| 【発明の名称】 |
平版印刷版原版 |
| 【発明者】 |
【氏名】嶋田 和人
【氏名】宇野 誠次
【氏名】國田 一人
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| 【要約】 |
【課題】画像部においては、基板と感光層との密着性に優れ、非画像部では現像不良による汚れが発生し難い、画像再現性、耐刷性に優れた、赤外線レーザで書き込み可能なネガ型の平版印刷版原版を提供する。
【解決手段】親水化処理された支持体上に、酸基とオニウム基を有する重合体を含有する中間層と、I)赤外線吸収剤、II)熱又は光重合開始剤、III)重合性の不飽和基を有する化合物、及び、IV)水不溶性且つアルカリ水溶液可溶性のバインダーを含有する感光層とを順次設けてなることを特徴とする。中間体を構成する重合体の酸基としては、酸解離指数(pKa)が7以下の−COOH等が、オニウム基としては、周期律表第V族あるいは第IV族の窒素原子、リン原子あるいはイオウ原子からなるオニウム基が好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 陽極酸化処理が施されたアルミニウム支持体上に、酸基とオニウム基を有する重合体を含有する中間層と、I)赤外線吸収剤、II)重合開始剤、III)重合性の不飽和基を有する化合物、及び、IV)水不溶性且つアルカリ水溶液可溶性のバインダーを含有する感光層とを順次設けてなることを特徴とするヒートモード対応平版印刷版原版。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は赤外線レーザで書き込み可能な平版印刷版原版に関し、詳しくは、記録層の密着性に優れ、非画像部の汚れが発生し難いネガ型の記録層を有する平版印刷版原版に関する。 【0002】 【従来の技術】近年におけるレーザーの発展は目ざましく、特に、近赤外線から赤外線領域に発光領域を持つ個体レーザーや半導体レーザーでは、高出力・小型化が進んでいる。したがって、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザーは非常に有用である。前述の赤外線領域に発光領域を持つ赤外線レーザーを露光光源として使用する、赤外線レーザ用ネガ型平版印刷版材料は、赤外線吸収剤と、光又は熱によりラジカルを発生する重合開始剤と、重合性化合物とを含む感光層を有する平版印刷版材料である。 【0003】通常、このようなネガ型の画像記録材料は、光又は熱により発生したラジカルを開始剤として重合反応を生起させ、露光部の記録層を硬化させて画像部を形成する記録方式を利用している。このようなネガ型の画像形成材料は、赤外線レーザ照射のエネルギーにより記録層の可溶化を起こさせるポジ型に比較して画像形成性が低く、重合による硬化反応を促進させて強固な画像部を形成するため、現像工程前に加熱処理を行うのが一般的である。このような光又は熱による重合系の記録層を有する印刷版としては、特開平8−108621号、特開平9−34110号の各公報に記載されるような光重合性或いは熱重合性組成物を感光層として用いる技術が知られている。これらの感光層は高感度画像形成性に優れているものの、陽極酸化(AD)処理、或いはさらにAD処理後にケイ酸ソーダで親水化処理されたアルミニウム基板を用いており、AD処理されたアルミ基板を支持体として用いた場合には感光層が支持体に吸着し、両者の密着性に優れるため、画像部には問題がないが、非画像部が現像液で完全には除去されず、印刷時、現像不良の残膜に起因する非画像部の汚れが発生し易いという問題があった。一方、支持体として、AD処理後ケイ酸ソーダで処理された基板を用いた場合、感光層と支持体との界面における密着性が低く、このため、現像時に画像部の感光層も現像液で損傷したり、画像が流れてしまい、画像形成されないという問題があった。 【0004】このような問題点を解決すべく、例えば、特開平10−69092号公報には、p−ビニル安息香酸などの特定の構造単位を含有する高分子化合物を含む中間層を設けた平版印刷版が提案されているが、この平版印刷版はポジ型の感光層を有するものであり、また、耐刷性能に優れるものの、汚れの発生防止という観点からは十分ではなく、例えば親水性に優れた支持体との組合せにおいてのみ双方の効果が発揮されるものであった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、画像部においては、基板と感光層との密着性に優れ、非画像部では現像不良による汚れが発生し難い、耐刷性に優れた、ネガ型の平版印刷版原版を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討の結果、アルミニウム支持体上に特定の中間層を設けることにより、非画像部の残色防止及び感光層と支持体との密着性向上を達成することを見出し本発明を完成した。即ち、本発明の平版印刷版原版は、ヒートモード対応の平版印刷版原版であって、陽極酸化処理が施されたアルミニウム支持体上に、酸基とオニウム基を有する重合体を含有する中間層と、I)赤外線吸収剤、II)熱重合開始剤、III)重合性の不飽和基を有する化合物、及び、IV)水不溶性且つアルカリ水溶液可溶性のバインダーを含有する感光層とを順次設けてなることを特徴とする。 【0007】なお、本発明において「ヒートモード対応」とは、ヒートモード露光による記録が可能であることを意味する。本発明におけるヒートモード露光の定義について詳述する。Hans−Joachim Timpe,IS&Ts NIP 15:1999 International Conference on Digital Printing Technologies.P.209に記載されているように、感光体材料において光吸収物質(例えば色素)を光励起させ、化学的或いは物理的変化を経て、画像を形成するその光吸収物質の光励起から化学的或いは物理的変化までのプロセスには大きく分けて二つのモードが存在することが知られている。1つは光励起された光吸収物質が感光材料中の他の反応物質と何らかの光化学的相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動)をすることで失活し、その結果として活性化した反応物質が上述の画像形成に必要な化学的或いは物理変化を引き起こすいわゆるフォトンモードであり、もう1つは光励起された光吸収物質が熱を発生し失活し、その熱を利用して反応物質が上述の画像形成に必要な化学的或いは物理変化を引き起こすいわゆるヒートモードである。その他、物質が局所的に集まった光のエネルギーにより爆発的に飛び散るアブレーションや1分子が多数の光子を一度に吸収する多光子吸収など特殊なモードもあるがここでは省略する。上述の各モードを利用した露光プロセスをフォントモード露光及びヒートモード露光と呼ぶ。フォントモード露光とヒートモード露光の技術的な違いは目的とする反応のエネルギー量に対し露光する数個の光子のエネルギー量を加算して使用できるかどうかである。例えばn個の光子を用いて、ある反応を起こすことを考える。フォントモード露光では光化学的相互作用を利用しているため、量子のエネルギー及び運動量保存則の要請により1光子のエネルギーを足し併せて使用することができない。つまり、何らかの反応を起こすためには「1光子のエネルギー量≧反応のエネルギー量」の関係が必要である。一方、ヒートモード露光では光励起後に熱を発生し、光エネルギーを熱に変換し利用するためエネルギー量の足し併せが可能となる。そのため、「n個の光子のエネルギー量≧反応のエネルギー量」の関係があれが十分となる。但し、このエネルギー量加算には熱拡散による制約を受ける。即ち、今注目している露光部分(反応点)から熱拡散により熱が逃げるまでに次の光励起−失活過程が起こり熱が発生すれば、熱は確実に蓄積加算し、その部分の温度上昇につながる。しかし、次の熱の発生が遅い場合には熱が逃げて蓄積されない。つまり、ヒートモード露光では同じ全露光エネルギー量であっても高エネルギー量の光を短い時間照射した場合と低エネルギー量の光を長い時間照射した場合とでは結果が異なり、短時間の方が熱の蓄積に有利になる。 【0008】無論、フォントモード露光では後続反応種の拡散の影響で似た様な現象が起こる場合もあるが基本的には、このようなことは起こらない。即ち、感光材料の特性として見た場合、フォントモードでは露光パワー密度(w/cm2)(=単位時間当たりのエネルギー密度)に対し感光材料の固有感度(画像形成に必要な反応のためのエネルギー量)は一定となるが、ヒートモードでは露光パワー密度に対し感光材料の固有感度が上昇することになる。従って、実際に画像記録材料として実用上、必要な生産性を維持できる程度の露光時間を固定すると、各モードを比較した場合、フォントモード露光では通常は約0.1mJ/cm2程度の高感度化が達成できるもののどんな少ない露光量でも反応が起こるため、未露光部での低露光カブリの問題が生じ易い。これに対し、ヒートモード露光ではある一定以上の露光量でないと反応が起こらず、また感光材料の熱安定性との関係から通常は50mJ/cm2程度が必要となるが、低露光カブリの問題が回避される。そして、事実上ヒートモード露光では感光材料の版面での露光パワー密度が5000w/cm2以上が必要であり、好ましくは10000w/cm2以上が必要となる。但し、ここでは詳しく述べなかったが5.0×105/cm2以上の高パワー密度レーザーを利用するとアブレーションが起こり、光源を汚す等の問題から好ましくない。 【0009】本発明の作用は明確ではないが、酸基と、オニウム塩を有する重合体を含む中間層を設けることで、非画像部では中間層を形成する重合体に親水性のオニウム基を有するため、アルカリ現像液に対して浸透性が向上し、残膜しにくくなる。