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【発明の名称】 画像情報形成方法
【発明者】 【氏名】岩井 好子

【氏名】須田 美彦

【氏名】深沢 文栄

【要約】 【課題】簡易な現像処理においても常に安定した画像が得られる画像情報形成方法を提供することであり、更に詳しくは自動的に現像処理条件の変動を補正する画像情報形成方法を提供する。

【解決手段】特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を用いてイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し、該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を用いてイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し、該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【請求項2】特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を反射光を用いて又は反射光及び透過光を用いてイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し、該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【請求項3】特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を繰り返しイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し、該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【請求項4】特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を反射光として用いイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【請求項5】特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を用い繰り返しイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【請求項6】特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を反射光を用い繰り返しイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【請求項7】特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を反射光として用い繰り返しイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【請求項8】前記感光材料の支持体が透明支持体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【請求項9】前記読み取りを感光材料の両側から行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【請求項10】該信号情報を基に演算を行なって該撮影画像情報を画像処理することにより、保存時および現像処理による該撮影画像情報の変動を調整することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【請求項11】特定の信号情報が光学ウェッジであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【請求項12】特定の信号情報がバーコードであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【請求項13】特定の信号情報がフィルム品種を示す情報であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【請求項14】特定の信号情報を潜像として有するハロゲン化銀写真感光材料を用いることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【請求項15】請求項1〜14のいずれかに記載の画像情報形成方法において、ハロゲン化銀写真感光材料の現像開始から、画像処理するまでの全てまたは一部の経過がモニタ可能であることを特徴とする画像情報形成方法。
【請求項16】請求項1〜15のいずれかに記載の画像処理を施した画像情報を外部記憶媒体に記録することを特徴とする画像情報形成方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料の現像処理による変動を調整する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ(パソコン)の普及に伴い、高画質のデジタル画像を簡便かつ迅速、安価に入手する要望が強くなっている。
【0003】デジタルカメラはデジタル画像を簡便に撮影し、画像情報を容易にパソコンに取り込んで楽しむことが可能であるが、画素数が少ないため、画質が悪く、満足できるものではなかった。画素数の多いデジタルカメラも業務用を中心に市販されているが、高価であり、一般ユーザーがデジタル画像を安価に入手する手段とはなり得なかった。
【0004】ハロゲン化銀写真感光材料(以下、写真感光材料、感光材料、感材とも称する。)を用いて撮影し、ネガフィルム、又はカラーペーパーをスキャナーを用いて読み取り、デジタル画像情報を得ることも行われていた。写真感光材料とスキャナーを用いた場合、比較的高画質のデジタル画像が得られ、従来写真として蓄積された画像資産を生かすことができる点で優れたシステムと言える。
【0005】この場合、現像処理は、現像処理装置の管理者ないしは操作をする人による充分な管理のもとに現像処理の条件変動を少なくして行われるのが普通であった。現像処理条件の管理には条件の変動をできるだけ少なくすることが求められ、条件の大幅な変動は読み取られた信号の変動につながるためである。しかし最近では利用者の便宜を図るためコンビニエンスストア等写真業界とは直接関連のない店舗あるいは街頭など、現像処理条件の管理が頻繁に行われにくい場所への現像処理装置設置に対する要求が高まっている。
