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【発明の名称】 写真露光装置、フィルムスキャナ、写真露光方法及び写真画像取り込み方法
【発明者】 【氏名】廣瀬 智之

【要約】 【課題】アナログ露光方式の写真処理において、焦点を僅かにずらしてソフトフォーカスと同じような効果が得られる写真露光装置を提供する。

【解決手段】画像が記録されたフィルム51を透過した光で感光材料52を露光し、感光材料52に画像を焼き付けるための露光装置310に関する。この露光装置310は、フィルム51に記録された画像を感光材料52上に結像する結像手段64と、結像手段64による画像の結像位置と感光材料52が配置される位置との光軸方向における離隔距離を検出するための検出手段74と、検出手段74での検出結果に基づいて前記離隔距離を変更することが可能な距離変更手段82とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 画像が記録されたフィルムを透過した光で感光材料を露光し、前記感光材料に画像を焼き付けるための露光装置において、フィルムに記録された画像を前記感光材料上に結像する結像手段と、前記結像手段による画像の結像位置と前記感光材料が配置される位置との光軸方向における離隔距離を検出するための検出手段と、前記検出手段での検出結果に基づいて前記離隔距離を変更することが可能な距離変更手段とを備えていることを特徴とする写真露光装置。
【請求項2】 前記結像手段による前記感光材料への画像の焼き付け倍率を制御する倍率制御手段をさらに備えており、前記距離変更手段が前記倍率制御手段からの制御信号に応じて前記離隔距離を変更することを特徴とする請求項1に記載の写真露光装置。
【請求項3】 撮像素子と、フィルムに記録された画像を前記撮像素子上に結像する結像手段と、前記結像手段による画像の結像位置と前記撮像素子との光軸方向における離隔距離を変更することが可能な距離変更手段とを備えていることを特徴とするフィルムスキャナ。
【請求項4】 前記撮像素子で撮像された画像を表示する表示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載のフィルムスキャナ。
【請求項5】 フィルムに記録された画像の結像位置と感光材料との光軸方向における離隔距離を調整し、結像位置が前記感光材料から離隔した状態で前記感光材料への焼き付けを行うことを特徴とする写真露光方法。
【請求項6】 フィルムに記録された画像の結像位置と撮像素子との光軸方向における離隔距離が互いに異なる複数の状態において撮像を行うことを特徴とする写真画像取り込み方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真露光装置、フィルムスキャナ、写真露光方法及び写真画像取り込み方法に関し、特に大伸ばし等の特殊なケースでも写真性を損なうことがないものに関する。
【0002】印画紙などの感光材料に対して露光、現像、漂白などの処理を自動的に施すことが可能な写真処理装置が知られている。かかる写真処理装置によって印画紙を露光する場合には、写真フィルムの透過光で感光材料を露光する直接(アナログ)露光が広く行われている。
【0003】このアナログ露光方式の写真処理装置では、フィルムに記録された画像を印画紙の上に結像する結像手段を有する写真露光装置が用いられる。この結像手段には、印画紙への画像の焼き付け倍率を制御する倍率制御手段が設けられており、フィルムの画像を大伸ばしした露光処理が可能になっている。
【0004】このアナログ露光方式の写真処理装置に対し、近年、フィルムを撮像することによって得られたデジタル画像信号に基づいて制御された光で感光材料を露光するデジタル露光が実用化されている。このデジタル露光方式を採用することにより、色補正、濃度補正や鮮鋭化処理、部分的な画像補正などの各種画像処理を自由に行うことができるとともに迅速な焼き増し処理が可能になり、さらに、色および濃度の再現性や解像度に優れたより高画質の良好なプリントを得ることが可能となる。
