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【発明の名称】 ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法
【発明者】 【氏名】荒井 健夫

【要約】 【課題】迅速処理可能であり、かつプレッシャー耐性に優れ、かつ変形時のひび割れや黒化耐性に優れた超硬調なハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法の提供。

【解決手段】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ少なくとも1層の親水性コロイド層に少なくとも1種類のヒドラジン化合物を含有してなるハロゲン化銀写真感光材料において、支持体に対しハロゲン化銀乳剤層を含む側のゼラチン量が2.5g/m2以下であり、かつ該乳剤層に無機粒子または無機粒子と有機ポリマーからなる複合ラテックスを10mg〜5g/m2含有し、かつ該乳剤層にTg10℃以下のポリマーラテックスを10mg〜2.0g/m2含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ少なくとも1層の親水性コロイド層に少なくとも1種類のヒドラジン化合物を含有してなるハロゲン化銀写真感光材料において、支持体に対しハロゲン化銀乳剤層を含む側のゼラチン量が2.5g/m2以下であり、かつ該乳剤層に無機粒子または無機粒子と有機ポリマーからなる複合ラテックスを10mg〜5g/m2含有し、かつ該乳剤層にTg10℃以下のポリマーラテックスを10mg〜2.0g/m2含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【請求項2】 ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間に少なくとも1層の親水性コロイド層を有することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【請求項3】 ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、下記一般式(1)〜(8)から選ばれる化合物により分光増感されていることを特徴とする請求項1または2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【化1】

(式中、Y1、Y2、Y3は、各々、独立に−N(R)−基、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子を表し、Z1は縮合されてもよい5〜6員の含窒素複素環基を形成するに必要な非金属原子群を表す。R1は水可溶化基を置換した炭素数8以下の脂肪族基を表し、R、R2、R3及びR4は各々、脂肪族基、アリール基または複素環基を表し、R、R2、R3及びR4のうちの少なくとも二つの基は、水可溶化基を置換した基を表す。Wは酸素原子、硫黄原子または=C<(E1)(E2)基を表し、E1及びE2は各々、独立に電子吸引性の基を表し、互いに結合してケト環または酸性の複素環を形成してもよい。L1、L2は各々、独立に置換または無置換のメチン基を表し、lは0または1を表し、M1は分子内の総電荷を相殺させるに必要なイオンを表し、n1は分子内の総電荷を相殺させるに必要なイオンの数を表す。)
【化2】

(式中、Y11、Y12及びY13は、各々、独立に−N(R′)−基、酸素原子、硫黄原子、セレン原子を表し、Z11は縮合されてもよい5〜6員の含窒素複素環基を形成するに必要な非金属原子群を表す。R11は水可溶化基を置換した炭素数8以下の脂肪族基を表す。R′、R12、R13及びR14は各々、脂肪族基、アリール基または複素環基を表し、R′、R12、R13及びR14のうちの少なくとも三つの基は、水可溶化基を置換した基を表す。L11、L12は各々、独立に置換または無置換のメチン基を表し、M2は分子内の総電荷を相殺させるに必要なイオンを表し、n2は分子内の総電荷を相殺させるに必要なイオンの数を表す。)
【化3】

(式中、Y21、Y22及びY23は、各々、独立に−N(R24)−基、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表し、R21は水可溶化基を置換した炭素数10以下の脂肪族基を表し、R24、R22及びR23は各々、脂肪族基、アリール基または複素環基を表し、かつR24、R22及びR23の少なくとも二つの基は、水可溶化基を置換する。V21、V22は各々、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基或いはV21、V22と結合してアゾール環と共に縮合環を形成する基を表し、L21、L22は各々、独立に置換または無置換のメチレン炭素を表し、M21は分子内の総電荷を相殺させるに必要なイオンを表し、n21は分子内の総電荷を相殺させるに必要なイオンの数を表す。)
【化4】

(式中、Z21、Z22は、同じかまたは異なってもよく各々ベンゾチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトチアゾール環またはナフトセレナゾール環を形成するに必要な非金原子を表し、これらの複素環にはハロゲン原子、低級アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基またはヒドロキシル基で置換されていてもよい。R31、R32はアルキル基、カルボキシアルキル基またはスルホアルキル基を表しR33はアルキル基を表す。X-はアニオンを表し、pは0または1で、色素が分子内塩を形成するときはpは0である。)
【化5】

(式中、Y1は、−N(R)−基、酸素原子、硫黄原子、またはセレン原子を表し、Rは炭素数10以下の脂肪族基を表す。R1は、脂肪族基、アリール基または複素環基を表し、V1及びV2は各々、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはV1とV2で結合してアゾール環と共に縮合環を形成する基を表す。nは1または2を表し、mは0または1を表す。L1、L2、L3及びL4は各々、置換または無置換のメチン基を表し、nが1または2で、かつmが0のときはL1及びL2の少なくとも1つ、nが1または2で、かつmが1のときはL1、L2、L3及びL4の少なくとも1つはSP≦544となるような置換基を有する。ここで、SPとはSP=33.563L−2.661B+535.4で表される値であり、LはSTERIMOLパラメータ(Å)を表し、BはSTERIMOLパラメータの和B1+B4、B2+B3のうち小さい方の値(Å)を表す。Q1及びQ2は各々、酸性の環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。M1は分子の総電荷を相殺するに必要なイオンを表し、n1は分子の電荷を中和させるのに必要な数を表す。)
【化6】

(式中、Xは−S−または−Se−であり、R1、R2、R3及びR4の少なくとも二つは遊離酸、塩または潜在の形での水溶性化基を担持する有機基を表し(但しR3及びR4が共にこれを表すことはない)、同じかまたは異なり、水溶性化基を担持する前記有機基を表さないR1、R2、R3及びR4は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基または置換アリール基を表す。R5はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基または置換アリール基であり、R6及びR7は同じかまたは異なり、それぞれ水素、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アルキルチオ基、置換アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アリールチオ基、アリール基、置換アリール基、アシル基、置換アシル基、アシロキシ基、置換アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、置換アルキルスルホニル基、カルバモイル基、置換カルバモイル基、スルファモイル基、置換スルファモイル基、カルボキシ基またはシアノ基を表し、またはR6とR7は互いに結合して炭素環式環系を完結するに必要な原子を表し、前記環系は、それぞれR6及びR7について示した前記置換基から選択された同じかまたは異なる一つ以上の置換基を担持できる。)
【化7】

(式中、R1及びR2は、各々、遊離酸または塩の形で、該化合物に水溶性を付与する基を有するアルキル基を表す。V1、V2、V3及びV4は、各々、水素原子または1価の置換基を表す。ただし、該置換基(V1、V2、V3、V4)は互いに環を形成することはなく、かつV1、V2、V3及びV4の分子量の合計は4〜50である。L1、L2、L3及びL4はメチン基を表す。M1は電荷中和対イオンを表し、m1は分子内の電荷を中和させるために必要な0〜4の数である。)
【化8】

