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【発明の名称】 黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及び黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置
【発明者】 【氏名】内廣 晋治

【要約】 【課題】銀スラッジ、残色性が抑制され、乾燥性及び処理後の膜強度が良好な特性を示す黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそれに用いる黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置を提供する。

【解決手段】支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を現像槽、定着槽、水洗槽を有する自動現像機を用いて現像、定着、水洗処理する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチンの平均分子量が1×104以下であり、且つ、該水洗処理時に、過酸化水素を含有する水を用いることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を現像槽、定着槽、水洗槽を有する自動現像機を用いて現像、定着、水洗処理する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチンの平均分子量が1×104以下であり、且つ、該水洗処理時に、過酸化水素を含有する水を用いることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【請求項2】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を現像槽、定着槽、安定化液槽を有する自動現像機を用いて現像、定着、安定化処理する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチンの平均分子量が1×104以下であり、且つ、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料をグルタルアルデヒド及びその誘導体を含まない安定化液で処理することを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【請求項3】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を現像槽、定着槽、安定化液槽を有する自動現像機を用いて現像、定着、安定化処理する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチンの平均分子量が1×104以下であり、且つ、該安定化液槽がイソチアゾリン化合物または4級アンモニウム化合物を含有することを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【請求項4】 現像処理、定着処理及び水洗処理または安定化処理の工程に用いられる少なくとも1種の処理液が粉剤から調製されたものであり、且つ、該粉剤の全体量の90%の粒子の粒径が20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【請求項5】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を処理する、現像槽、定着槽、水洗槽を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置において、該水洗槽の底部面積Tと該水洗槽の開口部分面積Sとの比がT/S>1.1であることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置。
【請求項6】 水洗槽の底面と壁面の接点から地面に対して水平に形成される面から底面までで最も離れた点までの距離hの値が5〜50cmであることを特徴とする請求項5に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置。
【請求項7】 水洗槽の壁面と、壁面と底面の接点から底面の中心へひいた直線とが形成する角をαとした時、30度<α<85度(但し、形成する角は0〜90の間とする)を特徴とする請求項5または6に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそれに用いる自動現像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】黒白ハロゲン化銀写真感光材料(以下単に感光材料ともいう)は、露光後、現像、脱銀、洗浄、安定化などの工程により処理される。処理は通常自動現像機で行われ、処理液の活性度を一定に保つため補充液を補充する方式が一般に広く用いられている。補充液の補充は感光材料からの溶出物の希釈、蒸発量の補正及び消費成分の補充を目的としている。また水洗工程では通常一般用水道水を供給してフィルム内部に残留している定着成分を洗い流して除去していた。
【0003】省エネルギー化のために、この多量な水の使用を押さえて節水をしようという動きはあり、過酸化水素を水洗水に混ぜて使用する水の量を低減するなどして処理していた。
【0004】更に、近年の廃液量削減及び在庫量低減に伴う低補充化や、イメージセッターの露光スピードアップに伴う処理の迅速化により、定着液中の銀濃度の増加や定着槽から水洗槽へのキャリーオーバーの増加により水洗槽内部の銀スラッジが堆積するという問題が生じていた。それに伴い給水量の増加や酸化剤濃度の調整を行うことによって対応していた。
