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【発明の名称】 プリンタ
【発明者】 【氏名】深澤 淳

【氏名】中村 博明

【氏名】榎本 淳

【要約】 【課題】大型サイズの感光材料に露光を行うことができるようにしながら、露光ムラの発生を少なくする。

【解決手段】デジタルマイクロミラー装置2,投影レンズ22は、プリンタ内で固定されている。投影レンズ22から射出された記録光は、各走査ユニット11,12,15,16を介して印画紙18に照射される。各主走査ユニット11,12を移動させて記録光の投影位置を主走査方向に移動させる毎に、各副走査ユニット15、16を副走査方向に移動させて1フレーム分の画像を露光する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有効反射状態と無効反射状態とに傾斜制御可能な複数のマイクロミラーを並べたマイクロミラーアレイを少なくとも1列分有する空間変調手段と、画像データに応じて前記空間変調手段を駆動して各マイクロミラーの傾斜を制御する駆動手段と、前記空間変調手段に光を照射する照明手段と、有効反射状態とされたマイクロミラーからの反射光が入射し、主走査方向に伸びた少なくとも1列分の記録光を感光材料に投影する投影光学系と、前記投影光学系の少なくとも一部を移動することによって、停止中の感光材料に対する前記記録光の投影位置を主走査方向及びこの主走査方向と直交する副走査方向に移動する走査手段とを備え、前記投影位置を主走査方向に所定の長さずつ移動する毎に、前記投影位置を副走査方向に移動させて副走査方向に伸びた複数本のラインを感光材料に露光することにより、1フレーム分の画像を感光材料に露光することを特徴とするプリンタ。
【請求項2】 前記照明手段は、光を出力する光源を複数個並べたアレイ状光源であることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】 前記照明手段は、発光ダイオードを光源とすることを特徴とする請求項1または2記載のプリンタ。
【請求項4】 前記空間変調手段は、赤色、緑色,青色のそれぞれについてマイクロミラーアレイが少なくとも1列分ずつ設けられ、前記駆動手段は、赤色,緑色,青色の3種類の画像データに応じて、対応する色のマイクロミラーアレイを駆動し、前記照明手段は、前記各マイクロミラーアレイに赤色光,緑色光,青色光のうちの対応する色光を照射することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項5】 前記空間変調手段は、赤色、緑色,青色のそれぞれについてマイクロミラーアレイが少なくとも1列分ずつ設けられ、赤色のマイクロミラーアレイの各マイクロミラーは、赤色光を反射させるフィルタが形成され、緑色のマイクロミラーアレイの各マイクロミラーは、緑色光を反射させるフィルタが形成され、青色のマイクロミラーアレイの各マイクロミラーは、青色光を反射させるフィルタが形成され、前記駆動手段は、赤色,緑色,青色の3種類の画像データに応じて、対応する色のマイクロミラーアレイを駆動し、前記照明手段は、白色光を各マイクロミラーアレイに照射することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項6】 前回の副走査時に露光した複数本のラインのうちの少なくとも1ライン分を次回の新たな副走査時に重複させて露光するように、前記駆動手段で前記空間変調手段を駆動するとともに前記走査手段で前記記録光の投影位置を主走査方向に移動することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のプリンタ。
【請求項7】 前記駆動手段は、重複して露光するラインについては1回の副走査で感光材料に与える露光量を小さくするように前記空間変調手段を駆動することを特徴とする請求項6記載のプリンタ。
【請求項8】 有効反射状態と無効反射状態とに傾斜制御可能な複数のマイクロミラーをマトリクス状に配列したミラー部を少なくとも1面分有した空間変調手段と、画像データに応じて前記空間変調手段を駆動して各マイクロミラーの傾斜を制御する駆動手段と、前記空間変調手段に光を照射する照明手段と、有効反射状態とされたマイクロミラーからの反射光が入射し、第1の方向及びこの第1の方向と直交する第2の方向に各辺が沿って矩形状に広がる少なくとも1面分の記録光を感光材料に投影する投影光学系と、前記投影光学系の少なくとも一部を移動することによって、停止中の感光材料に対する前記記録光の投影位置を第1の方向及び第2の方向に移動する走査手段とを備え、感光材料に対して前記記録光の投影位置を第1の方向と第2の方向とに移動させて、1フレーム分の画像を複数個の画像範囲に分割して露光することを特徴とするプリンタ。
【請求項9】 前記照明手段は、発光ダイオードを光源とすることを特徴とする請求項8記載のプリンタ。
【請求項10】 隣接する画像範囲同士で画像の一部を重複させて露光するように、前記駆動手段で前記空間変調手段を駆動するとともに前記走査手段で前記感光材料に対する前記記録光の投影位置を移動することを特徴とする請求項8または9記載のプリンタ。
【請求項11】 前記駆動手段は、重複して露光する画像範囲の部分については、1回の露光によって感光材料に与える露光量を小さくするように前記空間変調手段を駆動することを特徴とする請求項10記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像を感光材料に露光するプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】微小サイズのミラー(以下、マイクロミラーという)をライン状にあるいはマトリクス状に多数配列し、各マイクロミラーの傾斜を制御してスポット光を偏向するミラー方式の空間光変調器が知られている。このミラー方式の空間光変調器としては、メモリセルに蓄えた電荷による静電気力でマイクロミラーを傾斜させるデジタルマイクロミラー装置や微小なピエゾ素子でマイクロミラーを傾斜させるピエゾ駆動式マイクロミラー装置(AMA)等がある。
【0003】このミラー方式の空間光変調器は、各マイクロミラーの特性がほぼ均一であり、経時変化もほとんどないことから、この空間光変調器に対する調整や補正制御をほとんど必要がないといった利点がある。また、マイクロミラーが高密度に配されているため、解像度(画素密度)の高い高画質の画像を簡単に得ることができるといった利点がある。