(式中、Y1はO、S、Se、−(CH=CH)または−NR2を、Zは縮合された原子数5以上の環を形成するのに必要な原子団を表し、R1、R2は各々水素原子または脂肪族基を表す。L1〜L6はメチン基を表し、n、m1、m2は各々独立に0または1である。Qは酸性の環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。但し、m1=m2=1のときはL1〜L6の少なくとも一つが、m1=1、m2=0のときはL1〜L4の少なくとも一つが、m1=m2=0のときはL1及びL2の少なくとも一つはSP≦544となるような置換基を有する。ここにSPはSP=33.563L−2.661B+535.4で表される値であり、LはSTERIMOLパラメータ(Å)を表し、BはSTERIMOLパラメータの和B1+B4、B2+B3のうち小さい方の値(Å)を表す。)
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料を一般式(A)で表される現像主薬を含有する現像液で現像処理することを特徴とする処理方法。
【化9】

(式中、R1及びR2は各々、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアルコキシ基または置換若しくは無置換のアルキルチオ基を表し、R1とR2が互いに結合して環を形成してもよい。kは0または1を表し、k=1のときXは−CO−または−CS−を表す。M1及びM2は各々、水素原子またはアルカリ金属原子を表す。)
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒白ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法に関し、詳しくは、印刷製版用ネガ型黒白ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】黒白ハロゲン化銀写真感光材料、特に印刷製版用ネガ型黒白ハロゲン化銀感光材料は、イメージセッターでレーザー露光され、現像される使われ方が主流になってきている。近年は特にその生産性の向上への要望が高く、露光機のみならず現像処理の迅速化のニーズが高まっている。
【0003】処理の迅速化のためには、現像性や定着・水洗性及び乾燥性の観点からバインダーの減量が好ましい。また高画質化の観点から、感光材料中にヒドラジン化合物を含有することで超硬調で高濃度の銀画像を得る感光材料が広く使用されている。しかしながら、こうした高活性な感光材料でバインダーを少なくした場合、搬送系におけるプレッシャーの影響を受けやすく、画像に故障が入ることが懸念される。こうしたこと態を回避するため、特開平10−325989号記載のように乳剤層中に酸化珪素等の無機バインダーあるいは無機バインダーと有機ポリマー粒子との複合ラテックス等を添加し、プレッシャー耐性を向上する技術が検討されてきた。しかしながら、こういった無機粒子を多く含む親水性コロイド層は脆弱化し、取り扱い中に折り曲げ等極度な変形を受けた場合に、ひび割れや黒化が起きるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、迅速処理可能であり、かつプレッシャー耐性に優れ、かつ変形時のひび割れや黒化耐性に優れた超硬調なハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
【0006】1.支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有し、かつ少なくとも1層の親水性コロイド層に少なくとも1種類のヒドラジン化合物を含有してなるハロゲン化銀写真感光材料において、支持体に対しハロゲン化銀乳剤層を含む側のゼラチン量が2.5g/m2以下であり、かつ該乳剤層に無機粒子または無機粒子と有機ポリマーからなる複合ラテックスを10mg〜5g/m2含有し、かつ該乳剤層にTg10℃以下のポリマーラテックスを10mg〜2.0g/m2含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0007】2.ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間に少なくとも1層の親水性コロイド層を有することを特徴とする上記1記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0008】3.ハロゲン化銀乳剤の少なくとも1種が、下記一般式(1)〜(8)から選ばれる化合物により分光増感されていることを特徴とする上記1または2記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0009】4.上記1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料を一般式(A)で表される現像主薬を含有する現像液で現像処理することを特徴とする処理方法。
【0010】以下本発明について詳細に説明する。本発明に用いることのできるヒドラジン化合物としては、下記一般式(H)で表されるものが挙げられる。
【0011】
【化10】

【0012】一般式(H)において、Aはアリール基、または硫黄原子若しくは酸素原子を少なくとも1個を含む複素環基を表し、Gは−(CO)n−基、スルホニル基、スルホキシ基、−P(=O)R1−基、またはイミノメチレン基を表し、nは1または2の整数を表し、R1はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、またはアミノ基を表し、A1及びA2はともに水素原子或いは一方が水素原子で他方が置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、または置換若しくは無置換のアシル基を表し、Rは水素原子、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アミノ基、カルバモイル基、またはオキシカルボニル基を表す。
【0013】一般式(H)で表される化合物のうち、下記一般式(Ha)で表される化合物が更に好ましい。
【0014】
【化11】

【0015】一般式(Ha)において、R11は脂肪族基(例えばオクチル基、デシル基)、芳香族基(例えばフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、クロロフェニル基)または複素環基(例えばピリジル基、チェニル基、フリル基)を表し、これらの基は更に適当な置換基で置換されたものが好ましく用いられる。更に、R11には、バラスト基またはハロゲン化銀吸着促進基を少なくとも一つ含むことが好ましい。バラスト基としてはカプラー等の不動性写真用添加剤にて常用されるものが好ましく、炭素数8以上の写真性に対して比較的不活性である例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げられる。ハロゲン化銀吸着促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト複素環基、或いは特開昭64−90439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0016】一般式(Ha)において、Xは、フェニル基に置換可能な基を表し、mは0〜4の整数を表し、mが2以上の場合Xは同じであっても異なってもよい。A3及びA4は一般式(H)におけるA1及びA2と同義であり、ともに水素原子であることが好ましい。Gはカルボニル基、スルホニル基、スルホキシ基、ホスホリル基またはイミノメチレン基を表すが、Gはカルボニル基が好ましい。R12としては水素原子、各々置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、複素環基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルバモイル基、オキシカルボニル基を表す。好ましいR12としては、Gで置換された炭素原子が少なくとも1つの電子吸引基で置換された置換アルキル基及び−COOR13基及び−CON(R14)(R15)基が挙げられる(R13はアルキニル基または飽和複素環基を表し、R14は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、R15はアルケニル基、アルキニル基、飽和複素環基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を表す)。更に好ましくは2つの電子吸引基で、特に好ましくは3つの電子吸引基で置換された置換アルキル基を表す。R12のGで置換された炭素原子を置換する電子吸引基は好ましくはσp値が0.2以上、σm値が0.3以上のもので例えばハロゲン、シアノ、ニトロ、ニトロソポリハロアルキル、ポリハロアリール、アルキルもしくはアリールカルボニル基、ホルミル基、アルキルもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、スルファモイル基、ホスフィノ基、ホスフィンオキシド基、ホスホン酸エステル基、ホスホン酸アミド基、アリールアゾ基、アミジノ基、アンモニオ基、スルホニオ基、電子欠乏性複素環基を表す。一般式(Ha)のR12は特に好ましくはフッ素置換アルキル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基を表す。
【0017】次に一般式(H)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】
【化12】

