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【発明の名称】 写真処理装置における光源監視装置
【発明者】 【氏名】上田 哲也

【氏名】石倉 良則

【氏名】中島 好喜

【要約】 【課題】写真処理装置において、遮光性の高い筐体の内部に配設された光源の異常を検出してオペレータに知らせる機能と自動的に運転を停止する機能を実現すること。

【解決手段】写真処理装置に、露光部の光源へ供給される電流値を監視する電流監視手段と、光源への過電流を保護する過電流保護手段と、光源から発せられる光量を監視する光量監視手段と、電流値の異常もしくは光量の異常が検出されたときに写真処理装置の運転を中断する運転中断手段とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】写真処理装置における露光部の光源へ供給される電流値を監視する電流監視手段と、前記電流値が所定の下限値以下になったときに光源異常信号を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする写真処理装置における光源監視装置。
【請求項2】写真処理装置における露光部の光源へ供給される電流値を監視する電流監視手段と、前記電流値が所定の上限値以上になったときに光源への電流供給を停止する過電流保護手段と、前記電流値が所定の下限値以下になったときに光源異常信号を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする写真処理装置における光源監視装置。
【請求項3】写真処理装置における露光部の光源から発せられる光量を監視する光量監視手段と、前記光量が所定の範囲外になったときに光量異常信号を出力する光量異常出力手段と、を備えたことを特徴とする写真処理装置における光源監視装置。
【請求項4】写真処理装置における露光部の光源へ供給される電流値を監視する電流監視手段と、前記電流値が所定の上限値以上になったときに光源への電流供給を停止する過電流保護手段と、前記電流値が所定の下限値以下になったときに光源異常信号を出力する出力手段と、前記光源から発せられる光量を監視する光量監視手段と、前記光量が所定の範囲外になったときに光量異常信号を出力する光量異常出力手段と、を備えたことを特徴とする写真処理装置における光源監視装置。
【請求項5】出力手段から光源異常信号が出力されたとき、もしくは光量異常出力手段から光量異常信号が出力されたときに、写真処理装置の運転を中断する運転中断手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の写真処理装置における光源監視装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネガフィルムやリバーサルフィルム等の写真フィルムを処理する写真処理装置や、それらの写真フィルムに記録された画像や、デジタルカメラやデジタル記録媒体等に記録されたデジタル画像を感光材料に焼き付ける写真処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真処理装置においては、写真フィルムの画像を印画紙に焼き付けるための光源や、デジタル画像データをPLZT露光装置を用いて印画紙に焼き付けるための光源として、ランプが用いられている。前記ランプは、写真処理装置の筐体内部に配置されているので、その点灯/非点灯状態は筐体の外部からは視認しにくい。特に、写真処理装置の露光部においては、外部の光が印画紙に影響を与えないように遮光性を高めた構造になっている。近年のデジタル方式の写真処理装置においてはさらに遮光性が高められている。従って、光源のランプの点灯/非点灯状態を筐体の外から確認することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】写真処理装置に用いられている光源のランプはフィラメントを備えているが、そのフィラメントは経時変化によって劣化し一部が溶着したり溶断したりすることがある。フィラメントの一部が溶着した場合には、フィラメントの抵抗値が低下するために電流が増大するので、ランプの電源装置に備えられている過電流保護回路が作動することによって電源供給が停止され、ランプは消灯する。また、フィラメントが溶断した場合もランプが消灯する。また一方、このようなフィラメントの溶着や溶断という異常ではなくとも、ランプの光量が異常に増減する場合もある。特に、ランプの劣化によって徐々に光量が低下する場合がある。
【0004】このようにして、ランプに異常が発生したことに気づかずに運転を継続すると、露光ミスとなり、印画紙のロスが発生すると共に、再処理の手間が増えるという問題があった。特に、最近の高速処理機においては、現像部から排出されたプリントを見て、ランプの異常に気づいた時点では、現像部の内部においては既に多数の印画紙が不完全な露光のまま処理されていることになり、多くのロスが発生していることになる。なお、特公平8-33590号の公報には、ランプ交換後の光量が予め決められた基準光量データと同じになるようにランプの電力を自動的に設定して記憶しておき、写真プリント時には前記記憶しておいた電力データに応じてランプを駆動するように構成した焼き付け用ランプの光量制御方法が開示されているが、ランプの溶着や溶断等の異常を検出することはできなかった。