【0004】上記のミラー方式の空間光変調器を用いたプリンタが本出願人により各種提案されている。例えば、特開平9−164723号公報記載のものでは、複数のマイクロミラーアレイを少なくとも1ライン分備えた空間変調器からの反射光を投影レンズで感光材料上に投影し、感光材料例えば印画紙を搬送しながら1ラインずつ画像を露光している。また、特開平9−164727号公報記載のものでは、マイクロミラーをマトリクス状に多数配列した空間変調器からの反射光を投影レンズで停止中の感光材料上に投影することで1画面分の画像を露光している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のミラー方式の空間変調器を用いたプリンタでは、感光材料に対する投影レンズ,空間変調器の位置が固定されているため、これらの投影レンズと空間変調器とに基づく露光精度の許容範囲内でしか画像の露光を行うことができない。このため、露光面積を拡大して大型サイズの感光材料に露光を行うことができないという問題がある。
【0006】上記の問題は、例えばマイクロミラーの個数を増やすことで対応することが可能ではあるが、このようにすると大幅なコスト上昇を招いてしまう。また、マイクロミラーの個数の増大にともなって、空間変調器に対する照明面積が増大し、各マイクロミラーを均一に照明するのが難しくなって露光ムラが発生するという問題が生じる。
【0007】本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、ミラー方式の空間光変調器を利用し、露光面積を拡大して大型サイズの感光材料に露光を行うことができるようにしながら、露光ムラの発生を少なくすることができるプリンタを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載のプリンタでは、有効反射状態と無効反射状態とに傾斜制御可能な複数のマイクロミラーを並べたマイクロミラーアレイを少なくとも1列分有する空間変調手段と、画像データに応じて前記空間変調手段を駆動して各マイクロミラーの傾斜を制御する駆動手段と、前記空間変調手段に光を照射する照明手段と、有効反射状態とされたマイクロミラーからの反射光が入射し、主走査方向に伸びた少なくとも1列分の記録光を感光材料に投影する投影光学系と、前記投影光学系の少なくとも一部を移動することによって、停止中の感光材料に対する前記記録光の投影位置を主走査方向及びこの主走査方向と直交する副走査方向に移動する走査手段とを備え、前記投影位置を主走査方向に所定の長さずつ移動する毎に、前記投影位置を副走査方向に移動させて副走査方向に伸びた複数本のラインを感光材料に露光することにより、1フレーム分の画像を感光材料に露光するものである。
【0009】請求項2記載のプリンタでは、照明手段を、光を出力する光源を複数個並べたアレイ状光源としたものであり、請求項3記載のプリンタでは、照明手段を、発光ダイオードを光源としたものである。
【0010】請求項4記載のプリンタでは、空間変調手段に、赤色、緑色,青色のそれぞれについて少なくとも1列分ずつのマイクロミラーアレイを設け、駆動手段が赤色,緑色,青色の3種類の画像データに応じて、対応する色のマイクロミラーアレイを駆動し、照明手段で、前記各マイクロミラーアレイに赤色光,緑色光,青色光のうちの対応する色光を照射するようにしたものである。
【0011】請求項5記載のプリンタでは、空間変調手段に、赤色、緑色,青色のそれぞれについて少なくとも1列分ずつのマイクロミラーアレイを設け、赤色のマイクロミラーアレイの各マイクロミラーに、赤色光を反射させるフィルタを形成し、緑色のマイクロミラーアレイの各マイクロミラーに、緑色光を反射させるフィルタを形成し、青色のマイクロミラーアレイの各マイクロミラーに、青色光を反射させるフィルタを形成し、駆動手段が赤色,緑色,青色の3種類の画像データに応じて、対応する色のマイクロミラーアレイを駆動し、照明手段で白色光を各マイクロミラーアレイに照射するようにしたものである。
【0012】請求項6記載のプリンタでは、前回の副走査時に露光した複数本のラインのうちの少なくとも1ライン分を次回の新たな副走査時に重複させて露光するように、駆動手段で空間変調手段を駆動するとともに走査手段で記録光の投影位置を主走査方向に移動するようにしたものである。また、請求項7記載のプリンタでは、駆動手段を、重複して露光するラインについては1回の副走査で感光材料に与える露光量を小さくするように空間変調手段を駆動するようにしたものである。
【0013】請求項8記載のプリンタでは、有効反射状態と無効反射状態とに傾斜制御可能な複数のマイクロミラーをマトリクス状に配列したミラー部を少なくとも1面分有した空間変調手段と、画像データに応じて前記空間変調手段を駆動して各マイクロミラーの傾斜を制御する駆動手段と、前記空間変調手段に光を照射する照明手段と、有効反射状態とされたマイクロミラーからの反射光が入射し、第1の方向及びこの第1の方向と直交する第2の方向に各辺が沿って矩形状に広がる少なくとも1面分の記録光を感光材料に投影する投影光学系と、前記投影光学系の少なくとも一部を移動することによって、停止中の感光材料に対する前記記録光の投影位置を第1の方向及び第2の方向に移動する走査手段とを備え、感光材料に対して前記記録光の投影位置を第1の方向と第2の方向とに移動させて、1フレーム分の画像を複数個の画像範囲に分割して露光するものである。
【0014】請求項9記載のプリンタでは、照明手段を、発光ダイオードを光源としたものである。また請求項10記載のプリンタでは、隣接する画像範囲同士で画像の一部を重複させて露光するように、駆動手段で空間変調手段を駆動するとともに走査手段で感光材料に対する記録光の投影位置を移動するようにしたものである。さらに、請求項11記載のプリンタでは、駆動手段を、重複して露光する画像範囲の部分については、1回の露光によって感光材料に与える露光量を小さくするように空間変調手段を駆動するようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明を実施したプリンタに用いたデジタルマイクロミラー装置を図2に示す。デジタルマイクロミラー装置2には、赤色マイクロミラーアレイ3,緑色マイクロミラーアレイ4,青色マイクロミラーアレイ5が平行に配置されている。各マイクロミラーアレイ3〜5は、それぞれ静電気力によって傾斜するマイクロミラー6が一定ピッチでN個、例えば30個ずつライン状に配置されている。また、各マイクロミラーアレイ3〜5の相互の間には、マイクロミラーアレイ1列分の間隔が設けられている。
