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【発明の名称】 投影装置
【発明者】 【氏名】緒方 克彦

【要約】 【課題】プロジェクターからの画像を精度良く、瞬時にかつ小さな動力で対象面に結像できる投影装置を提供する。

【解決手段】プロジェクター11からの投射光をミラー12に反射させ、プロジェクター11からの原画像を対象面に結像する投影装置10であって、ミラー12の傾斜角度を制御する傾斜角度制御機構と、ミラー12をプロジェクター11からの投射光の光軸を中心にして旋回させる旋回角度制御機構とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プロジェクターからの投射光をミラーに反射させ、前記プロジェクターからの原画像を対象面に結像する投影装置であって、前記ミラーの傾斜角度を制御する傾斜角度制御機構と、前記ミラーを前記プロジェクターからの投射光の光軸を中心にして旋回させる旋回角度制御機構とを備えたことを特徴とする投影装置。
【請求項2】 複数のプロジェクターからの投射光を、それぞれに設けられているミラーを介して1又は複数の対象面に照射し、前記各プロジェクターからの原画像を前記対象面に結像する投影装置において、前記各ミラーの傾斜角度φ及び旋回角度θと、前記各プロジェクターのズーム度Zと、前記各プロジェクターの最適フォーカス値Fとを含む投射条件を、対応する前記1又は複数の対象面に対して予め実験して求めてデータ記憶部に記憶させておき、該データ記憶部に記憶された前記投射条件のデータ値に基づいて前記各プロジェクターからの原画像の再生を行う制御装置を備えることを特徴とする投影装置。
【請求項3】 請求項2記載の投影装置において、投影しようとする新たな対象面に対する投射条件のデータ値が前記データ記憶部にない場合で、しかも、前記新たな対象面の位置及び大きさが分かっている場合に、該データ記憶部に収納されている前記対象面毎のデータ値から補間法によって、前記各ミラーの傾斜角度φ及び旋回角度θと、前記各プロジェクターのズーム度Zと、前記各プロジェクターの最適フォーカス値Fを求める演算手段が前記制御装置に設けられていることを特徴とする投影装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクターからの原画像を、プロジェクターを動かすことなく対象面に結像することが可能な投影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プロジェクターからの原画像を対象面に結像する場合は、プロジェクターを直接動かし、対象面に結像する画像の位置を変えている。これにより、対象面に結像した画像の位置を変えることや、他の方向に存在する新たな対象面に画像を結像すること、更には対象面に結像した画像を、対象面に結像した状態で動かすことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、映画のスクリーン等のように、プロジェクターからの原画像を結像する対象面が大型の場合は、対象面の照度を確保するため、プロジェクターの大きさを大きくする必要があり、プロジェクターの重量が重くなっていた。従って、プロジェクターを動かし、対象面に結像する画像の位置を動かす場合、以下の問題が発生していた。
(1)対象面に結像する画像を、対象面に結像した状態で速く動かそうとする場合、プロジェクターを速く動かす必要があるが、プロジェクターは重量物であるため、対象面に結像する画像の動きは鈍くなる。
(2)プロジェクターの位置調整を自動で行う場合、プロジェクターを目的の位置に止めようとしても、プロジェクターは重量物であるため、プロジェクターに慣性力が働き微調整が難しい。
(3)プロジェクターの位置調整を自動で行う場合、プロジェクターは重量物であるため、プロジェクター本体を動かすための動力が大きくなる。本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、プロジェクターからの原画像を精度良く、瞬時にかつ小さな動力で対象面に結像できる投影装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発明に係る投影装置は、プロジェクターからの投射光をミラーに反射させ、プロジェクターからの原画像を対象面に結像する投影装置であって、ミラーの傾斜角度を制御する傾斜角度制御機構と、ミラーをプロジェクターからの投射光の光軸を中心にして旋回させる旋回角度制御機構とを備えている。これにより、プロジェクターを動かすことなく、プロジェクターからの原画像を、対象面のあらゆる位置に結像でき、更に対象面に結像した画像を、対象面に結像した状態で動かすことが可能となる。