一方、画像部では中間層に含まれる酸基が陽極酸化処理されたアルミ基板上の酸化アルミニウムと相互作用すること、オニウム基が感光層のアルカリ可溶性基と相互作用して密着性が向上すること、重合系であるために上層が速やかに硬化して現像液の浸透が遅くなり、画像部における相互作用が保持されやすいこと、等により耐刷性が向上するものと考えられる。また、AD処理後にケイ酸ソーダで親水化処理されたアルミ基板を用いた場合には、非画像部では中間層を形成する重合体に酸基を有するため、アルカリ現像液に対して浸透性が向上し、残膜しにくくなる。画像部では、ケイ酸ソーダで処理されたアルミニウム基板と感光層との間で、オニウム塩は、感光層中のアルカリ可溶性基、及び、基板上のSiOH基と水素結合や静電相互作用などの相互作用を示し、支持体上に直接感光層を設けた場合に比べ両者の密着性が著しく向上するため、非画像部の汚れ防止と画像形成性、画像部の支持体との密着性向上が達成されるものと考えられる。また、ヒートモードであるため、露光部は露光により発熱し、その熱のより酸基と酸化アルミニウムとの相互作用、オニウム塩とSiOH基との相互作用が強化される。さらに、本発明に係る感光層は熱重合組成物からなり、赤外線レーザの露光により表層の露光部から硬化が開始されるため、表面からの現像液の浸透が効果的に抑制されアルミニウム支持体近傍における現像作用が抑制されることも、画像部の密着性に有用であると考えられる。本発明においては、いずれの支持体を用いるかは、感光層の組成、現像液の種類等により好適なものを選択できる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の平版印刷版原版の感光層は、I)赤外線吸収剤、II)熱重合開始剤、III)重合性の不飽和基を有する化合物、及び、IV)水不溶性且つアルカリ水溶液可溶性のバインダーを含有するが、赤外線レーザの照射により、I)赤外線吸収剤が発熱し、赤外線レーザの光或いはI)赤外線吸収剤が発生した熱により、II)熱重合開始剤が反応してラジカルを発生し、III)重合性の不飽和基を有する化合物の硬化反応を促進する。 【0011】(中間層)以下、本発明の平版印刷版用原版における中間層に含有される重合体について詳しく説明する。本発明にかかる中間層に含有される重合体は、酸基とオニウム基を有する重合体であり、少なくとも酸基を有するモノマーとオニウム基を有するモノマーとを重合して得られる化合物である。ここで、酸基としては、酸解離指数(pKa)が7以下の酸基が好ましく、より好ましくは−COOH,−SO3 H,−OSO3 H,−PO3 H2 ,−OPO3 H2 ,−CONHSO2 ,−SO2 NHSO2−であり、特に好ましくは−COOHである。また、オニウム基として好ましいものは、周期律表第V族あるいは第IV族の原子からなるオニウム基であり、より好ましくは窒素原子、リン原子あるいはイオウ原子からなるオニウム基であり、特に好ましくは窒素原子からなるオニウム基である。 【0012】本発明に係る重合体の中でも、この重合体の主鎖構造がアクリル樹脂やメタクリル樹脂やポリスチレンのようなビニル系ポリマー、ウレタン樹脂、ポリエステルあるいはポリアミドである化合物が好ましい。より好ましくは、この重合体の主鎖構造がアクリル樹脂やメタクリル樹脂やポリスチレンのようなビニル系ポリマーであり、特に好ましくは、酸基を有するモノマーが下記の一般式(1)あるいは一般式(2)で表される化合物であり、オニウム基を有するモノマーが後記の一般式(3)、一般式(4)あるいは一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする重合体化合物である。 【0013】 【化1】
【0014】式中、Aは2価の連結基を表す。Bは芳香族基あるいは置換芳香族基を表す。D及びEはそれぞれ独立して2価の連結基を表す。Gは3価の連結基を表す。X及びX′はそれぞれ独立してpKaが7以下の酸基あるいはそのアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩を表す。R1 は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表す。a,b,d,eはそれぞれ独立して0または1を表す。tは1〜3の整数である。酸基を有するモノマーの中でより好ましくは、Aは−COO−または−CONH−を表し、Bはフェニレン基あるいは置換フェニレン基を表し、その置換基は水酸基、ハロゲン原子あるいはアルキル基である。D及びEはそれぞれ独立してアルキレン基あるいは分子式がCn H2nO、Cn H2nSあるいはCn H2n+1Nで表される2価の連結基を表す。Gは分子式がCn H2n-1、Cn H2n-1O、Cn H2n-1SあるいはCn H2nNで表される3価の連結基を表す。但し、ここで、nは1〜12の整数を表す。X及びX′はそれぞれ独立してカルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、硫酸モノエステルあるいは燐酸モノエステルを表す。R1 は水素原子またはアルキル基を表す。a,b,d,eはそれぞれ独立して0または1を表すが、aとbは同時に0ではない。 【0015】酸基を有するモノマーの中で特に好ましくは一般式(1)で示す化合物であり、Bはフェニレン基あるいは置換フェニレン基を表し、その置換基は水酸基であるいは炭素数1〜3のアルキル基である。D及びEはそれぞれ独立して炭素数1〜2のアルキレン基あるいは酸素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基を表す。R1 は水素原子またはアルキル基を表す。Xはカルボン酸基を表す。aは0であり、bは1である。 【0016】酸基を有するモノマーの具体例を以下に示す。ただし、本発明はこの具体例に限定されるものではない。 (酸基を有するモノマーの具体例)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸【0017】 【化2】
【0018】 【化3】
【0019】 【化4】
【0020】次に、オニウム基を有するモノマーである、下記一般式(3)、(4)、(5)で表されるポリマーについて説明する。 【0021】 【化5】
【0022】式中、Jは2価の連結基を表す。Kは芳香族基あるいは置換芳香族基を表す。Mはそれぞれ独立して2価の連結基を表す。Y1 は周期率表第V族の原子を表し、Y2 は周期率表第VI族の原子を表す。Z- は対アニオンを表す。R2 は水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表す。R3 ,R4 ,R5 ,R7 はそれぞれ独立して水素原子あるいは場合によっては置換基が結合してもよいアルキル基、芳香族基、アラルキル基を表し、R6 はアルキリジン基あるいは置換アルキリジンを表すが、R3 とR4 あるいはR6 とR7 はそれぞれ結合して環を形成してもよい。j,k,mはそれぞれ独立して0または1を表す。uは1〜3の整数を表す。オニウム基を有するモノマーの中でより好ましくは、Jは−COO−または−CONH−を表し、Kはフェニレン基あるいは置換フェニレン基を表し、その置換基は水酸基、ハロゲン原子あるいはアルキル基である。Mはアルキレン基あるいは−Cn H2nO−、−Cn H2nS−あるいは−Cn H2n+1N−で表される2価の連結基を表す。但し、ここで、nは1〜12の整数を表す。Y1 は窒素原子またはリン原子を表し、Y2 はイオウ原子を表す。Z-はハロゲンイオン、PF6 -、BF4 - あるいはR8 SO3 - を表す。R2 は水素原子またはアルキル基を表す。R3 ,R4 ,R5 ,R7 はそれぞれ独立して水素原子あるいは場合によっては置換基が結合してもよい炭素数1〜10のアルキル基、芳香族基、アラルキル基を表し、R6 は炭素数1〜10のアルキリジン基あるいは置換アルキリジンを表すが、R3 とR4 あるいはR6 とR7 はそれぞれ結合して環を形成してもよい。j,k,mはそれぞれ独立して0または1を表すが、jとkは同時に0ではない。R8 は置換基が結合してもよい炭素数1〜10のアルキル基、芳香族基、アラルキル基を表す。 【0023】オニウム基を有するモノマーの中で特に好ましくは、Kはフェニレン基あるいは置換フェニレン基を表し、その置換基は水素原子あるいは炭素数1〜3のアルキル基である。Mは炭素数1〜2のアルキレン基あるいは酸素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基を表す。Z- は塩素イオンあるいはR8 SO3 - を表す。R2 は水素原子あるいはメチル基を表す。jは0であり、kは1である。R8 は炭素数1〜3のアルキル基を表す。 【0024】オニウム基を有するモノマーの具体例を以下に示す。ただし、本発明はこの具体例に限定されるものではない。 (オニウム基を有するモノマーの具体例) 【0025】 【化6】
【0026】 【化7】
【0027】 【化8】