【0006】一方、写真感光材料の処理システムの簡易化を求める要求はますます強くなりつつある。それに応える処理システムとして特開平10−326001号明細書には発色現像後、漂白・定着といった銀を除去する過程を経ずに、スキャナー等によって画像を読み取り、デジタル画像情報を作成する方法が開示されている。ここで得られた画像情報を基に、各種デジタル出力機器を用いてカラーハードコピーを得ることができる。この方法は写真感光材料の処理液を減らすという点で画期的なものであるが、発色現像液の管理が不十分な場合には画質の変動を免れることができなかった。
【0007】また、フィルムの保存条件も真夏の車中に放置するなどより激烈な条件で保存する機会が増えており、このような激烈な条件化での保存に対してフィルム自体の保存性を向上する方法が見い出されていなかった。
【0008】このような画像形成方法において常に安定した画質を得るために、現像処理条件および保存条件の変動を自動的に補正する方法の提案が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡易な現像処理においても常に安定した画像が得られる画像情報形成方法を提供することであり、更に詳しくは自動的に現像処理条件の変動を補正する画像情報形成方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下記構成によって解決される。
1.特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を用いてイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し、該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【0011】2.特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を反射光を用いて又は反射光及び透過光を用いてイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し、該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【0012】3.特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を繰り返しイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し、該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【0013】4.特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を反射光として用いイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【0014】5.特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を用い繰り返しイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【0015】6.特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を反射光を用い繰り返しイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【0016】7.特定の信号情報と撮影画像情報が記録されたハロゲン化銀写真感光材料を現像中または現像後、乾燥工程を経ずに、濡れたまま、感光材料上の特定の信号情報と撮影画像情報を赤外光を反射光として用い繰り返しイメージセンサーで読み取り電気信号に変換し該信号情報を基に演算を行ない該撮影画像情報を画像処理することを特徴とする画像情報形成方法。
【0017】8.前記感光材料の支持体が透明支持体であることを特徴とする前記1〜7のいずれかに記載の画像情報形成方法。
9.前記読み取りを感光材料の両側から行うことを特徴とする前記1〜8のいずれかに記載の画像情報形成方法。
10.該信号情報を基に演算を行なって該撮影画像情報を画像処理することにより、保存時および現像処理による該撮影画像情報の変動を調整することを特徴とする、前記1〜9のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【0018】11.特定の信号情報が光学ウェッジであることを特徴とする、前記1〜10のいずれかに記載の画像情報形成方法。
12.特定の信号情報がバーコードであることを特徴とする、前記1〜10のいずれかに記載の画像情報形成方法。
13.特定の信号情報がフィルム品種を示す情報であることを特徴とする、前記1〜12のいずれかに記載の画像情報形成方法。
【0019】14.特定の信号情報を潜像として有するハロゲン化銀写真感光材料を用いることを特徴とする、前記1〜13のいずれかに記載の画像情報形成方法。
15.前記1〜14のいずれかに記載の画像情報形成方法において、ハロゲン化銀写真感光材料の現像開始から、画像処理するまでの全てまたは一部の経過がモニタ可能であることを特徴とする画像情報形成方法。
16.前記1〜15のいずれかに記載の画像処理を施した画像情報を外部記憶媒体に記録することを特徴とする画像情報形成方法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で言うところの特定の信号情報は、撮影画像情報が露光される感光材料上に現像処理前に記録されたものである。好ましくは該感光材料と同一支持体上の撮影画像情報が露光される場所とは面上重なりを持たない場所に、現像処理前に露光により記録され、該感光材料を現像中又は現像後に特定の信号情報を読み取り電気信号に変換し、現像処理装置内或は別の記憶装置もしくは記憶媒体に記録されている基準となる情報との演算により現像処理による変動を調整できるものをいう。
【0021】具体的には、光学ウエッジ、縞模様、バーコード、網点等のパターンを単独あるいは組み合わせて使用することができるが、特に光学ウエッジおよびバーコードを含むものが好ましい。ここで光学ウエッジとは段階的に濃度の変化する画像パターンであって、通常は感光材料に対する露光量を段階的に変化させることによって形成される。これら、光学ウエッジの濃度パターン、縞模様の線幅、間隔、網点の大きさ、形状等は必要に応じて任意のものを使用することができる。光学ウエッジとしては、3つ以上の色各色について光学ウエッジが形成されているのが好ましいが、単色でもかまわない。単色である場合、光学ウエッジとは別に2色以上の各色について色見本部分があることが好ましい。また3色が混合されたいわゆるニュートラルカラーの光学ウエッジであっても構わない。3つ以上の色、或いはニュートラルカラーの色見本部分を形成することによってもそれを信号情報として本発明の目的を達成することができる。