【0005】前記目的に沿う第2の発明に係る投影装置は、複数のプロジェクターからの投射光を、それぞれに設けられているミラーを介して1又は複数の対象面に照射し、各プロジェクターからの原画像を対象面に結像する投影装置において、各ミラーの傾斜角度φ及び旋回角度θと、各プロジェクターのズーム度Zと、各プロジェクターの最適フォーカス値Fとを含む投射条件を、対応する1又は複数の対象面に対して予め実験して求めてデータ記憶部に記憶させておき、データ記憶部に記憶された投射条件のデータ値に基づいて各プロジェクターからの原画像の再生を行う制御装置を備えている。これにより、投射条件がデータ記憶部に記憶できるので、各プロジェクターからの原画像を対象面に結像する場合、再度投射条件を設定し直すことなく結像することが可能となる。ここで、前記目的に沿う第2の発明に係る投影装置において、投影しようとする新たな対象面に対する投射条件のデータ値がデータ記憶部にない場合で、しかも、新たな対象面の位置及び大きさが分かっている場合に、データ記憶部に収納されている対象面毎のデータ値から補間法によって、各ミラーの傾斜角度φ及び旋回角度θと、各プロジェクターのズーム度Zと、各プロジェクターの最適フォーカス値Fを求める演算手段が制御装置に設けられていることが好ましい。これにより、投射条件のデータ値をすべてデータ記憶部に記憶させることなく、各プロジェクターからの原画像を対象面に結像することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る投影装置の斜視図、図2(A)、(B)はそれぞれ同投影装置の側面図、平面図、図3は本発明の第2の実施の形態に係る投影装置の構成図、図4(A)、(B)、(C)はそれぞれ同投影装置を利用し対象面に結像した画像の正面図、図5(A)、(B)はそれぞれ同投影装置を適用した実施例の正面図、平面図である。
【0007】図1、図2(A)、(B)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る投影装置10は、プロジェクター11からの投射光をミラー12に反射させ、プロジェクター11からの原画像を対象面(図示しない)に結像する投影装置である。また、この投影装置10は、ミラー12の傾斜角度を制御する傾斜角度制御機構と、ミラー12をプロジェクター11からの投射光の光軸を中心にして旋回させる旋回角度制御機構とを備えている。以下、詳しく説明する。プロジェクター11は、例えば液晶のプロジェクターであり、このプロジェクター11からの原画像を対象面に結像するレンズ部13を備えている。このレンズ部13には、レンズ部13の上方にミラー12を取付けるための取付け部材14が、プロジェクター11からの投射光の光軸と平行に取付けられている。また、ミラー12は、固定部材の一例である鉄心15を中心として回動自在に取付け部材14に取付けられ、プロジェクター11からの投射光を反射可能としている。
【0008】ここで、ミラー12を取付け部材14に固定する鉄心15の一端部には、ミラー12の傾斜角度φを変える傾斜角度モータの一例であるパルスモータ16が備えられている。そして、レンズ部13の側部には、ミラー12をプロジェクター11からの投射光の光軸を中心にして旋回させることが可能なように、ミラー12の旋回角度θを変える旋回角度モータの一例であるパルスモータ17が備えられている。また、ミラー12の傾斜角度φを変えるパルスモータ16は、初期値の設定後に作動し、作動後はミラー12の傾斜角度φを調整する傾斜角度調整部(図示しない)により傾斜角度φが調整され、ミラー12の傾斜角度φを制御する構成となっている。一方、ミラー12の旋回角度θを変えるパルスモータ17も、初期値の設定後に作動し、作動後はミラー12の旋回角度θを調整する旋回角度調整部(図示しない)により旋回角度θが調整され、ミラー12をプロジェクター11からの投射光の光軸を中心にして旋回させる構成となっている。従って、傾斜角度制御機構及び旋回角度制御機構は、それぞれパルスモータ16と傾斜角度調整部及びパルスモータ17と旋回角度調整部により構成されている。