【0019】
【化13】

【0020】
【化14】

【0021】
【化15】

【0022】
【化16】

【0023】
【化17】

【0024】
【化18】

【0025】
【化19】

【0026】
【化20】

【0027】
【化21】

【0028】
【化22】

【0029】
【化23】

【0030】その他の好ましいヒドラジン化合物の具体例としては、米国特許第5,229,248号第4カラム〜第60カラムに記載されている(1)〜(252)である。
【0031】これらヒドラジン化合物は、公知の方法により合成することができ、例えば米国特許第5,229,248号第59カラム〜第80カラムに記載された様な方法により合成することができる。
【0032】添加量は、硬調化させる量(硬調化量)であれば良く、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の程度、抑制剤の種類等により最適量は異なるが、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1モルの範囲であり、10-5〜10-2モルの範囲が好ましい。
【0033】ヒドラジン誘導体は、ハロゲン化銀乳剤層側の少なくとも1層に含有し、好ましくはハロゲン化銀乳剤層及び/またはその隣接層、更に好ましくはハロゲン化銀乳剤層に含有する。そして、ヒドラジン誘導体を含有する写真構成層のうち支持体に最も近い写真構成層中に含有するヒドラジン誘導体の量は、それよりも支持体から遠い写真構成層中に含有するヒドラジン誘導体の総量の0.2〜0.8モル当量であることが好ましく、より好ましくは、0.4〜0.6モル当量である。本発明に用いられるヒドラジン誘導体は1種であっても、2種以上を併用して用いてもよい。
【0034】本発明において、ヒドラジン誘導体の硬調化を促進するために造核促進剤を含有させることが好ましい。造核促進剤としては、特開平9−171223号に記載の一般式〔Na〕または〔Nb〕で表される化合物が好ましい。これらの一般式で表される化合物の具体例としては、同報記載の〔Na−1〕〜〔Na−21〕、〔Nb−1〕〜〔Nb−12〕等が挙げられる。
【0035】その他の好ましい造核促進化合物の具体例は、特開平6−258751号に記載されている例示(2−1)〜(2−20)の化合物及び同6−258751号記載の(3−1)〜(3−6)、特開平7−270957号記載のオニウム塩化合物、特開平7−104420号の一般式Iの化合物、特開平2−103536号第17頁右下欄19行目〜第18頁右上欄4行目及び同右下欄1行目から5行目、更に特開平1−237538号記載のチオスルホン酸化合物が挙げられる。
【0036】本発明に用いられる造核促進剤はハロゲン化銀乳剤層側の写真構成層ならば、どの層にも用いることができるが、好ましくはハロゲン化銀乳剤層またはその隣接層に用いることが好ましい。また、添加量はハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の程度、抑制剤の種類等により最適量は異なるが、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1モルの範囲が好ましく、特に10-5〜10-2モルの範囲が好ましい。
【0037】本発明で乳剤層中に入れることのできる無機粒子あるいは無機粒子と有機ポリマーからなる複合ラテックスとしては特開平10−325989記載のような物が挙げられる。
【0038】本発明において複合ラテックスとは、無機微粒子及び疎水性ポリマーからなる複合高分子微粒子の分散物であり、特に無機微粒子の存在下で疎水性単量体を有する組成物を重合して形成した複合高分子微粒子の分散物をいう。
【0039】本発明において親水性コロイド層中に用いられるコロイド状無機粒子或いは疎水性ポリマーとからなる複合ラテックスに用いられる無機粒子としては、金属酸化物、窒化物、硫化物等が挙げられるが、好ましくは金属酸化物である。
【0040】金属酸化物としてはNa、K、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Tu、Ag、Bi、B、Si、Mo、Ce、Cd、Mg、Be、Pb等の金属の単一または複合の酸化物粒子が好ましく、特にY、Sn、Ti、Al、V、Sb、In、Mn、Ce、B、Siの単一または複合酸化物粒子が乳剤との混和性の点から特に好ましい。
【0041】このような金属酸化物は、結晶性でも非晶性でも好ましく用いることができるが特に非晶性の金属酸化物粒子が好ましく用いられる。金属酸化物の平均粒径は0.5〜3000nmが好ましく、3〜500nmが特に好ましい。このような金属酸化物は水及び/または水に可溶な溶媒に分散していることが好ましい。
【0042】本発明の金属酸化物の添加量は疎水性ポリマーに対して1〜2000質量%であることが好ましく、特に好ましくは30〜1000質量%である。以下、好ましい金属酸化物の例を示す。
【0043】SO−1:SiO2SO−2:TiO2SO−3:ZnOSO−4:SnO2SO−5:MgOSO−6:MnO2SO−7:Fe23SO−8:ZnSiO4SO−9:Al23SO−10:BeSiO4SO−11:Al2SiO5SO−12:ZrSiO4SO−13:CaWO4SO−14:CaSiO3SO−15:InO2SO−16:SnSbO2SO−17:Sb25SO−18:Nb25SO−19:Y23SO−20:CeO2SO−21:Sb23SO−22:Na2O本発明の複合ラテックスにて、疎水性ポリマーを形成する疎水性単量体としては、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合物、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類、各種不飽和酸から選ばれる1種または2種以上を組み合わせた疎水性単量体を挙げることができる。本発明の疎水性ポリマーを形成する疎水性単量体としては、好ましくはアクリル酸エステル類及び/またはメタクリル酸エステル類、及びスチレン類であり、エステル基の炭素数が6以上であることが特に好ましい。
【0044】又、これらの疎水性単量体にグリシジル基をもつ疎水性単量体を少なくとも1.0〜20質量%、好ましくは2.0〜10質量%用いることが好ましい。
【0045】本発明の複合ラテックスを形成する疎水性ポリマーには疎水性単量体の他に親水性単量体を共重合させることが好ましく、このような親水性単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有単量体、ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有単量体、アルキレンオキサイド含有単量体、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、スルホン酸基単量体、アミノ基含有単量体等が好ましく用いることができるが、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アミド基含有単量体、スルホン基含有単量体を含むことが特に好ましい。
【0046】このような親水性単量体は、多量に添加すると水に溶解してしまうために0.1〜30質量%程度にすることが好ましく、特に好ましくは1.0〜20質量%である。
【0047】本発明の複合ラテックスは上記疎水性単量体及び/または親水性単量体の種類を選択することにより例えばカルボキシル基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、N−メチロール基等の架橋基を有する疎水性単量体を用いることで架橋基を有する複合ラテックスにすることができる。
【0048】本発明の複合ラテックスは少なくとも2個の共重合可能なエチレン性不飽和単量体を含有することができる。このような単量体としては例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビニル基を2個有するもの、トリビニルシクロヘキサン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等のビニル基を3個有する物、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等のビニル基を4個有する物を挙げることができるが、特にこれらに限定はされない。
【0049】本発明の複合ラテックスの平均粒径は、質量平均粒径で0.01〜0.8μmが特に好ましく、0.005〜3.0μmのものであれば何れも好ましく使用することができる。
【0050】本発明の複合ラテックスの重合方法としては例えば乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、放射線重合法等が挙げられる。
【0051】(溶液重合法)溶媒中で適当な濃度の単量体の組成物(通常、溶媒に対して40質量%以下、好ましくは10〜25質量%程度)を開始剤の存在下で約10〜200℃、好ましくは30〜120℃の温度で、約0.5〜48時間、好ましくは2〜20時間重合を行うことで得られる。開始剤は重合溶媒に可溶ならば任意に採用でき、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ジ第3ブチル等の有機溶媒系開始剤、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化カリウム、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ハイドロクロライド等の水溶性開始剤、又これらとFe2+塩や亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤等を挙げることができる。
【0052】溶媒としては単量体の組成物を溶解するものでよく、例えば水、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン若しくはこれらの2種以上の混合溶媒等を挙げることができる。重合終了後、生成した高分子化合物を溶かさない溶媒中に注ぎ込み、生成物を沈殿させ、次いで乾燥することにより未反応組成物を分離除去することができる。
【0053】(乳化重合)水を分散媒とし、水に対して1〜50質量%の単量体と、単量体に対して0.05〜5質量%の重合開始剤、0.1〜20質量%の分散剤を用い、約30〜100℃、好ましくは60〜90℃で3〜8時間、撹拌下で重合させることによって得られる。
【0054】開始剤としては重合溶媒に可溶なものならばよく、例えば過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ジ第3ブチル等の有機溶媒系開始剤、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ハイドロクロライド等の水溶性開始剤、またこれらとFe2+塩や亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤等を挙げることができる。
【0055】溶媒としては単量体の混合物を溶解するものであればよく、例えば水、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、もしくは、これらの2種以上の混合溶媒等を挙げることができる。重合終了後、生成したコポリマーを溶かさない媒質中に反応混合物を注ぎこみ、生成物を沈降させ、ついで乾燥することにより未反応混合物を分離除去することができる。
【0056】乳化重合法では水を分散媒とし、水に対して10〜50質量%のモノマーとモノマーに対して0.05〜5質量%の重合開始剤、0.1〜20質量%の分散剤を用い約30〜100℃、好ましくは60〜90℃で3〜8時間攪拌下重合させることによって得られる。モノマーの濃度、開始剤量、反応温度、時間等は幅広くかつ容易に変更できる。
【0057】開始剤としては水溶性過酸化物(例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、水溶性アゾ化合物(例えば2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ハイドロクロライド等)またはこれらとFe2+塩や亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤等を挙げることができる。
【0058】本発明の複合高分子化合物の分散剤としては水溶性高分子が用いられるが、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤の何れも用いることができる。
【0059】次に本発明の複合高分子化合物の分散剤として用いられる水溶性高分子としては、例えば合成高分子及び天然水溶性高分子が挙げられるが、本発明では何れも好ましく用いることができる。このうち合成水溶性高分子としては、分子構造中に例えばノニオン性基を有するもの、アニオン性基を有するもの、カチオン性基を有するもの、ノニオン性基とアニオン性基を有するもの、ノニオン性基とカチオン性基を有するもの、アニオン性基とカチオン性基を有するもの等が挙げられる。ノニオン性基としては、例えばエーテル基、アルキレンオキサイド基、ヒドロキシ基、アミド基、アミノ基等が挙げられる。アニオン性基としては、例えばカルボン酸基あるいはその塩、燐酸基あるいはその塩、スルホン酸基あるいはその塩等が挙げられる。カチオン性基としては、例えば4級アンモニウム塩基、3級アミノ基等が挙げられる。
【0060】また天然水溶性高分子化合物としても、分子構造中に例えばノニオン性基を有するもの、アニオン性基を有するもの、カチオン性基を有するもの、ノニオン性基とアニオン性基を有するもの、ノニオン性基とカチオン性基を有するもの、アニオン性基とカチオン性基を有するもの等が挙げられる。
【0061】水溶性ポリマーとしては合成水溶性ポリマー、天然水溶性の何れの場合にも、アニオン性基を有するもの及びノニオン性基とアニオン性基を有するものを好ましく用いることができる。
【0062】本発明において水溶性ポリマーとは20℃の水100gに対して0.05g以上溶解すればよく、好ましくは0.1g以上のものである。合成水溶性ポリマーとしては下記一般式(9)及び/または(10)の繰り返し単位をポリマー1分子中に10〜100モル%含むものが挙げられる。
【0063】
【化24】

