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【発明の名称】 フィルム給送装置
【発明者】 【氏名】高橋 敬太

【要約】 【課題】簡単な構造でフィルム給送動作を正確に行なうフィルム給送装置を提供すること。

【解決手段】フィルム(不図示)を巻き取る巻取りスプール6を備えたスプール室5内に配置されたフィルムガイド部材(ガイドシートと称す)を有する例えばカメラ用のフィルム給送装置であり、この巻取りスプール6の周囲に配置され、給送されるフィルムをその巻取りスプール6に巻き付くようにガイドするために、スプール室5に係合する係合部(突部16a,16b)を有する可撓性のシート部材(即ちガイドシート15)とを備えたことを特徴とするフィルム給送装置を提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フィルムを巻き取るスプールを有するスプール室内に配置されたフィルムガイド部材を有するフィルム給送装置において、上記スプールの周囲に配置され、給送されるフィルムを上記スプールに巻き付くようにガイドするために上記スプール室に係合する係合部を有する可撓性のシート部材と、を具備することを特徴とするフィルム給送装置。
【請求項2】 フィルムを巻き取るスプールを有するスプール室内に配置されたフィルムガイド部材を有するカメラのフィルム給送装置において、上記スプールの周囲に配置され、給送されるフィルムを上記スプールに巻き付くようにガイドするために上記スプール室に係合する係合部を有する可撓性のシート部材と、を具備することを特徴とするカメラのフィルム給送装置。
【請求項3】 フィルムを巻き取るスプールと、上記スプールを有し、このスプールを回動可能に支持するスプール室と、上記スプール室の壁を形成する壁部材と、フィルムをガイドするため上記スプール室内に配置され、このスプール室と上記壁部材とで挟まれ固定された可撓性のシート部材と、を具備することを特徴とするカメラのフィルム給送装置。
【請求項4】 上記壁部材は、カメラの外装部材の一部であることを特徴とする、請求項3に記載のカメラのフィルム給送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムをスプールに巻き取るフィルム給送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】135判フィルムを給送するための給送装置に関する技術としては、例えば実開昭62−103030号公報に教示された「オートローディング用スプール」があり、これは、この種類のフィルムの自動装填を可能にするためのスプール機構を有している。このようなスプール構造を応用したものには、その他、フィルムを用いた近年の自動カメラなどに広く利用されている。
【0003】上記公報の技術を含むスプールドライブ式オートローディング機構は、フィルムをガイドするための薄くてほぼ均一な幅の矩形のガイドシートを有しているが、このガイドシートの詳しい取付け方法についてはその公報に記載されておらず、どのようにこのガイドシートをスプール室内の壁面に固定するかは分からない。ただし、通常そのガイドシートの一端部で両面粘着テープ等によって壁面に固定されている。このようにオートローディング機構を構成にすることにより、新しいフィルムの装填のためのガイドとしてこのガイドシートは働くことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の如きの従来技術では、フィルムが装填され給送されてくる際中に、そのガイドシートがスプール室の内壁面から外れてしまい、フィルムとフィルムの間にそのシートが巻き込まれる虞れがあり、次に行なわれるべきフィルム給送動作が正常に行なわれない等の不具合があった。この原因は、フィルムのローディング初期動作の際、フィルム先端部およびその近傍とガイドシートとの接触摩擦により、両面粘着テープだけで固定されていたこのガイドシートに大きな外力がかかって剥がれてしまうと考えられる。そこで本発明の目的は、簡単な構造をもって、フィルム給送動作を正確に行なうことのできるフィルム給送装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を達成するため、本発明では次のような手段を講じている。即ち本発明によれば、均一な幅をもっていた従来のガイドシートの形状を変え、係合できるような例えば突部を設けて、スプール室の内壁面に形成された突部当接用の凹部(カメラ本体側段部)と前カバー側のスプール室壁部との間に挟持させるように構成するものである。
【0006】例えば第1の発明では、フィルムを巻き取るスプールを有したスプール室内に配置されたフィルムガイド部材を有するフィルム給送装置において、このスプールの周囲に配置され、給送されるフィルムをそのスプールに巻き付くようにガイドするために上記スプール室に係合する係合部を有する可撓性のシート部材とを備えるようなフィルム給送装置を提案する。第2の発明では、同じくフィルムを巻き取るスプールを有したスプール室内に配置されたフィルムガイド部材を有するカメラのフィルム給送装置において、このスプールの周囲に配置され、給送されるフィルムをそのスプールに巻き付くようにガイドするために上記スプール室に係合する係合部を有する可撓性のシート部材とを備えるようなフィルム給送装置を提案する。