【0022】バーコードとはそのパターンによってフィルム品種(例えば、コニカカラーセンチュリア100、同センチュリア200、同センチュリア400、フジカラーSUPERIA400、同SUPERIA200、同SUPERIA100、同SUPER400、同SUPER G ACE800、コダックゴールドMAX400フィルム、同MAX800フィルムなど)などを判別できる画像パターンであり、バーコードの濃度、大きさなどは必要に応じて任意のものを使用することができる。バーコードはフィルムの露光領域の外側にあたる端部に形成することもできる。バーコードとしては、3つ以上の色各色についてバーコードが形成されているのが好ましいが、単色でもかまわない。単色である場合、バーコードとは別に2色以上の各色について色見本部分があることが好ましい。また3色が混合されたいわゆるニュートラルカラーのバーコードであっても構わない。3つ以上の色、或いはニュートラルカラーの色見本部を形成することによってもそれを信号情報として本発明の目的を達成することができる。
【0023】特定の信号情報は、露光により潜像として感光材料に記録されるのが好ましい。特定の信号情報の露光による書き込みは、感光材料の塗布後、現像処理前のいずれの段階で行われてもよく、例えば該感光材料の包装前、撮影機にセットされている間、現像処理装置の現像処理工程の前に露光部を設けて露光する等が挙げられるが、特に感光材料の包装前又は現像処理装置の現像処理工程の前に露光部を設けて露光するのが好ましい。特定の信号情報の書き込みは、単発の露光あるいは走査露光等任意の露光を挙げることができる。
【0024】”濡れたまま”の感光材料とは感光材料を全塗布膜を最大膨潤させるのに要する水、又は処理液の0.1から1倍に相当する水または処理液を保持した状態の感光材料である。本発明において、乾燥工程とは処理後の感光材料から、水分を除去することであり、熱ローラー、温風乾燥などの方法がある。乾燥工程を行わなず、フィルムが濡れた状態にあることが処理迅速化およびスキャナー読み取り情報を得やすいことからも好ましい。
【0025】本発明で用いる、「繰り返しイメージセンサーで読み取る」とはフィルムの現像が進行中に異なる現像時間において2回以上イメージセンサによる読み取りを行うことである。好ましくは現像初期、現像中期、現像後期(現像終了)での読み取りが好ましく、さらに過現像期での読み取りを行っても良い。読み取りは現像液中でもよく、一時的に現像液から取り出し読み取り後再び現像してもよい。繰り返し読み取りにおいて、フィルムの読み取りによるプリントアウトを防ぐために、読み取り光は赤外光を用いることが好ましく、可視光による読み取りを行う場合には複数回のうちの最後であることが好ましい。
【0026】本発明で用いられる赤外光とは、カラーフィルムが感光しない波長領域の光を指し、具体的には730nm以上、好ましくは850nm以上の波長領域の光を指す。本発明で用いられる赤外光はフィルムを感光させることがないため、現像中繰り返し読み取りを行っても、フィルムの現像進行性に影響を与えることはない。
【0027】(演算)本発明において例えばあらかじめ(適切な現像処理がなされた場合に相当する)基準情報を決めておき、基準情報及び現像処理中又は後に得られた本発明の特定の信号情報を用いた演算により適切な現像処理条件と特定の信号情報が現像処理された時点での現像処理条件との差異を数値化し、その数値を用いた演算で撮影画像情報が調整される方法をとることができる。具体的な計算方法は、目的に応じて任意の方法を用いることができる。
【0028】本発明においてはスキャナー又はCCD等のイメージセンサを用いて感光材料の現像によって得られた特定の信号情報を読み取り電気信号に変換するが、茲にスキャナーとは感光材料を光学的に走査して反射、または透過の光学濃度を画像情報に変換する装置である。走査する際にはスキャナーの光学部分を感光材料の移動方向とは異なった方向に移動させることによって感光材料の必要な領域を走査することが一般的であり、推奨されるが、感光材料を固定してスキャナーの光学部分のみを移動させたり、感光材料のみを移動させてスキャナーの光学部分を固定してもよい。又は、これらの組み合わせであってもよい。またCCDを用いることも高速に画像情報を読み取れるという点で好ましい方法である。
【0029】信号情報を読み込むための光源はタングステンランプ、蛍光灯、発光ダイオード、レーザー光等、特に制限なく用いることができ、安価な点ではタングステンランプが好ましい。また、安定性、高輝度であり、散乱の影響を受けにくい点でレーザー光(コヒーレントな光源)を用いることも好ましい方法の一つである。感光材料の画像情報を読み取る場合には、赤外光または少なくとも3つの各々の色素の吸収が出来る波長領域の光を全面照射あるいはスリット走査してその反射光、あるいは透過光の光量を測定する方法が好ましい。この場合、拡散光を用いた方が、平行光を用いるより、フィルムのマット剤、傷などの情報が除去できるので好ましい。
【0030】スキャナー読みとり光源として赤外光を用いた場合、反射光、透過光による光量読み取りが好ましく、赤外光による画像情報形成方法は例えば特開平6−133112および特開平6−167757に記載の二重フィルム走査などの方法により、感光材料上の画像情報を得ることができる。
【0031】ここで二重フィルム走査とは、フィルムの両側からの反射光と透過光でフィルムを走査することである。この走査は処理中のフィルムまたは溶液に浸されて乳剤が乳白色となっているフィルムに対し行われる。このシステムはカラーフィルムを白黒現像し、その白黒画像情報を解析して得られたカラー情報を構成する手段を与えるものである。
【0032】図7は本発明による二重フィルム処理システムを示すものである。この図は、このフィルムを拡大して示したものである。透明なフィルム基板の上に夫々赤光、緑光および青光に感応する3つの層(900,910,920)が配置されている。通常のカラー現像では青に感応する層は黄色の色素を発現し緑に感応する層はマゼンタ色素を発現し、赤に感応する層はシアン色素を発現する。
【0033】現像中、これらの層は乳白色である。上層すなわち青感光層920で生成する現像銀粒子はフィルムの前面から見ることが出来るが、背面からは乳白色の乳剤により見ることが出来ない。同様に下層すなわち赤感光層900の現像銀粒子は反射光により背面から見ることは出来るが前面からは見えない。中間層すなわち緑に感応する緑感光層910の現像銀粒子は前面または後面からの反射光によりほとんど見えない。しかしながらこれらは透過光によれば他の層内の粒子と共に検出することが出来る。前面および後面から反射された光およびフィルムを通過した光を検知することによりそのフィルム内の各ピクセルは3色について解くことの出来る3個の測定数を得る。すなわち透過濃度をT、前面の反射濃度をR、裏面の反射濃度をRが測定されたとき、青感光層、緑感光層、赤感光層それぞれに生成する現像銀に基づく吸収をD、D、Dとすると、これらは次式のように行列Aを介して関係づけられる。
