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【発明の名称】 光変調装置の取付構造、光変調装置の取付方法、およびプロジェクタ
【発明者】 【氏名】宮澤 淳

【要約】 【課題】光変調装置の交換を容易にできること。

【解決手段】液晶パネル141のA−A面を治具400のB−B面に対して最適に位置決めして取付部144を形成する。案内板200のC−C面もプリズム150のX−X軸および投写レンズ160の光軸に対して最適に位置決めする。液晶パネル141の案内板200への取り付け時には、B−B面が転写された取付部144の転写面をC−C面に当接させる。よって、プリズム150に対する液晶パネル141も最適に位置決めされる。従って、新たな液晶パネル141を常に治具400で調整し、かつ取付部144を形成すれば、交換後の液晶パネル141とプリズム150との位置関係も最適に維持され、交換後の位置調整を省略できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プリズムと、光変調装置と、前記プリズムの側面に設けられた固定部材と、当該光変調装置と前記固定部材との間に配置された案内板と、を備えた光変調装置の取付構造であって、前記光変調装置は、位置調整用の治具の治具側基準面に対して位置決めされた状態で形成される取付部を備えているととともに、この取付部には前記治具側基準面を転写した転写面が設けられ、前記案内板および固定部材は、互いに位置調整可能に貫挿し合う固定部をそれぞれ備えているとともに、当該案内板の光入射側には案内板側基準面が設けられ、この案内板側基準面には前記光変調装置の取付部に対応する位置に被取付部が設けられ、前記光変調装置の取付部が前記案内板の被取付部に着脱自在に嵌合していることを特徴とする光変調装置の取付構造。
【請求項2】 請求項1に記載の光変調装置の取付構造において、前記光変調装置は、プリズムの三つの側面のそれぞれに固定された前記案内板に取り付けられ、各案内板は前記三つの側面に跨って一体に設けられた前記固定部材を介して前記プリズムに固定されていることを特徴とする光変調装置の取付構造。
【請求項3】 請求項2に記載の光変調装置の取付構造において、前記固定部材は、前記プリズムの三つの側面に連続して跨り、かつ互いに間隔を空けて平行に配置された二条の跨設部と、これらの跨設部の対向する端部同士を連結する連結部とを備え、各連結部は前記三つの側面のうちの対向する二つの側面の端縁から前記プリズムと投写光学系との隙間に延出していることを特徴とする光変調装置の取付構造。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光変調装置の取付構造において、前記光変調装置を保持するフレームには、当該光変調装置の取付方向に貫通した貫通孔が穿設され、当該光変調装置が設置される前記治具には、前記貫通孔と連通する位置に凹状の取付部形成手段が設けられ、これらの貫通孔および取付部形成手段に充填された樹脂が硬化することで、前記取付部が前記フレームの光出射側に突出した凸状に形成され、かつ前記治具側基準面を転写した転写面が当該取付部に設けられることを特徴とする光変調装置の取付構造。
【請求項5】 請求項4に記載の光変調装置の取付構造において、前記光変調装置の貫通孔は、樹脂充填側の開口部の径寸法が前記治具側の開口部の径寸法よりも大きいことを特徴とする光変調装置の取付構造。
【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の光変調装置の取付構造において、前記治具の取付部形成手段には離型手段が施されていることを特徴とする光変調装置の取付構造。
【請求項7】 請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の光変調装置の取付構造において、前記樹脂は、紫外線硬化型であることを特徴とする光変調装置の取付構造。
【請求項8】 請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の光変調装置の取付構造において、前記治具の取付部形成手段の周囲には、当該取付部形成手段と前記光変調装置のフレームとの間に形成される隙間から前記樹脂が漏れるのを防止する漏れ防止手段が設けられていることを特徴とする光変調装置の取付構造。
【請求項9】 治具側基準面を備えた取付部形成手段を有する治具を用意し、この治具に光変調装置を設置して前記治具側基準面に対する当該光変調装置の位置を治具側理論最適値に基づいて調整し、この光変調装置に前記取付部形成手段によって取付部を形成して前記治具側基準面が転写された転写面を当該取付部に設け、前記取付部に対応する被取付部が設けられた案内板をプリズムに固定する際に、前記被取付部が設けられた案内板側基準面を製品側理論最適値に基づいて前記プリズムに対して位置決めし、この後、前記光変調装置の取付部を前記案内板の被取付部に着脱自在に嵌合して前記取付部の転写面を前記案内板側基準面に当接させることを特徴とする光変調装置の取付方法。
【請求項10】 請求項9に記載の光変調装置の取付方法において、前記製品側のプリズムの三つの側面のそれぞれに、前記光変調装置を前記案内板を介して取り付ける際には、最初の一枚目の案内板についてのみ前記製品側理論最適値に基づいて前記プリズムに対して位置決めし、残りの二枚の案内板を各案内板側基準面の相互理論最適値に基づいて位置決めすることを特徴とする光変調装置の取付方法。