【0007】第3の発明では、フィルムを巻き取るスプールと、このスプールを有しこのスプールを回動可能に支持するスプール室と、このスプール室の壁を形成する壁部材と、当該フィルムをガイドするため上記スプール室内に配置されこのスプール室と上記壁部材とで挟まれ固定された可撓性のシート部材とを備えるようなカメラのフィルム給送装置を提案する。そして上記壁部材は、そのカメラの外装部材の一部であることを特徴とする上記第3の発明のフィルム給送装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、一つの実施形態を例に挙げて本発明の要旨について詳しく説明する。本発明のフィルム給送装置を含むカメラの組立構造を図1(a)〜(d)に示す。このカメラを構成する主な組立構成要素は、図1(a)に示すカメラ本体1と、この本体内のスプール室5に装着される図1(b)に示すガイドシート15と、このガイドシート15を粘着固定する図1(c)に示す両面テープ17と、カメラ本体1の前部を覆う図1(d)に示す外装(前カバー)20から構成されている。
【0009】カメラ本体1は、中央近傍にレンズ鏡筒2を有し、この下方に設けられたフィルム給送ユニット4によって、図中右側のカートリッジ室3内に装填されたフィルムを左側のスプール室5へ給送するように構成されている。このスプール室5に回転駆動可能に設けられた巻取りスプール6には、フィルムのパーフォレーション(孔)に引っ掛けて駆動力を伝えるパーフォレーション爪7が突設されている。巻取りスプール6の周面には、フィルムをその周面に押し付けるためのガイド板8aがばね10に付勢されて設けられ、後に詳述するガイドシート15を固定するための両面テープ貼付け部11が巻取りスプール6に平行する縁端に設定されている。
【0010】また、スプール室5の壁面端部(角部)には、固定を更に確実にするためそのガイドシート15を当接させて係止しておく一対の突当部9a,9b(突部当接部、段部)が形成されている。上記ガイドシート15は、例えばポリエステルの薄い可撓性のシート部材からできており、その形状は、均一な幅をもつ従来のような矩形ではなく、上記突当部9a,9bに当接して係合できるような突部16a,16bが幅方向に突出して成る例えば凸形状であることを特徴としている。さらにガイドシート15は、給送されてきたフィルム先端との摩擦を最小限にするため、巻取りスプール6に面する表面が滑らかに仕上げられている。
【0011】ガイドシート15は、貼り付け易くするために図1(b)のようにあらかじめ半筒状に成形していてもよく、突部16a,16bに隣接した外周面の2点鎖線で示す長細い領域に両面テープ17の一面を貼った後、カメラ本体1のスプール室5の内側部分を成す内壁面領域の両面テープ貼付け部11に固着される。
【0012】ガイド板8bは、巻取りスプール6のパーフォレーション爪7近傍の周面にその先端をばね10で圧接する位置に延設され、ガイドシート15をスプール6に押さえつけてこのガイドシートとともにフィルムをガイドしている。なお、スプール室5の内壁面は、このカメラの前カバーとしての外装20の内側部分である。そのスプール室5側の一部を切り欠いて、スプール室壁部25の外観を図1(d)に示すと、スプール室壁部25には所定の曲率をもった壁面が形成されており、この壁面内にフィルム端部から巻き取られるようになっている。
【0013】ここで図2に、このカメラの図1(a)中の線分A−Aに沿った断面構造を、後蓋(後カバー)30が閉じた状態の断面図で示す。本実施形態に例示したカメラのフィルム給送装置は、135判のフィルムカートリッジ(フィルムパトローネ)40が装填され、図示の如く後蓋30が閉じられると、フィルム給送ユニット4によるオートローディング動作が始動するように設定されている。圧板12は、圧ばね13で本体圧板レールに押圧され、フィルムレール面との間でフィルム通路を形成する。
【0014】スプール室5に設けられた巻取りスプール6が回転駆動されるとき、パーフォレーション爪7がフィルム40のパーフォレーションに引っ掛かり駆動力が伝えられ、そしてガイドシート15は、給送されてきたフィルム40の先端を巻取りスプール6に巻き付けるようにガイドしながらこの先端が図示の如くスプール周面に沿って巻き込まれその曲率を変化させながらスプール6の周面に巻き取られるように配設されている。
【0015】前述した「スプールドライブ式オートローディング機構」の主要部分は従来と共通であるため、周知の構成要素である例えばガイド板8a,8b、ばね10、圧板12、圧ばね13およびローラー14などの詳細な構成説明は省略し、特徴的なガイドシート15の働きとその固定方法について次に説明する。このガイドシート15は、フィルム先端を巻取りスプール6に確実に巻き付けるように働く。フィルム先端は最初に、ガイド板8aの先端のローラー14とスプール6との間に挟まれ、このローラー14に押圧され、巻取りスプール6が回動して爪7にフィルムのパーフォレーションをひっかけられ給送され、その後、ガイドシート6が成す曲面に沿って反時計廻りにガイドされながら、このフィルム先端をもう一方のガイド板8bとこの端部が接する巻取りスプール6との間に挟持される状態となる(詳細後述)。この状態から更に給送駆動されると、フィルム先端は巻取りスプール6の全周面にしっかりと巻回される。