【0034】
【数1】

【0035】したがって、逆行列A−1を求めることにより測定値T、R、RからD、D、Dを求めることができる。
【0036】
【数2】

【0037】この技術は市販されている通常のカラーフィルムに適用できるが、この目的のために特別の写真フィルムを作製してもよい。
【0038】また、本発明の読み取りにおいては特願2000−110492(図1〜図3参照)に示すような読取り装置を用いることができる。
【0039】この読取り装置は、下記(1)〜(5)の構成を有している。
(1)ハロゲン化銀カラー写真感光材料の像記録情報を、画像入力媒体を介して異なる色分解画像情報を得て、デジタル画像を形成する画像形成装置において、該画像入力媒体を該感光材料を挟んで両側にそれぞれ少なくとも1つ有し、かつ一方が可視光情報のみを得る手段を有し、もう一方が非可視光情報のみを得る手段を有する画像形成装置である。
(2)感光材料の像記録情報を、画像入力媒体を介して異なる色分解画像情報を得て、デジタル画像を形成する画像形成装置において、該感光材料の一方の面側のみ該画像入力媒体を有し、かつ該画像入力媒体が、該感光材料の特定位置の可視光情報と、非可視光情報を同時に得る手段を有する画像形成装置である。
(3)前記画像形成装置が、透過光と反射光を照射する手段を有する前記(1)又は(2)に記載の画像形成装置である。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置が、前記感光材料を搬送しながら読み取る手段を有する画像形成装置である。
(5)感光材料の像記録情報を、画像入力媒体を介して異なる色分解画像情報を得て、デジタル画像を形成する画像形成装置において、該画像入力媒体が、該感光材料と接触し、かつ回転可能な透明搬送部材内に配され、かつ搬送しながら読み取りを行う手段を有する画像形成装置である。
【0040】以下に、図面(図1〜図3)に基いて詳細に述べる。たとえば、図1に示すようにカラーネガフィルム(1)を挟んで対を成す、ラインセンサ(7、8、又は9)と、ラインセンサ(4、5、又は6)との組を複数用いる方法があげられる。この図では片側に複数個のセンサーが配置される側を示したが、片側に配置させるセンサーの数は1個でもかまわない。
【0041】また、図2に示すようにカラーネガフィルム(1)を挟んで対を成す、エリアセンサ(13)、(14)の組を少なくとも1つ用いる方法が好ましく用いられる。
【0042】ここで上述のように、赤外光を用いて透過光、反射光(前面、裏面)で走査読み取りを行うためにフィルム前面側に配置された赤外光光源(10)と裏面側に配置された赤外光光源(11)は交互に点灯/消灯を繰り返す必要があり、それに同期してセンサーによる走査読み取りが行われる。
【0043】図3に示すように、カラーネガフィルム(1)に接触し、かつ前記カラーネガフィルムの搬送安定性に寄与する回転可能な円筒構造の「透明搬送部材」(15)と、前記画像入力媒体(例えば4)を組み合わせる方法も好ましく用いられる。「透明搬送部材」(15)が前記カラーネガフィルム(1)と接触する面(16)で、前記画像入力媒体による読み取りを行うことにより、前記カラーネガフィルムの状態(例えば、「反り」や「歪み」)の影響の低減を達成する。
【0044】また、受光部には、半導体イメージセンサー(例えば、エリア型CCDまたはCCDラインセンサー)を用いているのが好ましい。
【0045】前述のように、本発明の好ましい実施態様の一つは、現像中または現像後のフィルムを繰り返しイメージセンサで読み取ることである。現像の浅い状態、現像適点、さらに過現像状態のフィルムを読み取ることが好ましい。
【0046】通常のカラーフィルムは、青、緑、赤の領域の光に感光する3つの感光層ユニットから構成されている。夫々の感光層ユニットは単一の乳剤層から構成されるのではなく、高感度乳剤層と低感度乳剤層、さらには中感度乳剤層など、2あるいは3以上の乳剤層によって構成される。それぞれの乳剤層には大きさの異なるハロゲン化銀粒子が用いられており、感度の高い層ほど大きい粒子を使用するのが普通である。
【0047】ハロゲン化銀の現像速度はその粒径によって異なることが知られている。通常は小さい粒子ほど現像速度が速く、大きい粒子は現像速度が遅い。したがって通常、低感度乳剤層は高感度乳剤層より速く現像される。そのため、現像時間が短い時には低感度乳剤層に記録された画像情報を得ることができ、現像時間が長くなるに従って高感度乳剤層の画像情報が混合されてくる。過現像状態では主として高感度層に記録された画像情報を読み取ることができる。
【0048】本発明の繰り返し読み取りにおいては、カラーフィルム上に記録された画像を捜査して、高感度層と低感度層の画像情報を読取り、各画素における高感度層の信号値(SH)と低感度層の信号値(SL)を得る。SLが強いときはSLを、SLが使用可能範囲より小さいときはSHを、そしてSLが弱いが使用可能範囲内であるときはSLとSHに重みづけをして平均をとり、各画素の信号値を得る。このようにして得られた信号値は、それらの濃度曲線を線形化して整合させるべくガンマ補正される。
【0049】本来カラー現像を行ったときに得られる画像濃度が判っている露光済フィルムに対し、上記の走査を行ってSL、SHを求めることにより、信号値と画像濃度、さらには露光量との対応を取ることができる。このようにして、現像中に繰り返しイメージセンサによる画像読み取りを行って、カラーフィルムに記録された画像を適正に再現することができる。
【0050】係る画像読み取り方法においては、可視光を用いてもよいし非可視光を用いてもよい。但し現像中に光り照射がなされるため、ハロゲン化銀粒子が感光しない波長の光、例えば赤外光を用いるのが好ましい。現像液にはカラー現像液、白黒現像液のいずれも用いることができる。赤外光を用いて読み取る場合には発色現像は不要であり、銀現像が行われればよい。生成した現像銀粒子のカバリングパワーが高いことが好ましく、白黒現像液を用いるのが好ましい。
【0051】このようにして得られた画像データは、各種画像表示装置を用いて見ることができる。画像表示装置としては、カラーもしくはモノクロCRT、液晶ディスプレイ、プラズマ発光ディスプレイ、ELディスプレイなど、任意の装置が用いられる。
