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経年変化した白黒写真の修復法 - 特開2001−42489 | j-tokkyo
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【発明の名称】 経年変化した白黒写真の修復法
【発明者】 【氏名】村 林 孝 夫

【要約】 【課題】長期保存された白黒写真の乾板・フィルム・印画紙における銀鏡(銀カブリ)や、白黒写真の変色、退色などの経年変化を修復する方法の提供。

【解決手段】乾板・フィルムの場合においては、表面をエチルアルコールを充分に含ませた脱脂綿で拭い、次いでエチルアルコールを乾かし、少量の銀鏡除去液を含ませた脱脂綿で乾板・フィルムの表面の銀鏡部分を擦り落した後、流水で水洗し、爾後自然乾燥させる。また印画紙においては、汚れを水洗により落とした印画紙の膜面に水を含ませ、硬膜処理をし、水洗を行い画像を形成する変色した銀化合物を漂白剤で漂白し、次いで、水洗、残留した漂白液の分解、漂白によってできたハロゲン化銀の露光、現像、現像液の中和、印画紙に残留したハロゲン化銀の分解、表付着定着液の水洗、残留ハイポ分解し、印画紙に残留した化合物をほぼ完全に除いた後、自然乾燥し、加圧して平滑にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乾板・フィルムの表面をエチルアルコールを充分に含ませた脱脂綿で拭い、次いで前記エチルアルコールを乾かした後、少量の銀鏡除去液を含ませた脱脂綿で乾板・フィルムの表面の銀鏡部分を擦り落し、このようにして銀鏡を除去した乾板・フィルムを流水で水洗し、爾後自然乾燥させることを特徴とする経年変化した白黒写真の修復法。
【請求項2】 前記銀鏡除去液がメタノール(CHOH)99.9%のA液と、食塩水(NaCl+HO)10.0%のB液とからなり、A液:B液=4:1の混合液からなる請求項1記載の経年変化した白黒写真の修復法。
【請求項3】 表面の汚れを水洗により落とした印画紙の膜面に水を含ませ、漂白処理に際して膜面のゼラチンが軟化するため硬膜処理をし、印画紙に残留した硬膜液を除くための水洗を行い画像を形成する変色又は退色した銀化合物や銀鏡を漂白剤で漂白し、印画紙方面に付着した漂白液を水洗すると共に、印画紙に残留した漂白液を清浄液で分解し、漂白によってできたハロゲン化銀を充分に露光し一般的な印画紙現像液で現像し、停止液によって現像液を中和し、印画紙に残留したハロゲン化銀を定着液で分解し、印画紙方面に付着した定着液を水洗し、かつ印画紙に残留したハイポ(チオ硫酸ナトリウム)を分解し、印画紙に残留した化合物をほぼ完全に除いた後、自然乾燥し、乾燥した印画紙を平らな板に挟み加圧して平滑にすることを特徴とする、経年変化した白黒写真の修復法。
【請求項4】 前記変色又は退色した印画紙の銀鏡除去の処理方法として、処理温度20℃において、無水亜硫酸ナトリウム50g、氷酢酸50ml及びカリミョウバン100gに水1lを加えた硬膜液と、過マンガン酸カリ5gに水1lを加えたC液と、塩酸(35%)100mlに水1lを加えたD液において、C液:B液:水=1:1:8〜38の混合液からなる漂白液と、メタ重亜硫酸カリ5%液からなる清浄液と、D72 1:2希釈液などの現像液と、氷酢酸3%からなる停止液と、チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)240gに水1lを加えた定着液と、メタ硼酸ナトリウム2%液からなるハイポ除去液とからなる請求項3記載の経年変化した白黒写真の修復法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、長期保存された白黒写真の乾板・フィルム・印画紙における銀鏡(銀カブリ)や、白黒写真の変色、退色などの経年変化を修復する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】長期保存された白黒写真の乾板・フィルム・印画紙では、経年変化のひとつとして、写真表面で画像を形成している銀が、金属光沢を放つようになり、これは銀鏡(銀カブリ)と呼ばれ、写真の暗部に顕著に現れ、画質の低下を招くと共に、その写真が内包する本来の意識や、意味を損なうことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記現象は画像表面で起きているので、表層の銀鏡部分を除去あるいは銀の金属結合を乱し、銀鏡部分を本来の黒化した銀に置き換えればよいのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の修復法においては、乾板・フィルムの場合において、乾板・フィルムの表面をエチルアルコールを充分に含ませた脱脂綿で拭い、次いで前記エチルアルコールを乾かした後、少量の銀鏡除去液を含ませた脱脂綿で乾板・フィルムの表面の銀鏡部分を擦り落し、このようにして銀鏡を除去した乾板・フィルムを流水で水洗し、爾後自然乾燥させる。
【0005】請求項2においては、前記請求項1記載の方法において、前記銀鏡除去液がメタノール(CHOH)99.9%のA液と、食塩水(NaCl+HO)10.0%のB液とからなり、A液:B液=4:1の混合液からなる。