【請求項11】 治具側基準面を備えた取付部形成手段を有する治具と、この治具の光出射側に配置される基準プリズムとを含んで構成された基準光学ユニットを用意し、この基準光学ユニットの前記治具の光入射側に光変調装置を設置して当該光変調装置の位置を投写画像に基づいて調整するとともに、この光変調装置に前記取付部形成手段によって取付部を形成して前記治具側基準面が転写された転写面を当該取付部に設け、前記取付部に対応する被取付部が設けられた案内板を製品側のプリズムに固定する際に、当該案内板の案内板側基準面に設けられた被取付部に前記光変調装置の取付部を着脱自在に嵌合して前記取付部の転写面を前記案内板側基準面に当接させ、この案内板ごと前記光変調装置の位置を投写画像に基づいて再度調整し、再調整された状態のまま前記案内板を前記製品側のプリズムに固定することを特徴とする光変調装置の取付方法。
【請求項12】 複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された色光を合成するプリズムと、このプリズムで合成された光束を拡大投写して投写画像を形成する投写光学系とを備えたプロジェクタであって、前記請求項1ないし請求項8にいずれかに記載の取付構造を有していることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項13】 複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された色光を合成するプリズムと、このプリズムで合成された光束を拡大投写して投写画像を形成する投写光学系とを備えたプロジェクタであって、前記光変調装置は、請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の取付方法で取り付けられていることを特徴とするプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに変調する光変調装置のプリズムへの取付構造、取付方法、およびこれらの取付構造や取付方法が適用された光変調装置を有するプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】従来より、複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに変調する複数の液晶パネルと、各液晶パネルで変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズムと、このプリズムで合成された光束を拡大投写して投写画像を形成する投写レンズとを備えたプロジェクタが利用されている。このようなプロジェクタとしては、例えば、光源から出射された光束をダイクロイックミラーによってRGBの三色の色光に分離するとともに、三枚の液晶パネルにより各色光毎に画像情報に応じて変調し、変調後の光束をプリズムとしてのクロスダイクロイックプリズムで合成し、投写レンズを介してカラー画像を拡大投写する、いわゆる三板式のプロジェクタが知られている。
【0003】このようなプロジェクタにより鮮明な投写画像を得るには、各液晶パネル間での画素ずれ、投写レンズからの距離のずれの発生を防止する必要があり、プロジェクタの製造時において、各液晶パネルのクロスダイクロイックプリズムに対する三次元位置を高精度に調整しなければならない。
【0004】そして、従来は、液晶パネルの三次元位置調整は、三枚の液晶パネル、プリズム、および投写レンズを含む光学ユニットを調整対象として、各液晶パネルの画像形成領域に光束を入射させ、プリズムおよび投写レンズを経た投写画像をスクリーン上に表示し、スクリーン上の投写画像の反射光をCCDカメラ等の検出装置で撮像し、CCDカメラで検出される各液晶パネルのフォーカス、画素位置等を確認しながら、各液晶パネルの相対位置を三次元位置調整装置で調整することにより行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、製品として出荷・販売されたプロジェクタにおいて、限度を越える過酷な使用など、何らかの理由によって液晶パネルに不具合が生じた場合には、液晶パネルの交換が必要になる。
【0006】しかし、前述のように調整された光学ユニットが組み込まれたプロジェクタでは、プロジェクタごと工場等に持ち込み、光学ユニットを取り外して内部の液晶パネルを交換した後、再度光学ユニットを調整対象にして三次元位置を調整する必要があり、液晶パネルの交換作業に多大な時間および手間がかかるという問題がある。
【0007】本発明の目的は、光変調装置の交換を容易にできる光変調装置の取付構造、光変調装置の取付方法、およびプロジェクタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る光変調装置の取付構造は、プリズムと、光変調装置と、前記プリズムの側面に設けられた固定部材と、当該光変調装置と前記固定部材との間に配置された案内板と、を備えた光変調装置の取付構造であって、前記光変調装置は、位置調整用の治具の治具側基準面に対して位置決めされた状態で形成される取付部を備えているととともに、この取付部には前記治具側基準面を転写した転写面が設けられ、前記案内板および固定部材は、互いに位置調整可能に貫挿し合う固定部をそれぞれ備えているとともに、当該案内板の光入射側には案内板側基準面が設けられ、この案内板側基準面には前記光変調装置の取付部に対応する位置に被取付部が設けられ、前記光変調装置の取付部が前記案内板の被取付部に着脱自在に嵌合していることを特徴とする。
【0009】このような構成では、後述する請求項9または請求項11のいずれかに記載の方法で光変調装置をプリズムに取り付けることが可能である。この結果、光変調装置では、(A)製品側のプリズムに取り付けられる以前に、一旦治具を用いて三次元位置が調整されたうえ、調整された状態で案内板の被取付部に対する取付部が形成されること、(B)案内板を介して製品側のプリズムに取り付けられた後でも、三次元位置の調整状態がそのまま確保、または再調整によって確保されることから、光変調装置の交換が必要になった場合には、プリズムに固定された案内板から不良となった光変調装置を外し、この取り外した光変調装置と同じ治具で位置調整されかつ取付部が形成された新たな光変調装置を再度案内板に取り付けることにより、交換後の新たな光変調装置においても、治具で調整された状態がそのまま維持され、交換後の位置調整が不要になる。
