| 【発明の名称】 |
放射線画像読取装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】安田 裕昭
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| 【要約】 |
【課題】放射線画像読取装置において、読取り後の消去の実施/不実施を、任意に選択可能とする。
【解決手段】蓄積性蛍光体シート50から放射線画像情報を読み取る読取部10と、画像読取後のシート50に残存する放射線画像エネルギーを消去する消去部30とを備えるとともに、読取消去モードm1、読取モードm2および消去モードm3のうちいずれか1つを任意に選択入力するモード入力スイッチ41と、入力されたモードm1,m2,m3に応じて、読取り部10および消去部30を制御させるモード制御手段42とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された放射線画像情報を読み取る読取部と、前記画像読取後の前記シートに残存する放射線画像エネルギーを消去する消去部とを備えた放射線画像読取装置において、前記放射線画像情報読取り後に前記消去を実施して操作を終了する読取消去モードと、前記読取り後に前記消去を実施しないで操作を終了する読取モードとを選択可能に入力するモード入力手段と、前記モード入力手段に入力されたモードに応じて、少なくとも前記消去部に対して前記消去操作の実施または不実施を選択制御させるモード制御手段を備えたことを特徴とする放射線画像読取装置。 【請求項2】 前記読取部および前記消去部が、1つの蓄積性蛍光体シートに対する該読取部および該消去部による一連の操作が終了するまで、次の蓄積性蛍光体シートに対する前記操作が開始されないものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像読取装置。 【請求項3】 前記モード入力手段が、各蓄積性蛍光体シートに対する前記読取り操作ごとに、前記読取消去モードまたは前記読取モードを選択入力可能であることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像読取装置。 【請求項4】 前記モード入力手段が、前記読取消去モードおよび前記読取モードに加えて、前記読取部による前記読取りを実施することなく前記消去部による前記消去のみを実施して操作を終了する消去モードをも選択可能に入力しうるものであり、前記モード制御手段が、前記モード入力手段に入力されたモードに応じて、前記読取部に対して前記読取操作の実施または不実施を選択制御させるものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の放射線画像読取装置。 【請求項5】 前記操作の対象とされる前記各蓄積性蛍光体シートを特定する情報が入力されるシート特定情報入力手段と、少なくとも前記読取モードにおいて、前記読取操作の対象とされる蓄積性蛍光体シートに残存する放射線エネルギーを消去させるのに必要とされる消去エネルギーのレベルを、前記シート特定情報入力手段により入力された前記蓄積性蛍光体シートについての前記シート特定情報に対応付けて、所定の記憶媒体に記憶させる記憶手段とをさらに備え、前記消去部が、前記消去モードにおいて、前記記憶媒体に記憶された、前記消去操作の対象とされる蓄積性蛍光体シートについての前記シート特定情報に対応付けられた前記消去エネルギーのレベルに基づいて、前記消去を実施するものであることを特徴とする請求項4記載の放射線画像読取装置。 【請求項6】 蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された放射線画像情報を読み取る読取部と、前記画像読取後の前記シートに残存する放射線画像エネルギーを消去する消去部とを備えた放射線画像読取装置において、前記読取部による前記読取りを実施することなく前記消去部による前記消去のみを実施して操作を終了する消去モードを選択可能に入力しうるモード入力手段と、前記モード入力手段に入力されたモードに応じて、前記読取部および前記消去部による各操作の実施または不実施をそれぞれ選択制御させるモード制御手段と、少なくとも前記消去モードにおいて前記消去操作の対象とされる蓄積性蛍光体シートに残存する放射線エネルギーを消去させるのに必要とされる消去エネルギーのレベルを検出する消去エネルギーレベル検出手段とを備え、前記消去部が、前記消去エネルギーレベル検出手段により検出された前記消去エネルギーのレベルに基づいて、前記消去を実施するものであることを特徴とする放射線画像読取装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像読取装置に関し、詳細には画像読取部とともに消去部、読取り後に蓄積性蛍光体シートに残存する放射線エネルギを消去させる消去部をも備えた放射線画像読取装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】放射線を照射するとこの放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギーに応じた光量の輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放射線画像情報を撮影装置により一旦シート状の蓄積性蛍光体(蓄積性蛍光体シート)に記録し、放射線画像読取装置によって、この放射線画像が記憶された蓄積性蛍光体シートをレーザー光等の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得る放射線画像読取システムがすでによく知られている。 【0003】上記放射線画像記録読取システムにおいては、放射線画像情報を読み取った後の蓄積性蛍光体シート上には、放射線画像の読取りによっては放出され尽くされない放射線エネルギーが残存する。このエネルギー(残存放射線エネルギー)は、記録されていた放射線画像情報に起因するものであって、そのエネルギーレベルが無視できない程度であると、次回この蓄積性蛍光体シートに放射線画像を記録したときに、この残存するエネルギーは本来の放射線画像とともに再生されてノイズとなる。このため画像読取り後には、この残存放射線エネルギーを消去する必要がある。 【0004】この残存放射線エネルギーを消去するには、残存するエネルギーを放出させればよく、例えば日常の光の中に長時間暴露して放出させる方法や、光量の大きな可視光などの光を照射して短時間に放出させる方法がある。このように蓄積性蛍光体シートに消去エネルギーを与え、この消去エネルギーにより残存放射線エネルギーを消去し、蓄積性蛍光体シートの再利用を可能にしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで上記放射線画像記録読取システムにおいて用いられる放射線画像読取装置は、放射線画像を読み取る読取り部の他に、この読取り部により画像を読み取られた後のシートに消去エネルギーを付与して残存放射線エネルギーを消去する消去部をも備えているのが一般的である。そして読取り装置にセットされたシートは、読取り部に送られてそこで画像が読み取られ、その後に読取り部に続く消去部に送られてそこで残存放射線エネルギー消去され、これらの一連の操作がなされた後に、読取り装置から排出されるように構成されている。 【0006】このように、読取り部と消去部とを備えた一般的な放射線画像読取装置においては、シートは、読取り部で画像が読み取られた後、必ず消去部で消去操作が施されることになるが、消去操作は例えば、消去光をある程度の時間だけ照射し続けることによって行われるため、読取り操作に要する時間(読取り時間)と消去操作に要する時間(消去時間)とのトータル時間が、1つのシートに対する操作時間となる。 【0007】ところで、集団検診のように、大量の患者に対して放射線画像の撮影を行い、これら撮影済みのシートから短時間のうちに画像の読取りを行う必要があるときに、上記読取り操作と消去操作とを、常に一連の連続操作として行なっていたのでは、操作時間が長くなり過ぎるという問題がある。 【0008】一方、消去部を全く備えていない、読取り部のみから構成された放射線画像読取り装置も存在するが、この装置の場合は上記の場合とは反対に、時間的に余裕のあるときであっても、消去は行われずに読取りしか行われないため、この読取り装置で画像読取りが終了したシートは、常に、他の消去専用装置を用いて消去を行なう必要があり、取扱いが面倒であるという問題がある。 【0009】本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、操作時間に余裕があるときと、余裕がないとき等、操作者の都合に適宜対応して画像の読取り、消去を行うことができる放射線画像読取装置を提供することを目的とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の放射線画像読取装置は、放射線画像読取り後の消去操作につき、実施または不実施を選択可能とすることにより、全体の操作時間に余裕があるときは読取り操作と消去操作との一連の操作を連続して行い、全体の操作時間に余裕が無いときは消去操作だけを後回しにして読取り操作のみを優先して行うことで操作時間の短縮を図るなど、操作者の都合に適応可能とするものである。 