【0006】請求項3に記載の修復法においては、印画紙の場合において、表面の汚れを水洗により落とした印画紙の膜面に水を含ませ、漂白処理に際して膜面のゼラチンが軟化するため硬膜処理をし、印画紙に残留した硬膜液を除くための水洗を行い画像を形成する変色又は退色した銀化合物や銀鏡を漂白剤で漂白し、印画紙方面に付着した漂白液を水洗すると共に、印画紙に残留した漂白液を清浄液で分解し、漂白によってできたハロゲン化銀を充分に露光し一般的な印画紙現像液で現像し、停止液によって現像液を中和し、印画紙に残留したハロゲン化銀を定着液で分解し、印画紙方面に付着した定着液を水洗し、かつ印画紙に残留したハイポ(チオ硫酸ナトリウム)を分解し、印画紙に残留した化合物をほぼ完全に除いた後、自然乾燥し、乾燥した印画紙を平らな板に挟み加圧して平滑にする。
【0007】請求項4においては、前記請求項3記載の修復法において、前記変色又は退色した印画紙の銀鏡除去の処理方法として、処理温度20℃において、無水亜硫酸ナトリウム50g、氷酢酸50ml及びカリミョウバン100gに水1lを加えた硬膜液と、過マンガン酸カリ5gに水1lを加えたC液と、塩酸(35%)100mlに水1lを加えたD液において、C液:B液:水=1:1:8〜38の混合液からなる漂白液と、メタ重亜硫酸カリ5%液からなる清浄液と、D721:2希釈液などの現像液と、氷酢酸3%からなる停止液と、チオ硫酸ナトリウム(ハイポ)240gに水1lを加えた定着液と、メタ硼酸ナトリウム2%液からなるハイポ除去液とからなる。
【0008】
【発明の実施の形態】I.乾板・フィルムの場合の銀鏡除去の手段。この場合の銀鏡除去に使用する液体としては、A液 メタノール(CHOH) 99.9%B液 食塩水(NaCl+HO) 10.0%A液:B液=4:1の混合液である。
【0009】上記液体を使用して行なう銀鏡除去は次のようにして行なわれる。すなわち、1)コンディショニング乾板及びフィルムの表面の汚れを落とすために、エチルアルコールを充分に含ませた脱脂綿で拭う。
2)乾燥(3〜5分)
エチルアルコールを乾かす。
3)銀鏡の除去銀鏡除去液少量を脱脂綿に含ませ、銀鏡部分を丁寧に擦り落とす。この場合、一度では除去できないので、数回繰り返すことにより銀鏡を除去する。
4)水洗(10〜15分)
銀鏡を除去した乾板・フィルムを流水で水洗する。
5 乾燥風通しのよい、埃のない場所で自然乾燥する。
【0010】II.印画紙の場合の変色又は退色の銀鏡除去手順。先ず各処理処方に使用される液体について説明する。処理温度を20℃として、a)硬膜液 無水亜硫酸ナトリウム 50g 氷酢酸 50ml カリミョウバン 100g 水を加えて 1lb)漂白液 C液:過マンガン酸カリ 5g 水を加えて 1l D液:塩酸(35%) 100ml 水を加えて 1l C液:D液:水=1:1:8〜38の混合液。
c)清浄液 メタ重亜硫酸カリ 5%液。
d)現像液 D72 1:2希釈液など。
e)停止液 氷酢酸 3%液。
f)定着液 チオ硫酸ナトリウム(ハイポ) 240g 水を加えて 1lg)ハイポ除去液 メタ硼酸ナトリウム 2%液。
【0011】上記処理を用いてする修復法の手順は次のとおりである。
1.前水洗(2分)
印画紙表面の汚れを落とし、膜面に水を含ませる。
2.硬膜(8分)
漂白処理は膜面のゼラチンを軟化するため、硬膜液で硬膜処理を行なう。
3.水洗(10分)
印画紙に残留した硬膜液を除く。
4.漂白(2〜5分)
画像を形成する変色した銀化合物や銀鏡を漂白する。
5.水洗(3分)
印画紙表面に付着した漂白液を除く。
6.清浄(5分)
清浄液で印画紙に残留した漂白液を分解する。
7.水洗(30分)
印画紙に残留した清浄液を除く。
8.露光漂白によってできたハロゲン化銀に充分に光を当てる。
9.現像(2〜3分)
一般的な印画紙現像液で現像する。
10.停止(30秒)
印画紙に残留した現像液を停止液で中和する。
11.定着(5分)
印画紙に残留したハロゲン化銀を定着液で分解する。
12.水洗(3分)
印画紙表面に付着した定着液を除く。
13.ハイポ除去(6分)
印画中に残留したハイポ(チオ硫酸ナトリウム)を分解する。
14.水洗(30分以上)
印画紙に残留した化合物をほぼ完全に除く。
15.乾燥自然乾燥とする。
16.フラットニング乾燥した印画紙を平らな2枚の板に挟み、加圧して平らにする。
【0012】
【発明の効果】経年変化した白黒写真の乾板・フィルム・印画紙においては、銀鏡現象や、写真の変色・退色など、本来の画像には見られなかった変化がしばしば現われるが、この発明はこのような変化に対応して本来の画像に戻すことを可能とする修復法である。
【出願人】 【識別番号】599104967
【氏名又は名称】有限会社 フォト ムラバヤシ
【出願日】 平成11年7月27日(1999.7.27)
【代理人】 【識別番号】100060726
【弁理士】
【氏名又は名称】石山 博 (外1名)
【公開番号】 特開2001−42489(P2001−42489A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−211516