【0010】従って、光変調装置の交換時には、プロジェクタ等の装置ごと工場に戻したり、光学ユニットを対象とした大がかりな調整を行う必用がなく、同じ治具で位置調整された新しい光変調装置を使用者側に送り、その場で交換すればよいので、交換作業が容易になる。
【0011】本発明の請求項2に係る光変調装置の取付構造では、前記光変調装置は、プリズムの三つの側面のそれぞれに固定された前記案内板に取り付けられ、各案内板は前記三つの側面に跨って一体に設けられた前記固定部材を介して前記プリズムに固定されていることを特徴とする。
【0012】このような構成では、固定部材が三側面に跨った一体のものであるため、各案内板が少ない部材点数で固定部材に取り付けられるようになるうえ、三側面のそれぞれに個別の固定部材を設ける場合に比し、固定部材自身のプリズムへの取付作業も容易になる。
【0013】本発明の請求項3に係る光変調装置の取付構造では、前記固定部材は、前記プリズムの三つの側面に連続して跨り、かつ互いに間隔を空けて平行に配置された二条の跨設部と、これらの跨設部の対向する端部同士を連結する連結部とを備え、各連結部は前記三つの側面のうちの対向する二つの側面の端縁から前記プリズムと投写光学系との隙間に延出していることを特徴とする。
【0014】このような構成によれば、固定部材にはプリズムの三側面に跨る大きな開口部分が形成されることになるから、プリズムの各側面の光入射面が大きく確保される。また、固定部材の連結部がプリズムと投写光学系との隙間に延出していることにより、この隙間から光が漏れ難くなる。
【0015】本発明の請求項4に係る光変調装置の取付構造では、前記光変調装置を保持するフレームには、当該光変調装置の取付方向に貫通した貫通孔が穿設され、当該光変調装置が設置される前記治具には、前記貫通孔と連通する位置に凹状の取付部形成手段が設けられ、これらの貫通孔および取付部形成手段に充填された樹脂が硬化することで、前記取付部が前記フレームの光出射側に突出した凸状に形成され、かつ前記治具側基準面を転写した転写面が当該取付部に設けられることを特徴とする。
【0016】このような構成では、治具に対してフレームが傾いた状態に位置決めされた場合でも、このような傾きに関係なく、粘性を有した樹脂がフレームの貫通孔と治具の取付部形成手段とに良好に充填され、凸状の取付部および転写面が確実に形成される。
【0017】本発明の請求項5に係る光変調装置の取付構造では、前記光変調装置の貫通孔は、樹脂充填側の開口部の径寸法が前記治具側の開口部の径寸法よりも大きいことを特徴とする。
【0018】このような構成では、治具の取付部形成手段をキャビティとして形成される取付部を光変調装置と一体に脱型する際、貫通孔に充填された樹脂(取付部の基端側)が各開口部の寸法差によって形成される段差やテーパ面に係止されるから、当該貫通孔内から抜け落ちるといった心配がなくなる。
【0019】本発明の請求項6に係る光変調装置の取付構造では、前記治具の取付部形成手段には離型手段が施されていることを特徴とする。
【0020】このような構成では、取付部形成手段に施された離型手段により、取付部の脱型が容易になる。この際、離型手段としては、取付部形成手段の表面に塗布される離型剤、表面に層状に形成されるテフロン(登録商標)等の離型層、または脱型を促すイジェクトピン等を適用できる。
【0021】本発明の請求項7に係る光変調装置の取付構造では、前記樹脂は、紫外線硬化型であることを特徴とする。
【0022】紫外線硬化型の樹脂は通常の状態で軟性を有しているので、他の一般的な樹脂のようにペレットを溶融して軟化させる必用がなく、設備等が簡略化される。また、紫外線の照射量に応じて硬化時間がコントロールされるから、生産ラインのタクトタイム等に応じた硬化時間を設定可能である。さらに、二液性の硬化樹脂ではなく、一液性とすれば、取扱いや管理が容易である。
【0023】本発明の請求項8に係る光変調装置の取付構造では、前記治具の取付部形成手段の周囲には、当該取付部形成手段と前記光変調装置のフレームとの間に形成される隙間から前記樹脂が漏れるのを防止する漏れ防止手段が設けられていることを特徴とする。
【0024】このような構成では、治具に対して光変調装置(フレーム)が傾いた状態に位置決めされ、フレームと取付部形成手段の周囲とが密着しない場合でも、樹脂漏れが確実に防止される。
【0025】本発明の請求項9に係る光変調装置の取付方法は、上述の光変調装置をプリズムに取り付けるための方法であって、具体的には、治具側基準面を備えた取付部形成手段を有する治具を用意し、この治具に光変調装置を設置して前記治具側基準面に対する当該光変調装置の位置を治具側理論最適値に基づいて調整し、この光変調装置に前記取付部形成手段によって取付部を形成して前記治具側基準面が転写された転写面を当該取付部に設け、前記取付部に対応する被取付部が設けられた案内板をプリズムに固定する際に、前記被取付部が設けられた案内板側基準面を製品側理論最適値に基づいて前記プリズムに対して位置決めし、この後、前記光変調装置の取付部を前記案内板の被取付部に着脱自在に嵌合して前記取付部の転写面を前記案内板側基準面に当接させることを特徴とする。
【0026】このような方法では、前述したように、新たな光変調装置へ交換した後では、光変調装置の位置調整が不要になり、交換作業が容易になる。
【0027】本発明の請求項10に係る光変調装置の取付方法では、前記製品側のプリズムの三つの側面のそれぞれに、前記光変調装置を前記案内板を介して取り付ける際には、最初の一枚目の案内板についてのみ前記製品側理論最適値に基づいて前記プリズムに対して位置決めし、残りの二枚の案内板を各案内板側基準面の相互理論最適値に基づいて位置決めすることを特徴とする。
