| 【発明の名称】 |
熱現像感光材料 |
| 【発明者】 |
【氏名】長池 千秋
【氏名】上田 栄一
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| 【要約】 |
【課題】カブリの少ない画像を提供することができ、画像形成後の保存に対して保存安定性、寸法安定性、カール湿度依存性、硬度、ブロッキング性に優れた熱現像感光材料を提供すること。
【解決手段】支持体上に非感光性有機銀塩、この有機銀塩の還元剤、およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で乳化重合して得られるポリマーラテックスを少なくとも一種含有することを特徴とする熱現像感光材料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に非感光性有機銀塩、この有機銀塩の還元剤、およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で乳化重合して得られるポリマーラテックスを少なくとも一種含有することを特徴とする熱現像感光材料。 【請求項2】 支持体上に非感光性有機銀塩、この有機銀塩の還元剤、およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、下記単量体(a)〜(e)を、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で乳化重合して得られるポリマーラテックスを少なくとも一種含有することを特徴とする熱現像感光材料。 (a)下記一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステル単量体20〜99質量%、(b)分子内にカルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体0〜10質量%、(c)分子内にグリシジル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体1〜20質量%、(d)分子内に1個のラジカル重合性不飽和基のほかに少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記(b)及び(c)以外の単量体0〜10質量%、(e)上記(a)〜(d)と共重合可能な該(a)〜(d)以外の単量体0〜80質量%、但し、(a)〜(e)の合計を100質量%とする。 【化1】
(式中、R1は水素又はメチル基、R2は炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。) 【請求項3】 上記単量体(d)が下記(d−1)〜(d−3)の群から選ばれる一種以上の単量体であることを特徴とする請求項2に記載の熱現像感光材料。 (d−1)分子内にアセトアセチル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体、(d−2)分子内にアルコキシシラン基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体、(d−3)分子内にリン含有基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体。 【請求項4】 分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤がアニオン系反応性界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。 【請求項5】 アニオン系反応性界面活性剤が下記一般式(2)で示されることを特徴とする請求項4に記載の熱現像感光材料。 【化2】
(式中、R3は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基、EOは−CH2CH2O−、mは1〜50の自然数である。) 【請求項6】 アニオン系反応性界面活性剤が下記一般式(3)で示されることを特徴とする請求項4に記載の熱現像感光材料。 【化3】
(式中、R3は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基、R4、R5は水素又はメチル基、EOは−CH2CH2O−、X1は単結合又はメチレン基、Mはアルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わし、mは1〜50の自然数である。) 【請求項7】 アニオン系反応性界面活性剤が下記一般式(4)で示されることを特徴とする請求項4に記載の熱現像感光材料。 【化4】
(式中、R3は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基、Mはアルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わし、qは0又は1である。) 【請求項8】 アニオン系反応性界面活性剤が下記一般式(5)で示されることを特徴とする請求項4に記載の熱現像感光材料。 【化5】
(式中、R3は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基、R1は水素又はメチル基、EOは−CH2CH2O−、Mはアルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わし、mは1〜50の自然数である。)
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関し、特に画像形成処理後の画像安定性、寸法安定性、カール湿度依存性、硬度、ブロッキング性に優れた熱現像感光材料に関する。 【0002】 【従来の技術】熱現像処理法を用いて写真画像を形成する熱現像感光材料は、例えば米国特許第3,152,904号、同第3,457,075号およびD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally ProcessedSilver System)」、イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(ImagingProcesses and Materials)、第8版、スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1969年に開示されている。 【0003】このような熱現像感光材料は、還元可能な銀源(例えば、有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化銀)還元剤を、通常有機バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している。熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱した場合に、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光によって発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は可視画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。 【0004】このような熱現像感光材料においては、現像温度の差異による写真性能の変動が大きいことや、現像によるカブリが生じやすいことが問題となっていた。これらの問題点を解決するため、これまでに種々のカブリ防止剤が開発されてきた。例えば、カブリ防止剤の例としては、チオスルホン酸類、スルフィン酸類、水銀化合物、N−ハロゲノ化合物、リチウム塩、過酸化物、過硫酸塩、ロジウム塩、コバルト塩、パラジウム化合物、セリウム化合物、ジスルフィド化合物、ポリマー酸、ポリハロゲン化合物などが知られている。 【0005】これらについては特開昭51−78227号、同50−123331号、米国特許第3,589,903号、特開昭49−10724号、同4−97613号、同49−90118号、同51−22431号、米国特許第3,885,968号、特開昭50−101019号、同50−116024号、同50−134421号、同51−47419号、同51−42529号、同51−51323号、同50−119624号、同50−120328号、同51−121332号、同54−58022号、同56−70543号、同56−99335号、同59−90842号、同61−129642号、同62−129845号、特開平6−208191号、同7−5621号、同7−2781号、同8−15809号、米国特許第5,340,712号、同第5,369,000号、同第5,464,737号などに記載されている。以上のようにカブリ防止剤が精力的に検討されてきたが、実用上に耐えうるカブリレベルとしては依然として不足しており、更なるカブリ防止技術が望まれている。 【0006】また、このような熱現像感光材料においては、定着処理工程、水洗工程が行われず、画像形成に必要な素材を全て画像形成後も感光材料中に残したままで使用されるために、画像形成後に濃度上昇が生じたり、変色したりする問題が生じていて、画像安定性、寸法安定性、カール湿度依存性の優れた材料を提供することが望まれている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カブリの少ない画像を提供することができ、画像形成後の保存に対して保存安定性、寸法安定性、カール湿度依存性、硬度、ブロッキング性に優れた熱現像感光材料を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下記構成により達成された。 