【0064】式中、R1は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子または、−CH2COOM基を表し、好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基である。L1は2価の連結基を表し、例えば−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CO−または−O−等が挙げられる。J1はアルキレン基、アリーレン基、またはポリオキシアルキレン基を表す。Q1は−OM、−NH2、−SO3M、−COOM、または【0065】
【化25】

【0066】を表すが、このうち−COOM、−SO3Mが好ましく、特に−SO3Mが好ましく用いられる。Mは水素原子またはカチオン(例えばアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン)を表し、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10は炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、X-はアニオンを表す。m1及びn1はそれぞれ0または1を表す。Yは水素原子または−(L2)m2−(J2)n2−Q2を表し、L2、J2、Q2、m2、n2はそれぞれL1、J1、Q1、m1、n1と同義である。
【0067】
【化26】

【0068】式中、R21、R22、R23、R24、R25、R26は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基または−SO3Xであり、ここでXは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基であり、R21〜R26の少なくとも1つは−SO3Xである。
【0069】一般式(9)及び(10)で表される繰り返し単位を有する合成水溶性ポリマーは、一般式(9)及び(10)で表される単位のホモポリマーであってもよいし、他の成分を含んでいてもよい。
【0070】他の成分としては例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン酸エステル類、イタコン酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、グリシジルエステル類、不飽和ニトリル類から選ばれる1種または2種以上を組み合わせた成分が挙げられ、好ましくはアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類である。次に一般式(9)及び(10)で表される合成水溶性ポリマーの具体例を挙げる。
【0071】
【化27】

【0072】
【化28】

【0073】
【化29】

【0074】本発明の複合高分子化合物の分散剤に用いてもよい天然水溶性ポリマーとしては、水溶性高分子水分散法樹脂の総合技術資料集(経営開発センター)に詳しく記載されているものが挙げられるが、好ましくはリグニン、澱粉、プルラン、セルロース、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、アルギン酸、ゼラチン、コラーゲン、グァーガム、アラビアゴム、ラミナラン、リケニン、ニグラン等及びこれらの誘導体である。また天然水溶性高分子の誘導体としては、スルホン化、カルボキシル化、燐酸化、スルホアルキレン化、カルボキシアルキレン化、アルキル燐酸化したもの及びその塩が好ましく用いられる。特に好ましくはグルコース、ゼラチン、デキストラン、セルロース、プルラン、グルコマンナン、デキストリン、ジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びその誘導体である。
【0075】本発明の複合高分子を重合する際には金属アルコキシド化合物を用いることが好ましい。金属アルコキシド化合物には、カップリング剤と呼ばれるものもあり、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤等種々のタイプのものが市販されているが好ましくはシランカップリング剤、チタンカップリング剤である。
【0076】以下、好ましい金属アルコキシド化合物の例を挙げる。
【0077】
【化30】

【0078】
【化31】

【0079】
【化32】

【0080】
【化33】

【0081】本発明の複合高分子は、そのままもしくは水に分散させて写真構成層に含有することができる。分散方法としては超音波、ボールミル、アトライター、パールミル、3本ロールミル、高速グラインド装置等が好ましく用いることができる。
【0082】本発明の複合高分子の使用量は、写真構成層バインダーに対し5〜90質量%添加するのが好ましく、特に好ましくは10〜70質量%である。添加場所としてはハロゲン化銀乳剤層であって感光性層、非感光性層を問わない。
【0083】以下、本発明の複合高分子の具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0084】
【化34】