【0028】このような方法では、それぞれの案内板を製品側理論最適値に基づいて位置決めするよりも、案内板間相互、ひいては光変調装置間相互の位置決めがより正確に行える。
【0029】本発明の請求項11に係る光変調装置の取付方法は、治具側基準面を備えた取付部形成手段を有する治具と、この治具の光出射側に配置される基準プリズムとを含んで構成された基準光学ユニットを用意し、この基準光学ユニットの前記治具の光入射側に光変調装置を設置して当該光変調装置の位置を投写画像に基づいて調整するとともに、この光変調装置に前記取付部形成手段によって取付部を形成して前記治具側基準面が転写された転写面を当該取付部に設け、前記取付部に対応する被取付部が設けられた案内板を製品側のプリズムに固定する際に、当該案内板の案内板側基準面に設けられた被取付部に前記光変調装置の取付部を着脱自在に嵌合して前記取付部の転写面を前記案内板側基準面に当接させ、この案内板ごと前記光変調装置の位置を投写画像に基づいて再度調整し、再調整された状態のまま前記案内板を前記製品側のプリズムに固定することを特徴とする。
【0030】このような方法でも、案内板の取付手順に違いがあるものの、請求項9の取付方法と同様な作用効果を奏することができ、本発明の目的が達成される。
【0031】本発明の請求項12に係るプロジェクタは、複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された色光を合成するプリズムと、このプリズムで合成された光束を拡大投写して投写画像を形成する投写光学系とを備えたプロジェクタであって、前記光変調装置は、前記請求項1ないし請求項8にいずれかに記載の取付構造を有していることを特徴とする。
【0032】本発明の請求項13に係るプロジェクタは、複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された色光を合成するプリズムと、このプリズムで合成された光束を拡大投写して投写画像を形成する投写光学系とを備えたプロジェクタであって、前記光変調装置は、請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の取付方法で取り付けられていることを特徴とする。
【0033】従って、これらのプロジェクタにおいても、光変調装置の交換を容易にでき、本発明の目的が達成される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1.プロジェクタの光学系の構造図1には、本発明の実施形態に係る光変調装置の取付構造が適用されたプロジェクタ100の各種光学系の構造が示されている。このプロジェクタ100は、インテグレータ照明光学系110、色分離光学系120、リレー光学系130、電気光学装置140、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム150、および投写光学系としての投写レンズ160を備えている。
【0035】前記インテグレータ照明光学系110は、光源ランプ111Aおよびリフレクタ111Bを含む光源装置111と、第1レンズアレイ113と、第2レンズアレイ115と、反射ミラー117と、重畳レンズ119とを備えている。光源ランプ111Aから射出された光束は、リフレクタ111Bによって射出方向が揃えられ、第1レンズアレイ113によって複数の部分光束に分割され、第2レンズアレイ115の近傍で結像する。第2レンズアレイ115から射出された各部分光束は、その中心軸(主光線)が後段の重畳レンズ119の入射面に垂直となるように入射し、折り返しミラー117によって射出方向を90°折り曲げられる。さらに重畳レンズ119から射出された複数の部分光束は、後述する電気光学装置140を構成する3枚の光変調装置(ライトバルブ)としての液晶パネル141(色光毎に液晶パネル141R,141G,141Bと示す)上で重畳する。前記色分離光学系120は、2枚のダイクロイックミラー121、122と、反射ミラー123とを備え、これらのミラー121、122、123によりインテグレータ照明光学系110から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。前記リレー光学系130は、入射側レンズ131、リレーレンズ133、および反射ミラー135、137を備え、この色分離光学系120で分離された色光、例えば、青色光Bを液晶パネル141Bまで導く機能を有している。
【0036】前記電気光学装置140は、3枚の光変調装置となる液晶パネル141R,141G,141Bを備え、これらは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系120で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル141R,141G,141Bによって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。前記色合成光学系となるクロスダイクロイックプリズム150は、前記3枚の液晶パネル141R,141G,141Bから射出された各色光ごとに変調された画像を合成してカラー画像を形成するものである。尚、プリズム150には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。そして、プリズム150で合成されたカラー画像は、投写レンズ160から射出され、スクリーン上に拡大投写される。
【0037】2.電気光学装置を備えた光学ユニットの構造このようなプロジェクタ100において、電気光学装置140、クロスダイクロイックプリズム150、および投写レンズ160は、光学ユニットとして一体化されている。すなわち、光学ユニット170は、マグネシウム合金製の側面L字状のヘッド体171(図1中に二点鎖線で図示)を備えている。投写レンズ160は、ヘッド体171のL字の垂直面171Aの外側にネジにより固定される。クロスダイクロイックプリズム150は、ヘッド体171のL字の水平面171B上側に同様にネジにより固定されている。
