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【発明の名称】 感光材料包装体
【発明者】 【氏名】山合 啓之

【氏名】岸野 好雅

【氏名】高倉 一徳

【要約】 【課題】包装作業が簡単で、かつバルクロールの固着や変形が発生しない感光材料包装体を提供すること、あわせて、地球環境保護運動の高まりに呼応し、木製や金属製の部材を一切使わず、リサイクル可能な部材で製造できるようにすることである。

【解決手段】巻芯とこの巻芯に巻き付けられたロール状感光材料の全体を、遮光フィルムにより被包したことを特徴とする感光材料包装体である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】巻芯とこの巻芯に巻き付けられたロール状感光材料の全体を、遮光フィルムにより被包したことを特徴とする感光材料包装体。
【請求項2】前記遮光フィルムが筒状であることを特徴とする請求項1記載の感光材料包装体。
【請求項3】遮光フィルムで被包されたロール状感光材料を、段ボール製の緩衝胴受け具に載せ、ロール状感光材料の周面下半部を下から支える形態で保持することを特徴とする感光材料包装体。
【請求項4】請求項3記載のロール状感光材料が、請求項1又は2に記載の被包、遮光されたロール状感光材料であることを特徴とする感光材料包装体。
【請求項5】請求項3又は4に記載のロール状感光材料の両端面には、各々ロール状感光材料の高さよりも高い補強板を添え、この補強板ごと上記ロール状感光材料を外箱で被装し、多段積みに際しても、緩衝胴受け具には載置されたロール状感光材料の重量以上の重量がかからない構成としたことを特徴とする感光材料包装体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロール状感光材料の包装体、特に感光材料バルクロール(本明細書においては、単にバルクロールという。)の包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バルクロール包装体として、実公昭56−12235号、実開平3−53243号、特許第2,683,938号等に記載の技術が知られている。最も改良された技術と思われる特許第2,683,938号公報では、遮光性・防湿性を持つフィルムでロール状の感光材料の周面と側面を被包し、その両端を接着テープで巻芯の外周に固定し、木箱に宙吊りして保持する方式の包装体が開示されている。
【0003】この技術は、写真フィルムや印画紙を遮光、防湿的に包装するには、図4に示すように、巻芯11に巻き付けられたバルクロール12の周面に、クラフト紙13を巻き付け、その上から遮光フィルム14を巻き付け、側面で略90度折り曲げ側面を遮蔽した後、巻芯に接する箇所を輪ゴム15で仮固定し、遮光フィルム両端を巻芯に接着テープ16で固定している。さらに、バルクロールは図5に示すように、巻芯11の両側に設けたガイド板17に係合させ、木箱18の中に宙吊り状態で保持されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した包装体について本発明者らは研究を続けた結果、(1)遮光フィルムを巻芯の外側に接着しているため、巻芯の材質によっては巻芯の内側から侵入する湿気を遮ることができず、完全な防湿を行うことができないこと、これによって、感光材料の固着が発生することがあること、また、(2)バルクロールを巻芯の両端で宙吊りの形態で保持しているため、元巻の荷重が巻芯の下部に集中し、輸送時の扱いや輸送経路の路面状態によって巻芯が凹み、感光材料の変形を発生させることがあること、が判明した。
【0005】上記(2)の問題を解決するため、特開2000−33943号には、円筒状製品の折目線を有する湾曲した積載面、梁面及び直立面を含む2個の略三角柱部と、底面部とから本質的になる円筒状製品搬送用支持具であって、四角形の段ボールシートの両端部をそれぞれ断面が略三角形に内側に折曲げることにより、前記2本の略三角柱部が、お互いに平行状に接近して形成されており、かつ、円筒状製品積載時に前記2個の略三角柱部の梁面と底面部との間に浮揚空間が形成される支持具(この略三角形柱部の三角柱が、略二等辺三角柱又は略直角三角柱であること、また、前記略三角柱部の梁面又は直立面に補強板を有することが好ましい。)が開示されている。この支持具を本明細書において緩衝胴受け具と言う。
【0006】この特開2000−33943号には、パレット上に緩衝胴受け具を複数使用して多段積みすることが提案されている(当該公報の図7参照)。本発明者の研究によれば、(3)この多段積み構成では、下段側の緩衝胴受け具には、直接載置されたロール状感光材料の重量に加え、上段側の緩衝受け具に載置されたロール状感光材料の重量が掛かり下段側の感光材料について圧力カブリの原因になる場合があることが判明した。
【0007】本発明は以上の(1)及び(3)の問題を解決し、包装作業が簡単で、かつバルクロールの固着や変形が発生しない感光材料包装体を提供することを目的とする。あわせて、地球環境保護運動の高まりに呼応し、木製や金属製の部材を一切使わず、リサイクル可能な部材で製造できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記構成によって達成される。
1.巻芯とこの巻芯に巻き付けられたロール状感光材料の全体を、遮光フィルムにより被包したことを特徴とする感光材料包装体。
2.前記遮光フィルムが筒状であることを特徴とする前記1記載の感光材料包装体。
3.遮光フィルムで被包されたロール状感光材料を、段ボール製の緩衝胴受け具に載せ、ロール状感光材料の周面下半部を下から支える形態で保持することを特徴とする感光材料包装体。
4.前記3記載のロール状感光材料が、前記1又は2に記載の被包、遮光されたロール状感光材料であることを特徴とする感光材料包装体。
5.前記3又は4に記載のロール状感光材料の両端面には、各々ロール状感光材料の高さよりも高い補強板を添え、この補強板ごと上記ロール状感光材料を外箱で被装し、多段積みに際しても、緩衝胴受け具には載置されたロール状感光材料の重量以上の重量がかからない構成としたことを特徴とする感光材料包装体。
