| 【発明の名称】 |
ハロゲン化銀放射線写真フィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】ロバート イー.ディッカーソン
【氏名】フィリップ シー.バンチ
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| 【要約】 |
【課題】迅速処理でき、かつ、直接見ることのできる、高濃度領域で高いコントラストを与える放射線写真フィルムを提供すること。
【解決手段】上方スケールコントラストがセンシトメトリーD対logE曲線の下方スケールコントラストの少なくとも1.2倍であるために目視に適合するコントラストを有する画像を提供できるものであるとともに2.5濃度単位まで少なくとも2.5のガンマを保つこともできる高性能ハロゲン化銀放射線写真フィルム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1主面および第2主面を有し、かつ、X線を透過することのできる支持体を含んでなるハロゲン化銀放射線写真フィルムであって、前記フィルムは、前記支持体の第1主面上に配置された第1および第2のハロゲン化銀乳剤層を含む2つ以上の親水性コロイド層を有するとともに、前記支持体の第2主面上に配置された第3および第4のハロゲン化銀乳剤層を含む2つ以上の親水性コロイド層を有し、前記第1および第3のハロゲン化銀乳剤層がそれぞれ前記第2および第4のハロゲン化銀乳剤層よりも支持体の近くに存在し;前記第1、第2、第3および第4のハロゲン化銀乳剤層の各々が、(a)各ハロゲン化銀乳剤層で同じ又は相異なる組成を有し、(b)各ハロゲン化銀乳剤層での全粒子投影面積の少なくとも50%を成し、(c)0.3μm未満の平均厚さを有し、および(d)5を超える平均アスペクト比を有する、ハロゲン化銀粒子を含み;前記フィルムの全ての親水性層が完全に前硬膜されたものであって、画像形成のために湿式処理液が45秒以内で浸透可能なものであり;前記第1および第3のハロゲン化銀乳剤層が、(a)前記ハロゲン化銀乳剤が感受性を有する放射線を吸収することができ、(b)クロスオーバーを15%未満に減少させるのに十分な量で存在し、(c)湿式処理の間に実質的に脱色できる、少なくとも1種の粒状色素を含み;センシトメトリーD対logE曲線の上方スケールコントラストが下方スケールコントラストの少なくとも1.2倍であるために目視に適合するコントラストを有する画像を提供できるものであるとともに2.5濃度単位まで少なくとも2.5のガンマを保つこともできるハロゲン化銀放射線写真フィルム。 【請求項2】 前記粒状色素が0.5〜2mg/dm2の量で存在する請求項1記載のフィルム。 【請求項3】 各面でのポリマービヒクル総量が20〜35mg/dm2である請求項1または2に記載のフィルム。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線写真フィルムを含む、前記フィルムの両面で増強スクリーンと組み合わされた放射線写真アセンブリー。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線写真フィルムを逐次的に黒白現像用組成物、そして定着用組成物に接触させることを含む黒白画像を提供する方法であって、90秒以内で行われ、センシトメトリーD対logE曲線の上方スケールコントラストが下方スケールコントラストの少なくとも1.2倍であるために目視に適合するコントラストを有する黒白画像を提供し、そして2.5濃度単位まで少なくとも2.5のガンマを保つことのできる方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、迅速処理でき、また、直接見ることのできる放射線写真フィルムに関する。より詳細には、本発明の放射線写真フィルムは、画像の高濃度領域で通常よりも高いコントラストを与えることができるため、「目視に適合するコントラスト(visually adaptive contrast)」として知られている特徴も有する。本発明は、放射線写真用のフィルム/スクリーン組み合わせと高解像度黒白画像を得るためのフィルムの処理方法も提供する。 【0002】 【従来の技術】100年以上も前に、W.C.レントゲンは、ハロゲン化銀写真要素の何気ない露光からX線を発見した。1913年に、イーストマン・コダック社(Eastman Kodak Company)は、X線による露光を特に意図した最初の製品を発表した。今日、ハロゲン化銀放射線写真フィルムは、医用診断画像の圧倒的大多数を占めている。そのようなフィルムは、像様露光とその後の好適な湿式現像および定着用写真処理剤による処理によって、目に見える黒白画像を与える。 【0003】医用放射線写真では、患者をX線に暴露し、そして透明支持体上にコートされた少なくとも1つの放射線感受性ハロゲン化銀乳剤層を含む放射線写真フィルムを使用して透過X線のパターンを記録することによって、患者の解剖学的構造に関する画像を生成させる。もっぱら低い露光レベルを必要とする乳剤層によってもX線を直接記録することができる。患者が被曝することについての潜在的有害性から、患者の被曝を減少させる1つの有効な方法は、放射線写真フィルムと組み合わせて1つ以上の蛍光体含有増感スクリーンを使用することである(通常、フィルムの前面および後面の両方)。増感スクリーンはX線を吸収して、ハロゲン化銀乳剤がより吸収しやすいより長い波長の電磁波を放出する。 【0004】患者の被曝量を減少させるもう1つの技術は、フィルム支持体の向かい合う面にそれぞれハロゲン化銀乳剤層を塗布して「両面塗布型」の放射線写真フィルムを形成させる方法であり、そのようにして形成されたフィルムはより少ない露光量で好適な画像を与えることができる。当然のことながら、多くの市販の製品は、最低限度の許容される患者のX線被曝を可能にする2つの増感スクリーンと組み合わせた両面塗布型フィルムのアセンブリーを具備する。フィルムとスクリーンの典型的な配置は、例えば、米国特許第4,803,150号(Dickerson等)、米国特許第5,021,327号(Bunch等)および米国特許第5,576,156号(Dickerson)の各明細書にかなり詳細に記載されている。 【0005】これらの特許明細書に記載されているフィルムの1つの重要な成分は、ハロゲン化銀乳剤層またはハレーション防止層中に配置された微晶質の色素であって、「クロスオーバー」(フィルム支持体の反対側にある増感スクリーンから放出された光による乳剤の露光)を10%未満まで減少させるものである。クロスオーバーは低い画像鮮鋭度をもたらす。それらの微晶質色素は、湿式処理サイクルの間に容易に脱色されるため、得られる画像ではそれらは見えない。 【0006】迅速湿式処理(すなわち、自動処理機において90秒以内、好ましくは45秒以内で処理される)できる放射線写真フィルムも米国特許第5,576,156号明細書に記載されている。典型的な処理サイクルは、黒白現像処理用組成物に接触させ、定着用組成物により脱銀し、すすいで乾燥させることを含む。このように処理されたフィルムは、いつでも画像を観察できる状態となる。最近、当業界において、装置の生産性を向上させるとともに医師がより素早くより相応しい診断上の決断を下せるように、そのようなフィルムをより迅速に処理することが重要視されている。 