【0052】本発明では読み取られた画像信号を出力して別の記録材料上に画像を形成することができる。出力する材料はハロゲン化銀感光材料の他、各種ハードコピー装置が用いられる。例えばインクジェット方式、昇華型熱転写方式、電子写真方式、サイカラー方式、サーモオートクロム方式、ハロゲン化銀カラーぺーパーに露光する方法、ハロゲン化銀熱現像方式など様々な方式が用いられる。いずれの方法でも本発明の効果は充分に発揮される。
【0053】さらに、本発明の画像形成方法及びシステムでは、上記のようにして作成したデジタル画像データを所定の記録媒体にファイル出力できるようにしている。具体的には、MO、ZIPなどのリムーバルメディアにファイル出力して現像を依頼した顧客に受け渡したり、写真店などのサーバコンピュータのハードディスクにデジタル画像データをファイルとして保管しておき、現像を依頼した顧客からの注文に応じて出力するなどのサービス形態に対応することができる。
【0054】本発明においては、現像によって得られた画像情報をデジタルデータとして取り込むことを主な目的としているが、従来の方法である撮影した情報をカラーペーパーのようなプリント材料にアナログ的に光学露光して使用することもできる。
【0055】ここで、再び本発明の画像形成方法およびシステムにより実際にサービスを提供する場合について考えると、上記ファイル出力あるいはプリント出力を行うためには、ユーザが所望の出力処理を注文することができる何らかの手段が必要である。このため、本発明の方法およびシステムでは、上記出力を所定のユーザインタフェースを介して受け付けた注文情報にしたがって行うようにするのがよい。
【0056】具体的には、前記写真フィルムから読み取られた全てのデジタル画像データを並べて表示したり、現像経過などを表示するモニタなどの表示手段と、表示されたデジタル画像データの中から所望のデジタル画像データを選択することができるマウス、キーボードなどの選択入力手段、およびそれらを制御するソフトウェアをユーザインタフェースとして備えることが望ましい。また注文情報により注文された出力処理の代金決済を行えるように、コイン入力手段、精算手段なども備えるのがよい。なお、注文情報に基づいて出力を行う場合には、注文情報に応じて前記デジタル画像データの出力先を切り替えるようにしておくのがよい。
【0057】(感光材料)本発明に用いられる感光材料には、カプラーとの発色現像を行い発色させる方式、ロイコ染料の酸化により発色させる方式、カラーフィルター層とハロゲン化銀層を有し発色現像を行わずにカラー画像を得る方式等、任意の方式を用いることができる。特にカプラーとの発色現像を行い発色させる方式が好ましく用いられる。
【0058】本発明の感光材料は赤、緑、青色の光を記録することができる赤感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、青感性ハロゲン化銀乳剤層を有することが好ましい。本発明においては、ハロゲン化銀乳剤としては、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(以下RD308119と略す)に記載されているものを用いることができる。以下に記載箇所を示す。
【0059】
〔項目〕 〔RD308119の頁〕
沃度組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項 及び994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 晶癖 双晶 993 I−A項 エピタキシャル 993 I−A項 ハロゲン組成一様 993 I−B項 ハロゲン組成一様でない 993 I−B項 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 ハロゲン置換 994 I−C項 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 995 I−F項 潜像形成位置 表面 995 I−G項 潜像形成位置 内部 995 I−G項 適用感光材料ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 995 I−H項 乳剤を混合している 995 I−I項 脱塩 995 II−A項【0060】本発明においては、ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。この様な工程で使用される添加剤は、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643、No.18716及びNo.308119(それぞれ、以下RD17643、RD18716及びRD308119と略す)に記載されている。以下に記載箇所を示す。
【0061】
〔項目〕 〔RD308119の頁〕〔RD17643〕〔RD18716〕
化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV−A−A, B,C,D, 23〜24 648〜649 H,I,J項 強色増感剤 996 IV−A−E,J項 23〜24 648〜649 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649【0062】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記リサーチ・ディスクロージャーに記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
【0063】
〔項目〕 〔RD308119の頁〕〔RD17643〕〔RD18716〕
色濁り防止剤 1002 VII−I項 25 650 色素画像安定剤1001 VII−J項 25 増白剤 998 V 24紫外線吸収剤 1003 VIII−I項, XIII−C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤1006XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤1005XI 26〜27 650 マット剤 1007 XVI現像剤(感光材料中に含有)
1001 XXB項【0064】本発明には種々のカプラーを加えて使用することが出来、その具体例は、上記リサーチ・ディスクロージャーに記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
【0065】
〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕
イエローカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項 マゼンタカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項 シアンカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項 カラードカプラー 1002VII−G項 VIIG項 DIRカプラー 1001VII−F項 VIIF項 BARカプラー 1002VII−F項 その他の有用残基放出 1001VII−F項 カプラー アルカリ可溶カプラー 1001VII−E項【0066】本発明に用いられる添加剤は、RD308119XIVに記載されている分散法などにより、添加することができる。
【0067】本発明においては、前述RD17643 28頁、RD18716 647〜648頁及びRD308119のXIXに記載されている支持体を使用することができる。本発明に用いられる支持体は、透明支持体であることが好ましい。
【0068】本発明の感光材料には、前述RD308119VII−K項に記載されているフィルター層や中間層等の補助層を設けることができる。
【0069】本発明の感光材料は、前述RD308119VII−K項に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の様々な層構成をとることができる。
【0070】(現像)本発明において、現像等の処理の方法・方式、条件は問わず、公知の方法・方式を自由に適用することができる。一般用カラーネガの標準処理条件であるC−41処理の現像条件(発色現像主薬)は好ましく適用することができる。発色現像後に現像銀及び銀塩を実質的に除去しないことが、処理時間の短縮、銀資源の回収、処理廃液の廃棄が容易な点で好ましい。また、感光材料に実質的に染み込む量の現像液を感光材料に噴射(例えばインクジェットノズルを用いる。)あるいは塗り付けて現像することも可能である。現像液の噴射方法は問わず、単一の可動性ノズルを移動しながら噴射しても、複数の固定したノズルを用いて噴射しても良い。感光材料を固定してノズルを移動させながら噴射しても良く、ノズルを固定して感光材料を移動させながら噴射しても良い。これらの組み合わせであってもよい。
【0071】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を現像処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、セオリイ オブ ザ ホトグラフィック プロセス第4版(TheTheory of The Photografic Process Forth Edition)第291頁〜第334頁及びジャーナル オブ ザアメリカン ケミカル ソサエティ(Journal of the American Chemical Society)第73巻、第3、100頁(1951)に記載されている、それ自体公知の現像剤を使用することができ、また、前述のRD17643 28〜29頁、RD18716 615頁及びRD308119XIXに記載された通常の方法によって、現像処理することができる。
【0072】現像液を担持した媒体を介して感光材料に実質的に染み込むことが可能な量の現像液を感光材料に供給する現像処理を行う場合には、現像液を担持する媒体に制限はなく、フェルト、織物、スリットや穴を有する金属、等を好ましく用いることができる。感光材料又は媒体に現像液を噴射しながら媒体によって現像液を感光材料に塗り付ける方法も好ましい。
【0073】現像にあたり、液体との接触を必要とする場合、現像装置の小型化の点では吹きつけ現像又は塗りつけ現像が好ましい。
【0074】吹きつけ現像とは、感光材料に実質的に染み込むことが可能な量の現像液を感光材料に噴射することによって現像処理を行う現像処理であって現像液の噴射方法・方式、ノズルの数、形状は問わず、単一の可動性ノズルを移動しながら噴射しても、複数の固定したノズルを用いて噴射してもよい。感光材料を固定してノズルを移動させながら噴射してもよく、ノズルを固定して感材を移動させながら噴射してもよい。及びこれらの方式を組み合わせてもよい。
【0075】塗りつけ現像とは、現像液を担持した媒体を介して感光材料に実質的に染み込むことが可能な量の現像液を感光材料に供給する現像処理であって現像液を担持する媒体に制限はなく、フェルト、織物、スリットや穴を有する金属、等を好ましく用いることができる。感材又は媒体に現像液を噴射しながら媒体によって現像液を感材に塗りつける方法も好ましい。
【0076】(フィルム形態)本発明の感光材料をロール状の形態で使用する場合はカートリッジに収納した形態をとるのが好ましい。カートリッジとして最も一般的なものは、現在の135フォーマットもしくはIX−240フォーマットのパトローネである。その他の下記特許文献で提案されたカートリッジも使用できる。即ち、実開昭58−67329号、特開昭58−18103号、同58−182634号、実開昭58−195236号、米国特許第4,221,479号、特願昭63−57785号、同63−183344号、同63−325638号、特願平1−同1−21863号、同1−37181号、同1−3108号、同1−85198号、同1−172595号、同1−172594号、同1−172593号、米国特許第4,846,418号、同第4,848,693号、同第4,832,275号の各公報ないし明細書等に開示されたカートリッジ技術を参照できる。
【0077】次に、感光材料を装填することのできるフィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防止されたパトローネは特開平1−312537号、同1−312538号に記載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは現在135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの容積は、30cm以下、好ましくは25cm以下とすることが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの重量は5g〜15gが好ましい。
【0078】更にスプールを回転してフィルムを送り出すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向に回転させることによってフィルム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらは米国特許第4,834,306号、同第5,226,613号に開示されている。
【0079】本発明の感光材料は一般に市販されているレンズ付きフィルムユニットに装填して用いることができる。また本発明の感光材料は、特願平10−158427号、同10−170624号、同10−188984号明細書に記載のレンズ付きフィルムユニットに装填して好ましく用いることができる。