【0005】そこで、本発明は、遮光性の高い筐体の内部に配設されたランプの異常を検出してオペレータに知らせる機能を実現することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる請求項1の写真処理装置における光源監視装置では、写真処理装置における露光部の光源へ供給される電流値を監視する電流監視手段と、前記電流値が所定の下限値以下になったときに光源異常信号を出力する出力手段と、を備えるという手段を講じた。
【0007】請求項2では、写真処理装置における露光部の光源へ供給される電流値を監視する電流監視手段と、前記電流値が所定の上限値以上になったときに光源への電流供給を停止する過電流保護手段と、前記電流値が所定の下限値以下になったときに光源異常信号を出力する出力手段と、を備えるという手段を講じた。
【0008】請求項3では、写真処理装置における露光部の光源から発せられる光量を監視する光量監視手段と、前記光量が所定の範囲外になったときに光量異常信号を出力する光量異常出力手段と、を備えるという手段を講じた。
【0009】請求項4では、写真処理装置における露光部の光源へ供給される電流値を監視する電流監視手段と、前記電流値が所定の上限値以上になったときに光源への電流供給を停止する過電流保護手段と、前記電流値が所定の下限値以下になったときに光源異常信号を出力する出力手段と、前記光源から発せられる光量を監視する光量監視手段と、前記光量が所定の範囲外になったときに光量異常信号を出力する光量異常出力手段と、を備えるという手段を講じた。
【0010】請求項5では、出力手段から光源異常信号が出力されたとき、もしくは光量異常出力手段から光量異常信号が出力されたときに、写真処理装置の運転を中断する運転中断手段を備えるという手段を講じた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる写真処理装置における光源監視装置を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明にかかる写真処理装置における光源監視装置を備えたデジタル写真処理装置の一例の構成図である。この写真処理装置Aは、別途フィルム現像装置(図示せず)にて現像された現像済の写真フィルムの各コマから画像データを読み取るスキャナ部1と、読み取った画像データに基づき設定されたプリントデータを印画紙に焼き付ける焼き付け部2と、画像が焼き付けられた印画紙を現像して排出する現像部3と、画像処理部4とから構成されている。
【0013】スキャナ部1は、写真フィルムから画像データを入力するものであり、現像済みの写真フィルムをスキャナユニット11にセットすることにより、光源ユニット12からの光を写真フィルムに照射して各コマの画像を順次読み取って画像処理部4に出力する。画像処理部4は、スキャナ部からの画像データを受付け、画像処理を施し、プリントデータを作成する機能を有しており、画像処理ソフトウエアがインストールされたコンピュータ41と、フルキーボード42と、マウス43と、ディスプレイ装置44とを備えている。
【0014】前記焼き付け部2は、画像処理部4で作成されたプリントデータを印画紙に焼き付ける機能を有し、後述するように、ペーパーマガジンから供給される印画紙Pを所定の長さにカットし、カットされて搬送されてきた印画紙Pに、スキャナ部1にて入力された画像データをライン露光する。このようにして、プリントデータが焼き付けられた印画紙Pは、現像部3へ送られて現像処理される。
【0015】図2において、スキャナ部1において読み取られた写真フィルムFの画像データは、画像処理部4においてプリントデータに変換されて、前記焼き付け部3へ送られて、印画紙Pに焼き付けられる。この焼き付け部2には、ペーパーマガジン21から供給される印画紙Pを所定の長さにカットするカット機構22と、カットされて搬送されてきた印画紙Pにスキャナ部1にて入力された画像データをPLZTシャッター方式等の露光ヘッドでライン露光する露光機構23と、印画紙を順次搬送する搬送機構24と、この焼き付け部2の各部を制御するためのCPUを備えた制御回路28とを備えている。