【0005】このデジタル露光方式の写真処理装置では、フィルムを光学的な結像手段を介して撮像素子上に撮像することによってデジタル画像信号を得る画像処理装置が用いられる。この結像手段にも、印画紙への画像の焼き付け倍率を制御する倍率制御手段が設けられており、フィルムの画像を大伸ばしした露光処理が可能になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のアナログ露光方式の写真処理装置では、フィルムに記録された画像を印画紙上に結像する際に、極力合焦点になるように調整されている。しかしながら、大伸ばし等の特殊なケースでは、焦点が合いすぎ、フィルム乳剤の粒子が目立って写真性を損なう場合がある。そこで、ソフトフォーカスのために、フィルタを光学的な結像手段に挿入することも考えられるが、画像全体にソフトフォーカスがかかって写真性を損なう。
【0007】また、デジタル露光方式の写真処理装置では、一度取り込んだ画像をデジタル処理し、ソフトフォーカスすることが考えられる。しかしながら、ソフトフォーカスのために、膨大な画素に対して演算処理を行わなければならず、処理時間上の問題が生じる。
【0008】そこで、本発明の目的は、アナログ露光方式又はデジタル露光方式の写真処理において、焦点を僅かにずらしてソフトフォーカスと同じような効果が得られる写真露光装置、フィルムスキャナ、写真露光方法及び写真画像取り込み方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の露光装置は、画像が記録されたフィルムを透過した光で感光材料を露光し、前記感光材料に画像を焼き付けるための露光装置において、フィルムに記録された画像を前記感光材料上に結像する結像手段と、前記結像手段による画像の結像位置と前記感光材料が配置される位置との光軸方向における離隔距離を検出するための検出手段と、前記検出手段での検出結果に基づいて前記離隔距離を変更することが可能な距離変更手段とを備えていることを特徴とするものである。この請求項1によると、画像が記録されたフィルムを透過した光で感光材料を露光し、前記感光材料に画像を焼き付けるためのアナログ露光方式の露光装置である場合、検出手段によって、結像手段による画像の結像位置と前記感光材料が配置される位置との光軸方向における離隔距離を検出し、距離変更手段により、前記隔離距離を変更して焦点を僅かにずらすと、フィルムの乳剤粒子の影は消えるが、画像自体の鮮明度が変わらないソフトフォーカス効果が得られる。
【0010】請求項2の露光装置は、請求項1において、前記結像手段による前記感光材料への画像の焼き付け倍率を制御する倍率制御手段をさらに備えており、前記距離変更手段が前記倍率制御手段からの制御信号に応じて前記離隔距離を変更することを特徴とするものである。この請求項2によると、倍率制御手段により焼付け倍率を大きくしてフィルム画像を大伸ばしにして、フィルム乳剤の粒子が目立つような倍率になると、距離変更手段が自動的に前記離隔距離を変更して焦点を僅かにずらし、前述したソフトフォーカス効果を得る。
【0011】請求項3のフィルムスキャナは、撮像素子と、フィルムに記録された画像を前記撮像素子上に結像する結像手段と、前記結像手段による画像の結像位置と前記撮像素子との光軸方向における離隔距離を変更することが可能な距離変更手段とを備えていることを特徴とするものである。この請求項3によると、撮像素子と、フィルムに記録された画像を前記撮像素子上に結像する結像手段を備えたフィルムスキャナを有するデジタル露光方式の写真処理の場合、距離変更手段により、結像手段による画像の結像位置と前記撮像素子との光軸方向における離隔距離を変更することにより、焦点を僅かにずらし、フィルムの乳剤粒子の影は消えるが、画像自体の鮮明度が変わらないソフトフォーカス効果のあるディジタル画像が得られる。
【0012】請求項4のフィルムスキャナは、請求項3において、前記撮像素子で撮像された画像を表示する表示手段をさらに備えていることを特徴とするものである。この請求項4によると、フィルムの乳剤粒子の影は消えるが、画像自体の鮮明度が変わらないソフトフォーカス効果のあるディジタル画像を表示手段で目視確認することができる。
【0013】請求項5の写真露光方法は、フィルムに記録された画像の結像位置と感光材料との光軸方向における離隔距離を調整し、結像位置が前記感光材料から離隔した状態で前記感光材料への焼き付けを行うことを特徴とするものである。この請求項5によると、アナログ露光方式の場合、光軸方向における離隔距離を調整し、結像位置が前記感光材料から離隔した状態で前記感光材料への焼き付けを行うことにより、フィルムの乳剤粒子の影は消えるが、画像自体の鮮明度が変わらないソフトフォーカス効果が得られる。