【0009】なお、ミラー12の傾斜角度調整部とミラー12の旋回角度調整部とは、それぞれプログラムとして制御用コンピュータ(図示しない)内に構成されている。ここで、制御用コンピュータには、ディスプレイ、キーボード及びマウスが含まれている。また、本実施の形態ではミラー12の傾斜角度φとミラー12の旋回角度θを変えるモータには、それぞれパルスモータ16、17を使用し、傾斜角度φと旋回角度θをそれぞれパルスモータ16、17の回転数(即ち、パルス数)によって変化させているが、通常のモータとロータリエンコーダを組合せて、モータの回転軸の回転角変位をデジタル量に変換し、傾斜角度φと旋回角度θをそれぞれ変化させることも可能である。
【0010】更に、レンズ部13には、プロジェクター11からの原画像を対象面に結像する際、結像した画像の大きさを調節可能とするズーム機能が備えられ、プロジェクター11のズーム度Zを調整することが可能な構成となっている。更に、このレンズ部13には、プロジェクター11のズーム度Zを調整した後、プロジェクター11の最適フォーカス値Fが得られるように、フォーカス機能が備えられている。これにより、容易に対象面に結像する画像の大きさを調節することができる。また、プロジェクター11には、壁や天井等に容易に取付けが可能となるように、プロジェクター11を壁や天井等に取付けても落ちることがない程度の強度を持っているハンガー部18が取付けてある。これにより、プロジェクター11は、容易に壁や天井等に取付けることが可能となる。
【0011】従って、プロジェクター11を動かすことなく、プロジェクター11からの投射光をミラー12に反射させ、プロジェクター11からの原画像を対象面に結像することが可能となる。このため、投影装置10を、人手を介して移動させる必要がないので、瞬時に精度良く、そして、小さな動力でプロジェクター11からの原画像を対象面に結像することが可能となる。
【0012】続いて、本発明の第2の実施の形態に係る投影装置20について、図3を参照しながら説明するが、変更箇所以外の部材は、前記した本発明の第1の実施の形態に係る投影装置10に使用されたものと同じであるため、同一部材には同一の番号を付し、説明を省略する。本発明の第2の実施の形態に係る投影装置20は、複数(この実施の形態では4台)のプロジェクター11からの投射光を、それぞれに設けられているミラー12を介して1又は複数(例えば2〜6)の対象面(図示しない)に照射し、各プロジェクター11からの原画像を対象面に結像する投影装置である。また、この投影装置20には、制御用コンピュータ21と画像用コンピュータ22とを有する制御装置23が備えられ、この制御装置23はマルチマトリックスボックス24を介して各プロジェクター11に接続されている。以下、詳しく説明する。
【0013】マルチマトリックスボックス24は、制御装置23からの信号を各プロジェクター11に送るための切換え装置である。制御用コンピュータ21内には、プログラムとして、各ミラー12の傾斜角度調整部25と、各ミラー12の旋回角度調整部26とが構成され、しかも第1の演算手段27と、第1のデータ記憶部28が備えられている。従って、第1のデータ記憶部28は、各ミラー12の傾斜角度φ及び旋回角度θを記憶することが可能である。一方、画像用コンピュータ22内には、プログラムとして、プロジェクター11のズーム度調整部29と、プロジェクター11のフォーカス値調整部30とが構成され、しかも原画像を記憶する画像HD31と、第2の演算手段32と、第2のデータ記憶部33が備えられている。従って、第2のデータ記憶部33は、各プロジェクター11のズーム度Zと、各プロジェクター11の最適フォーカス値Fを記憶することが可能である。なお、制御用コンピュータ21と画像用コンピュータ22には、それぞれディスプレイ、キーボード及びマウス(図示しない)が含まれている。