【0005】しかしながらこれらのいくつかの試みにも関わらず、効果は不充分であった。このような状態でも処理フィルムを再水洗するなどしてユーザーは適宜対応していたが、銀スラッジが更に増加し、処理中に水洗槽内部に銀スラッジが浮遊しそれが処理フィルムに付着してフィルムと水洗ローラー及び乾燥ローラーとの間に挟まってキズとなったりフィルム膜中に残ったりし、更に迅速処理で乾燥性が低下して膜物性が著しく低下してスリキズが発生しやくすくなり、水洗槽に発生した水垢が付着して写真製版に使えないという重大な問題が発生し、解決が強く望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、銀スラッジ、残色性が抑制され、乾燥性及び処理後の膜強度が良好な特性を示す黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそれに用いる黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記の項目1〜7によって達成された。
【0008】1.支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を現像槽、定着槽、水洗槽を有する自動現像機を用いて現像、定着、水洗処理する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチンの平均分子量が1×104以下であり、且つ、該水洗処理時に、過酸化水素を含有する水を用いることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0009】2.支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を現像槽、定着槽、安定化液槽を有する自動現像機を用いて現像、定着、安定化処理する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチンの平均分子量が1×104以下であり、且つ、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料をグルタルアルデヒド及びその誘導体を含まない安定化液で処理することを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0010】3.支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を現像槽、定着槽、安定化液槽を有する自動現像機を用いて現像、定着、安定化処理する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、該黒白ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチンの平均分子量が1×104以下であり、且つ、該安定化液槽がイソチアゾリン化合物または4級アンモニウム化合物を含有することを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0011】4.現像処理、定着処理及び水洗処理または安定化処理の工程に用いられる少なくとも1種の処理液が粉剤から調製されたものであり、且つ、該粉剤の全体量の90%の粒子の粒径が20μm以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0012】5.支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料を処理する、現像槽、定着槽、水洗槽を有する黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置において、該水洗槽の底部面積Tと該水洗槽の開口部分面積Sとの比がT/S>1.1であることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置。
【0013】6.水洗槽の底面と壁面の接点から地面に対して水平に形成される面から底面までで最も離れた点までの距離hの値が5〜50cmであることを特徴とする前記5に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置。
【0014】7.水洗槽の壁面と、壁面と底面の接点から底面の中心へひいた直線とが形成する角をαとした時、30度<α<85度(但し、形成する角は0〜90の間とする)を特徴とする前記5または6に記載の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置。
【0015】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明の黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法について説明する。
【0016】本発明の処理方法においては、黒白ハロゲン化銀写真感光材料中のゼラチンの平均分子量を1×14以下に調整し、その感光材料を用いて、露光、現像処理を行い、その後、水洗処理を行う場合には、過酸化水素を含有する水で水洗処理を行い、前記水洗処理の代わりに安定化処理を行う場合には、グルタルアルデヒドまたはその誘導体を含まない安定化液を用いるか、または、殺菌剤としてイソチアゾリン化合物または4級アンモニウム化合物を含有する安定化液を用いて安定化処理を行うことにより、水洗槽や安定化液槽中に発生する銀スラッジを抑制し、残色性を向上させ、処理後の膜強度、乾燥性において良好な特性が得られ、且つ、ランニング後の水垢発生を抑制することが可能になった。
【0017】本発明に係る平均分子量が1×104以下のゼラチンについて説明する。従来、ゼラチンとしては、通常分子量10万程度のアルカリ処理ゼラチンや酸処理ゼラチン、或いは酸化処理したゼラチンや、Bull.Soc.Sci.Photo.Japan No.16,P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチン等が用いられているが、本発明においては、ハロゲン化銀粒子の核生成時やその他感光材料の作製時において、平均分子量が1×104以下のゼラチンを用いるが、平均分子量が5000〜9000のゼラチンが好ましく用いられる。従来用いられているゼラチンは平均分子量が数十万から数千万のものがあるが、それら高分子量のゼラチンの平均分子量を小さくするために、従来公知のゼラチン分解酵素や過酸化水素等を用いてゼラチンを分解処理することにより、平均分子量1×104以下のゼラチンを調製することが出来る。