【0085】
【化35】

【0086】
【化36】

【0087】
【化37】

【0088】
【化38】

【0089】以下、複合ラテックスの製造例を示す。
(複合ラテックスL−1の製造例1)1000mlの4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を取り付け、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ、蒸留水360ml、30質量%のコロイダルシリカ分散物126gを加え、内部の温度が80℃となるまで加熱した。下記化合物を1.3gを添加し、開始剤として過硫酸アンモニウム0.023gを添加し、次いでピバリン酸ビニル12.6gを添加して4時間反応させた。その後冷却し水酸化ナトリウム溶液でpHを6に調整して複合ラテックスL−1を得た。
【0090】
【化39】

【0091】(複合ラテックスL−2の製造例2)1000mlの4つ口フラスコに撹拌器、温度計、滴下ロート、窒素導入管、還流冷却器を取り付け、窒素ガスを導入して脱酸素を行いつつ、蒸留水360ml、30質量%のコロイダルシリカ分散物126gを加え、内部の温度が80℃となるまで加熱し、ヒドロキシプロピルセルロース4.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸1gを添加した。開始剤として過硫酸アンモニウム0.023gを添加し、次いで酢酸ビニル12.6gを添加して、4時間反応させた。その後冷却し水酸化ナトリウム溶液でpHを6に調整して複合ラテックスL−2を得た。
【0092】(複合ラテックスL−3の製造例3)製造例1において、ピバリン酸ビニルに代えてエチルアクリレート6.3g、グリシジルアクリレート6.3gを添加した以外は同様にして複合ラテックスL−3を得た。
【0093】なお、本発明においては市販の複合ラテックスとして大日本インキ(株)製のアクリル酸エステル樹脂複合高分子VONCOAT DVシリーズ等も好ましく用いることができる。
【0094】乳剤への添加は任意でよいが、好ましくは化学熟成後の乳剤に対して水または親水性溶媒に溶解して添加される。
【0095】本発明においては上記の無機粒子のうち、コロイド状シリカがもっとも好ましい。コロイド状シリカの親水性コロイド層に対する添加量としては、0.1〜2.0g/m2であり、好ましくは0.3〜1.5g/m2である。この量は支持体上の下引き層より外側の全ての親水性コロイド層に含有される総量であり、この量域でないと効果がないか、若しくは画質の劣化を伴う等の負効果を生じる。
【0096】コロイド状無機粒子或いは無機粒子と疎水性ポリマーとからなる複合ラテックスの添加位置は、支持体に対しハロゲン化銀乳剤層を含む側の1層あるいは複数のハロゲン化銀乳剤層あるいは親水性コロイド層である。特に好ましくは少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層に含有することである。
【0097】なお、本発明においては該無機粒子と疎水性ポリマーとからなる複合ラテックスを含む場合が特に効果的である。
【0098】本発明中における支持体に対し該乳剤層に無機粒子あるいは無機粒子と有機ポリマーからなる複合ラテックスを10mg〜5g/m2含有し、かつ該層にTg0℃以下のポリマーラテックスを0.1〜2.0g/m2含有する感光性ハロゲン化銀乳剤層を含む側の親水性コロイド層の全ゼラチン量は0.5〜2.5g/m2であり、特に好ましくは、1.0〜2.3g/m2である。
【0099】本発明におけるTg10℃以下のポリマーラテックスにおいては、構成するモノマー単位に特に限定はなく、任意のモノマーの組み合わせを行ってよい。Tgとはガラス転移点温度のことであり、業界で広く知られている物性値である。Tgは構成するモノマー単位の種類や比率を変えることにより変化させることが可能である。例えば2元系のポリマー粒子のTgはおよそ次式で表されることが知られている。
【0100】Tg=V1×Tg1+V2×Tg2(Tobolsky,A.V.;“Properties and Structure of Polymers”JhonWiley and Sons Inc.,p55)
Tgの低い単ポリマーとしてはポリエチレン、ポリn−ブチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルアクリレート等が一般的である。
【0101】本発明におけるTg10℃以下のラテックスの含有量は本発明のハロゲン化銀乳剤層中に10mg〜2.0g/m2であり、特に好ましくは50mg〜1.5g/m2である。
【0102】本発明に用いることができる増感色素としては、上記一般式(1)〜(8)で表されるものが挙げられる。一般式(1)〜(8)で表される増感色素の具体例を以下に示すが本発明はこれに限定されるものではない。但し、一般式(1)及び(2)で表される増感色素1〜59は合わせて表示した。
【0103】
【化40】

