| 【発明の名称】 |
濃度測定装置および画像記録装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古谷 宏行
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】互いに波長領域の異なる3色の光を射出する発光素子と、前記発光素子を発光させる駆動手段と、発光素子から照射され、被測定物に反射された光、もしくは被測定物を透過した光の光量を測定する光量測定手段と、発光素子の少なくとも1つを所定時間発光した後、光量測定手段による光量測定を行うように、駆動手段を制御する発光制御手段とを有することにより、前記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】互いに波長領域の異なる3色の光を射出する発光素子と、前記発光素子を発光させる駆動手段と、前記発光素子から照射され、被測定物に反射された光、もしくは被測定物を透過した光の光量を測定する光量測定手段と、前記発光素子の少なくとも1つを所定時間発光した後、前記光量測定手段による光量測定を行うように、前記駆動手段を制御する発光制御手段とを有することを特徴とする濃度測定装置。 【請求項2】前記発光制御手段は、最も温度変化の時定数が大きい発光素子を前記所定時間発光する請求項1に記載の濃度測定装置。 【請求項3】白色基準板を用いた基準光量測定の直前または直後に、最も温度変化による光量変動が大きい発光素子から射出される光による被測定物の光量測定を行う請求項1または2に記載の濃度測定装置。 【請求項4】前記所定時間発光は、発光素子の温度変化時定数の機差バラツキを考慮して設定する請求項1〜3のいずれかに記載の濃度測定装置。 【請求項5】ハードコピーを出力する画像形成部と、前記画像形成部によって校正用テストチャートを出力させるチャート出力手段と、前記校正用テストチャートを請求項1〜4のいずれかに記載の濃度測定装置を用いて測定する濃度測定部と、前記濃度測定部による校正用テストチャートの測定結果を用いて、前記画像形成部の校正を行う校正手段とを有することを特徴とする画像記録装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、画像の濃度測定の技術分野に属し、詳しくは、画像記録装置の校正を行う際の校正用テストチャートの濃度測定に好適に用いられる濃度測定装置、および、この濃度測定装置を利用する画像記録装置に関する。 【0002】 【従来の技術】レーザプリンタ、サーマルプリンタ、複写装置等の各種の画像記録装置(プリンタ)においては、装置の個体差や経時変化、感光材料などの記録媒体のロット毎の特性差等を吸収して、供給された画像信号に応じた適正な画像を記録できるように、装置の校正いわゆるキャリブレーションが行われている。 【0003】キャリブレーションは、通常、以下のようにして行われる。まず、予め定められたフォーマットでC(シアン)、M(マゼンタ)およびY(イエロー)等の三原色のパッチ等が記録された校正用テストチャート(キャリブレーションチャート)を画像記録装置で出力する。次いで、チャート各のパッチの濃度を測定する。さらに、測定濃度値と、目標となる階調特性を示す目標階調データとに応じて、入力画像信号に応じた適正な画像記録が行えるように、入力画像信号を出力画像信号に変換する変換条件や、露光量信号を出力画像信号に変換する変換条件等を校正する。画像記録装置には、濃度測定装置が配置され、このようなキャリブレーションを行う機能を内蔵する装置も少なくない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このようなキャリブレーションに用いられる濃度測定装置をはじめとして、通常の濃度測定装置は、白色光源からの光を三原色(R(赤)、G(緑)およびB(青))のフィルタで順次調光し、被測定物からの反射光や透過光の光量を測定して、例えば、被測定物のC、MおよびYの濃度を測定する。しかしながら、このような濃度測定装置は、光源となるランプの寿命が短い、光量が不安定である、光源が発する熱が測定に影響を及ぼす等の問題点がある。また、フィルタの切り替え手段等も必要であり、装置が大型化し、しかも測定作業そのものが煩わしいという問題点もある。 【0005】これに対し、本出願人は、光源としてR、GおよびBの光を射出するLED等の発光素子を用いることにより、コンパクトで、しかも製造コストやランニングコストも低い濃度測定装置を開発し、先に、これを提案している(特開平8−122152号公報参照)。このような優れた特性は、各種の画像記録装置にキャリブレーションのために配置される画像濃度装置にも好適である。 