【0016】なお、各色のマイクロミラーアレイ3〜5を隣接して配置してもよいが、図示されるように、各マイクロミラーアレイ3〜5の相互の間に間隔をあけると、後述する色フィルタを形成する際に、各マイクロミラーアレイから対応する色フイルタが多少はみだして形成されても、このはみ出した色フイルタが他の色のマイクロミラーアレイに達しないので、色フイルタの加工精度を低くできるといった利点ある。
【0017】赤色マイクロミラーアレイ3の各マイクロミラー6の上には、記号Rで示すように、赤色フイルタが形成されている。緑色マイクロミラーアレイ4の各マイクロミラー6上には、記号Gで示すように緑色フイルタが形成され、そして青色マイクロミラーアレイ5の各マイクロミラー6上には、記号Bで示すように、青色フイルタが形成されている。
【0018】各色フィルタは、それぞれ特定の波長域の光を吸収し、対応する赤色光,緑色光,青色光のうちの1つを透過する。これらの各色フィルタは、蒸着,転写,貼着等によって、マイクロミラー6上に設けられるが、色素フイルタ等の他に干渉フイルタを用いることができる。干渉フイルタは薄膜層を重ね合わせた多層薄膜による干渉を利用して、特定の色光を反射するから、マイクロミラー6の代わりに、反射率が低い金属薄膜を設けてもよい。
【0019】図3は、上記デジタルマイクロミラー装置2の概略を示すものである。デジタルマイクロミラー装置2は、スタティックRAM(以下、SRAMと称する)に、マイクロミラー等を周知の集積化技術によって作製したものである。SRAMの各メモリセル8上に、それぞれマイクロミラー6が配置され、各マイクロミラー6はポスト9で揺動自在に支持されている。マイクロミラー6は、導電性を有するアルミ等の金属薄膜で例えば正方形に作られ、その一辺の長さLが例えば16μmとされている。
【0020】電源がOFF状態では、図4(A)に示すように、マイクロミラー6は水平な状態にある。電源がON状態では、各メモリセル8に「0」または「1」のミラー駆動データが書き込まれる。メモリセル8に「0」のミラー駆動データを書き込むと、図4(B)に示すように、マイクロミラー6は−θだけ傾く。一方、「1」のミラー駆動データを書き込むと、図4(C)に示すように、マイクロミラー6は+θだけ傾く。ここで、角度の正負は、反時計方向を「+」とし、時計方向を「−」としている。この例では、マイクロミラー6が+θ傾いたときが感光材料に露光を与える有効反射状態とされ、−θ傾いたときが感光材料に露光を与えない無効反射状態としている。なお、図3,図4では、色フイルタを省略して描いてある。
【0021】図1にプリンタの概略を示す。このプリンタは、デジタルマイクロミラー装置等からなる固定ユニット10,第1主走査ユニット11,第2主走査ユニット12,主走査機構13,副走査機構14等からなり、第2主走査ユニット12は、第1副走査ユニット15,第2副走査ユニット16等から構成される。
【0022】感光材料、例えば印画紙18は、給紙カセットから搬送機構(図示省略)によって搬送されて露光ステージにセットされる。露光ステージは、図示しないが搬送されてきた印画紙18を平面に保持し、またこれが露光中に移動しないように固定する。
【0023】固定ユニット10は、デジタルマイクロミラー装置2の他に、光源としてのLED(発光ダイオード)20,集光レンズ21,投影レンズ22,光吸収板23から構成される。この固定ユニット10は、プリンタ内で固定されている。
【0024】LED20は、白色光を出力する。集光レンズ21は、発光ダイオード20からの白色光をデジタルマイクロミラー装置2に集光させ、各色のマイクロミラーアレイ3〜5を均一な照度で照明する。上記のように各マイクロミラーアレイ3〜5は、それを構成するマイクロミラー6の個数が少ないから白色光で照明する照明面積が小さい。したがって、少ない個数、例えば1個〜3個程度のLED20を光源としても、各マイクロミラー6に対して十分な光量を照射することができ、また露光ムラの原因となる照明ムラがほとんど発生しない。さらには、LED20の個数を少なくできるので、各マイクロミラー6を所定の照度で照明するためのLED20の発光強度の調整あるいは補正制御が容易となるとともに、プリンタの小型化を図る上で有利となる。
【0025】なお、この実施形態では、LED20を各マイクロミラーアレイ3〜5の共通な光源としているが、各マイクロミラーアレイ3〜5のそれぞれについてLEDを設けてもよい。
【0026】デジタルマイクロミラー装置2に入射した白色光は、特定の色光以外が色フイルタで吸収される。例えば、赤色フイルタを設けたマイクロミラー6では、白色光のうち赤色光の一部が赤色フイルタの表面で反射され、残りの赤色光は赤色フイルタを透過し、そしてマイクロミラー6で反射されて再び赤色フイルタを透過する。こうして、赤色マイクロミラーアレイ3の各マイクロミラー6は、赤色スポット光を発生する。
【0027】マイクロミラー6が有効反射状態のときには、反射されたスポット光が投影レンズ22に向けて反射され、詳細を後述する各走査ユニット11,12内の各ミラーを介して印画紙18上に適当な倍率で投影される。一方、マイクロミラー6が水平又は無効反射状態のときには、反射されたスポット光は光吸収板23に向けて反射され、この光吸収板29で散乱することなく吸収される。
【0028】このようにして、各マイクロミラーアレイ3〜5によって、それぞれ図1中で矢線Mで示される主走査方向に伸びた1列分の記録光が印画紙18上に投影される。1列分の記録光は、1列のマイクロミラーアレイを構成するマイクロミラー6と同じ個数のスポット光から構成される。そして、1個のスポット光で1個の画素が印画紙18に露光され、1列分の記録光によって主走査方向に並んだN個の画素が露光される。
【0029】また、記録光の投影位置が主走査方向と直交する副走査方向(矢線S方向)に1画素分ずつ移動する毎に露光を行うことによって、1個のマイクロミラー6で副走査方向に並んだ多数の画素からなる1ラインを露光する。したがって、1列分の記録光でそれぞれ副走査方向に伸びたNラインを露光する。投影レンズ22の倍率をMとすると、1個の画素の1辺は「L×M」であり、Nライン分の主走査方向の幅は「L×N×M」である。なお、露光を行わない画素PSに対しては、スポット光が投影されないのはいうまでもない。
【0030】例えば、赤色マイクロミラーアレイ3の1個のマイクロミラー20からの赤色スポット光で赤色画像の1個の画素が印画紙18に露光され、1列の赤色マイクロミラーアレイ3からの赤色記録光によって赤色画像の主走査方向に並んだN個の画素が同時露光される。そして、1回の副走査によって赤色画像のN本のラインが同時に露光される。同様に、1回の副走査を行うことにより、緑色マイクロミラーアレイ4,青色マイクロミラーアレイ5で緑色画像,青色画像のN本のラインがそれぞれ同時に露光される。緑色画像,青色画像の各ラインは、赤色画像のラインを露光した位置に重ねて露光される。
