刷物であった。 【0098】〔実施例5〕実施例2で作製した活性エネルギー線用ポジ型感光性インキ受容層塗布液を、実施例3で得たアルミニウム板を基体とする花弁状アルミナ層上にロッド番号#12のワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版を得た。 【0099】本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版にポジ画像フィルムを密着させて、プリンター「P−806−G;大日本スクリーン社製」にて35ユニット間露光し、現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)1:8希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、12秒間の条件で処理して印刷刷版(5)を得た。 【0100】印刷刷版(5)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;1,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、3,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物3,000枚は、品質等の問題もなく良好な印刷物であった。 【0101】〔実施例6〕実施例1で作製したアルミナゾル塗布液を、予め脱脂処理をしたB4ワイドサイズで0.27mm厚のトタン板上にロッド番号#12のワイヤーバーにて塗布した。風乾後、60℃の温水に5分間浸漬して温水処理を行い、室温で再び乾燥することで花弁状アルミナ層を形成できた。 【0102】次いで、メチルエチルケトン25mlと1−プロパノール20mlの混合溶液中に、UCARフェノール樹脂BKS−5928(ユニオンカーバイド社製)を3.0g、ノボラック樹脂ZH−8011(大日本インキ化学工業社製)を3.0g、IRDYE830(パンチム社製)を0.2g、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェートを0.2gおよびテレフタルアルデヒド0.2gを溶解させて、活性エネルギー線用ネガ型感光性インキ受容層塗布液を作製した。 【0103】作製した活性エネルギー線用ネガ型感光性インキ受容層塗布液を、先のアルミニウム板を基体とする花弁状アルミナ層上にロッド番号#20のワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版を得た。 【0104】本発明の活性エネルギー線用ネガ型平版印刷版原版にトレンドセッター3244F(クレオ社製)を用いて赤外線レーザー(830nm、150mJ/cm2)による画像書き込みを行い、次いで熱オーブン中135℃で30秒間加熱し、後処理を終えた。つぎに、現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)1:3.5希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、15秒間の条件で処理して印刷刷版(6)を得た。 【0105】印刷刷版(6)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;3,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、6,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物6,000枚は、品質等の問題もなく良好な印刷物であった。 【0106】〔実施例7〕メチルエチルケトン25mlと1−プロパノール20mlの混合溶液中に、ノボラック樹脂ZH−8011(大日本インキ化学工業社製)を6.0g、ノボラック樹脂ZH−8020(大日本インキ化学工業社製)を0.5g、IRDYE830(パンチム社製)を0.2g、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェートを0.2gおよびジエタノールアミン0.2gを溶解させて、活性エネルギー線用ポジ型感光性インキ受容層塗布液を作製した。 【0107】作製した活性エネルギー線用ポジ型感光性インキ受容層塗布液を、実施例6で得たアルミニウム板を基体とする花弁状アルミナ層上にロッド番号#16のワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥して、本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版を得た。 【0108】本発明の活性エネルギー線用ポジ型平版印刷版原版にトレンドセッター3244F(クレオ社製)を用いて赤外線レーザー(830nm、150mJ/cm2)による画像書き込みを行い、次いで現像液PD1(ポリクロームジャパン社製)1:8希釈液とフィニッシングガムPF2(ポリクロームジャパン社製)1:2希釈液を充填した自動現像機PD−912P(大日本スクリーン社製)にて30℃、12秒間の条件で処理して印刷刷版(7)を得た。 【0109】印刷刷版(7)を印刷機(TOKO−820L;東京航空計器社製)に装着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速度;3,000枚/時間、印刷用紙;十条ダイヤコートB4、インキ;GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業社製)、湿し水;NA108W(1:50希釈、大日本インキ化学工業社製)の条件下、6,000枚の印刷テストを実施した。得られた印刷物6,000枚は、品質等の問題もなく良好な印刷物であった。 【0110】 【発明の効果】基体として紙やプラスチック基板、ガラス基板、セラミック基板又は金属製基板を用いた支持体上に、特に焼成することなく温水に浸漬処理することで形成した花弁状アルミナ層を親水性層とし、その上層に活性エネルギー線を画像書き込みの光源として用いるネガ型又はポジ型の感光性層を塗設して成る平版印刷版原版を作製し、得られた平版印刷版原版に活性エネルギー線照射により画像形成し、必要に応じ加熱処理をした後、アルカリ性現像液による現像処理、水洗、ガム処理、乾燥を経て、基体上に花弁状アルミナ層を親水性層とする新規で良好な印刷刷版が得られた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社 【識別番号】592195919 【氏名又は名称】南 努
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| 【出願日】 |
平成12年3月21日(2000.3.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088764 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
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| 【公開番号】 |
特開2001−264995(P2001−264995A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−78040(P2000−78040) |
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