【0104】
【化41】

【0105】
【化42】

【0106】
【化43】

【0107】
【化44】

【0108】
【化45】

【0109】
【化46】

【0110】
【化47】

【0111】
【化48】

【0112】
【化49】

【0113】
【化50】

【0114】
【化51】

【0115】
【化52】

【0116】
【化53】

【0117】
【化54】

【0118】
【化55】

【0119】
【化56】

【0120】
【化57】

【0121】
【化58】

【0122】
【化59】

【0123】
【化60】

【0124】
【化61】

【0125】
【化62】

【0126】
【化63】

【0127】
【化64】

【0128】
【化65】

【0129】
【化66】

【0130】
【化67】

【0131】
【化68】

【0132】
【化69】

【0133】
【化70】

【0134】
【化71】

【0135】
【化72】

【0136】
【化73】

【0137】
【化74】

【0138】
【化75】

【0139】
【化76】

【0140】
【化77】

【0141】
【化78】

【0142】
【化79】

【0143】
【化80】

【0144】これらの増感色素は公知の方法で合成することができ、例えば米国特許第5,116,722号に記載された方法により合成することができる。また増感色素は米国特許第3,485,634号に記載されている超音波振動を用いて溶解してもよい。その他に本発明に用いられる増感色素を溶解、或いは分散して乳剤中に添加する方法としては、米国特許第3,482,981号、同第3,585,195号、同第3,469,987号、同第3,425,835号、同第3,342,605号、英国特許1,271,329号、同第1,038,029号、同第1,121,174号、米国特許第3,660,101号、同第3,658,546号に記載の方法を用いることができる。これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組み合わせを用いてもよく、増感色素の組み合わせは特に強色増感の目的でしばしば用いられる。有用な強色増感を示す色素の組み合わせ及び強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロージャー(ResearchDisclosure)176巻17643(1978年12月発行)第23頁IVのJ項に記載されている。
【0145】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、下記に記載された化合物をハロゲン化銀写真感光材料の構成層中に含有させることができる。
【0146】(1)染料の固体分散微粒子体特開平7−5629号公報(3)頁[0017]〜(16)頁[0042]記載の化合物(2)酸基を有する化合物特開昭62−237445号公報292(8)頁左下欄11行目〜309(25)頁右下欄3行目記載の化合物(3)酸性ポリマー特開平6−186659号公報(10)頁[0036]〜(17)頁[0062]記載の化合物(4)増感色素特開平5−224330号公報(3)頁[0017]〜(13)頁[0040]記載の化合物特開平6−194771号公報(11)頁[0042]〜(22)頁[0094]記載の化合物特開平6−242533号公報(2)頁[0015]〜(8)頁[0034]記載の化合物特開平6−337492号公報(3)頁[0012]〜(34)頁[0056]記載の化合物特開平6−337494号公報(4)頁[0013]〜(14)頁[0039]記載の化合物(5)強色増感剤特開平6−347938号公報(3)頁[0011]〜(16)頁[0066]記載の化合物(6)テトラゾリウム化合物特開平6−208188号公報(8)頁[0059]〜(10)頁[0067]記載の化合物(7)ピリジニウム化合物特開平7−110556号公報(5)頁[0028]〜(29)頁[0068]記載の化合物(8)レドックス化合物特開平4−245243号公報235(7)頁〜250(22)頁記載の化合物。
【0147】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料には前記の添加剤およびその他の公知の添加剤を用いることができる。これらについては(RD)No.17643(1978年12月)、同18716(1979年11月)及び同308119(1989年12月)に記載された化合物が挙げられる。
【0148】本発明が適用できるハロゲン化銀写真感光材料としては、例えば直接または間接X線用フィルム、同複製用反転フィルム、CTイメージャー用フィルム、レーザーイメージャー用フィルム、印刷製版用各種フィルム或いはカラー用各種フィルムなどを挙げることができる。
【0149】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロゲン化銀組成は純塩化銀、又は塩化銀含有率が60モル%以上の塩臭化銀、又塩化銀含有率が60モル%以上の塩沃臭化銀であることが好ましい。
【0150】ハロゲン化銀の平均粒径は0.7μm以下であることが好ましく、特に0.1〜0.5μmが好ましい。平均粒径とは、写真科学の分野の専門家には常用されており、容易に理解される用語である。粒径とは、粒子が球状又は球に近似できる粒子の場合には粒子直径を意味する。粒子が立方体である場合には球に換算し、その球の直径を粒径とする。平均粒径を求める方法の詳細については、ミース,ジェームス:ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィックプロセス(C.E.Mees&T.H.James著:The theory of the photographic process),第3版,36〜43頁(1966年(マクミラン「Mcmillan」社刊))を参照すればよい。
【0151】ハロゲン化銀粒子の形状には制限はなく、平板状、球状、立方体状、14面体状、正八面体状その他いずれの形状でもよい。又、粒径分布は狭い方が好ましく、特に平均粒径の±40%の粒径域内に全粒子数の90%、望ましくは95%が入るような、いわゆる単分散乳剤が好ましい。
【0152】本発明における可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せなどのいずれを用いてもよい。
【0153】粒子を銀イオン過剰の下において形成してもよいし、複数の異なった層に含有されてもよい。
【0154】ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法については、詳しくはリサーチ・ディスクロージャー(RD)17643,22〜23頁(1978年12月)に記載もしくは引用された文献に記載されている。
【0155】本発明に用いられる感光材料には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させることができる。即ちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)等;メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類;例えばオキサゾリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例えばトリアザインデン類、テトラザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換−1,3,3a,7−テトラザインデン類)、ペンタザインデン類等;ベンゼンチオスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド、臭化カリウム等のようなカブリ防止剤又は安定剤として知られた多くの化合物を加えることができる。特に好ましくは、N、O、S、Seのいずれかを含む置換もしくは無置換の複素環あるいは複素縮合環、水溶性ハロゲン化物である。
【0156】本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コロイドには無機又は有機の硬膜剤を含有してよい。例えばクロム塩(クロム明礬、酢酸クロム等)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド等)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイン等)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサン等)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕等)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン等)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、フェノキシムコクロル酸等)イソオキサゾール類、ジアルデヒド澱粉、2−クロロ−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチン、イソシアネート類、カルボキシル基活性型硬膜剤等を、単独又は組み合わせて用いることができる。
【0157】本発明の感光性乳剤層及び/又は非感光性の親水性コロイド層には、塗布助剤、帯電防止、滑り性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良など種々の目的で種々の公知の界面活性剤を用いてもよい。
【0158】本発明に用いられる感光材料には、その他の種々の添加剤が用いられる。例えば、減感剤、可塑剤、滑り剤、現像促進剤、オイル、コロイド状シリカなどが挙げられる。
【0159】本発明において用いられる現像液は、公知の現像主薬を用いることができる。具体的には、ジヒドロキシベンゼン類(ハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホネート等)、3−ピラゾリドン類(1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−エチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン等)、アミノフェノール類(o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−メチル−o−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール等)、アスコルビン酸類(アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸等)や金属錯塩(EDTA鉄塩、DTPA鉄塩、DTPAニッケル塩等)を、単独或いは組み合わせて用いることができる。
【0160】特に一般式(A)される現像主薬を用いた場合、本発明の効果が顕著である。一般式(A)で示される化合物において、R1とR2が互いに結合して環を形成した下記一般式(A−a)で示される化合物が特に好ましい。
【0161】
【化81】

【0162】式中、R3は水素原子、置換または未置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または未置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基を表し、Y1はOまたはSを表し、Y2はO、SまたはNR4を表す。R4は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。M1、M2は各々水素原子またはアルカリ金属を表す。
【0163】前記一般式(A)または一般式(A−a)におけるアルキル基としては、低級アルキル基が好ましく、たとえば炭素数1〜5のアルキル基であり、アミノ基としては無置換のアミノ基あるいは低級アルキル基で置換されたアミノ基が好ましく、アルコキシ基としては低級アルコキシ基が好ましく、アリール基としては好ましくはフェニル基あるいはナフチル基等であり、これらの基は置換基を有していてもよく、置換しうる基としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基等が好ましい置換基として挙げられる。
【0164】本発明に係る前記一般式(A)または一般式(A−a)で表される具体的化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0165】
【化82】