【0007】予想されるように、画像品質およびワークフロー生産性(すなわち、処理時間)は、放射線写真画像形成システム[放射線写真フィルムと増感スクリーン]を選択する際の最も重要な事項である。周知のシステムにおける1つの問題は、それらの要件が必ずしも同時に満たされないことである。あるフィルム/スクリーン組み合わせは、優れた画像品質を与えるが、迅速処理できないものである。他の組み合わせは、迅速処理できるものであるが、画像品質は劣る。両方の特徴が同時に容易には提供されない。 【0008】さらに、患者によるX線吸収の減弱に対するフィルムの応答を示す特性グラフプロット[濃度対logE(露光量)]から、既知のフィルムは、概して、重要な病変が存在するかもしれない最高の画像濃度で望ましい感度を与えないことが判っている。従来、そのような特性センシトメトリー「曲線」はS字形である。すなわち、低から中間のスケールにおよぶ曲線の形状は、中間のスケールから上方のスケールにおよぶ曲線の形状と比較すると似てはいるが、反転している。従って、これらの曲線は濃度の中間点について対称である傾向がある。 【0009】当業界ではもう1つ、あらゆるバックグラウンドに対して濃度差の全てのグラデーションをできる限り正確に示す放射線写真フィルムを得ることが必要とされている。濃度が次第に増加するバックグラウンドを背景に等しい濃度差を求めることについての人間の眼の通常の応答が線形でないことは良く知られている。換言すれば、通常、人間の眼は、明るいバックグラウンドを背景とする対象を見ることよりも暗いバックグラウンドを背景とする対象を見ることのほうが難しい。従って、対象がセンシトメトリー曲線の高濃度領域でイメージング(例えば、増感スクリーンを利用しまたは利用せずにX線を使用して)された場合、放射線写真を見たときに人間の眼はさほど容易に識別できない。医療用画像が観察され、重要な診断目的に使用される場合には、これが望ましい状況でないことは明らかである。 【0010】人間の眼による応答の非線形性を補うために、低濃度領域でのコントラストまたは他の特性を変えずに高濃度領域だけ放射線フィルムのコントラストをいくぶん増加させることが望ましい。そのような変更の結果、コントラストが高濃度領域で通常よりも高い他に類のないセンシトメトリー曲線形状となるであろう。そのような曲線は、「目視に適合するコントラスト」(VAC)を与えるものと考えられる。 【0011】この種のセンシトメトリーは、良く知られた問題の簡単な解決法であるかのような印象を与えるが、複雑な放射線写真フィルム/スクリーンシステムにおいてそれを達成することは簡単でなく、また、当該技術分野ですでに知られたものからは容易に分からない。さらに、特定の放射線写真フィルムでVACが得られるとしても、他の必要な画像特性および迅速処理性に悪影響が及ぶであろうということは予測できない。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】これらの制約を考慮に入れて、当業界では、望ましい画像品質、迅速処理性および目視に適合するコントラストを有する放射線写真フィルムおよび放射線写真フィルム/スクリーン組み合わせを探索してきた。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は、第1主面および第2主面を有するとともにX線を透過することのできる支持体を含んでなるハロゲン化銀放射線写真フィルムであって、前記フィルムは、前記支持体の第1主面上に配置された第1および第2のハロゲン化銀乳剤層を含む2つ以上の親水性コロイド層を有するとともに、前記支持体の第2主面上に配置された第3および第4のハロゲン化銀乳剤層を含む2つ以上の親水性コロイド層を有し、前記第1および第3のハロゲン化銀乳剤層がそれぞれ前記第2および第4のハロゲン化銀乳剤層よりも支持体の近くに存在し;前記第1、第2、第3および第4のハロゲン化銀乳剤層の各々が、(a)各ハロゲン化銀乳剤層で同じ又は相異なる組成を有し、(b)各ハロゲン化銀乳剤層での全粒子投影面積の少なくとも50%を成し、(c)0.3μm未満の平均厚さを有し、および(d)5を超える平均アスペクト比を有する、ハロゲン化銀粒子を含み;前記フィルムの全ての親水性層が完全に前硬膜されたものであって、画像形成のために湿式処理液が45秒以内で浸透可能なものであり;前記第1および第3のハロゲン化銀乳剤層が、(a)前記ハロゲン化銀乳剤が感受性の放射線を吸収することができ、(b)クロスオーバーを15%未満に減少させるのに十分な量で存在し、(c)湿式処理の間に実質的に脱色できる、少なくとも1種の粒状色素を含み;センシトメトリーD対logE曲線の上方スケールコントラストが下方スケールコントラストの少なくとも1.2倍であるために目視に適合するコントラストを有する画像を提供できるものであるとともに2.5濃度単位まで少なくとも2.5のガンマを保つこともできること;を特徴とするハロゲン化銀放射線写真フィルムにより上記問題の解決法を提供する。 【0014】本発明は、上記放射線写真フィルムを含んでなり、このフィルムの両面で増感スクリーンと組み合わされた放射線写真アセンブリーも提供する。 【0015】さらに、本発明は、上記放射線写真フィルムを逐次的に黒白現像用組成物、そして定着用組成物に接触させることを含む黒白画像を提供する方法であって、90秒以内で行われ、センシトメトリーD対logE曲線の上方スケールコントラストが下方スケールコントラストの少なくとも1.2倍であるために目視に適合するコントラストを有する黒白画像を提供し、そして2.5濃度単位まで少なくとも2.5のガンマを保つことのできる方法を提供する。 【0016】すなわち、本発明によって、暗い(または高濃度の)バックグラウンドを背景とした対象を医師がより視認できる放射線写真フィルムおよびフィルム/増感スクリーンアセンブリーを提供する。従って、本発明のフィルムを使用して高濃度で対象がイメージングされた場合に、人間の眼はその対象をより容易に識別する。 【0017】人間の眼による応答の非線形性を補うために、低濃度でのコントラストまたは他の特性を変えずに高濃度においてのみ放射線写真フィルムのコントラストを増加させた。そのような変更の結果、コントラストが高濃度領域で通常よりも高い他に類のないセンシトメトリー曲線形状がもたらされた。すなわち、本発明のフィルムは、先に定義したように「目視に適合するコントラスト」(VAC)を与えるものと考えられる。 【0018】さらに、全ての他の望ましいセンシトメトリー特性が保たれ、クロスオーバーは望ましいことに低く、常用の処理設備および組成物でフィルムを迅速処理することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】本明細書で使用する「コントラスト」なる用語は、第1の基準点(1)として最低濃度よりも0.25高い濃度(D1)および第2の基準点(2)として最低濃度よりも2.0高い濃度(D2)を使用して放射線写真要素の特性曲線から導き出される平均コントラスト(γとも呼ばれる)を示す。ここで、コントラストは、E1およびE2を基準点(1)および基準点(2)での露光量であるとして、ΔD(すなわち1.75)÷Δlog10E(log10E2−log10E1)である。 