| 【発明の名称】 |
感光性平版印刷版 |
| 【発明者】 |
【氏名】遠藤 正
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| 【要約】 |
【課題】多量の印刷を行っても細線やハイライトが飛ばずに耐刷性に優れる直接レーザー書き込み可能なネガ型の感光性平版印刷版を提供する。
【解決手段】粗面化され陽極酸化皮膜を形成されたアルミニウム支持体上に、感光層を設けてなる平版印刷版において、該支持体上の陽極酸化皮膜量が1.5〜4.0g/m2であり、該支持体の表面積が見掛けの表面積に比べて1〜30倍であり、旦つ該感光層が付加重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤及び有機高分子重合体を含有することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粗面化され陽極酸化皮膜を形成されたアルミニウム支持体上に、感光層を設けてなる平版印刷版において、該支持体上の陽極酸化皮膜量が1.5〜4.0g/m2であり、該支持体の表面積が見掛けの表面積に比べて1〜30倍であり、旦つ該感光層が付加重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤及び有機高分子重合体を含有することを特徴とする感光性平版印刷版。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷版に関するものであり、特にレーザーで直接製版可能な、高感度でかつ調子再現性が良好な光重合組成物を用いたネガ型の感光性平版印刷版に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、画像形成技術の発展に伴い、細くビームを絞ったレーザー光をその版面上に走査させ、文字原稿、画像原稿などを直接版面上に形成させ、フィルム原稿を用いずに直接製版を行なうことが可能となっている。例えば、特公昭61−9621号、特開昭63−178105号、特開平2−244050号公報等に記載の感光性組成物の使用により、フィルム原稿を用いず直接製版が可能である。 【0003】しかしながら、高感度光重合性の印刷版の場合、感光層と支持体の密着力が必ずしも強力ではないため、高速で大部数の印刷に使用すると、ベタ画像が抜けたり、細線やハイライト部が飛んだりする不具合を生じる。特に、ハイライトの微妙な再現性や印刷安定性が必要となる場合には、印刷枚数が多くなるにつれて、細線やハイライト部が徐々に飛ぶという問題はより深刻である。これは湿し水が感光層を浸透して感光層/支持体界面で拡がり、該界面の密着性を落とすためと考えられている。この対策として感光層中のバインダーを変更することで湿し水浸透性を抑制したり、界面の密着性を上げるために、付加反応性官能基を有するシリコーン化合物を含有する層を設けることや、更に陽極酸化皮膜上にシリケート層を設けることが検討されているが、十分な効果を得るには至っていない。 【0004】特に最近の市場動向として、生産性の向上のため露光時間の短縮化や、レーザーの長寿命化のためになるべく低出力で使用したいなどの要求が強いため、レーザー光で直接製版可能な感光性平版印刷版の更なる高感度化と高耐刷化がより強く求められていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、多量の印刷を行っても細線やハイライトが飛ばずに耐刷性に優れる直接レーザー書き込み可能なネガ型の感光性平版印刷版を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、下記に示すように、粗面化され陽極酸化皮膜を形成されたアルミニウム支持体が、陽極酸化皮膜量が1.5〜4.0g/m2であり、且つ支持体の表面積が見掛けの表面積に比べて1〜30倍であること、且つその支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物、光重合性開始剤及び有機高分子重合体を含有する光重合性感光層を有することによって達成できたものである。これは、支持体の表面積を、平版印刷版用支持体として用いられる陽極酸化皮膜による表面積が見掛けの表面積に対して通常40〜100倍程度なのに対して、1〜30倍にすることによって、光重合性感光層の場合には印刷時に感光層を浸透してきた湿し水が界面で拡散することを抑え感光層支持体界面の密着性劣化を抑制することができたものである。 【0007】従来よりフィルムを使って露光するタイプのポジあるいはネガ型感光性平版印刷版用の支持体処理として残色残膜等の汚れ防止の目的で、支持体の表面積を減ずる方法として加圧水蒸気処理や熱水処理による封孔処理が一部検討されていた。今回の発明は、従来型の平版印刷版では全く問題とならない感光層中を浸透した湿し水によって引き起こされるハイライト部分の耐刷性劣化の原因が、支持体の表面積が大きいことに起因することを見出し、レーザーで直接描画できる光重合型感光層用の支持体として支持体表面積を見掛け表面積の1から30倍の範囲内に抑えることによって、その問題を解消できたものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明する。 (アルミニウム支持体)本発明の感光性平版印刷版に用いられるアルミニウム支持体としては、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。純アルミニウム板の他、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又はアルミニウム(合金)がラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルム又は紙の中から選ばれる。更に、特公昭48−18327号に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートでもかまわない。以下の説明において、上記に挙げたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板をアルミニウム基板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがあり、合金中の異元素の含有量は10重量%以下である。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例えばJIS A 1050、JIS A 1100、JISA 3103、JIS A 3005などを適宜利用することが出来る。また、本発明に用いられるアルミニウム基板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさ及びユーザーの希望により適宜変更することができる。 【0009】(粗面化処理)アルミニウム板はより好ましい形状に粗面化処理させる。粗面化処理方法は、特開昭56−28893号に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレインなどがある。さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に粗面化する電気化学的粗面化方法、及びアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を粗面化するボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を粗面化するブラシグレイン法のような機械的粗面化法を用いることができ、上記粗面化方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。