【0038】電気光学装置140を構成する3枚の液晶パネル141R,141G,141Bは、図2、図3に示すように(図2には液晶パネル141Gを代表して示す)、四周が樹脂製のフレーム143で保持され、案内板200および固定部材300を介してプリズム150の側面三方を囲むように配置される。フレーム143の光出射側において、図中上方の二隅および下方側の中央部分には凸状の取付部144が形成され、左右両側には光の入出方向に貫通した取付孔145が穿設されている。
【0039】図4ないし図6において、フレーム143の取付部144は、取付部形成用の治具400を用いて形成される。治具400において、液晶パネル141R,141G,141Bのフレーム143があてがわれる側の側面402には、当該フレーム143の三箇所の貫通孔146に対応した円柱部403が若干突出して設けられている。この円柱部403には、貫通孔146と連通するように取付部形成手段としての凹状のキャビティ404が設けられている。
【0040】キャビティ404は、図6に拡大して示すように、対向する貫通孔146の開口部147よりも大きな内径寸法を有する第1凹部405と、第1凹部405の中央からさらに奥側に向かう第2凹部406とで形成されているとともに、第2凹部406の内径がより小さいことで断面T字形とされ、また、第2凹部406の奥側がテーパ状につぼまっている。このようなキャビティ404はNC制御された工作機械等で製作され、特に第2凹部406の径寸法、第2凹部406間相互の距離寸法、第1凹部405の底面を形成する治具側基準面405Aの平面度、この治具側基準面405Aに対する第2凹部406の直角度が高精度に仕上げられている。
【0041】キャビティ404内には、フレーム143があてがわれた状態で、貫通孔146の開口部149(図6)から一液性の紫外線硬化型の樹脂148が充填される。この樹脂148は、開口部149側から紫外線を照射することで硬化し、この後にフレーム143を治具400から離間させることにより、キャビティ404から脱型した部分が前述の取付部144となる。すなわち、取付部144は、キャビティ404の第1凹部405で形成される円板状の基端部144Aと、第2凹部406で形成される先端部144Bとを有することになり、先端部144Bの突端にはテーパ部144Cが形成され、基端部144Aには前記治具側基準面405Aが転写された転写面144Dが形成される。そして、先端部144Bは径寸法、相互間の距離寸法、転写面144Dに対する直角度が精度よく形成され、転写面144Dの平面度も良好になる。
【0042】この際、キャビティ404の内面および円柱部403の上面部分には予め離型手段としての離型剤407が塗布されており、取付部144の脱型を容易にしている。円柱部403の周縁部分は漏れ防止手段としての面取り部408とされ、フレーム143とキャビティ404との間の隙間に流れ込んだ樹脂148が漏れ出し難くなっている。フレーム143の貫通孔146には、各開口部147,149の径寸法の相違により段差146Aが設けられ、段差146Aが埋没する程度に樹脂148を充填することで、貫通孔146内の樹脂148が脱型時に段差146Aに係止され、貫通孔146から抜けるのを防止している。
【0043】図2に戻って、案内板200は、金属板のレーザー加工、精密プレス加工、NC制御された打抜(パンチング)加工、またはNC制御による金属材の削り出し加工等によって四角枠状に形成されており、液晶パネル141R,141G,141Bごとに設けられる。この案内板200には、液晶パネル141R,141G,141Bに対応した開口部201と、前記フレーム143の取付部144に対応した被取付部としての位置決め孔202と、フレーム143の取付孔145に対応したネジ孔203と、上方の中央部分および下方の二隅に穿設された一方の固定部としてのガイド孔204とが設けられ、案内板200の光入射側の側面は案内板側基準面205になっている。これらのうち特に、位置決め孔202の内径寸法は、取付部144の先端部144Bの外形寸法と略同じであり、この内径寸法、各位置決め孔202間相互の距離寸法、案内板側基準面205の平面度、案内板側基準面に対する位置決め孔202の直角度は、前述した加工手段によって高精度に仕上げられている。これは、各位置決め孔202に対して各取付部144の先端部144Bを正確かつ確実に挿入するためである。
【0044】固定部材300は、やはり金属板の曲げ加工や打抜加工等によって平面コ字形とされており、各案内板200が取り付けられる部分が一体に形成されている。具体的には、固定部材300は、クロスダイクロイックプリズム150の三側面に跨って折曲し、かつ互いに上下に間隔を空けて設けられた二条の跨設部301と、各跨設部301の両端間を上下に連結する連結部302とで形成されている。これにより各部301,302で囲まれる部分には、プリズム150の三側面にわたって連続した開口が形成され、各側面間のコーナー部分では開口が仕切られず、光入射面が大きく確保されるというメリットがある。跨設部301には、各案内板200のガイド孔204に対応した他方の固定部としての突起303が切り起こし加工等によって形成されている。この突起303の外周の大きさはガイド孔204の内径寸法に比べて十分に小さく、互いに貫挿した状態で案内板200の固定部材300に対する位置を調整できるようになっている。連結部302は、図1にも示すように、プリズム150と投写レンズ160(ヘッド体171の垂直面171A)との隙間に延出しており、光が隙間から漏れるのを防いでいる。
【0045】以上のような案内板200、固定部材300を用いた場合、先ず、固定部材300をクロスダイクロイックプリズム150に固定し、この固定部材300に案内板200を固定し、案内板200に液晶パネル141R,141G,141B側の取付部144を挿入してネジ145Aで固定する。以下には、液晶パネル141R,141G,141Bの取付方法を図7をも参照してさらに詳しく説明する。