【0016】前記露光機構23は、ハロゲンランプから構成される光源25と、この光源25に光ファイバー束(図示せず)を介して接続されて印画紙Pの搬送方向と直交する方向にライン状に配設されたPLZTシャッター方式の露光ヘッド26と、光源25と露光ヘッド26との間の光路に配設される光質変調フィルター(図示せず)とを備え、露光ヘッド26に、光質変調フィルターを透過した光源25からの光が送られて、露光ヘッド26の先端の放射部から露光光が放射されるようになっており、この露光ヘッド26に対して印画紙Pを搬送機構24により1ドットラインずつ移送させることで、印画紙Pにプリントデータがライン露光されるように構成されている。そして、本発明にかかる光源監視装置を構成する過電流保護機能を備えた光源用電源7と、光源電流監視装置8と、光量監視手段9とを備えている。
【0017】図3において、7は前記光源25に対する電源を供給する光源用電源であり、直流電源回路71と、前記光源25への電流値が所定の上限値以上になったときに過電流検出信号S1を出力する過電流検出回路72とを備えている。前記直流電源回路71は、前記過電流検出信号S1が入力される制御端子73を備えている。8は前記光源に供給される電流を監視する光源電流監視装置であり、前記直流電源回路71から光源25への電源供給ラインに流れる光源電流を監視するための電流監視部81と、前記光源電流が所定の下限値以下になったときに電流異常信号S2を出力する出力回路82とを備えている。9は前記光源25の光量を監視する光量監視手段であり、フォトダイオード等の光量センサー91と、光量センサー91から出力される光量信号を増幅する増幅回路92と、増幅された光量信号を所定の上限値と下限値と比較して、これらの上限値もしくは下限値を外れたときに光量異常信号S3を出力する光量異常出力回路93を備えている。なお、光源のランプを交換して調整した直後の光量信号を光量信号の基準値として前記光量異常出力回路93に設定しておき、その後の光量信号の変化を監視するものとする。
【0018】なお、前記出力回路82と光量異常出力回路93に代えて、焼き付け部2の前記制御回路28によってデジタル処理することによって電流異常信号と光量異常信号を出力するように構成することもできる。この場合には、前記光源電流と光量信号は適宜デジタル信号に変換して前記制御回路28に入力するとよい。このようなデジタル処理の場合には、光源のランプを交換して調整した直後の光量信号を、例えば8ビットのデジタルデータ(0〜255の範囲)で128になるように調節しておき、その後の光量信号の変化を監視する。そして、前記制御回路28には光量信号の上限値と下限値を判断基準として設定しておき、これらの上限値もしくは下限値を外れたときに、光量異常信号を出力する。
【0019】なお、前記露光機構23は特許請求の範囲に記載された露光部に対応し、前記光源25は特許請求の範囲に記載された光源に対応し、前記電流監視部81は特許請求の範囲に記載された電流監視手段に対応し、前記出力回路82は特許請求の範囲に記載された出力手段に対応し、前記光源電流監視装置8は特許請求の範囲に記載された光源監視装置に対応し、前記過電流検出回路72と制御端子73を備えた直流電源回路71は特許請求の範囲に記載された過電流保護手段に対応している。そして、前記光量監視手段9は特許請求の範囲に記載された光量監視手段に対応し、前記光量異常出力回路93は特許請求の範囲に記載された光量異常出力手段に対応し、前記制御回路28は特許請求の範囲に記載された運転中断手段に対応している。
【0020】なお、露光機構23に用いるデジタル露光の方式としては、前述したPLZTシャッター方式の他、蛍光ビーム方式や液晶シャッター方式のものを用いてもよい。露光機構23はデジタル露光方式に限らず、光源からの光を写真フィルムに照射して透過した光を印画紙上に結像させる構成のアナログ露光方式を採用することもできる。また、過電流検出回路72と電流監視部81には、変流器(CT)もしくは低抵抗器等によって光源電流を検出する電流センサーが備えられている。従って、過電流検出回路72の電流センサーと電流監視部81の電流センサーとは兼用しても良い。
【0021】また、図1において、スキャナ部1、焼き付け部2及び現像部3を操作するための専用キーボード(図示せず)が、フルキーボード42の載置時に障害とならないように、操作卓5の上面に凹部を設け、その凹部内に埋め込んで配置されている。
【0022】そして、操作卓5上には料金を印字するためのプリンタ51や、写真フィルムに発生した静電気を除去するための静電気除去器52も配置されている。
【0023】ディスプレイ装置44は、前記画像処理部4にて加工された画像データを表示する表示手段であり、複数コマの画像データを一覧表示したり、各コマの画像データを個別に順次表示したりする機能を有している。このようにして、フルキーボード42によって入力された操作情報に従って加工された画像データがディスプレイ装置44に表示され、操作情報の変更は随時ディスプレイ装置44に反映される。そして、操作情報が決定されると、決定された操作情報に従って加工された画像データが前記焼き付け部2に出力される。操作情報とは、画像データを補正するための補正データを含んだものである。
【0024】焼き付け部2においては、前記加工された画像データに基づいて露光ヘッド26が制御されて印画紙Pにライン露光される。このようにして露光された印画紙Pは、前記現像部3において順次現像処理され、乾燥処理されて排出される。