その中でも本発明に有用に使用される砂目表面を作る方法は、塩酸または硝酸電解液中で化学的に粗面化する電気化学的方法であり、適する電流密度は陽極時電気量50C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を合む電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で直流又は交流を用いて行われる。電気化学的粗面化は、表面に微細な凹凸を付与することが容易であるため、感光層と基板の密着を向上する上でも不可避である。 【0010】この粗面化により、平均直径約0.5〜20μmのクレーターまたはハニカム状のピットをアルミニウム表面に30〜100%の面積率で生成することが出来る。ここで設けたピットは印刷版の非画像部の汚れにくさと耐刷力を向上する作用がある。電気化学的処理では、十分なピットを表面に設けるために必要なだけの電気量、即ち電流と電流を流した時間の積が電気化学的粗面化における重要な条件となる。より少ない電気量で十分なピットを形成出来ることは、省エネの観点からも望ましい。粗画化処理後の表面粗さとしてはRa=0.2〜0.7μmが好ましい。 【0011】このように粗面化処理したアルミニウム基板は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングされる。酸をエッチング剤として用いる場合は、微細構造を破壊するのに時間がかかり、工業的に本発明を適用するに際しては不利であるが、アルカリをエッチング剤として用いることにより改善できる。本発明において好適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用い、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃てあり、Alの溶解量が0.1〜5g/m2となるような条件が好ましい。エッチングのあと表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65重量%の硫酸と接触させる方法及び特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチングする方法が挙げられる。 【0012】(陽極酸化処理)以上のようにして処理されたアルミニウム基板は、さらに陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理はこの分野で従来より行われている方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸等の単独あるいはこれらの二種以上を組み合わせて水溶液または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を流すとアルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。この際、電解液中に少なくともAl合金板、電極、水道水、地下水等に通常含まれる成分はもちろん含まれても構わない。さらには第2、第3成分が添加されていても構わない。ここでいう第2、3成分とは、例えばNa、K、Mg、Li、Ca、Ti、A1、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の金属のイオンやアンモニウムイオン等の陽イオンや、硝酸イオン、炭酸イオン、塩素イオン、リン酸イオン、フッ素イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオン、ケイ酸イオン、硼酸イオン等の陰イオンが挙げられ、その濃度としては0〜10000ppm程度含まれても良い。陽極酸化処理の条件は使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温−5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10〜200秒の範囲が適当である。これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸電解液中で高電流密度で陽極酸化する方法が好ましい。本発明においては、陽極酸化皮膜は1.5〜4g/m2であることが好ましく、1.5g/m2未満であると版に傷が入りやすく、4g/m2を超えると製造に多大な電力が必要となり、経済的に不利である。好ましくは、2〜3g/m2である。 【0013】(表面積調整のための処理)陽極酸化処理後、支持体表面積を見掛けの表面積の1〜30倍にするための処理がなされる。表面積を所望の値にする最も一般的な方法として特開平4−176690号公報、特開平11−301135号明細書に記載の加圧水蒸気や熱水による陽極酸化皮膜の封孔処理が挙げられる。また珪酸塩処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム塩処理、電着封孔処理、トリエタノールアミン処理、炭酸バリウム塩処理、極微量のリン酸塩を含む熱水処理等の公知の方法を用いて行うこともできる。封孔処理皮膜は、例えば、電着封孔処理をした場合にはポアの底部から形成され、また、水蒸気封孔処理をした場合にはポアの上部から形成され、封孔処理の仕方によって封孔処理皮膜の形成のされ方は異なるが、いずれの封孔処理を行った場合においても所望の表面積の範囲を満たす支持体が得られるように封孔処理が行われる。 【0014】その他にも表面積を範囲内にできるのであれば、方法は特に問わないが、例えば、溶液による浸漬処理、スプレー処理、コーティング処理、蒸着処理、スパッタリング、イオンプレーティング、溶射、鍍金等が挙げられるが、特に限定されるものではない。具体的処理方法として、例えば、特開昭60−149491号公報に開示されている、少なくとも1個のアミノ基と、カルボキシル基及びその塩の基並びにスルホ基及びその塩の基からなる群から選ばれた少なくとも1個の基とを有する化合物からなる層、特開昭60−232998号公報に開示されている、少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個の水酸基を有する化合物及びその塩から選ばれた化合物からなる層、特開昭62−19494号公報に開示されているリン酸塩を含む層、特開昭59−101651号公報に開示されているスルホ基を有するモノマー単位の少なくとも1種を繰り返し単位として分子中に含む高分子化合物からなる層等をコーティングによって設ける方法が挙げられる。 【0015】また、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸エステル、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれる化合物層を設ける方法もある。 【0016】また、該不飽和基を有するシランカップリング剤を塗設処理しても良く、例えばN−3−(アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、アリルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−ブテニルトリエトキシシラン、2−(クロロメチル)アリルトリメトキシシラン、メタクリルアミドプロピルトリエトキシシラン、N−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(メタクリロキシジメチル)ジメチルエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メトキシジメチルビニルシラン、1−メトキシ−3−(トリメチルシロキシ)ブタジエン、スチリルエチルトリメトキシシラン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)−プロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルジフェニルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、O−(ビニロキシエチル)−N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレタン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ジアリルアミノプロピルメトキシシラン等を挙げることができる。