【0046】3.光変調装置の取付方法ステップ1(以下、「ステップ」を「ST」と略す):先ず、治具400および液晶パネル141付きのフレーム143を図示しない三次元位置調整装置に設置し、フレーム143を治具400にあてがう。ここで、図5、図6にも示すように、液晶パネル141の光入射面等で形成されるパネル側基準面をA−A面で示し、治具400の治具側基準面405AをB−B面で示した場合、このB−B面に対するA−A面の最適な三次元位置(例えば、互いの基準面同士が平行で所定間隔離れた位置)が治具側理論最適値として予め設定されている。そこで、位置調整装置により、治具400のB−B面に対する液晶パネル141のA−A面の位置が最適値となるように、フレーム143を画像処理手段等を駆使して位置決めする。
【0047】この位置決めの後、位置調整装置でフレーム143を保持させたまま、フレーム143の貫通孔146内に紫外線硬化型樹脂148(図6)を充填し、離型剤が塗布された治具400のキャビティ404内および貫通孔146内を樹脂148で満たす。この時、液晶パネル141の位置調整の結果、治具400に対してフレーム143が傾き、これらの間に隙間が生じても、図6で説明したように、樹脂148が当該隙間から漏れる心配がない。樹脂148の充填が終了したら、樹脂148に紫外線を照射して硬化させ、この後に位置調整装置の移動機構を駆動させて液晶パネル141を治具400から離間させるとともに、樹脂148をキャビティ404から脱型させて取付部144を得る。
【0048】ST2:次に、製品となるプロジェクタ100に搭載される光学ユニット170の調整について説明する。この光学ユニット170も同様に、三次元位置調整装置に設置する。この際、クロスダイクロイックプリズム150には予め固定部材300を接着等によって固定しておく。そして、位置調整装置を使用して三枚の案内板200を固定部材300に固定する。これらの固定にあたっては、図2に示すように、先に一枚の案内板200のガイド孔204と跨設部301の突起303とを遊嵌させ、この状態でプリズム150の合わせ面で形成されるX−X軸および投写レンズ160の光軸に対し、案内板200の位置調整を行う。この際、案内板200の案内板側基準面205をC−C面で示すと、このC−C面のX−X軸および投写レンズ160の光軸に対する最適な三次元位置を製品側理論最適値として予め設定しておき、この最適値になるように画像処理手段等を駆使して案内板200を位置決めする。そして、位置決めの後、ガイド孔204に紫外線硬化型の樹脂等を充填するとともに、紫外線を照射して硬化させることにより、突起303をガイド孔204内で固定し、ひいては案内板200を固定部材300に固定する。
【0049】この固定に続いて、図示しないが、残り二枚の案内板200を固定部材300に固定する。ただし、この際の固定は、最初の案内板200の基準面205つまりはC−C面を基準にする。この場合でも、案内板200間相互の最適な位置関係は相互理論最適値として予め設定されており、この最適値に基づいて残り二枚の案内板200の三次元方向の位置決めを行い、同様に固定する。残り二枚の位置決めとして相互理論最適値を用いるのは、全ての案内板200をクロスダイクロイックプリズム150のX−X軸および投写レンズ160の光軸に対して位置決めするより、案内板200間相互の位置、ひいては各案内板200に取り付けられる液晶パネル141R,141G,141B間相互がより正確に位置決めされ、画素ずれが一層生じ難くなるからである。
【0050】ST3:次に、取付部144が形成されたフレーム143を各案内板200に取り付ける。すなわち、先端部144Bを位置決め孔202に挿入嵌合し、かつ基端部144Aの転写面144Dを案内板側基準面205と当接させる。このような挿入作業も、位置調整装置の把持部でフレーム143をチャッキング等し、移動機構を駆動させることで行う。そして、ネジ145Aをフレーム143の取付孔145に挿入してネジ孔203と螺合させ、このフレーム143を介して液晶パネル141を案内板200に取り付ける。これにより、各液晶パネル141は、取付箇所に応じてそれぞれ液晶パネル141R,141G,141Bとなる。また、取付部144を確実に位置決め孔202に嵌合させることにより、案内板200のC−C面はそのままB−B面と同等とみなすことができる。従って、各部材間がそれぞれの最適値で固定さることになり、最終的には、液晶パネル141R,141G,141BのA−A面がクロスダイクロイックプリズム150のX−X軸に対して理論的に最適値に位置決めされることになる。
【0051】ST4:ところで、このような光学ユニット170が搭載されたプロジェクタ100が出荷・販売されて市場に出た後、何らかの理由でいずれかの液晶パネル(例えば、図7に示す液晶パネル141G)を交換する必要が生じた場合には、ネジ145Aを外した後に案内板200から既設の液晶パネル141Gをフレーム143ごと抜き取り、新たな液晶パネル141(図7中に二点鎖線で図示)と交換すればよい。ここで、新たな液晶パネル141は、当初の液晶パネル141と同じ治具400を用いて三次元位置が調整され、かつ各取付部144が形成されたものである。このため、新たな液晶パネル141を案内板200に組み込むだけで、組み込み後の位置も最適値に確保されることになる。