【0018】また、本発明においては、核生成時にメチオニン含有量が少ないゼラチンを用いることも好ましい。単位質量(グラム)当たりのメチオニン含有量としては50μモル以下が好ましく、20μモル以下がより好ましい。ゼラチン中のメチオニン含有量は、過酸化水素等を用いてゼラチンを酸化処理することによって低減せしめることができる。
【0019】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Photo.Japan.No.16.P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチンやその加水分解物や酵素分解物等も好ましく用いることができる。また、ゼラチンの平均分子量は従来公知のパギー法を用いて測定することが出来る。
【0020】本発明に係る水洗処理について説明する。本発明に係る水洗処理においては、水洗槽に持ち込まれるハイポを分解するために過酸化水素が含有される。
【0021】本発明における水洗槽の過酸化水素濃度は0.0001〜0.5質量%が好ましく、更に好ましくは0.0003〜0.3質量%である。また水洗槽に供給される過酸化水素水のキット濃厚液内の過酸化水素濃度は2〜35質量%とするのが実用的であり、該キット濃厚液を直接水洗槽に溶解して上記濃度とするのが好ましい。
【0022】本発明に係る安定化液に付いて説明する。本発明に係る安定化液は、殺菌剤としてグルタルアルデヒドまたはその誘導体を含有しないことが特徴である。グルタルアルデヒドは毒性があることが一般に知られているため、処理剤としては用いないことが好ましく、また、グルタルアルデヒドを処理液に用いる場合、通常のメンテナンス作業やフィルムのローラーへの絡まり等の場合、直接使用者の手に触れる可能性があり、危険性が高い等の問題点がある。そこで、本発明においては、安定化槽に用いる殺菌剤として、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系殺菌剤を好ましく用いることが出来る。また、一般に用いられる4級アンモニウム系殺菌剤も好ましく用いられ、上記のイソチアゾリン系殺菌剤と併用することもできる。
【0023】上記殺菌剤の安定化液中での含有量としては、0.001〜100g/Lが好ましく、より好ましくは0.01〜50g/L、更に好ましくは0.1〜30g/Lである。
【0024】更に、水洗槽又は安定化槽内の細菌の発生を防ぐために、定着液中にも殺菌剤を含有しても良い。補充液が固体処理剤より作製される際は、液状ではない殺菌剤を用いるか、もしくは殺菌剤の入った安定化液廃液で固体処理剤を溶解して用いることが好ましい。また新液の場合や安定化廃液を用いない場合では、別途殺菌剤を添加しても良い。
【0025】本発明に係る粉剤について説明する。本発明の処理方法において、現像処理、定着処理、及び水洗処理または安定化処理の工程に用いられる少なくとも1種の処理において、粉剤の全体の90%の粒子の粒径が20μm以下の粒子からなる粉剤を用いて調製されることが本発明に記載の効果を得る観点から好ましく、更に好ましくは、全体の95%以上の粒子の粒径が20μm以下である。また、粒子の粒径としては、10〜20μmの範囲にあることが好ましい。
【0026】上記記載のような粒径分布の粉剤を得るためには、粉剤作製時において、充分混合撹拌することが必要である。
【0027】本発明に係る黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置について説明する。本発明の処理装置においては、水洗処理時、水洗槽の底部面積Tと該水洗槽の開口部分面積Sとの比がT/S>1.1であることを特徴とする黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置を用いることにより、水洗槽や安定化液槽中に発生する銀スラッジを抑制し、残色性を向上させ、処理後の膜強度、乾燥性において良好な特性が得られ、且つ、ランニング後の水垢発生の防止に成功した。
【0028】本発明に係る水洗槽としては、水洗槽底部形状は水洗槽内部の水洗水が抜けやすい形状のものが良い。よって底部形状は下部に向けて尖った形状のものが良いが、逆に上方へ盛り上がった形状のものでも壁面と底面との接する部分に穴を空けることで水洗水の抜け性が良くなるため十分に効果が認められる。
【0029】上記から、水洗槽底部面積Tと水洗槽開口部分面積との比T/Sの値は1.1より大きく設定されるが、好ましくは1.1<T/S<2.0であり、より好ましくは1.2<T/S<1.5である。また、水洗槽の壁面と、壁面と底面の接点から底面の中心へひいた直線とのなす角αの値は30度<α<85度であるが、好ましくは30度<α<60度である。
【0030】水洗槽底面は通常のステンレスや鉄、金属で良いが、フッ素加工などがされると表面張力が低下して好ましい。
【0031】また、水洗槽底面と壁面の接点から地面に対して水平に形成される面から底面までで最も離れた点までの距離は5〜50cmに調整することが本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは10〜50cmである。
【0032】本発明に係る自動現像機は、水洗槽に再生もしくは浄化手段として感材処理面積情報に基づいて自動的に過酸化水素を供給するための供給手段と、感材からの溶出成分などの蓄積により、ある汚染濃度になった場合、水洗液の入れ替えのため少なくとも一部を排水できるように汚染濃度を測定する手段を具備する排水手段とを有することが好ましい。