【0028】また、酸基を有するモノマーは1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いても良く、また、オニウム基を有するモノマーも1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いても良い。更に、当該発明に係る重合体は、モノマーあるいは組成比あるいは分子量の異なるものを2種類以上混合して用いてもよい。この際、酸基を有するモノマーを重合成分として有する重合体は、酸基を有するモノマーを1モル%以上、好ましくは5モル%以上含み、オニウム基を有するモノマーを重合成分として有する重合体は、オニウム基を有するモノマーを1モル%以上、好ましくは5モル%以上含むことが望ましい。 【0029】更に、これらの重合体は、以下の(1)〜(14)に示す重合性モノマーから選ばれる少なくとも1種を共重合成分として含んでいてもよい。 (1)N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチレン、o−またはm−ブロモ−p−ヒドロキシスチレン、o−またはm−クロル−p−ヒドロキシスチレン、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート等の芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびビドロキシスチレン類、(2)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびそのハーフエステル、イタコン酸、無水イタコン酸およびそのハーフエステルなどの不飽和カルボン酸、【0030】(3)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、【0031】(4)トシルアクリルアミドのように置換基があってもよいフェニルスルホニルアクリルアミド、およびトシルメタクリルアミドのような置換基があってもよいフェニルスルホニルメタクリルアミド。 (5)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、(6)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステル、【0032】(7)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、【0033】(8)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド、(9)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、【0034】(10)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類、(11)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、(12)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類、(13)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類、(14)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど。 【0035】なお、ここで使用する重合体には酸基を有するモノマーを1モル%以上、好ましくは5モル%以上含み、オニウム基を有するモノマーを1モル%以上、好ましくは5モル%以上含むことが望ましい。さらに、酸基を有するモノマーが20モル%以上含まれると、アルカリ現像時の溶解除去性が一層良好になり、オニウム基を有するモノマーが1モル%以上含まれると酸基との相乗効果により密着性が一層向上される。 【0036】また、酸基を有する構成成分は1種類あるいは2種類以上組み合わせても良く、また、オニウム基を有するモノマーも1種類あるいは2種類以上組み合わせても良い。更に、当該発明に係る重合体は、モノマーあるいは組成比あるいは分子量の異なるものを2種類以上混合して用いてもよい。次に、当該発明に用いられる重合体の代表的な例を以下に示す。なお、ポリマー構造の組成比はモル百分率を表す。 【0037】 【化9】
【0038】 【化10】
【0039】 【化11】
【0040】 【化12】
【0041】 【化13】
【0042】 【化14】
【0043】 【化15】
【0044】 【化16】
【0045】本発明に係る重合体は、一般にはラジカル連鎖重合法を用いて製造することができる(“Textbook of Polymer Science" 3rd ed,(1984)F.W.Billmeyer,A Wiley-Interscience Publication参照)。 【0046】本発明に係る重合体の分子量は広範囲であってもよいが、光散乱法を用いて測定したとき、重合平均分子量(Mw)が500〜2,000,000であることが好ましく、1,000〜600,000の範囲であることがさらに好ましい。また、NMR測定における末端基と側鎖官能基との積分強度より算出される数平均分子量(Mn)が300〜500,000であることが好ましく、500〜100,000の範囲であることがさらに好ましい。分子量が上記の範囲よりも小さいと、基板との密着力が弱くなり、耐刷性の劣化が生じる。一方、分子量が上記の範囲を超えて高くなると、支持体への密着力が強くなりすぎ、非画像部の感光層の現像不良に夜残膜が発生する虞がある。また、この重合体中に含まれる未反応モノマー量は広範囲であってもよいが、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましい。 【0047】上記範囲の分子量を有する重合体は、対応する単量体を共重合する際に、重合開始剤及び連鎖移動剤を併用し、添加量を調整することより得ることができる。なお、連鎖移動剤とは、重合反応において連鎖移動反応により、反応の活性点を移動させる物質のことを示し、その移動反応の起こり易さは、連鎖移動定数Csで表される。本発明で用いられる連鎖移動剤の連鎖移動定数Cs×104 (60℃)は、0.01以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、1以上であることが特に好ましい。重合開始剤としては、ラジカル重合の際に一般によく用いられる過酸化物、アゾ化合物、レドックス開始剤をそのまま利用することができる。これらの中でアゾ化合物が特に好ましい。 【0048】連鎖移動剤の具体例としては、四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化合物、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、2−メチル−1−ブテン、2、4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等のオレフィン類、エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスルフィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チオクレゾール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプタン等の含イオウ化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 【0049】より好ましくは、エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスルフィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チオクレゾール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプタンであり、特に好ましくは、エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスルフィドである。 【0050】また、この重合体中に含まれる未反応モノマー量は広範囲であってもよいが、20wt%以下であることが好ましく、また10wt%以下であることが更に好ましい。 【0051】次に、本発明に係る重合体の合成例を示す。 〔合成例1〕重合体(No.1)の合成p−ビニル安息香酸[北興化学工業(株)製]50.4g、トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムクロリド15.2g、メルカプトエタノール1.9gおよびメタノール153.1gを2リットルの3口フラスコに取り、窒素気流下撹拌しながら、加熱し60℃に保った。この溶液に2,2´−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.8gを加え、そのまま30分間撹拌を続けた。その後、この反応液に、p−ビニル安息香酸201.5g、トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムクロリド60.9g、メルカプトエタノール7.5gおよび2,2´−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル11.1gをメタノール612.3gに溶解させた溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、温度を65℃に上げ、窒素気流下10時間撹拌を続けた。反応終了後、室温まで放冷すると、この反応液の収量は1132gであり、その固形分濃度は30.5wt%であった。更に、得られた生成物の数平均分子量(Mn )を13C−NMRスペクトルより求めた結果、その値は2100であった。 【0052】〔合成例2〕重合体(No.2)の合成トリエチル(p−ビニルベンジル)アンモニウムクロリドの代わりに、トリエチル(ビニルベンジル)アンモニウムクロリドのm/p体(2/1)混合物を、更に、メルカプトエタノールの代わりにメルカプトプロピオン酸エチルを用いること以外は合成例1と同様の操作を行い、数平均分子量(Mn )4,800の重合体を得た。 【0053】〔合成例3〕重合体(No.25)の合成p−ビニル安息香酸[北興化学工業(株)製]146.9g(0.99mol)、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド44.2g(0.21mol)および2−メトキシエタノール446gを1Lの3口フラスコに取り、窒素気流下撹拌しながら、加熱し75℃に保った。次に2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2,76g(12mmol)を加え、撹拌を続けた。2時間後、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2,76g(12mmol)を追加した。更に、2時間後、2,2−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.76g(12mmol)を追加した。2時間撹拌した後、室温まで放冷した。この反応液を撹拌下12Lの酢酸エチル中に注いだ。析出する固体を濾取し、乾燥した。その収量は189.5gであった。得られた固体は光散乱法で分子量測定を行った結果、重量平均分子量(Mw)は3.2万であった。 【0054】本発明に係る他の重合体も同様の方法で合成される。 【0055】また、本発明の感光性平版印刷版における中間層には、前記重合体に加え下記一般式(6)で示される化合物を添加することもできる。 一般式(6) 【0056】 【化17】