【0020】「下方スケールコントラスト」は、濃度0.85と−0.3logE単位シフトすることにより得られる濃度との間で求められる特性曲線の傾きである。「上方スケールコントラスト」は、Dminよりも1.5高い濃度とDminよりも2.85高い濃度との間で求められる特性曲線の傾きである。「完全に前硬膜された」なる用語は、湿式処理中の放射線写真フィルムの質量増加がその原(乾燥)質量の120%未満に制限されるレベルまでの親水性コロイド層の前硬膜を示すために使用する。この質量増加は、そのような処理中の水の取り込みにほぼ完全に起因する。 【0021】「迅速アクセス処理」なる用語は、放射線写真フィルムの全体処理が45秒以内であることを示すために使用する。すなわち、ドライな像様露光された放射線写真フィルムが湿式処理機に導入されてからドライな十分に処理されたフィルムとして出てくるまでに45秒以内の時間が経過する。 【0022】2種以上のハロゲン化物を含む粒子およびハロゲン化銀乳剤を参照する際に、濃度の昇順にハロゲン化物の名を挙げる。「等価円直径(ECD)」なる用語を使用してハロゲン化銀粒子と同じ投影面積を有する円の直径を示す。「アスペクト比」なる用語を使用して粒子厚に対する粒子ECDの比を示す。 【0023】「変動係数(COV)」なる用語は、粒子ECDの標準偏差(σ)を平均粒子ECDで割った商を100倍したものとして定義される。「平板状粒子」なる用語を使用して、他のいずれの結晶面よりも明らかに大きな二つの平行な結晶面を有し、且つ、アスペクト比が少なくとも2であるハロゲン化銀粒子を示す。「平板状粒子乳剤」なる用語は、平板状粒子が全粒子投影面積の50%超を占めるハロゲン化銀乳剤を示す。 【0024】「カバリングパワー」なる用語は、mg/dm2単位で求められた現像銀に対する最大濃度の比を100倍した値を示す。「希土類」なる用語は、原子番号39および57〜71の元素を示す。「前」及び「後」なる用語は、当該フィルムの支持体よりも、それぞれX線源に近い位置及びX線源から遠い位置を示す。「両面塗布型」なる用語を使用して支持体の前面および後面の両面にハロゲン化銀乳剤層が配置された放射線写真フィルムを示す。 【0025】本発明の直接放射線写真フィルムは柔軟な支持体を含み、この支持体の両面には、2つ以上のハロゲン化銀乳剤層と任意選択的に1つ以上の非放射線感受性親水性層が配置されている。別々の層中のハロゲン化銀乳剤が同じであっても相異なっていても良く、1つ以上の層に様々なハロゲン化銀乳剤の混合物が含まれていても良い。 【0026】好ましい態様において、このフィルムは、支持体の両面の支持体から最も近い位置に、同じハロゲン化銀乳剤を有する。支持体からより離れた位置に配置された乳剤層も同じハロゲン化銀乳剤を有することもできる。フィルムが、支持体の各面のハロゲン化銀乳剤上に保護オーバーコート(後述)を有することも好ましい。 【0027】支持体は、X線および光透過性のいかなる常用の放射線写真要素支持体の形態をとることができる。本発明のフィルムに対して有用な支持体は、Research Disclosure, September 1996, Item 38957, XV. SupportsおよびResearch Disclosure, Vol. 184, August 1979, Item 18431, XII. Film Supportsに記載されているものの中から選択することができる(Research Disclosureは、Kenneth MasonPublications, Ltd., Dudley House, 12 North Street, Emsworth, HampshireP010 7DQ Englandにより出版されている)。 【0028】支持体は透明フィルム支持体である。その最も単純な可能な形態では、透明フィルム支持体は、親水性ハロゲン化銀乳剤層または他の親水性層を直接接着できるように選択された透明フィルムからなる。より一般的には、透明フィルムは、それ自体は疎水性であり、親水性ハロゲン化銀乳剤層の接着を促進するように下引き層がフィルム上にコートされる。典型的には、フィルム支持体は無色であるかまたは青味がかっている(着色色素は支持体フィルムと下引き層の一方または両方に存在する)。Research Disclosure, Item 38957, Section XV Supportsの、特に、下引き層について記載されているパラグラフ(2)及び好ましいポリエステルフィルム支持体について記載されているパラグラフ(7)を参照されたい。 【0029】より好ましい態様において、フィルム支持体の各面に存在する2つ以上のハロゲン化銀乳剤層に少なくとも1つの非感光性親水性層が含まれる。この層を、中間層もしくはオーバーコートまたはそれらの両方で呼ぶことができる。 【0030】ハロゲン化銀乳剤層は、X線に感受性の1種以上のハロゲン化銀粒子を含んでなる。特に考えられるハロゲン化銀粒子の組成としては、全銀を基準にして少なくとも80モル%の臭化物(好ましくは少なくとも98モル%の臭化物)を有するものが挙げられる。そのような乳剤としては、例えば臭化銀、ヨウ臭化銀、塩臭化銀、ヨウ塩臭化銀、および塩ヨウ臭化銀を含んでなるハロゲン化銀粒子が挙げられる。より迅速な処理が促進されるように、ヨウ化物は概して3モル%以下(全銀を基準)に制限される。ヨウ化物を2モル%以下(全銀を基準)に制限するかまたは粒子からヨウ化物を完全に排除することが好ましい。各ハロゲン化銀乳剤ユニット(またはハロゲン化銀乳剤層)中のハロゲン化銀粒子は同じであっても、相異なっていても、相異なる種類の粒子の混合物であっても良い。 【0031】本発明において有用なハロゲン化銀粒子は、限定するわけではないが、立方体形状、八面体形状、十四面体形状、丸みを帯びた形状、球状もしくは他の非平板状の形態等の任意の望ましい形態をとっていても、そのような形態を有するもののうちの2種以上の混合物からなっていてもよい。好ましくは、ハロゲン化銀粒子は平板状粒子であり、乳剤は各ハロゲン化銀乳剤層において平板状粒子乳剤である。 【0032】さらに、別個のハロゲン化銀乳剤層が、粒子の少なくとも50%が平板状粒子である限り、同じまたは相異なる形態のハロゲン化銀粒子を有することができる。立方体形粒子では、粒子は概して少なくとも0.8μm、かつ、3μm未満(好ましくは0.9〜1.4μm)のECDを有する。他の非平板状形態物についての有用なECD値は、立方体形および平板状粒子についてここで規定する有用なECD値を鑑みれば、当業者には明らかであろう。 【0033】概して、フィルムに使用される平板状粒子の平均ECDは0.9μm超、かつ、4.0μm未満、好ましくは1μm超、かつ、3μm未満である。最も好ましいECD値は1.6〜4.5μmである。平板状粒子の平均厚みは概して少なくとも0.1μm、かつ、0.3μm以下、好ましくは少なくとも0.12μm、かつ、0.18μm以下である。 【0034】粒子ECDの変動係数(COV)が20%未満、好ましくは10%未満であるハロゲン化銀粒子を使用することが望ましいこともある。ある態様において、都合良く実現できる程度に非常に高い単分散性である粒子占有数を使用することが望ましいことがある。 