トップ :: G 物理学 :: G03 写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ




【発明の名称】 ステレオカメラ装置
【発明者】 【氏名】小嶋 仁

【要約】 【課題】基線長の割に高距離分解能を発揮させることのできるステレオカメラ装置を提供する。

【解決手段】光学系21,22の結像範囲S1,S2は、共に撮像素子41,42による撮像範囲Wよりも広くなっている。そして、撮像素子41,42をそれぞれ搭載した撮像素子ベース31,32は基線方向に平行移動することができるようになっている。また、撮像素子ベース31,32の移動量を等しくするための機構も備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の光学系及び該第1の光学系による結像画像を取得するための第1の撮像素子を備えた第1の撮像手段と、該第1の撮像手段と離間配置され、第2の光学系及び該第2の光学系による結像画像を取得するための第2の撮像素子を備えた第2の撮像手段と、を含むステレオカメラ装置であって、前記第1の光学系は、前記第1の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、前記第2の光学系は、前記第2の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、前記第1の撮像素子は基線方向に移動可能に設けられ、前記第2の撮像素子は基線方向に移動可能に設けられ、所定撮像領域が前記第1及び第2の撮像素子に結像するようにしたことを特徴とするステレオカメラ装置。
【請求項2】 請求項1に記載のステレオカメラ装置において、前記第1及び第2の撮像素子の移動量が等しくなるよう前記第1及び前記第2の撮像素子を連動させる連動機構をさらに含むことを特徴とするステレオカメラ装置。
【請求項3】 第1の光学系及び該第1の光学系による結像画像を取得するための第1の撮像素子を備えた第1の撮像手段と、該第1の撮像手段と離間配置され、第2の光学系及び該第2の光学系による結像画像を取得するための第2の撮像素子を備えた第2の撮像手段と、を含むステレオカメラ装置であって、前記第1の光学系は、前記第1の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、前記第2の光学系は、前記第2の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、前記第1の撮像素子は、その撮像領域が前記第1の光学系による結像領域に対して基線方向にずれて配置され、前記第2の撮像素子は、その撮像領域が前記第2の光学系による結像領域に対して基線方向にずれて配置され、所定撮像領域が前記第1及び第2の撮像素子に結像するようにしたことを特徴とするステレオカメラ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はステレオカメラ装置に関し、特にステレオカメラ装置の距離分解能を向上させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ステレオ視により、物体の有無を検知したり、あるいは物体までの距離を計測できるステレオカメラ装置が知られている。かかるステレオカメラ装置は離間配置された左右2つのカメラを備えており、これらカメラにより撮像された画像における対象物体の位置を比較し、その差、すなわち視差に基づき、物体の有無を検知したり、あるいは物体までの距離を算出している。
【0003】かかるステレオカメラ装置の距離分解能を高めるには、視差が大きくなるようにすればよく、そのためには左右のカメラの光軸間隔、すなわち基線長を長くすればよい。しかし、基線長をあまり長くすると対象物体が両カメラで撮像される画像に収まらなくなるため、この方法には限界がある。
【0004】この点、特公平5−27041号公報に開示されたステレオカメラ装置では、左右の2つのカメラで撮像される画像の共通範囲の中央部に対象物体が位置するよう、両カメラを位置決め制御している。この技術によれば、基線長をできるだけ長くとることができ、高い距離分解能を得ることができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のステレオカメラ装置で高い距離分解能を得ようとすれば、結局はカメラ間隔を離して基線長を長くとる必要があるが、レンズと撮像素子を一体的に動かすため、基線長を長くするのにも限界があった。
【0006】本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、基線長を長くとっても高い距離分解能を発揮させるようにしても所定撮像領域の画像を取得することのできるステレオカメラ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、第1の光学系及び該第1の光学系による結像画像を取得するための第1の撮像素子を備えた第1の撮像手段と、該第1の撮像手段と離間配置され、第2の光学系及び該第2の光学系による結像画像を取得するための第2の撮像素子を備えた第2の撮像手段と、を含むステレオカメラ装置であって、前記第1の光学系は、前記第1の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、前記第2の光学系は、前記第2の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、前記第1の撮像素子は基線方向に移動可能に設けられ、前記第2の撮像素子は基線方向に移動可能に設けられ、所定撮像領域が前記第1及び第2の撮像素子に結像するようにしたことを特徴とする。