【0009】1)支持体上に非感光性有機銀塩、この有機銀塩の還元剤、およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で乳化重合して得られるポリマーラテックスを少なくとも一種含有することを特徴とする熱現像感光材料。 【0010】2)支持体上に非感光性有機銀塩、この有機銀塩の還元剤、およびバインダーを含有する熱現像感光材料において、前記単量体(a)〜(e)を、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で乳化重合して得られるポリマーラテックスを少なくとも一種含有することを特徴とする熱現像感光材料。 【0011】3)前記単量体(d)が前記(d−1)〜(d−3)の群から選ばれる一種以上の単量体であることを特徴とする前記2)に記載の熱現像感光材料。 【0012】4)分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤がアニオン系反応性界面活性剤であることを特徴とする前記1)に記載の熱現像感光材料。 【0013】5)アニオン系反応性界面活性剤が前記一般式(2)で示されることを特徴とする前記4)に記載の熱現像感光材料。 【0014】6)アニオン系反応性界面活性剤が前記一般式(3)で示されることを特徴とする前記4)に記載の熱現像感光材料。 【0015】7)アニオン系反応性界面活性剤が前記一般式(4)で示されることを特徴とする前記4)に記載の熱現像感光材料。 【0016】8)アニオン系反応性界面活性剤が前記一般式(5)で示されることを特徴とする前記4)に記載の熱現像感光材料。 【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明はカブリが少なく、画像形成後の画像安定性に優れた熱現像感光材料を提供する技術と、その製造方法に関するものであり、詳しくはカルボキシル基含有単量体及びグリシジル基含有単量体を必須成分として含む(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とする単量体(以下、アクリル系単量体ということがある)を、反応性活性剤の存在下で乳化重合してなるアクリル系共重合体であることを特徴とするアクリル系共重合体水性分散液を使用することにより目的を達成することができる。 【0018】本発明は、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で合成されたポリマーラテックスを含有することを特徴とする。通常のポリマーラテックスは高分子合成により製造される。その合成過程は油溶性単量体を通常の界面活性剤の存在下に乳化重合する方法が採用されており、このような界面活性剤としては主にアニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤が使用されることが多いが、これらの界面活性剤は得られるポリマーラテックスから形成される皮膜中に残留し、皮膜の性質に悪影響を及ぼす。本発明においては、これらの感光材料に本来必要でない余分な界面活性剤を単独で存在させないことを目的として、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤の存在下で、油溶性単量体を乳化重合して得られたポリマーラテックスを使用する。 【0019】本発明で言うポリマーラテックスとは、水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。分散粒子の平均粒径は特に限定しないが、好ましくは10〜5000nm、より好ましくは50〜500nmの範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限はなく、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。 【0020】本発明のポリマーラテックスとしては、通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明のポリマーラテックスの最低造膜温度(MTF)は−30〜90℃、より好ましくは0〜70℃が好ましい。最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載されている。 【0021】本発明のポリマーラテックスに用いられるポリマー種としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはこれらの共重合体などがある。ポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、また架橋されたポリマーでもよい。またポリマーとしては単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。 【0022】コポリマーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマーでもよい。ポリマーの分子量は特に限定しないが、好ましくは数平均分子量で5000〜1000000、より好ましくは10000〜100000が好ましい。分子量が小さすぎるものは感光層の力学強度が不十分となる傾向があり、大きすぎるものは製膜性が悪くなる傾向にある。本発明に用いられるポリマーラテックスのポリマーは、25℃、60%RHでの平衡含水率が2質量%以下、より好ましくは1質量%以下のものであることが好ましい。平衡含水率の定義と測定法については、例えば「高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)」などを参考にすることができる。 【0023】本発明で用いられる上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、i−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート等のアクリル酸の炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキルエステル;例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−シルメタクリレート等のメタクリル酸の炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキルエステル;を挙げることができる。 【0024】上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(a)の使用量は、単量体(a)〜(e)の合計100質量%中、20〜99質量%、好ましくは20〜60質量%であるのがよい。単量体(a)の使用量が該下限量未満と少な過ぎては、又は該上限量を超えて多過ぎては、皮膜の性質に悪影響を及ぼすので好ましくない。 【0025】前記分子内にカルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体(b)としては、分子内に1つ又は2つ以上のカルボン酸を含むものであり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸等が好適に使用できる。 【0026】このような単量体(b)の使用量は、単量体(a)〜(e)の合計100質量%中、0〜10質量%、好ましくは1〜7質量%である。該単量体(b)使用量が該下限値未満と少な過ぎては、又は該上限量を超えて多すぎては、皮膜の性質上悪影響を及ぼすので好ましくない。 【0027】前記の分子内にグリシジル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体(c)としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクレート、グリシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルビニルエーテル、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アリルエーテルなどが挙げられる。 【0028】上記単量体(c)の使用量は、単量体(a)〜(e)の合計100質量%中、1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%である。該単量体(c)使用量が該下限値未満と少な過ぎては、又は該上限量をを超えて多すぎては、皮膜の性質上悪影響を及ぼすので好ましくない。前記の分子内に1個のラジカル重合性不飽和基のほかに、少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記(b)及び(c)以外の単量体(d)としては、下記(d−1)〜(d−6)の単量体類が使用できる。 【0029】(d−1)分子内にアセトアセチル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体(d−2)分子内にアルコキシシラン基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体(d−3)分子内にリン含有基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体(d−4)分子内に水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体(d−5)分子内にアミド基又は置換アミド基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体(d−6)分子内にアミノ基又は置換アミノ基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体上記単量体(d−1)としては、下記一般式(6)で示される単量体を使用することができる。 【0030】 【化6】