【0035】概して、各ハロゲン化銀乳剤層におけるハロゲン化銀粒子投影面積の少なくとも50%(好ましくは少なくとも90%)が、平均アスペクト比が5を超える、より好ましくは10を超える平板状粒子により与えられる。ハロゲン化銀投影面積の残りは、1種以上の非平板状形態を有するハロゲン化銀粒子により与えられる。 【0036】望ましい組成およびサイズを有する平板状粒子乳剤は以下に掲げる特許文献により詳細に記載されている:米国特許第4,414,310号(Dickerson)、米国特許第4,425,425号(Abbott等)、米国特許第4,425,426号(Abbott等)、米国特許第4,439,520号(Kofron等)、米国特許第4,434,226号(Wilgus等)、米国特許第4,435,501号(Maskasky)、米国特許第4,713,320号(Maskasky)、米国特許第4,803,150号(Dickerson等)、米国特許第4,900,355号(Dickerson等)、米国特許第4,994,355号(Dickerson等)、米国特許第4,997,750号(Dickerson等)、米国特許第5,021,327号(Bunch等)、米国特許第5,147,771号(Tsaur等)、米国特許第5,147,772号(Tsaur等)、米国特許第5,147,773号(Tsaur等)、米国特許第5,171,659号(Tsaur 等)、米国特許第5,252,442号(Dickerson等)、米国特許第5,370,977号(Zietlow等)、米国特許第5,391,469号(Dickerson等)、米国特許第5,399,470号(Dickerson等)、米国特許第5,411,853号(Maskasky)、米国特許第5,418,125号(Maskasky)、米国特許第5,494,789号(Daubendiek等)、米国特許第5,503,970号(Olm等)、米国特許第5,536,632号(Wen等)、米国特許第5,518,872号(King等)、米国特許第5,567,580号(Fenton等)、米国特許第5,573,902号(Daubendiek等)、米国特許第5,576,156号(Dickerson)、米国特許第5,576,168号(Daubendiek等)、米国特許第5,576,171号(Olm 等)および米国特許第5,582,965号(Deaton等)。ゼラチン系ビヒクル高臭化物(臭化物80モル%以上)平板状粒子乳剤および本発明において有用な他の特徴に加えて慣用的な放射線写真フィルムの特徴を示す際にも、上記Abbott等、Fenton等、Dickerson等への特許を引用する。 【0037】コントラストや他の一般的な特性、例えば感度や相反則性等の特性を改良するために、様々なハロゲン化銀ドーパントを個別におよび組み合わせて使用することができる。先に引用したResearch Disclosure, Item 38957のSection I. Emulsion grains and their preparation, sub-section D. Grains modifying conditions and adjustmentsのパラグラフ(3), (4)および(5)に、感度、相反則性および他の画像形成特性を改良するための常用のドーパントについての要約がある。 【0038】ハロゲン化銀乳剤およびそれらの調製についての概要が、先に引用したResearch Disclosure, Item 38957のSection I. Emulsion grains and their preparationにある。析出後であって、化学増感前に、先に引用したResearch Disclosure, Item 38957のSection III. Emulsion washingに記載されている技術を使用する任意の都合良い常用の技術により乳剤を洗浄することができる。 【0039】Research Disclosure, Item 38957のSection IV. Chemical Sensitizationに例示されているような任意の都合の良い常用の技術により乳剤を化学増感することができる。イオウ、セレンまたは金増感(またはそれらの任意の組み合わせ)が特に考えられる。イオウ増感が好ましく、例えばチオスルフェート、チオスルホネート、チオシアネート、イソチオシアネート、チオエーテル、チオウレア、システインまたはローダニンを使用してイオウ増感を実施できる。金増感とイオウ増感の組み合わせが最も好ましい。 【0040】ネガ型乳剤コーティングにおいて最低濃度を増加させる不安定性(すなわち、カブリ)は、安定剤、カブリ防止剤、キンク防止剤、潜像安定剤および同様な添加剤を、乳剤や隣接層に、コーティングに先立って含めることにより防ぐことができる。そのような添加剤は、Research Disclosure, Item 38957, Section VII. Antifoggants and stabilizersおよびResearch Disclosure, Item 18431, Section II. Emulsion Stabilizers, Antifoggants and Antikinking Agentsに例示されている。 【0041】1つ以上のハロゲン化銀乳剤層が、ハロゲン化銀粒子の表面に吸着された1種以上のカバリングパワー増強化合物を含むことが望ましいこともある。多くのそのような物質が当該技術分野で知られているが、好ましいカバリングパワー増強化合物は、−S−または=S部分の形態をとることができる少なくとも1つの二価硫黄原子を含む。そのような化合物としては、5−メルカプトテトラゾール、ジチオオキソトリアゾール、メルカプト置換テトラアザインデン、およびイオウ含有カバリングパワー増強化合物の教示について米国特許第5,800,976号(Dickerson等)に記載されている他のものが挙げられるが、これらに限定されない。そのような化合物は、概して、銀1モル当たり少なくとも20mg、好ましくは銀1モル当たり少なくとも30mgの濃度で存在する。この濃度は、銀1モル当たり2000mgほどの高い値、好ましくは銀1モル当たり700mgほどの高い値にもなることができる。 【0042】放射線写真フィルムの支持体の両面にあるハロゲン化銀乳剤層および他の親水性層は、概して、常用のポリマービヒクル(解膠剤およびバインダー)を含む。このポリマービヒクルは、合成により調製されるコロイドまたはポリマーおよび天然に産出するコロイドまたはポリマーの両方を包含する。最も好ましいポリマービヒクルとしては、単独のまたは他のビヒクルとの組み合わせでゼラチンまたはゼラチン誘導体が挙げられる。常用のゼラチン系ビヒクルおよび関連層の態様は、Research Disclosure, Item 38957, Section II. Vehicles, vehicle extenders, vehicle-like addenda and vehicle related addendaに記載されている。乳剤自体は、先に引用したResearch Disclosure, Item 38957, Section IIのparagraph A. Gelatin and hydrophilic colloid peptizersに記載されている種類の解膠剤を含むことができる。