【0166】
【化83】

【0167】これらの化合物は、代表的にはアスコルビン酸若しくはエリソルビン酸とそれらの塩またはそれらから誘導される誘導体であり、市販品として入手できるか或いは容易に公知の合成法により合成することができる。
【0168】本発明においては、一般式(A)で表される現像主薬と3−ピラゾリドン類(1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−エチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン等)やアミノフェノール類(o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−メチル−o−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール等)や親水性基で置換されたジヒドロキシベンゼン類(ハイドロキノンモノスルホネート、ハイドロキノンモノスルホン酸ナトリウム塩、2,5−ハイドロキノンジスルホン酸カリウム塩等)の現像主薬を組み合わせて使用することが更に好ましい。組み合わせて使用する場合、3−ピラゾリドン類やアミノフェノール類や親水性基で置換されたジヒドロキシベンゼン類の現像主薬は、通常現像液1L当たり0.01〜0.2モル未満の量で用いられるのが好ましい。特に、アスコルビン酸またはその誘導体と3−ピラゾリドン類の組み合わせ、及びアスコルビン酸またはその誘導体と3−ピラゾリドン類と親水性基で置換されたジヒドロキシベンゼン類の組み合わせが好ましく用いられる。
【0169】本発明においては、現像液には、アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)及びpH緩衝剤(炭酸塩、燐酸塩、硼酸塩、硼酸、酢酸、枸櫞酸、アルカノールアミン等)が添加されることが好ましい。pH緩衝剤としては、炭酸塩が好ましく、その添加量は1L当たり0.2〜1.0モルが好ましく、更に好ましくは、0.3〜0.6モルの範囲である。
【0170】主として一般式(A)で表される現像写真を含有する現像液は、保恒剤として亜硫酸塩を含有することが好ましい。好ましい添加量としては、0.02〜0.3mol/Lが好ましく、特に好ましくは0.1〜0.2mol/Lが好ましい。
【0171】又、現像液には、必要により溶解助剤(ポリエチレングリコール類、それらのエステル、アルカノールアミン等)、増感剤(ポリオキシエチレン類を含む非イオン界面活性剤、四級アンモニウム化合物等)、界面活性剤、消泡剤、カブリ防止剤(臭化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化物、ニトロベンズインダゾール、ニトロベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾール類、チアゾール類等)、キレート化剤(エチレンジアミン四酢酸またはそのアルカリ金属塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩等)、現像促進剤(米国特許第2,304,025号、特公昭47−45541号に記載の化合物等)、硬膜剤(グルタルアルデヒドまたは、その重亜硫酸塩付加物等)、或いは消泡剤等を添加することができる。現像液のpHは7.5〜10.5未満に調整されることが好ましい。更に好ましくは、pH8.5〜10.4である。
【0172】本発明の処理方法に於ける定着液としては、一般に用いられる組成のものを用いることができ、定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩の他、可溶性安定銀錯塩を生成し得る有機硫黄化合物で定着剤として知られているものを用いることができる。
【0173】定着液には硬膜剤として作用する水溶性アルミニウム塩、例えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明礬、アルデヒド化合物(例えば、グルタルアルデヒドやグルタルアルデヒドの亜硫酸付加物等)などを加えることができる。
【0174】さらに所望により、保恒剤(例えば亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衡剤(例えば酢酸、クエン酸)、pH調整剤(例えば硫酸)、硬水軟化能のあるキレート剤等の化合物を含むことができる。
【0175】定着液のpHは3以上、8未満であることが好ましい。定着処理後、水洗及び/または安定化浴で処理される。安定化浴としては画像を安定化させる目的で、膜面pHを調整(処理後の膜面pHを3〜8に)するための無機及び有機の酸及びその塩、またはアルカリ剤及びその塩(例えばほう酸塩、メタほう酸塩、ホウ砂、リン酸塩、炭酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、くえん酸、蓚酸、リンゴ酸、酢酸等を組み合わせて使用)、アルデヒド類(例えばホルマリン、グリオキザール、グルタルアルデヒド等)、キレート剤(例えばエチレンジアミン四酢酸又はそのアルカリ金属塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩等)、防バイ剤(例えばフェノール、4−クロロフェノール、クレゾール、O−フェニルフェノール、クロロフェン、ジクロロフェン、ホルムアルデヒド、P−ヒドロキシ安息香酸エステル、2−(4−チアゾリン)−ベンゾイミダゾール、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ドデシル−ベンジル−メチルアンモニウム−クロライド、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、2,4,4′−トリクロロ−2′−ハイドロオキシジフェニルエーテル等)、色調調整剤及び/または残色改良剤(例えばメルカプト基を置換基として有する含窒素ヘテロ環化合物;具体的には2−メルカプト−5−スルホン酸ナトリウム−ベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプト−5−プロピル−1,3,4−トリアゾール、2−メルカプトヒポキサンチン等)を含有させる。その中でも安定化浴中には防バイ剤が含まれることが好ましい。これらは液状で補充されても、固体状で補充されてもよい。
【0176】処理方法は廃液量の低減の要望から、現像液補充量は1m2当たり50〜150mlで、より好ましくは1m2当たり50〜130mlである。ここでいう現像液補充量とは、補充される量を示す。具体的には顆粒現像補充剤を水で溶解した液の容積である。
【0177】現像補充液および定着補充液はそれぞれ自動現像機のタンク内の現像開始液および定着開始液と同じ液でも、異なった液でもよい。現像開始液および定着開始液は、顆粒処理剤から調製されてもよく、液体濃縮液から調製されたものでもよく、また使用液状態になっている液を使用してもよい。
【0178】現像、定着、水洗及び/または安定化浴の温度は10〜45℃の間であることが好ましく、それぞれが別々に温度調整されていてもよい。
【0179】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0180】実施例1〔ハロゲン化銀乳剤Aの調製〕下記B液及びC液をpH3.0、40℃、流量一定でA液中で同時混合法で30分間添加し、0.18μmの塩臭化銀(AgCl/AgBr=70/30モル%)の立方晶を得た。この際、銀電位(EAg)は、混合開始時には160mVで混合終了時には100mVになっていた。引き続き、限外濾過により不用な塩類を取り除いた後、銀1モル当たり15gのゼラチンを添加しpHを5.7とし55℃で30分間分散した。分散後、クロラミンTを銀1モル当たり4×10-4モル添加した。得られた乳剤の銀電位は190mV(40℃)であった。
【0181】
A液 オセインゼラチン 25g 硝酸(5%) 6.5ml イオン交換水 700ml Na〔RhCl5(H2O)〕 0.02mg B液 硝酸銀 170g 硝酸(5%) 4.5ml イオン交換水 200ml C液 塩化ナトリウム 47.5g 臭化カリウム 51.3g オセインゼラチン 6g Na3〔IrCl6〕 0.15mg イオン交換水 200ml得られた乳剤に、銀1モル当たり安定剤(ST−1)を1.5×10-3モル、臭化カリウムを8.5×10-4モル添加してpH5.6、EAg123mVに調整した。微粒子状に分散した硫黄華を硫黄原子として2×10-5モル及び塩化金酸を1.5×10-5モル添加して50℃で60分化学熟成を行った後、ST−1を銀1モル当たり5×10-3モル、カブリ抑制剤(AF−1)を3×10-4及び沃化カリウムを1.5×10-3モル添加した。40℃に降温した後、表2の増感色素を銀1モル当たり2×10-4モル添加した。
【0182】〔感光材料試料1の作製〕このようにして得られた乳剤を用い、1m2当たりの付量が下記処方になるように、下引加工した支持体上の片側に、支持体側から下記第1層(ゼラチン層)、第2層(ハロゲン化銀乳剤層)、第3層(保護層)を同時重層塗布し、冷却セットした。
【0183】その後、反対側の帯電防止層を有する下引層上に、下記バッキング層を塗布スピード200m/minで塗布し、−1℃で冷却セットし、両面を同時に乾燥することで感光材料試料1を得た。
【0184】(乳剤側下引層)厚さ100μmの二軸延伸したポリエチレンテレフタレート支持体に30W/m2・minのコロナ放電した後、特開昭59−19941号の実施例1記載の下引層を塗布し、100℃で1分間乾燥した。
【0185】(バッキング層側下引層)上記下引き加工をした支持体の反対側に30W/m2・minのコロナ放電した後、下記処方の下引層(UC−1)を塗設し、更にUC−1を塗設した支持体上に10W/m2・minのコロナ放電した後、帯電防止層(UC−2)を70m/minの速さでロールフィットコーティングパン及びエアーナイフを使用して塗布し、90℃で2分間乾燥し、140℃で90秒間熱処理した。尚、数値は1m2当たりの付量を示す。
【0186】
(UC−1)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/ t−ブチルアクリレート/スチレン共重合体 (25/30/25/20質量%) 0.5g 界面活性剤A 3.6mg ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 10mg (UC−2)
水溶性導電性ポリマーB 0.6g 疎水性ポリマー粒子C 0.4g ポリエチレンオキサイド化合物(分子量=600) 0.1g 硬化剤E 0.1g (第1層)
ゼラチン 表2に示す量 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量50万) 0.015g (第2層)
ゼラチン 1.22g ハロゲン化銀乳剤A 銀量として3.3g 5−ニトロインダゾール 0.01g 2−メルカプトヒポキサンチン 0.02g コロイダルシリカ/酢酸ビニル/ビニルピバリネートの懸濁重合物 (75/12.5/12.5質量%) 1.4g ラテックス 表2に示す量 SF−2(ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.010g ヒドラジン化合物(表2記載) 50mg デキストラン(平均分子量7万) 0.1g 4−メルカプト−3,5,6−フルオロフタル酸 0.05gポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量50万) 0.015gこの際塗布液のpHは5.8、EAg=125mVであった。
【0187】
(第3層)
ゼラチン 0.35g 造核促進剤 Na−21 0.016g デキストラン(平均分子量7万) 0.1g レゾルシン 0.1g ジメゾンS 0.05g コロイダルシリカ/酢酸ビニル/ビニルピバリネートの懸濁重合物 (75/12.5/12.5質量%) 0.18g シクロヘキシルフェノキシホスファゼン(平均粒径0.1μm)
0.1g 殺菌剤Z 0.005g 化合物S1 0.02g 滑り剤W1 0.015g SF−1 0.010g SF−2(ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.010g 硬膜剤 H−1 0.120g ポリメチルメタクリレートラテックス(粒径3μm) 0.01g (バッキング層)
ゼラチン 2.6g 染料 F−1 0.11g 染料 F−2 0.02g コロイダルシリカ/酢酸ビニル/ビニルピバリネートの懸濁重合物 (75/12.5/12.5質量%) 0.7g ポリスチレンスホン酸ナトリウム 0.010g マット剤(平均粒径3μmの単分散ポリメチルメタクリレート)
SF−1 0.005g SF−2(ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム) 0.005g 硬膜剤 H−1 0.05g 硬膜剤 H−2 0.07g ST−1:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン AF−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール SF−1:CH3(CH210−(OCH2CH23−OCH2CH2SO3Na【0188】
【化84】