【0033】また、迅速処理の観点から、自動現像機を用いて処理する場合、感光材料の先端が自動現像機に挿入されてから乾燥ゾーンから出て来るまでの全処理時間(Dry to dry)は10〜60秒であることが好ましく、より好ましくは15〜50秒である。又、100m2以上の大量の感光材料を安定にランニング処理するためには、現像時間が2〜18秒であることが好ましい。
【0034】本発明の処理装置(自動現像機)としては、60℃以上の伝熱体(60℃〜130℃のヒートローラー等)又は150℃以上の輻射物体(タングステン、炭素、ニクロム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化トリウムの混合物、炭化ケイ素等に直接電流を通して発熱放射させたり、抵抗発熱体から熱エネルギーを銅、ステンレス、ニッケル、各種セラミック等の放射体に伝達させたりして赤外線を放出するもの)で乾燥するゾーンをもつものが好ましい。
【0035】又、自動現像機としては下記に記載の方法又は機能を採用したものを好ましく用いることができる。
【0036】(a)脱臭装置:特開昭64−37560号第544(2)頁左上欄〜第545(3)頁左上欄(b)水洗水再生浄化剤及び装置:特開平6−250352号第(3)頁段落「0011」〜段落(8)頁段落「0058」
(c)廃液処理方法:特開平2−64638号第388(2)頁左下欄〜第391(5)頁左下欄(d)現像浴と定着浴の間のリンス浴:特開平4−313749号第(18)頁段落「0054」〜第(21)頁段落「0065」
(e)補充水補充方法:特開平1−281446号第250(2)頁左下欄〜右下欄(f)外気の温度及び湿度を検出して乾燥風を制御:特開平1−315745号第496(2)頁右下欄〜第501(7)頁右下欄及び特開平2−108051号第588(2)頁左下欄〜第589(3)頁左下欄(g)定着廃液からの銀回収:特開平6−27623号第(4)頁段落「0012」〜第(7)頁「0071」
又、2槽以上の水洗槽又は安定化槽を設ける場合には、以前より知られている、水洗水の補充液量を少なくする手段としての多段向流方式が用いられるのが好ましい。この多段向流方式を用いれば、定着後の感光材料は徐々に清浄な方向つまり定着液で汚れていない処理液の方へ順次接触して処理されていくので、効率よい水洗がなされる。
【0037】本発明に係る自動現像機には、現像槽、定着槽、水洗又は安定化槽から選ばれる少なくとも一槽の循環部分に発生した銀スラッジの回収及び色素など感材溶出物の吸着を行う汚れ除去装置を設けるのが好ましい。汚れ除去の方法としてはフィルターを用いるものが好ましい。またオーバーフロー液が溶解槽へ入る際はフィルターを通過することが好ましい。またフィルターは銀吸着ポリマーや活性炭などから構成されるものがより好ましい。フィルターとしては、現在市販されているフィルターを用いても構わない。コニカ(株)製KONICA.DEV FILTERなどもそれに相当し、このタイプのものを改造して現像循環部、定着循環部、水洗および安定化液循環部に装着することもできる。またこれらを改造して2連3連にして装着するとより好ましい。特に水洗又は安定化槽の循環部分にフィルターを設けて処理することが有効である。
【0038】本発明に用いられる処理剤は、粉末、ペースト状、顆粒、錠剤、濃縮液、使用液等いずれの形態で供給されても構わないが、顆粒、錠剤、濃縮液で供給されることが好ましい。開始液として用いる場合は、それらを定められたように水に溶解するなどして調整して用いる。補充液として使用する場合は、予め水と混合溶解して用いるか、直接自現機内に投入して用いるかいずれでも構わない。
【0039】現像液には、アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)及びpH緩衝剤(例えば炭酸塩、燐酸塩、硼酸塩、硼酸、酢酸、枸櫞酸、アルカノールアミン等)が添加されることが好ましい。pH緩衝剤としては、炭酸塩が好ましく、その添加量は1L当たり0.5〜2.5モルが好ましく、更に好ましくは、0.75〜1.5モルの範囲である。保恒剤として用いる亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどがある。亜硫酸塩は0.25モル/L以上、特に0.4モル/リットル以上で用いるのが好ましい。また必要により溶解助剤(例えばポリエチレングリコール類、それらのエステル、アルカノールアミン等)、増感剤(例えばポリオキシエチレン類を含む非イオン界面活性剤、四級アンモニウム化合物等)、界面活性剤、消泡剤、カブリ防止剤(例えば臭化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化物、ニトロベンズインダゾール、ニトロベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾール類、チアゾール類等)、キレート化剤(例えばエチレンジアミン四酢酸又はそのアルカリ金属塩、ニトリロ三酢酸塩、ポリ燐酸塩等)、現像促進剤(例えば米国特許第2,304,025号、特公昭47−45541号に記載の化合物等)、硬膜剤(例えばグルタルアルデヒド又は、その重亜硫酸塩付加物等)、或いは消泡剤などを添加することができる。現像液のpHは7.5以上10.5未満に調整されることが好ましい。更に好ましくは、pH8.5〜10.4である。
【0040】現像廃液は通電して再生することができる。現像廃液を再生して利用する場合には、用いられる現像液の現像主薬としては、遷移金属錯塩類が好ましい。
【0041】現像処理の特殊な形式として、現像主薬を感光材料中、例えば乳剤層中またはその隣接層中に含み、感光材料をアルカリ水溶液中で処理して現像を行わせるアクチベータ処理液に用いてもよい。また、現像主薬を感光材料中、例えば乳剤層中またはその隣接層中に含んだ感光材料を現像液で処理しても良い。このような現像処理は、チオシアン酸塩による銀塩安定化処理と組み合わせて、感光材料の迅速処理の方法の一つとして利用されることが多く、そのような処理液に適用も可能である。