【0014】請求項6の写真画像取り込み方法は、フィルムに記録された画像の結像位置と撮像素子との光軸方向における離隔距離が互いに異なる複数の状態において撮像を行うことを特徴とするものである。この請求項6によると、デジタル露光方式の場合、フィルムに記録された画像の結像位置と撮像素子との光軸方向における離隔距離が互いに異なる複数の状態において撮像を行い、画像の状態を確認して、フィルムの乳剤粒子の影は消えるが、画像自体の鮮明度が変わらないソフトフォーカス効果が得られる画像を選択できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】図1は、本発明の実施の形態の写真露光装置が組み込まれた写真処理装置の機器構成図である。図2は、図1の写真露光装置による露光手順の示すフロー図である。この図1及び図2により、本発明の実施の形態にかかる写真露光装置及び写真露光方法を説明する。
【0017】この写真処理装置300は、ロール状に巻回された印画紙(感光材料)52を所定の大きさに切断し、ネガフィルム51上の画像を拡大投影して印画紙52を露光する写真露光装置310と、露光された印画紙52を現像処理する現像処理装置320と、露光された印画紙52を乾燥する乾燥装置330とを備えている。
【0018】ここで、フィルム51は、基本的に素抜け部を介して複数の画像が多数並列されている長尺のロールフィルムであればよく、フィルムの長さや駒画像の数は、例えば6駒、4駒等のピース状フィルム等任意である。フィルムの幅も、120或いは220と呼ばれる幅が60mmのフィルムでも、或いはAPSと呼ばれる幅が24mmのフィルムであってもよい。
【0019】写真露光装置310は、フィルム51側から印画紙52の側にかけて、照明光学系61、フィルム搬送装置62、ネガマスク63、結像光学系64、露光台65を配置し、フィルム51の搬送方向に順に、フィルム供給装置66、フィルム読み取り装置67、フィルム搬送装置62及びネガマスク63、フィルム切断処理装置68を配置し、印画紙52の搬送方向に順に、マガジン85、駆動ローラ86、カッタ87、露光台65を配置して構成される。
【0020】照明光学系61は主に、ハロゲンランプ71と、ハロゲンランプ71からの光ビームの色分布を必要に応じて整える調光フィルタ72と、同じく光ビームの強度分布を整えるミラートンネル73と、フィルム51迄の距離を検出する距離センサ74とからなる。この距離センサ74は、次に述べる結像光学系64による画像の結像位置と印画紙52が配置される位置との光軸方向における離隔距離を検出するための検出手段として機能する。これら各部分71,72,73,74はランプハウス内に収納されている。
【0021】フィルム搬送装置62は、パルスモータ75で駆動される複数のニップローラ列76で構成されている。フィルム51の長手方向にテンションが付与され緊張状態を保ったまま、フィルム51に対する制御された往復搬送が可能な構造となっている。ネガマスク63は、照明光学系61と結像光学系64の間であって、フィルム搬送装置62の真下に配置されており、フィルム51の画像に対応する枠を有する。
【0022】結像光学系(結像手段)64は、ズームレンズを含むレンズユニット81と、シャッタ83と、照射光の光軸の距離を変更するミラーユニット82とからなる。レンズユニット81は、照明光学系61からの照射され、フィルム51を透過した光を印画紙52の上に結像するための複数のレンズを有している。複数のレンズは、その一部であって、光軸方向に移動可能であって、焦点移動をすることなく、画像の拡大縮小が可能とするズームレンズ81aを含んでいる。このズームレンズ81aは、結像光学系64による印画紙52への画像の焼き付け倍率を制御する倍率制御手段を構成している。