【0006】ここで、LED等の発光素子の中には、温度の変化によって、射出する光の波長や光量が変動してしまうものも多く、これが、光学装置の性能に悪影響を及ぼしてしまう場合もある。このような不都合を解消するために、これらを用いる光学装置では、例えば、特開平6−318733号や同7−137338号の各公報に開示されているように、駆動中に発光素子の温度を検出して、それに応じて素子の駆動制御を行うことが知られている。また、発光素子を安定して駆動するために、温度センサと冷却ファン等を用いた温度調整手段を有する光学装置も多い。 【0007】そのため、LED等を用いる装置では、このような駆動制御手段や温度調整手段が、装置のコストアップの一因となっている。特に、前述のような画像記録装置において、キャリブレーションは高い頻度で行われる訳ではないので、このような濃度測定装置の駆動制御手段や温度調整手段によるコストアップは、好ましくない。 【0008】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、温度調整手段等を有さなくても、被測定物の濃度測定中、特に、前述のキャリブレーションにおける校正用テストチャートの濃度測定中に、測定光の光量変動や波長変動による測定誤差を生じることを防いで、高精度な濃度測定を行うことができ、かつ、コンパクトで、コストおよびランニングコストが共に低い濃度測定装置、および、この濃度測定装置を利用する画像記録装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明の濃度測定装置は、互いに波長領域の異なる3色の光を射出する発光素子と、前記発光素子を発光させる駆動手段と、前記発光素子から照射され、被測定物に反射された光、もしくは被測定物を透過した光の光量を測定する光量測定手段と、前記発光素子の少なくとも1つを所定時間発光した後、前記光量測定手段による光量測定を行うように、前記駆動手段を制御する発光制御手段とを有することを特徴とする濃度測定装置を提供する。 【0010】また、前記発光制御手段は、最も温度変化の時定数が大きい発光素子を前記所定時間発光するのが好ましく、また、白色基準板を用いた基準光量測定の直前または直後に、最も温度変化による光量変動が大きい発光素子から射出される光による被測定物の光量測定を行うのが好ましく、さらに、前記所定時間発光は、発光素子の温度変化時定数の機差バラツキを考慮して設定するのが好ましい。 【0011】また、本発明の画像記録装置は、ハードコピーを出力する画像形成部と、前記画像形成部によって校正用テストチャートを出力させるチャート出力手段と、前記本発明の濃度測定装置を用いて測定する濃度測定部と、前記濃度測定部による校正用テストチャートの測定結果を用いて、前記画像形成部の校正を行う校正手段とを有することを特徴とする画像記録装置を提供する。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の濃度測定装置および画像記録装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。 【0013】図1に、本発明の濃度測定装置の一例を利用する、本発明の画像記録装置の一例を概念的に示す。この画像記録装置(デジタルカラープリンタ)10は、記録材料として、熱現像工程を有し、水等の画像形成溶媒の存在下で受像層を有する受像材料に画像を転写形成する、感光性熱現像記録材料を用いる装置である。なお、本発明の画像記録装置は、この記録材料を用いるものに限定はされず、ネガやリバーサルフィルムや印画紙等の銀塩写真感光材料等の各種の感光材料を用いるものでもよく、また、電子写真感光体や電子写真感光材料を用いるものでもよい。 【0014】図示例の画像記録装置10(以下、記録装置10とする)は、前述の感光性熱現像記録材料A(以下、記録材料Aとする)を供給する記録材料供給部12と、露光部14と、受像材料Rを供給する受像材料供給部16と、水塗布部18と、熱現像転写部20と、廃棄材料収容部22と、本発明の濃度測定装置24を利用する濃度測定部26とを有して構成される。 【0015】図示例において、記録材料Aは、長尺な状態で(感光面を内側にして)ロール状に巻回された状態で、遮光性のマガジン28に収納されて記録装置10に装填される。マガジン28の記録材料取出し口の近傍には、引き出しローラ対30およびカッタ32が配置される。記録材料Aは、引き出しローラ対30によって、作成するプリントに応じた長さだけ引き出され、カッタ32によって切断された後に、下流(材料搬送方向の下流)の露光部14に搬送され、露光に供される。 【0016】露光部14は、露光ユニット34と副走査搬送手段とから構成される。