【0042】処理するにあたり、廃液量の低減の要望から感光材料の処理面積に比例した一定量の処理液を補充する。その現像液補充量、定着液補充量、安定化液補充量は感光材料1m2当たりそれぞれ32〜325ml以下、好ましくは65〜130mlである。
【0043】補充量は、母液と同じ液を補充する場合の液の補充量であり、濃縮液を水で希釈した液で補充する場合の濃縮液と水の合計量であり、固体処理剤を水で溶解した液で補充する場合の固体処理剤容積と水の容積の合計量であり、また固体処理剤と水を別々に補充する場合の固体処理剤容積と水の容積の合計量である。
【0044】固体処理剤は、処理液を構成する成分が成形された固体をいい、処理液成分が全て含有された1種の固体、または固体が2種以上で処理液の成分を構成できるものであっても良い。
【0045】固体処理剤を作製する方法としては水を添加して造粒を行った後に乾燥させて顆粒を得て成形する方法と水の添加量を少なくして造粒を行い、もしくはまったく水を添加せずに、直接乾燥工程を経ずに成形する方法がある。水添加量としては全体の素材の量に対して0〜2質量%であることが好ましい。造粒を行わずに原材料を直接圧縮成形して顆粒状の固体処理剤を成形する方式の例としてブリケッティングマシンがある。また造粒する手段としては一般に用いられている撹拌造粒機やヘンシェルミキサーを用いる方法がある。
【0046】本発明の処理方法に用いる定着液及び現像液にはN−アセチル−D.L−ペニシラミン、8−メルカプトアデニンを含有させることが好ましい。
【0047】迅速処理の観点から、感光材料の先端が自動現像機に挿入されてから乾燥ゾーンから出て来るまでの全処理時間(Dry to dry)は10〜60秒であることが好ましく、より好ましくは15〜50秒である。又、100m2以上の大量の感光材料を安定にランニング処理するためには、現像時間が2〜18秒であることが好ましい。
【0048】本発明に用いられるハロゲン化銀について説明する。本発明の黒白ハロゲン化銀写真感光材料に用いられるハロゲン化銀は、塩化銀、塩化銀含有率60モル%以上の塩臭化銀又は塩沃臭化銀であることが補充量の低減や迅速処理にとって好ましい。
【0049】ハロゲン化銀粒子の平均粒径は1.2μm以下、特に0.1〜0.8μmが好ましい。又、粒径分布は狭い方が好ましくいわゆる単分散乳剤を用いるのが好ましい。又、(100)面を主平面とする平板状粒子からなる乳剤が好ましく、そのような乳剤は米国特許第5,264,337号、同第5,314,798号、同第5,320,958号の記載を参考にして得ることができる。更に、高照度特性を得るためにイリジウムをハロゲン化銀1モル当たり10-9〜10-3モルの範囲でドーピングしたり、乳剤を硬調化するためにロジウム、ルテニウム、オスミウム及びレニウムから選ばれる少なくとも1種をハロゲン化銀1モル当たり10-9〜10-3モルの範囲でドーピングしたりするのが好ましい。
【0050】ハロゲン化銀乳剤には、硫黄増感、セレン増感、テルル増感、還元増感及び貴金属増感等公知の化学増感を施すことができる。
【0051】本発明の処理を行う黒白ハロゲン化銀写真感光材料には以下に記載する技術を採用するのが好ましい。
【0052】(1) 染料の固体分散微粒子:特開平7−5629号第(3)頁段落「0017」〜第(16)頁段落「0042」
(2) 酸基を有する化合物:特開昭62−237445号第292(8)頁左下欄11行目〜第309(25)頁右下欄3行目(3) 酸性ポリマー:特開平6−186659号第(10)頁段落「0036」〜第(17)頁段落「0062」
(4) 増感色素特開平5−224330号第(3)頁段落「0017」〜第(13)頁段落「0040」
特開平6−194771号第(11)頁段落「0042」〜第(22)頁「0094」
特開平6−242533号第(2)頁段落「0015」〜第(8)頁段落「0034」
特開平6−337492号第(3)頁段落「0012」〜第(34)頁段落「0056」
特開平6−337494号第(4)頁段落「0013」〜第(14)頁段落「0039」
(5) 強色増感剤:特開平6−347938号第(3)頁段落「0011」〜第(16)頁段落「0066」
(6) ヒドラジン誘導体:特開平7−114126号第(23)頁段落「0111」〜第(32)頁段落「0157」
(7) 造核促進剤:特開平7−114126号第(32)頁段落「0158」〜第(36)頁段落「0169」
(8) テトラゾリウム化合物:特開平6−208188号第(8)頁段落「0059」〜第(10)頁段落「0067」
(9) ピリジニウム化合物:特開平7−110556号第(5)頁段落「0028」〜第(29)頁「0068」
(10) レドックス化合物:特開平4−245243号第235(7)頁〜第250(22)頁(11) シンジオタクチックポリスチレン支持体:特開平3−131843号第324(2)頁〜第327(5)頁その他の添加剤については、例えばリサーチ・ディスクロージャーNo.17643(1978年12月)、同No.18716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12月)に記載の化合物を採用することができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0054】実施例1(He−Neレーザー光源用印刷製版スキャナー用ハロゲン化銀写真感光材料の作製)
《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》同時混合法を用いて塩化銀70モル%、残りは臭化銀からなる平均厚み0.05μm平均直径0.15μmの塩臭化銀コア粒子を調製した。コア粒子混合時にK3RuCl6を銀1モルあたり8×10-8モル添加した。このコア粒子に、同時混合法を用いてシェルを付けた。その際、K2IrCl6を銀1モルあたり3×10-7モル添加した。得られた乳剤は平均厚み0.10μm平均直径0.25μmのコア/シェル型単分散(変動係数10%)の(100)面を主平面として有する塩沃臭化銀(塩化銀90モル%、沃化銀0.2モル%、残りは臭化銀からなる)平板粒子の乳剤であった。