これらのうち好ましくは、不飽和基の反応性が早いメタクリロイル基、アクリロイル基を含むカップリング剤が好ましいが、不飽和基が2官能であればビニル基、アリル基であれば構わない。 【0017】その他にも特開平5−50779号公報に示すゾルゲルコーティング処理、特開平5−246171号公報に示すホスホン酸類のコーティング処理、特開平6−234284号公報、特開平6−191173号公報及び特開平6−230563号公報に記載のバックコート用素材をコーティングにより処理する方法、特開平6−262872号公報に示すホスホン酸類の処理、特開平6−297875号公報に示すコーティング処理、特開平10−109480号公報に記載の方法で陽極酸化処理する方法、特願平10−252078号明細書及び特願平10−253411号明細書に記載の浸漬処理方法等、何れの方法によっても良い。 【0018】〔画像形成層〕以上のように作成された本発明の支持体には必要に応じて以下の感光層(以下、画像形成層ともいう)が形成される。フォトポリマータイプのネガ型光重合性画像形成層をもつ感光性平版印刷版においては例えば、特開平8−320551号公報、特開平10−237118号公報、特開平10−161317号公報、特開平10−282679号公報、特開平11−65096、特開平11−115338、特願平11−68247号明細書、特願平11−26911号明細書、特開平10−282682号公報、特開平10−282679号公報、特開平10−161317号公報、等に記載の画像形成層が挙げられる。 【0019】(接着層)なお、上記感光層が前述の表面積調整処理されたアルミニウム基板上に形成される前に、該感光層と該基板との密着性を向上させる目的で、該基板の表面に更に接着層が塗設されてもよい。この接着層としては、特に限定されないが、ラジカルによって付加反応を起こし得る官能基(以下、付加反応性官能基と呼ぶ)を有するシリコーン化合物を含む接着層等が挙げられる。この付加反応性官能基を有するシリコーン化合物を含む接着層の塗設は、有機シリコーン化合物を原料として用いる方法によるのが好ましい。具体的には、付加反応性官能基をR1と表わした時、下記式(1):【0020】R1Si(OR2)3 (1) 【0021】(式中、R1はアルケニル基、アルキニル基等のラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を表す。OR2は加水分解可能なアルコキシ基又は−OCOCH3基を表す。)で表わされる有機シリコーン化合物(1)を用いてアルミニウム基板を処理することにより、基板表面の金属、金属酸化物、水酸化物、−OH基、又は基板の化成処理によって形成されたシラノール基などと反応させて基板表面と共有結合を形成させ、下記式(2):【0022】(R3O)2(R1)Si− (2) 【0023】(式中、R3はR2と同種もしくは異種のアルキル基又は水素原子、もしくは隣接する別のSi原子との結合を表わす。)で示される官能基を基板表面に結合(又は植え付け)させればよい。上記において、付加反応性官能基(R1)が中央のSi原子に2個以上結合した下記式(1a)又は(1b):【0024】 (R1)2Si(OR2)2 (1a) (R1)3SiOR2 (1b) 【0025】で表わされる有機シリコーン化合物(1a)(1b)を用いることもできる。また、付加反応性官能基(R1)が−O−を介して中央のSi原子に結合する官能基である場合は、【0026】(R1)4Si (1c) 【0027】で表わされる有機シリコーン化合物(1c)を用いることもできる。有機シリコーン化合物(1)は、中央のSi原子に結合する4個のR1のうち少なくとも1個が加水分解されずに残っている状態の時にアルミニウム基板に塗布される。有機シリコーン化合物(1)をアルミニウム基板上に塗設する際、このものを単独で用いてもよく、又は適当な溶媒で希釈して用いてもよい。アルミニウム基板上で有機シリコーン化合物(1)をより強固に結合させるために、水及び/又は触媒を加えることができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類が好ましく、触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの酸、又はアンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの塩基が使用できる。 【0028】アルミニウム基板上の付加反応性官能基の量は、結合させる付加反応性官能基の種類によって異なるが、10nm2当り一般に0.01〜1000個、好ましくば0.05〜200個、更に好ましくは0.1〜50個とすることが適当である。付加反応性官能基量が10nm2当り0.01個より少ないと十分な光接着強度が得られ難い。有機シリコーン化合物(1)を厚く塗り重ねることによって、10nm2当りの付加反応性官能基量を実質的に幾らでも多くすることが可能であるが、最表面に顔を出す付加反応性官能基量は10nm2当り高々10個であるので、厚く塗り過ぎても無駄になる。付加反応性官能基量が多過て、PS版として使用した時の非画像部の親水性が不足しないためには、10nm2当りの付加反応性官能基の量は1000個以内とするのが好ましい。 【0029】従って、有機シリコーン化合物を用いてアルミニウム基板表面に付加反応性官能基を結合する(植え付ける)際は、有機シリコーン化合物を希釈する溶媒の種類と量、基板表面上での加水分解用に加える水の量(加える場合)、基板表面上での加水分解を促進するための触媒の種類と量(加える場合)、有機シリコーン化合物の溶液を基板上に施用する方法、基材に施用した後の乾燥雰囲気、乾燥温度、乾燥時間等のプロセスパラメータを種々変更し、基板表面に保持される付加反応性官能基量が上記の量の範囲内となるように制御することが必要である。アルミニウム基板表面に保持される付加反応性官能基の量は、処理後の基板表面を適当な方法、例えばケイ光X線分析法、赤外線吸収法等の方法で測定し、表面にあるSi原子の定量、炭素−炭素の多重結合量の定量等を行なうことによって決定することができる。 【0030】上記の如くアルミニウム基板上にシリケート皮膜を形成し、更にその表面に付加反応性官能基を結合して、本発明の支持体が完成する。但し、この支持体(付加反応性支持体)を用いてPS版を構成する場合、式(1)の有機シリコーン化合物のみを用いてアルミニウム基板の処理をしただけでは印刷汚れを生じる場合がある。即ち、付加反応性官能基を結合してなる支持体上に光重合性の感光性組成物を塗布して感光層を設け、これに像様露光して画像通りの界面光接着を起させ、現像液で未露光部を取り去ることにより、支持体上には光のパターン通りの光重合密着膜が残る。そして、これにインクと水を塗ると、インクは光重合接着した像様露光部へ水は未露光部へそれぞれ付着して印刷版となるが、上記有機シリコーン化合物を単独で使用した場合には、水が付着するべき未露光部に過剰の有機官能基が存在することがあり、水の他にインクも付着して印刷物上に汚れとなって観察されることがある。 【0031】そこで、この印刷汚れを防ぐために、アルミニウム基板表面上に付加反応性官能基(R1)の他にOH基を多く固定して親水性を強くすることが好ましい。好ましくは、アルミニウム基板表面への付加反応性官能基の結合において、式(1):R1Si(OR2)3で表わされる有機シリコーン化合物(1)の他に、式(3):Si(OR4)4(式中、−OR4は加水分解可能なアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基又は−OCOCH3基であり、R4はR2と同じであっても異なってもよい。)