【0014】このように構成することで、制御装置23により、各ミラー12の傾斜角度φ及び旋回角度θと、各プロジェクター11のズーム度Zと、各プロジェクター11の最適フォーカス値Fとを含む投射条件を、対応する1又は複数の対象面に対して予め実験して求めて第1、第2のデータ記憶部28、33に記憶させることが可能となる。これにより、第1、第2のデータ記憶部28、33に記憶された投射条件のデータ値に基づいて、画像HD31から各プロジェクター11へ原画像を送り、対象面にプロジェクター11からの原画像の再生を行うことが可能となる。従って、各プロジェクター11からの原画像を結像する対象面に対して、再度投射条件のデータ値を入力し直すことなく、第1、第2のデータ記憶部28、33に記憶された投射条件のデータ値に基づいて、各プロジェクター11からの原画像の再生を瞬時に行うことが可能となる。
【0015】また、第1、第2の演算手段27、32は、投影しようする新たな対象面(図示しない)に対する投射条件のデータ値が第1、第2のデータ記憶部28、33にない場合で、しかも、新たな対象面の位置及び大きさが分かっている場合に使用することが可能である。この場合、第1、第2の演算手段27、32を用いて、第1、第2のデータ記憶部28、33に収納されている対象面毎のデータ値から補間法によって、各ミラー11の傾斜角度φ及び旋回角度θと、各プロジェクター11のズーム度Zと、各プロジェクター11の最適フォーカス値Fを求めることが可能である。これにより、投影しようとする新たな対象面に対する投射条件のデータ値を、全て実験によって求めることなく、各プロジェクター11のデータ値を演算することで容易に求めることが可能となる。
【0016】次に、本発明の第2の実施の形態に係る投影装置20の動作方法について、対象面に対する投射条件のデータ値を、(1)第1、第2のデータ記憶部28、33に記憶させる場合と、(2)新たな対象面に対する投射条件のデータ値が、第1、第2のデータ記憶部28、33にない場合のそれぞれについて説明する。
(1)対象面に対する投射条件のデータ値を、第1、第2のデータ記憶部28、33に記憶させる場合まず、例えばキーボードにより、各ミラー12の傾斜角度φ及び旋回角度θと、各プロジェクターのズーム度Zと、各プロジェクターの最適フォーカス値Fとを含む投射条件(初期値)をそれぞれ入力(設定)する。これにより、各ミラー12の傾斜角度φを変えるパルスモータ16が作動し、作動後は各ミラー12の傾斜角度φを調整する傾斜角度調整部25により傾斜角度φが調整され、各ミラー12が傾斜する。続いて、傾斜角度φの調整後、各ミラー12の旋回角度θを変える各パルスモータ17が作動し、作動後は各ミラー12の旋回角度θを調整する旋回角度調整部26により旋回角度θが調整され、各ミラー12が旋回する。
【0017】傾斜角度φ及び旋回角度θの調整が終了した後、ズーム度調整部29により各プロジェクター11のズーム度Zを調整し、更に各プロジェクター11の最適フォーカス値Fが得られるように、フォーカス値調整部30により調整される。各ミラー12の傾斜角度φ及び旋回角度θと、各プロジェクター11のズーム度Zと、各プロジェクター11の最適フォーカス値Fとを調整した後、更に微調整(例えば、データ値の再入力等)を行うことで、投射条件のデータ値を求める。上気した方法で、対象面に対して予め実験して投射条件のデータ値を求め、第1、第2のデータ記憶部28、33にそれぞれ記憶させる。
【0018】従って、図4(A)、(B)、(C)にそれぞれ示すように、例えば、上下左右に配置された画像34a〜34d、横方向に配置された画像35a〜35d、大きさの異なる画像36a〜36dを、予め実験して投射条件を求め、第1、第2のデータ記憶部28、33に投射条件(傾斜角度φ、旋回角度θ、ズーム度Z、最適フォーカス値F)のデータ値を記憶させておくことで、各プロジェクター11からミラー12を介して対象面に結像された画像の位置を様々に、すなわち、図4(A)、(B)、(C)のいずれか1つの画像群から、(A)、(B)、(C)のいずれか1つの他の画像群に変更して瞬時に対象面に結像させることが可能となる。なお、ここでは、4台のプロジェクター11を使用した場合について示したが、使用用途に応じて、1〜3台、又は5台以上とすることも可能である。
【0019】(2)新たな対象面に対する投射条件のデータ値が、第1、第2のデータ記憶部28、33にない場合新たな対象面の位置及び大きさが分かっていれば、第1、第2のデータ記憶部28、33に収納されている対象面毎のデータ値から投射条件を求めることが可能である。従って、例えば図4(B)に示すように、両端の画像35a、35dの対象面のデータ値が第1、第2のデータ記憶部28、33に収納され、中央部2枚の画像35b、35cの対象面のデータ値が第1、第2のデータ記憶部28、33に収納されてない場合、第1、第2のデータ記憶部28、33に収納されている対象面毎のデータ値から補間法によって、ミラー12の傾斜角度φ及び旋回角度θと、プロジェクター11のズーム度Zと、プロジェクター11の最適フォーカス値Fとを第1、第2の演算手段27、32により求めることが可能となる。