【0023】ミラーユニット82は、固定の第1ミラー82a及び第4ミラー82dと、可動の第2ミラー82b及び第3ミラー82cを有しており、光軸の一部を平行にシフトさせる機能を有している。第2ミラー82b及び第3ミラー82cを光軸と垂直な方向に微移動させることにより、レンズユニット81から印画紙52に至るまでの光軸の長さが大小に変化する。これにより、照明光学系61及び結像光学系64等からなる結像手段の結像位置と印画紙52の光軸方向における隔離位置が変更できる。このズームレンズ81aを含むレンズユニット81は、フィルム51の結像位置と印画紙52の光軸方向における隔離位置を変更する距離変更手段を構成する。
【0024】フィルム供給装置66は、一般に24駒或いは36駒の画像駒を備えた1オーダ単位の長さのフィルムを次々にフィルム搬送装置62に送出する図示されないローラユニットを有する。このフィルム供給装置66の出口に配置されたフィルム読み取り装置67は、フィルム1のパーフォレーション部付近に印字されているDXコードなどを読み取る。読み取られたDXコードの内容は、画像データと対にして制御手段340に格納される。フィルム切断処理装置130は、露光処理を終えたフィルム51を、6駒又は6駒以下の所定駒毎に切断してピースネガとし、このピースネガをネガシートの袋内に収納する機能を有している。
【0025】制御手段340は、互いに接続されたCPU91とROM92とRAM93とを有している。この制御手段340には、キーボード95と、モニタ96と、照明光学系61の図示されないドライバと、フィルム搬送装置62のパルスモータ75の図示されないドライバと、レンズユニット81の図示されないドライバと、ミラーユニット82の可動ミラー82b,82cを移動させる図示されないドライバとが接続されている。なお、図1において、本発明と関連の少ない制御要素の図示を省略している。
【0026】CPU91は、写真露光装置310の各部の動作を制御する信号を生成するために種々の演算を実行し、演算結果に応じて写真露光装置310の各部に動作命令を出力する。CPU91で生成された信号は、これに接続された各種ドライバなどに供給される。ROM92は、CPU91で行われる演算のプログラムやそれに必要なデータを記憶している。RAM(記憶手段)93は、キーボード95等から与えられたデータやCPU91での演算結果などを一時的に記憶する。
【0027】このように構成された写真露光装置310において、フィルム51の露光処理を行う場合には、フィルム読み取り装置67から受け取った画像情報に基づいて、フィルム51の画像を印画紙52に焼き付けるための露光条件を求め、該当するフィルム51の駒がネガマスク63の位置に搬送されてきたときに、先立って求めた露光条件に基づいて調光フィルタ72やシャッタ83を制御し、印画紙52を露光する。
【0028】次に、写真露光装置310の露光処理に関連した動作について、図2をさらに参照して説明する。図2において、ズームレンズ81aによる焼付け倍率が所定以上であるかどうか判断する(ステップS1)。焼付け倍率が所定以上の大伸ばしであると、フィルム乳剤の粒子が目立ってくるため、以下のソフトフォーカス処理が行われる(ステップS1,YES)。超音波センサ等の距離センサ74により、フィルム51の所定位置からのずれを検出する。この距離センサ74で検出されたずれから、フィルム51の結像位置と印画紙52の隔離距離が検出できる(ステップS2)。フィルム51の乳剤粒子が目立たなくなり、画像そのものの鮮明度を維持する程度の隔離距離に設定するように、ミラーユニット82を駆動する(ステップS3)。そして、フィルム51の画像による印画紙52への露光処理を実行する(ステップS4)。また、焼付け倍率が所定以下であると、フィルム乳剤の粒子が目立たなくなるため、通常の露光処理が行われる(ステップS1,NO)。
【0029】以上説明したように、本実施の形態の写真露光装置310によると、距離センサ74により、結像光学系64による画像の結像位置と印画紙52が配置される位置との光軸方向における離隔距離を検出し、この隔離距離が適切になるように、ミラーユニット82によりフィルム51の結像位置と印画紙52の光軸方向における隔離位置を変更して焼き付けすると、大伸ばし時にフィルム51の乳剤粒子が目立たないようにして写真性を向上させることができる。また、大伸ばしかどうかは、ズームレンズ81aの設定倍率で検出可能であるため、このソフトフォーカス処理を自動的に行うことができる。