【0011】すなわち本発明の第1の放射線画像読取装置は、蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された放射線画像情報を読み取る読取部と、前記画像読取後の前記シートに残存する放射線画像エネルギーを消去する消去部とを備えた放射線画像読取装置において、前記放射線画像情報読取り後に前記消去を実施して操作を終了する読取消去モードと、前記読取り後に前記消去を実施しないで操作を終了する読取モードとを選択可能に入力するモード入力手段と、前記モード入力手段に入力されたモードに応じて、少なくとも前記消去部に対して前記消去操作の実施または不実施を選択制御させるモード制御手段を備えたことを特徴とするものである。 【0012】ここで、読取り部は具体的には、蓄積性蛍光体シートに励起光を走査し、励起光が走査されたシートの部分から、そこに蓄積記録された放射線画像情報に応じた光量で発光する輝尽発光光を光電的に読み取る作用をなすものであり、消去部はシートに消去エネルギーを付与することによって、シートに残存する放射線エネルギーを放出させる作用をなすものである。なお消去エネルギーを付与させる作用は、例えば、可視光等の消去光を所定時間照射することなどを適用することができる。 【0013】また読取モードにおいて「消去を実施しない」とは、消去を全く行わないこと、すなわち消去光を照射しない等消去エネルギーを全く付与しないことのみならず、例えば消去を全く行わないとした場合にも消去部を通過させる搬送操作が必要とされる場合には、その単なる搬送操作に要する最低限の時間の間だけ、消去光を点灯させて、不十分ながら消去を行うことを行うことをも含む。すなわち、消去光を照射することによって蓄積性蛍光体シートに残存する放射線エネルギーを消去する消去する場合には、消去エネルギーは照射する消去光の照度と照射時間との積によって規定され、蓄積性蛍光体シートに残存する放射線エネルギーを完全に消去するのに十分な消去エネルギーを付与するためには、消去部を通過させるときに搬送速度を、単に通過させるのに必要な速度よりも遅くして十分な照射時間を確保する必要があり、この場合は消去操作のために全体の操作のスループットが低下することになるが、単に通過させるに過ぎない場合はスループットは低下せず、この通過させている期間中に付随的に消去光を点灯することにより、完全に消去することはできないが、不十分ながら消去を行うことができ、残存放射線エネルギーをある程度低くすることができ、後に別途消去操作を行う際の消去時間を短縮することができるというメリットがある。 【0014】消去部における消去操作(完全な消去を行うための操作を意味する)のために付与すべき消去エネルギーは、読取り部においてシートから発光した輝尽発光光を光電的に読み取って得られた電気信号に基づいて、シートに残存する放射線エネルギーを算定し、その算定された残存放射線エネルギーを消去するのに必要なエネルギーとして算出してもよいし、別途、消去エネルギーレベル検出手段を設けて、必要な消去エネルギーのレベルを算出してもよい。なお消去エネルギーのレベルは、残存放射線エネルギーに対応して例えば10段階程度のレベルを予め設定しておき、算出された残存放射線エネルギーに応じて必要な消去エネルギーのレベル段階を選択するようにしてもよい。 【0015】モード入力手段へのモードの入力は、放射線画像読取装置を操作する操作者が行うものである。 【0016】モード制御手段による「消去操作の不実施」には、上述したように消去操作を全く行わないことの他、スループットを低下させない範囲で不十分な消去を行うことも含む。また、モード制御手段による、モードに応じた選択制御は具体的には、読取消去モードの場合は、読取部による読取操作とその後の消去部による消去操作とを一連して行なう制御であり、読取モードの場合は、読取部による読取操作は実施されるが、その後の消去部による消去操作は実施されないようにする制御である。 【0017】本発明の放射線画像読取装置は、読取部および消去部が、1つの蓄積性蛍光体シートに対する読取部および消去部による一連の操作が終了するまで、次の蓄積性蛍光体シートに対する操作が開始されないもの(いわゆるシングルプレート(シート)リーダー)である場合に、本願発明の適用上、特に効果的であり好ましい。