【0031】式中、R1は一般式(1)のR1と同義であり、R3は水素又はメチル基、Xは単結合、メチレン基、COOZ1、CONHZ2であって、Z1、Z2は炭素数1〜6のアルキレン基であり、Y1は水素又はCNである。 【0032】このような上記(d−1)の単量体としては、例えばアセト酢酸ビニル、アセト酢酸(メタ)アリル等のアセト酢酸のアルケニルエステル類;例えば、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、4−シアノアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸と(置換)アセト酢酸とのジエステル;例えば、2−アセトアセトキシエチルクロトネート、2−アセトアセトキシプロピルクロトネート、3−アセトアセトキシプロピルクロトネート等のアルキレングリコールのクロトン酸とアセト酢酸とのジエステル;例えば、N−アセトアセトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキロール(メタ)アクリルアミドのアセト酢酸エステル等を挙げることができる。 【0033】また単量体(d−1)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、カプロラクトン等のラクトンとの付加体からなるラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをアセト酢酸によりエステル化するか、又は、該ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートをジケテンによりアセトアセチル化することにより得られるラクトン変性ヒドロキシアルキルグリコールの(メタ)アクリル酸アセト酢酸ジエステルも使用可能である。 【0034】これら単量体(d−1)の中でも、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、4−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレートの使用が特に好適である。 【0035】前記単量体(d−2)の分子内にアルコキシシラン基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、加水分解型のものが好適であり、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メタクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、3−メタクリロオキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。これらの中でも3−メタクリロオキシプロピルトリメトキシシランが特に好適に使用できる。 【0036】前記単量体(d−3)の分子内にリン含有基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えばリン酸モノヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、リン酸ジヒドロキシメチルジ(メタ)アクリレート、リン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、リン酸ジヒドロキシエチルジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ−3−ヒドロキシプロピルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 【0037】前記単量体(d−4)の分子内に水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アリルエーテル、3−ヒドロキシルプロピル(メタ)アリルエーテル、4−ヒドロキシルブチル(メタ)アリルエーテル、アリルアルコール等が挙げられる。 【0038】前記単量体(d−5)の分子内にアミド基又は置換アミド基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等、前記単量体(d−6)の分子内にアミノ基又は置換アミノ基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。 【0039】これら単量体(d−1)〜(d−6)はそれぞれ単独で用いることができ、又は2種以上併用することができ、その共重合量は、単量体(d−1)〜(d−6)の合計量として、単量体(a)〜(e)の合計100質量%に対し、一般に0〜10質量%の範囲で使用できるが、造膜性能と感光材料への悪影響とのバランスを勘案するとき、0.5〜5質量%の範囲内で用いるのが好ましい。これら単量体(d−1)〜(d−6)のうち、皮膜の性質から単量体(d−1)〜(d−3)の使用が特に好ましい。 【0040】前記の単量体(e)、すなわち前記(a)〜(d)と共重合可能な該(a)〜(d)以外の単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノビニル単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」等を挙げることができる。これら単量体(e)は、通常、皮膜の性質等の向上を目的に使用するものであり、その共重合量は、単量体(a)〜(e)の合計100質量%に対して、一般に0〜80質量%の範囲であるのがよい。 【0041】本発明で用いられる反応性界面活性剤としては、アニオン系の界面活性剤であり、例えば(メタ)アリル基、(メタ)アクリル基、スチリル基などのラジカル重合性不飽和基を有する界面活性剤が単独で又は2種以上組合わせて使用できる。 【0042】上記一般式(2)で示されるアニオン系反応性界面活性剤の具体例としては、例えば「アデカリアソープSE−10N」、「アデカリアソープSE−20N」、「アデカリアソープSE−30N」〔以上、旭電化工業(株)製〕を;上記一般式(3)で示されるアニオン系反応性界面活性剤の具体例としては、例えば「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、「アクアロンHS−30」〔以上、第一工業製薬(株)製〕を;上記一般式(4)のアニオン系反応性界面活性剤の具体例としては、例えば「ラテムルS−120」、「ラテムルS−120A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルS−180A」〔以上、花王(株)製〕、「エレミノールJS−2」〔三洋化成工業(株)製〕等を;上記一般式(5)のアニオン系反応性界面活性剤の具体例としては、例えば「アントックスMS−60」〔日本界面活性剤(株)製〕等を;それぞれ挙げることができる。 【0043】またその他のアニオン系反応性界面活性剤としては、例えば「ラテムルASK」〔花王(株)製〕等のアルキルアルケニルコハク酸エステル塩系反応性界面活性剤;例えば、「エレミノールRS−30」〔三洋化成工業(株)製〕等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート硫酸エステル塩系反応性界面活性剤;例えば、「RA−1120」、「RA−2614」〔以上、日本乳化剤(株)製〕等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル脂肪族不飽和ジカルボン酸エステル塩系反応性界面活性剤;例えば、「アントックスMS−2N」〔日本乳化剤(株)製〕等の(メタ)アクリル酸スルホアルキルエステル塩系反応性界面活性剤;フタル酸ジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート硫酸エステル塩系反応性界面活性剤;例えば、「H−3330PL」〔第一工業製薬(株)製〕等のモノもしくはジ(グリセロール−1−アルキルフェニル−3−アリル−2−ポリオキシアルキレンエーテル)リン酸エステル塩系反応性界面活性剤;などを挙げることができる。 【0044】本発明においては、ノニオン系反応性界面活性剤を併用することも可能であり、例えば、下記一般式(7)及び(8)で示される反応性界面活性剤を挙げることができる。 【0045】 【化7】