【0008】本発明では、第1及び第2の光学系は、それぞれ第1及び第2の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有している。そして、第1及び第2の撮像素子は、ともに基線方向、すなわち第1及び第2の光学系が近づく方向に移動可能に設けられており、結像範囲の中心から撮像範囲がずれるように第1及び第2の撮像素子の取付位置を調整することができるようになっている。このため、基線長の割に第1及び第2の撮像素子により撮影される画像の重なりを広くとることができるようになり、出来るだけ基線長を長くとって高距離分解能を得るようにできる。
【0009】また、本発明の一態様では、前記第1及び第2の撮像素子の移動量が等しくなるよう前記第1及び前記第2の撮像素子を連動させる連動機構をさらに含むことを特徴とする。この態様では、第1の撮像素子を基線方向に移動させると、同じ距離だけ第2の撮像素子も移動する。こうすれば、効率的に第1及び第2の撮像素子の取付位置を設定できるようになる。
【0010】また、本発明は、第1の光学系及び該第1の光学系による結像画像を取得するための第1の撮像素子を備えた第1の撮像手段と、該第1の撮像手段と離間配置され、第2の光学系及び該第2の光学系による結像画像を取得するための第2の撮像素子を備えた第2の撮像手段と、を含むステレオカメラ装置であって、前記第1の光学系は、前記第1の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、前記第2の光学系は、前記第2の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、前記第1の撮像素子は、その撮像領域が前記第1の光学系による結像領域に対して基線方向にずれて配置され、前記第2の撮像素子は、その撮像領域が前記第2の光学系による結像領域に対して基線方向にずれて配置され、所定撮像領域が前記第1及び第2の撮像素子に結像するようにしたことを特徴とする。
【0011】本発明では、第1及び第2の光学系は、それぞれ第1及び第2の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有している。そして、第1及び第2の撮像素子による撮像領域は、第1及び第2の光学系による結像領域から、ともに基線方向、すなわち第1及び第2の光学系が近づく方向にずれることになる。このため、基線長の割に第1及び第2の撮像素子により撮影される画像の重なりを広くとることができるようになり、出来るだけ基線長を長くとって高距離分解能を得るようにできる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施の形態に係るステレオカメラ装置の全体構成を示す正面図である。同図に示されるように、このステレオカメラ装置は、撮像素子ベース31,32と、撮像素子(CCD)41,42と、光学系(レンズ)21,22と、を含んで構成されている。撮像素子ベース31と撮像素子41と光学系21は第1のカメラ(撮像手段)を構成し、撮像素子ベース32と撮像素子42と光学系22は第2のカメラを構成する。ここでは図示しないが、撮像素子41,42には画像処理装置が電気的に接続されている。また、撮像素子ベース31,32には、撮像素子41,42の撮像面と光学系21,22による結像面との平行を維持しつつ、これら撮像素子ベース31,32を基線方向に移動させるための機構が取り付けられている。
【0014】同図に示すように、基準面Rの上方には同じ高さで光学系21,22が離間して配置されており、それらの結像面に撮像素子41,42が配置されている。撮像素子41,42は、それぞれ撮像素子ベース31,32に取り付けられており、この撮像素子ベース31,32を基線方向に移動させることにより、撮像素子41,42による撮像領域が光学系21,22による結像領域からずれるようになっている。すなわち、光学系21,22は同図の破線に示されるように比較的広い結像範囲S1,S2をそれぞれを有しており、撮像素子41,42はその一部を撮像するようになっている。つまり、光学系21,22は、その結像面積が撮像素子41,42による撮像面積よりも広くなるよう、そのスペックが選択されている。ここで、結像面積は、光学系21,22の包括角度、すなわち鮮明に結像できる角度範囲により支配される。結像面は、結像面が円形の場合、イメージサークルと呼ばれる。
【0015】撮像素子ベース31,32が初期位置、つまり光学系21,22の光軸11,12と撮像素子ベース31,32の中心が一致する位置に位置決めされると、撮像素子41,42により撮像領域W’の画像がそれぞれ取得される。この撮像領域W’は光学系21,22の結像領域の中心位置に設定され、光学系21,22の光軸11,12は結像領域W’の中心を貫くとともに、撮像領域の中心も貫くことになる。同図に示される状態では、光学系21,22の間隔が広く、基線長Xが長すぎるため、撮像素子41,42の撮像領域W’には重なりが存在しない。そこで、このステレオカメラ装置では撮像素子ベース31,32を基線方向に移動させることにより、撮像素子41,42の撮像領域を、内側方向、すなわち両撮像領域が近づく向きに移動させている。移動後の撮像素子41,42は撮像領域Wの画像を取得する。こうすれば、両画像に対象物体Mの全体が含まれるようになる。ここでは、撮像素子41,42の移動量を等しくして、さらに撮像素子41,42による撮像領域Wを等しくしているが、対象物体Mの全体像が含まれるようにすれば、両者にずれがあっても構わない。この場合、画像処理の段階で両画像のうち重なり部分を抽出し、それを画像処理の対象画像とすればよい。