このタイプの読取装置は、読取り後のシートを必ず消去部を通過させる必要があるが、読取りモードを選択することにより、消去を行わずに単なる通過だけで済ませることができ、操作時間の短縮効果が大きいからである。なおここでいう「読取部および消去部による一連の操作が終了する」とは、読取り部を通過し、その後に消去部を通過することにより、1つのシートに対する操作が終了する、という意味である。 【0018】なおモード入力手段には、各蓄積性蛍光体シートに対する読取り操作ごとに、読取消去モードまたは読取モードを選択入力可能とするのが好ましい。各シートごとに異なる操作者の要望に適宜応じることができるからである。この場合、モード制御手段も、各蓄積性蛍光体シートに対する読取り操作ごとにモード入力手段に入力されたモードに対応して選択制御するのはいうまでもない。 【0019】モード入力手段は、読取消去モードおよび読取モードに加えて、読取部による読取りを実施することなく消去部による消去のみを実施して操作を終了する消去モードをも選択可能に入力しうるものとし、モード制御手段は、モード入力手段に入力されたこれらのモードに応じて、読取部に対して読取操作の実施または不実施をも選択制御させるものとするのが好ましい。以前に読取りモードが選択されて未消去のシートについては、読取りを行う必要がなく、消去だけを行えばよいため、このように構成することにより、未消去のシートに対して読取り部を通過する時間を短縮させて消去部による消去(完全な消去)のみを行わせることができるからである。 【0020】この場合、操作の対象とされる各蓄積性蛍光体シートを特定する情報が入力されるシート特定情報入力手段と、少なくとも読取モードにおいて、読取操作の対象とされる蓄積性蛍光体シートに残存する放射線エネルギーを消去させるのに必要とされる消去エネルギーのレベルを、シート特定情報入力手段により入力された蓄積性蛍光体シートについてのシート特定情報に対応付けて、所定の記憶媒体に記憶させる記憶手段とをさらに備え、消去部が、消去モードにおいて、記憶媒体に記憶された、消去操作の対象とされる蓄積性蛍光体シートについてのシート特定情報に対応付けられた消去エネルギーのレベルに基づいて、消去を実施するものとするのが、より好ましい。消去操作のみのために再度、残存放射線エネルギーを検出する必要がないからである。 【0021】本発明の第2の放射線画像読取装置は、放射線画像読取り後の消去操作が後回しにされて、消去されていないシートに対して、消去操作だけを選択的に実施可能とすることにより、不要な読取り操作の時間短縮を図るものである。 【0022】すなわち本発明の第2の放射線画像読取装置は、蓄積性蛍光体シートに蓄積記録された放射線画像情報を読み取る読取部と、前記画像読取後の前記シートに残存する放射線画像エネルギーを消去する消去部とを備えた放射線画像読取装置において、前記読取部による前記読取りを実施することなく前記消去部による前記消去のみを実施して操作を終了する消去モードを選択可能に入力しうるモード入力手段と、前記モード入力手段に入力されたモードに応じて、前記読取部および前記消去部による各操作の実施または不実施をそれぞれ選択制御させるモード制御手段と、少なくとも前記消去モードにおいて前記消去操作の対象とされる蓄積性蛍光体シートに残存する放射線エネルギーを消去させるのに必要とされる消去エネルギーのレベルを検出する消去エネルギーレベル検出手段とを備え、前記消去部が、前記消去エネルギーレベル検出手段により検出された前記消去エネルギーのレベルに基づいて、前記消去を実施するものであることを特徴とするものである。 【0023】ここでモード制御手段による、モードに応じた選択制御は具体的には、消去モードの場合は、読取部による読取操作は実施されずに、消去部による消去操作は実施されるようにする制御であり、消去モード以外のモードの場合は、少なくとも読取部による読取操作は実施されるようにする制御である。そのような消去モード以外のモードとしては上述した本発明の第1の放射線画像読取装置における、読取部による読取操作とその後の消去部による消去操作とを一連して行なう制御である読取消去モードや、読取部による読取操作は実施されるが、その後の消去部による消去操作は実施されないようにする制御である読取モード、またはこれらの双方のモードなどをそれぞれ適用することができる。 【0024】消去エネルギーレベル検出手段は、具体的には例えば、シートに残存する放射線エネルギーを検出すべく、シートに励起光や可視光を照射して、シートから発光した、残存する放射線エネルギーに応じた光量で発光する輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号を得、この電気信号に基づいて残存放射線エネルギーを消去するのに必要な消去エネルギーレベルを算定するなどの作用をなすものである。