【0057】(式中、R1 は炭素数6〜14のアリーレン基を表し、m、nは独立して1から3の整数を表す。) 上記一般式(6)で示される化合物について、以下に説明する。R1 で表わされるアリーレン基の炭素数は6〜14が好ましく、6〜10がさらに好ましい。R1 で表わされるアリーレン基として具体的には、フェニレン基、ナフチル基、アンスリル基、フェナスリル基等が挙げられる。R1 で表わされるアリーレン基は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数6〜10のアリール基、カルボン酸エステル基、アルコキシ基、フェノキシ基、スルホン酸エステル基、ホスホン酸エステル基、スルホニルアミド基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、トリエチルアンモニウムクロライド基等で置換されていてもよい。 【0058】一般式(6)で示される化合物の具体的な例としては、例えば、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、1−ヒドロキシー2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシー1−ナフトエ酸、2−ヒドロシキー3−ナフトエ酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、10−ヒドロキシ−9−アントラセンカルボン酸などが挙げられる。但し、上記の具体例に限定されるものではなく、また、一般式(6)で示される化合物を1種類または2種類以上混合して用いてもよい。 【0059】本発明に係る上記重合体と、必要に応じて添加される上記一般式(6)で示される化合物を含む中間層は、後述する親水化処理を施したアルミニウム支持体上に種々の方法により塗布して設けられる。 【0060】この中間層は次の方法で設けることができる。メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤あるいはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤に本発明に係る重合体および必要に応じて添加される一般式(6)で示される化合物を溶解させた溶液をアルミニウム支持体上に塗布、乾燥して設ける塗布方法。あるいはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤あるいはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤に、本発明に係る重合体および必要に応じて添加される一般式(6)で示される化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム支持体を浸漬し、しかる後、水洗あるいは空気などによって洗浄、乾燥して中間層を設ける塗布方法を挙げることができる。 【0061】前者の方法では、上記化合物合計で0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.005〜20重量%、好ましくは0.01%〜10重量%であり、浸漬温度0℃〜70℃、好ましくは5〜60℃であり、浸漬時間は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜120秒である。 【0062】上記の溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェニルホスホン酸などの有機ホスホン酸、安息香酸、クマル酸、リンゴ酸などの有機カルボン酸など種々有機酸性物質、ナフタレンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライドなどの有機クロライド等によりpHを調整し、pH=0〜12、より好ましくはpH=0〜6の範囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のために紫外光や可視光、赤外光などを吸収する物質を添加することもできる。 【0063】本発明の中間層を構成する化合物の乾燥後の被覆量は、合計で1〜100mg/m2 が適当であり、好ましくは2〜70mg/m2 である。上記被覆量が1mg/m2 よりも少ないと十分な効果が得られない。また100mg/m2 よりも多くても同様である。 【0064】(感光層)次に、本発明の平版印刷版原版において画像形成機能を有する感光層について説明する。感光層を構成する組成物は、I)赤外線吸収剤、II)熱又は光重合開始剤、III)重合性の不飽和基を有する化合物、及び、IV)水不溶性且つアルカリ水溶液可溶性のバインダーを含有する熱(光)重合性組成物である。本発明に用いることのできる熱重合性組成物としては、例えば、特開平8−108621号、特開平9−34110号、特開平7−306528号の各公報に記載されるような感光、感熱性画像記録層を構成する組成物が挙げられる。 【0065】I)赤外線吸収剤感光層に含まれる赤外線吸収剤は、赤外線レーザの照射により熱を発生する光熱変換機能を有する物質である。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。 【0066】染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。 【0067】好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。 【0068】また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。 【0069】また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。 【0070】これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シアニン色素が好ましく、特に下記一般式(I)で示されるシアニン色素が最も好ましい。 【0071】 【化18】
【0072】一般式(I)中、X1は、ハロゲン原子、またはX2−L1を示す。ここで、X2は酸素原子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R1およびR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環または6員環を形成していることが特に好ましい。 【0073】Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環およびナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7およびR8は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z1-は、対アニオンを示す。ただし、R1〜R8のいずれかにスルホ基が置換されている場合は、Z1-は必要ない。好ましいZ1-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。 【0074】本発明において、好適に用いることのできる一般式(I)で示されるシアニン色素の具体例としては、特願平11−310623号明細書の段落番号[0017]〜[0019]に記載されたものを挙げることができる。 【0075】本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。 【0076】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。 【0077】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。 【0078】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の画像感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像感光層の均一性の点で好ましくない。 【0079】顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。 【0080】これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型画像形成材料を作成した際に、感光層の波長760nm〜1200nmの範囲における吸収極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあることが好ましい。この範囲をはずれた場合、感度が低くなる傾向がある。