露光ユニット34は、記録材料AのR、GおよびBの各感光層の露光に対応する3種の光ビーム光源(R光源、G光源、B光源)、光偏向器、fθレンズ等を有する、記録画像に応じて変調した光ビームcを主走査方向に偏向して、所定の記録位置に入射する、公知の光ビーム走査光学系である。一方、副走査搬送手段も、公知のもので、図示例においては、搬送方向に前記記録位置を挟んで配置され、記録材料Aを主走査方向と直交する副走査方向に搬送する、一対の搬送ローラ対38および38から構成される。記録材料供給部12から供給された記録材料Aは、副走査搬送部36の搬送ローラ対38によって副走査方向に搬送されつつ、記録画像に応じて変調されて主走査方向に偏向された光ビームcによって、二次元的に走査露光され、潜像を記録されて、下流に搬送される。 【0017】図2に、この露光ユニット34の各光ビーム光源の露光制御系の概略をブロック図で示す。図示例において、スキャナ(画像読取装置)、デジタルカメラなどの撮像手段、画像処理装置等の画像信号の供給源Fから供給された入力画像信号(入力画像データ)は、信号変換部40において出力画像信号に変換された後、ドライバ42に供給される。ドライバ42は、この出力画像信号に応じて、前述の各光ビーム光源を変調して駆動する。信号変換部40における信号変換方法には、特に限定はなく、例えば、三次元LUT(ルックアップテーブル)、R,GおよびBの各画像信号に対応する3つの一次元LUT、マトリクス演算等の1以上が例示される。 【0018】ドライバ42にはデータ保持部44が、信号変換部40には(キャリブレーション)演算部46が、それぞれ接続される。データ保持部44は、記録装置10のキャリブレーション(校正)を行う際に、所定フォーマットの校正用テストチャート(キャリブレーションチャート)に対応する画像信号をドライバ42に供給することにより、露光ユニット34によって、記録材料Aに校正用テストチャート(以下、テストチャートとする)を露光するものである。なお、テストチャートは、例えば、段階的に濃度の異なる3原色(例えば、C、MおよびY)等のパッチが形成された、公知の校正用テストチャートでよい。 【0019】一方、演算部46は、キャリブレーションの際に、濃度計24から送られたテストチャートの濃度測定値と、目標となる階調特性を示す目標階調データ(例えば、テストチャートの基準濃度値)とを用いて、信号変換部40における変換条件(あるいは、その補正条件)を算出し、変換条件の校正、例えば、前記LUTの書き換え等を行う。なお、信号変換部40における変換条件(補正条件)の演算方法(キャリブレーション演算の方法)は、とくに限定はなく、各種のプリンタ等で用いられている公知の方法でよい。 【0020】なお、本発明の記録装置においては、信号変換部40において、入力画像信号を中間信号(例えば、露光量信号)に変換し、この中間信号を出力画像信号に変換してもよい。この際において、キャリブレーションで校正されるのは、いずれの変換条件でもよいが、通常は、中間信号を出力画像信号に変換する変換条件を校正する。 【0021】露光部14において、潜像を記録された記録材料Aは、3つの搬送ローラ対48によって搬送され、水塗布部18において、画像形成溶媒としての水を塗布され、さらに、レジスト部50に搬送される。 【0022】他方、受像材料Rは、受像面に色素固定材料が塗布されたもので、受像材料供給部16において、長尺な状態で(受像面を内側にして)ロール状に巻回された状態で、マガジン52に収納されて記録装置10に装填される。マガジン52の取出し口の近傍には、引き出しローラ対54およびカッタ56が配置される。受像材料Rは、引き出しローラ対54によって、作成するプリントに応じた長さだけ引き出され、カッタ56によって切断された後に、3つの搬送ローラ対58によって搬送され、レジストローラ対60に供給される。なお、後述する剥離爪68による記録材料Aとの剥離を容易にするために、受像材料Rは、記録材料Aよりも、若干、長めに切断される。 【0023】レジスト部50およびレジストローラ60は、共に、タイミングを合わせて記録材料Aおよび受像材料Rを搬送することにより、両者を重ね合わせて熱現像転写部20に搬送する。 【0024】熱現像転写部20は、無端ベルトおよびローラからなるベルトコンベア62および64と、ベルトコンベア62(その無端ベルト)に内包されるように配置される、ヒータ66とを有して構成される。2つのベルトコンベア62および64は、互いの無端ベルトによって記録材料Aと受像材料Rの積層体を挟持搬送する。この挟持搬送の際に、ヒータ66によって前記積層体が加熱されて記録材料Aに形成された潜像が可視像化され、さらに、この画像が受像材料Rに転写される。 【0025】熱現像転写部62の下流には、剥離爪68が配置される。