なお、本発明の第2の放射線画像読取装置においては、読取り部が作用をなさない消去モードが選択可能であるため、本発明の第1の放射線画像読取装置のように、読取り部における放射線画像読取りのための構成に、残存放射線エネルギーの検出機能を兼ねさせることはできず、したがって読取り部が作用しないときにも独立して残存放射線エネルギーの検出を行なうことができる、独立した消去エネルギーレベル検出手段が設けられる必要がある。 【0025】 【発明の効果】本発明の第1の放射線画像読取装置によれば、放射線画像読取り後の消去操作につき、実施または不実施を選択可能とすることにより、全体の操作時間に余裕があるときは読取り操作と消去操作との一連の操作を連続して行い、全体の操作時間に余裕が無いときは消去操作だけを後回しにして読取り時間の短縮を図るなど、操作者の都合に適応可能とするものである。 【0026】すなわち、シートが読取装置にセットされてから読取り部を通過し、その後さらに消去部を通過しなければならない読取装置において、短時間のうちに大量のシートから読取りを行う必要があるときは、読取りモードを選択入力することにより、大量のシートについて消去操作を省略してとりあえず読取り操作だけを一括して行うことで、消去時間に要する時間分だけ短縮することができる。なお、未消去のシートについては、時間的余裕のある後日にゆっくり一括消去すればよい。 【0027】上記本発明の放射線画像読取装置は、特に、1つのシートが読取装置にセットされてから読取り部を通過し、その後さらに消去部を通過して読取装置から排出されて初めて次のシートをセットできる、いわゆるシングルプレート(シート)リーダーに適用することにより、より大きな時間短縮効果を得ることができる。 【0028】本発明の第2の放射線画像読取装置によれば、放射線画像読取り後の消去操作が後回しにされて、消去されていないシートに対して、消去操作だけを選択的に実施可能とすることにより、不要な読取り操作の時間短縮を図るものである。すなわち、シートが読取装置にセットされてから読取り部を通過し、その後さらに消去部を通過しなければならない読取装置において、シートの消去だけを行いたい場合に、消去モードを選択入力することにより、操作時間および消費電力が比較的大きい読取り操作を省略して消去操作だけを行うことができる。 【0029】 【発明の実施の形態】以下、本発明の放射線画像読取装置の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。 【0030】図1は、本発明の第1の放射線画像読取装置の一実施形態の構成を示す図である。図示の放射線画像読取装置100は、蓄積性蛍光体シート50に蓄積記録された放射線画像情報を読み取る読取部10と、画像読取後のシート50に残存する放射線画像エネルギーを消去する消去部30とを備えるとともに、放射線画像情報読取り後に消去を実施して操作を終了する読取消去モードm1と読取り後に消去を実施しないで操作を終了する読取モードm2と読取部10による読取りを実施することなく消去部30による消去のみを実施して操作を終了する消去モードm3とのうちいずれか1つを任意に選択入力するモード入力スイッチ41と、モード入力スイッチに入力されたモードm1,m2,m3に応じて、読取り部10および消去部30に対してそれぞれ読取り操作または消去操作の実施または不実施を選択制御させるモード制御手段42と、操作の対象とされる各蓄積性蛍光体シート50をそれぞれ一義的に特定する情報Cが入力されるシート特定情報入力手段43と、読取モードm2において、読取操作の対象とされたシート50に残存する放射線エネルギーを消去させるのに必要とされる消去エネルギーのレベルを、シート特定情報入力手段43により入力されたシートについてのシート特定情報Cに対応付けて、所定の記憶媒体に記憶させる記憶手段43とを備えた構成である。 【0031】ここで読取り部10は具体的には図2に示すように、放射線画像情報が蓄積記録されたシート50を載置したエンドレスベルト20が、回転ローラ21により駆動されて矢印Y方向に送られ、一方、光源11から発せられた励起光としてのレーザー光Lが、モータ12により駆動され矢印方向に高速回転する回転多面鏡13によって反射偏向され、走査レンズ14によりシート50の表面上で収束され、かつ等速度で走査されて、エンドレスベルト20上のシート50の表面を矢印X方向に主走査する。レーザ光Lの主走査とシート50の副走査とにより、変シート50はその全面に亘ってレーザ光Lが照射されることになる。 