【0046】式中、R3は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基、R4、R5は水素又はメチル基、EOは−CH2CH2O−、X1は単結合又はメチレン基、mは1〜50の自然数である。 【0047】上記一般式(7)で示されるノニオン系反応性界面活性剤の具体例としては、例えば「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」〔以上、旭電化工業(株)製〕等を;上記一般式(8)で示されるノニオン系反応性界面活性剤の具体例としては、例えば「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−50」〔以上、第一工業製薬(株)製〕等を;それぞれ挙げることができる。またその他のノニオン系反応性界面活性剤としては、例えば「RMA−564」、「RMA−568」〔以上、日本乳化剤(株)製〕等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(メタ)アクリレート系反応性界面活性剤;例えば、「RMA−1114」〔日本乳化剤(株)製〕等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(メタ)アクリレート系反応性界面活性剤;などを挙げることができる。 【0048】これら反応性界面活性剤の使用量は特に限定はしないが、本発明におけるアクリル系共重合体を構成する前記の必須単量体(a)〜(c)及び必要に応じて用いる単量体(d)〜(e)の合計100質量部当り、一般に0.1〜30質量部、好ましくは2〜20質量部の範囲で用いるのがよい。 【0049】本発明のアクリル系共重合体水性分散液の乳化重合に際しては、得られる共重合体水性分散液の性能に悪影響を及ぼさない範囲において、以上述べた反応性界面活性剤とともに必要に応じて、通常のアニオン系及び/又はノニオン系界面活性剤を併用することができる。 【0050】上記通常のノニオン系界面活性剤類として特に限定はしないが、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;例えば、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等を例示することができる。 【0051】また前記通常のアニオン系界面活性剤類としては、例えばオレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;例えば、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;等を例示することができる。 【0052】これら通常の界面活性剤を前記反応性界面活性剤と併用する場合には、これら通常の界面活性剤を適宜組合わせて使用するのがよく、その使用量としては一般に前記単量体(a)〜(e)の合計100質量部当り0〜1質量部程度の量を例示できる。 【0053】本発明のアクリル系共重合体水性分散液の乳化重合に際しては、得られる共重合体水性分散液の性能に悪影響を及ぼさない範囲において、以上述べた反応性界面活性剤及び必要に応じて用いる前記通常のアニオン系及び/又はノニオン系界面活性剤とともに水溶性保護コロイドを併用することもできる。 【0054】上記の水溶性保護コロイドとしては、例えば部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;及びグアガムなどの天然多糖類;などが挙げられ、これらは、単独でも複数種併用の態様でも利用できる。水溶性保護コロイドの使用量としては、前記単量体(a)〜(e)の合計100質量部当り0〜0.5質量部程度である。 【0055】本発明の熱現像感光材料の感光層のバインダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例としては、以下のようなものがある。メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート/2エチルヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックスなど。 【0056】本発明の非感光性有機銀塩含有層、および/または感光性ハロゲン化銀含有層および/または還元剤含有層は、全バインダーの50質量%以上が上記ポリマーラテックスであることが好ましいが、70質量%以上が上記ポリマーラテックスであることがさらに好ましい。これらの層には必要に応じて全バインダーの50質量%以下の範囲で、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は、上記層の全バインダーの30質量%以下が好ましい。 【0057】本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)および還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。有機銀塩は銀イオンを還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28)長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好ましい。配位子が4.0〜10.0の範囲の錯安定定数を有する有機または無機銀塩の錯体も好ましい。銀供給物質は、好ましくは画像形成層の5〜70質量%を構成することができる。好ましい有機銀塩はカルボキシル基を有する有機化合物の銀塩を含む。これらの例は、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を含むがこれらに限定されることはない。 【0058】脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、これらの混合物などを含む。 【0059】メルカプト基またはチオン基を含む化合物の銀塩およびこれらの誘導体を使用することもできる。これらの化合物の好ましい例としては、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−メルカプトベンズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾールの銀塩、2−(エチルグリコールアミド)ベンゾチアゾールの銀塩、S−アルキルチオグリコール酸(ここでアルキル基の炭素数は12〜22である)の銀塩などのチオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩などのジチオカルボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5−カルボキシル−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンズオキサゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号に記載の銀塩、例えば3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チアゾールの銀塩などの1,2,4−メルカプトチアゾール誘導体の銀塩、米国特許第3,301,678号に記載の3−(3−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩などのチオン化合物の銀塩を含む。さらに、イミノ基を含む化合物も使用することができる。これらの化合物の好ましい例としては、ベンゾトリアゾールの銀塩およびそれらの誘導体、例えばメチルベンゾトリアゾール銀などのベンゾトリアゾールの銀塩、5−クロロベンゾトリアゾール銀などのハロゲン置換ベンゾトリアゾールの銀塩、米国特許第4,220,709号に記載のような1,2,4−トリアゾールまたは1−H−テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体の銀塩などを含む。例えば、米国特許第4,761,361号および同第4,775,613号に記載のような種々の銀アセチリド化合物をも使用することもできる。 【0060】本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はないが、短軸と長軸を有する針状結晶が好ましい。本発明においては短軸0.01μm以上、0.20μm以下、長軸0.10μm以上、5.0μm以下が好ましく、短軸0.01μm以上、0.15μm以下、長軸0.10μm以上、4.0μm以下がより好ましい。有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。 【0061】単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては、有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積荷重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積荷重平均直径で割った値の100分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定方法としては、例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体積荷重平均直径)から求めることができる。 【0062】本発明に用いることのできる有機銀塩は、粒子サイズの小さい、凝集のない微粒子を得る目的で、分散剤を使用した固体微粒子分散物とする方法が用いられる。