熱現像転写部62で熱現像および画像の転写を終了した記録材料Aと受像材料Rとの積層体の先端が、剥離爪68に至ると、剥離爪68が作動して両材料の間に入り、両者を剥離する。 【0026】剥離爪68によって受像材料Rから剥離された記録材料Aは、搬送ローラ対70によって廃棄材料収容部22に送られる。廃棄材料収容部22は、ドラム72と、ドラム72(記録材料Aの最外層)に巻き掛かるエンドレスベルト74と、このエンドレスベルト74を張架するローラ76,76…とからなる駆動手段を有する。使用済みの記録材料Aは、ドラム72に巻き取られ、所定量になった時点で、廃棄される。 【0027】他方、記録材料Aが剥離された受像材料Rは、搬送ローラ対78,78…によって搬送され、さらに、排出ローラ80によって、画像が記録されたハードコピーとしてトレイ82に排出される。 【0028】ここで、最下流の搬送ローラ対78と、排出ローラ80との間には、濃度測定部26が配置される。濃度測定部26は、記録装置10のキャリブレーションを行う際に、受像材料Rに記録されたテストチャートの濃度測定を行って、濃度測定値を露光ユニット34の(キャリブレーション)演算部46に送るもので、本発明の濃度測定装置24と、白色基準板84とを有して構成される。 【0029】図3に、濃度測定部26の一例の概念図を示す。なお、図3においては、受像材料Rは、紙面と垂直方向に搬送される。濃度測定装置24は、測定光の射出系と受光系とから構成される。なお、濃度測定装置24には、必要に応じて、装置そのものを受像材料Rの搬送方向と直交する方向に移動する手段を設けてもよい。射出系は、受像材料Rに記録されたテストチャートのCパッチの濃度測定に対応するR光を射出する光源86R、同Mパッチの濃度測定に対応するG光を射出する光源86G、および同Yパッチの濃度測定に対応するB光を射出する光源86Bの3つの光源86と、各光源86を駆動するドライバ88(88R,88G,88B)と、ドライバ88をコントロールして各光源86の点灯を制御する点灯制御部90とを有して構成される。他方、受光系は、受像材料Rおよび白色基準板84の反射光の光量を測光するセンサ92と、センサ92に前記反射光を結像する結像光学系94と、センサ92の出力信号を増幅するアンプ(AMP)96と、A/D(アナログ/デジタル)変換器98と、データ処理部100とを有して構成される。 【0030】なお、光源86としては、被測定物に応じた三原色の光を射出できるものであれば、各種の発光素子が利用可能であり、例えば、LED(発光ダイオード;Light Emitting Diode)、白色光源と前記三原色の色フィルタとを組み合わせた光源、半導体レーザ等が例示される。また、反射光(測定対象が透過原稿である場合には透過光)の光量を測定するセンサ92も、公知のものが各種利用可能であり、例えば、CCDセンサ、フォトマルチプライヤ等が例示される。 【0031】前述のように、キャリブレーションを行う際には、データ保持部44からテストチャートの画像信号がドライバ42に供給され、それに応じて、テストチャートが記録材料Aに露光され、熱現像転写部20において熱現像されて受像材料Rに転写されて、テストチャートが記録された受像材料Rが、トレイ82に出力される。オペレータは、この受像材料Rを所定のテストチャート供給部にセットし、濃度測定開始の指示を出す。なお、本発明の記録装置10は、オペレータが濃度測定開始の指示を出すのに限定はされず、例えば、受像材料Rが所定位置にセットされたら、(所定時間経過後に)自動的に読み取りのための動作を開始してもよい。あるいは、受像材料Rに記録されたテストチャートが十分に安定していれば、記録材料Aからテストチャートを転写され、剥離された受像材料Rがトレイ82に搬送されるまでの間に、後述する濃度測定を行ってもよい。 【0032】濃度測定開始の指示が出されると、テストチャートが記録された受像材料Rが濃度測定部26に搬送される。この搬送にタイミングを合わせて、濃度測定装置24の点灯制御部90は、受像材料Rが所定の測定位置に搬送される前に後述する加熱点灯を行い、その後、各光源86を順次駆動する。これにより、各色毎に、白色基準板84によるR光、G光およびB光の反射光(すなわち、基準光量)がセンサ92で測定される。基準光量の測定順には、特に限定はなく、また、加熱点灯した光源によるパッチの測定を最初に行う場合には、そのまま基準光量を測定すればよい。次いで、点灯制御部90は、受像材料Rに記録されたテストチャートの各パッチが所定の測定位置に搬送されると、各パッチに対応する光源86を駆動する。これにより、各ハッチの反射光がセンサ92で測定される。 【0033】センサ92の出力信号は、アンプ96で増幅された後に、A/D変換器98でデジタル信号に変換され、データ処理部100に送られる。