【0020】ここで、前記した補間法について説明する。まず、対象面に結像する画像の投射条件をf(X)の関数として表すことにより、Xのとびとびの値X0 、X1 、X2 、・・・、Xn に対して、関数f(X)の値f0 、f1 、f2 、・・・、fn をそれぞれ求めることができる。このとき、関数f(X)上にある任意の値Xに対するf(X)の値を求めることが可能となる。なお、ここで、Xn にはミラー12の傾斜角度φn 、旋回角度θn 、プロジェクター11のズーム度Zn 、プロジェクター11の最適フォーカス値Fn がそれぞれ対応する。これにより、第1、第2のデータ記憶部28、33にある投射条件のデータ値を用いることで、関数f(X)を求めることができるので、その関数f(X)上において、投影しようとする画像の投射条件のデータ値を求めることが可能となる。従って、投影しようとする画像の投射条件のデータ値が、第1、第2のデータ記憶部28、33に収納されていなくても、画像を容易に対象面に結像することが可能となる。
【0021】また、制御装置23には、第1、第2の演算手段27、32が設けられているので、投影装置20を以下のように作動させることも可能である。まず、第1、第2のデータ記憶部28、33に収納されているデータ値をもとに、第1、第2の演算手段27、32を用いることで、投射条件のデータ値を画像の点ではなく、線として結ぶことが可能となる。その結果、対象面が動くものであっても、画像の軌跡上にある全ての点を実験し、投射条件のデータ値をとることなく、動く対象面の軌跡を自動的に追従し、結像することが可能となる。
【0022】なお、本発明の実施の形態においては、プロジェクター11からの原画像を対象面に結像した場合、プロジェクター11の設置場所等の条件により、結像範囲が制限される。従って、どの程度の範囲で画像を移動させる必要があるかを、予め明確にしておく必要がある。プロジェクター11からの原画像を対象面に結像する場合、プロジェクター11を所定の場所に設置した後、画像の対象面となる移動物体の移動範囲を予め予測して、その移動範囲の両側方向の実質的に中央を起点(0度)として傾斜角度φをセットする。また、プロジェクター11からの投射光の光軸を中心にして旋回させる旋回範囲において、ミラー12の反射面が、地面と実質的に平行となるときを起点(0度)として旋回角度θをセットすることを基本とする。これにより、傾斜角度φ、旋回角度θの±の角度変化量を検出することが可能となる。なお、この起点のセット方法は1方法であって、プロジェクター11からの原画像を対象面に結像する場合は予め実験して、その結像効果等を確かめた上で、自由に調整又は再セットすることも可能である。
【0023】続いて、ミラー12の傾斜角度φ及び旋回角度θの上限値及び下限値についてそれぞれ示す。ミラー12の傾斜角度φは、対象面の結像範囲を予め予測して、投影される画像を中心に、その移動範囲の両側方向の実質的に中央を起点(0度)とした場合、画像が切れることなく対象面に結像される角度の範囲内であれば何度でもよい。なお、この傾斜角度φの上限値及び下限値は、レンズ部13と、レンズ部13の上方部に設けられたミラー12との距離、及びミラー12の大きさにより変化するが、−180度<φ<180度の範囲で傾斜可能である。また、ミラー12の旋回角度θは、プロジェクター11からの投射光の光軸を中心にして旋回させる旋回範囲において、−180度<θ<180度の範囲で旋回させることが可能である。
【0024】なお、前記実施の形態においては、プロジェクター11に、液晶プロジェクターを使用した場合について示したが、プロジェクターからの原画像を対象面に結像する装置、例えば、オーバヘッドプロジェクターや、照明装置等を利用することも可能である。また、ミラー12は、固定部材の一例である鉄心を介して取付けられているが、ミラー12を取付け部材等の取付け部に固定でき、更に、ミラーの傾斜角度φを変えることができるものであれば他のものでもよい。そして、前記実施の形態においては、ミラー12の傾斜角度φを制御するパルスモータ16と、ミラー12の旋回角度θを制御するパルスモータ17は、それぞれ鉄心15、プロジェクター11の外部に取付けられている。しかし、外観性を考慮に入れ、固定部材15の内部、プロジェクター11の内部にそれぞれ配置することも可能である。更に、前記実施の形態においては、ミラー12は、プロジェクター11のレンズ部13の上方部に、取付け部材14と鉄心15を介して取付けているが、ミラー12に脚を取付けることで、一定の距離をおいて地面等へ設置することや、建物の壁等に設置することも可能である。