【0032】シート50を照射したレーザ光Lはシート50の蓄積性蛍光体層を励起し、この蓄積性蛍光体層に蓄積記録されている放射線画像情報に応じた光量で発光する輝尽発光光Mが、シート50の表面から発光される。 【0033】シート50の表面から出射した輝尽発光光Mは、シート50の表面に近接して配された集光ガイド15によって、レーザー光カットフィルタ16を介してフォトマルチプライヤ(PMT)17に導かれ、フォトマルチプライヤ17によって光電的に検出される。集光ガイド15はアクリル板等の導光性材料を成形して作られたものであり、直線状をなす入射端面がシート50上の主走査線に沿って延びるように配され、円環状に形成された出射端面に、レーザー光カットフィルタ16を介して、フォトマルチプライヤ17の受光面が結合されている。入射端面から集光ガイド15内に入射した輝尽発光光Mは、集光ガイド15の内部を全反射を繰り返して進み、出射端面から出射して、レーザー光カットフィルタ16を透過してフォトマルチプライヤ17に受光され、放射線画像情報を表わす輝尽発光光Mの光量がフォトマルチプライヤ17によってアナログ画像信号yに変換される。 【0034】フォトマルチプライヤ17から出力されたアナログ信号yは、1つは、観察読影用の可視画像として再生するための画像信号の基礎として対数増幅器18に入力され、他の1つは、後に消去部30においてシート50に照射する消去光による消去エネルギーを算出するための基礎として消去部30に入力される。 【0035】対数増幅器18に入力されたアナログ信号yは、視覚特性に適合するように対数的に増幅されて対数化信号Sに変換され、さらにA/D変換回路19によりデジタル信号Dに変換されて画像処理装置等に出力される。例えば画像処理装置は、デジタル信号を可視画像として画像表示装置等に表示し、またはレーザープリンターによりフイルムに可視画像としてプリントするなどに先立って、出力される可視画像が読影しやすくなるように、鮮鋭度強調処理、周波数処理、階調処理等を施すものである。 【0036】消去部30は、蛍光灯31の光を消去光として備えたものであり、読取り部10から続くエンドレスベルト20上に載置されて、読取り部10から搬送された読取り済みのシート50に、読取り部10のPMT17により得られたアナログ信号yに基づいて、蛍光灯31の照射光量を決定して、その決定された光量で蛍光灯を照射するものである。 【0037】なお、本実施形態の放射線画像読取装置100は、カセッテ60に収容された1枚のシート50をカセッテ60から読取り部10(矢印方向)に導入し、読取り部10を通過した後に、さらに消去部30に導入し、シート50を矢印方向の反対方向に反転させて読取り部10を再び通過させてカセッテ60に再収容するが、1枚のシート50がこの読取り装置100内に導入されている間は、他のシートは導入することができない、いわゆるシングルシートリーダーである。 【0038】モード入力スイッチ41は、この読取装置100に導入されたシート50に対して、読影者が希望する操作をモードとして選択し入力するものであり、読取りと消去とを行う読取消去モードm1、読取り後に消去を実施しない読取モードm2、および読取りを実施することなく消去のみを実施する消去モードm3のうちいずれか1つを操作者が選択して、このモード入力スイッチ41に入力するものである。 【0039】一例として、読取消去モードm1は、時間に余裕があるため、読取りと消去とを一連の操作で実施する場合に選択され、読取モードm2は、時間に余裕がないため、読取り操作のみを実施する場合に選択され、消去モードm3は、以前に読取りモードm2で読取りのみが実施され未消去のシート50に対して消去のみを実施する場合に選択される。 【0040】モード制御手段42は、モード入力スイッチ41に入力されたモードが読取消去モードm1のときは、読取り部10に読取り操作を実施させるとともに、消去部30に対して、読取り後のシート50の残存放射線エネルギーを完全に消去するのに十分な消去エネルギーを付与しうるように、シート50を消去部30内に所定時間(単に通過させるのに要する時間よりも長い時間)だけとどめるように制御し、入力されたモードが読取モードm2のときは、読取り部10に読取り操作を実施させるとともに、消去部30を単に通過させるように制御し、入力されたモードが消去モードm3のときは、読取り部10を単に通過させ、消去部30に対して、シート50の残存放射線エネルギーを完全に消去するのに十分な消去エネルギーを付与しうるように、シート50を消去部30内に所定時間(単に通過させるのに要する時間よりも長い時間)だけとどめるように制御する。 