【0030】以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、ミラーユニット82により光軸方向の長さを変化させることにより、結像光学系64による画像の結像位置と印画紙52との光軸方向における離隔距離を変更したが、これに限られず、印画紙52の位置を光軸方向に移動させる機構を採用したり、レンズユニット81の一部のレンズの移動又は交換により結像位置を移動させることができる。
【0031】図3は、本発明の実施の形態のフィルムスキャナが組み込まれた写真処理装置の機器構成図である。図4は、図3のフィルムスキャナによる撮像手順の示すフロー図である。図3及び図4により本発明の実施の形態であるフィルムスキャナ及び写真画像取り込み方法を説明する。
【0032】この写真処理装置は、フィルム1からデジタル画像を取得するためのフィルム画像処理ユニット100と、写真露光処理ユニット200とを備えて構成されている。
【0033】フィルム画像処理ユニット100は、フィルム供給装置110と、フィルムスキャナ部120と、フィルム切断処理装置130と、制御手段140とを備えている。写真露光処理ユニット200は、デジタル露光エンジン210と、現像装置220とを備えている。ここで、フィルム1は、図1の写真露光装置310において説明したものと同様のものである。
【0034】フィルム供給装置110は、一般に24駒或いは36駒の画像駒を備えた1オーダ単位の長さのフィルムを次々にフィルムスキャナ部120に送出する図示されないローラユニットを有する。このフィルム供給装置110とフィルムスキャナ部120の間に、フィルム1のパーフォレーション部付近に印字されているDXコードを読み取るためのDXコードセンサSdが設けられている。読み取られたDXコードの内容は、画像データと対にして制御手段140に格納される。
【0035】フィルムスキャナ部120は主に、照明光学系11と、フィルム搬送装置12と、オートフィルムマスク13と、撮像光学系14と、撮像素子15とからなり、画像処理装置の中核をなしている。この照明光学系11と、フィルム搬送装置12と、オートフィルムマスク13と、撮像光学系14とは、フィルム1に対する結像手段を構成する。
【0036】照明光学系11は主に、ハロゲンランプ21と、ハロゲンランプ21からの光ビームの色分布を必要に応じて整える調光フィルタ22と、同じく光ビームの強度分布を整えるミラートンネル23とからなる。これら各部分21,22,23はランプハウス内に収納されている。
【0037】フィルム搬送装置12は、パルスモータ25で駆動される複数のニップローラ列26で構成されている。フィルム1の長手方向にテンションが付与され緊張状態を保ったまま、フィルム1に対する制御された往復搬送が可能な構造となっている。
【0038】オートフィルムマスク13は、照明光学系11と次に述べる撮像光学系14の間であって、フィルム搬送装置12の真下に、配置されており、フィルム1を撮像素子15によってライン毎にスキャニングするために、照明光学系11から照射されフィルム1を透過した光をスリット光として次に述べる撮像光学系14へと導く図示されない通過孔形成ブロックを有している。
【0039】撮像光学系14は、ズームレンズを含むレンズユニット31と、照射光の光軸の距離を変更するミラーユニット32とからなる。レンズユニット31は、照明光学系11からの照射され、フィルム1を透過した光を撮像素子15の上に結像するための複数のレンズを有している。この複数のレンズは、そのうちの一部であって、光軸方向に移動可能であって、焦点移動をすることなく、画像の拡大縮小が可能とするズームレンズ31aを含んでいる。
【0040】ミラーユニット32は、固定の第1ミラー32a及び第4ミラー32dと、可動の第2ミラー32b及び第3ミラー32cを有しており、光軸の一部を平行にシフトさせる機能を有している。第2ミラー32b及び第3ミラー32cを光軸と垂直な方向に微移動させることにより、レンズユニット31から撮像素子15に至るまでの光軸の長さが大小に変化する。これにより、照明光学系11及び撮像光学系14等からなる結像手段の結像位置と撮像素子15の光軸方向における隔離位置が変更できる。このレンズユニット31は、フィルム1の結像位置と後述する撮像素子15の光軸方向における隔離位置を変更する距離変更手段を構成する。