【0031】第1主走査ユニット11は、一対のミラー11a,11bから構成されており、これらは互いに90度の角度で傾斜して配置されている。この第1主走査ユニット11は、主走査方向に沿ってスライド自在にされている。投影レンズ22からの各記録光は、主走査方向と平行に第1走査ユニット11に入射し、一対のミラー11a,11bによって、その光路が180度折り曲げられる。
【0032】第1主走査ユニット11からの記録光は、第2主走査ユニット12内に設けられたミラー25によって副走査方向と平行となるように、その光路が90度折り曲げられ、第1副走査ユニット15に入射する。第1副走査ユニット15は、第1主走査ユニット11と同様に1対のミラー15a,15bから構成されており、入射する記録光の光路を180度折り曲げて第2副走査ユニット16に入射する。第2副走査ユニット16は、1枚のミラー16aと、センサ16bとから構成されており、ミラー16aによって入射する記録光の光路を下方に90度折り曲げ、露光ステージ上の印画紙18に記録光を照射する。そして、この照射位置が記録光の投影位置となる。
【0033】センサ16bは、印画紙18のエッジを検出する。このセンサ16bの検出結果に基づいて、記録光の投影位置の初期位置が決められる。なお、このセンサ16bを用いて、印画紙18のサイズを判別し、露光する画像サイズが印画紙18のサイズに対して適切であるか否かを判断するようにしてもよい。
【0034】上記の第1,第2副走査ユニット15,16は、それぞれ副走査方向に沿ってスライド自在にされている。また、第1,第2副走査ユニット15,16及びミラー25からなる第2主走査ユニット12は、主走査方向に沿ってスライド自在とされている。すなわち、第1,第2副走査ユニット15,16及びミラー25は、一体に主走査方向に沿ってスライド自在とされている。
【0035】露光時には、第2主走査ユニット12は、1回の副走査が行われる毎に、主走査機構26によってNライン分(「L×N×M」)ずつ主走査方向にステップ移動される。また、この主走査機構26によって、第1主走査ユニット11は第2主走査ユニット12と連動して同じ方向にステップ移動される。このステップ移動の際に、第1主走査ユニット11は、第2主走査ユニット12の半分の移動量で移動される。これにより、投影レンズ22から印画紙18上の記録光の投影位置までの距離を一定に保ちながら、この記録光の投影位置を主走査方向に移動させる。
【0036】第2副走査ユニット16は、第2主走査ユニット12がステップ移動される毎に、副走査機構27によって一定の速度で副走査方向に移動される。また、この副走査機構27によって、第1主走査ユニット15は第2副走査ユニット16と連動して同じ方向に移動される。この移動の際に、第1副走査ユニット15は、第2副走査ユニット16の半分の速度で移動される。これにより、投影レンズ22から印画紙18上の記録光の投影位置までの距離を一定に保ちながら、記録光の投影位置を副走査方向に移動させる。
【0037】上記のように構成された、投影レンズ22及び各走査ユニット11,12,15,16とで投影光学系が構成され、各走査ユニット11,12,15,16を移動することによって、投影レンズ22から印画紙18上の記録光の投影位置までの距離を一定に保ちながら、すなわち投影レンズ22のピント位置を印画紙18上に維持しながら投影位置を主走査方向及び副走査方向に移動させる。
【0038】図5に上記プリンタの電気的な構成を示す。コントロ−ラ30は、プリンタの各部を制御する。印画紙18に露光すべきカラー画像は、赤色画像データ,緑色画像データ,青色画像データとして画像メモリ31に書き込まれる。画像メモリ31は、赤色画像メモリ31a,緑色画像メモリ31b,青色画像メモリ31cからなり、それぞれ対応する色の画像データが書き込まれる。
【0039】露光時には、画像メモリ31から3色の画像データがNライン分ずつ読み出されて、ラインメモリ32にそれぞれ書き込まれる。ラインメモリ32の3色の画像データは、データ書込み制御回路33によって、それぞれ1列分ずつ読み出される。各色のマイクロミラーアレイ3〜5で同時に露光する各色の列がずれているため、これに応じて3色の画像データもずらして読み出される。
【0040】図6にマイクロミラー6に対する制御の一例を示すように、データ書込み制御回路33は、コントローラ30からの書込みタイミング信号に同期して、ラインメモリ32から読み出した各色の1列分の各画像データを上位ビットから順番に取り出し、ミラー駆動データとしてデジタルマイクロミラー装置2の対応した各メモリセル8に書き込む。
【0041】図6では、画像データが「101101」であり、この画像データが時間T1内に発生する6個の書込みタイミング信号によって1ビットずつ取り出されて、ミラー駆動データとしてメモリセル8に6回書き込まれる。ミラー駆動データが「1」の場合に、マイクロミラー6が有効反射状態となり、反射されたスポット光が印画紙18に投影される。書込みタイミング信号の発生周期は半減しているから、6ビットの画像データがパルス幅変調され、画像データの値の大きさに応じて、時間T1内で有効反射状態となる時間の合計、すなわち1個の画素に対する露光時間が変化する。時間T1の経過後に、データ書込み制御回路33は「0」を各メモリセル8に書込み、データをクリアする。この時間T1によって1回の露光シーケンスが終了する。
【0042】第2副走査ユニット16が1画素分移動する時間、すなわち記録光の投影位置が副走査方向に1画素分移動する時間T2に対して、1回の露光シーケンスの時間T1を十分に短くすることによって、投影位置を副走査方向に移動しながら露光を行っても印画紙18に露光される各画素が副走査方向に伸びないようにしている。
【0043】センサ16bからの検出信号はコントローラ30に送られる。コントローラ30は、この検出信号に基づいて記録光の投影位置、すなわち第2主走査ユニット12の主走査方向の初期位置と、第2副走査ユニット16の副走査方向の初期位置とを決める。LEDドライバ34は、カラー画像の露光時にLED20を点灯する。主走査機構26,副走査機構27は、モータ等からなり、コントローラ30に制御されて前述のように各走査ユニット11,12,15,16を移動する。