で表わされる有機シリコーン化合物(3)を併用し、基板表面に前述の式(2)で示される反応サイトを結合すると同時に、式(4):【0032】 (R3O)2(OH)Si− (4) 【0033】で示される親水性サイトを結合することが好ましい。ここで、式中、R3はアルキル基、水素原子、又は隣接する別のSi原子との結合を表わすが、R3が水素原子であることが親水性の面からは最も好ましい。なお、R3が水素原子以外のもののときは、必要に応じて、表面をアルカリ溶液で洗うことによって、親水性を高めることができる。 【0034】式(1)の有機シリコーン化合物(1)と式(3)の有機シリコーン化合物(3)との混合比は、支持体の性状によってそれぞれのものの支持体表面への結合(植えつけ)効率が変動するため、一概に好適な範囲を決めることができない。しかし、具体的には、両者の比を種々に変えて支持体処理を行ない、付加反応性官能基R1に基づく光接着性と、式(4)で示される部分構造に由来する親水性とが両立する条件を実験的に確定して使用することになる。いずれにしても、付加反応性官能基の密度が前記範囲内になるようにすればよい。具体的には、有機シリコーン化合物(1)に対する有機シリコーン化合物(3)の混合モル比は0.05〜500が適当であるが、好ましくは0.2〜200、更に好ましくは1〜100である。またこの範囲内で、式(3)の有機シリコーン化合物(3)に由来する親水性基の量を多くすればするほど非画像部の親水性が増す。ただし、親水性基の密度が低い場合でも、付加反応性官能基を親水化処理することによって親水性基の密度を向上させることができる。 【0035】アルミニウム基板表面への付加反応性官能基の結合には、大別すると、有機シリコーン化合物をそのまま用いることからなる上述の方法(以下、SC法と呼ぶ)の他に、有機シリコーン化合物を加水分解するとともに重縮合させて得られた−Si−O−Si−結合を含む無機高分子に付加反応性官能基が固定された形の有機無機複合体を用いることからなる方法(以下、SG法と呼ぶ)がある。この有機無機複合体をアルミニウム基板に塗布して乾燥させると、無機高分子部分が基板と密着し、付加反応性官能基はそのまま基板表面上に残る。 【0036】SC法の場合、アルミニウム基板表面における付加反応性官能基の結合位置は基板表面上の特定の性質をもった位置となりやすく、基板表面上に一様に分布させるのが困難な場合がある。つまり、特定の酸点や塩基点においてのみSi原子との間の共有結合が形成され、付加反応性官能基の分布がアルミニウム基板表面の酸点や塩基点の分布に支配されやすい。従って、光接着強度や非画像部親水性にムラを生じる場合がある。こうした状況の時はSG法に従うのが有利である。 【0037】細かく見れば、SC法、SG法の他に、中間の態様、例えば式(1)の有機シリコーン化合物(1):R1Si(OR2)3中のOR2の一部もしくは全部が加水分解して2分子又は3分子が結合した形の有機シリコーン化合物を出発原料として用いる処理も可能である。SG法による付加反応性官能基の結合法に従えば、式(1)の有機シリコーン化合物(1)を、場合により式(3)の有機シリコーン化合物(3)と所望の混合比に混合し、液中で、必要により触媒の存在下で、付加反応性官能基R1では反応を起さずに−OR2及び−OR4で加水分解させるとともに重縮合反応を行なわせて、中心のSi原子が−Si−O−Si−結合でつながった無機高分子を含む液状組成物として、これをアルミニウム基板表面に塗布し、場合により乾燥させることによって、基板上に付加反応性官能基を結合する。SG法を用いると、アルミニウム基板表面上に結合固定される付加反応性官能基の分布が基板表面の酸点や塩基点などの化学的な性質の分布に左右されることが少ない。また、出発原料として有機シリコーン化合物(1)の他に有機シリコーン化合物(3)を併用する場合、上記式(2)で示される付加反応性官能基サイトと上記式(4)で示される親水性サイトとの相対比が有機シリコーン化合物(1)及び化合物(3)の仕込み比てほぼ決められるため、最適表面を得るための処方決定の道筋がSC法よりも整然とする利点がある。 【0038】本発明で使用する上記式(1)で示される有機シリコーン化合物(1)の具体例として、以下のものを挙げることができる。 【0039】CH2=CH−Si(OCOCH3)3、CH2=CH−Si(OC2H5)3、CH2=CH−Si(OCH3)3、CH2=CHCH2−Si(OC2H5)3、CH2=CHCH2NH(CH2)3−Si(OCH3)3、CH2=CHCOO−(CH2)3−Si(OCH3)3、CH2=CHCOO−(CH2)3−Si(OC2H5)3、CH2=C(CH3)COO−(CH2)3−Si(OCH3)3、CH2=C(CH3)COO−(CH2)3−Si(OC2H5)3、CH2=C(CH3)COO−(CH2)4−Si(OCH3)3、CH2=C(CH3)COO−(CH2)5−Si(OCH3)3、CH2=CHCOO−(CH2)4−Si(OCH3)3、(CH2=C(CH3)COO−(CH2)3)2−Si(OCH3)2、CH2=C(CH=CH2)−Si(OCH3)3、CH2=CH−SO2MH−(CH2)3−Si(OCH3)3、CH2=CH−ph−O−Si(OCH3)3、CH2=CH−ph−CONH−(CH2)3−Si(OCH3)3、CH2=CH−ph−CH2NH−(CH2)3−Si(OCH3)3、ph:ベンゼン環を示すHC≡C−Si(OC2H5)3、CH3C≡C−Si(OC2H5)3、【0040】 【化1】
【0041】CH2=CHCH2O−Si(OCH3)3、(CH2=CHCH2O)4Si、HO−CH2−C≡C−Si(OC2H5)3、CH3CH2=CO−C≡C−Si(OC2H5)3、CH2=CHS−(CH2)3−Si(OCH3)3、CH2=CHCH2O−(CH2)2−SCH2−Si(OCH3)3,CH2=CHCH2S−(CH2)3−S−Si(OCH3)3、(CH3)3CCO−C≡C−Si(OC2H5)3、(CH2=CH)2N−(CH2)2−SCH2−Si(OCH3)3、CH3COCH=C(CH3)−O−Si(OCH3)3。 【0042】また、式(3)で示される有機シリコーン化合物(3)の具体例としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラフェノキシシラン、テトラアセトキシシランなどを挙げることができ、中でもテトラエトキシシランが好ましい。 【0043】アルミニウム基板表面へ付加反応性官能基を結合するのにSC法を用いる場合もSG法を用いる場合も、溶媒の種類、基板への施用方法、乾燥方法等は共通であるが、SG法の場合、付加反応性官能基が保持された無機高分子組成物を予かじめ調液しておく必要がある。以下にその好ましい具体例を示す。式(1)及び(3)で表わされる有機シリコーン化合物(1)及び(3)を加水分解とともに重縮合させてSG法に好適な組成物とするのに使用できる溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類である。溶媒の使用量は、使用する有機シリコーン化合物(1)及び(3)の総重量に基づいて、一般に0.2〜500倍、好ましくは0.5〜100倍、更に好ましくは1〜20倍である。使用量が0.2倍より少ないと反応液が経時でゲル化しやすく不安定となり好ましくない。また、500倍より多いと、反応が数日を要するようになり好ましくない。有機シリコーン化合物を加水分解するために加える水の量は、一般に有機シリコーン化合物1モル当り0.1〜1000モル、好ましくは0.5〜200モル、更に好ましくは1.5〜100モルである。水の量が有機シリコーン化合物1モル当り、0.1モルより少ない時は、加水分解とそれに続く重縮合反応の進行が非常に遅くなり、安定な表面処理が可能となるまでに数日を要し好ましくない。