有機銀塩を固体微粒子分散化する方法は、分散助剤の存在下で公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル)を用い、機械的に分散することができる。 【0063】有機銀塩を分散剤を使用して固体微粒子化する際には、例えばポリアクリル酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸共重合体などの合成アニオンポリマー、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのアニオン系ポリマー、特開昭52−92716号、WO88/04794号などに記載のアニオン系界面活性剤、特開平9−179243号に記載の化合物、あるいは公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系界面活性剤や、その他ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の公知のポリマー、或いはゼラチン等の自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いることができる。 【0064】分散助剤は、分散前に有機銀塩の粉末またはウェットケーキ状態の有機銀塩と混合し、スラリーとして分散機に送り込むのは一般的な方法であるが、予め有機銀塩と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒による処理を施して有機銀塩粉末またはウェットケーキとしてもよい。分散前後または分散中に適当なpH調整剤によりpHコントロールしてもよい。 【0065】機械的に分散する以外にも、pHコントロールすることで溶媒中に粗分散し、その後、分散助剤の存在下でpHを変化させて微粒子化させてもよい。このとき、粗分散に用いる溶媒として有機溶媒を使用してもよく、通常有機溶媒は微粒子化終了後除去される。調製された分散物は、保存時の微粒子の沈降を抑える目的で攪拌しながら保存したり、親水性コロイドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用しゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防腐剤を添加することもできる。 【0066】本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2である。 【0067】本発明では感光性ハロゲン化銀を用いることが好ましい。本発明における感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えばリサーチ・ディスクロージャー1978年6月の第17029号および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができる。 【0068】本発明で用いることのできる具体的な方法としては、調製された有機銀塩中にハロゲン含有化合物を添加することにより有機銀塩の銀の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する方法、ゼラチンあるいは他のポリマー溶液の中に銀供給化合物およびハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀粒子を調製し、有機銀塩と混合する方法を用いることができる。本発明において好ましくは後者の方法を用いることができる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.01μm以上、0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上、0.12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には、主表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。その他正常晶でない場合、例えば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。 【0069】ハロゲン化銀粒子の形状としては、立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は、好ましくは100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:1がよい。更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については、特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数{100}面の比率は、増感色素の吸着における{111}面と{100}面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。 【0070】感光性ハロゲン化銀のハロゲン組成としては、特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀のいずれであってもよいが、本発明においては臭化銀、あるいはヨウ臭化銀を好ましく用いることができる。特に好ましくはヨウ臭化銀であり、ヨウ化銀含有率は0.1モル%以上、40モル%以下が好ましく、0.1モル%以上、20モル%以下がより好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよいが、好ましい例として粒子内部のヨウ化銀含有率の高いヨウ臭化銀粒子を使用することができる。また、好ましくはコア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を用いることができる。構造としては好ましくは2〜5重構造、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。 【0071】本発明の感光層は、水系の塗布液を塗布後乾燥して形成することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の30質量%以上、特に50質量%以上、さらには70〜100質量%が水であることをいう。塗布液の水以外の成分は、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。具体的な溶媒組成の例としては、以下のようなものがある。水/メタノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/エタノール=90/10、水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホルムアミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=90/5/5(ただし数字は質量%を表す)本発明の感光層では、全バインダー量は0.2〜30g/m2、より好ましくは1〜15m2の範囲が好ましい。 【0072】本発明の感光層には必要に応じて還元剤、有機銀塩、色調剤、カブリ防止剤などを添加してもよい。更に本発明の感光層には色調調整のための染料、架橋の為の架橋剤、塗布性改良の為の界面活性剤などを添加してもよい。 【0073】本発明における熱現像感光材料は、支持体の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光層を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材料であることが好ましい。片面感光材料は、搬送性改良のためにマット剤を添加してもよい。マット剤は、一般に水に不溶性の有機または無機化合物の微粒子である。マット剤としては任意のものを使用でき、例えば米国特許第1,939,213号、同第2,701,245号、同第2,322,037号、同第3,262,782号、同第3,539,344号、同第3,767,448号等に記載の有機マット剤、米国特許第1,260,772号、同第2,192,241号、同第3,257,206号、同第3,370,951号、同第3,523,022号、同第3,769,020号等に記載の無機マット剤など、当業界でよく知られたものを用いることができる。 【0074】例えば、具体的にはマット剤として用いることのできる有機化合物の例としては、水分散性ビニル重合体の例としてポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなど、セルロース誘導体の例としてはメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなど、澱粉誘導体の例としてカルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムアルデヒド−澱粉反応物など、公知の硬化剤で硬化したゼラチンおよびコアセルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなど好ましく用いることができる。無機化合物の例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土などを好ましく用いることができる。 