【0044】次に、上記プリンタの作用について説明する。露光すべき画像の3色の画像データを画像メモリ31に取り込み、また露光すべき画像サイズに応じたサイズの印画紙18を収納した給紙カセットをプリンタにセットする。プリントが指示されると、コントローラ30は、印画紙18を給紙カセットから引き出して露光ステージにセットする。
【0045】この後に、コントローラ30は、主走査機構26で第2主走査ユニット12を主走査方向に往復動させ、また第2主走査ユニット12内の第2副走査ユニット16を副走査機構27で副走査方向に往復動させる。そして、この間にセンサ16bで印画紙18のエッジを検出し、この検出結果に基づいて主走査方向及び副走査方向の記録光の投影位置の初期位置を決定する。
【0046】投影位置の初期位置が決定すると、これに基づいた主走査方向の初期位置に第2主走査ユニット12が移動されるとともに、第2副走査ユニット16が副走査方向の初期位置に移動される。なお、この移動に際して、第1主走査ユニット11,第1副走査ユニット15は、第2主走査ユニット12,第2副走査ユニット16に連動して移動されるのはいうまでもない。
【0047】上記のように初期位置に各走査ユニットを移動させた後に、コントローラ30は、デジタルマイクロミラー装置2のデータクリアをデータ書込み制御回路33に指示する。この指示を受けると、データ書込み制御回路33は、「0」のミラー駆動データを全てのメモリセル8に書き込む。次に、コントローラ8は、LEDドライバ34を介してLED20を点灯させ、デジタルマイクロミラー装置2を照明する。この際に、各メモリセル8には「0」が書き込まれているから、各マイクロミラー6が−θ傾いた無効反射状態となっている。このために、各マイクロミラー6で反射されたスポット光は、光吸収板23で吸収される。データクリアの後に、画像メモリ31から第1〜第Nラインの赤色,緑色,青色の各画像データがそれぞれ読み出されて、ラインメモリ32に書き込まれる。
【0048】コントローラ30は、副走査機構27を駆動して、第1,第2副走査ユニット15,16の副走査方向の移動を開始し、第1〜第Nラインの露光を行う。
【0049】記録光の投影位置が初期位置にある時に、印画紙18上では、例えば赤色マイクロミラーアレイ3からの赤色記録光が印画紙18の中心側に投影され、青色マイクロミラーアレイ5からの青色光は端部側に投影される。また、各マイクロミラーアレイ3〜5の間には、マイクロミラーアレイ1本分の間隔がそれぞれ設けられているから、印画紙18上では、赤色記録光の投影位置に対して緑色記録光が2列分、そして青色記録光が4列分それぞれその投影位置が副走査方向にずれる。
【0050】したがって、印画紙18上で赤色マイクロミラーアレイ3が赤色画像の第1〜第Nラインの第J列を露光するときには、緑色マイクロミラーアレイ4は緑色画像の第1〜第Nラインの第(J−2)列を露光し、青色マイクロミラーアレイ5は青色画像の第1〜第Nラインの第(J−4)列を露光する。
【0051】このため、第1〜第Nラインを露光する際には、これらのラインの3色の画像データがラインメモリ32に書き込まれた後に、それぞれ1列分ずつ画像データが読み出されるが、まずデータ書込み制御回路33は、第1〜第Nラインの各第1画素すなわち第1列の赤色画像データをラインメモリ32から読み出す。次にコントローラ30は、時間T1内で6個の書込みタイミング信号を所定の間隔で発生し、これらをデータ書込み制御回路33に送る。
【0052】データ書込み制御回路33は、第1番目の書込みタイミング信号を受け取ると、6ビットの第1列の各赤色画像データのうち最上位ビットをミラー駆動データとしてメモリセル8にそれぞれ書き込む。このときに、ミラー駆動データは赤色マイクロミラーアレイ3に対応する各メモリセル8に書き込まれる。
【0053】赤色マイクロミラーアレイ3の各マイクロミラー6は、最上位ビットに「1」が与えられている場合に有効反射状態となり、入射する白色光を赤色スポット光として投影レンズ22に向けて反射し、この赤色スポット光が投影レンズ22から各走査ユニット内のミラ−11a,11b,25,15a,15b,16を介して印画紙18に照射される。これにより、印画紙18には、第1〜第Nラインの赤色画像の第1列の赤色記録光による第1回の露光が行われる。
【0054】データ書込み制御回路33は、第2番目の書込みタイミング信号によって、赤色画像データの2番目のビットをミラー駆動データとして赤色マイクロミラ−アレイ3の各メモリセル8に書き込む。この書込みにより、赤色マイクロミラ−アレイ3から第2番目の1列分の赤色記録光が発生し、これにより第2回の露光が行われる。こうして、赤色マイクロミラーアレイ3の各マイクロミラー6を赤色画像データに対応した6ビットのミラー駆動データにより順次に駆動して、最大6回分の露光を行う。この各回の露光時間は最下位ビットになるにつれて短くなる。
【0055】上記のようにして、第2副走査ユニット16が時間T2で1画素分だけ副走査方向に移動している間に、時間T1内で6回の露光を行って、赤色の第1列の潜像を印画紙5に記録する。そして時間T1が経過すると、データ書込み制御回路33は、各メモリセル21に「0」のミラー駆動データを書き込んでデータをクリアする。
【0056】第2副走査ユニット16が初期位置から副走査方向に1画素分移動し、記録光の投影位置が副走査方向に1画素分移動すると、データ書込み制御回路33は、ラインメモリ32から第1〜第Nラインの第2列の赤色画像データを読み出し、コントローラ8は、時間T1内で6個の書込みタイミング信号を所定の間隔で発生し、これらをデータ書込み制御回路33に送る。
【0057】第2列の各赤色画像データは、上記と同じ手順によって、タイミング信号が発生する毎に1ビットずつ取り出され、ミラー駆動データとして赤色マイクロミラー16に対応するメモリセル21に書き込まれる。これにより赤色画像の第2列が印画紙5に露光される。
【0058】赤色画像の第2列の露光が完了して記録光の投影位置がさらに1画素分移動すると、データ書込み制御回路33は、ラインメモリ32から第1〜第Nラインの第3列の赤色画像データと、第1〜第Nラインの第1列の緑色画像データとをそれぞれ読み出す。これらの画像データは、前述したように1ビットずつ取り出され、書込みタイミング信号によってミラー駆動データとしてメモリセル8に書き込まれる。このときに、赤色画像データから得られるミラー駆動データは、赤色マイクロミラーアレイ3に対応するメモリセル8に、緑色画像データから得られるミラー駆動データは、緑色マイクロミラーアレイ4に対応するメモリセル8にそれぞれ書き込まれる。