親水性コロイド解膠剤もバインダーとして有用であるため、親水性コロイド解膠剤は、解膠剤の機能のみを発揮するのに必要な濃度よりもかなり高い濃度で通常存在する。好ましいゼラチンビヒクルとしては、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチンまたはゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラチン、脱イオン化ゼラチン、酸化ゼラチン、およびフタル化ゼラチン)が挙げられる。平板状粒子用の解膠剤として使用されるカチオンスターチは、米国特許第5,620,840号(Maskasky)および米国特許第5,667,955号(Maskasky)に記載されている。疎水性合成高分子ビヒクルと親水性合成高分子ビヒクルの両方を使用しても良い。そのような物質としては、限定するわけではないが、ポリアクリレート(ポリメタクリレートを包含する)、ポリスチレンおよびポリアクリルアミド(ポリメタクリルアミドを包含する)が挙げられる。デキストランを使用することもできる。そのような物質の例は、例えば米国特許第5,876,913号(Dickerson等)に記載されている。 【0043】本発明の放射線写真フィルム中のハロゲン化銀乳剤層(および他の親水性層)は、1種以上の常用の硬膜剤を使用して概して完全に硬膜される。すなわち、各ハロゲン化銀乳剤および親水性層中の硬膜剤の量は概して、各層中のポリマービヒクルの全乾燥質量を基準にして少なくとも1.5%、好ましくは少なくとも2%である。 【0044】この目的に対して常用の硬膜剤を使用することができ、そのような硬膜剤としては、ホルムアルデヒドおよび遊離ジアルデヒド、例えばスクシンアルデヒドおよびグルタルアルデヒド;保護されたジアルデヒド;α−ジケトン;活性エステル;スルホン酸エステル;活性ハロゲン化合物;s−トリアジンおよびジアジン;エポキシド;アジリジン;2個以上の活性結合を有する活性オレフィン;保護された活性オレフィン;カルボジイミド;3位が未置換のイソオキサゾリウム塩;2−アルコキシ−N−カルボキシジヒドロキノリンのエステル;N−カルバモイルピリジニウム塩;カルバモイルオキシピリジニウム塩;ビス(アミジノ)エーテル塩、特にビス(アミジノ)エーテル塩;錯体形成性塩との組み合わせで表面塗布型カルボキシル活性化硬膜剤;特定のアルデヒド捕捉剤との組み合わせでカルバモイルオニウム塩、カルバモイルピリジニウム塩およびカルバモイルオキシピリジニウム塩;ジカチオンエーテル;イミド酸塩およびクロロホルムアミジニウム塩のヒドロキシルアミンエステル;ハロゲン置換アルデヒド酸(例えばムコ塩素酸およびムコ臭素酸)のような複合効果を有する硬膜剤;オニウム置換アクロレイン;他の硬膜作用のある官能基を含むビニルスルホン;ジアルデヒドスターチやコポリ(アクロレイン−メタクリル酸)のような高分子硬膜剤が挙げられる。 【0045】放射線写真フィルムの各面において、銀の最低限の全レベルは概して少なくとも15mg/dm2以下である。さらに、各面(ある面の全層)当たりのポリマービヒクルの全被覆量は概して35mg/dm2以下、好ましくは30mg/dm2以下であり、概して少なくとも20mg/dm2である。支持体の両面に存在する銀およびポリマービヒクルの量は同じであっても相異なっていても良い。これらの量は乾燥質量を意味する。 【0046】当該放射線写真フィルムは概して支持体の各面に表面保護オーバーコートを含み、この表面保護オーバーコートは乳剤層の物理的保護のために通常備えられる。各保護オーバーコートは、2つ以上の別個の層に分かれていてもよい。例えば、保護オーバーコートは、表面オーバーコートと中間層(表面オーバーコートとハロゲン化銀乳剤層の間)に分かれていても良い。先に述べたビヒクルの態様に加えて、保護オーバーコートは、その物理的特性を調節するために、様々な添加剤を含んでよい。そのような添加剤はResearch Disclosure, Item 38957, Section IX. Coating physical property modifying addendaのA. Coating aids, B.Plasticizers and lubricants, C. AntistatsおよびD. Matting agentsに例示されている。乳剤層と表面オーバーコートとを分離するために、典型的には薄い親水性コロイド層である中間層を使用できる。乳剤に適合する種類のある保護オーバーコート添加剤、例えばアンチマット(anti-matte)粒子を中間層内に配置することが極めて一般的である。支持体の少なくとも片面にあるオーバーコートは、青調色色素またはテトラアザインデン(例えば4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン)を含むこともできる。 【0047】保護オーバーコートは概して、乳剤層に関連して述べたものと同じ種類のものから選ばれる親水性コロイドビヒクルを含む。常用の放射線写真フィルム保護オーバーコートは、2つの基本的な機能を果たすように備えられる。それらは、取り扱い時及び処理時の乳剤層の物理的保護のために、乳剤層と要素の表面との間に備えられる。第2に、それらは、添加剤、特に、放射線写真フィルムの物理的特性を調整することを目的とする添加剤の配置にとって都合の良い場所を提供する。本発明のフィルムの保護オーバーコートは、これらの基本的な機能の両方を発揮することができる。 【0048】本発明の放射線写真フィルムの様々なコートされた層は、透過光または反射光に対する画像色調を調節するために着色色素を含んでも良い。これらの色素は、処理の間に脱色されず、様々な層中に均一にまたは不均一に分散させることができる。そのような漂白不可能な着色色素がハロゲン化銀乳剤層内に存在するのが好ましい。 【0049】本発明の放射線写真フィルムの基本的特徴は、第1および第3のハロゲン化銀乳剤層(すなわち、支持体の最も近くに存在するとともに支持体に対して向かい合わせに存在する)中に1種以上の微晶質粒状色素が存在することである。そのような色素の存在によって、放射線写真アセンブリーでの使用の際のクロスオーバーは15%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満まで減少する。この結果を与えるフィルム中の濃度は、使用される個々の色素や他の因子に応じて変わるが、概して粒状色素の量は少なくとも0.5mg/dm2、好ましくは少なくとも1mg/dm2、かつ、2mg/dm2以下である。 【0050】粒状色素は概して少なくとも0.5、好ましくは少なくとも1の光学濃度を与える。有用な粒状色素の例およびそれらの合成についての教示は、米国特許第5,021,327号(上記、第11欄〜第50欄)および米国特許第5,576,156号(上記、第6欄〜第7欄)の色素についての説明中に記載されている。好ましい粒状色素は非イオン性ポリメチン色素であり、このポリメチン色素としては、メロシアニン色素、オキサノール色素、ヘミオキサノール色素、スチリル色素およびアリーリデン色素が挙げられる。これらの色素は、コーティングのpH範囲で非イオン性であるが、湿式処理のアルカリ性pHのもとでイオン性である。特に有用な色素は、1−(4’−カルボキシフェニル)−4−(4’−ジメチルアミノベンジリデン)−3−エトキシカルボニル−2−ピラゾリン−5−オン(本明細書において、色素XOC−1と呼ぶ)である。 