一方、水の量が有機シリコーン化合物1モル当り1000モルより多くなると、生成した組成物を金属表面に塗設した場合密着不良を起す他、組成物の経時安定性が悪く、すぐにゲル化してしまうことが多いため、塗布作業を安定して行い難くなる。 【0044】SG法に好適な組成物を調液するための反応温度は室温〜100℃程度が常用されるが、以下に述べる触媒の種類によっては室温以下あるいは100℃以上の温度を用いることもできる。溶媒の沸点よりも高い温度で反応させることも可能であり、必要に応じて反応器に還流冷却器を付設するのがよい。必要に応じて使用される触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、リンゴ酸、シュウ酸などの酸、又はアンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基が使用できる。触媒の添加量は、有機シリコーン化合物(1)及び場合により追加される有機シリコーン化合物(3)の合計量を基準として、有機シリコーン化合物1モル当り0.001〜1モル、好ましくは0.002〜0.7モル、更に好ましくは0.003〜0.4モルである。触媒添加量を1モルより多くしても、その添加効果に比べて経済的に特に利益があるわけではない。 【0045】酢酸、リンゴ酸等の弱酸を触媒として使用する時は、反応温度を400℃〜1000℃の範囲とするのが有利であるが、硫酸、硝酸等の強酸を触媒として使用する時は10℃〜60℃の範囲がよい。リン酸を触媒として用いる場合は10℃〜90℃で反応を行なわせることができる。SG法に用いる組成物の調液工程、及びこれをアルミニウム基板に塗布し乾燥する工程で、多くの場合熱が加えられるが、揮発性の酸を触媒として使用すると、周囲の装置に揮発して付着し、これを腐食させる場合がある。主として鉄を素材として用いる工程で本方法を使用する場合は、不揮発性の硫酸及び/又はリン酸を触媒として用いるのが好ましい。 【0046】以上述べたように、式(1)及び(3)で表わされる有機シリコーン化合物と、有機溶媒、水、及び場合により触媒からなる組成物を、適当な反応温度、反応時間、及び場合により適当な撹拌条件を選んで反応させると、加水分解とともに重縮合反応が起りSi−O−Si結合を含む高分子又はコロイド状高分子が生成し、液状組成物の粘度が上昇し、ゾル化する。式(1)及び(3)で表わされる有機シリコーン化合物を両方使用してゾル液を調製する場合、両方の有機シリコーン化合物を反応の最初から反応容器内に装荷してもよく、あるいは一方のみで加水分解と重縮合反応をある程度進めた後に他方の有機シリコーン化合物を加え、反応を終了させてもよい。SG法で用いる上記ゾル液は、室温で放置すると重縮合反応が引き続き進行しゲル化することがある。従って、一度上記の方法で調液したゾル液を、アルミニウム基板への塗布時に希釈のために使用する予定の溶媒で予じめ希釈して、ゾル液のゲル化を防止ないし遅延させることができる。 【0047】SC法及びSG法のいずれにおいても、支持体上に目的量の有機シリコーン化合物もしくは付加反応性官能基を結合するために、また支持体上での有機シリコーン化合物もしくは付加反応性官能基の分布ムラが無いようにするために、これらの処理液を支持体に塗布する前に溶媒を加えて濃度調整を行なうことが好ましい。この目的に使用する溶媒としてはアルコール類、殊にメタノールが好適であるが、他の溶剤、有機化合物、無機添加剤、界面活性剤などを加えることもできる。他の溶剤の例としては、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、アセチルアセトン、エチレングリコール等を挙げることができる。添加することのできる有機化合物の例としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。無機添加剤の例としては、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナなどを挙げることができる。エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等の高沸点溶媒は、支持体に塗布する濃度にまで希釈された液の安定性を高め、支持体に結合された付加反応性官能基の反応再現性を保証する働きがある。ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂等の有機化合物も同様の効果を有するが、得られる支持体の表面の親水性を低下させる副作用があり、添加量を細かく調整する必要がある。 【0048】SG法に好適なゾル液もしくは液状組成物は、アルミニウム基板表面に塗設後、風乾ないし加熱乾燥させると、Si−O−Si結合からなる無機高分子がゲル化すると同時に基板表面と共有結合する。乾燥は溶媒、残留水及び場合により触媒を揮散させるために行なうものであるが、処理後の基板の使用目的によっては工程を省くこともできる。SC法においても、この乾燥工程は溶媒、残留水等の揮散という意味の他に、有機シリコーン化合物とアルミニウム基板との密着を確実にするという意味を有する。従って、目的によっては、乾燥終了後にも更に温度をかけ、加熱を継続してもよい。乾燥及び場合により継続されるその後の加熱における最高温度は付加反応性官能甚R1が分解しない範囲にあることが好ましい。従って、使用できる乾燥温度条件は室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃、更に好ましくは室温〜120℃である。乾繰時間は一般に1秒〜30分間、好ましくは5秒〜10分間、更に好ましくは10秒〜3分間である。本発明において用いられる液状組成物(有機シリコーン化合物もしくはその溶液又はゾル液)の施工方法は、ハケ塗り、浸漬塗布、アトマイジング、スピンコーティング、ドクターブレード塗布等、各種のものも使用することができ、アルミニウム基板表面の形状や必要とする処理膜厚等を勘案して決められる。 【0049】上記の如くアルミニウム基板上に、(1)粗面化処理、(2)陽極酸化処理、本発明の(3)表面積調整処理を施し、更に必要に応じ(4)接着層を塗設してなる支持体上に、後述される光重合性組成物からなる感光層を形成することで、本発明の感光性平版印刷版が形成される。 【0050】(光重合性感光層)本発明で用いられる光重合性感光層の主な成分は、付加重合可能なエチレン性二重結合を含む化合物、光重合開始剤、有機高分子結合剤等であり、必要に応じ、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物が添加される。付加重合可能な二重結合を含む化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものである。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等があげられる。 【0051】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルポシ酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリーレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。 【0052】メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコージメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。 【0053】イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレシグリコールジイソクロトネード、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。 【0054】マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。 