データ処理部100は、白色基準板84を用いて得られた基準光量と、各パッチの反射光の測光結果とを用いて、各パッチの濃度を算出し、その濃度値を前述の露光ユニット34の演算部46に送る。なお、濃度の算出方法は、公知の濃度測定装置と同様でよい。演算部46は、前述のように、テストチャートの基準濃度値と、測定された各パッチの濃度値とを用いて、信号変換部40における変換条件を校正する。 【0034】ここで、本発明にかかる濃度測定装置24においては、点灯制御部90は、濃度測定開始の指示に応じて、光源86の少なくとも1つを所定時間点灯(以下、加熱点灯とする)した後に、白色基準板84を用いた基準光量の測定(以下、単に白色基準板84の測定とする)を行う。なお、白色基準板84の測定を行わない場合には、加熱点灯を行った後に、パッチの濃度測定を行う。 【0035】LED等の発光素子は、波長および光量(光源特性)が、温度変化に応じて変動するものも多い。そのため、これらを用いた濃度測定において、例えば、白色基準板84の測定とパッチの濃度測定との間や、最初のパッチと最後のパッチの濃度測定との間に、光源特性が変動すると、これに起因して、濃度測定結果に誤差が生じる。このような濃度測定誤差は、例えば、図示例のような記録装置10のキャリブレーションであれば、画像信号変換条件の校正誤差の原因となり、その結果、入力画像信号に応じた、適正な画像を出力することができなくなってしまう。 【0036】これに対し、冷却ファンや加熱手段による光源86の温度調整手段や、光源86の温度に応じた光源出力の調整手段を設けることも考えられる。しかしながら、この方法では、装置の大型化やコストアップは、避けることができない。特に、図示例のような記録装置10においては、キャリブレーションは、高い頻度で行うものではなく、そのために装置の大型化やコストアップ等が生じるのは、決して好ましいことではない。 【0037】ここで、本発明者の検討によれば、これらの発光素子の温度変化は、点灯直後の自己発熱による変化が最も大きく、この時間帯では、この温度変化に応じて、光源特性の変動も大きい。図4に、LEDの点灯後の時間経過と、光量との関係の一例を示す。図4に示されるように、点灯直後は、自己発熱による温度の上昇に伴って光量も大きく変動するが、ある程度、時間が経過すると、温度が安定して、それに伴って光量も安定する。すなわち、光源86の点灯直後に、白色基準板84の測定やパッチ等の被測定物の濃度測定を開始すると、温度変化に応じた光源特性の変動によって、濃度測定の結果に、大きな誤差が生じる。それに対し、光源86がある程度加熱された後に、濃度測定を行えば、光源特性の変動は小さく、従って、これに起因する濃度測定誤差を許容範囲内に納めることができる。 【0038】本発明は、これを利用したものであり、所定時間、例えば、温度の安定に伴う光量変動が小さくなる矢印aの時間、少なくとも1つの光源86を点灯する加熱点灯を行い、その後、白色基準板84(テストチャートのパッチ)等の被測定物の測定を行う。従って、本発明の濃度測定装置によれば、測定中に、光源86の温度変化による光源特性の変動に起因する濃度測定の誤差を低減して、許容範囲にすることができ、高精度な濃度測定を行うことができる。特に、図示例のような、記録装置10のキャリブレーションでは、白色基準板84の測定を開始してから、パッチの濃度測定を終了するまでにかかる時間は、通常、30秒程度であるので、加熱点灯を行った後であれば、この間における温度変化は小さい。従って、本発明によれば、光量変動に起因する濃度測定誤差を、非常に小さくすることができ、高精度なキャリブレーションを行うことができる。しかも、本発明によれば、温度調整手段や駆動制御手段等も不要であるので、装置コストの向上や装置の大型化も生じない。 【0039】本発明において、加熱点灯の時間には特に限定はなく、少なくとも1つの光源86の点灯後、光源特性変動による誤差が許容範囲になるまで全ての光源86が加熱される時間を、用いる光源86、濃度測定装置(特に、光源部分)の構成、実験結果等に応じて、適宜、決定すればよい。なお、加熱点灯の際の出力は、基本的に、濃度測定時と同様でよい。しかしながら、十分な自己発熱を得られる場合には測定時よりも低出力としてもよく、あるいは、加熱点灯を迅速に行うために、高出力で加熱点灯を行ってもよい。 【0040】ここで、LED等の発熱素子は、通常は点灯後、数十秒程度経過すれば、自己発熱による温度変動は少なくなる。また、加熱点灯の時間は、用いる光源の温度変化の時定数(発光時間と温度上昇との関係)の機差バラツキを考慮して決定するのが好ましい。以上の点を考慮すると、加熱点灯の時間は、10秒〜30秒とするのが好ましい。