【0080】(露光)本発明の感光材料を撮影用感材として用いる場合、カメラ等を用いて風景や人物などを直接撮影するのが一般的である。上記のようなレンズ付きフィルムユニットに装填されて用いられる場合もこれに類する。そのほか、本発明の感光材料は、プリンターや引伸機等を用いてリバーサルフィルムやネガフィルムを通して露光する方法、複写機の露光装置等を用いて、原画をスリットなどを通して走査露光する方法、画像情報と電気信号を経由して発効ダイオード、各種レーザー(レーザーダイオード、ガスレーザーなど)などを発光させ走査露光する方法(特開平2−129625号、特願平3−338182号、同4−9388号、同4−281442号等に記載の方法)、画像情報をCRT、液晶ディスプレー、エレクトロルミネッセンスディスプレー、プラズマディスプレーなどの画像表示装置に出力し、直接又は光学系を介して露光する方法などにも用いられる。
【0081】感光材料へ画像を記録する光源としては、上記のように自然光、タングステンランプ、発光ダイオード、レーザー光源、CRT光源などの米国特許第4,500,626号第56欄、特開平2−53378号、同2−54672号記載の光源や露光方法を用いることができる。また、非線形光学材料とレーザー光等のコヒーレントな光源を組み合わせた波長変換素子を用いて画像露光することもできる。ここで非線形光学材料とは、レーザー光のような強い光電界を与えたときに現れる分局と電界との非線形性を発現可能な材料であり、ニオブ酸リチウム、リン酸二水素カリウム(KDP)、沃素酸リチウム、BaBなどに代表される無機化合物や、尿素誘導体、ニトロアニリン誘導体、例えば、3−メチル−4−ニトロピリジン−N−オキシド(POM)のようなニトロピリジン−N−オキシド誘導体、特開昭61−53462号、同62−210432号に記載の化合物が好ましく用いられることができる。波長変換素子の形態としては、単結晶光導波路型、ファイバー型等が知られており、その何れもが有用である。
【0082】また、本発明の画像情報としてはビデオカメラ、電子スチルカメラ等から得られる画像信号、日本テレビジョン信号規格(NTSC)に代表されるテレビ信号、原画をスキャナー等多数の画素に分割して得た画像信号、CG、CADで代表されるコンピューターを用いて作成された画像を利用できる。
【0083】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
実施例1<感光材料1の作成>特開平11−288069号68〜69頁に記載の感光材料と同様の方法で感光材料1を作成し、35mm規格の撮影用フィルムサイズに加工した。
【0084】(試料1)感光材料1に対して先頭部から100mmの部分から3箇所にそれぞれ青色光、緑色光、赤色光にて特定信号として光学ウエッジマスクを露光し、パトローネに封入した後カメラに装着し、上記光学ウエッジを露光した場所と重ならないところに林を背景にした人物(以下情景Aとする)を撮影し、試料1とした。
【0085】(通常現像液処理条件での入力)試料1を画像情報読み取り部を有する自動現像機Aの現像液槽部分にC−41処理用発色現像液を充填した自動現像機A(図4参照)により現像し、濡れたまま、赤外光(反射光、透過光)を用いて画像情報の読み取りを行った。透過光による画像情報をT、フィルム乳剤面からの反射光による画像情報をR、フィルムベース面からの反射光による画像情報をRとした。得られた信号は電気的信号に変換され自動現像機Aに付属するメモリー部分に基準特定信号情報1及び基準撮影画像情報1として蓄積された。基準特定信号1の光学ウエッジに対しては読み取り後さらに漂白、定着工程を行い、可視光による読み取りを行い、基準特定信号情報1の画像情報B、G、Rを得た。下記のようにT、R、RとB、G、Rの行列計算により、赤外情報からB・G・R色情報をえられる変換テーブルを作成した。
【0086】
【数3】

【0087】尚、図4中、各符号は下記を指示する。
41:感光材料巻き出し部42:現像液槽43:赤外光光源1、読み取り用CCD1(赤外反射光)
44:読み取り用CCD1(赤外透過光)
45:演算装置46:表示板47:感光材料排出部を各々指示する。
【0088】(疲労液処理条件での入力)上記発色現像液を充填した自動現像機Aにより、感光材料を6m処理し現像液が疲弊し処理条件が変化した後に、試料1を自動現像機Aで現像し、濡れたまま、赤外光(反射光、透過光)を用いて画像情報の読み取りを行った。得られた信号は電気的信号に変換され自動現像機Aに付属するメモリー部分に特定信号情報2および撮影画像情報2として蓄積された。
【0089】得られた特定信号情報および撮影画像情報はそれぞれ前記変換行列により変換し、さらに下記の演算を行った。
【0090】(演算1)
<1>通常現像で得られた基準特定信号情報1の光学ウエッジの各段の濃度をDsx(i)、疲労液現像で得られた特定信号情報2の光学ウエッジの各段の濃度をDtx(i)とし、その差Ddx(i)=Dtx(i)−Dsx(i)をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各光学ウエッジにおいてとる。
<2>疲労液現像で得られた撮影画像情報2の各色の読み取り信号の各画素毎の濃度Dpx(h)に対し、特定信号情報2の光学ウエッジの各段のうち、濃度が最も近接しているものDtx(i)を選び出す。
<3>Dtx(i)に対応する差Ddx(i)と当該画素の濃度の和Dax(h)=Dpx(h)+Ddx(i)をネガ情報として採用する。
【0091】(画像情報の評価)画像情報の評価は10人のモニターによる主観評価によって行った。画像情報は、基準撮影画像情報1及び演算1を行わない画像情報(Dpx(h)の集合)をもとにポジ画像として出力したもの、演算1を行った画像情報(Dax(h)の集合)をもとにポジ画像として出力したものの各々のプリントを10人のモニターによって主観評価した。
【0092】コニカ社製ポストキレート型昇華感熱転写プリンターCHC−S845−5Cによってプリントし、各々のプリントを10人のモニターによって主観評価した。演算1を行わない画像情報を出力したプリント及び演算1を行った画像情報を出力したプリントの比較によって、基準となる撮影画像情報をプリントしたものに画質が近いか、かけ離れているかを判断する方法で評価を行った。結果は次の通りであった。
【0093】[演算1を行わない画像情報を出力したプリント(比較例)]
近い 0人どちらかと言えば近い 0人どちらとも言えない 0人どちらかと言えばかけ離れている 4人かけ離れている 6人【0094】[演算1を行った画像情報を出力したプリント(本発明)]