【0025】以上の構成において、ランプのフィラメントが溶着した場合の動作を、主に図3を参照しつつ以下に説明する。前記光源25のランプのフィラメントが溶着した場合には、フィラメントの抵抗値が小さくなるので、フィラメントに流れる電流値Iが通常の電流値(例えば10A)から増加する。そして、電流値Iが、過電流検出回路72において設定された所定の上限値(例えば15A)以上になると、過電流検出回路72から過電流検出信号S1が出力される。直流電源回路71の制御端子73に過電流検出信号S1が入力されると電源出力が停止される。
【0026】電源出力が停止されると、フィラメントに流れる電流値Iが0となる。従って、電流監視部81において前記電流値0が検出される。出力回路82においては、前記電流値Iが所定の下限値(例えば8A)以下になったことが検出されるので異常信号S2が出力される。または、過電流検出信号S1に基づいて制御回路28へランプ過電流信号が出力される。前記異常信号S2または前記ランプ過電流信号は、焼き付け部2に備えられている制御回路28を経由してディスプレイ装置44に入力され、ディスプレイ装置44の操作画面にランプ異常を知らせるメッセージ、例えば「ランプ異常(過電流)」というメッセージを表示する。このようなメッセージ表示とともに、前記制御回路28は焼き付け部2における印画紙の搬送等を含んだ写真処理を中断する。従って、ランプに異常が発生した直後に写真処理が中断されるので、プリントミス等のロスの発生は最小限に抑えられるのである。
【0027】次に、ランプのフィラメントが溶断した場合の動作を以下に説明する。前記光源25のランプのフィラメントが溶断した場合には、フィラメントに流れる電流値Iが0となって、電流監視部81において前記電流値0が検出される。出力回路82においては、前記電流値Iが所定の下限値(例えば8A)以下になったことが検出されるので異常信号S2が出力される。前記異常信号S2は、焼き付け部2に備えられている制御回路28を経由してディスプレイ装置44に入力され、ディスプレイ装置44の操作画面にランプ異常を知らせるメッセージ、例えば「ランプ異常(溶断)」というメッセージを表示する。この場合は、過電流検出信号S1が出力されていないので、前述した溶着によるランプ異常の状態と区別することができ、「ランプ異常(溶断)」のように溶着の場合と区別して表示することができるのである。このようなメッセージ表示とともに、前記制御回路28は焼き付け部2における印画紙の搬送等を含んだ写真処理を中断する。
【0028】また、ランプの劣化により光量が低下したり、ランプのフィラメントの一部が溶着して光量が増大した場合には、前記光量異常出力回路93から光量異常信号S3が出力される。この光量異常信号S3が、前記制御回路28を経由してディスプレイ装置44に入力され、ディスプレイ装置44の操作画面にランプ異常を知らせるメッセージ、例えば「ランプ光量異常」というメッセージを表示する。このようなメッセージ表示とともに、前記制御回路28は焼き付け部2における印画紙の搬送等を含んだ写真処理を中断する。
【0029】従って、ランプに異常が発生した直後に写真処理が中断されるので、プリントミス等のロスの発生は最小限に抑えられるのである。
【0030】このようにして、ランプのフィラメントが溶着しても溶断しても、また、光量が異常に増減しても、直ちにディスプレイ装置の画面に異常を知らせるメッセージが、その原因と共に表示され、焼き付け部2における写真処理が中断されるので、プリントミス等のロスの発生は最小限に抑えることができるのである。
【0031】なお、画像データを入力する手段としては、前記スキャナ部1に代えて、ネットワーク、磁気記憶媒体、光学的記憶媒体、または光磁気記憶媒体等を使用することもできる。露光機構における光源のランプに限らずスキャナ部の光源のランプの監視にも適用することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、光源の状態を、電流監視手段と過電流保護手段と光量監視手段によって監視するので、フィラメントの溶着による異常、フィラメントの溶断による異常、光量の変化による異常を速やかに知ることができる。従って、露光異常によるロスプリントの発生を最小限に抑えることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000135313
【氏名又は名称】ノーリツ鋼機株式会社
【出願日】 平成12年4月21日(2000.4.21)
【代理人】 【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳 (外1名)
【公開番号】 特開2001−305674(P2001−305674A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−121282(P2000−121282)