光学濃度は前記赤外線吸収剤の添加量と記録層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の光学濃度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。 【0081】II)重合開始剤重合開始剤は前記I)赤外線吸収剤と組み合わせて用い、赤外線レーザを照射した際にその光又は熱或いはその双方のエネルギーによりラジカルを発生し、III)重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進させる化合物を指す。本発明に係る重合開始剤としては、公知の光重合開始剤、熱重合開始剤などを選択して使用することができ、例えば、オニウム塩、トリハロメチル基を有するトリアジン化合物、過酸化物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、キノンジアジドなどが挙げられるが、オニウム塩が高感度であり、好ましい。本発明において重合開始剤として好適に用い得るオニウム塩について説明する。好ましいオニウム塩としては、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、ラジカル重合の開始剤として機能する。本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(III)〜(V)で表されるオニウム塩である。 【0082】 【化19】
【0083】式(III)中、Ar11とAr12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。 【0084】式(IV)中、Ar21は、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキシ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z21-はZ11-と同義の対イオンを表す。 【0085】式(V)中、R31、R32及びR33は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオンを表す。 【0086】本発明において、ラジカル発生剤として好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、特願平11−310623号明細書の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものを挙げることができる。 【0087】また、特開平9−34110号公報の段落番号[0012]〜[0050]に記載の一般式(I)〜(IV)で表されるオニウム塩、特開平8−108621公報の段落番号[0016]に記載の熱重合開始剤などの公知の重合開始剤も好ましく用いられる。本発明において用いられるラジカル発生剤は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましく、さらに360nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、画像形成材料の取り扱いを白灯下で実施することができる。 【0088】III)重合性の不飽和基を有する化合物本発明に使用される重合性の不飽和基を有する化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、好ましくは、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくはま2個以上有する化合物から選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものを包含する。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。 【0089】また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用する事も可能である。 【0090】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー卜、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビト一ルペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。 【0091】メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p―(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。 【0092】イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。 【0093】クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。 【0094】マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。 【0095】その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。 【0096】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげる事ができる。 【0097】また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(2)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。 【0098】 【化20】
【0099】一般式(2)中、RおよびR’はHあるいはCH3を示す。また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。 【0100】さらに、特開昭63−277653,特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた感光性組成物を得ることができる。 【0101】その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等もあげることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。 【0102】これらの、付加重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて、任意に設定できる。例えば次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と、強度を両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や、疎水性の高い化合物は感光スピードや、膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく無い場合がある。 【0103】また、感光性組成物中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうる事がある。また、平版印刷版用原版とする場合、後述の支持体、オーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。感光性組成物中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、感光性組成物の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感材成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、平版印刷版用原版とした場合、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点から、好ましい配合比は、多くの場合、組成物全成分に対して5〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。 【0104】IV)水不溶性且つアルカリ水溶液可溶性のバインダー本発明の平版印刷版原版においては、感光層にさらにバインダーポリマーを使用することが好ましい。バインダーとしては線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機高分子重合体は、組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。 【0105】特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体および〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体は、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。 【0106】また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特願平10−116232号等に記載される、酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。また、特開平11−171907記載のアミド基を有するバインダーは優れた現像性と膜強度をあわせもち、好適である。 【0107】さらにこの他に水溶性線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)―プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これらの線状有機高分子重合体は全組成物中に任意な量を混和させることができる。