近い 8人どちらかと言えば近い 2人どちらとも言えない 0人どちらかと言えばかけ離れている 0人かけ離れている 0人【0095】本実施例により、本発明の構成によれば自動的に処理条件の変動を補正する方法を提供できることが明らかとなった。
【0096】実施例2(通常現像液処理条件での入力)実施例1で作成した試料1を画像情報読み取り部を有する自動現像機B[図5]の現像液槽部分にC−41処理用発色現像液を充填した自動現像機Bにより現像し、濡れたまま、赤外光(反射光、透過光)を用いて繰り返し画像情報の読み取りを行った。透過光による画像情報をT1、フィルム乳剤面からの反射光による画像情報をR2、フィルムベース面からの反射光による画像情報をR3とした。さらに繰り返し読み取りにおける画像情報を(T2 R22 R23)(T3R32 R33)……とした。得られた信号は電気的信号に変換され自動現像機Bに付属するメモリー部分に基準特定信号情報11及び基準撮影画像情報11として蓄積された。尚、図5中、各符号は下記を指示する。
【0097】
51:感光材料巻き出し部52:現像液槽53:赤外光光源1、読み取り用CCD1(赤外反射光)
54:読み取り用CCD1(赤外透過光)
55:赤外光光源2、読み取り用CCD2(赤外反射光)
56:読み取り用CCD2(赤外透過光)
57:赤外光光源3、読み取り用CCD3(赤外反射光)
58:読み取り用CCD3(赤外透過光)
59:演算装置60:表示板61:感光材料排出部【0098】(疲労液処理条件での入力)上記発色現像液を充填した自動現像機Bにより、感光材料を6m処理し現像液が疲弊し処理条件が変化した後に、試料1を自動現像機Bで現像し、濡れたまま、赤外光(反射光、透過光)を用いて繰り返し画像情報の読み取りを行った。得られた信号は電気的信号に変換され自動現像機Bに付属するメモリー部分に特定信号情報12および撮影画像情報12として蓄積された。
【0099】赤外光の反射光および透過光を用いてデジタルカラー画像情報を取り出す技術としては特開平6−133112および特開平6−167757に記載の方法により、算出し、さらに実施例1の演算1と同様の処理を行った。
【0100】(画像情報の評価)画像情報の評価は10人のモニターによる主観評価によって行った。画像情報は、基準となる撮影画像情報及び演算1を行わない画像情報(Dpx(h)の集合)をもとにポジ画像として出力したもの、演算1を行った画像情報(Dax(h)の集合)をもとにポジ画像として出力したもの各々のプリントを10人のモニターによって主観評価した。
【0101】コニカ社製ポストキレート型昇華感熱転写プリンターCHC−S845−5Cによってプリントし、各々のプリントを10人のモニターによって主観評価した。演算1を行わない画像情報を出力したプリント及び演算1を行った画像情報を出力したプリントの比較によって、基準となる撮影画像情報をプリントしたものに画質が近いかかけ離れているかを判断する方法で評価を行った。結果は次の通りであった。
【0102】[演算1を行わない画像情報を出力したプリント(比較例)]
近い 0人、どちらかと言えば近い 0人、どちらとも言えない 0人どちらかと言えばかけ離れている 4人かけ離れている 6人【0103】[演算1を行った画像情報を出力したプリント(本発明)]
近い 9人どちらかと言えば近い 1人どちらとも言えない 0人どちらかと言えばかけ離れている 0人かけ離れている 0人【0104】本実施例により、本発明の構成によれば自動的に処理条件の変動を補正する方法を提供できることが明らかとなった。
【0105】実施例3実施例1において、特定信号にバーコードを用いた試料を用いても同様の結果が得られた。
【0106】実施例4感光材料1を2部に分けてパトローネに封入し、一方を冷暗所に、他方を真夏の車中に3日間放置した。ここで、冷暗所に保存した感光材料を感光材料1a、車中に置いたものを感光材料1bとした。
【0107】(基準となる特定信号情報21および撮影画像情報21の入力)感光材料1aをパトローネに封入した後カメラに装着し感光材料の先頭から250mmより後ろに情景Aを撮影し、露光部および画像情報読み取り部を有する自動現像機C[図6]の光学ウエッジ露光部で感光材料の情景Aが撮影されていない部分に、青色光、緑色光、赤色光にて光学ウエッジを露光し、引き続き連続的に現像及び特定の信号情報(光学ウエッジ)の読み取りを行った。得られた信号は電気的信号に変換され自動現像機Cに付属するメモリー部分に基準特定信号情報21および基準となる撮影画像情報21として蓄積された。
【0108】(強制劣化後の特定信号情報22および撮影画像情報22の入力)感光材料1bについて、感光材料1aと同様に撮影、現像、読み取りを行い、特定信号情報22および撮影画像情報22を得た。
【0109】以上のサンプルに対し、実施例1の演算1と同様の演算を行い、実施例1と同様に評価した。結果は次の通りであった。
【0110】[演算1を行わない画像情報を出力したプリント(比較例)]
近い 0人どちらかと言えば近い 0人どちらとも言えない 0人どちらかと言えばかけ離れている 1人かけ離れている 9人【0111】[演算1を行った画像情報を出力したプリント(本発明)]
近い 8人どちらかと言えば近い 2人どちらとも言えない 0人どちらかと言えばかけ離れている 0人かけ離れている 0人【0112】本実施例により、本発明の構成によればフィルムの保存による劣化変動を自動的に補正する方法を提供できることが明らかとなった。尚、図6中、各符号は下記を指示する。
【0113】
71:感光材料巻き出し部72:光学ウェッジ露光部73:減圧密着機74:光学ウェッジマスク(3本並列)
75:光学ウェッジ露光用光源(3色並列)
76:減圧用ポンプ77及び78:排気ダクト79:現像液槽80:赤外光光源1、読み取り用CCD1(赤外反射光)
81:読み取り用CCD1(赤外透過光)
82:赤外光光源2、読み取り用CCD2(赤外反射光)
83:読み取り用CCD2(赤外透過光)
84:赤外光光源3、読み取り用CCD3(赤外反射光)
85:読み取り用CCD3(赤外透過光)
86:演算装置87:表示板88:感光材料排出部
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【出願日】 平成12年4月26日(2000.4.26)
【代理人】 【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
【公開番号】 特開2001−305679(P2001−305679A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−125314(P2000−125314)