【0059】そして、この画像データによって赤色マイクロミラーアレイ3と緑色マイクロミラーアレイ4の各マイクロミラー6の傾斜が制御され、赤色と緑色の記録光が印画紙18上に投影される。ここで、緑色の記録光は、2回前に露光された赤色画像の第1列の位置に重ねて露光される。
【0060】赤色画像の第3列及び緑色画像の第1列の6回の露光の終了後には、ラインメモリ32から第1〜第Nラインの第4列の赤色画像データと、第1〜第Nラインの第2列の緑色画像データとがそれぞれ読み出されて、上記と同様な手順で赤色の第4列と、緑色の第2列の記録光による露光が行われる。
【0061】記録光の投影位置がさらに1画素分移動されると、データ書込み制御回路33は、第5列の赤色画像データ,第3列の緑色画像データ,第1列の青色画像データをラインメモリ32から読み出し、書込みタイミング信号に基づいて、対応した各ミラー駆動データをメモリセル8に書き込む。このときに、青色画像データから得られるミラー駆動データは青色マイクロミラーアレイ5に対応するメモリセル8に書き込まれる。そして、この場合には、平行な3本の記録光で印画紙18が露光される。以下同様にして、赤色,緑色,青色の3本の記録光を同時に印画紙18に投影して、赤色画像,緑色画像,青色画像の第1〜第Nラインを1列ずつ順次に記録する。
【0062】上記のように第2副走査ユニット16が副走査方向に一定の速度で移動している間では、これに連動して第1副走査ユニット15が第2副走査ユニット16と同じ方向で、また半分の速度で副走査方向に移動する。これにより、第2副走査ユニット16の移動で投影位置と投影レンズ22との間の光路長が増加または減少する分だけ、これを打ち消すように第1副走査ユニット15が移動して光路長を減少または増加させる。結果的に、印画紙18上の記録光の投影位置が副走査方向に移動しても、この投影位置と投影レンズ22との光路長は変化しない。
【0063】青色画像の第1〜第Nラインの最終列の露光が完了すると、主走査機構26が駆動されて、第2主走査ユニット12が主走査方向にNライン分だけステップ移動される。同時に、第1主走査ユニット11が第2主走査ユニット12と同じ方向で、また半分の移動量で主走査方向に移動する。これにより、印画紙18上の投影位置と投影レンズ22との間の光路長が変化することなく、投影位置が主走査方向にNライン分移動される。
【0064】また、画像メモリ7から第(N+1)〜第(2・N)ラインの赤色,緑色,青色の各画像データが読み出されて、ラインメモリ32に書き込まれる。
【0065】この後、副走査機構27を駆動して、第2副走査ユニット16を先の副走査方向への移動とは逆向きに移動させ、この移動の間に各色の画像の第(N+1)〜第(2・N)ラインを1列ずつ露光する。この場合には、第1〜第Nラインを露光したときとは逆に最終列から順に露光を行う。そして、最終列から露光を始めるため、最初に青色画像の最終列から露光が開始され、緑色画像,赤色画像は、青色画像の列に対してタイミングをずらして露光される。この場合にも、第1副走査ユニット15が第2副走査ユニット16と同じ方向で、また半分の速度で副走査方向に移動する。
【0066】なお、第2副走査ユニット16を第1列から露光を開始するように戻してから、第(N+1)〜第(2・N)ラインの露光を行ってもよいが、上記のように最終列から露光を開始すれば第2副走査ユニット16を戻す分だけプリント時間を短縮することができる。
【0067】第(N+1)〜第(2・N)ラインの露光が完了すると、再び第2主走査ユニット11が主走査方向にNライン分移動される。そして、この後に、第2副走査ユニット16が副走査方向に移動を開始し、第(2・N+1)〜第(3・N)の露光が行われる。以降、同様にしてカラー画像の最終ラインまでを印画紙18に露光する。
【0068】この1フレーム分の露光が終了すると、露光済みの印画紙18は、現像処理工程に搬送され、現像処理を施してプリント写真とされる。
【0069】ここで、ポジーポジ方式の印画紙を用いる場合には、ポジ画像の画像データを用いてデジタルマイクロミラー装置2を制御する。ネガーポジ方式の一般的な印画紙を用いる場合には、ネガ像の画像データを用いて印画紙にネガ像を投影する。
【0070】上記のようにして、記録光の投影位置をNライン分ずつ主走査方向に移動する毎に、記録光の投影位置を副走査方向に移動させて、カラー画像の露光を行うから、マイクロミラー6の個数が少ないデジタルマイクロミラー装置2を用いても、主走査方向及び副走査方向への移動量だけを大きくしておくだけで、大きなサイズの画像を印画紙18に露光することができる。また、マイクロミラー6の個数が少ないデジタルマイクロミラー装置2を用いているため、前述のように、照明ムラをほとんど発生させることなく照明できるので、露光ムラが発生しない。したがって、良好な画質のプリント写真を得ることができる。
【0071】なお、上記実施形態では、3列のマイクロミラーアレイの間にマイクロミラーが配されていないデジタルマイクロミラー装置を用いたが、図7に示すデジタルマイクロミラー装置40のように、赤色,緑色,青色の各マイクロミラーアレイ3〜5の間にマイクロミラー6が配されていてもよい。この場合には、各マイクロミラーアレイ3〜5の間のマイクロミラー6を無効反射状態としておく。
【0072】図8は、各色のマイクロミラーアレイをそれぞれ複数列ずつ設けた例を示すものである。この例では、デジタルマイクロミラー装置41には、赤色マイクロミラーアレイ3,緑色マイクロミラーアレイ4,青色マイクロミラーアレイ5がそれぞれ3列すつ設けられている。このようにデジタルマイクロミラー装置41を構成した場合には、1色について3列ずつ露光を行うようにしてもよく、3列のマイクロミラーアレイで1色の1列を分割して露光してもよい。
【0073】図9は、マイクロミラーに色フイルタを設ける代わりに、光源として3色の色光を出力するLEDを用いた例を示すものである。なお、図8は、固定ユニットのだけを描いてあり、その他は最初の実施形態と同じであり、同じ構成部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0074】デジタルマイクロミラー装置42には、赤色,緑色,青色用のマイクロミラーアレイ42a〜42cが配されている。各マイクロミラーアレイ42a〜42cのマイクロミラー6は、色フイルタが形成されずに、入射した光をそのまま反射する。
【0075】固定ユニット10内には、赤色LED43a,緑色LED43b,青色LED43がそれぞれ1〜3個程度ずつ配されている。赤色LED43aは、赤色光を出力する。緑色LED43bは、緑色光を出力し、青色LED43cは青色光を出力する。