【0051】粒状固形物として色素を親水性コロイドに直接添加しても、米国特許第5,021,327号(第49欄)に記載されているように色素を親水性コロイドに添加した後に色素を粒状固形物に変換させることもできる。 【0052】粒状形態で存在するとともに上記の光学濃度の要件を満たすことに加え、本発明の実施化に有用な色素は、湿式処理の間に実質的に脱色されるものでなくてはならない。「実質的に脱色される」なる用語は、処理後に画像に寄与する濃度が、可視スペクトルの範囲内で0.1以下、好ましくは0.05以下であることを意味する。 【0053】本発明のフィルムは、少なくとも3、好ましくは少なくとも3.3の上方スケールコントラスト(USC)と、少なくとも1.6、好ましくは少なくとも1.9の下方スケールコントラスト(LSC)を示す。さらに、LSCに対するUSCの比は少なくとも1.2、好ましくは少なくとも1.6である。これらの特徴は、目視に適合するコントラスト(VAC)として表わすものを与える。これの性質は、例えばLee等のSPIE, Vol. 3036, pp.118-129, 1997に記載されているような「知覚的に線形化されたコントラスト」または視覚的に最適化された階調スケールに類似する。 【0054】本発明の好ましい態様は、光透過性支持体を含んでなり、そしてこの支持体の各面に、クロスオーバーを10%未満に抑える粒状微晶質色素1〜2mg/dm2を含む第1の平板状粒子臭化銀(臭化物少なくとも98モル%)乳剤層と、2種の異なる平板状臭化銀(臭化物少なくとも98モル%)粒子乳剤の混合物を含む第2のハロゲン化銀粒子乳剤層と、親水性中間層と、親水性オーバーコート、が配置されており、支持体の各面の全ポリマービヒクルが20〜35mg/dm2である両面塗布型放射線写真フィルムである。 【0055】本発明の放射線写真画像形成アセンブリーは、本明細書に記載の通りの放射線写真フィルムと、放射線写真フィルムの前面および後面に隣接する増感スクリーンからなる。この増感スクリーンは、典型的には、X線を吸収して300nm超の波長を有する電磁波を放出するように設計される。これらのスクリーンは、例えば米国特許第5,021,327号(上記)に記載されているように、それらが放射線写真画像形成での使用に関するの通常の要件の全てを満たす限り、任意の都合の良い形態をとることができる。さまざまなそのようなスクリーンが幾つかの供給元から市販入手でき、Eastman Kodak Companyから入手可能なLANEX(商標)、X-SIGHT(商標)およびInSight(商標)Skeletalスクリーンが挙げられるが、これらに限定されない。所望の放出のタイプ、所望のフォチシティー(photicity)、フィルムが対称であるか非対称であるか、フィルム乳剤の感度、およびクロスオーバー(%)に応じて、前面および後面スクリーンを適切に選択することができる。 【0056】本発明の放射線写真フィルムの露光および処理は、任意の都合良い常用の方式で行うことができる。米国特許第5,021,327号および第5,576,156号(両方とも先に記載)の露光および処理技術が放射線写真フィルムを処理するのに典型的なものである。他の処理用組成物(現像用および定着用組成物の両方)は、米国特許第5,738,979号(Fitterman等)、米国特許第5,866,309号(Fitterman等)、米国特許第5,871,890号(Fitterman等)、米国特許第5,935,770号(Fitterman等)および米国特許第5,942,378号(Fitterman等)に記載されている。処理用組成物は、一液型または多液型処方物として供給されても、濃厚な形態でまたはより稀釈な使用強度の溶液として供給されてもよい。 【0057】本発明のフィルムが、現像、定着およびいかなる洗浄(またはすすぎ)をも含めて、90秒以内、好ましくは60秒以内、かつ、少なくとも30秒で処理されることが特に望ましい。そのような処理は、いかなる好適な処理設備でも行うことができ、好適な処理設備としてはKodak Rapid Access処理剤を使用することのできるKodak X-OMAT(商標)RA 480処理機が挙げられるが、これに限定されない。他の「迅速アクセス処理機」は、例えば米国特許第3,545,971号(Barnes等)およびヨーロッパ特許出願公開第0248390号(Akio等)に記載されている。処理の間に使用される黒白現像処理用組成物は、グルタルアルデヒド等のいかなる写真フィルム(例えばゼラチン)硬膜剤も含まないことが好ましい。 【0058】産業界で使用されている迅速アクセス処理機は、それらの具体的な処理サイクルおよび処理用組成物の選択の観点で異なるために、本発明の条件を満たす好ましい放射線写真フィルムは、次の参考条件に従って全体処理することのできるものであると具体的に認識される:現像 35℃で11.1秒定着 35℃で9.4秒洗浄 35℃で7.6秒乾燥 55〜65℃で12.2秒。 処理工程間の搬送に任意の追加の時間がかかる。典型的な黒白現像用および定着用組成物は下記実施例で述べる。 【0059】本発明の放射線写真キットは、本発明の放射線写真フィルムの1つ以上の試料と、放射線写真画像形成アセンブリーで使用される1つ以上の増感スクリーンと、および/または1つ以上の好適な写真処理用組成物(例えば、黒白現像用および定着用組成物)を含むことができる。好ましくは、このキットはこれらの要素の全てを含む。代わりに、放射線写真キットは、本明細書に記載したような放射線写真画像形成アセンブリーと前述の写真処理用組成物のうちの1つ以上を含むことができる。 【0060】 【実施例】例示のために以下に例を示すが、これらの例はけっして限定を意図したものではない。 例:放射線写真フィルムA(対照):放射線写真フィルムAは、青色がかった178μmの透明ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム支持体の両面にハロゲン化銀乳剤を有する両面塗布型のものであった。各ハロゲン化銀乳剤層は2種のそれぞれ異なる高アスペクト比平板状臭化銀乳剤の緑増感された混合物を含んでいた。チオ硫酸ナトリウム、テトラクロロ金酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムおよびセレノシアン酸カリウムにより乳剤を化学増感し、400mg/Agモルのアンヒドロ−5,5−ジクロロ−9−エチル−3,3’−ビス(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンヒドロキシドに続き、300mg/Agモルのヨウ化カリウムにより分光増感した。放射線写真フィルムAは、フィルム支持体の各面で下記の層構成を有していた。 オーバーコート中間層高コントラスト乳剤層クロスオーバー調整層【0061】下記の配合から上記の層を作製した。 