しかし90重量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85重量%である。また光重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物と線状有機高分子重合体は、重量比で1/9〜7/3の範囲とするのが好ましい。 【0108】本発明のバインダーポリマーは実質的に水に不溶でアルカリ水溶液に可溶なものが用いられる。このため、現像液として、環境上好ましくない有機溶剤を用いないかもしくは非常に少ない使用量に制限できる。このようなバインダーポリマーの酸価(ポリマーlgあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)と分子量は画像強度と現像性の観点から適宜選択される。好ましい酸価は、0.4〜3.Omeq/gであり好ましい分子量は3000から50万の範囲で、より好ましくは、酸価が0.6〜2.0分子量が1万から30万の範囲である。 【0109】(V)その他の成分本発明の感光性組成物には、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。 (V−1)共増感剤ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、熱重合開始剤により開始される光反応、と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、カチオン)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(C)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。 【0110】(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物炭素−ハロゲン結合結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。 酸素一酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。 オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。 フエロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。 【0111】(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。 アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等があげられる。 含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。 【0112】α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらと、ヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類をあげる事ができる。 スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン駿ナトリウム等をあげる事ができる。 【0113】(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物:例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等があげられる。 【0114】これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開昭9−236913号公報中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されており、それらを本発明においても適用することができる。これらの共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量はエチレン性不飽和二重結合を有する化合物100重量部に対し0.05〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部の範囲が適当である。 【0115】(V−2)重合禁止剤また、本発明においては以上の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t―ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、平版印刷版用原版とする場合、支持体等への塗布後の乾燥の過程でその感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5重量%〜約10重量%が好ましい。 【0116】(V−3)着色剤等さらに、本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版に用いる場合、その感光層の着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させる事ができる。着色剤としては、多くの染料は光重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5重量%〜約5重量%が好ましい。 【0117】(V−4)その他の添加剤さらに、本発明の感光性組成物を平版印刷版用原版に用いる場合、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。 【0118】可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計重量に対し10重量%以下添加することができる。 【0119】また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熟架橋剤等の添加もできる。その他、感光層と支持体との密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるための添加剤、中間層を設ける事を可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物や、ホスホン化合物、等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高める事が可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。 【0120】平版印刷版を提供するために、本発明の感光性組成物を支持体上に塗布する際には、種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N―ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ―ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50重量%が適当である。 【0121】前記感光層の支持体への塗布量は、感光層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性等の影響を考慮し、用途に応じ適宜選択することが望ましい。塗布量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の平版印刷版原版における塗布量は、一般的には、乾燥後の重量で約0.lg/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。 【0122】「保護層」本発明の平版印刷版原版は、通常、露光を大気中で行うため、光重合性組成物の層の上に、さらに、保護層を設ける事が好ましい。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過性が良好で、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。 【0123】このような、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3、458、311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いる事がよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られていが、これらのうち、ポリビニルアルコールを主成分として用いる事が、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。 【0124】ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものをあげる事ができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA一CS、PVA―CST、PVA一HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等があげられる。 【0125】保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を新油性の重合層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。 