【0041】なお、読取モードm2のときは、記憶手段44が、シート特定情報入力手段43により入力されたシート50についてのシート特定情報Cに、PMT17から入力された電気信号yに基づいて消去部30が算出した消去エネルギーを対応づけて、所定の記憶媒体に記憶させる作用をなす。一方、消去モードm3のときは、消去部30が、シート特定情報入力手段43により入力されたシート50についてのシート特定情報Cに基づいて、所定の記憶媒体に記憶されている、シート特定情報Cに対応づけられた消去エネルギーを記憶手段44により読み出させる制御をなし、消去部30はさらに、この読み出された消去エネルギーでシート50を消去する作用をなす。 【0042】シート特定情報入力手段43へのシート特定情報Cの入力は、シート50に取り付けられたシートIDまたはシート50と1体に対応したカセッテ60に貼付等されたカセッテIDを、操作者がキーボードやバーコードリーダー(いずれも図示せず)を用いて直接に入力することによって行なってもよいし、操作のために、読取り装置100にカセッテ60をセットしたときに、読取り部10に設けられたバーコードリーダー等(図示せず)によって自動的に入力されるようにしてもよい。 【0043】なおシート50を構成する蓄積性蛍光体は、照射された放射線量と出射する輝尽発光光の光量とが広い露光域に亘って線形性を保持するため、原則的には、検出された電気信号yに基づいて、照射された放射線量を算定することができ、読取り後の残存放射線エネルギーを算出可能であるが、輝尽発光光を光電変換するPMT17の出力(電気信号y)が、輝尽発光光の高光量域(放射線の高線量域に対応)において、図3に示すようにサチレートするため、PMT17の出力(電気信号y)に基づいて単純に残存放射線エネルギーを算出したのでは、現実に残存している放射線エネルギー(画像の素抜け部における線量換算で、数100 mR〜1000mR程度)よりも低い見積もりがなされ、その結果、消去エネルギー不足で消去し切れず、ノイズが残存する事態も生じうる。そこで輝尽発光光の高光量域に対応するPMT17の出力については図3の破線に示すように、補正テーブル等を用いて、入出力を線形化する補正を行うのが好ましい。 【0044】なお、この線形化の補正は、PMT17から消去部30に入力される側の電気信号yにのみ行えばよく、対数増幅器18に入力される電気信号yに対しては、必ずしも行なう必要はない。通常の被写体についての放射線画像では、画像として用いられるPMT17の出力領域は同図に示す「画像使用領域」の帯域(放射線量換算で、0.01mR〜 100mR程度)であり、この帯域はPMT17の入出力特性が略完全に線形状態を維持しているからである。 【0045】このように構成された本実施形態の放射線画像読取装置100によれば、全体の操作時間に余裕があるときは、操作者は、モード入力スイッチ41に読取消去モードm1を入力することにより、読取装置100にセットされたシート50は、モード制御手段42の制御により、読取り部10によって放射線画像の読取り操作がなされ、読取り操作終了後は、消去部30に搬送され、この消去部30において、十分な時間を掛けて完全な消去がなされ、再び読取り部10を通過して、カセッテ60内に収容され、操作が終了する。このように操作時間に余裕があるときは、読取り操作と消去操作に時間を掛けて行なうことにより、1回の操作で読取りおよび消去の操作を完了することができるため、簡便な操作を実現することができる。 【0046】一方、全体の操作時間に余裕がなく、大量のシート50を短時間に読み取る必要がある場合などは、操作者は、モード入力スイッチ41に読取モードm2を入力することにより、読取装置100にセットされたシート50は、モード制御手段42の制御により、読取り部10によって放射線画像の読取り操作がなされ、読取り操作終了後は、消去部30を単に通過して再び読取り部10を通過して、カセッテ60内に収容され、操作が終了する。この間に、シート特定情報入力手段43に、当該シート特定情報Cが入力され、読取り部10において得られた電気信号yに基づいて消去部30が消去エネルギーを算出し、記憶手段44がシート特定情報Cと算出された消去エネルギーとを対応づけて所定の記憶媒体に記憶させる。このように操作時間に余裕がないときは、消去操作を省略することにより消去部30を通過する時間を短縮して読取り操作を優先させることができ、必要の場合は、時間の余裕がある後において別途、消去操作を行えばよい。