【0025】以上、本発明を、第1、第2の実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記実施の形態においては、対象面に結像する画像として、プロジェクターからの投射光(光)のみを照射することも可能である。
【0026】
【実施例】本発明に係る投影装置20を適用し実施した実施例について説明する。図5(A)、(B)に示すように、ここでは、6角形のホール40の内側周囲の各面に、それぞれ1台ずつ計6台のプロジェクター11を配置している。また、ホール40の中央部には役者43が演じる舞台45と、舞台45に対して実質的に垂直に対象面の一例である特殊ガラス41が配置され、更に、その周囲は観客スペース42が設けられている。これにより、観客44が舞台45上の役者43や、特殊ガラス41を鑑賞することができるようになっている。ここで、特殊ガラス41は、ガラスとガラスとの間に液晶が設けられているもので、電圧をかけるとすりガラスになり、電圧をかけないと透明ガラスになるというものである。
【0027】これにより、特殊ガラス41を透明にした場合、舞台45上で動く役者43(例えば、舞台45の上面を対象面とする。)に対し、制御装置23の第1、第2のデータ記憶部28、33のデータ値に基づいて、プロジェクター11からの投射光(光)を照射する。一方、投影しようとする対象面に対する投射条件のデータ値が、第1、第2のデータ記憶部28、33にない場合、第1、第2のデータ記憶部28、33に収納されている対象面毎のデータ値から、補間法により投射条件を求め対象面に光を照射することが可能となる。次に、特殊ガラス41をすりガラスにした場合、第1、第2のデータ記憶部28、33にある予め実験して求めたすりガラスに対する投射条件のデータ値に基づいて、各プロジェクター11からの原画像の再生を行うことが可能となる。従って、瞬時に各プロジェクター11からの原画像を特殊ガラス41に結像することが可能となる。上記した方法は、瞬時に繰り返し実施することが可能である。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の投影装置においては、プロジェクターを動かすことなく、プロジェクターからの原画像を、対象面のあらゆる位置に結像でき、更に対象面に結像した画像を、対象面に結像した状態で動かすことが可能となる。従って、プロジェクターからの原画像は精度良く、瞬時に、小さな動力で、しかも作業性良く対象面に結像することが可能となる。請求項2及び3記載の投影装置においては、投射条件がデータ記憶部に記憶できるので、プロジェクターからの原画像を対象面に結像する場合、再度投射条件を設定し直すことなく結像することが可能となる。従って、瞬時に対象面の位置にプロジェクターからの原画像を結像することが可能となる。特に、請求項3記載の投影装置においては、投射条件のデータ値をすべてデータ記憶部に記憶させることなく、プロジェクターからの原画像を対象面に結像することが可能となる。従って、対象面に結像する画像の投射条件のデータ値が、数点しか分からない場合でも、瞬時に演算処理して投射条件のデータ値を得ることが可能となる。これにより、多くの投射条件のデータ値を、予めすべて実験することなく、プロジェクターからの原画像を対象面に結像できるので、作業性が非常に良好となる。
【出願人】 【識別番号】500192296
【氏名又は名称】株式会社ストロベリーメディアアーツ
【出願日】 平成12年4月25日(2000.4.25)
【代理人】 【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
【公開番号】 特開2001−305651(P2001−305651A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−124424(P2000−124424)