【0126】これに対し、これら2層間の接着性を改すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292、501号、米国特許第44、563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジヨンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、重合層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用する事ができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。 【0127】さらに、保護層に他の機能を付与する事もできる。例えば、露光に使う波長の光の透過性に優れ、かつ露光に関わらない波長の光を効率良く吸収しうる、着色剤(水溶性染料等)の添加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさらに高める事ができる。 【0128】(支持体)本発明の平版印刷版原版に使用される支持体としては、寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。これらは、樹脂フィルムや金属板などの単一成分のシートであっても、2以上の材料の積層体であってもよく、例えば、上記のごとき金属がラミネート、若しくは蒸着された紙やプラスチックフィルム、異種のプラスチックフィルム同志の積層シート等が含まれる。 【0129】前記支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネート若しくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。前記アルミニウム板の厚みは、およそ0.1〜0.6mm程度、好ましくは0.15〜0.4mm、特に好ましくは0.2〜0.3mmである。 【0130】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ水溶液等による脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、所望により、アルカリエッチング処理、中和処理を経て、表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施すことができる。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸或いはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。 【0131】陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2 以上が好適であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2 の範囲である。陽極酸化被膜が1.0g/m2 未満であると耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。尚、このような陽極酸化処理は平板印刷版の支持体の印刷に用いる面に施されるが、電気力線の裏回りにより、裏面にも0.01〜3g/m2 の陽極酸化被膜が形成されるのが一般的である。 【0132】支持体表面の親水化処理は、上記陽極酸化処理の後に施されるものであり、従来より知られている処理法が用いられる。このような親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号公報に開示されているようなアルカリ金属珪酸塩(例えば、珪酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体が珪酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号公報に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が用いられる。これらの中で、本発明において特に好ましい親水化処理は珪酸塩処理である。珪酸塩処理について、以下に説明する。 【0133】上述の如き処理を施したアルミニウム板の陽極酸化皮膜を、アルカリ金属珪酸塩が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%であり、25℃でのpHが10〜13である水溶液に、例えば15〜80℃で0.5〜120秒浸漬する。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHが10より低いと液はゲル化し13.0より高いと酸化皮膜が溶解されてしまう。本発明に用いられるアルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩もしくは第IVB族金属塩を配合してもよい。アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、燐酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。第IVB族金属塩として、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、蓚酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。アルカリ土類金属塩もしくは、第IVB族金属塩は単独又は2以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10重量%であり、更に好ましい範囲は0.05〜5.0重量%である。珪酸塩処理により、アルミニウム板表面上の親水性が一層改善されるため、印刷の際、インクが非画像部に付着しにくくなり、汚れ性能が向上する。 【0134】支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、Si(OC3 H7 )4 、Si(OC4 H9 )4 などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから与られる金属酸化物の被覆層が耐現像性に優れており特に好ましい。 【0135】(露光)以上のようにして、本発明の平版印刷版原版を作成することができる。この平版印刷版原版は、波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光される。本発明においては、レーザ照射後すぐに現像処理を行っても良いが、レーザ照射工程と現像工程の間に加熱処理を行ってもよい。加熱処理の条件は、80℃〜150℃の範囲内で10秒〜5分間行うことが好ましい。この加熱処理により、レーザ照射時、記録に必要なレーザエネルギーを減少させることができる。 【0136】(現像液)本発明の感光性組成物を用いた感光材料を画像形成材料として使用する際には、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。これらの光重合性組成物を平版印刷版の作成に使用する際の好ましい現像液としては、特公昭57−7427号に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ溶液の濃度が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるように添加される。 【0137】また、このようなアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号および同第3615480号に記載されているものを挙げることができる。さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。 【0138】以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスクィージ、あるいは、スクィージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。 【0139】バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。 【0140】 【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 【0141】(実施例1〜5、比較例1〜3) [基板の作製]厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス−水懸濁液を用いこの表面を砂目立てし、水でよく洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、更に20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。次にこの板を7%硫酸を電解液として電流密度15A/dm2 で3g/m2 の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗し、乾燥して基板〔A〕を作製した。基板[A]を珪酸ナトリウム 2重量%水溶液で25℃で15秒処理し、水洗して基板[B]を作製した。 【0142】[中間層の形成]上述の様に作製された基板[A]又は[B]上に、下記の本発明にかかる重合体(表1の重合体)を含む溶液を塗布した後80℃で15秒間乾燥し、中間層を設けた。乾燥後の被覆量は、15mg/m2であった。 【0143】(中間層塗布液) 表1記載の重合体 0.3gメタノール 100g水 1g【0144】 【表1】