【0189】
【化85】

【0190】
【化86】

【0191】
【化87】

【0192】〔感光材料試料2〜32の作製〕乳剤層のポリマーラテックスのTgと添加量、第1層のゼラチン添加量及び増感色素を表2〜4のように換えた以外は感光材料試料1と同様にして感光材料試料2〜32を作製した。ポリマーラテックスは、ポリn−ブチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ塩化ビニリデン及びポリスチレンの比率を変えることで種々のTgを持つものを合成し、使用した。
【0193】〔評価〕得られた感光材料試料を、自動現像機LDM1090(大日本スクリーン(株)製)を用いて下記処理条件で現像処理を行った。この際、感光材料試料の大きさは610mm×900mmとし、折り曲げ耐性評価のため露光前のフィルムを5枚重ねて両端を手で持ち大きくさばくことを20回繰り返した。また、感光材料試料17及び25については現像液A及びBで現像処理した。下記方法により評価した結果を表2〜4に示す。
【0194】

各処理液処方は以下の通りである。
【0195】
(現像液A)
ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム 1g 亜硫酸ナトリウム 30g 炭酸カリウム 53g 炭酸水素カリウム 17g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシルメチル−3−ピラゾリドン 1.5g エリソルビン酸ナトリウム・1水和物 55g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.25g 臭化カリウム 4g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.21g 没食子酸 5g 8−メルカプトアデニン 0.07g 水酸化カリウムを加えてpH10.0に調整し、1Lに仕上げた。
【0196】
(現像液B)
ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム 1g 亜硫酸ナトリウム 30g 炭酸カリウム 50g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシルメチル−3−ピラゾリドン 1.5g ハイドロキノン 30g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.025g 臭化カリウム 4g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.21g 8−メルカプトアデニン 0.07g 水酸化カリウムを加えてpH10.0に調整して1Lに仕上げた。
【0197】
(定着液 スタート液:使用液1L当たり)
チオ硫酸ナトリウム 200g 亜硫酸ナトリウム 22g グルコン酸ナトリウム 5g 枸櫞酸3ナトリウム・2水塩 12g 枸櫞酸 12g 硫酸にて使用液のpHが5.2になるように調整し500mlに仕上げた。
【0198】
(定着液 補充液:2倍濃縮液)
チオ硫酸ナトリウム 200g 亜硫酸ナトリウム 22g グルコン酸ナトリウム 5g 枸櫞酸3ナトリウム・2水塩 12g 枸櫞酸 12g 硫酸にて使用液のpHが5.2になるように調整し500mlに仕上げた。
【0199】(水洗水)水道水に1L対して、下記浄化剤8.8mlを加えたものを水洗水とした。
【0200】
(浄化剤)
過酸化水素水 35質量% 85.8g サリチル酸 0.1g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3オン 15.0g ポリプロピレングリコール 3.1g DTPA5Na 12.0g 純水を用いて1Lに仕上げた。キット形態は101とした。硫酸を用いてpH=3.1に調整した。
【0201】(折り曲げ耐性)現像処理した試料の黒化の程度を目視で観察し、5段階評価した。
【0202】
ランク1,2:実用に耐えないランク3 :実用可能限界ランク4,5:実用上問題ない(乾燥性)乾燥直後のフィルムの表面状態を触感にて5段階評価した。
【0203】ランク1,2:表面のベトツキがはげしく重ねるとフィルムがくっつくランク3 :表面にベトツキ感はあるが、フィルムのくっつきは生じないランク4 :殆どベトツキを感じないランク5 :完全に乾いている【0204】
【表1】

【0205】
【表2】

【0206】
【表3】

【0207】
【表4】

【0208】以上の結果より、本発明の感光材料は、折り曲げに対し優れた耐性を有することが分かる。また現像液A,Bの比較からも本発明の態様は本発明の化合物Aを含有する場合の方が優れることがわかる。
【0209】
【発明の効果】迅速処理可能であり、かつプレッシャー耐性に優れ、かつ変形時のひび割れや黒化耐性に優れた超硬調なハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成12年3月17日(2000.3.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−264915(P2001−264915A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−75863(P2000−75863)