オーバーコートの配合 被覆量(mg/dm2)ゼラチンビヒクル 3.4メチルメタクリレート艶消しビーズ 0.14カルボキシメチルカゼイン 0.57コロイドシリカ(LUDOX AM(商標)) 0.57ポリアクリルアミド 0.57クロムミョウバン 0.025レゾルシノール 0.058鯨油滑剤 0.15【0062】 中間層の配合 被覆量(mg/dm2)ゼラチンビヒクル 3.4AgIリップマン乳剤(0.08μm) 0.11カルボキシメチルカゼイン 0.57コロイドシリカ(LUDOX AM(商標)) 0.57ポリアクリルアミド 0.57クロムミョウバン 0.025レゾルシノール 0.058ニトロン 0.044【0063】 高コントラスト乳剤層の配合 被覆量(mg/dm2)T粒子乳剤(AgBr,2.7×0.13μm) 9.5T粒子乳剤(AgBr,2.0×0.10μm) 14.2ゼラチンビヒクル 21.54-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラアザインデン 2.1g/Agモル硝酸カリウム 1.8アンモニウムヘキサクロロパラデート 0.0022マレイン酸ヒドラジド 0.0087ソルビトール 0.53グリセリン 0.57臭化カリウム 0.14レゾルシノール 0.44ビスビニルスルホニルメチルエーテル 2.4%(全ての層中の ゼラチン総量に基づく) 【0064】 クロスオーバー調整乳剤層の配合 被覆量(mg/dm2)マゼンタ微晶質フィルター色素(XOC−1) 2.0ゼラチン 6.7【0065】 低コントラスト乳剤層の配合 被覆量(mg/dm2)T粒子乳剤(AgBr,3.6×0.13μm) 7.8T粒子乳剤(AgBr,1.2×0.13μm) 10.1ゼラチンビヒクル 21.54-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラアザインデン 2.1g/Agモル硝酸カリウム 1.8アンモニウムヘキサクロロパラデート 0.0022マレイン酸ヒドラジド 0.0087ソルビトール 0.53グリセリン 0.57臭化カリウム 0.14レゾルシノール 0.44ビスビニルスルホニルメチルエーテル 2.4%(全ての層中の ゼラチン総量に基づく) 【0066】放射線写真フィルムB(対照):放射線写真フィルムBは、下記の層構成および配合を有していた。支持体の各面の層は同じであった。 オーバーコート中間層乳剤層【0067】 オーバーコートの配合 被覆量(mg/dm2)ゼラチンビヒクル 3.4メチルメタクリレート艶消しビーズ 0.14カルボキシメチルカゼイン 0.57コロイドシリカ(LUDOX AM(商標)) 0.57ポリアクリルアミド 0.57クロムミョウバン 0.025レゾルシノール 0.058鯨油滑剤 0.15【0068】 中間層の配合 被覆量(mg/dm2)ゼラチンビヒクル 3.4AgIリップマン乳剤(0.08μm) 0.11カルボキシメチルカゼイン 0.57コロイドシリカ(LUDOX AM(商標)) 0.57ポリアクリルアミド 0.57クロムミョウバン 0.025レゾルシノール 0.058ニトロン 0.044【0069】 乳剤層の配合 被覆量(mg/dm2)T粒子乳剤(AgBr,3.7×0.13μm) 3.4T粒子乳剤(AgBr,2.0×0.10μm) 9.9T粒子乳剤(AgBr,1.2×0.13μm) 4.1ゼラチンビヒクル 23.74-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラアザインデン 2.1g/Agモル硝酸カリウム 1.8アンモニウムヘキサクロロパラデート 0.0022マレイン酸ヒドラジド 0.0087ソルビトール 0.53グリセリン 0.57臭化カリウム 0.14レゾルシノール 0.44ビスビニルスルホニルメチルエーテル 2.4%(全ての層中の ゼラチン総量に基づく) 【0070】放射線写真フィルムC(本発明):放射線写真フィルムCは、本発明の範囲に含まれるもので、フィルム支持体の両面で下記の層構成および配合を有していた。 オーバーコート中間層上側乳剤層下側乳剤層およびクロスオーバー調整【0071】 オーバーコートの配合 被覆量(mg/dm2)ゼラチンビヒクル 3.4メチルメタクリレート艶消しビーズ 0.14カルボキシメチルカゼイン 0.57コロイドシリカ(LUDOX AM(商標)) 0.57ポリアクリルアミド 0.57クロムミョウバン 0.025レゾルシノール 0.058鯨油滑剤 0.15【0072】 中間層の配合 被覆量(mg/dm2)ゼラチンビヒクル 3.4AgIリップマン乳剤(0.08μm) 0.11カルボキシメチルカゼイン 0.57コロイドシリカ(LUDOX AM(商標)) 0.57ポリアクリルアミド 0.57クロムミョウバン 0.025レゾルシノール 0.058ニトロン 0.044【0073】 上側乳剤層の配合 被覆量(mg/dm2)T粒子乳剤(AgBr,3.7×0.13μm) 5.4T粒子乳剤(AgBr,2.0×0.10μm) 5.4ゼラチンビヒクル 124-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラアザインデン 2.1g/Agモル硝酸カリウム 0.83アンモニウムヘキサクロロパラデート 0.001マレイン酸ヒドラジド 0.0044ソルビトール 0.24グリセリン 0.26臭化カリウム 0.06レゾルシノール 0.2【0074】 底部乳剤層の配合 被覆量(mg/dm2)T粒子乳剤(AgBr,2.0×0.10μm) 11.2ゼラチン 12マゼンタ微晶質フィルター色素(XOC−1) 1.084-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラアザインデン 2.1g/Agモル硝酸カリウム 1.1アンモニウムヘキサクロロパラデート 0.0013マレイン酸ヒドラジド 0.0053ソルビトール 0.32グリセリン 0.35臭化カリウム 0.83レゾルシノール 0.26ビスビニルスルホニルメチルエーテル 2.4%(全ての層中の ゼラチン総量に基づく) 【0075】放射線写真フィルムA、BおよびCの試料を、2650°Kに補正され、Corning C4010(商標)フィルターでフィルターされた500ワットのGeneral Electric DMX(商標)プロジェクターランプとMacBeth(商標)感光計を使用して段階的濃度ステップタブレットを通して1/50秒間露光した。 【0076】センシトメトリー評価のための露光したフィルム試料の処理は、市販入手可能なKODAK RP X-OMAT(商標)プロセッサーM6A-Nを使用して行った。それに合うような条件および処理液を使用して処理を実施した。下記の黒白現像用組成物を使用して現像を行った。 ヒドロキノン 30gフェニドン 1.5g水酸化カリウム 21gNaHCO3 7.5gK2SO3 44.2gNa2S2O5 12.6g臭化ナトリウム 35g5−メチルベンゾトリアゾール 0.06gグルタルアルデヒド 4.9g1リットルにするのに要した水、pH10【0077】フィルム試料を、各場合に、現像液に90秒未満の時間接触させた。この例における全ての実験の定着は、KODAK RP X-OMAT LO Fixer and Replenisher(商標)定着用組成物(Eastman Kodak Companyから入手可能)を使用して行った。 【0078】迅速処理は、画像品質やセンシトメトリー応答を損なわず、あわただしい病院での生産性を高める1つの方法として、ここ数年で進歩した。90秒の処理時間がいったん標準になったが、医療用放射線写真では40秒以内の処理がしだいに標準になってきている。