【0145】上述の様に作成された基板上に以下の感光層塗布液を塗布量が1.5g/m2となるように塗布した。 【0146】 (感光層塗布液) ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.5g・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(83/17) 2.0g・赤外線吸収剤DX−1(下記構造) 0.1g・重合開始剤SX−1(下記構造) 0.2g・フッ素系ノニオン界面活性剤(メガファックF−177、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g・ビクトリアピュアブルー 0.04g・メチルエチルケトン 10g・メタノール 7g・2−メトキシ−1−プロパノール 10g【0147】比較のため、基板[A]上に中間層を設けていない基板を作製し、該基板上に感光層形成用塗布液1及び2を塗布量が1.8g/m2 になるよう塗布し、平版印刷版用原版を得た(比較例1)。更に比較のため、基板[B]上に中間層を設けていない基板を作製し、感光層塗布液を塗布量が1.5g/m2 になるよう塗布し、平版印刷版原版を得た(比較例2)。更に、基板[B]上に特開平10−69092号公報に記載の重合体である、以下に示すP−1を含有する溶液を塗布した後80℃で15秒間乾燥し、中間層を設けた。乾燥後の被覆量は、20mg/m2であった。その後、この基板上に感光層塗布液を塗布量が20mg/m2 になるよう塗布し、平版印刷版原版を得た(比較例3)。 【0148】 【化21】
【0149】(実施例6〜10、比較例4、5)前記実施例1と同様の基板[A]又は[B]上に、実施例1で用いた重合体に代えて、下記表2に記載の重合体を用いて中間層を形成した他は実施例1と同様にして中間層を形成した基板を得た。 【0150】 【表2】
【0151】該中間層上に、以下の感光層塗布液2を塗布量が1.5g/m2となるように塗布して平版印刷版原版を得た。 【0152】 (感光層塗布液2) ・バインダーポリマー(ヒドロキシエチルメタクリレート/ メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(30/50/5/15)) 50重量部・モノマー:重合性化合物(ジペンタエリスリトール ヘキサクリレート) 50重量部・赤外線吸収剤IR−5(下記構造) 10重量部・重合開始剤A−1(下記構造) 5重量部・オニウム塩QN−1(下記構造) 5重量部・メチルエチルケトン 400重量部【0153】 【化22】
【0154】比較のため、実施例1で作成した基板[A]及び基板[B]上に中間層を設けていない基板を作製し、その後、この基板上に感光層塗布液2を塗布量が1.5g/m2 になるよう塗布し、平版印刷版原版を得た(比較例4、5)。 【0155】(実施例11、12)前記実施例1と同様の基板[A]又は[B]上に、実施例1で用いた重合体に代えて、下記表3に記載の重合体を用いて中間層を形成した他は実施例1と同様にして中間層を形成した基板を得た。 【0156】 【表3】
【0157】該中間層上に、以下の感光層塗布液3を塗布量が1.5g/m2となるように塗布して平版印刷版原版を得た。 (感光層塗布液3) ・バインダーポリマー(メチルメタクリレート/メタクリル酸 共重合体(80/20)Mw=25,000) 0.75g・重合性化合物(ジペンタエリスリトールヘキサクリレート、 DPHA、日本化薬(株)製) 0.74g・赤外線吸収剤(カーボンブラック分散物 カーボンブラック含有量33重量%) 1.21g・重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド) 0.1g・メチルエチルケトン 7.19g【0158】(実施例13〜15、比較例6、7)前記実施例1と同様の基板[B]上に、実施例1で用いた重合体に代えて、下記表4に記載の重合体を用いて中間層を形成した他は実施例1と同様にして中間層を形成した基板を得た。 【0159】 【表4】
【0160】該中間層上に、以下の感光層塗布液4を塗布量が1.5g/m2となるように塗布して平版印刷版原版を得た。 【0161】 (感光層塗布液4) ・バインダーポリマー(アリルアクリレート/メタクリル酸/N− イソプロピルアミド共重合体(67/13/20)) 2.0g・モノマー:重合性化合物(ジペンタエリスリトール ヘキサクリレート) 1.0g・赤外線吸収剤DX−1(上記構造) 0.1g・重合開始剤SX−2(下記構造) 0.2g・フッ素系ノニオン界面活性剤(メガファックF−177、 大日本インキ化学工業(株)製) 0.02g・ビクトリアピュアブルー 0.04g・メタノール 10g・メチルエチルケトン 15g【0162】 【化23】
【0163】比較のため、実施例1で用いた基板[A]及び、基板[B]上に中間層を設けていない基板を作製し、感光層塗布液4を塗布量が1.5g/m2 になるよう塗布し、平版印刷版原版を得た(比較例6、7)。 【0164】現像処理工程において基板[B]を用いた版の現像に使用されるアルカリ現像処理液は、富士写真フイルム(株)製、現像液DN−3L(1:2で水希釈を行ったもの)を用いた。また、基板[A]を用いた版の現像には、富士写真フイルム(株)製現像液DP−4(1:8の比率で水希釈を行ったもの)を用いた。 【0165】得られた平版印刷版原版をクレオ社プレートセッターTrendsetter3244を用いて、露光条件:回転数を115rpm、出力65Wで露光した後、前記のように調製した現像液及びリンス液FR−3(1:7)を紫紺だ自動現像機(富士写真フイルム(株)製:PSプロセッサー900VR)を用いて現像し、以下の評価を行った。結果を表5に示す。 【0166】(非画像部の残色)未露光部に残色があるか現像後、平版印刷版用原版をハイデル製印刷機SOR−Mに装着し、50枚印刷した際、未露光部にインキの汚れがあるか目視で確認し、以下のように評価した。 〇:インキの汚れなし。 ×:インキで汚れる。 【0167】(密着性試験)密着性は印刷機としてローランド社製R201を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(N)を使用した。印刷開始から5000枚目に富士写真フイルム(株)製PSプレートクリーナーCL−2を印刷用スポンジにしみこませ、網点部を拭き、版面のインキを洗浄した。その後、100,000枚印刷を行い、印刷物における網点の版飛びの有無を目視で観察し、以下の基準により評価した。 〇:版飛びなし×:版飛び【0168】(耐刷性評価)印刷機として、ローランド社製R201印刷機を使用し、インキとして大日本インキ社製GEOS−G(N)を使用して上質紙に印刷した。得られた印刷物のベタ画像部を観察し、本来インキが付着する画像部がかすれはじめた枚数をカウントした。枚数が多いほど耐刷性が良好であることを表わす。これらの結果を表5に併記する。 【0169】 【表5】
【0170】表5の結果より、本発明の平版印刷版用原版は、非画像部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くて、現像不良に起因する非画像部汚れの発生も無く、画像部の感光層の密着性、耐刷性能にも優れていることがわかる。一方、中間層を設けていない比較例1、4、6の平版印刷版原版は耐刷性に優れるが、非画像の溶解性に劣り非画像部に汚れが発生しやすく、珪酸塩処理した基板上に直接感光層を設けた比較例2、5、7は耐刷性に劣ることがわかった。また、特開平10−69092号公報に記載の重合体による中間層を設けた比較例3は耐刷性に若干の改良は見られるものの、非画像部汚れに問題があることがわかった。 【0171】(実施例16〜20、比較例8〜10)前記実施例1〜5、比較例1〜3で得られた平版印刷版原版の感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度:98モル%、重合度:550)の3重量%水溶液を乾燥後の塗布量が2g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥して感光層上に保護層を設けた平版印刷版原版を得て、それぞれ実施例16〜20、比較例8〜10とした。得られた平版印刷版原版を上記実施例1〜5、比較例1〜3と同様の条件で、露光、現像して平版印刷版を製版し、同様に非画像部の残色と画像部の密着性及び耐刷性を評価した。結果を下記表6に示す。 【0172】 【表6】
【0173】表6の結果より、感光層の上に保護層を設けた場合においても、保護層を有しない実施例1〜5と同様の傾向が見られ、本発明の平版印刷版用原版は、非画像部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くて、現像不良に起因する非画像部汚れの発生も無く、画像部の感光層の密着性、耐刷性能にも優れているが、中間層を設けていない比較例8の平版印刷版原版は耐刷性に優れるが、非画像の溶解性に劣り、珪酸塩処理した基板上に直接感光層を設けた比較例9は耐刷性に劣ることがわかった。また、特開平10−69092号公報に記載の重合体による中間層を設けた比較例10は保護層を設けた場合にも、非画像部汚れに問題があることがわかる。 【0174】 【発明の効果】本発明のネガ型平版印刷版原版は、赤外線レーザにより書き込みが可能であり、画像部においては、基板と感光層とも密着性に優れ、非画像部では現像不良による汚れが発生し難い、画像再現性、耐刷性に優れるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月16日(2000.3.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−264991(P2001−264991A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−73858(P2000−73858) |
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