【0055】この乳剤を40℃に冷却し、凝集高分子剤としてフェニルカルバモイル基で変性(置換率90%)された変性ゼラチン13.8質量%水溶液1800mlを添加し、3分間撹拌した。その後酢酸56質量%水溶液を添加して乳剤のpHを4.6に調整し3分間撹拌した後20分間静置させデカンテーションにより上澄み液を排水した。
【0056】その後40℃の蒸留水9.0Lを加え、撹拌静置後上澄み液を排水しさらに蒸留水11.25Lを加え撹拌静置後上澄み液を排水した。続いてゼラチン水溶液と炭酸ナトリウム10質量%水溶液を加えてpHが5.80になるよう調整し50℃で30分間撹拌し再分散した。再分散後40℃にてpHを5.80pAgを8.06に調整した。脱塩後この乳剤のEAgは50℃で190mVであった。
【0057】得られた乳剤に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モルあたり1×10-3モル添加し更に臭化カリウム及びクエン酸を添加してpH5.6、EAg123mVに調整して、p−トルエンチオスルホン酸ナトリウム1×10-3モルを添加後、銀1モルあたりクロラミンTを350mg、無機硫黄(S8)を0.6mg、トリクロロオーレイト6mgを添加して温度60℃で最高感度がでるまで化学熟成を行った。
【0058】熟成終了後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モルあたり2×10-3モル、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを3×10-4モル及び沃化カリウムを300mg添加した。
【0059】《ハロゲン化銀乳剤Bの調製》同時混合法を用いて塩化銀60モル%、沃化銀2.5モル%、残りは臭化銀からなる平均厚み0.05μm平均直径0.15μmの塩沃臭化銀コア粒子を調製した。コア粒子混合時にK3Rh(H2O)Br5を銀1モルあたり2×10-8モル添加した。このコア粒子に、同時混合法を用いてシェルを付けた。その際K2IrCl6を銀1モルあたり3×10-7モル添加した。得られた乳剤は平均厚み0.10μm平均直径0.42μmのコア/シェル型単分散(変動係数10%)の塩沃臭化銀(塩化銀90モル%、沃化銀0.5モル%、残りは臭化銀からなる)平板粒子の乳剤であった。ついで特開平2−280139号、287(3)頁に記載の変性ゼラチン(化合物G−8)を使い脱塩した。脱塩後のEAgは50℃で190mVであった。
【0060】得られた乳剤に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モルあたり1×10-3モル添加し、更に臭化カリウム及びクエン酸を添加してpH5.6、EAg123mVに調整して、塩化金酸を2×10-5モル添加した後にN,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロセレノ尿素を3×10-5モル添加して温度60℃で最高感度がでるまで化学熟成を行った。熟成終了後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを銀1モルあたり2×10-3モル、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを3×10-4モル及びゼラチンを添加した。
【0061】上記の支持体の一方の下塗層上に、下記の処方1のゼラチン下塗層をゼラチン量が0.5g/m2になるように、その上に処方2のハロゲン化銀乳剤層1を銀量1.5g/m2、ゼラチン量が0.5g/m2になるように、さらにその上層に中間保護層として下記処方3の塗布液をゼラチン量が0.3g/m2になるように、さらにその上層に処方4のハロゲン化銀乳剤層2を銀量1.4g/m2、ゼラチン量が0.4g/m2になるように、さらに下記処方5の塗布液をゼラチン量が0.6g/m2になるよう同時重層塗布した。また反対側の下塗層上には下記処方6のバッキング層をゼラチン量が0.6g/m2になるように、その上に下記処方7の疎水性ポリマー層を、さらにその上に下記処方8のバッキング保護層をゼラチン量が0.4g/m2になるように乳剤層側と同時重層塗布することで試料を得た。
【0062】
処方1(ゼラチン下塗層組成)
ゼラチン 0.5g/m2 染料AD−1の固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 25mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 10mg/m2 S−1(ソジウム−イソ−アミル−n−デシルスルホサクシネート)
0.4mg/m2 処方2(ハロゲン化銀乳剤層1組成)
ハロゲン化銀乳剤A 銀量1.5g分使用/m2 染料AD−8の固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 20mg/m2 シクロデキストリン(親水性ポリマー) 0.5g/m2 増感色素d−1 5mg/m2 増感色素d−2 5mg/m2 ヒドラジン誘導体HY−1 20mg/m2 造核促進剤:例示化合物AM−1 40mg/m2 レドックス化合物:RE−1 20mg/m2 化合物e 100mg/m2 ラテックスポリマーf 0.5g/m2 硬膜剤g 5mg/m2 S−1 0.7mg/m2 2−メルカプト−6−ヒドロキシプリン 5mg/m2 EDTA 30mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 10mg/m2 処方3(中間層組成)
ゼラチン 0.3g/m2 S−1 2mg/m2 処方4(ハロゲン化銀乳剤層2組成)