【0041】撮像素子15は、光ビームの受けて光電変換する機能を有し、RGBの各色を検出するために割り当てられた3つのCCDセンサ15a,15b,15cを備えている。各CCDセンサ15a,15b,15cは、多数例えば5000個の受光素子が主走査方向、すなわちフィルム1の幅方向と平行に配列されたラインセンサである。図示されないセンサ駆動回路により主走査時に電荷蓄積動作や電荷蓄積時間の制御が行われる。赤色用CCDセンサ15aの撮像面にはフィルム1を透過した光の赤色成分のみを通過させるカラーフィルタが設けられ、同様に、緑色用CCDセンサ15bの撮像面にはフィルム1を透過した光の緑色成分のみを通過させるカラーフィルタが設けられ、同様に、青色用CCDセンサ15cの撮像面にはフィルム1を透過した光の青色成分のみを通過させるカラーフィルタが設けられており、それぞれのCCDセンサが、赤色成分、緑色成分、青色成分のみを光電変換する。
【0042】それぞれのCCDセンサから受光強度に応じて出力される各画像信号は、サンプルホールドされ各画素信号が連続した画像信号となり、この各画像信号は所定のビット数例えば12ビットのデジタル信号に変換されて、制御手段140のメモリ手段であるRAM43のラインバッファに記憶される。
【0043】フィルム切断処理装置130は、フィルムスキャナ120での画像処理を終えたフィルム1を、6駒又は6駒以下の所定駒毎に切断してピースネガとし、このピースネガをネガシートの袋内に収納する機能を有している。
【0044】制御手段140は、互いに接続されたCPU41とROM42とRAM43と合成画像メモリ44とを有している。この制御手段140には、キーボード45と、モニタ(表示手段)46と、照明光学系11の図示されないドライバと、フィルム搬送装置12のパルスモータ25の図示されないドライバと、レンズユニット31の図示されないドライバと、ミラーユニット32の可動ミラー32b,32cを移動させる図示されないドライバと、撮像素子15の図示されないドライバとが接続されている。なお、図1において、本発明と関連の少ない制御要素の図示を省略している。
【0045】CPU41は、フィルムスキャナ部120の各部の動作を制御する信号を生成するために種々の演算を実行し、演算結果に応じてフィルムスキャナ部120の各部に動作命令を出力する。CPU41で生成された信号は、これに接続された各種ドライバなどに供給される。ROM42は、CPU41で行われる演算のプログラムやそれに必要なデータを記憶している。RAM(記憶手段)43は、キーボード45や撮像素子15などから与えられたデータやCPU41での演算結果などを一時的に記憶する。また、RAM43には、露光すべきコマに関する画像データのRGBの各色ごとの1ライン分の画像データおよび必要に応じて出力される他の編集情報を一時記憶するラインバッファが形成される。
【0046】このように構成されたフィルム画像処理ユニット100において、フィルム1の撮像処理を行う場合には、CPU41での制御によって、フィルム搬送装置12を駆動してフィルム1をフィルムスキャナ部120に搬送し、照明光学系11、オートフィルムマスク13及び撮像光学系14からなる結像手段と、撮像素子15とを駆動し、フィルム1の駒に対応した画像データを得る。この画像データを得る動作は、一つの駒に対して、撮像光学系14による結像位置をミラーユニット32の作動により変えながら複数回行われる。このため、フィルム1の同じ駒がフィルムスキャナ部120に繰り返し位置するように、フィルム搬送装置12はフィルム1を複数回往復させる搬送を行う。
【0047】次に、フィルム画像処理ユニット100のうちフィルムスキャナ部120での画像処理に関連した動作について、図4をさらに参照して説明する。図4において、レンズユニット31のズームレンズ81aを作動させて大伸ばしに相当する所定の焼付け倍率に設定する(ステップS10)。つぎに、キーボード45を操作してミラーユニット32を作動させ、撮像光学系14の結像位置を撮像素子15の位置によりやや深くした第1位置に設定する(ステップS11)。そして、フィルム搬送装置12によりフィルム1をオートフィルムマスク13に対して所定速度で移動させる。このとき、照明光学系11及び撮像光学系14は作動状態になっており、撮像素子15により、フィルム1の駒の画像がライン毎の画像データとなって取り込まれ、RAM43のラインバッファに第1画像データとして記憶される(ステップS12)。同様に、撮像光学系14の結像位置を撮像素子15の位置の付近にした第2位置に設定し、同じフィルム1の同じ駒に対する第2画像データを取得する。更に、同様に、撮像光学系14の結像位置を撮像素子15の位置よりやや浅い第3位置に設定し、同じフィルム1の同じ駒に対する第3画像データを取得する。このように、結像位置を変更した画像データが所定数になるまで、フィルム1の撮像処理を繰り返す(ステップS13)。