【0075】上記のマット剤は必要に応じて異なる種類の物質を混合して用いることができる。マット剤の大きさ、形状に特に限定はなく、任意の粒径のものを用いることができる。本発明の実施に際しては0.1〜30μmの粒径のものを用いるのが好ましい。また、マット剤の粒径分布は狭くても広くてもよい。一方、マット剤は感光材料のヘイズ、表面光沢に大きく影響することから、マット剤作製時あるいは複数のマット剤の混合により、粒径、形状および粒径分布を必要に応じた状態にすることが好ましい。本発明において、マット剤は熱現像感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。 【0076】本発明においてバック層の好適なバインダーは、透明または半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えばゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)およびポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水または有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。 【0077】本発明には塗布性、帯電改良などを目的として界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の例としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、フッ素系などいかなるものも適宜用いられる。具体的には、特開昭62−170950号、米国特許第5,380,644号などに記載のフッ素系高分子界面活性剤、特開昭60−244945号、同63−188135号などに記載のフッ素系界面活性剤、米国特許第3,885,965号などに記載のポリシロキ酸系界面活性剤、特開平6−301140号などに記載のポリアルキレンオキサイドやアニオン系界面活性剤などが挙げられる。 【0078】本発明に用いられる溶剤の例としては、新版溶剤ポケットブック(オーム社、1994年刊)などに挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明で使用する溶剤の沸点としては40℃以上、180℃以下のものが好ましい。溶剤の例としてはヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、1,1,1−トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン、チオフェン、トリフルオロエタノール、パーフルオロペンタン、キシレン、n−ブタノール、フェノール、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、炭酸ジエチル、クロロベンゼン、ジブチルエーテル、アニソール、エチレングリコールジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、モルホリン、プロパンスルトン、パーフルオロトリブチルアミン、水などが挙げられる。 【0079】本発明における熱現像用写真乳剤は、種々の支持体上に被覆させることができる。典型的な支持体は、ポリエステルフィルム、下塗りポリエステルフィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、硝酸セルロースフィルム、セルロースエステルフィルム、ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリカーボネートフィルムおよび関連するまたは樹脂状の材料、ならびにガラス、紙、金属などを含む。可撓性基材、特に、部分的にアセチル化された、もしくはバライタおよび/またはα−オレフィンポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテンコポリマーなどの炭素数2〜10のα−オレフィンのポリマーによりコートされた紙支持体が、典型的に用いられる。該支持体は透明であっても不透明であってもよいが、透明であることが好ましい。 【0080】 【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0081】合成例1〈ポリマーラテックスLX−1の合成〉1000mlの四ツ口フラスコにフルゾーン翼撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温が70℃となるまで加熱した。分散剤として本発明に係わるエレミノールJS−2を添加し、モノマーとしてスチレン80g、n−ブチルアクリレート20gを混合し、その内10g(モノマー全体の10質量%)を滴下した。20分後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.0gを添加し、次いで残りのモノマー90g(モノマー全体の90質量%)を、約1.5時間かけて滴下ロートで滴下する。滴下終了から2時間後、更に重合開始剤を0.1g添加し、その後2.5時間反応を続ける。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、疎水性ポリマー粒子を得る。得られたラテックス液は凝集物を除くため、4枚重ねガーゼで濾別した。 【0082】合成例2〈ポリマーラテックスLX−2の合成〉1000mlの四ツ口フラスコにフルゾーン翼撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温が70℃となるまで加熱した。分散剤として本発明に係わるエレミノールJS−2を添加し、モノマーとしてスチレン65g、n−ブチルアクリレート20g、グリシジルメタクリレート10g、メタクリル酸5gを混合し、その内10g(モノマー全体の10質量%)を滴下した。20分後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.0gを添加し、次いで残りのモノマー90g(モノマー全体の90質量%)を約1.5時間かけて滴下ロートで滴下する。滴下終了から2時間後、更に重合開始剤を0.1g添加し、その後2.5時間反応を続ける。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、疎水性ポリマー粒子を得る。得られたラテックス液は凝集物を除くため、4枚重ねガーゼで濾別した。 【0083】合成例3〈ポリマーラテックスLX−3の合成〉1000mlの四ツ口フラスコにフルゾーン翼撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温が70℃となるまで加熱した。分散剤として本発明に係わるエレミノールJS−2を添加し、モノマーとしてスチレン65g、n−ブチルアクリレート20g、グリシジルメタクリレート5g、アセトアセトキシエチルメタクリレート10gを混合し、その内10g(モノマー全体の10質量%)を滴下した。20分後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.0gを添加し、次いで残りのモノマー90g(モノマー全体の90質量%)を約1.5時間かけて滴下ロートで滴下する。滴下終了から2時間後、更に重合開始剤を0.1g添加し、その後2.5時間反応を続ける。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、疎水性ポリマー粒子を得る。得られたラテックス液は凝集物を除くため、4枚重ねガーゼで濾別した。 【0084】合成例4〈ポリマーラテックスLX−4の合成〉1000mlの四ツ口フラスコにフルゾーン翼撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温が70℃となるまで加熱した。分散剤として本発明に係わるエレミノールRS−30を添加し、モノマーとしてスチレン40g、n−ブチルアクリレート60gを混合し、その内10g(モノマー全体の10質量%)を滴下した。20分後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.0gを添加し、次いで残りのモノマー90g(モノマー全体の90質量%)を約1.5時間かけて滴下ロートで滴下する。滴下終了から2時間後、更に重合開始剤を0.1g添加し、その後2.5時間反応を続ける。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、疎水性ポリマー粒子を得る。得られたラテックス液は凝集物を除くため、4枚重ねガーゼで濾別した。 【0085】合成例5〈ポリマーラテックスLX−5の合成〉1000mlの四ツ口フラスコにフルゾーン翼撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温が70℃となるまで加熱した。分散剤として本発明に係わるエレミノールRS−30を添加し、モノマーとしてスチレン55g、n−ブチルアクリレート30g、グリシジルメタクリレート10g、メタクリル酸5gを混合し、その内10g(モノマー全体の10質量%)を滴下した。20分後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.0gを添加し、次いで残りのモノマー90g(モノマー全体の90質量%)を約1.5時間かけて滴下ロートで滴下する。