【0055】 CH2=C(R5)COOCH2CH(R6)OH (A) 【0056】(ただし、R5およびR6はHあるいはCH3を示す。)また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。さらに日本接着協会誌vol.20,No.7,300〜308ぺ一ジ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。なお、これらの使用量は、全成分に対して5〜70重量%(以下%と略称する。)、好ましくは10〜50%である。 【0057】光重合開始剤としては、使用する光源の波長により、特許、文献等で公知である種々の光開始剤、あるいは2種以上の光開始剤の併用系(光開始系)を適宜選択して使用することができる。例えば400nm付近の光を光源として用いる場合、ベンジル、ベンゾインエーテル、ミヒラーズケトン、アントラキノン、チオキサントン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン等が広く使用されている。また、400nm以上の可視光線、Arレーザー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAGレーザーを光源とする場合にも、種々の光開始系が提案されており、例えば、米国特許第2,850,445号明細書に記載のある種の感光性染料、染料とアミンの複合開始系(特公昭44−20189号)、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料との併用系(特公昭45−37377号)、ヘキサアリールビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデンケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭54−155292号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−84183号)、環状トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024号)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−140203号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−140203号、特開昭59−189340号)、ローダニン骨格の色素とラジカル発生剤の系(特開平2−244050号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素の系(特開昭63−221110号)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた系(特開平4−221958号、特開平4−219756号)、チタノセンと特定のメロシアニン色素の系(特開平6−295061号)等を挙げることができる。これらの光重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和化合物100重量部に対し、0.05〜100重量部、好ましくは0.1〜70重量部、更に好ましくは0.2〜50重量部の範囲で用いることができる。 【0058】光重合性組成物は、通常、バインダーとして有機高分子重合体を含有するが、このような有機高分子重合体としては、光重合可能なエチレン性不飽和化合物と相溶性を有している有機高分子重合体である限り、どれを使用してもかまわない。好ましくは水現像或いは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性又は膨潤性である有機高分子重合体が選択される。有機高分子重合体は、該組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水或いは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この様な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。 【0059】また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)アクリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー共重合体〕が好適である。この他に水溶性有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。これらの有機高分子重合体は全組成中に任意な量を混和させることができる。しかし90重量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましくは30〜85%である。また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と有機高分子重合体は、重量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましくは3/7〜7/3である。また他方、特開平10−237118に記載の光重合性組成物を用いることも高感度と膜強度向上の観点から好ましい。 【0060】また、本発明においては以上の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにべヘン酸やべヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。更に感光層の着色を目的として、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5%〜約5%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全組成物の10%以下が好ましい。 【0061】本発明の光重合性組成物を支持体上に塗布する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレレグリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、1〜50重量%が適当である。 【0062】本発明における光重合性組成物には、塗布面質を向上するために界面活性剤を添加することができる。その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.3〜5g/m2である。更に好ましくは0.7〜3g/m2である。 【0063】(酸素遮断性保護層)本発明の感光性平版印刷版は、その感光層上に水溶性ビニル重合体を含む酸素遮蔽性保護層を適宜設けてもよい。本発明の酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビニル重合体としては、ポリビニルアルコール、およびその部分エステル、エーテル、およびアセタール、またはそれらに必要な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有するその共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールとしては、71〜100%加水分解され、重合度が300〜2400の範囲のものが挙げられる。具体的には株式会社クラレ製PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。 【0064】上記の共重合体としては、88〜100%加水分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビニルアセタールおよびそれらの共重合体が挙げられる。その他有用な重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアラビアゴム、があげられ、これらは単独または、併用して用いても良い。