【0009】好ましい本発明の感光材料包装体は、巻芯とこの巻芯に巻き付けられたロール状感光材料と、感光材料の周面を被包する遮光紙、及び感光材料の周面と側面、巻芯を一括して被包する筒状の遮光フィルムとを具備する。筒状の遮光フィルムの両端を遮蔽するには、一回折り曲げた後、縛ることで実現する。縛るための材料としては、紐、粘着テープなど緩まなければ材料は問わない。
【0010】また、遮光フィルムで被包されたロール状感光材料を、段ボール製の緩衝胴受け具に載せ、ロール状感光材料の周面下半部を下から支える形態で保持する。これにより巻芯の変形、それに起因するバルクロール芯側の感光材料の変形を防止する。
【0011】さらに緩衝胴受け具の上面と、バルクロール周面との接触部には必要に応じてクッション材を挿入することでバルクロール巻外側の感光材料の変形・圧力カブリをより効果的に防止する。
【0012】本発明は、巻芯に巻き付けられる全ての感光材料に適用できるが、特にバルクロールなどの大型の重量の大きいロール状感光材料において有効である。
【0013】本発明の感光材料包装体では、筒状の遮光フィルムがロール状感光材料と巻芯を一括して被包し、遮光性と防湿性を確保している。
【0014】また、パレット、緩衝胴受け具、外箱、補強板など、全て段ボールで製造することができ、部材のリサイクルとあわせて地球環境の保護にも寄与する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について述べる。本発明の巻芯としては、バルクロールのようなロール状感光材料を巻き付ける際の張力に耐えられる公知のものが特別の制限なく用いられる。この巻芯に巻き付けられたロール状感光材料の両側面と周面を一括して被包し、かつ巻芯に固定されない筒状の遮光フィルムは、単層のものでも、積層のものでもよいし、また、遮光紙と遮光フィルムとの組み合わせでもよい。
【0016】本発明の緩衝胴受け具は、ロール状感光材料周面の下半部との接触部に必要に応じてクッション材が介在される構成と相俟って、サスペンション胴受けの役目を果たし、ロール状感光材料の周面下半部を下から全面的に支える形態である。そして、ロール状感光材料の両側面はロール状感光材料の高さよりも高い補強板によって保護される構成である。このロール状感光材料は、この両側を保護している補強板ごと外箱によって被装される。この外箱にかかる重量は、緩衝胴受け具にかかることがない構成である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0018】図1は本発明に係る感光材料包装体の一実施例の断面図、図2は同上の作業過程を示す斜視図、図3は同上の最終的な包装状態を示す斜視図である。
【0019】図1において、符号1は巻芯で、巻き付け時の張力に耐えられる強度があれば材質は問わない。この巻芯には従来と同様にバルクロール2が巻き付けられている。バルクロールの周面には遮光紙3を数回巻き付け、遮光紙の上から、筒状の遮光フィルム4を被せ、その両端をバルクロールの側面に沿って絞り、先端を一回折り曲げた後、紐などの結束材で縛る。縛った両端は巻芯1の内側に押し込む。尚、遮光紙3及び遮光フィルム4は単層又は積層遮光フィルムないしシートであってもよい。
【0020】この遮光包装された包装体は、図2に示すようにパレット5に固定された緩衝胴受け具6上に、必要に応じてクッション材7として発泡ポリエチレンシートなどを敷き、載せられる。包装体の両側面には補強板8を添え、上から外箱9を被せ、バンドなどの結束材10で縛って包装が完成する。包装体は、下半部を緩衝胴受け具6に下から支えられる形態で保持され、輸送される。
【0021】本発明において巻芯1は、外径100〜300mm、好ましくは150〜200mm、さらに好ましくは160〜180mmであり、長さは1000〜1600mm、好ましくは1100〜1400mmの紙製であり、バルクロールは直径500〜700mm、好ましくは600〜650mmであり、長さ900〜1500mm、好ましくは1000〜1400mmである。遮光紙3は写真性に悪影響を与えない85.6g/m2のものを二重に巻き付けた。筒状の遮光フィルム4は、直径670mm・長さ2500mm・厚さ0.09mm、カーボン含有量40%の黒マスターバッチを5%含む高圧法ポリエチレン製のものを二枚重ねて使用した。筒状の遮光フィルムの両端は、長さ300mmのインシュロック(図示せず)を用い縛った。
【0022】パレット5、緩衝胴受け具6、補強板8、外箱9は、全て強化段ボール製である。また、バンド10は外箱の浮き上がりを防止するためのもので、幅15mmのポリプロピレン製を使用した。特に、強化段ボール製補強板8の使用によって、包装体の圧迫耐性を格段に高め、4段積み以上の多段積みを可能とした。即ち、上段側のロール状の感光材料の重量は、パレット5にかかり、下段側の緩衝胴受け具6にかかることがなく、補強板8の強化によって、各々の緩衝胴受け具は、直接載置されたロール状の感光材料の重量を受け持つだけでよい構成である。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、筒状の遮光フィルムでロール状の感光材料を巻芯と共に防湿的に遮光包装し、また、緩衝胴受け具に載せ、両側面に補強板を添え、外箱を被せ、バンドで縛る方式としたため、包装作業と開梱作業が極めて簡素になったばかりでなく、多段積みが可能となり、前記(1)及び(3)の課題が解決できた。また従来のように、木箱やガイド板などの木製部材を使用しないため、薫蒸処理が不要でかつ環境に優しい包装形態となった。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【代理人】 【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
【公開番号】 特開2001−305697(P2001−305697A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−120405(P2000−120405)