滴下終了から2時間後、更に重合開始剤を0.1g添加し、その後2.5時間反応を続ける。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、疎水性ポリマー粒子を得る。得られたラテックス液は凝集物を除くため、4枚重ねガーゼで濾別した。 【0086】合成例6〈ポリマーラテックスLX−6の合成〉1000mlの四ツ口フラスコにフルゾーン翼撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温が70℃となるまで加熱した。分散剤として本発明に係わるエレミノールRS−30を添加し、モノマーとしてスチレン65g、n−ブチルアクリレート20g、グリシジルメタクリレート5g、ビニルトリエトキシシラン10gを混合し、その内10g(モノマー全体の10質量%)を滴下した。20分後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.0gを添加し、次いで残りのモノマー90g(モノマー全体の90質量%)を約1.5時間かけて滴下ロートで滴下する。滴下終了から2時間後、更に重合開始剤を0.1g添加し、その後2.5時間反応を続ける。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、疎水性ポリマー粒子を得る。得られたラテックス液は凝集物を除くため、4枚重ねガーゼで濾別した。 【0087】合成例7〈比較ポリマーラテックスLX−7の合成〉1000mlの四ツ口フラスコにフルゾーン翼撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温が70℃となるまで加熱した。分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1.0g添加した後、モノマーとしてスチレン80g、n−ブチルアクリレート20gを混合し、その内10g(モノマー全体の10質量%)を10分かけて滴下した。さらに開始剤として過硫酸アンモニウム1.0gを添加し、次いで残りのモノマー90g(モノマー全体の90質量%)を滴下ロートで約1.5時間かけて滴下する。滴下終了後4時間そのまま反応を続けた後、水蒸気蒸留で未反応モノマーを除去する。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、疎水性ポリマー粒子を得る。得られたラテックス液は凝集物を除くため、4枚重ねガーゼで濾別した。 【0088】合成例8〈比較ポリマーラテックスLX−8の合成〉1000mlの四ツ口フラスコにフルゾーン翼撹拌機、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を施し、窒素ガスを導入し脱酸素を行いつつ、蒸留水350mlを加えて内温が70℃となるまで加熱した。分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1.0g添加した後、モノマーとしてスチレン80g、n−ブチルアクリレート10g、グリシジルメタクリレート5g、アセトアセトキシエチルメタクリレート5gを混合し、その内10g(モノマー全体の10質量%)を10分かけて滴下した。さらに開始剤として過硫酸アンモニウム1.0gを添加し、次いで残りのモノマー90g(モノマー全体の90質量%)を滴下ロートで約1.5時間かけて滴下する。滴下終了後4時間そのまま反応を続けた後、水蒸気蒸留で未反応モノマーを除去する。その後冷却しアンモニア水でpH6に調整し、疎水性ポリマー粒子を得る。得られたラテックス液は凝集物を除くため、4枚重ねガーゼで濾別した。 【0089】〈比較ポリマーラテックスの限外ろ過〉LX−7 200gに伝導度0.67μS/cmの蒸留水1.8リットルを加え、旭化成工業(株)製マイクローザUFラボモジュールACP−1050を用いて限外ろ過を行った。この操作を繰り返しラテックスの限外ろ過品を得た。LX−8についても同様に限外ろ過を行った。 【0090】実施例1(ハロゲン化銀粒子Aの調製)水700mlにフタル化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30mgを溶解して温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと臭化カリウムと沃化カリウムを92:8のモル比で含む水溶液を、pAg7.8に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。ついで硝酸銀55.4gを含む水溶液476mlと六塩化イリジウム酸二カリウムを6μモル/リットルと臭化カリウムを1モル/リットルで含む水溶液を、pAg7.6に保ちながらコントロールドダブルジェット法で30分間かけて添加した。その後pHを下げて凝集沈降させ脱塩処理をし、フェノキシエタノール0.2gを加え、pH5.9、pAg8.0に調整した。沃化銀含有量コア8モル%、平均2モル%、粒子サイズ0.07μm、投影面積直径の変動係数9%、(100)面比率85%の立方体粒子であった。 【0091】得られたハロゲン化銀粒子Aに対し、温度を60℃に昇温して、銀1モルあたりチオ硫酸ナトリウム85μモルと2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィンセレニドを6μモル、テルル化合物1を1.7μモル、塩化金酸3.9μモル、チオシアン酸220μモルを添加し、120分間熟成した。その後温度を50℃に変更して、増感色素Aをハロゲン化銀1モルに対して9×10-4モル攪拌しながら添加した。更に、沃化カリウムを銀に対して3.7モル%、化合物Aを銀に対して5×10-3モル添加して30分攪拌し、30℃に急冷してハロゲン化銀粒子Aの調製を終了した。 【0092】 【化8】
【0093】(有機酸銀微結晶分散物Aの調製)ベヘン酸40g、ステアリン酸7.3g、水500mlを温度90℃で20分間攪拌し、1M−NaOH187mlを15分間かけて添加し、1Mの硝酸水溶液61mlを添加して50℃に降温した。次に1M硝酸銀水溶液124mlを2分間かけて添加し、そのまま40分間攪拌した。その後、遠心濾過で固形分を濾別し、濾水の伝導度30μS/cmになるまで固形分を水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして取り扱い、乾燥固形分33.4g相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール12gおよび水150mlを添加し、よく混合してスラリーとした。このスラリーを分散機(商品名;マイクロフルイダイザーM−110−E/H、マイクロフルイデックス・コーポレーション製、壁面衝突型チャンバー)に装入し分散操作を行った。この際の衝突時の圧力は4.5×107Paであった。このようにして、電子顕微鏡観察により平均短径0.04μm、平均長径0.8μm、投影面積変動係数35%の針状粒子である事を確認し、有機酸銀の微結晶分散物Aの調製を終了した。 【0094】(還元剤固体微粒子分散物の調製)1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン20gに対して、クラレ(株)製MPポリマーのMP203を3.0gと水77mlを添加してよく攪拌し、スラリーとして3時間放置した。その後、0.5mmのジルコニア製ビーズ360gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて3時間分散し、還元剤固体微粒子分散物を調製した。粒子径は粒子の80質量%が0.3μm以上、1.0μm以下であった。 【0095】(カブリ防止剤固体微粒子分散物の調製)トリブロモメチルフェニルスルホン10gに対して、ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.5gと水88.5gを添加してよく攪拌し、スラリーとして3時間放置した。その後、還元剤固体分散物の調製と同様にしてカブリ防止剤の固体微粒子分散物を調製した。粒子径は70質量%が0.3μm以上、1.0μm以下であった。 【0096】(現像促進剤微粒子分散物の調製)3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン5gに対して、クラレ(株)製MPポリマーのMP203を1.0gと水94.0mlを添加してよく攪拌し、2時間放置した。その後、還元剤微粒子分散物の調製と同様にして現像促進剤の微粒子分散物を調製した。平均粒子径は70質量%が0.4μm以上、1.0μm以下であった。 【0097】(イラジエーション防止染料微粒子Aの調製)下記染料10g、ポリメチルメタアクリレートのポリマー微粒子23.3gを酢酸エチル300mlに溶解し、クラレ(株)製クラレポバールPVA205の20gを水500mlに溶解したものを添加して、ホモジナイザーで高速攪拌して乳化分散を行った。その後脱溶媒で酢酸エチルを完全に揮発させ、イラジエーション防止染料微粒子Aの調製を終了した。微粒子の粒径は70質量%以上が、0.1μm以上、0.8μm以下であった。 【0098】 【化9】