なお本実施形態の読取り装置100は、読取りモードm2において、消去操作は行わないものの、消去エネルギーを算出して各シート(シート特定情報C)に対応づけて記憶させているため、後に消去操作のみを行う際は、この記憶されている消去エネルギーを読み出して用いることで、消去エネルギーを改めて検出もしくは算出する必要がなく、したがって消去エネルギーを改めて検出する目的のためだけに読取り部をわざわざ作用させる無駄を省くことができる。 【0047】すなわち、読取りモードm2を選択入力したことによって、読取りは完了しているが未消去のシート50について消去を行う場合、操作者は、モード入力スイッチ41に消去モードm3を入力することにより、読取装置100にセットされたシート50は、モード制御手段42の制御により、読取り部10を単に通過して消去部30に導入される。この間に、シート特定情報入力手段43に、当該シート特定情報Cが入力され、記憶手段44が消去部30の制御により、当該シート特定情報Cに対応づけられた消去エネルギーを記憶媒体から読み出し、読み出された消去エネルギーを消去部30に入力する。消去部30は入力された消去エネルギーに基づいて、導入されたシート50に対して、完全な消去を実施し、終了後は読取り部10を通過してカセッテ60にこのシート50を収容して、操作を終了する。このように消去されていないシートに対して、消去操作だけを選択的に実施可能とすることにより、不要な読取り操作の時間を削減して操作時間を短縮するとともに、消去エネルギー算出のためだけに、読取り部10を作用させるのを防止することができる。 【0048】なお本発明の第1の放射線画像読取装置においては、モード入力手段41およびモード制御手段42において、消去モードm3を省略した構成を採用することもできる。本発明の第1の放射線画像読取装置を使用しない方法で、消去のみ別途実施することも可能だからである。この場合、シート特定情報入力手段43および記憶手段44も省略した構成とすればよい。消去のみ選択的に実施することがなければ、後の消去操作のみのために必要な構成要素を備える必要はないからである。 【0049】図4は本発明の第2の放射線画像読取装置の一実施形態の構成を示す図である。図示の放射線画像読取装置100′は、図1に示した実施形態の放射線画像読取装置100に対して、シート特定情報入力手段43および記憶手段44を有しない構成であるとともに、読取り部10′が、消去部30′に対して消去エネルギーレベル算定の基礎となる電気信号yを出力するものではなく、独立して消去エネルギーのレベルを検出するための別体の消去エネルギーレベル検出手段45を備え、消去部30′が消去エネルギーレベル検出手段45により検出された消去エネルギーレベルに応じた消去エネルギーをシート50に付与する作用をなすものである点が異なる以外は同様の構成である。 【0050】すなわち消去部30において消去操作を実施する場合は、読取り部10による読取り操作を実施する(読取消去モードm1)か否か(消去モードm3)に拘わらず、常に消去エネルギーレベル検出手段45により消去エネルギーレベルを検出する作用をなす。したがって消去モードm3を選択した場合にも、消去エネルギーレベル検出手段45により消去エネルギーレベルを検出することができるため、読取り部10を作用させる必要もなく、予め読取モードm2において消去エネルギーレベルを算出して記憶媒体に記憶させておく等の必要もない。よって本発明の第2の放射線画像読取装置においては読取りモードm2を省略した構成を採用することもできる。 【0051】なお本実施形態の放射線画像読取装置100′の他の作用については図1に示した実施形態の放射線画像読取装置100の作用と同様であるため、説明を省略する。 【0052】また本実施形態の放射線画像読取装置100′は、本発明の第1の放射線画像読取装置の基本的構成についての実施形態としても採用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月20日(2000.4.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073184 【弁理士】 【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−305685(P2001−305685A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−119320(P2000−119320) |
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