ハロゲン化銀乳剤B 銀量1.4g分/m2 増感色素d−1 6mg/m2 ヒドラジン誘導体HY−2 20mg/m2 造核促進剤AM−1 40mg/m2 レドックス化合物:RE−1 20mg/m2 2−メルカプト−6−ヒドロキシプリン 5mg/m2 EDTA 20mg/m2 ラテックスポリマーf 0.5g/m2 S−1 1.7mg/m2 処方5(乳剤保護層組成)j ゼラチン 0.6g/m2 染料bの固体分散体(平均粒径0.1μm) 40mg/m2 S−1 12mg/m2 マット剤:平均粒径3.5μmの単分散シリカ 25mg/m2 1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノ−ル 40mg/m2 界面活性剤h 1mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 10mg/m2 硬膜剤j 30mg/m2 処方6(バッキング層組成)
ゼラチン 0.6g/m2 S−1 5mg/m2 ラテックスポリマーf 0.3g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 70mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物i 100mg/m2 処方7(疎水性ポリマー層組成)
ラテックス(メチルメタクリレート:アクリル酸=97:3)
1.0g/m2 硬膜剤g 6mg/m2 処方8(バッキング保護層)
ゼラチン 0.4g/m2 マット剤:平均粒径5μmの単分散ポリメチルメタクリレート 50mg/m2 ソジウム−ジ−(2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 10mg/m2 界面活性剤h 1mg/m2 染料k 20mg/m2 H−(OCH2CH268−OH 50mg/m2 硬膜剤j 20mg/m2【0063】
【化1】

【0064】
【化2】

【0065】
【化3】

【0066】
【化4】

【0067】上記記載のHe−Neレーザー光源用印刷製版スキャナー用黒白ハロゲン化銀写真感光材料の作製においては、使用するゼラチン(ハロゲン化銀の調製、塗布液作製等、感光材料作製に用いる全てのゼラチン)を表1に示すような平均分子量を有するゼラチンを各々、用いて、黒白ハロゲン化銀写真感光材料試料1〜9を作製した。黒白ハロゲン化銀写真感光材料試料4〜9の作製に用いたゼラチンについては、黒白ハロゲン化銀写真感光材料試料1〜3の作製に用いた高分子量ゼラチンを従来公知のゼラチン分解酵素や過酸化水素等を用いるゼラチン低分子量化処理により、各々、分子量が1×104以下になるように調製した。
【0068】《試料1〜9の作製》上記の処方で作製された黒白ハロゲン化銀写真感光材料試料1〜9の各々を大日本スクリーン(株)製イメージセッターFTR−5055を用いて網パターン175LINE/inchで黒化率5%となるように露光し、大日本スクリーン(株)製自動現像機LD−M1060に現像液、定着液補充用に顆粒を投入できるようにコニカ(株)製ミキサーSM−11を装着した。イメージセッターにはフィルムを露光までにあらかじめ溜め込んでおくスペースを新たに増設し、温度、湿度を調節できるように改造した。そして、コニカ(株)製現像液CDM681を母液CDM681Gを補充液、CFL891を母液、CFL881Gを補充液として黒白ハロゲン化銀写真感光材料1m2あたり現像補充液65ml/m2、定着補充液100ml/m2の補充を行い一年間、一日あたり508mm×610mmサイズを800枚処理し、その液をランニング液とした。水洗槽にはコニカ(株)製水きれい装置WS−2を接続した。更に、水洗槽を改造し循環装置を取り付け、浄化剤を直接添加できるようにした。またWS−2と同様に大全フィルム7枚処理するごとに5Lの給水を行えるようにした。またラインスピードも2.0倍まで可変できるよう改造し、より高速処理が可能となるようにした。
【0069】
《浄化剤の処方(浄化剤を用い水洗処理をした場合)》
過酸化水素水(35質量%) 90.0g サリチル酸 0.1g ベンゾイソチアゾリン 30.0g ポリプロピレングリコール 3.1g 純水で1Lに仕上げた。pH=3.2となるよう硫酸を添加した。
【0070】

《水洗又は安定化槽に発生する銀スラッジ汚れの評価》ランニング後に水洗槽に発生する汚れの程度を下記の様に目視で5段階で評価した。
【0071】
A:沈殿が全くなく、液が澄んでいるB:沈殿が全くないC:沈殿は発生しないが、汚れが見られる、実用可D:沈殿が少量、発生E:沈殿が大量に底部に蓄積本発明においては、C以上が実用可である。
【0072】《残色性評価》黒白ハロゲン化銀写真感光材料を未露光の状態で現像処理したものを8〜10枚重ねた。その残色を目視で観察し、実用上問題のないレベルを3として5段階で評価した。5が最も良好、4が良好、2が劣る、1が最も劣るレベルである。
【0073】《膜強度評価》クラッチ強度自動現像機で処理中の定着後のフィルムを水洗終了後取り出し、スクラッチメーター(HEIDON−18型:ヘイドン社製)にてスクラッチ強度を評価した。針はサファイア0.25mm径で重りは200gを用いた。数値が大きいほど強度が大きいことを表す。150g以上が実用できる値である。
【0074】《フィルム乾燥性》
A:フィルムが完全に乾いて出てくるB:フィルムが乾いて出てくるC:フィルムがやや湿って出てくるD:フィルムを連続で処理すると乾かずに出てくるE:フィルムが殆ど乾かず、乾燥ローラーで詰まるC以上を実用可であるとした。
【0075】《水洗槽に発生する水垢の評価》ランニング後に水洗槽に発生する水垢の程度を下記の様に目視で5段階で評価した。
【0076】
A:水垢が全くなく、液が澄んでいるB:水垢が全くないC:水垢は目立たないが、やや汚れて見えるが、実用可D:水垢がやや浮遊するE:水垢が浮遊したり底部に蓄積するC以上が実用可である。
【0077】
【表1】

【0078】表1から、比較の試料と比べて、本発明の試料は銀スラッジ性、残色性、処理後の膜強度、乾燥性が良好であり、且つ、水垢発生等も抑制されていることがわかる。
【0079】実施例2実施例1における自動現像機の水洗槽部分を改造して3槽多段槽に変更し、水洗浄化剤処理を安定化液処理に変更した。安定化液の補充量は130ml/m2とし他は同様に実験評価を行った。
【0080】
《安定化液処方》