【0052】4.実施形態の効果以上のような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)液晶パネル141のパネル側基準面(A−A面)は、治具400の基準面405A(B−B面)に対して最適な三次元位置に位置決めされ、この状態でフレーム143に取付部144が形成される。また、案内板200の基準面205(C−C面)もクロスダイクロイックプリズム150(X−X軸)側に対して最適な三次元位置に位置決めされる。そして、液晶パネル141を案内板200に取り付ける際には、治具側基準面405Aが転写された取付部144の転写面144Dを案内板側基準面205に当接させる。このことにより、転写面144Dが当接された案内板側基準面205を治具側基準面405Aと同等と見なすことができ、案内板200に対する液晶パネル141の位置を治具400にあてがわれた時と同様に最適値にできる。従って、液晶パネル141、案内板200、プリズム150間のそれぞれにおいて最適値が確保されることになり、当然にプリズム150に対する液晶パネル141の三次元位置も最適にでき、フォーカスやアライメントが正しく設定されて良好な投写画像を得ることができる。
【0053】そして、このような液晶パネル141を交換する場合には、液晶パネル141からフレーム143ごと抜き取り、同じ治具400で三次元位置の調整が成された新たな液晶パネル141と単に交換すればよく、交換後の液晶パネル141とプリズム150との位置関係も最適に維持されるから、交換後の位置調整を省くことができ、交換作業を容易に行える。
【0054】(2)液晶パネル141R,141G,141Bの交換にあたっては、RGBの各色光に関係なく、同じ治具400で位置調整された液晶パネル141と交換できる。このため、各色光毎に専用の治具400を設ける必用がないから、交換用として製作される液晶パネル141も一種類となり、交換パーツとして物違いを生じることがなく、生産管理や在庫管理等も容易にできる。
【0055】(3)三枚の案内板200のうち、最初の案内板200をクロスダイクロイックプリズム150に対して前述のように位置決めした後は、残り二枚の案内板200を最初の案内板200の基準面205を基準に位置決めするので、案内板200間相互を相互理論最適値に基づいて最適に位置決めでき、全ての案内板200をプリズム150のX−X軸に対して位置決めするより、案内板200間相互の位置、ひいては各案内板200に取り付けられる液晶パネル141R,141G,141B間相互をより正確に位置決めでき、画素ずれを一層生じ難くできる。
【0056】(4)固定部材300は、クロスダイクロイックプリズム150の三側面に跨る一体物であるため、各案内板200を少ない部材点数でプリズム150側に取り付けることができる。また、プリズム150の三側面それぞれに固定部材を設ける必用がないので、固定部材300自身のプリズム150側への取付作業も容易にできる。
【0057】(5)固定部材300には、間隔を空けて設けられた二条の跨設部301とこれらの端部同士を連結する連結部302とにより、クロスダイクロイックプリズム150の三側面に連続した大きな開口が形成されるから、各側面の光入射面を大きく確保できる。また、固定部材300の連結部302は、プリズム150と投写レンズ160との隙間に延出しているので、この隙間から光を漏れ難くできる。
【0058】(6)転写面144Dを備えた取付部144は、互いに連通した治具400のキャビティ404とフレーム143の貫通孔146とに樹脂148を充填することで形成されているため、治具400に対してフレーム143が傾いた状態に位置決めされた場合でも、このような傾きに関係なく、粘性を有した樹脂148を貫通孔146とキャビティ404とに良好に充填でき、凸状の取付部144および転写面144Dを確実に形成できる。従って、液晶パネル141のパネル側基準面と取付部144との位置関係を常に一定に形成することが可能である。
【0059】(7)貫通孔146には、樹脂148充填側の開口部147,149の径寸法の相違によって段差146Aが設けられているので、貫通孔146に充填された樹脂148による取付部144の脱型時に段差146Aに係止させることができ、貫通孔146内から取付部144の基端側が抜け落ちるのを防止できる。
【0060】(8)治具400のキャビティ404の内面および円柱部403の上面部分には離型剤407が塗布されているので、取付部144の脱型を容易にできる。この際、離型手段としては、取付部形成手段の表面に塗布される離型剤、表面に層状に形成されるテフロン等の離型層、または脱型を促すイジェクトピン等を適用できる。
【0061】(9)取付部144を形成する樹脂148は、通常の状態で軟性を有している紫外線硬化型であるから、他の一般的な樹脂のようにペレットを溶融して軟化させる必用がなく、設備等を簡略化できる。また、紫外線の照射量に応じて硬化時間をコントロールできるから、生産ラインのタクトタイム等に応じた硬化時間を設定できる。さらに、樹脂148は二液性の硬化樹脂ではなく、一液性なので、取扱いや管理を容易にできる。
【0062】(10)治具400において、円柱部403の周縁部分には漏れ防止手段としての面取り部408が設けられているので、フレーム143とキャビティ404との間に隙間が生じても、この隙間に流れ込んだ樹脂148が大きく漏れ出すのを防止でき、特に、液晶パネル141の光出射面等への樹脂漏れを防止することで、画像への影響をなくすことができる。
【0063】なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0064】例えば、図8には液晶パネル141の別の取付方法が示されている。この方法は、液晶パネル141に実際に光束を入射させて治具400およびクロスダイクロイックプリズム150に対する液晶パネル141の位置調整を行うものであり、以下に詳説する。ただし、前記実施形態と重複する説明を省略または簡略化する。
【0065】ST1:先ず、基準となる光学ユニット500を用意する。この基準光学ユニット500は、治具400と、フォーカスおよびアライメントなどの調整用の基準クロスダイクロイックプリズム501と、基準投写レンズ502とを備えている。このような基準光学ユニット500を用い、基準プリズム501の三側面に沿ってそれぞれ治具400を配置する(図では、一つのみを図示)。しかし、ここでは、基準プリズム501に対する治具400の治具側基準面405A(図6)の位置をさほど厳密に調整する必要はなく、治具400をずれないように確実に固定しておけばよい。また、治具400には、液晶パネル141に対応して開口部401が設けられ、光束を透過させることが可能である。