【0016】かかるステレオカメラ装置には、上述のように撮像素子ベース31,32を基線方向に移動させる機構が備えられている。図2は、この撮像素子ベース31,32を基線方向に移動させるための機構例を示す平面図である。これらの機構において撮像素子ベース31,32は手作業により移動させてもよいし、モータ等の動力により駆動させてもよい。最も単純な構成としては、同図(a)に示されるように、撮像素子41,42がそれぞれ取り付られた撮像素子ベース31,32を、それぞれ独立に移動させるようにすればよい。また、目視による調整の便を図り、同図(b)に示されるように表面に目盛を表したレール20に、撮像素子ベース31,32を該レール20に沿って移動可能なよう取り付けてもよい。
【0017】また、同図(c)に示されるように、ラック14,16及びピニオン18により(共に歯は図示せず)、撮像素子ベース31,32の移動量を等しくするようにしてもよい。この態様では、撮像素子ベース31にはラック14の端部が固定的に取り付けられ、撮像素子ベース32にはラック16の端部が固定的に取り付けられる。ラック14,16は互いに歯面が向き合うよう平行して、図示しない装置本体にスライド可能に取り付けられている。また、ラック14,16の間には、それらに刻設された歯と噛み合うピニオン18が回動自在に取り付けられている。このピニオン18も装置本体に取り付けられる。さらに、ラック14の先端部は、それぞれ撮像素子ベース32の裏面に設けられた被ガイド部(図示せず)にスライド可能に取り付けられ、ラック16の先端部は撮像素子ベース31の裏面に設けられた被ガイド部(図示せず)にスライド可能に取り付けられている。こうして、撮像素子ベース31,32は、基線方向の移動がラック14,16により案内されるとともに、その移動量が等しくなるようにされている。
【0018】さらに、同図(d)に示されるように、アーム28,30及びガイド部材26により、撮像素子ベース31,32の移動量を等しくするようにしてもよい。この態様では、撮像素子ベース31,32の裏面に設けられた被ガイド部(図示せず)にレール24が挿通されており、撮像素子ベース31,32が基線方向に平行移動するようになっている。レール24は図示しない装置本体に固定されている。また、レール24の中央部には内部にレール枠が形成されたガイド部材26が取り付けられており、そのガイド部26に形成されたガイド枠はレール24の案内方向と直交するようになっている。さらに、撮像素子ベース31,32の互いに対応する位置には、同じ長さのアーム28,30の一端が、ピン34,36によりそれぞれ回動自在に取り付けられており、それらの他端はピン38により留められている。このピン38はガイド部材26に形成されたガイド枠に係合しており、これにより撮像素子ベース31,32の移動量が等しくなるようにされている。
【0019】なお、これらの撮像素子ベース31,32の水平移動機構は、例えばステレオカメラ装置の設置時に利用すればよい。すなわち、図1に示されるように、光学系21,22の包括角度が一定である場合、光学系21,22と基準面Rとの距離が縮まると撮像素子41,42で撮影される画像のうち重なり範囲が狭くなってしまう。このため、ステレオカメラ装置の設置時には、光学系21,22と基準面Rとの距離に応じて撮像素子ベース31,32を基線方向に移動させ、両画像の重なり範囲を必要なだけ確保する。そして、運用開始後は、撮像素子41,42に接続されている画像処理装置により、撮影された画像のうち実際にステレオ画像処理の対象となる領域を切り出すようにする。
【0020】なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではない。例えば、以上の説明では光学系21,22の光軸11,12が互いに平行である場合について説明したが、光軸11,12が非平行の場合であっても、撮像素子41,42を結像面にて移動させるようにしてよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、第1及び第2の光学系が、それぞれ第1及び第2の撮像素子による撮像面積よりも広い結像面積を有し、第1及び第2の撮像素子による撮像領域が、それぞれ第1及び第2の光学系による結像領域から基線方向にずれるようにしたので、基線長の割に第1及び第2の撮像素子により撮影される画像の重なりを広くとることができるようになり、出来るだけ基線長を長くとって高距離分解能を得るようにできる。
【出願人】 【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
【出願日】 平成12年4月19日(2000.4.19)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開2001−305681(P2001−305681A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−117971(P2000−117971)