【0076】赤色LED43aからの赤色光は、集光レンズ44aを介してミラー45aで反射され、緑色光を反射するダイクロイックミラー45bと、青色光を反射するダイクロイックミラー45cとをそれぞれ透過して、赤色マイクロミラーアレイ42aを面照明する。また、緑色LED43bからの緑色光は、集光レンズ44bを介してダイクロイックミラー45bで反射され、ダイクロイックミラー45cを透過して、緑色マイクロミラーアレイ42bを面照明する。さらに、青色LED43cからの青色光は、集光レンズ44cを介してダイクロイックミラー45cで反射されて、青色マイクロミラーアレイ42cを面照明する。
【0077】上記のようにして、光源として赤色,緑色,青色を出力する光源を用いると、フィルタが不要になるので構成が簡単になる。
【0078】上記各実施形態では、1個のデジタルマイクロミラー装置に、赤色,,緑色,,青色の各マイクロミラーを一体に設けた場合について説明したが、色毎に別々なデジタルマイクロミラー装置を設けてもよい。
【0079】図10は、副走査毎に露光されるN本のラインの一部を重複して露光する例を示すものである。なお、図10では、主走査方向における記録光の投影位置を模式的に描いてある。
【0080】この例では、1回目の副走査によって、符号50a〜50cで示される赤色,緑色,青色の各記録光の投影位置を副走査方向に移動することで、第1〜第Nラインの露光を印画紙18に行う。このときに、第(N−1)ライン及び第Nラインについては、本来の半分の露光量で露光が行われる。
【0081】第1回目の副走査の完了後、第2主走査ユニット12がNライン分よりも2ライン分だけ短く主走査方向に移動される。これにより、符号51a〜51cで示されるように、赤色,緑色,青色の各記録光の投影位置は、印画紙18に対して(N−2)ライン分だけ主走査方向に移動される。そして、第2回目の副走査では、第(N−1)〜第(2・N−2)ラインの露光を行い、第(N−1)ライン,第Nラインについては第1回の副走査によって露光された同一のラインに重ねるようにして露光するとともに、この第(N−1)ライン,第Nラインと、第(2・N−3)ライン、第(2・N−2)ラインについては、本来の半分の露光量で露光を行う。
【0082】以下、同様にして、第2主走査ユニット12を(N−2)ライン分ずつ主走査方向に移動する毎に、前回の副走査で露光した同じ2ラインを重複させて露光するようにし、また重複するラインについては1回の副走査での露光量が本来の半分となるようにしてラインの露光を行う。このようにして、前回の副走査によって露光したN本ラインのうちの2ライン分を引き続く新たな副走査時に重複して露光する。
【0083】上記のようにすることにより、記録光の投影位置の主走査方向の移動量が変動して多少大きくなっても、その大きさが2ライン分の幅以下であれば、副走査毎に露光される各領域52の間に未露光部分が発生しないから、これらの領域52のつなぎ目が目立つことはない。なお、この例では、2ライン分を重複させて露光するようにしているが、1ライン分以上重複させればよく、このライン数は投影位置の主走査方向の移動量の誤差に応じて適宜に選択することができる。
【0084】また、重複して露光するラインの1回の副走査における露光量を半分としているが、図11に示すように、前回の副走査で露光されたラインと重複するものについては、ラインの番号の増加とともに本来の露光量に近づくように露光量を徐々に増大させ、次回の副走査で重複して露光されるラインについては、ラインの番号の増加とともに本来の露光量から徐々に露光量を減少させるようにしてもよい。
【0085】図12ないし図14は、1フレーム分の画像を矩形状の画像範囲に分割して露光する例を示すものである。なお、以下に説明する他は、最初の実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同じ符号を付してある。
【0086】この実施形態で用いたデジタルマイクロミラー装置を図12に示す。このデジタルマイクロミラー装置55には、多数のマイクロミラー6を一定ピッチでマトリクス状に配置したミラー部55aが露呈されている。マイクロミラー6は、色フイルタが設けられておらず、入射する光をそのまま反射する。
【0087】図13に示すように、固定ユニット10内には、赤色LED57a,緑色LED57b,青色LED57cが配されている。各色LED57a〜57cは、記録光の投影位置が移動される毎に順番に1回ずつ点灯される。
【0088】赤色LED57aからの赤色光は、集光レンズ58aを介してミラー59aで反射され、緑色光を反射するダイクロイックミラー59bと、青色光を反射するダイクロイックミラー59cとをそれぞれ透過して、ミラー部55aを面照明する。また、緑色LED57bからの緑色光は、集光レンズ58bを介してダイクロイックミラー59bで反射され、ダイクロイックミラー59cを透過して、ミラー部55aを面照明する。さらに、青色LED57cからの青色光は、集光レンズ58cを介してダイクロイックミラー59cで反射されて、ミラー部55aを面照明する。
【0089】ミラー部55aの有効反射状態とされた各マイクロミラー6からのスポット光は、投影レンズ60を介して印画紙18に照射される。ミラー部55aは、マイクロミラー6がマトリクス状に配されているので、主走査方向(第1の方向)及び副走査方向(第2の方向)に各辺が沿った矩形状の記録光が印画紙18に照射される。
【0090】記録光の投影位置は、第2主走査ユニット12が主走査方向に移動されることで主走査方向にステップ移動される。この記録光の投影位置の主走査方向への1回の移動量は、印画紙18上に照射される記録光の主走査方向の幅と等しくされる。また、副走査方向についても、第2副走査ユニット16が副走査方向に移動されることで記録光の投影位置はステップ移動される。この記録光の投影位置の1回の副走査方向への移動量は、印画紙18上に照射される記録光の副走査方向の幅と等しくされる。
【0091】記録すべきカラー画像は、複数の画像範囲に分割されて、この画像範囲毎に露光される。この画像範囲のサイズは、ミラー部55aのサイズに応じて決まり、分割される画像範囲の個数は、ミラー部55aのサイズと、印画紙5に記録すべき画像のサイズによって決まる。
【0092】上記構成によってカラー画像を4回に分割して露光する場合の例を示す図14において、主走査機構26及び副走査機構27によって符号61aに示される初期位置に第2副走査ユニット16がセットされ、この位置でカラー画像を4分割したうちの1番目の画像範囲の露光を行う。この露光では、最初に赤色LED57aの点灯中に、1番目の画像範囲の赤色画像データに基づいて各マイクロミラー6の傾斜を制御して赤色の露光を行う。