また、必要に応じて、加熱点灯している光源や光源のマウント等の温度、あるいは、光量を測定して、温度(光量)の安定を確認してもよい。 【0041】このような発熱素子を用いる濃度測定装置においては、通常、各光源86は近接した状態で、あるいはさらに、1つのマウントに保持されている。従って、本発明の濃度測定装置では、1つの光源86を加熱点灯すれば、他の光源86の温度も、ほぼ同様に温度上昇する。しかしながら、本発明においては、装置構成等に応じて、2以上の光源、あるいは全ての光源を用いて加熱点灯を行ってもよい。 【0042】ここで、本発明においては、少なくとも、温度変化の時定数が最も大きい(温度上昇時間が最も短い)光源86は、加熱点灯を行うのが、好ましい。これにより、加熱点灯の時間を短くして、迅速な測定を行うことができる。 【0043】本発明の濃度測定装置24においては、白色基準板84の測定の直前もしくは直後に(白色基準板84を測定しない場合には、最初に)、最も、温度に対する光量変動の大きい光源86によって、テストチャートのパッチの濃度測定を行うのが好ましい。例えば、光源86Rが温度に対する光量変動が最も大きい場合には、白色基準板84の測定の直前もしくは直後に、光源86RによるCパッチの濃度測定を行うのが好ましい。従って、この場合には、記録装置10において、受像材料Rの搬送方向に対して、最前列もしくは最後列にCパッチが端に来るように、テストチャートを記録する。このような構成とすることにより、測定中の温度変化による光量変動に起因する悪影響を最小限にして、より高精度な濃度測定を行うことができる。なお、白色基準板84の測定とパッチの濃度測定との時間差は、短いほど好ましいのはもちろんであるが、通常の濃度測定装置と同程度とすればよい。 【0044】本発明の記録装置10において、テストチャートが記録された受像材料Rは、加熱点灯の間は、オペレータにセットされた状態で待機してもよく、あるいは、所定の位置まで搬送されて濃度測定部26の上流で待機してもよい。 【0045】以上、本発明の濃度測定装置および画像記録装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。 【0046】例えば、図示例においては、濃度測定装置は、記録装置10に配置される白色基準板を利用しているが、本発明は、これに限定はされず、装置単体で白色基準板を一体的に有するものであってもよい。また、前述のように、本発明の濃度測定装置は、画像記録装置等のキャリブレーションに最も好適に利用されるが、これ以外にも、各種の用途に利用可能である。また、本発明の画像記録装置は、図示例のようなデジタルプリンタではなく、原稿の反射光や投影光で記録材料を露光するアナログプリンタでもよい。さらに、図示例においては、濃度測定装置や(キャリブレーション)演算部が内蔵されているが、本発明の画像記録装置は、これ以外にも、濃度測定装置や演算部を有するいわゆるキャリブレータが外付けで接続されるものであってもよい。 【0047】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の濃度測定装置は、被測定物の濃度測定中、特に、前述のキャリブレーションにおける校正用テストチャートの濃度測定中に、測定光の光量変動や波長変動による測定誤差を生じることを防ぎ、高精度な濃度測定を行うことができ、かつ、コンパクトで、コストおよびランニングコストも低い。また、このような本発明の濃度測定装置を利用する本発明の画像記録装置は、濃度測定装置に起因するコストアップ等がなく、しかも、高精度なキャリブレーションを行って、入力画像信号に応じた適正な画像を安定して出力することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月19日(2000.4.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080159 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 望稔
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| 【公開番号】 |
特開2001−305676(P2001−305676A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月2日(2001.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願2000−117641(P2000−117641) |
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