【0048】このようにして、RAM43のラインバッファに結像位置を第1位置乃至第3位置に変化させた第1画像データ乃至第3画像データが記憶される。この第1画像データ乃至第3画像データの各々が、モニタ46に表示する(ステップS14)。モニタ46に表示された画像を確認し、フィルム1の乳剤粒子が目立たず、画像の鮮明度が保持され、写真性に優れた画像を選択し、その画像データをキーボード45により入力する(ステップS15)。そして、選択された画像データが、写真露光処理ユニット200に出力され、デジタル露光エンジン210により露光処理が行われ、更に現像装置210で現像処理が行われる(ステップS16)。
【0049】以上説明したように、本実施の形態のフィルムスキャナ部120によると、ミラーユニット32により光軸の結像位置を変化させ、フィルム1に記録された画像の結像位置と撮像素子15との光軸方向における離隔距離が互いに異なる複数の状態において撮像を行って、同じフィルム1に対して複数の画像データを取得し、この画像データをモニタ46に表示して、写真性に優れたた画像を選択し、この画像で露光処理及び現像処理を行う。そのため、フィルム1を大伸ばしで撮像する場合、乳剤粒子が目立たなず、鮮明度が損なわれない程度に、画像の結像位置と撮像素子15との光軸方向における離隔距離を変更した画像データを簡単に得ることが出来る。
【0050】また、本実施の形態の特にフィルムスキャナ部120の構成は、従来のフィルムスキャナ部に上述したような結像位置を変化できるミラーユニット32を付加するだけで実現可能であり、構造的にも比較的簡単であるという利点もある。また、ミラーユニット32を使用すると、撮像素子15の位置を固定的に設置できるという利点もある。
【0051】例えば、上述の実施の形態では、ミラーユニット32により光軸方向の長さを変化させることにより、結像手段11,14による画像の結像位置と撮像素子15との光軸方向における離隔距離を変更したが、これに限られず、撮像素子15の位置を光軸方向に移動させる機構を採用したり、レンズユニット31の一部のレンズの移動又は交換により結像位置を移動させることができる。また、フィルム1に記録された画像の結像位置と撮像素子15との光軸方向における離隔距離が互いに異なる複数の状態において行う撮像回数は三回に限らず、任意回数行うことができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜2の写真露光装置及び請求項5の写真露光方法によると、アナログ露光方式の場合であって、光軸方向における離隔距離を調整し、結像位置が前記感光材料から離隔した状態で前記感光材料への焼き付けを行うことにより、簡単且つ確実にソフトフォーカス効果が得られるという効果を奏する。
【0053】また、請求項3〜4フィルムスキャナ及び請求項6の写真画像取り込み方法によると、フィルムに記録された画像の結像位置と撮像素子との光軸方向における離隔距離が互いに異なる複数の状態において撮像を行い、画像を選択することにより、簡単にソフトフォーカス効果が得られるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000135313
【氏名又は名称】ノーリツ鋼機株式会社
【出願日】 平成12年4月24日(2000.4.24)
【代理人】 【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之 (外1名)
【公開番号】 特開2001−305667(P2001−305667A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−122336(P2000−122336)