【0016】ここで、ガイドシート15の固定方法における特徴を更に具体的にするため、図3(a),(b)に示す前カバー(外装20)とスプール室5内部に配置されるガイドシート15について説明する。このガイドシート15の固定方法では、粘着性両面テープ17による固定と共に、このガイドシート15端部(突部16a,16b)での係合による更なる固定が行なわれる。
【0017】詳しくは、図3(a)に示す如く、スプール室壁部25はカメラの外装20の内壁部分であり、図3(b)には、スプール室5に装着されたガイドシート15を図3(a)中Bから観たその内壁部分とガイドシート15の配置される位置を示している。このようにガイドシート15は、このカメラの外装20の内側部分を成すスプール室壁部25の内壁部分に沿って配置されるとき、前述した凹形状の突当部9a,9b(突部当接部、段部)にこのガイドシート15の幅方向の凸状を成す突部16a,16bが係合する位置となるように内壁面に沿って取り付けられる。このとき、スプール室5を構成するスプール壁部材25とカメラ本体縁部の段部(突当部9a,9b)とでそのガイドシート15の突部16a,16bを挟み込むことで、このガイドシート15を更に確実な固定状態になるように組み立ている。
【0018】(作用効果)このように本発明の一実施形態によれば、均一な幅をもっていた従来のガイドシートの形状を変え、しっかり係合できるような突部16a,16bを設けて、スプール室5の内壁面に形成された突部当接用の凹状を成す突当部(段部)9a,9bと外装20のスプール壁部材25との間に挟持させるように構成することによって、このガイドシート15は、フィルム先端を巻取りスプール6に巻き付けるように働き、別に設けた両面テープ17の固定力と相まって、フィルムとの摩擦などによってもガイドシート15が給送動作の最中にスプール室5内の壁面から外れないようになる。
【0019】つまり、本発明のガイドシート15は、両面テープ17の粘着力と共に、形状変更を加えたシート幅方向に一対の突部16a,16bが、外装20の突当部9a,9b(突部当接部)に当接し係合する充分な固定力によって、従来に増して更にしっかりと固定される。その結果、例えばフィルム自動給送機能を有するカメラに適用すれば、比較的簡単な構造上の変更にて、ガイドシート15が剥がれる事故が無くなりフィルム給送動作を常に正確に行なえるようなフィルム給送装置が実現する。
【0020】(変形例)上述の実施形態は次のように変形実施してもよい。例えば、ガイドシート15の材質はポリエステルに限定されない。またそのガイドシート15の形状的特徴としての係合部(突部16a,16b)の形状もまた、スプール室5に係合できるものであれば特に例示のような凸形状に限定されず、同様に凹形状の突当部9a,9bもまた、相互の凹凸関係でしっかりした係合が確立できるのであれば、それらの形状には限定されない。
【0021】さらに本発明は、APS(Advanced Photo System)規格のフィルムを利用するカメラにもほぼ同様に適用することができ、そのための適宜な変形実施により前述の実施形態と同等またはそれ以上の効果が期待できる。このほかにも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0022】以上、実施形態及びその変形例に基づき説明してきたが、本明細書中には次の発明が含まれる。例えば、(1) フィルムをガイドしてこのフィルムを巻き取るスプールに巻回させるように働くガイドシートを有するフィルム給送装置であって、上記ガイドシートは、上記スプールを有するスプール室に所定の係合関係で係合されることを特徴とするフィルム給送装置を提供できる。
【0023】(2) 上記の係合関係は、上記ガイドシートに形成された凹形状又は凸形状の係合部と、上記スプール室に形成された凸形状又は凹形状の突当部とによって確立されることを特徴とする(1)に記載のフィルム給送装置である。
(3) 上記フィルムは、135判フィルムまたはAPSフィルムの何れかの写真フィルム、あるいは、その他の用途のロール状フィルムであることを特徴とする(1)に記載のフィルム給送装置である。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構造によって、フィルム給送動作を正確に行なうことが可能なフィルム給送装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成12年4月25日(2000.4.25)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−305641(P2001−305641A)
【公開日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【出願番号】 特願2000−124397(P2000−124397)