【0066】ST2:続いて、それぞれの治具400の光入射側にフレーム143で保持された液晶パネル141すなわち液晶パネル141R,141G,141B(液晶パネル141Gのみを図示)をあてがい、実際に光束を入射させて投影画像をスクリーン503上に表示し、スクリーン503上の投写画像をCCDカメラ等の検出装置で撮像し、CCDカメラで検出される各液晶パネル141R,141G,141Bのフォーカス、画素位置等を確認しながら、液晶パネル141R,141G,141Bの三次元位置をフレーム143ごと調整装置で調整する。この調整の後、位置調整装置で液晶パネル141R,141G,141Bを保持させたまま、各フレーム143の貫通孔146内に紫外線硬化型樹脂148(図6)を充填し、硬化させ、脱型させて取付部144を得る。
【0067】ST3:次に、製品側では、光学ユニット170も同様に、三次元位置調整装置に設置する。この際にも、クロスダイクロイックプリズム150には予め固定部材300を接着等によって固定しておく。
【0068】ST4:そして、取付部144を有した液晶パネル141R,141G,141Bの各フレーム143を案内板200に取り付ける。具体的には、先端部144Bを位置決め孔202に挿入嵌合し、かつ基端部144Aの転写面144Dを案内板側基準面205と当接させる。さらに、この取付状態のまま、案内板200のガイド孔204と跨設部301の突起303とを遊嵌させる。この後、光束を再度液晶パネル141R,141G,141Bに入射させ、液晶パネル141R,141G,141Bを各案内板200ごと先程と同様にして位置調整する。この位置調整後、案内板200と固定部材300とを紫外線硬化型樹脂等で固定する。なお、案内板200と固定部材300との固定部分に樹脂を充填する際、この固定部分がフレーム143で塞がれないように、フレーム143に切欠部等を設けておくことが好ましい。
【0069】以上で製品としての位置調整が完了する。
【0070】ST5:一方、市場での液晶パネル141の交換には、同じ基準光学ユニット500(含治具400)で調整された新たな液晶パネル141R,141G,141Bを用いればよい。
【0071】以上説明した方法によっても、前述した(1)を同様に得ることができるうえ、第1実施形態とは別の以下の効果がある。
【0072】(11)本例の方法では、液晶パネル141R,141G,141Bの位置を調整する際には、スクリーン503上に実際に画像を投写させて行うため、フォーカスや画素ずれを実写レベルで調整することができ、より誤差の少ない正確な調整を行える。
【0073】図9には、フレーム143に設けられる取付部144および貫通孔146の変形例が示されている。図9の取付部144は別体の取付部材600で形成されている。このような取付部材600は、樹脂の成形品であり、前記実施形態でのキャビティ404に相当する凹部409内に予めセットされ、取付部材600の端部が貫通孔146に埋設されるようにフレーム143をあてがう。また、取付部材600の端部にはフランジ601が設けられており、このフランジ601が貫通孔146内で樹脂148によって固定されると、樹脂148に対するアンカー効果を発揮し、取付部材600が容易に抜けるのを防止している。一方、貫通孔146は治具400側に向かって先細りとなるテーパ面で形成されており、このような場合でも、前記実施形態と同様、硬化した樹脂148が貫通孔146から抜けるのを防止できる。
【0074】前記実施形態のクロスダイクロイックプリズム150は3つの色光を合成するものであったが、本発明の光変調装置の取付構造は、色合成以外のプリズムに液晶パネル(液晶パネルは、3つである必要はない)を取り付ける場合にも適用可能である。例えば、色合成以外のプリズムとしては、偏光ビームスプリッタなどであってもよく、また、反射型の液晶パネルを用いたプロジェクタでは、色合成の光路と色分離の光路とが同じになる場合があるが、このような場合に用いられる色分離・合成プリズであってもよい(この場合、プリズムには反射型パネルが取り付けられる)。また、プリズムの基本的な構造としては、筐体内にミラーを配置し、この筐体内を液体で満たした構造であってもよい。
【0075】さらに、本発明に係る光変調装置は液晶パネルに限定されるものではなく、例えば、1つ1つの画素が小さなミラーで構成され、このミラーの角度を変える(出射光の角度を変える=変調する)ことでON−OFF制御されるミクロミラーを用いたデバイスであってもよい。
【0076】その他、本発明に係るフレーム、案内板、固定部材、治具、およびこれらに設けられる取付部、被取付部、固定部、離型手段、漏れ防止手段等の具体的な形状や、案内板に対するフレームの固定構造、さらに、樹脂を含めた各部材の材質などは、本発明の目的を達成できる範囲で任意に決定してよく、前記実施形態に限定されるものではない。
【0077】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、光変調装置の交換時には装置ごと工場棟に持ち込んで位置調整を行う必要がなく、光変調装置の交換を容易にできるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成12年4月19日(2000.4.19)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉 (外1名)
【公開番号】 特開2001−305658(P2001−305658A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−118146(P2000−118146)