DTPA−5Na 0.5g/l DTPA−5H 0.5g/l 殺菌剤 0.1g/l ジプロピレングリコール 0.3g/lpH=5.0となるように硫酸と水酸化カリウムで調整し、30L作製した。
【0081】表2に示す殺菌剤を下記に示す。
R:5−クロロ−2メチル−4イソチアゾリン−3オンB:ベンゾイソチアゾリン−3−オンG(比較の殺菌剤):グルタルアルデヒド【0082】
【表2】

【0083】表2から、比較の試料と比べて、本発明の試料は銀スラッジ性、残色性、処理後の膜強度、乾燥性が良好であり、且つ、水垢発生等も抑制されていることがわかる。
【0084】実施例3実施例1の表1の試料作製において、ゼラチンとしては、全て分子量1×105のものを使用し、且つ、現像液定着液を母液補充液とも下記処方のものに変更した他は同様にして試料17〜23を作製し、実施例1に記載と同様の方法を用いて評価を行った。
【0085】《粉剤現像剤キットの作製(使用液10L分)》
(素材Aの処理)エリソルビン酸ナトリウムを ホソカワミクロン(株)社製MIKRO−PULVERIZER AP−B粉砕器で、メッシュ8mm、回転数25Hzで粉砕した。8メルカプトアデニンを上記同粉砕器にて、メッシュ8mm、回転数50Hzで粉砕した。KBrを上記同粉砕器にて、メッシュ8mm、回転数50Hzで粉砕した。
【0086】(素材Aの混合)市販のV型混合機(容量200L)を使用して、下記処方を混合した。
【0087】
エリソルビン酸ナトリウム(上記粉砕物) 163kg ジメゾンS 3.5kg 8メルカプトアデニン(上記粉砕物) 0.3kg DTPA.5H 11kg KBr(上記粉砕物) 6.5kg 70%液ソルビット 0.1質量%得られた混合体の任意の点(5ヶ所)から50gづつサンプリングして分析したところ、各成分の濃度は上記処方値の±5%以内の濃度を有しており、充分に均一に混合されていた。
【0088】以上により粉剤DAが得られた。
(素材Bの準備)エチルアルコール400mlに1−フェニル−5メルカプトテトラゾール18gおよびベンゾトリアゾール78gを溶解した。得られた溶液を、ミキサーにて回転している亜硫酸ナトリウム20kgに少量づつ滴下し、充分乾燥するまで回転を続けた。得られた混合体の任意の点(5ヶ所)から10gづつサンプリングして分析したところ、1−フェニル−5メルカプトテトラゾールとベンゾトリアゾールは充分均一に混合されていた。ついで、市販のV型混合機(容量200L)を使用して上記混合体と炭酸カリウム56kg、炭酸ナトリウム42kg、水酸化リチウム・1H2O 2kg、70%液ソルビット0.1質量%を混合し、粉剤DBを得た。
【0089】《包装(使用液10Lキット)》ポリエチレン包材に下記順番で原材料混合体および成形品を充填し、アルミピローで蓋をしヒートシーラーで密封した。
【0090】
粉剤DB 1264g (下層)
粉剤DA 399g (上層)
このキットを仕上がり10Lに溶解後のpHは9.80であった。なお、混合時間を変化させることで粒径は変わり、平均粒径20μm以下のものが90%を占める粉剤を得るには約10分前後であった。時間を増加させると粒径は増大した。
【0091】《粉剤定着剤キットの作製(使用液100L分)》
(素材の前処理)1−オクタンスルホン酸ナトリウムをホソカワミクロン(株)社製MIKRO−PULVERIZER AP−B粉砕器で、メッシュ4mm、回転数60Hzで粉砕した。
【0092】(素材の混合)市販のV型混合機(容量200L)を使用して、下記処方を混合した。
【0093】
チオ硫酸ナトリウム 15kg 亜硫酸ナトリウム 2.2kg 70%液ソルビット 0.1質量%得られた混合体に1−オクタンスルホン酸ナトリウム(上記粉砕品)を1kg添加してさらに5分間混合した。これを粉剤FAとする。
【0094】(素材の混合)市販のV型混合機(容量200L)を使用して、下記処方を混合した。
【0095】
クエン酸3ナトリウム2水塩 2.94kg グルコン酸ナトリウム 0.5kg コハク酸 1.2kg 70%液ソルビット 0.1質量%これを粉剤FBとする。
【0096】(包装)下記順番で成形品を充填した。
【0097】粉剤FB(下層)
粉剤FA(上層)
この100L分を現像剤と同様10Lキットに包装した。仕上がり10Lに溶解後のpHはpH=5.6であった。なお、混合時間を変化させることで粒径は変わり、平均粒径20μm以下のものが90%を占める粉剤を得るには約10分前後であった。時間を増加させると粒径は増大した。
【0098】
【表3】

【0099】表3から、比較の試料と比べて、本発明の試料は銀スラッジ性、残色性、処理後の膜強度、乾燥性が良好であり、且つ、水垢発生等も抑制されていることがわかる。
【0100】実施例4実施例1の自動現像機の水洗槽の底部形状を表4に記載のように変更し、ゼラチンとしては、全て分子量は1×105のものを使用した以外は、実施例1と同様にして黒白ハロゲン化銀写真感光材料24〜30を作製し、ついで、処理を行い、試料24〜30を作製した。得られた試料については、実施例1と同様に評価した。
【0101】
【表4】

【0102】表4から、比較の試料と比べて、本発明の試料は銀スラッジ性、残色性が良好であり、且つ、水垢発生等も抑制されていることがわかる。
【0103】
【発明の効果】本発明により、銀スラッジ、残色性が抑制され、乾燥性及び処理後の膜強度が良好な特性を示す黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法及びそれに用いる黒白ハロゲン化銀写真感光材料の処理装置を提供することが出来た。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成12年3月23日(2000.3.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−264914(P2001−264914A)
【公開日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【出願番号】 特願2000−82004(P2000−82004)