【0099】(乳剤層塗布液の調製)先に調製した有機酸銀微結晶分散物A(銀1モル相当)に対し、ハロゲン化銀粒子Aをハロゲン化銀10モル%/有機酸銀1モル相当と、以下のポリマーラテックスおよび素材を添加して乳剤塗布液とした。 【0100】 LX−1(塗布試料1で使用) 431g LX−2(塗布試料2で使用) 431g LX−3(塗布試料3で使用) 431g LX−7(塗布試料4で使用) 431g LX−7の限外ろ過品(塗布試料5で使用) 431g LX−8(塗布試料6で使用) 431g LX−8の限外ろ過品(塗布試料7で使用) 431g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −3,5,5−トリメチルヘキサン(固体微粒子分散物) 94g 4−メチルフタラジン 3.3g 3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン (固体微粒子分散物) 4.6g トリブロモメチルフェニルスルホン(固体微粒子分散物) 24g クラレ(株)製MPポリマー;MP203 22gイラジエーション防止染料微粒子A(塗布膜で647nmの吸光度が0.3となる量添加) (乳剤面保護層塗布液の調製)イナートゼラチン10gに対し、界面活性剤Aを0.26g、界面活性剤Bを0.10g、ポリメチルメタアクリレート(平均粒径サイズ2.5μm)1.0g、1,2−(ビスビニルスルホニルアセトアミド)エタン0.4g、4−メチルフタル酸1.2g、水66gを添加して乳剤面保護層塗布液とした。 【0101】 【化10】
【0102】(発色剤分散物の調製)酢酸エチル35gに対し、下記化合物1、2をそれぞれ2.5g、7.5g添加し、攪拌、溶解した。その液にあらかじめ溶解したポリビニルアルコール10質量%溶液を50g添加し、5分間ホモジナイザーで攪拌した。その後、酢酸エチルを脱溶媒で揮発させ、最後に水で希釈し、発色剤分散物を調製した。 【0103】 【化11】
【0104】(バック面塗布液の調製)ポリビニルアルコール30gに対し、先に調製した発色剤分散物51g、下記化合物20g、水250gおよびポリメチルメタアクリレート(平均粒径サイズ2.5μm)2.0gを添加してバック面塗布液とした。 【0105】 【化12】
【0106】(下塗り塗布液Aの調製)ポリエステル共重合体水分散物ペスレジンA−515GB(30%、高松油脂(株)製)200mlに、ポリスチレン微粒子(平均粒径0.2μm)を50g、界面活性剤C(1質量%)20mlを添加し、これに蒸留水を加えて1000mlとして下塗り塗布液Aとした。 【0107】 【化13】
【0108】(下塗り塗布液Bの調製)蒸留水680mlにスチレン−ブタジエン共重合体水分散物(スチレン/ブタジエン/イコタン酸=47/50/3(質量比)、濃度30質量%)200ml、ポリスチレン微粒子(平均粒径2.5μm)0.1gを添加し、更に蒸留水を加えて1000mlとして下塗り塗布液Bとした。 【0109】(下塗り塗布液Cの調製)イナートゼラチン10gを蒸留水500mlに溶解し、そこに特開昭61−20033号に記載の酸化スズ−酸化アンチモン複合物微粒子の水分散物(40質量%)40gを添加して、これに蒸留水を加えて1000mlにして下塗り塗布液Cとした。 【0110】(下塗り支持体の作製)厚さ160μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の片面(感光面)にコロナ放電処理を施した後、上記下塗り塗布液Aをバーコーターを用いてウェット塗布量が5ml/m2になるように塗布して、180℃で5分間乾燥した。乾燥膜厚は約0.3μmであった。ついでこの裏面(バック面)にコロナ放電処理を施した後、下塗り塗布液Bをバーコーターを用いてウェット塗布量が5ml/m2、乾燥膜厚が約0.3μmになるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更にこの上に下塗り塗布液Cをバーコーターを用いてウェット塗布量が3ml/m2、乾燥膜厚が約0.03μmになるように塗布し、180℃で5分間乾燥して下塗り支持体を作製した。 【0111】(塗布サンプルの作製)上記の如く調製した乳剤層塗布液を、上記の如く作製した160μmポリエチレンテレフタレート支持体上に、銀の塗布量が1.8g/m2となるように、そして乳剤塗布層上に乳剤面保護層塗布液をゼラチンの塗布量が1.8g/m2となるように同時重層塗布した。乾燥後、乳剤層と反対の面上にバック面塗布液を650nmの光学濃度0.7となるように塗布し、塗布試料1から7の調製を終了した。 【0112】(写真性能)647nmのKrレーザー感光計(最大出力500mW)で、法線に対して30度の角度で試料を露光した後、120℃で20秒間現像処理し、得られた画像の評価を濃度計により行った。測定の結果はカブリ値、感度について評価した。感度はカブリより1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数で評価し、塗布試料4の感度を100として相対評価で表した。結果を表1に示した。 【0113】(画像安定性)写真性能の評価と同様に露光現像した塗布試料を、遮光した条件下40℃で1ヶ月間放置した後の画像の様子を下記の基準で目視評価した。 【0114】 ◎:殆ど変化がない○:わずかに色調変化があるが気にならない△:画像部に変色があるが実用的に許容される×:カブリ部が変色し、濃度が上がり不可結果を表1に表した。 【0115】(寸法安定性)塗布試料を10×610mmのサイズに断裁し、55%下で3時間調湿後、メタルハライドランプでパターン露光した。感度評価と同様の処理を行い、その後55%の雰囲気下で3日間放置した。パターン画像長手方向の600mmの距離の経時変化を評価し、以下の式から求めた。 【0116】寸法径時変化=パターン画像長手方向の経時後の距離/600結果を表1に表した。 【0117】(カール湿度依存性)カール性は長さ5cm、巾1cmに裁断した試料を、25℃、20%RH下と25℃、80%RH下でそれぞれ3日間保存し、ついで25℃、10%RH下に移し、その2時間後のカールを測定した。カール値は以下の式から求めた。 【0118】 カール値=1/{試料の曲率半径(cm)} 但し、乳剤面が内側のときのカール値を正、外側のとき負とする。実用上、許容されるカール値は−0.02〜+0.02の範囲である。結果を表1に表した。 【0119】 【表1】
【0120】表1から本発明の試料はカブリ、感度の写真性能に優れ、画像安定性、寸法安定性、カール湿度依存性に優れていることが分かる。 【0121】実施例2実施例1塗布試料4の乳剤面保護層塗布液の調製のポリメチルメタアクリレート(PMMA)を、下記ポリマーラテックスに置き換えて調製し、表面保護層とした。 【0122】 LX−4〜6(塗布試料8〜10で使用) 1g塗布試料8〜10と塗布試料4について、硬度とブロッキングについて評価した。 【0123】(硬度)JISK5400による鉛筆硬度試験を、常温と120℃の両方で行った。結果を表2に表した。評価基準は硬い順に、9H・8H・7H・6H・5H・4H・3H・2H・H・F・HB・B・2B・3B・4B・5B・6Bである。 【0124】(ブロッキング)各試料について、3.5cm×10cmの大きさに6枚ずつ切り取り、それぞれ互いに接触しないように、30℃、80%RHの雰囲気下で1日放置した。その後、6枚の試料を重ね、800gの加重をかけたまま、さらに1日同雰囲気下で放置した。その後、加重をかけたまま、23℃、50%RHの雰囲気下で1日放置し、その後試料を剥がした。剥がしたときの接着状態を評価した。評価基準は以下のとおりである。 【0125】 ランクA:抵抗なく剥がれ、接着跡もないランクB:抵抗なく剥がれるが、接着跡が全面積の20%以下に見られるランクC:抵抗なく剥がれるが、接着跡が全面積の20〜60%に見られるランクD:剥がすのに抵抗を感じ、接着跡が全面積の20%以上に見られるランクE:剥がすのに抵抗があり、親水性バインダーの剥離が認められる結果を表2に表した。 【0126】 【表2】
【0127】表2より本発明試料の保護層は硬度、ブロッキング性に優れていることが分かる。 【0128】実施例3実施例1塗布試料4のバック面塗布液の調製のポビニルアルコール(PVA)を、下記ポリマーラテックスに置き換えて調製しバック面とした。 【0129】 LX−3(塗布試料11で使用) 2g LX−6(塗布試料12で使用) 2g塗布試料11、12と塗布試料4について、硬度とブロッキングについて評価した。結果を表3に示した。 【0130】 【表3】
【0131】表3より本発明試料のバック層は硬度、ブロッキング性に優れていることが分かる。 【0132】 【発明の効果】本発明によってカブリの少ない画像を提供することができ、画像形成後の保存に対して保存安定性、寸法安定性、カール湿度依存性、硬度、ブロッキング性に優れた熱現像感光材料を提供することができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001270 【氏名又は名称】コニカ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月17日(2000.3.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−264923(P2001−264923A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−75869(P2000−75869) |
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