本発明の酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑剤としては、例えばプロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。また。水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加しても良い。 【0065】かくして得られた感光性平版印刷版は、Arレーザー、半導体レーザーの第2高調波(SHG−LD、350〜600nm)、YAG−SHGレーザーにより直接露光された後、現像処理される。かかる現像処理に使用される現像液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。 【0066】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。上記のアルカリ水溶液の内、本発明による効果が一段と発揮される現像液はアルカリ金属ケイ酸塩を含有するpH12以上の水溶液である。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液はケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す)と濃度によって現像性の調節が可能であり、例えば、特開昭54−62004号公報に開示されているような、SiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2〕/〔Na2O〕が1.0〜1.5であって、SiO2の含有量が1〜4重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液や、特公昭57−7427号公報に記載されているような、〔SiO2〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち〔SiO2〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の濃度が1.4重量%であり、かつ該現像液がその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有していることとからなるアルカリ金属ケイ酸塩が好適に用いられる。 【0067】更に、自動現像機を用いて、該感光性平版印刷版を現像する場合に、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量の感光性平版印刷版を処理することができることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。例えば、特開昭54−62004号公報に開示されているような現像液の〔SiO2〕/〔Na2O〕のモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2〕/〔Na2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の含有量が1〜4重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液を使用し、しかも感光性平版印刷版の処理量に応じて連続的または断続的にSiO2/Na2Oのモル比が0.5〜1.5(即ち〔SiO2〕/〔Na2O〕が0.5〜1.5)のケイ酸ナトリウム水溶液(補充液)を現像測に加える方法、更には、特公昭57−7427号公報に開示されている、〔SiO2〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち、〔SiO2〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の濃度が1〜4重量%であるアルカリ金属ケイ酸塩の現像液を用い、補充液として用いるアルカリ金属ケイ酸塩の〔SiO2〕/〔M〕が0.25〜0.75(即ち〔SiO2〕/〔M2O〕が0.5〜1.5)であり、かつ該現像液および該補充液のいずれもがその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有していることとからなる現像方法が好適に用いられる。このようにして現像処理された感光性平版印刷版は特開昭54−8002号、同55−115045号、同59−58431号等の各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液・アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。本発明の感光性平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。 【0068】 【実施例】以下、実施例をもって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 <支持体の作成方法>下記の表1に示す成分からなるAl溶湯を調整し、溶湯処理、濾過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成し、表面を平均10mm面削機で削り取った後、約5時間、550℃で均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とし、更に連続焼鈍機を使って熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げた。このアルミ板を幅1030mmにした後、連続的に処理を行った。 【0069】 【表1】
【0070】(a)既存の機械的粗面化装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミスまたは珪砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラー状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は40〜45μm、最大粒径は200μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロンを使用し、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラー(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラーはブラシを回転させる駆動モーターの負荷が、ブラシローラーをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7KWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウムの移動方向と同で回転数は200rpmであった。 【0071】(b)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度2.6wt%、アルミニウムイオン濃度6.5wt%、温度70℃でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を13g/m2溶解した。その後スプレーによる水洗を行った。 (c)温度30℃の硝酸濃度1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。 【0072】(d)60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。この時の電解液は、硝酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%、アンモニウムイオン0.007wt含む)、温度50℃であった。