【0093】次に、赤色LED57aを消灯してから緑色LED57bを点灯し、この点灯中に1番目の画像範囲の緑色画像データに基づいて各マイクロミラー6の傾斜を制御して緑色の露光を行う。この後、緑色LEDを消灯してから青色LED57cを点灯し、この点灯中に1番目の画像範囲の青色画像データに基づいて各マイクロミラー6の傾斜を制御して青色の露光を行う。上記のようにしてデジタルマイクロミラー装置55を駆動することによって、印画紙18上の領域62aには、カラー画像の1番目の画像範囲が3色で露光される【0094】1番目の画像範囲の露光完了後に、副走査機構27によって第2副走査ユニット16が副走査方向に移動され、符号61bに示す位置にセットされる。1番目の画像範囲と同様にして、赤色、緑色,青色の各LED57a〜57cを順次に点灯させ、その点灯中に2番目の画像範囲の赤色画像データ,緑色画像データ,青色画像データに基づいて各マイクロミラー6の傾斜を制御し、印画紙18上の領域62bにカラー画像の2番目の画像範囲を3色で露光する。
【0095】2番目の画像範囲の露光が完了すると、第2主走査ユニット12が主走査機構26によって主走査方向に移動されることにより、第2副走査ユニット16は、印画紙18に対する位置が符号61cに示す位置となる。そして、この符号61cで示す位置で3番目の画像範囲の露光を行う。この後、第2副走査ユニット16が副走査方向に移動されて、符号61dで示す位置にセットされて、この位置で4番目の画像範囲の露光を行い、1フレーム分の露光が完了する。
【0096】大サイズの印画紙に大きなカラー画像を記録する場合には、各走査ユニットのの主走査方向及び副走査方向への移動回数を増やすことによって対応できる。
【0097】また、この例においても図10に示される例と同様にして、図15に示すように各画像範囲64a〜64dの一部を重複させて1フレーム分の画像を露光すれば、各画像範囲64a〜64dのつなぎ目を目立たなくすることができる。なお、この場合には、第2主走査ユニット12の主走査方向の移動量を記録光の主走査方向の幅よりも小さくし、第2副走査ユニット16の副走査方向への移動量を記録光の副走査方向の幅よりも小さく移動する。また、2つの画像範囲が重なる部分は、本来の「1/2」の露光量で、4つの画像範囲が重複する部分は本来の「1/4」の露光量で、それぞれ1回の露光を行う。もちろん、図11に示される例と同様にして、画像範囲の重複部分の露光量を段階に変化させてもよい。
【0098】図16は、デジタルマイクロミラー装置に光を照射する照明手段をアレイ状光源とした例を示すものである。回路基板80上には、複数個のチップ型のLED81aを1列に並べて配列したLEDアレイ81が形成されている。各LED81aからはそれぞれ白色光が出力され、これらの白色光がマイクロミラー6に色フイルタが形成されたデジタルマイクロミラー装置2に照射される。LEDアレイ81は、それのLED81aが並んだ方向が、マイクロミラーアレイ3〜5の長手方向(マイクロミラーが並んだ方向)に一致するように配されている。なお、LEDアレイ81を構成するLED81aは、それの調整を考慮すると個数が少ない方が好ましい。
【0099】これによれば、LEDアレイ81からの白色光を効率的に各マイクロミラ−アレイ3〜5に照射できるとともに、マイクロミラーアレイ3〜5の長手方向により均一に白色光を照射できるようになる。
【0100】なお、図16の例では、光源としてチップ型のLEDを用いたが通常のリード端子を有するLEDを用いてもよい。また、LEDアレイを複数列としてもよく、マイクロミラーがマトリクス状に配されたデジタルマイクロミラー装置を用いる場合には、LEDアレイを複数列としてマトリクス状に配してもよい。マイクロミラーに色フイルタを設ける代わりに、赤色光を出力するLEDを並べた赤色LEDアレイ,緑色光を出力するLEDを並べた緑色LEDアレイ,青色光を出力するLEDを並べた青色LEDアレイをそれぞれ少なくとも1列ずつ設けたものを用いてもよい。
【0101】さらに、図17に示すように、光ファイバを用いて電球等の光源をアレイ状光源に変換してもよい。光ファイバユニット82は、多数の光ファイバから構成されており、光ファイバの一端83aは例えば2列に整列されており、他端83b側は円柱状に束ねられている。電球84からの光は、各光ファイバの他端83bから入射して、一端83aから射出される。これにより、光ファイバの各一端83aがそれぞれ光源となり、アレイ状光源として機能する。なお、電球84の代わりにLED等の他の光源を用いてもよく、光ファイバの一端をマトリクス状に並べてもよい。
【0102】上記各実施形態では、ミラー方式の空間変調器として、デジタルマイクロミラー装置を用いたが、ミラー方式の空間光変調器としては、微小なピエゾ素子でマイクロミラーを変位させるピエゾ駆動式マイクロミラー装置等を用いることができる。
【0103】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のプリンタによれば、停止中の感光材料に対して、マイクロミラーアレイが少なくとも1列分設けられた空間変調手段からの記録光の投影位置を、投影光学系の少なくとも1部を移動させることによって主走査方向及び副走査方向に移動し、主走査方向に移動する毎に、副走査方向に移動して1フレーム分の画像を感光材料に露光するようにしたから、露光面積の大きい大型サイズの感光材料にも対応でき、また露光ムラの発生をほとんどなくすことができる。さらに、マイクロミラーアレイを照明する照明面積が小さいので、少ない個数の光源、例えばLEDで照明することが可能となり、プリンタの小型化に有利になる他、光源の調整が容易になる。
【0104】また、複数のマイクロミラーをマトリクス状に配列した空間変調手段を用いて、露光すべき画像を分割して露光することで、効率的に露光を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成12年4月20日(2000.4.20)
【代理人】 【識別番号】100075281
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 和憲
【公開番号】 特開2001−305664(P2001−305664A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−119021(P2000−119021)