迅速処理システムの1つのそのような例は市販入手可能なKODAK Rapid Access (RA)処理システムであり、このシステムには、フィルム拡散速度を最大限にするとともにフィルム乾燥を最小限に抑えるように完全に前硬膜された乳剤を特徴とするT-MAT-RA(商標)放射線写真フィルムとして市販入手可能な一連のX線感受性フィルムが包含される。この目的に合う処理剤も入手可能である。フィルムが完全に前硬膜されることから、現像液からグルタルアルデヒド(一般的な硬膜剤)を除くことができ、その結果、生態学的および安全上の利点がもたらされる(後述のKODAK KWIK(商標)現像剤を参照)。このシステムに合うように設計された現像液および定着液はKodak X-OMAT RA/30(商標)薬剤である。迅速アクセス性を考慮した市販入手可能な処理機はKodak X-OMAT RA480(商標)処理機である。この処理機は、4つの異なる処理サイクルで運転することができる。「長時間」サイクルは160秒間であり、通常の処理よりも長い乳房造影写真に使用され、高い感度およびコントラストを与える。「標準」サイクルは82秒間であり、「迅速」サイクルは55秒間であり、「KWIK/RA」サイクルは40秒間である(後述のKODAK KWIK現像液を参照)。提案する新しい「スーパーKWIK」サイクルは30秒間を予定している(後述のスーパーKODAK KWIK現像液を参照)。2つのKWIKサイクル(30秒および40秒)はRA/30処理剤を使用するが、より長時間のサイクルは標準的なRP X-OMAT薬剤を使用する。下記表Iに、これらの様々な処理サイクルについての典型的な処理時間(秒)を示す。 【0079】 【表1】
【0080】KODAK KWIKサイクルに有用な黒白現像液は次の成分を含んでいた。 ヒドロキノン 32g4-ヒドロキシメチル-4-メチル-1-フェニル-3-ピラゾリドン 6g臭化カリウム 2.25g5-メチルベンゾトリアゾール 0.125g亜硫酸ナトリウム 160g1リットルにするための水、pH10.35【0081】KODAKスーパーKWIKサイクルに使用した黒白現像液は次の成分を含んでいた。 ヒドロキノン 30g4-ヒドロキシメチル-4-メチル-1-フェニル-3-ピラゾリドン 3gフェニルメルカプトテトラゾール 0.02g5-ニトロインダゾール 0.02gグルタルアルデヒド 4.42gジエチレングリコール 15g炭酸水素ナトリウム 7.5gVERSENEX 80 2.8g亜硫酸カリウム 71.48g亜硫酸ナトリウム 11.75g1リットルにするための水、pH10.6【0082】1.0の濃度となるようにフラッシュされた露光フィルムをX線処理機に供給することにより「乾燥度(%)」を求めた。フィルムが乾燥機セクションから出るやいなや処理機を止め、フィルムを取り出した。フィルムのまだ乾燥していない部分に処理機に起因するローラー跡を確認できた。乾燥機内のローラーの100%に起因する跡は、フィルムがかろうじて乾燥したばかりであったことを示す。100%未満の値は、フィルムが乾燥機の途中で乾燥したことを示す。その値が小さいほど、フィルムの乾燥性が良い。 【0083】「クロスオーバー」の測定値は、各ハロゲン化銀乳剤層中、増感スクリーンに隣接するハロゲン化銀乳剤層中およびフィルム支持体から離れている非隣接ハロゲン化銀乳剤層中の現像された銀の濃度を求めることにより得た。常用のアルミニウムステップウェッジ(露光の基準)に対して各ハロゲン化銀乳剤層により生じた濃度をプロットすることによって、各ハロゲン化銀乳剤層についての特性センシトメトリー曲線が得られた。フィルム支持体に隣接するハロゲン化銀乳剤層で、ある露光量に対してより高い濃度が得られた。すなわち、2つのセンシトメトリー曲線は感度の点でオフセットした。センシトメトリー曲線の足領域から肩領域の間の比較的直線状の部分における3つのそれぞれ異なる濃度レベルで、2つのセンシトメトリー曲線の間の感度の差(ΔlogE)を求めた。次に、これらの差を平均し、下記式でクロスオーバー度(%)を計算するために使用した。 【0084】 【数1】
【0085】スクリーン露光:各放射線写真フィルムA、BまたはCの両面にスクリーンを配置することにより放射線写真フィルム/増感スクリーン画像形成アセンブリーを作製した。3mm以下のアルミニウム濾過板を含む3相Picker Medical(Model VTX-650)X線装置を使用して、電流(ミリアンペア)または時間をさまざまに変えて、各アセンブリーに70kVpのX線を露光した。厚さが異なる21段階(0.1logE)アルミニウムステップウェッジを使用することによって、露光のセンシトメトリー階調を得た。 【0086】下記表II中のデータは、放射線写真フィルムA、BおよびCをそれぞれ使用した3つの画像形成アセンブリーA、BおよびCの相対的比較を示すものである。フィルムA(対照)およびC(本発明)は、10%未満のクロスオーバー値から分かるように高解像度の画像形成アセンブリーを与えた。フィルムBとフィルムCは両方とも、迅速処理できた。しかしながら、フィルムCだけが、迅速処理でき、かつ、低いクロスオーバーを示すものであった。 【0087】さらに、フィルムCは、上方スケールコントラストが下方スケールコントラストよりもかなり高い点で他に類のないセンシトメトリー曲線を示した。従来型の放射線写真フィルムであるフィルムBは、下方スケールコントラストと上方スケールコントラストが形状の点で類似する典型的な特性曲線を示した。フィルムAは、フィルムBよりも高い上方スケールコントラストを示し、下方スケールコントラストに対する上方スケールコントラストの比は1.0よりも大きかったが、迅速処理できなかった。 【0088】従って、本発明のフィルムCだけが、放射線写真画像形成アセンブリーでの低いクロスオーバー、下方スケールコントラストに対する上方スケールコントラストの比が1.0よりもかなり大きい、および迅速処理性といった所望の特性の全てを提供する。すなわち、この放射線写真フィルムは、高濃度側でより高い信頼度でもって情報を記録し、常用のライトボックスを使用して良好に観察できるため、目視に適合するコントラストを与える。 【0089】これらの結果は、曲線A、BおよびCがそれぞれフィルムA、BおよびCについてのセンシトメトリーデータを表わしている図1および2からも明らかである。 【0090】 【表2】
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| 【出願人】 |
【識別番号】590000846 【氏名又は名称】イーストマン コダック カンパニー
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| 【出願日】 |
平成13年2月27日(2001.2.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−264919(P2001−264919A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【出願番号】 |
特願2001−51609(P2001−51609) |
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