交流電源は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが2msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で255C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。 (e)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26wt%、アルミニウムイオン濃度6.5wt%でスプレーによるエッチング処理を70℃で行い、アルミニウム板を1.3g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分の除去と、生成したピットのエッジ部分を溶解し、エッジ部分を滑らかにした。その後スプレーで水洗した。 【0073】(f)温度60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(アルミニウムイオンを0.5wt%含む)で、スプレーによるデスマット処理をおこない、その後スプレーによる水洗をおこなった。 (g)既存の二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一および第二電解部長各6m、第一給電部長3m、第二給電部長3m、第一及び第二給電電極長各2.4m)を使って電解部の硫酸濃度100g/リットル(アルミニウムイオンを0.5wt%含む)、温度50℃、比重1.1、電導度0.39S/cmで陽極酸化処理を行った。その後スプレーによる水洗を行った。 【0074】この時、陽極酸化装置においては、電源からの電流は、第一給電部に設けられた第一給電電極に流れ、電解液を介して板状アルミニウムに流れ、第一電解部で板状アルミニウムの表面に酸化皮膜を生成させ、第一給電部に設けられた電解電極を通り、電源に戻る。一方、電源からの電流は、第二給電部に設けられた第二給電電極に流れ、同様に電解液を介して板状アルミニウムに流れ、第二電解部で板状アルミニウムの表面に酸化皮膜を生成させるが、電源から第一給電部に給電される電気量と電源から第二給電部に給電される電気量は同じであり、第二給電部における酸化皮膜面での給電電流密度は、約25(A/dm2)であった。第二給電部では、1.35g/m2の酸化皮膜面から給電することになった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。ここまでの基板を[A]とする。基板[A]において、ブラシ研磨工程(a)を除いて作製した基板を[B]とする。基板[B]において、陽極酸化時の電流密度を変えて最終的な酸化皮膜量が0.4g/m2のものを基板[C]、5g/m2のものを基板[D]とする。 【0075】(画像形成層1の画像形成方法)次に下記の手順によりSG法の液状組成物(ゾル液)を調整した。ビーカーに下記組成物を秤量し、25℃で20分間撹拌した。 【0076】 Si(OC2H5)4 38g 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 13g 85%リン酸水溶液 12g イオン交換水 15g メタノール 100g【0077】その溶液を三口フラスコに移し、還流冷却器を取り付けた三口フラスコを室温のオイルバスに浸した。三口フラスコの内容物をマグネティックスターラーで撹拌しながら、30分間で50℃まで上昇させた。浴温を50℃に保ったまま、更に1時間反応させ液状組成物(ゾル液)を得た。このゾル液をメタノール/エチレングリコール=20/1(重量比)で0.5重量%になるように希釈して基板にホイラー塗布し、100℃1分乾燥させた。その時の塗布量は4mg/m2であった。この塗布量もケイ光X線分析法によりSi元素量を求め、それを塗布量とした。 【0078】このように処理されたアルミニウム板上に、下記組成の高感度光重合性組成物を乾燥塗布量が1.4g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光層を形成した。 【0079】 [光重合性組成物] ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.0 g アリルメタアクリレート/メタクリル酸 2.0 g 共重合体(共重合モル比75/25) 特開平10−237118中に記載の化合物 0.50g No.I−19 特開平10−237118中に記載の化合物 0.06g No.B−2 特開平10−237118中に記載の化合物 0.10g No.C−2 メチルエチルケトン 20 g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20 g【0080】この感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500)の3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2.5g/m2となるように塗布し、120℃で3分間乾燥させ、感光性平版印刷版を得た。これらの版をCSI社製PLATE−JET4(FD−YAGレーザー10.8mW、532nm)を用い種々のエネルギーで、4000dpi175線/インチの条件で1%きざみで1〜99%をそれぞれ2箇所づつ露光した。その後120℃に20秒間さらし、後加熱処理を施した。 【0081】現像は、下記の現像液に25℃で、30秒間浸漬して行った。 (現像液) 1Kケイ酸カリウム 30g 水酸化カリウム 15g C12H25−C6H4−O−C6H4−SO3Na 3g 水 1000g【0082】次に富士写真フイルム(株)製ガム液FP−2Wを水で2倍に希釈し用法に沿って版面を処理した。耐刷性測定には印刷機として三菱重工製ダイヤIF−2を使用し、インキとしては、大日本インキ社製グラフG(N)を使用した。印刷スタートから5000枚目毎に印刷物をサンプリングしながら150,000枚印刷した。ハイライト部分の2%網点が目視評価で再現することができた印刷枚数をハイライト再現性として表2に示す。 【0083】 【表2】
【0084】*比表面積:実際に測定した表面積/見掛けの表面積実際の表面積は、ユアサアイオニクス製カンタソーブにて、ヘリウムと0.1%クリプトンの混合ガスの吸着量から物理吸着を前提に算出した。具体的には、支持体を3cm×6cmの大きさに切り、このときの見掛けの表面積は18cm2である。この切り出した支持体を6cm×2mmに切ったサンプルを15個つくる。これをU字管に入れN2を流しながら180℃で1時間脱気処理したのち、カンタソーブの測定位置に固定して、ヘリウムと0.1%クリプトン混合ガスを流しながら検出器を安定させる。該U字管を液体チッ素に浸し十分冷却した後、室温に自然に戻るときに放出される吸着ガスを検出し、その検出値から算出される表面積を実際の表面積とした。 【0085】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、感光層と支持体とが強固に密着し、高感度で酸性のプレートクリーナーで版面のインキを除去しても又多量の印刷を行ってもハイライトが飛ばず、耐刷性があるレーザー書き込み可能な感光性平版印刷版を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月16日(2000.3.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105647 【弁理士】 【氏名又は名称】小栗 昌平 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−264990(P2001−264990A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−74343(P2000−74343) |
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